JP2006508037A - (r)−2−(4−アミジノフェニルアミノメチル)−1−メチル−5−[1−(カルボキシメチルアミノ)−1−(ピロリジノカルボニル)−エチル]−ベンズイミダゾール、その一塩酸塩、その製法及び医薬組成物としての使用 - Google Patents

(r)−2−(4−アミジノフェニルアミノメチル)−1−メチル−5−[1−(カルボキシメチルアミノ)−1−(ピロリジノカルボニル)−エチル]−ベンズイミダゾール、その一塩酸塩、その製法及び医薬組成物としての使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、結晶形態の化合物(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールとその一塩酸塩、その製造方法及び抗トロンビン作用を有する薬物としてのその使用に関する。

Description

本発明は、結晶形態の化合物(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールとその一塩酸塩、その製造方法及びその医薬組成物としての使用に関する。
(発明の背景)
先行技術では、多くのベンズイミダゾール誘導体が知られている。従って、例えば、国際特許出願WO 00/01704は、有益な薬理学的特性、特に、例えば、トロンビン-阻害又は因子Xa-阻害活性に基づく抗トロンビン活性を有するベンズイミダゾール誘導体を開示している。
その薬理学的特性によって、化合物(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール及びその一塩酸塩は、種々の血管領域内の静脈血栓症の予防と治療に使用できる。深い及び表面の下肢静脈血栓症、大静脈血栓症、静脈閉塞症を含む腎臓及び肝臓静脈の血栓症の予防と治療のため、肺塞栓症の予防と治療のため、不安定狭心症又は急性心筋梗塞のような急性型、及び安定狭心症のような慢性型を含む全型の冠状心臓病の患者、或いは心筋梗塞後状態の患者の治療のため、全血管領域についてのバイパス手術後及び血管形成術(PT(C)A)後の急性及び慢性再閉塞を予防するため、かつ末梢動脈疾患を有する患者の閉塞を予防するため、急性型の脳卒中、脳卒中後状態の患者の慢性型脳卒中を治療するため、及び輸入大脳動脈の狭窄症を有する患者の第1次予防のために使用することができる。
上記ベンズイミダゾールを用いて腎臓置換療法時の患者を治療することもできる。これは、慢性血液透析を受ける患者と、静脈−静脈、又は動脈−静脈慢性ろ過のプロセスを受ける患者の両者で、腎臓置換療法の使用中に系を開放状態に維持するための抗凝血と、腎臓交換療法時の患者に起こるような凝固の系活性化の治療の両方を含む。従って、慢性の腎臓不全を有する患者と、急性の腎臓不全を有する患者の両者を腎臓不全の原因に関係なく治療することができる。これは、透析用シャントの遮断の予防及び治療をも包含する。
先行技術で開示されているベンズイミダゾール誘導体の上記薬理学的に有益な特性は、医薬組成物として化合物を有効に使用するため基本的に必要な特性を構成する。しかし、ある活性物質が薬物としての使用を認められるためには、さらなる要求をも満足しなければならない。これらパラメーターは、その活性物質の物理化学的性質に大きく関係する。
限定的ではないが、これらパラメーターの例は、種々の環境条件下での出発物質の効果の安定性、医薬製剤製造中の安定性、及び薬物の最終組成物の安定性である。従って、医薬組成物を製造するために使用する薬学的に活性な物質は、全種類の環境条件下でさえ保証される大きな安定性を有するべきである。これは、例えば、活性物質自体に加えて分解生成物を含む医薬組成物の使用を防止するために絶対に必須である。このような場合、医薬製剤中に存在する活性物質の含量は、特定されているより少ないだろう。
水分の吸収は、水の取込みによってもたらされる質量増加の結果として、薬学的に活性な物質の含量を減らす。水分を吸収する傾向のある医薬組成物は、例えば、適切な乾燥剤の添加によって、又は水分から保護した環境内で該薬物を貯蔵することによって、貯蔵中水分から保護しなければならない。さらに、水分の取込みは、どのようにも水分から保護されない環境に医薬物質をさらすと、製造中に薬学的に活性な物質の含量を減らしうる。従って、好ましくは、薬学的に活性な物質は、ほんの少しだけ吸湿性であるべきだ。
活性物質の結晶変化は、製剤の再現性のある活性物質含量に重要なので、できる限り、結晶形態で存在する活性物質の存在する多形性を明らかにする必要がある。ある活性物質の異なる多形性変化がある場合、該物質の結晶変化が、該物質から後で製造される医薬製剤中では確実に変わらないように注意しなければならない。そうでなければ、薬物の再現性のある効力に有害な影響を及ぼすだろう。この背景に反し、ほんのわずかな多形性を特徴とする活性物質が好ましい。
