JP2006508177A - オルガノホスファイトの選択的合成 - Google Patents

オルガノホスファイトの選択的合成 Download PDF

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Abstract

モノ−、およびジ−オルガノハロホスファイトを合成するための方法。

Description

本出願は、モノ−、ジ−およびトリ−オルガノホスファイトを合成するための方法に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許出願第10/454,043号明細書(2003年6月4日出願)の部分継続出願であるが、該出願はさらに、ヨアヒム・リッター(Joachim Ritter)による米国特許仮出願第60/430,426号明細書(2002年12月2日出願)の利益を主張するものである。
一般的な構造が(RO)P(OR)(OR)であるオルガノホスファイトは、数多くの商業的に重要な用途において使用されるが、そのような用途の例としては、抗酸化剤、安定剤、耐摩耗性添加剤、および各種触媒プロセスのための配位子などが挙げられる。オルガノホスファイトは一般に、PX(X=Cl、Br、I)とアルコールとから製造される。その反応は、段階的にPXのXをROHのORに置換させることによって進め、モノ−、ジ−およびトリ−オルガノホスファイトエステル、たとえば、(RO)PX、(RO)(RO)PX、および(RO)P(OR)(OR)ならびに酸のHXが生成する。この酸は、物理的な分離手段または、有機もしくは無機塩基を使用した酸塩基反応の手段によって除去することができる。
(非特許文献1)および(非特許文献2)に記載されているオルガノホスファイトを製造するためにいくつかの方法が、ホスファイトの製法としては公知で、そこでは、容易に入手可能なPClと対応するアルコールとを使用している。しかしながら、対応するホスホラスジクロリダイト(RO)P(Cl)およびクロリダイト(RO)P(OR)(Cl)、それぞれを得るための、アルコールによるClの置換の選択性が一般に低い。そのために、R、RおよびRが同一のものは例外として、一般的な構造(RO)P(OR)(OR)の特定のホスファイトの形成が制限を受けて、収率が低くなる。いくつかの用途ではそのような低選択率であっても受容されるが、他の場合では、異なったR基を有する特定の構造への選択率が高いことが極めて望ましい。
(非特許文献1)がまとめているところでは、脂肪族または芳香族アルコールから、第2の置換反応を抑制してジクロリダイトを好適に形成させるためには、大過剰のPClが必要であるとしているが、粗製のジクロリダイトを蒸留して過剰のPClを分離することが不可欠となる。ジクロリダイトとアルコールとからクロリダイトを形成させるのも、同様に選択率が低く、手間のかかる蒸留による精製が必要である。
(特許文献1)には、PCl(O−m−トリル)のための高収率な合成方法が記載されているが、その選択率が低いために、a)副生物のジクロリダイトPCl(O−m−トリル)とトリアリールホスファイトP(O−m−トリル)から分離するための蒸留と、b)その後の副生物のリサイクルと、からなる、時間のかかる方法をとる必要がある。
(特許文献2)から、クロリダイトとジクロリダイトを合成するためのより高い選択率が、段階的に保護基を使用する方法により達成できることが知られているが、この反応シーケンスでは、それぞれのRO基を導入するために2つの追加の反応工程が必要であり、プロセス全体としてはかなりのコストアップとなってしまう。
PClとROHからクロリダイトおよび/またはジクロリダイトを形成させるための選択率は一般に、有機第3級アミンを等モル量で使用することによって、高くなる。たとえば、米国特許公報(特許文献3)には、アルキルホスホロジクロリダイトを製造する際に、酸捕捉剤として第3級アミンを使用することが記載されている。アミンとアルコールの混合物を、有機溶媒中の過剰のPClに添加すると、対応するジクロリダイトがかなりの収率で得られる。しかしながら、クロリダイトの生成を抑制するためには、5倍量の過剰PClが必要である。さらに、その後でアンモニウム塩の濾過が必要で、蒸留によりPClを除去しないと、混合ホスファイトが製造できない。濾過もPClの蒸留も、顕著なコスト要因である。
米国特許公報(特許文献4)、および(特許文献5)における開示では、芳香族アルコール、PCl、およびトリアルキルアミンから誘導されるホスホラスジクロリダイト(RO)P(Cl)およびクロリダイト(RO)P(OR)(Cl)の収率は、0℃未満の、0℃から−20℃の間の温度を用いた場合のみ、満足できるものになる。低温が必要であり、またそのような温度範囲では生成混合物の粘度が高くなることから、運転コストの上昇とプロセスの複雑化が、著しいものとなる。
さらに、米国特許公報(特許文献4)には、PClとアリールアルコールを使用したオルガノジホスファイト化合物の選択的合成法も記載されている。しかしながら、その方法では、アルコールとして嵩高なオルト置換基を含むフェノールを使用した場合のみに受容可能な収率を与えるが、一般的な範囲の混合トリアリールホスファイトを、商業的に好ましい温度範囲で、高収率で得ることはできない。
国際公開第01/32666号パンフレット 国際公開第96/22968号パンフレット 米国特許第4,120,917号明細書 米国特許第6,069,267号明細書 EP1234831号明細書 ホウベン−ワイル(Houben−Weyl)、Bd.XXII/2、p.12〜17ページ(G.ティーメ・バーラグ(Thieme Verlag)、シュトゥットガルト(Stuttgart)、1964年) ホウベン−ワイル(Houben−Weyl)、追補E1巻、p.413〜421(シュトゥットガルト(Stuttgart)、ニューヨーク(New York)、1982年)
一般式(RO)P(OR)(OR)のオルガノホスファイトを選択的に商業生産するためには、PXの中およびROPXの中のXのアルコールによる置換が、商業的に実施可能な条件下で高選択率で起きるような方法が必要である。(RO)PX、(RO)(RO)PXおよび(RO)P(OR)(OR)を生産するための、低温に限定されることがなく商業的に実施可能で、高収率で、高度に選択率が高い方法があれば、望ましい。本明細書に記載する本発明が、そのような方法である。
本発明において、トリオルガノアミン(R’)(R’’)(R’’’)Nの存在下で、PXの中のXをアルコールROHのOR基によって置換する反応、および(RO)PXのXをアルコールROHのOR基によって置換する反応により、それぞれモノ−およびジ−オルガノホスファイトエステル、たとえば、(RO)PXおよび(RO)(RO)PXを形成させる場合の選択率が、トリオルガノアミンおよびそれぞれのアルコールの添加方法の影響を強く受けることが、見出された。化合物(RO)PXを、PX、アルコールROHおよびトリオルガノアミン(R’)(R’’)(R’’’)Nの反応によって、より高い選択率で製造することができるようにしたり、また化合物(RO)(RO)PXを、(RO)PX、アルコールROHおよびトリオルガノアミン(R’)(R’’)(R’’’)Nの反応によって、より高い選択率で製造することができるようにしたりするためには、トリオルガノアミンとそれぞれのアルコールを、(i)(RO)PXを製造するためのPX、および(ii)(RO)(RO)PXを製造するための(RO)PX、に加える際に、(RO)PXを製造する場合には、PXへのトリオルガノアミンとアルコールROHの添加を、あるいは、(RO)(RO)PXを製造する場合には、(RO)PXへのトリオルガノアミンとアルコールROHの添加を、トリオルガノアミンとそれぞれのアルコールの添加を別個ではあるが同時並行的に行うか、別個に且つ交互になるように行えばよい。反応混合物へのこの添加方法によって、トリオルガノアミンおよびそれぞれのアルコールを、低濃度で存在させ、それらのモル比が、(RO)PXを製造する場合ならばPXと(RO)PXに対して、また(RO)(RO)PXを製造する場合ならば(RO)PXと(RO)(RO)PXに対して低くなるようにすることが可能となり、添加時間の大部分の間で、(RO)PXを製造する場合のPX、(RO)(RO)PXを製造する場合の(RO)PXを過剰に使用する必要がなく、またアルコールおよびトリオルガノアミンのための溶媒を過剰に使用する必要もない。本発明の方法によれば、本分野で従来報告されていたものよりは、かなり高い反応温度も含めて広い温度範囲が可能となり、さらにより高い収率も可能となる。したがって、本発明は以下の方法である。
式(RO)PXの化合物を含む組成物を製造するための方法であって、
Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選択され、RはC〜C18アルキル、C〜C18アリールラジカル、またはC〜C18シクロアルキルラジカルであり、
ここで前記方法は:非プロトン性溶媒中に溶解させた所定量のPXを含む第1の溶液を、(i)所定量のアルコールROH、および所定量のトリオルガノアミン(R’)(R’’)(R’’’)Nを含む第2の溶液、および(ii)所定量のトリオルガノアミンおよび所定量のアルコールを含む第3の溶液と接触させる工程を含み、
R’、R’’およびR’’’は独立して、C〜C18アルキル、C〜C18アリールおよびC〜C18ヘテロアリールラジカルからなる群より選択され、そしてアルコールのトリオルガノアミンに対するモル比が5よりも大きく、トリオルガノアミンのアルコールに対するモル比が5よりも大きいことを特徴とする方法であり、
前記方法において、第1の溶液に第2および第3の溶液を別個に、以下のいずれかにより添加し、
(a)第2および第3の溶液のそれぞれを第1の溶液の中に、同時並行的かつ連続的に、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれが、PXに対して1時間あたり4モル当量以下となるような速度で、いずれの時点においても、添加したアルコールの全モル量が、添加したトリオルガノアミンの全モル量を、添加したトリオルガノアミンの全モル量の25%以上超えないという条件で、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が第1の溶液に添加されるまで添加を続けるか;または
(b)第2および第3の溶液のそれぞれを第1の溶液の中に、同時並行的かつ非連続的に、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれが、PXに対して1時間あたり4モル当量以下となるような速度で、アルコールが0.5モル当量以下しか含まれない第2の溶液の部分量として、そしてトリオルガノアミンが0.5モル当量以下しか含まれない第3の溶液の部分量として添加し、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が第1の溶液に添加されるまで添加を続けるか;または