製剤の選択又は製造方法の選択によって決まる特定の状況下で例外的に重要な別の基準は、活性物質の溶解性である。例えば、医薬溶液を調製する場合(例えば、注入用)、生理的に許容しうる溶媒に十分に可溶性であることは必須である。経口摂取される薬物ではでは、該活性物質が十分に可溶性であることも非常に重要である。
本発明の課題は、高い薬理学的効力を特徴とするのみならず、できる限り上述した物理化学的要求をも満足する薬学的に活性な物質を提供することである。
(発明の詳細な説明)
驚くべきことに、下記式(I)の化合物(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールの結晶性一塩酸塩によって、上で概要を述べた課題が解決されることが分かった。
Figure 2006508037
本発明の一塩酸塩は、高度の安定性を特徴とし、かつ生理的に許容しうる溶媒に非常に容易に溶解する。
本発明の化合物(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]の結晶形態の一塩酸塩は、融点Tm.p.=222℃±5℃(DSC=示差走査熱量測定で決定;オンセットで評価;加熱速度:10℃/分)を特徴とする。与えた値は、Messrs Mettler Toledo製DSC 821で測定した。
従って、本発明の第1の目的は、融点Tm.p.=222℃±5℃を特徴とする化合物(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールの結晶性一塩酸塩である。
本発明の(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール一塩酸塩の結晶形態は、X線粉末回折法によってさらに詳細に調査した。得られたダイアグラムを図1に示す。この解析で得られたデータを下表1に要約する。

Figure 2006508037
上表1中、値“2Θ[°]”は、度で回折角を表し、値“dhkl[Å]”は、Åで格子面間の指定距離を表す。
本発明の範囲内では、X線粉末ダイアグラムは、位置感受性検出器(OED)と、X線源としてCuアノードを備えたBruker D8 Advanced Diffractometerを用いて記録した(CuKα照射, λ=1.5418Å, 30kV, 40mA)。
表1に示される知見により、本発明は、X線粉末ダイアグラムで、とりわけ、特有な値d=6.31Å、6.07Å、5.14Å及び3.72Åを有することを特徴とする結晶性(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-一塩酸塩に関する。
本発明の化合物(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールの結晶性一塩酸塩は、相対湿度によっては水和物の形態で存在し、約3.0%〜6.5%の水を含む。この構造のため、本化合物は、結晶化の水を吸収し、かつ基本的にその結晶構造を変えずにその水を再放出することができる。
さらに、本発明の一塩酸塩は、有機溶媒、例えばエタノールと溶媒和物を形成する。
本発明の第2の目的は、本発明の結晶性塩(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール一塩酸塩の製造方法であり、以下の工程を含む。
工程(a):
使用する出発原料は、既にWO 00/01704に記載されている下記式(II)の(R)-2-(4-シアノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-アミノ-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールである。
Figure 2006508037
有機溶媒又は溶媒の混合物中、塩基の存在下、フリーの一級アミノ基を、例えば1〜1.5当量、好ましくは約1.2当量の下記一般式(III)の化合物でアルキル化する。
Figure 2006508037
式中、RはC1-3-アルキル基を表し、Xは脱離基、例えば、塩素、臭素若しくはヨウ素のようなハロゲン原子、p-トルエンスルホニル又はメタンスルホニル基を表し、好ましくはブロモ酢酸エチル又はブロモ酢酸n-プロピルを用いる。本発明に好適な溶媒としては、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、N-メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又はその混合物が挙げられる。本発明により、N-メチルピロリジノンと酢酸エチル又は酢酸n-プロピルから成る溶媒混合物を使用する。好適な塩基としては、1〜2.5当量の量の、例えば、ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)又はトリエチルアミンのような三級アミンが挙げられる。反応は、好ましくは0℃〜溶媒混合物の沸点の温度、例えば、0℃〜150℃、好ましくは10℃〜30℃の温度で行う。