(c)第2および第3の溶液のそれぞれを第1の溶液の中に、非連続的に、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれが、PXに対して1時間あたり4モル当量以下となるような速度で、アルコールが0.5モル当量以下しか含まれない第2の溶液の部分量として、そしてトリオルガノアミンが0.5モル当量以下しか含まれない第3の溶液の部分量として添加し、トリオルガノアミンの部分量に続けてアルコールの部分量を添加するか、またはアルコールの部分量に続けてトリオルガノアミンの部分量を添加するかのいずれかを繰り返すことによって、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が第1の溶液に添加されるまで、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が第1の溶液に添加されるまで添加を続けるか、のいずれかで添加して、
選択可能な(b)または(c)のいずれかにおいては、一連の非連続的な添加の中で、添加が同時並行的であるか順次的であるかにかかわらず、添加したトリオルガノアミンと添加したアルコールとの間のモル差が、PXに対して、0.5当量を超えないという条件で、式ROPXの化合物を含む組成物を製造する、
ことを特徴とする方法;および
式(RO)(RO)PXの化合物を含む組成物を製造するための方法であって、
Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選択され、RおよびRは独立して、C〜C18アルキル、C〜C18アリール、およびC〜C18シクロアルキルラジカルからなる群より選択される、
前記方法は:
非プロトン性溶媒中に溶解させた所定量のROPXを含む第1の溶液を、(i)所定量のアルコールROH、および所定量のトリオルガノアミン(R’)(R’’)(R’’’)Nを含む第2の溶液、および(ii)所定量のトリオルガノアミンおよび所定量のアルコールを含む第3の溶液と接触させる工程を含み、
R’、R’’およびR’’’は独立して、C〜C18アルキル、C〜C18アリールおよびC〜C18ヘテロアリールラジカルからなる群より選択され、そしてアルコールのトリオルガノアミンに対するモル比が5よりも大きく、トリオルガノアミンのアルコールに対するモル比が5よりも大きいことを特徴とする方法であり、
前記方法において、第1の溶液に第2および第3の溶液を別個に、以下のいずれかにより添加し、
(a)第2および第3の溶液のそれぞれを第1の溶液の中に、同時並行的かつ連続的に、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれが、(RO)PXに対して1時間あたり4モル当量以下となるような速度で、いずれの時点においても、添加したアルコールの全モル量が、添加したトリオルガノアミンの全モル量を、添加したトリオルガノアミンの全モル量の25%以上超えないという条件で、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が第1の溶液に添加されるまで添加を続けるか;または
(b)第2および第3の溶液のそれぞれを第1の溶液の中に、同時並行的かつ非連続的に、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれが、(RO)PXに対して1時間あたり4モル当量以下となるような速度で、アルコールが0.5モル当量以下しか含まれない第2の溶液の部分量として、そしてトリオルガノアミンが0.5モル当量以下しか含まれない第3の溶液の部分量として添加し、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が第1の溶液に添加されるまで添加を続けるか;または
(c)第2および第3の溶液のそれぞれを第1の溶液の中に、非連続的に、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれが、(RO)PXに対して1時間あたり4モル当量以下となるような速度で、アルコールが0.5モル当量以下しか含まれない第2の溶液の部分量として、そしてトリオルガノアミンが0.5モル当量以下しか含まれない第3の溶液の部分量として添加し、トリオルガノアミンの部分量に続けてアルコールの部分量を添加するか、またはアルコールの部分量に続けてトリオルガノアミンの部分量を添加するかのいずれかを繰り返すことによって、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が第1の溶液に添加されるまで、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が第1の溶液に添加されるまで添加を続けるか、
のいずれかで添加して、
選択可能な(b)または(c)のいずれかにおいては、一連の非連続的な添加の中で、添加が同時並行的であるか順次的であるかにかかわらず、添加したトリオルガノアミンと添加したアルコールとの間のモル差が、ROPXに対して、0.5当量を超えないという条件で、式(RO)(RO)PXの化合物を含む組成物を製造する、
ことを特徴とする方法。
本発明は、化合物(RO)PX、(RO)(RO)PX、(RO)(RO)P、および(RO)P(OR)(OR)を合成するための方法を記載する(ここでXは、Cl、BrおよびIからなる群より選択され、ここでR、R、およびRは、独立して、C〜C18アルキル、C〜C18アリール、およびC〜C18シクロアルキルラジカルからなる群より選択することができる)。
化合物(RO)PXを合成するためには、非プロトン性溶媒に溶解させた所定量のPXを含む第1の溶液を、(i)所定量のアルコールROH、および所定量のトリオルガノアミン(R’)(R’’)(R’’’)Nを含む第2の溶液(ここでR’、R’’およびR’’’は独立して、C〜C18アルキル、C〜C18アリールおよびC〜C18ヘテロアリールラジカルからなる群より選択され、そしてアルコールのトリオルガノアミンに対するモル比が5よりも大きい)、および(ii)所定量のトリオルガノアミンおよび所定量のアルコールを含む第3の溶液(ここでトリオルガノアミンのアルコールに対するモル比が5より大きい)と接触させ、式(RO)PXの化合物を含む組成物を製造する。
化合物(RO)(RO)PXを合成するためには、非プロトン性溶媒に溶解させた所定量のROPXを含む第1の溶液を、(i)所定量のアルコールROH、および所定量のトリオルガノアミン(R’)(R’’)(R’’’)Nを含む第2の溶液(ここでR’、R’’およびR’’’は独立して、C〜C18アルキル、C〜C18アリールおよびC〜C18ヘテロアリールラジカルからなる群より選択され、そしてアルコールのトリオルガノアミンに対するモル比が5よりも大きい)、および(ii)所定量のトリオルガノアミンおよび所定量のアルコールを含む第3の溶液(ここでトリオルガノアミンのアルコールに対するモル比が5よりも大きい)と接触させ、式(RO)(RO)PXの化合物を含む組成物を製造する。
第2および第3の溶液を第1の溶液の中に、別個にではあるが、同時並行的かつ連続的に、(RO)PXを製造する場合にはPXに対して、あるいは、(RO)(RO)PXを製造する場合には(RO)PXに対して、1時間あたり4モル当量以下となる速度で、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれを添加して、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が第1の溶液に添加されるまで添加を続けるが、ただし、いずれの時点においても、添加したアルコールの全モル量が、添加したトリオルガノアミンの全モル量を、添加したトリオルガノアミンの全モル量の25%以上超えないようにする。
第2および第3の溶液を第1の溶液の中に、別個且つ同時並行的ではあるが非連続的に、(RO)PXを製造する場合にはPXに対して、あるいは、(RO)(RO)PXを製造する場合には(RO)PXに対して、1時間あたり4モル当量以下となる速度で、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれを、アルコールが0.5モル当量以下しか含まれない第2の溶液の部分量として、そしてトリオルガノアミンが0.5モル当量以下しか含まれない第3の溶液の部分量として添加し、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が第1の溶液に添加されるまで添加を続ける。
第2および第3の溶液を第1の溶液の中に、別個且つ非連続的に、(RO)PXを製造する場合にはPXに対して、あるいは、(RO)(RO)PXを製造する場合には(RO)PXに対して、1時間あたり4モル当量以下となる速度で、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれを、アルコールが0.5モル当量以下しか含まれない第2の溶液の部分量として、そしてトリオルガノアミンが0.5モル当量以下しか含まれない第3の溶液の部分量として添加し、トリオルガノアミンの部分量に続けてアルコールの部分量を添加するか、またはアルコールの部分量に続けてトリオルガノアミンの部分量を添加するかのいずれかを繰り返すことによって、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が第1の溶液に添加されるまで、アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が第1の溶液に添加されるまで添加を続ける。
非連続添加のための上述の選択可能ないずれにおいても、一連の非連続的な添加の中で、添加が同時並行的であるか順次的であるかにかかわらず、添加したトリオルガノアミンと添加したアルコールとの間のモル差が、(RO)PXを製造する場合はPXに対して、あるいは(RO)(RO)PXを製造する場合は(RO)PXに対して、0.5当量を超えないようにする。
上述の方法によって製造した式(RO)PXの化合物を含む組成物は、(RO)PXを製造するための第1の溶液として使用することができる。PXと、アルコールROHおよび各種のトリオルガノアミンとを、上述の方法とは異なった方法により反応させて得られた生成物を使用することも可能である。たとえば、従来技術に記載されているより選択性の低い方法で調整し非プロトン性溶媒に溶解させた、(RO)PXもまた、使用することができる。
上述の方法を、PXのXをポリアルコールによって連続的に置換して、一般式A(OPX、B[(RO)(X)PO]などの反応生成物を得るためにも使用することができる(ここでAおよびBは、独立して、C〜C18アルキル、C〜C18シクロアルキル、およびC〜C18アリールの(n=2、n=3およびn=4に対応する)ジ−、トリ−またはテトラ−ラジカルからなる群より選択することができる)。