有機溶媒の部分的なエバポレーション後、水性抽出液による反応混合物の精製により、下記一般式の粗製(R)-2-(4-シアノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(n-C1-3-アルキルオキシカルボニルメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールの濃縮溶液を得る。
Figure 2006508037
式中、RはC1-3-アルキル基を表す。
工程(b):
工程(a)で得られる式(IV)の粗製化合物の濃縮溶液を、溶媒としてC1-3-アルコールに溶かし、好ましくは約20℃未満の温度で、冷却しながら塩化水素ガス中パイプで通すことによって反応させ、中間体としてイミノエステルを生成する。本発明により、好ましくは、アルコールとしてメタノール、エタノール又はn-プロパノールを使用し、溶媒の選択は、使用する式(IV)のエステルによって決まる。すべての塩化水素ガスをパイプで通したら、反応が完了するまで0℃〜30℃、好ましくは約20℃の温度で反応混合物を撹拌する。
イミノエステルの下記一般式(V)のアミジンへの変換は、
Figure 2006508037
(式中、RはC1-3-アルキル基を表す)
好ましくは0℃〜40℃、最も好ましくは15℃〜40℃の温度で冷却しながら、C1-3-アルコール、好ましくはメタノール、エタノール又はn-プロパノール中でアンモニア水溶液と反応させることによって行う。反応が終了したら、アミジンを得るため、任意に溶媒の部分的な蒸留後、塩化アンモニウムをろ過する。化合物(V)を中間体として塩酸塩の形態で単離してもよく、或いは直接一般式(VI)のp-トルエンスルホン酸塩として単離してもよい(工程c参照)。
工程(c):
一般式(V)の中間化合物(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(n-C1-3-アルキルオキシカルボニルメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールは、本発明によりスルホン酸塩の形態、例えば、ベンゼン-、p-トルエン-、p-クロロベンゼン-、1-若しくは2-ナフテンスルホン酸塩の形態、最も好ましくは下記式(VI)のp-トルエンスルホン酸塩の形態で沈殿させて、
Figure 2006508037
(式中、RはC1-3-アルキル基を表す)
該化合物を水性媒体から容易に単離できるようにする。
一般式(VI)の化合物のp-トルエンスルホン酸塩のさらなる精製は、pH調節溶解と水性溶媒中の塩の沈殿によって、或いは水中に懸濁させることによって行う。
工程(d):
下記式の遊離塩基(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールを調製するため、
Figure 2006508037
一般式(VI)の対応するp-トルエンスルホン酸塩を適切な有機溶媒に溶かす。好適な溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、i-プロパノールのようなアルコール、又はN-メチルピロリジノン若しくはジメチルホルムアミドのような極性溶媒が挙げられ、好ましくはメタノール又はエタノールである。
次に、1.5〜3当量、好ましくは2〜2.5当量の適切な塩基をこの溶液に添加する。本発明の範囲内の好適な塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及び水酸化バリウムが挙げられる。
そして、反応混合物を加熱することができ、こうして反応の進行を加速させることができる。好ましくは、ミキシングの間じゅう、反応混合物を30℃以上の温度に加熱する。最高温度は使用する溶媒の沸点によって選択でき、好ましくは30℃〜80℃の温度である。
次いで、0.5〜2当量、好ましくは1〜1.5当量の酸、好ましくはpトルエンスルホン酸を加える。
塩基として水酸化ナトリウムを使用すると、式(VII)の所望生成物は、結晶化によって直接得られる。塩基として水酸化カリウムを使用すると、まずp-トルエンスルホン酸のカリウム塩が結晶化する。そして、式(VII)の所望生成物が結晶化しうる。
工程(e):
本発明の一般式(I)の結晶性一塩酸塩を調製するため、工程(d)で得られる塩基(VII)を適切な有機溶媒又は溶媒の混合物に溶かす。本発明で特に好ましい溶媒としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、アセトン、ジメチルホルムアミド又はNメチルピロリジノンが挙げられる。共溶媒として特定量の水を加えてよい。
そして、反応混合物を20℃〜溶媒の還流温度、好ましくは30℃〜80℃に加熱する。本発明により、有機溶媒に溶かした塩化水素又は塩酸を溶液又は懸濁液に加える。
本発明により、使用する塩基1mol当たり0.8〜1.2mol、好ましくは約1molの塩化水素 を加える。酸を添加後、懸濁液を0℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度に冷まし、生成物をろ過する。
本発明の第3の目的は、前述した方法で得られる結晶性(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-一塩酸塩に関する。
本発明の第4の目的は、本発明の化合物(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールの結晶性一塩酸塩の、その薬学的活性の理由による医薬組成物としての使用である。
上記方法で中間体として得られる一般式(VI)のp-トルエンスルホン酸塩は、式(I)の結晶性(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール一塩酸塩を調製するための有益な中間生成物である。
従って、本発明の第5の目的は、一般式(VI)の下記p-トルエンスルホン酸塩から成る。(1) (R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(メチルオキシカルボニルメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-p-トルエンスルホネート、
(2) (R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(エチルオキシカルボニルメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-p-トルエンスルホネート及び
(3) (R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(n-プロピルオキシカルボニルメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-p-トルエンスルホネート。
結晶形態の遊離塩基(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールは、式(I)の一塩酸塩を調製するための直接的な前駆体であり、前述した薬理学的活性も有する。
従って、本発明の第6の目的は、融点Tm.p.=241℃±5℃(DSC=示差走査熱量測定で決定;オンセットで評価;加熱速度:10℃/分)を特徴とする結晶形態の遊離塩基(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールである。与えた値はMessrs Mettler Toledo製DSC 821を用いて測定した。
本発明の結晶形態の遊離塩基(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールは、X線粉末回折法でさらに詳細に調査した。得られたダイアグラムを図2に示す。
下表2は、この解析で得られたデータを要約する。























Figure 2006508037
上表2中、値“2Θ[°]”は、度で回折角を表し、値“dhkl[Å]”は、Åで格子面間の指定距離を表す。
本発明の範囲内では、X線粉末ダイアグラムは、位置感受性検出器(OED)と、X線源としてCuアノードを備えたBruker D8 Advanced Diffractometerを用いて記録した(CuKα照射, λ=1.5418Å, 30kV, 40mA)。
表2に示される知見により、本発明は、X線粉末ダイアグラムで、とりわけ、特有な値d=6.19Å、6.01Å、5.16Å、4.13Å及び3.81Åを有することを特徴とする結晶性(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールに関する。
本発明は、さらに本発明の結晶性塩基(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールの、その薬学的活性の理由による医薬組成物としての使用である。









Figure 2006508037
(実験セクション)
以下に与えるHPLCデータは、特に言及しない限り、以下のパラメーターを用いて測定した。