トリオルガノアミンとアルコールを別個に加えて、反応生成物が形成されている段階では、反応混合物中にそれらの原料の濃度が低くなるようにすることが、極めて重要である。さらに、(RO)PXを製造する場合にはPXおよび(RO)PXに対して、そして、(RO)(RO)PXを製造する場合には(RO)PXおよび(RO)(RO)PXに対しての、トリオルガノアミンおよびアルコールの濃度を、添加時間の大部分の間では、低くしておくこともまた重要である。このことは、上述の方法において達成することが可能であるが、たとえば、トリオルガノアミンとアルコールを、別個且つ同時並行的に、連続的・非連続的のいずれで添加してもよいし、あるいは、別個且つ非連続的に、トリオルガノアミンとアルコールの一方を少量、次いで他方を少量と、繰り返しながら添加してもよい。連続的、非連続的のいずれであっても、別個且つ同時並行的な添加は、直接反応容器の異なる位置の取り付けられるか、あるいは外部循環配管に取り付けられた、トリオルガノアミンとアルコールのそれぞれのための、1つまたは複数のフィードラインを使用することによって行うことができる。トリオルガノアミンとアルコールの一方、それに続けて他方を少量ずつ、別個で、非連続的な繰り返し添加を行う方法では、その添加を、トリオルガノアミンの少量部分の添加から始める方法が好ましい。この添加のやり方では、少なくとも2回の交互の添加を用いるのがより好ましい。別個ではあるが同時並行的に添加する方法が、最も好ましい。
Pに付加しているXの当量あたりに添加する、それぞれのアルコール性OH基の好適量は、生成物の分布にとっては重要であり、置換反応における基質の個々の選択性および、対応するホスファイトの目標とする分布によって決まってくる。リンに結合したX基のモル当量あたり、0.8〜1.2モル当量のアルコール性OH基とするのが、通常好ましい。置換させるリンに結合したX基あたり、1.00〜1.05モル当量のアルコール性OH基とするのがより好ましいが、この範囲に限定される訳ではない。
添加したトリオルガノアミンとアルコールの間の比率が、この方法でのどの時点をとったとしても、ROまたはROによるXの置換反応における選択率にとって重要である。ポリアルコールの場合、それぞれのアルコール性OH基が、Xの置換反応におけるOHのモル当量を表す。添加したトリオルガノアミンのモル当量と、アルコール性OH基のモル当量との間の量の差を、添加のどの時点をとったとしても、0.0〜1.0当量の間に維持するのが好ましい。この方法でのより好ましいやり方では、添加したトリオルガノアミンのモル当量と、アルコール性OH基のモル当量との間の量の差を、添加のどの時点をとったとしても、0.0〜0.05当量の間に維持する。さらに、添加したトリオルガノアミンのモル当量の量が、アルコール性OH基のモル当量の量よりも、添加のどの時点をとったとしても、0.0〜0.05当量だけ多いのが好ましい。本発明の最も好ましいやり方では、トリオルガノアミンとアルコールを、別個ではあるが同時並行的な方法で、等モル量で添加して、それにより、どの時点をとったとしても、添加したアルコール性OH基のモル当量の量が、添加したトリオルガノアミンのモル当量の量を超えないようにする。
上記の方法により製造した式(RO)(RO)PXの化合物を含む組成物を、さらなる量のアルコールROHおよびトリオルガノアミンと接触させて、式(RO)(RO)Pの化合物を含む生成物を得ることもできる。上記の方法により製造した式(RO)(RO)PXの化合物を含む組成物を、アルコールROHおよびトリオルガノアミンと接触させて、式(RO)P(OR)(OR)の化合物を含む生成物を得ることもできる。
アルコールおよびトリオルガノアミンを添加している間は、当業者には公知の方法をもちいて、良好な撹拌をあたえることが、充分に熱を除去し、そしてトリオルガノアミンまたはアルコールの濃度が高い領域を作らないようにするためには、重要である。本発明は、混合化合物、たとえば、化合物(RO)(RO)Pと(RO)P(OR)(OR)とを製造する場合に、特に有効である。アルコールとトリオルガノアミンとを同時並行的に添加している際には、どの時点であっても、アルコールの種類に応じて、アルコールのフィード量を変化させることができる。混合ホスファイトの(RO)(RO)PXは、最初に、アルコールROHのほぼ1当量とトリオルガノアミンとを、別個且つ同時並行的に添加し、それに続けて、アルコールROHのほぼ1当量とトリオルガノアミンとを添加することによって、高い選択率で合成することができる。
リン反応剤と、生成物の加水分解を最小限に抑えるためには、本発明の方法において使用するトリオルガノアミンの(R’)(R’’)(R’’’)Nは、可能な限り乾燥させておくべきであり、それらは、脂肪族、芳香族およびヘテロ芳香族アミンまたはそれらの組合せからなる群より独立して選択される。使用するトリオルガノアミンは、置換されていても、置換されていなくてもよい。しかしながら、ホスファイト生成物の望ましくない転位反応を避けるために、対応するトリオルガノ−アンモニウム塩が、その反応媒体の中で酸反応性を示すことないようにするのが好ましい。好適なアミンは、トリアルキルアミンからなる群から選択されるアミンである(ここでアルキル基は、直鎖状、分枝状または環状であり、1〜12個の炭素原子を有し、互いに結合していてもよい)。トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルプロピルアミンおよびジメチルイソプロピルアミンの群から選択されるアミンがより好ましい。
非プロトン性溶媒が好適であるが、ただし、それらは、PX、トリオルガノアミン、アルコールおよびトリオルガノ−アンモニウム塩と反応してはならない。解離したトリオルガノアンモニウム塩に伴う酸度が、望ましくない転位反応の原因となり得るような場合には、溶媒が、反応の間に生成するトリオルガノアンモニウム塩を溶解させる能力を有していてはならない。さらに、所望する反応温度よりも低い融点を有する溶媒が好ましい。好適な溶媒は、非プロトン性有機溶媒またはそれらの混合物の群から選択される。脂肪族および芳香族溶媒の群から選択される溶媒または溶媒混合物が、より好ましい。溶媒または溶媒混合物で最も好ましいのは、トルエン、キシレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタリンおよびエチルベンゼンからなる群より選択される芳香族溶媒である。
トリオルガノアミンとアルコールの添加速度は一般に、その装置の混合および冷却能力によって制限される。実際の添加時間は、15分から12時間迄の範囲である。好ましい範囲は、1〜6時間である。
反応剤と生成物の濃度は一般に、生成するトリオルガノアミン・HXのスラリーを効果的に混合できる能力によって制限される。リン系化合物、トリオルガノアミン、およびアルコールの濃度は独立して選択できるが、ただし、本明細書に記載される上記および下記のプロセス条件が維持される限りにおいては、密度と溶解性のみによって制限を受ける。アルコールとアミンは、無希釈でフィードしても、あるいは溶媒で希釈してフィードしてもよい。アルコールのフィードの中にトリオルガノアミンを含んでいてもよいし、またトリオルガノアミンのフィードの中にアルコールを含んでいてもよいが、アルコールフィードの場合には、アルコールのトリオルガノアミンに対するモル比が、5を超える、好ましくは9を超えるようにすべきであり、トリオルガノアミンフィードの場合には、トリオルガノアミンのアルコールに対するモル比が、5を超える、好ましくは9を超えるようにすべきである。アルコールを含むフィードにはトリオルガノアミンを含まず、トリオルガノアミンを含むフィードにはアルコールを含まないようにするのが、最も好ましい。トリオルガノアミンとアルコールのフィードにおける好適な濃度範囲は、フィード溶液中で1〜4モル/Lである。反応器中でのリン含有生成物の最終的な濃度は、約1%〜35%の範囲とすることができる。反応器中のリン含有生成物の濃度は、7%〜25重量%の範囲とするのが好ましい。
本発明の方法において、溶媒、トリオルガノアミン、アルコールおよび反応容器中の水分は、所望のモノホスファイト、ジホスファイトおよびトリホスファイト生成物の収率を下げる可能性がある。従って、溶媒、反応剤、および容器の中の水分含量を、経済的な観点から許容可能な収率が得られるまで低下させ、反応を不活性雰囲気下で実施する必要がある。
好適なPX化合物とは、Xがトリオルガノアミンの存在下でアルコールと交換反応して、P−O結合と、HX・トリオルガノアミンの塩を形成できるようなものである。Xとして好適な基は、Cl、Br、Iである。Clが最も好ましい。
原理的には、塩基の存在下でPXと反応することが可能なアルコールはすべて、本発明のための基質として適している。芳香族、さらには脂肪族アルコールは、上述の反応を適用する限りでは、PXおよび(RO)PXとの置換反応において、顕著に高い選択性を示す。好適なアルコールの例を非限定的に挙げれば、第1級、第2級および第3級脂肪族アルコールで、ジオールやポリオールも含む。非限定的な例としてはさらに、置換および非置換のフェノール、ナフトール、ヒドロキシフェナントレンおよびヒドロキシアントラセン、ヒドロキシ置換した複素芳香族化合物の群からの、芳香族アルコール、ジオールおよびポリオールが挙げられる。
PX中のXに所定の置換をさせるための好適な反応温度は、アルコールの構造的および電子的な性質と、対応する生成物の分解温度とによって、決まってくる。しかしながら、本発明は、従来技術のところで既に述べたような低温に限定されるわけではない。芳香族アルコールは、最高では55℃にもなる広い温度範囲で、対応するホスホロジクロリダイトおよびクロリダイトへの良好な選択率を与える。ほとんどの場合において、立体的に障害のあるアルコール、たとえばオルト−置換フェノールは、立体障害の少ないアルコール、たとえば、非置換や、オルト−置換のないメタ−またはパラ−置換芳香族アルコールに比較して、対応するジクロリダイトおよびクロリダイトを、より良好な収率で与える。アルコールの反応性が低い場合には、添加速度と同等またはそれより早い反応速度を得るのに充分な、反応温度とするのが好ましい。商業的な運転では、達成可能な温度範囲は、利用できる装置の限度に従うので、−25℃より高い温度とするのが、一般に好ましい。この方法のための好ましい温度は、−25℃〜+65℃であるが、この温度範囲に限定される訳ではない。
この反応は、圧力の影響はあまり受けず、実用上の条件だけからの制限を受ける。実務的な理由から、好適な反応圧力は、10psia(69kPa)〜50psia(345kPa)の範囲である。
上述の方法により形成される化合物の(RO)PXおよび(RO)(RO)PXは、同一の反応器または別な反応器の中で、(RO)PXまたは(RO)(RO)PXの残っているXを、1つまたは複数の、OR、OR、SR、SR、NR、およびNR基に置き換えることによって、それぞれ対応するホスファイトの(RO)P(OR)(OR)および(RO)(RO)P、チオホスファイトの(RO)P(OR)(SR)、(RO)P(SR)(SR)、またはアミダイトの(RO)P(OR)(NR)、(RO)P(NR)(NR)に都合よく転換させることができる(ここでR、R、R、R、R、R、RおよびRは独立して、C〜C18アルキル、C〜C18アリール、およびC〜C18シクロアルキルラジカルからなる群より選択される)。化合物(RO)(RO)PXを加水分解して、(RO)(RO)POHとすることができる。(RO)P(OR)(OR)の場合には、この反応生成物は、(RO)PXに対して、約1モル当量のトリオルガノアミン、それに続けて1当量のアルコールROHを添加することによって、得ることができる。(RO)P(ORの場合には、この反応生成物は、(RO)(RO)PXに対して、約2モル当量のトリオルガノアミン、それに続けて2当量のアルコールHORを添加することによって、得ることができる。(RO)PXおよび(RO)(RO)PXを形成させる場合とは対照的に、(RO)P(OR)(OR)および先に述べた誘導体に転換させるためには、アルコールとアミンを、所望によっては、混合物としてフィードすることもできる。同様にして、チオホスファイトたとえば、(RO)P(OR)(SR)、(RO)P(SR)(SR)、およびアミダイトたとえば、(RO)P(OR)(NR)、(RO)P(NR)(NR)は、(RO)PXまたは(RO)(RO)PXと、それぞれ第2級アミンおよびチオールとから、製造することができる。
本明細書に記載した方法は、連続法としても実施することが可能であり、その際には、トリオルガノアミンとアルコールは同時並行的ではあるが別個に、連続タイプの反応器、たとえば連続流撹拌槽反応器(CSTR)の中へ添加する。同時にPXを、トリオルガノアミンとは別個または共に添加し、トリオルガノアミンとアルコールを別個且つ同時並行的にフィードする。本発明のこの実施態様は、改良された混合および伝熱性を備えた、より小型の反応容積で実施できるという利点を有している。連続法のより好ましい変法においては、直列に並べた2〜10基のCSTRを使用するが、ここで、PXは第1の反応器にのみフィードし、トリオルガノアミンとアルコールは、それに続くそれぞれの反応器の中に分散して、別個且つ同時並行的にフィードする。連続反応器の最も好適な例では、プラグフロー反応器を使用するが、そこでは、PXをプラグフロー反応器の入口部分にフィードし、トリオルガノアミンとアルコールは、そのプラグフロー反応器の長さ方向に設けた、複数のフィードポートを通して、同時並行的ではあるが別個に、等モルの割合で添加する。
ホスホロクロリダイトおよびホスホロジクロリダイトの構造:
Figure 2006508177
実施例1、15、18および24では、立体障害の少ない芳香族アルコール(ArOH)から誘導したクロリダイトおよびジクロリダイトが高い選択率で製造できることを示している。31P NMRの化学シフトδ(75MHz)はすべて、トリフェニルホスフィンオキシド(δ:25.6)を基準にしたppmで表している。特に記さない限り、31P NMR用のサンプルはすべて、反応容積0.4mLをC中0.1モル濃度のトリフェニルホスフィンオキシド0.8mLと混合することにより調製した。反応およびサンプリング手順はすべて、空気および水分を遮断した条件下で実施した。
(実施例1:ホスホロクロリダイト1aおよびホスホロジクロリダイト2aの合成)
50mLの1.0モル濃度のPCl(トルエン中)を仕込んでおいた、温度調節した250mLのバッフル付きフラスコの中に、激しく撹拌しながら、25mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)溶液、および、25mLの2.0モル濃度のo−クレゾール(トルエン中)溶液を、別個且つ同時並行的に、2連のシリンジポンプを用いて90分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−5℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2a(δ:182.7)に、97%の選択率で、きれいに転換されていることがわかった。それぞれ2.0モル濃度のトリエチルアミン溶液(トルエン中)および2.0モル濃度のo−クレゾール溶液(トルエン中)の第2の25mLを、別個且つ同時並行的に、2連のシリンジポンプを用いて90分かけて添加した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1a(δ:161.9)に、91%の総合選択率で、きれいに転換されていることがわかった。
(実施例2〜5):
1aおよび2aの収率に対する、−15℃から+15℃の間での、温度の効果を示す。これらの実施例は、温度を変化させた以外は、実施例1と同様の条件で実施した。31P NMRの分析から得られた結果を、表1に示す。
(表1:温度範囲−15℃〜+15℃における、1aおよび2aの収率におよぼす温度の影響)
これらの実施例はすべて、温度を変化させた以外は、実施例1と同様の条件で実施した。結果は31P NMR分析から得られたもので、反応混合物中のそれぞれの成分のモル当量分率として表している。
Figure 2006508177
(実施例6〜10):
1aおよび2aの収率に対する、−20℃から+55℃の間での、温度の効果を示す。これらの実施例はすべて、温度を変化させた以外は、実施例6と同様の条件で実施した。31P NMRの分析から得られた結果を、表2に示す。
(実施例6:ホスホロクロリダイト1aおよびホスホロジクロリダイト2aの合成)
200mLの1.0モル濃度のPCl(トルエン中)を仕込んだ、オーバーヘッド撹拌器を取り付け、温度調節した500mLバッフルおよびジャケット付きガラス反応器の中に、激しく撹拌しながら、100mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)の溶液と、100mLの2.0モル濃度のo−クレゾール(トルエン中)溶液とを、別個且つ同時並行的に、ペリスタポンプを用いて、45分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−20℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2aに、94%の選択率で、きれいに転換されていることがわかった。それぞれ2.0モル濃度のトリエチルアミン溶液(トルエン中)および2.0モル濃度のo−クレゾール溶液(トルエン中)の第2の100mLを、別個且つ同時並行的に、ペリスタポンプを用いて45分かけて添加した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイトに、93%の総合選択率で、きれいに転換されていることがわかった。
(表2:温度範囲−20℃〜+55℃における、1aおよび2aの収率のおよぼす温度の影響)
これらの実施例はすべて、温度を変化させた以外は、実施例6と同様の条件で実施した。結果は31P NMR分析から得られたもので、反応混合物中のそれぞれの成分のモル当量分率として表している。
Figure 2006508177
(実施例11):
この実施例では、表3の実施例9と対比させて、反応剤の濃度を2倍にした場合の、1aおよび2aの収率におよぼす効果を示す。
200mLの2.0モル濃度のPCl(トルエン中)を仕込んだ、オーバーヘッド撹拌器を取り付け、温度調節した500mLバッフルおよびジャケット付きガラス反応器の中に、激しく撹拌しながら、100mLの4.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)の溶液と、100mLの4.0モル濃度のo−クレゾール(トルエン中)溶液とを、別個且つ同時並行的に、ペリスタポンプを用いて、80分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を35℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2aに、91%の選択率で、きれいに転換されていることがわかった。それぞれ4.0モル濃度のトリエチルアミン溶液(トルエン中)および4.0モル濃度のo−クレゾール溶液(トルエン中)の第2の100mLを、別個且つ同時並行的に、ペリスタポンプを用いて80分かけて添加した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1aに、90%の総合選択率で、きれいに転換されていることがわかった。
(表3:実施例9と対比した、反応剤濃度を2倍にした場合の、1aおよび2aの収率におよぼす効果)
結果は31P NMR分析から得られたもので、反応混合物中のそれぞれの成分のモル当量分率として表している。
Figure 2006508177
(実施例12〜14):
1aおよび2aの収率におよぼす、フィード速度の効果を示す。結果を表4に示す。これらの実施例は、フィード速度を変化させた以外は、実施例1と同様の条件で実施した。31P NMRの分析から得られた結果を、表4に示す。
(表4:フィード速度の、1aおよび2aの収率におよぼす効果)
これらの実施例は、フィード速度を変化させた以外は、実施例1と同様の条件で実施した。結果は31P NMR分析から得られたもので、反応混合物中のそれぞれの成分のモル当量分率として表している。
Figure 2006508177
(実施例15:ホスホロクロリダイト1bおよびホスホロジクロリダイト2bの合成)
50mLの1.0モル濃度のPCl(トルエン中)を仕込んでおいた、温度調節した250mLのバッフル付きフラスコの中に、激しく撹拌しながら、25mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)溶液、および、25mLの2.0モル濃度の2,4−キシレノール(トルエン中)溶液を、別個且つ同時並行的に、2連のシリンジポンプを用いて90分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−5℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2b(δ:183.0)に、98%の選択率で、きれいに転換されていることがわかった。それぞれ2.0モル濃度のトリエチルアミン溶液(トルエン中)および2.0モル濃度の2,4−キシレノール溶液(トルエン中)の別な26mLを、別個且つ同時並行的に、2連のシリンジポンプを用いて90分かけて添加した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1b(δ:162.3)に、93%の総合選択率で、きれいに転換されていることがわかった。
(実施例16および17):
ホスホロクロリダイト1bおよびホスホロジクロリダイト2bの合成は、0.4モルPClスケールの場合の、−5℃および+35℃における収率におよぼす温度の影響を示す。
(実施例16)
400mLの1.0モル濃度のPCl(トルエン中)を仕込んだ、オーバーヘッド撹拌器を取り付け、温度調節した2000mLバッフルおよびジャケット付きガラス反応器の中に、激しく撹拌しながら、200mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)の溶液と、200mLの2.0モル濃度の2,4−ジメチルフェノール(トルエン中)溶液とを、別個且つ同時並行的に、ペリスタポンプを用いて、133分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−5℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2bに、96%の選択率で、きれいに転換されていることがわかった。それぞれ2.0モル濃度のトリエチルアミン溶液(トルエン中)および2.0モル濃度の2,4−ジメチルフェノール溶液(トルエン中)の第2の200mLを、別個且つ同時並行的に、ペリスタポンプを用いて133分かけて添加した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1bに、94%の総合選択率で、きれいに転換されていることがわかった。