カラム:Prontosil 120-5-C18AQ、5μm、125×4mm;溶媒A:0.2%のKH2PO4水溶液、1MのNaOHでpH=5.5に調整;溶媒B:アセトニトリル;カラム温度:45℃;流れ:mL/分;勾配システム:2分まで10%の溶媒B;14分以内 60%の溶媒Bに勾配;4分以内 80%の溶媒Bに勾配;試料溶液の濃度:アセトニトリル/水=7:3中2mg/mL;注入量:1μL;220nmで検出。
実施例1:
(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(n-プロピルオキシカルボニルメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-p-トルエンスルホン酸塩
442g(2.09mol)のブロモ酢酸n-プロピルを、1.4LのN-メチルピロリジノンと1.4Lの酢酸n-プロピル中の700g(1.74mol)の(R)-2-(4-シアノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-アミノ-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールと700mLのジイソプロピルエチルアミンの溶液に20℃で15分以内で注ぐ。反応混合物を14時間20℃で撹拌する。2.1Lの酢酸n-プロピルと5.6Lの水を加える。混合物を20℃に冷まし、水相を分離する。3.5Lの水を有機相に加え、これに30%の塩酸を添加してpHをpH=5.8に調整する。水相を分離する。3.5Lの水と105gの塩化ナトリウムを有機相に撹拌しながら加える。水相を分離する。減圧下回転式エバポレーターを用いて有機相をエバポレーションで濃縮する。生成した油に0.9Lの酢酸n-プロピルと3.5Lのn-プロパノールを加える。減圧蒸留でさらに3リットルの溶媒を除去する。
残留物に3.5Lのn-プロパノールを加え、-15℃に冷却する。この溶液に1.92kgの塩化水素ガスをパイプで通して温度が8℃を超えないようにする。ガスの導入終了後、反応混合物を20時間20℃で撹拌する。次に、反応溶液を10℃に冷ます。-20℃に冷却した7Lのn-プロパノール中の4.53Lの25%アンモニア水溶液中、温度を20℃未満に維持しながら反応溶液を撹拌する。反応混合物を16時間24℃で撹拌する。減圧蒸留で5.8Lの溶媒を除去する。反応混合物を45℃に冷まし、加圧フィルターでろ過する。加圧フィルターを3.5Lの熱n-プロパノールですすぐ。減圧下回転式エバポレーター内でろ液から8.8Lの溶媒を除去する。残留物を加熱還流させながらアセトンと共に懸濁させる。懸濁液を0℃に冷却し、この温度で1時間撹拌する。懸濁液を吸引ろ過し、2.8Lのアセトンで洗浄する。フィルターケークを循環空気乾燥器内50℃で乾燥させる。1.23kgの(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(n-プロピルオキシカルボニルメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-塩酸塩が得られる。
HPLC:Rf=9.9分(生成物)
Rf=12.9分(ビスアルキル化副生物)
p-トルエンスルホン酸塩として沈殿:
上述した1.22kgの粗製塩酸塩を撹拌しながら、55℃に加熱して1.05Lのn-プロパノールと5.6Lの水に溶かす。この溶液に、4.2Lの水中の530gのp-トルエンスルホン酸一水和物と146mLの50%水酸化ナトリウム溶液の溶液を加える。結果の混合物を0℃に冷却し、この温度で30分間撹拌する。この懸濁液を吸引ろ過し、3.5Lの水で洗浄する。循環空気乾燥器内50℃でフィルターケークを乾燥させる。粗生成物として表題化合物のp-トルエンスルホン酸塩0.70kgが得られる。
HPLC:Rf=3.6分(p-トルエンスルホン酸)
Rf=9.9分(生成物)
Rf=12.9分(ビスアルキル化副生物)
25%のアンモニア溶液で母液のpHをpH=7.5に調整して母液からさらに0.19kgの生成物を単離する。
総収量:0.89kg(理論の73%)
p-トルエンスルホン酸塩のさらなる精製:
上記p-トルエンスルホン酸塩の粗生成物1.1kgを13.2Lの水に20℃で懸濁させる。151gのpトルエンスルホン酸と328mLの30%塩酸を加えると、固体が溶液になり、1〜1.5のpHが得られる。25%のアンモニア溶液(約170mL)を添加してpHを4に調整する。結果の懸濁液を19時間20℃で撹拌する。沈殿(ビスアルキル化副生物)をろ過で除く。フィルターケークを2.2Lの水で洗浄する。ろ液に1.54Lのn-プロパノール、次いで130mLの25%アンモニア溶液を加える。この懸濁液を一晩中20℃で撹拌する。沈殿を吸引ろ過し、3.3Lの水で洗浄する。フィルターケークを循環空気乾燥器内50℃で乾燥させる。0.83kg(理論の76%)の表題化合物が得られる。
HPLC:Rf=3.6分(p-トルエンスルホン酸)
Rf=9.9分(生成物)
実施例2:n-プロピルエステルのp-トルエンスルホン酸塩から出発して水酸化ナトリウムによるエステル分解で遊離塩基を調製する方法
(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール
134mLのメタノール中の27.7g(40mmol)の(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(n-プロピルオキシカルボニルメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-p-トルエンスルホネートの溶液に3.36g(84mmol)の固体水酸化ナトリウムを加え、混合物を3時間還流させる。8.37g(44mmol)のp-トルエンスルホン酸水和物を加え、混合物をさらに1.5時間還流させる。溶液を40℃に冷まし、ろ過する(清澄ろ過)。ろ液に170mLのメタノールを加えて混入させる。生成した懸濁液を一晩中20℃で撹拌する。懸濁液を吸引ろ過し、フィルターケークを60mLのメタノールで洗浄する。生成物を循環空気乾燥器内40℃で乾燥させる。表題化合物が結晶性固体として得られる。
収量:13.8g(理論の72%)
融点:Tm.p.=249℃±5℃(分解、DSC、オンセットで評価、加熱速度:10℃/分)
実施例3:n-プロピルエステルの塩酸塩から出発して水酸化ナトリウムによるエステル分解で遊離塩基を調製する方法
(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール
470mLのメタノール中の93.9g(0.15mol)の(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(n-プロピルオキシカルボニルメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-塩酸塩×1当量のn-プロパノールの溶液に13.3g(0.33mol)の固体水酸化ナトリウムを加え、この混合物を1.5時間不活性ガス雰囲気下で還流させる。それを50℃に冷まし、これに10分以内で22.8mL(0.18mmol)のクロロトリメチルシランを一滴ずつ添加する。混合物を470mLのジメチルスルホキシドで希釈し、300mbar/80℃で蒸留して370mLのメタノールを除く。塩化ナトリウムを除去するため、この懸濁液を熱ろ過する。ろ液を20℃に冷まし、3時間20℃で撹拌する。生成した懸濁液を吸引ろ過し、フィルターケークを50mLのジメチルスルホキシドと100mLのアセトンで洗浄する。フィルターケークを循環空気乾燥器内50℃で乾燥させる。無色固体として表題化合物が得られる。
収量:58.8g(理論の81%)
このようにして得られる生成物のさらなる精製のため、メタノールから結晶化させることができる。
融点:Tm.p.=241℃±5℃(分解、DSC、オンセットで評価、加熱速度:10℃/分)
実施例4:遊離塩基から一塩酸塩を沈殿させる方法
(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-一塩酸塩
88mLのメタノール中の11g(23mmol)の(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールの懸濁液を35℃〜40℃に加熱する。この懸濁液に、酢酸エチル中の塩化水素(23mmol)の2.75モル濃度溶液8.4mLを加える。この出発原料を溶かすと塩酸塩が結晶化し始める。この懸濁液を20℃に冷まし、吸引ろ過する。フィルターケークを真空乾燥カップボード内35℃で乾燥させる。結晶性固体として9.2g(理論の78%)の表題化合物が得られる。
微量のメタノールを除去するため、上で得られた8gの表題化合物を80mLのエタノールに懸濁液させ、30分間50℃で撹拌する。懸濁液を20℃に冷まし、吸引ろ過する。フィルターケークをエタノールで洗浄し、真空乾燥カップボード内35℃で乾燥させる。
収量:7.3g(用いた塩酸塩に基づいた理論の91%)
融点:Tm.p.=222℃±5℃(分解、DSC、オンセットで評価、加熱速度:10℃/分)
実施例5:
(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(エチルオキシカルボニルメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-p-トルエンスルホン酸塩