(実施例17)
400mLの1.0モル濃度のPCl(トルエン中)を仕込んだ、オーバーヘッド撹拌器を取り付け、温度調節した2000mLバッフルおよびジャケット付きガラス反応器の中に、激しく撹拌しながら、200mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)の溶液と、200mLの2.0モル濃度の2,4−ジメチルフェノール(トルエン中)溶液とを、別個且つ同時並行的に、ペリスタポンプを用いて、85分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を+35℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2bに、92%の選択率で、きれいに転換されていることがわかった。それぞれ2.0モル濃度のトリエチルアミン溶液(トルエン中)および2.0モル濃度の2,4−ジメチルフェノール溶液(トルエン中)の第2の206mLを、別個且つ同時並行的に、ペリスタポンプを用いて88分かけて添加した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1bに、95%の総合選択率で、きれいに転換されていることがわかった。
(実施例18:ホスホロクロリダイト1cおよびホスホロジクロリダイト2cの合成)
50mLの1.0モル濃度のPCl(トルエン中)を仕込んでおいた、温度調節した250mLのバッフル付きフラスコの中に、激しく撹拌しながら、26mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)溶液、および、26mLの2.0モル濃度のo−エチルフェノール(トルエン中)溶液を、別個且つ同時並行的に、2連のシリンジポンプを用いて90分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−5℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2c(δ:183.2)に、96%の選択率で、きれいに転換されていることがわかった。それぞれ2.0モル濃度のトリエチルアミン溶液(トルエン中)および2.0モル濃度のo−エチルフェノール溶液(トルエン中)の別の24.0mLを、別個且つ同時並行的に、2連のシリンジポンプを用いて90分かけて添加した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1c(δ:161.5)に、93%の総合選択率で、きれいに転換されていることがわかった。
(実施例19):
この実施例では、添加工程の間に、添加したアルコールの量が添加したトリオルガノアミンの量よりも多くなると、ジクロリダイト2cの合成の際の、PClにおけるクロリドのフェノラートによる置換反応の選択率が顕著に低下することを示す。
50mLの1.0モル濃度のPCl(トルエン中)を仕込んでおいた、温度調節した250mLのバッフル付きフラスコの中に、激しく撹拌しながら、25mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)溶液、および、25mLの2.5モル濃度のo−エチルフェノール(トルエン中)溶液を、別個且つ同時並行的に、2連のシリンジポンプを用いて90分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−5℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2cに、82%の選択率で、転換されていることがわかったが、これは、実施例18に比較すると選択率が14%低下している。
(実施例20:混合ホスホロクロリダイト1dおよびホスホロジクロリダイト2bの合成)
この実施例では、立体障害の少ない芳香族アルコール(ArOH)から誘導した混合クロリダイトが、最終的なクロリダイト濃度が0.167モル/Lに達する、高い選択率で製造できることを示す。
60mLの1.0モル濃度のPCl(トルエン中)と0.6mLの1.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)の溶液を、オーバーヘッド撹拌器を取り付け、温度調節した1000mLバッフル付きフラスコの中に仕込んだ。激しく撹拌しながら、59mLの1.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)溶液、および、59mLの1.0モル濃度の2,4−キシレノール(トルエン中)溶液を、別個且つ同時並行的に、2台のペリスタポンプを用いて、1.5mL/分の速度で添加した。添加をしている間、その反応温度を−10℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2bに、96%の選択率で、きれいに転換されていることがわかった。次いで、1.0モル濃度のトリエチルアミン溶液(トルエン中)および1.0モル濃度のo−エチルフェノール溶液(トルエン中)それぞれ59.0mLを、別個且つ同時並行的に、2台のペリスタポンプを用いて、1.5mL/分の速度で添加した。31P NMRの分析から、対応する混合クロリダイト1d(δ:162.5)に、95%の総合選択率で、きれいに転換されていることがわかった。
(実施例21:混合ホスホロクロリダイト1dおよびホスホロジクロリダイト2cの合成)
この実施例では、立体障害の少ない芳香族アルコールから誘導した混合クロリダイトが、最終的なクロリダイト濃度が0.333モル/Lに達する、高い選択率で製造できることを示す。
200mLの1.0モル濃度のPCl(トルエン中)と2.0mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)を仕込んだ、オーバーヘッド撹拌器を取り付け、温度調節した1000mLバッフル付きフラスコの中に、激しい撹拌下に、98mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)溶液と98mLの2.0モル濃度のo−エチルフェノールの溶液(トルエン中)とを、別個且つ同時並行的に、2台のペリスタポンプを用いて、2.0mL/分の速度で添加した。添加をしている間、その反応温度を−10℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2cに、95%の選択率で、きれいに転換されていることがわかった。次いで、2.0モル濃度のトリエチルアミン溶液(トルエン中)と2.0モル濃度の2,4−キシレノール溶液(トルエン中)のそれぞれ98mLを、別個且つ同時並行的に、2台のペリスタポンプを用いて、2mL/分の速度で添加した。31P NMRの分析から、対応する混合クロリダイト1dに、96%の総合選択率で、きれいに転換されていることがわかった。
(実施例22:混合ホスホロクロリダイト1gおよびホスホロジクロリダイト2dの合成)
この実施例では、立体障害の少ない芳香族アルコールから誘導した混合クロリダイトが、最終的なクロリダイト濃度が0.333モル/Lに達する、高い選択率で製造できることを示す。
オーバーヘッド撹拌器を取り付け、温度調節した1000mLバッフル付きガラス反応器フラスコの中へ、200mLの1.0モル濃度のPCl(トルエン中)および2mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)を仕込んだ。激しく撹拌しながら100mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)溶液、および100mLの2.0モル濃度のチモール(トルエン中)の溶液を、別個且つ同時並行的に、2台のペリスタポンプを用いて50分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−10℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2d(δ:181.2)に、95%の選択率で、きれいに転換されていることがわかった。次いで、それぞれ2.0モル濃度のトリエチルアミン溶液(トルエン中)100mLおよび2.0モル濃度の2,4−キシレノール溶液(トルエン中)100mLを、別個且つ同時並行的に、2連のシリンジポンプを用いて50分かけて添加した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1g(δ:159.9)に、96%の総合選択率で、きれいに転換されていることがわかった。
(実施例23:ホスホロクロリダイト1eおよびホスホロジクロリダイト2eの合成)
この実施例では、脂肪族のホスホロクロリダイトとホスホロジクロリダイトが、良好な選択率で製造できることを示す。
温度調節した300mLのバッフル付き丸底フラスコの中に、25mLの2.0モル濃度のPCl(トルエン中)溶液を仕込んだ。激しく撹拌しながら、25mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)溶液、および25mLの2.0モル濃度のエチルアルコール(トルエン中)溶液を、別個且つ同時並行的に、2連のシリンジポンプを用いて100分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−10℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2eに、94%の選択率で、転換されていることがわかった。それぞれ2.0モル濃度のトリエチルアミン溶液(トルエン中)および2.0モル濃度のエチルアルコール溶液(トルエン中)の別の25mLを、別個且つ同時並行的に、2連のシリンジポンプを用いて100分かけて添加した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1eに、70%の総合選択率で、転換されていることがわかった。それぞれ2.0モル濃度のトリエチルアミン溶液(トルエン中)および2.0モル濃度のエチルアルコール溶液(トルエン中)の別の4.7mLを、別個且つ同時並行的に、2連のシリンジポンプを用いて添加した。最終的な生成物の分布は、82%ホスホロクロリダイト1eと、18%トリエチルホスファイトになった。塩化エチルは形成されていなかった。
(実施例24:ホスホロクロリダイト1fおよびホスホロジクロリダイト2fの合成)
この実施例では、オルト−置換基を持たないフェノールから誘導されるホスホロクロリダイトおよびホスホロジクロリダイトが、良好な選択率で製造できることを示す。