4.22kg(10.5mol)の(R)-2-(4-シアノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-アミノ-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールと3.11kg(24.1mol)のジイソプロピルエチルアミンを8.4LのN-メチルピロリジノンと8.4Lの酢酸エチルの混合物中に溶かす。2.1kg(12.6mol)のブロモ酢酸エチルを量り入れ、混合物を15時間20℃で撹拌する。34Lの水を加える。水相を分離する。有機相に21Lの水を加え、塩酸(30%)を添加してpHを5.7に調整する。水相を分離し、有機相を21Lの水中の0.42kgの塩化ナトリウムの溶液で洗浄する。有機相を減圧下濃縮する(10.6Lの酢酸エチルが除去される)。濃縮物を42Lのエタノールで希釈し、減圧下で再濃縮する(21Lが除去される)。結果の溶液中に、20℃で15kg(411mol)の塩化水素ガスをパイプで通し、反応が完了するまで20℃で撹拌する(イミノエステルを得るための反応をHPLCでモニターする)。生じたイミノエステル溶液を25Lのエタノールで希釈する。温度が40℃を超えないように溶液に37.8kg(555mol)のアンモニア溶液(25%)を加える。そして、溶液を2時間撹拌する。生じた塩化アンモニウムを加圧フィルターでろ過し、ろ過した物質を30Lのエタノールで洗浄する。ろ液を減圧蒸留して42Lのエタノールを除去する。17Lの水中の3.86kg(20.3mol)のp-トルエンスルホン酸一水和物の溶液をろ液に加える。さらに20Lの水を加える。水酸化ナトリウム溶液(50%)でpHを8.0に調整する。残存エタノールを減圧蒸留で除去する。蒸留の最後に向かって生成物が結晶化する。水酸化ナトリウム溶液(50%)でpHを7.5に調整し、生成した懸濁液を3℃に冷却する。生成物を遠心分離で取り出し、13Lの水で洗浄する。生成物を乾燥カップボード内50℃で乾燥させる。粗生成物の形で4.89kg(理論の69%)の表題化合物が得られる。
p-トルエンスルホン酸塩のさらなる精製:
4.75kgの粗生成物を38Lの水に懸濁させる。懸濁液を2.5時間20℃で撹拌する。懸濁液を遠心分離で取り出し、19Lの水で洗浄する。生成物を乾燥カップボード内50℃で乾燥させる。
3.86kg(理論の81%)の表題化合物が得られる。
HPLC:Rf=3.6分(p-トルエンスルホン酸)
Rf=17.6分(生成物)
カラム:Inertsil ODS-2、5μm、125×4.6mm;溶媒A:0.3%KH2PO4水溶液、1MのNaOHでpH=5.0に調整;溶媒B:アセトニトリル;カラム温度:45℃;流れ:1mL/分;勾配システム:開始:10%の溶媒B;20分以内 25%の溶媒Bに勾配、10分以内 50%の溶媒Bに勾配;試料溶液の濃度:アセトニトリル/水=7:3中2mg/mL;注入量:3μL;217nmで検出。
実施例6:エチルエステルのp-トルエンスルホン酸塩から出発して水酸化カリウムによるエステル分解で遊離塩基を調製する方法
(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール
3.7kg(5.49mol)の(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(エチルオキシカルボニルメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-p-トルエンスルホン酸塩を7.4Lのメタノールに40℃で溶かす。この溶液に5.6Lのメタノール中の0.795kg(12.8mol)の水酸化カリウム粉末の溶液を加えてからこれを1.8Lのメタノールですすぐ。この混合物を2.5時間40℃で撹拌する。p-トルエンスルホン酸のカリウム塩が結晶化する。2.8Lのメタノール中の1.37kg(7.2mol)のp-トルエンスルホン酸一水和物の溶液を懸濁液に加え、これを1.8リットルのメタノールですすぎ、22℃に冷ます。沈殿したp-トルエンスルホン酸のカリウム塩を加圧フィルターで除去し、7.4リットルのメタノールでフィルターケークを洗浄する。ろ液に表題化合物を混入させ、一晩中撹拌する。沈殿生成物をアルゴン下で吸引ろ過し、3.7Lのメタノールで洗浄し、まだ湿気がある間に反応器中で再利用する。18.5Lのメタノールを加え、懸濁液を1時間還流させ、22℃に冷ます。生成物をアルゴン下で吸引ろ過し、3.7Lのメタノールで洗浄し、循環空気乾燥器内30℃で乾燥させる。
2.22kg(理論の85%)の表題化合物が得られる。
融点:Tm.p.=241℃±5℃(分解、DSC、オンセットで評価、加熱速度:10℃/分、Messrs Netzsch-Geratebau GmbHのDSC 204で測定)