温度調節した300mLのバッフル付き丸底フラスコの中に、25mLの2.0モル濃度のPCl(トルエン中)を仕込んだ。激しく撹拌しながら、25mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)溶液、および25mLの2.0モル濃度のフェノール(トルエン中)溶液を、別個且つ同時並行的に、2連のシリンジポンプを用いて100分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−10℃に維持した。31P NMRの分析から、ジクロリダイト2fに、92%の選択率で、転換されていることがわかった。それぞれ2.0モル濃度のトリエチルアミン溶液(トルエン中)および2.0モル濃度のフェノール溶液(トルエン中)の第2の追加の25mLを、別個且つ同時並行的に、2連のシリンジポンプを用いて100分かけて添加した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1fに、80%の総合選択率で、転換されていることがわかった。
(実施例25〜40:混合ホスファイトの合成)
これらの実施例では、実施例1、18、21および23において記述した方法に従って合成された、ホスホロクロリダイト1a、1c、1dおよび1eからの、混合芳香族および脂肪族ホスファイトの選択的合成を示す。
実施例1、18、21および23で調整した、トルエン中の対応する粗製ホスホロクロリダイトとトリエチルアンモニウムクロリドのトルエン懸濁液の1gずつに、約1.2当量の2.0モル濃度のNEt(トルエン中)を添加した。その混合物を5℃で撹拌しながら、1.0当量のそれぞれのアルコールまたは0.5当量のそれぞれのジオールを添加した。この生成物の懸濁液の内の、0.4mLの反応容積を、0.8mLの0.1モル濃度のトリフェニルホスフィンオキシド(C中)と合体させ、その混合物を31P NMRにより分析した。結果を表5に示す。NMRの化学シフトはすべて、トリフェニルホスフィンオキシド(δ:25.6)を基準にしたppmで表している。
(表5:混合ホスファイト、(RO)(RO)(RO)Pおよび(RO)(RO)Pの合成収率)
結果は31P NMR分析から得られたもので、反応混合物中のそれぞれの成分のモル当量分率として表している。
Figure 2006508177
Figure 2006508177
Figure 2006508177
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Figure 2006508177
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(比較例)
(比較例A:PClにトリオルガノアミンとアルコールの混合物を0.67モル当量/時間の速度で添加する条件下での、ホスホロクロリダイト1aおよびホスホロジクロリダイト2aの合成)
温度調節した250mLバッフル付きフラスコに、50mLの1.0モル濃度のPCl(トルエン中)を仕込んだ。激しく撹拌しながら、25mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)と25mLの2.0モル濃度のo−クレゾール(トルエン中)の混合物を、単一のシリンジポンプを用いて90分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−5℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2aに、わずか16%の選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、PCl 56%;ジクロリダイト7%;クロリダイト9%;トリアリールホスファイト28%であった。激しく撹拌しながら、25mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)と25mLの2.0モル濃度のo−クレゾール(トルエン中)のもう1つの混合物を、単一のシリンジポンプを用いて90分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−5℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1aに、わずか14%の総合選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、PCl 21%;ジクロリダイト7%;クロリダイト14%;トリアリールホスファイト58%であった。
(比較例B:PClにトリオルガノアミンとアルコールの混合物を0.3モル当量/時間の速度で添加する条件下での、ホスホロクロリダイト1aおよびホスホロジクロリダイト2aの合成)
温度調節した300mLのバッフル付き丸底フラスコの中に、25mLの2.0モル濃度のPCl(トルエン中)を仕込んだ。激しく撹拌しながら、25mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)と25mLの2.0モル濃度のo−クレゾール(トルエン中)の混合物を、単一のシリンジポンプを用いて200分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−5℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2aに、わずか14%の選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、PCl 57%;ジクロリダイト6%;クロリダイト10%;そしてトリアリールホスファイト28%であった。激しく撹拌しながら、25mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)と25mLの2.0モル濃度のo−クレゾール(トルエン中)のもう1つの混合物を、単一のシリンジポンプを用いて200分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−5℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1aに、わずか17%の総合選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、PCl 18%;ジクロリダイト9%;クロリダイト17%;そしてトリアリールホスファイト56%であった。
(比較例C:1当量のPClと2当量のアルコールの混合物に2モル当量のトリオルガノアミンを添加する条件下での、ホスホロクロリダイト1aおよびホスホロジクロリダイト2aの合成)
温度調節した300mLのバッフル付き丸底フラスコに、いずれもトルエン中に溶解させた、50mLの1.0モル濃度のPClと50mLの2.0モル濃度のo−クレゾールの混合物を仕込んだ。25mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)溶液を、激しく撹拌しながら、単一のシリンジポンプを用いて100分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−5℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2aに、わずか51%の選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、PCl 10%;ジクロリダイト46%;クロリダイト29%;トリアリールホスファイト15%であった。25mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)液をもう1度、激しく撹拌しながら、単一のシリンジポンプを用いて100分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−5℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1aに、わずか68%の総合選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、ジクロリダイト14%、クロリダイト68%、そしてトリアリールホスファイト18%であった。
(表6:実施例2に示したような同時並行的ではあるが別個に添加する手順の場合と、比較例A〜Cに示したような他の手順の場合とにおける、1aおよび2aの収率の比較)
Figure 2006508177
比較例D〜Gでは、連続的ではあるが別個に添加する成分AとBの中でのNEt対ArOHのプレミックス比が、ホスホロクロリダイト1aおよびホスホロジクロリダイト2aへの転化における選択率におよぼす影響を示す。分布(Dis)は、反応混合物中のそれぞれの成分、ホスホロクロリダイト1a、ホスホロジクロリダイト2a、PClおよびトリアリールホスファイト((o−トリル−O)P)のモル当量分率をパーセントで表したものである。2aへの選択率は、次式で計算される:Sel(2a)=Dis%(2a)/{(Dis%(2a)+Dis%(1a)+Dis%(トリアリールホスファイト)}。1aへの総合選択率は、次式で計算される:Sel(1a)=Dis%(1a)/{(Dis%(1a)+Dis%(2a)+Dis%(トリアリールホスファイト)}。
(比較例D)
オーバーヘッド撹拌器を取り付け、温度調節した500mLバッフルおよびジャケット付きガラス反応器に、200mLの1.0モル濃度のPCl(トルエン中)を仕込んだ。第1の溶液(A)は、0.2モルのトリエチルアミンと0.2モルのo−クレゾールを混合し、その混合物をトルエンで希釈して全量を200mLにすることにより、調製した。第2の溶液(B)は、0.2モルのo−クレゾールと0.2モルのトリエチルアミンを混合し、その混合物をトルエンで希釈して全量を200mLにすることにより、調製した。次いで、激しく撹拌しながら、100mLの溶液Aと100mLの溶液Bを、別個且つ同時並行的に、ペリスタポンプを用いて45分かけて、添加した。添加をしている間、その反応温度を5℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2aに、13%の選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、PCl 56%;ジクロリダイト2a 9%;クロリダイト1a 10%;トリアリールホスファイト20%であった。次いで、激しく撹拌しながら、第2の、100mLの溶液Aと100mLの溶液Bを、別個且つ同時並行的に、ペリスタポンプを用いて45分かけて、添加した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1aに、19%の総合選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、PCl 18%;ジクロリダイト2a 11%;クロリダイト1a 16%;トリアリールホスファイト55%であった。
(比較例E)
オーバーヘッド撹拌器を取り付け、温度調節した500mLバッフルおよびジャケット付きガラス反応器に、200mLの1.0モル濃度のPCl(トルエン中)を仕込んだ。第1の溶液(A)は、0.32モルのトリエチルアミンと0.08モルのo−クレゾールを混合し、その混合物をトルエンで希釈して全量を200mLにすることにより、調製した。第2の溶液(B)は、0.32モルのo−クレゾールと0.08モルのトリエチルアミンを混合し、その混合物をトルエンで希釈して全量を200mLにすることにより、調製した。次いで、激しく撹拌しながら、100mLの溶液Aと100mLの溶液Bを、別個且つ同時並行的に、ペリスタポンプを用いて45分かけて、添加した。添加をしている間、その反応温度を5℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2aに、74%の選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、PCl 23%;ジクロリダイト2a 57%;クロリダイト1a 10%;トリアリールホスファイト10%であった。次いで、激しく撹拌しながら、第2の、100mLの溶液Aと100mLの溶液Bを、別個且つ同時並行的に、ペリスタポンプを用いて45分かけて、添加した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1aに、52%の総合選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、ジクロリダイト2a 21%;クロリダイト1a 52%;トリアリールホスファイト27%であった。
(比較例F)
オーバーヘッド撹拌器を取り付け、温度調節した500mLバッフルおよびジャケット付きガラス反応器に、200mLの1.0モル濃度のPCl(トルエン中)を仕込んだ。第1の溶液(A)は、0.36モルのトリエチルアミンと0.04モルのo−クレゾールを混合し、その混合物をトルエンで希釈して全量を200mLにすることにより、調製した。第2の溶液(B)は、0.36モルのo−クレゾールと0.04モルのトリエチルアミンを混合し、その混合物をトルエンで希釈して全量を200mLにすることにより、調製した。次いで、激しく撹拌しながら、100mLの溶液Aと100mLの溶液Bを、別個且つ同時並行的に、ペリスタポンプを用いて45分かけて、添加した。添加をしている間、その反応温度を5℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2aに、88%の選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、PCl 12%;ジクロリダイト2a 77%;クロリダイト1a 8%;トリアリールホスファイト3%であった。次いで、激しく撹拌しながら、第2の、100mLの溶液Aと100mLの溶液Bを、別個且つ同時並行的に、ペリスタポンプを用いて45分かけて、添加した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1aに、79%の総合選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、ジクロリダイト2a 9%;クロリダイト1a 79%;トリアリールホスファイト13%であった。
(比較例G)
オーバーヘッド撹拌器を取り付け、温度調節した500mLバッフルおよびジャケット付きガラス反応器に、200mLの1.0モル濃度のPCl(トルエン中)を仕込んだ。第1の溶液(A)は、0.4モルのトリエチルアミンにトルエンを混合して、全量を200mLとすることにより、調製した。第2の溶液(B)は、0.4モルのo−クレゾールにトルエンを混合して、全量を200mLとすることにより、調製した。次いで、激しく撹拌しながら、100mLの溶液Aと100mLの溶液Bを、別個且つ同時並行的に、ペリスタポンプを用いて45分かけて、添加した。添加をしている間、その反応温度を5℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2aに、97%の選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、PCl 4%;ジクロリダイト2a 93%;クロリダイト1a 3%;トリアリールホスファイト0%であった。次いで、激しく撹拌しながら、第2の、100mLの溶液Aと100mLの溶液Bを、別個且つ同時並行的に、ペリスタポンプを用いて45分かけて、添加した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1aに、92%の総合選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、ジクロリダイト2a 4%;クロリダイト1a 92%;トリアリールホスファイト4%であった。
(表7:例D〜Gに示したような、連続的ではあるが別個に添加する成分AおよびBにおけるNEt対ArOHのプレミックス比に依存する、同時並行的ではあるが別個に添加する手順での、1aおよび2aへの選択率(Sel)および収率の比較)
Figure 2006508177
(比較例H:2モル当量のトリオルガノアミンを、1モル当量のPClと2モル当量のエチルアルコールの混合物に添加する条件下での、ホスホロクロリダイト1eおよびホスホロジクロリダイト2eの合成)
温度調節した300mLのバッフル付き丸底フラスコに、25mLの2.0モル濃度のPCl(トルエン中)の溶液を仕込み、−20℃に冷却した50mLの2.0モル濃度のエチルアルコール(トルエン中)の溶液と混合した。激しく撹拌しながら、25mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)溶液を、単一のシリンジポンプを用いて100分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−10℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2eに、わずか48%の選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、ジクロリダイト48%、クロリダイト24%、そして、塩化エチル生成の副生物としての(EtO)PO(H)(δ:4.1)28%であった。また別な25mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)溶液を、単一のシリンジポンプを用いて100分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−10℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1eに、25%の総合選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、ジクロリダイト46%、クロリダイト25%、そして、塩化エチル生成の副生物としての(EtO)PO(H)29%であった。
(比較例I:トリオルガノアミンおよびアルコールそれぞれ2モル当量の混合物を1当量のPClに添加する条件下での、ホスホロクロリダイト1eおよびホスホロジクロリダイト2eの合成)
温度調節した300mLのバッフル付き丸底フラスコの中に、25mLの2.0モル濃度のPCl(トルエン中)を仕込んだ。激しく撹拌しながら、25mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)と25mLの2.0モル濃度のエチルアルコール(トルエン中)の混合物を、単一のシリンジポンプを用いて200分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−10℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するジクロリダイト2eに、26%の選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、PCl 61%、ジクロリダイト10%、クロリダイト13%、そしてトリエチルホスファイト16%であった。激しく撹拌しながら、いずれも25mLの2.0モル濃度のトリエチルアミン(トルエン中)と2.0モル濃度のエチルアルコール(トルエン中)の第2の混合物を、単一のシリンジポンプを用いて200分かけて添加した。添加をしている間、その反応温度を−10℃に維持した。31P NMRの分析から、対応するクロリダイト1eに、31%の総合選択率で、転換されていることがわかった。その分布は、PCl 18%、ジクロリダイト15%、クロリダイト31%、そしてトリエチルホスファイト35%であった。
(表8:実施例23に示したような同時並行的ではあるが別個に添加する手順の場合と、比較例HおよびIに示したような他の手順の場合とにおける、1eおよび2eの収率の比較)
Figure 2006508177

Claims (23)

  1. 式(RO)PXの化合物を含む組成物を製造するための方法であって、
    Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選択され、RはC〜C18アルキル、C〜C18アリールラジカル、またはC〜C18シクロアルキルラジカルであり、
    前記方法は:
    非プロトン性溶媒中に溶解させた所定量のPXを含む第1の溶液を、
    (i)所定量のアルコールROH、および所定量のトリオルガノアミン(R’)(R’’)(R’’’)Nを含む第2の溶液、および
    (ii)所定量の前記トリオルガノアミンおよび所定量の前記アルコールを含む第3の溶液と接触させる工程を含み、
    R’、R’’およびR’’’は独立して、C〜C18アルキル、C〜C18アリールおよびC〜C18ヘテロアリールラジカルからなる群より選択され、そして前記アルコールの前記トリオルガノアミンに対するモル比が5よりも大きく、前記トリオルガノアミンの前記アルコールに対するモル比が5よりも大きいことを特徴とする方法であり、
    前記方法において、前記第1の溶液に前記第2および第3の溶液を別個に、以下の
    (a)前記第2および第3の溶液のそれぞれを前記第1の溶液の中に、同時並行的かつ連続的に、前記アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれが、PXに対して1時間あたり4モル当量以下となるような速度で、いずれの時点においても、添加したアルコールの全モル量が、添加したトリオルガノアミンの全モル量を、前記添加したトリオルガノアミンの全モル量の25%以上超えないという条件で、前記アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が前記第1の溶液に添加されるまで添加を続けるか;または
    (b)前記第2および第3の溶液のそれぞれを前記第1の溶液の中に、同時並行的かつ非連続的に、前記アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれが、PXに対して1時間あたり4モル当量以下となるような速度で、アルコールが0.5モル当量以下しか含まれない前記第2の溶液の部分量として、そしてトリオルガノアミンが0.5モル当量以下しか含まれない前記第3の溶液の部分量として添加し、前記アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が前記第1の溶液に添加されるまで添加を続けるか;または
    (c)前記第2および第3の溶液のそれぞれを前記第1の溶液の中に、非連続的に、前記アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれが、PXに対して1時間あたり4モル当量以下となるような速度で、アルコールが0.5モル当量以下しか含まれない前記第2の溶液の部分量として、そしてトリオルガノアミンが0.5モル当量以下しか含まれない前記第3の溶液の部分量として添加し、トリオルガノアミンの部分量に続けてアルコールの部分量を添加するか、またはアルコールの部分量に続けてトリオルガノアミンの部分量を添加するかのいずれかを繰り返すことによって、前記アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が前記第1の溶液に添加されるまで、前記アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が前記第1の溶液に添加されるまで添加を続けるか、
    のいずれかで添加して、
    選択可能な(b)または(c)のいずれかにおいては、一連の非連続的な添加の中で、添加が同時並行的であるか順次的であるかにかかわらず、添加したトリオルガノアミンと添加したアルコールとの間のモル差が、PXに対して、0.5当量を超えないという条件で、式ROPXの化合物を含む組成物を製造する、
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記第2の溶液におけるアルコールの、トリオルガノアミンに対するモル比が無限大であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記第3の溶液におけるトリオルガノアミンの、アルコールに対するモル比が無限大であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記第2の溶液におけるアルコールの、トリオルガノアミンに対するモル比が無限大であり、かつ、前記第3の溶液におけるトリオルガノアミンの、アルコールに対するモル比が無限大であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記請求項4に記載の方法の開始から添加の終了までにおける、添加した全トリオルガノアミンの、添加した全アルコールに対するモル比が、1〜1.1であり、そして、所定量のPXの、添加した全アルコール量に対するモル比が、0.8〜1.2であることを特徴とする方法。
  6. 選択可能な(a)および(b)において、いずれの時点においても添加されたアルコールのモル量が、その時点において添加されたトリオルガノアミンのモル量を超えず、それにより、すべての時点において前記反応に非酸性環境を与えることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 選択可能な(c)において、トリオルガノアミンの部分量を最初に添加し、その後にアルコールの部分量を添加することを特徴とする請求項5に記載の方法。
  8. 前記トリオルガノアミンが、トリアルキルアミンまたは置換もしくは非置換の複素芳香族アミンであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  9. 前記トリアルキルアミンが、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、およびジメチルイソプロピルアミンからなる群より選択されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 前記トリアルキルアミンがトリエチルアミンであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 式(RO)(RO)PXの化合物を含む組成物を製造するための方法であって、
    Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選択され、RおよびRは独立して、C〜C18アルキル、C〜C18アリール、およびC〜C18シクロアルキルラジカルからなる群より選択され、
    前記方法は:
    非プロトン性溶媒中に溶解させた所定量のROPXを含む第1の溶液を、
    (i)所定量のアルコールROH、および所定量のトリオルガノアミン(R’)(R’’)(R’’’)Nを含む第2の溶液、および
    (ii)所定量の前記トリオルガノアミンおよび所定量の前記アルコールを含む第3の溶液と接触させる工程を含み、
    R’、R’’およびR’’’は独立して、C〜C18アルキル、C〜C18アリールおよびC〜C18ヘテロアリールラジカルからなる群より選択され、そして前記アルコールの前記トリオルガノアミンに対するモル比が5よりも大きく、前記トリオルガノアミンの前記アルコールに対するモル比が5よりも大きいことを特徴とする方法であり、
    前記方法において、前記第1の溶液に前記第2および第3の溶液を別個に、以下の、
    (a)前記第2および第3の溶液のそれぞれを前記第1の溶液の中に、同時並行的かつ連続的に、前記アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれが、(RO)PXに対して1時間あたり4モル当量以下となるような速度で、いずれの時点においても、添加したアルコールの全モル量が、添加したトリオルガノアミンの全モル量を、前記添加したトリオルガノアミンの全モル量の25%以上超えないという条件で、前記アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が前記第1の溶液に添加されるまで添加を続けるか;または
    (b)前記第2および第3の溶液のそれぞれを前記第1の溶液の中に、同時並行的かつ非連続的に、前記アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれが、(RO)PXに対して1時間あたり4モル当量以下となるような速度で、アルコールが0.5モル当量以下しか含まれない前記第2の溶液の部分量として、そしてトリオルガノアミンが0.5モル当量以下しか含まれない前記第3の溶液の部分量として添加し、前記アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が前記第1の溶液に添加されるまで添加を続けるか;または
    (c)前記第2および第3の溶液のそれぞれを前記第1の溶液の中に、非連続的に、前記アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれが、(RO)PXに対して1時間あたり4モル当量以下となるような速度で、アルコールが0.5モル当量以下しか含まれない前記第2の溶液の部分量として、そしてトリオルガノアミンが0.5モル当量以下しか含まれない前記第3の溶液の部分量として添加し、トリオルガノアミンの部分量に続けてアルコールの部分量を添加するか、またはアルコールの部分量に続けてトリオルガノアミンの部分量を添加するかのいずれかを繰り返すことによって、前記アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が前記第1の溶液に添加されるまで、前記アルコールおよびトリオルガノアミンのそれぞれの所定量が前記第1の溶液に添加されるまで添加を続けるか、のいずれかで添加して、
    選択可能な(b)または(c)のいずれかにおいては、一連の非連続的な添加の中で、添加が同時並行的であるか順次的であるかにかかわらず、添加したトリオルガノアミンと添加したアルコールとの間のモル差が、ROPXに対して、0.5当量を超えないという条件で、式(RO)(RO)PXの化合物を含む組成物を製造する、
    ことを特徴とする方法。
  12. 前記第2の溶液におけるアルコールの、トリオルガノアミンに対するモル比が無限大であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記第3の溶液におけるトリオルガノアミンの、アルコールに対するモル比が無限大であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  14. 前記第2の溶液におけるアルコールの、トリオルガノアミンに対するモル比が無限大であり、かつ、前記第3の溶液におけるトリオルガノアミンの、アルコールに対するモル比が無限大であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  15. 前記方法の開始から添加の終了までにおける、添加した全トリオルガノアミンの、添加した全アルコールに対するモル比が、1〜1.1であり、そして、所定量のROPXの添加した全アルコール量に対するモル比が、0.8〜1.2であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 選択可能な(a)および(b)において、いずれの時点においても添加されたアルコールのモル量が、その時点において添加されたトリオルガノアミンのモル量を超えず、それにより、すべての時点において前記反応に非酸性環境を与えることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 選択可能な(c)において、トリオルガノアミンの部分量を最初に添加し、その後にアルコールの部分量を添加することを特徴とする請求項15に記載の方法。
  18. 前記トリオルガノアミンが、トリアルキルアミンまたは置換もしくは非置換の複素芳香族アミンであることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  19. 前記トリアルキルアミンが、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、およびジメチルイソプロピルアミンからなる群より選択されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 前記トリアルキルアミンがトリエチルアミンであることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 所定量の、式(RO)(RO)PXの化合物を含む組成物を、
    (i)所定量のアルコールROHを含む第4の溶液と、
    (ii)所定量の前記トリオルガノアミンを含む第5の溶液と、
    に接触させ、式(RO)(RO)P(OR)の化合物を含む組成物を製造する請求項11に記載の方法であって、R、RおよびRは、C〜C18アルキル、C〜C18アリール、およびC〜C18シクロアルキルラジカルからなる群より選択されることを特徴とする方法。
  22. がRと同一であることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. がRと同一であることを特徴とする請求項22に記載の方法。

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