実施例7:エタノールから一塩酸塩を沈殿させる方法
(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-一塩酸塩
5.0gの(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールを25mLのエタノール中で還流させる。2mLの水を添加後、溶液が得られる。この溶液をろ過して清澄にし、フィルターを25mLのエタノールですすぐ。ろ液を70℃に加熱する。25mLのエタノール中の0.802mLの濃塩酸の溶液を添加してからさらに25mLのエタノールを加える。混合物を25℃に冷まし、この温度で1時間撹拌する。生成物をろ過し、15mLのエタノールで洗浄し、循環空気乾燥器内で乾燥させる。
4.95g(理論の92%)の表題化合物が結晶性固体として得られる。
融点:Tm.p=220℃±5℃(分解、DSC、オンセットで評価、加熱速度:10℃/分)
化合物(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールの結晶性一塩酸塩のX線粉末回折ダイアグラムを示す。 結晶性化合物(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールのX線粉末回折ダイアグラムを示す。

Claims (11)

  1. 融点Tm.p.=222±5℃を特徴とする結晶性(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-一塩酸塩、その水和物及び溶媒和物。
  2. X線粉末ダイアグラムで、とりわけ特有の値d=6.31Å、6.07Å、5.14Å及び3.72Åを有することを特徴とする請求項1記載の結晶性(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-一塩酸塩。
  3. (R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-一塩酸塩の製造方法であって、以下の工程:
    (a)下記式(II)の化合物(R)-2-(4-シアノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-アミノ-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールのフリーのアミノ基を、
    Figure 2006508037
    下記一般式(III)の化合物でアルキル化することによって、
    Figure 2006508037
    (式中、RはC1-3-アルキル基を表し、Xは脱離基を表す)
    下記一般式(IV)の化合物を得る工程
    Figure 2006508037
    (式中、RはC1-3-アルキル基を表す);
    (b)工程(a)で得られる式(IV)の化合物を下記一般式(V)のアミジンに変換する工程
    Figure 2006508037
    (式中RはC1-3-アルキル基を表す);
    (c)一般式(V)の中間化合物を下記一般式(VI)のp-トルエンスルホン酸塩として沈殿させる工程
    Figure 2006508037
    (式中RはC1-3-アルキル基を表す);
    (d)工程(c)により得られる化合物を下記塩基(VII)に変換し、引き続き下記式の遊離塩基(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールを沈殿させる工程;
    Figure 2006508037
    及び
    (e)工程(d)で得られる塩基を溶媒又は溶媒の混合物中で懸濁させ、任意に、この反応混合物を20℃〜前記溶媒又は溶媒の混合物の還流温度の温度に加熱し、及び塩化水素を添加することにより、式(I)の一塩酸塩を沈殿させる工程;
    を含む方法。
  4. 医薬組成物として使用するための、請求項1又は2記載の結晶性(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-一塩酸塩。
  5. 請求項3記載の方法で得られる、結晶性(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-一塩酸塩。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項記載の結晶性(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール-一塩酸塩を含むことを特徴とする医薬製剤。
  7. 下記一般式(VI)のp-トルエンスルホン酸塩。
    Figure 2006508037
    (式中、RはC1-3-アルキル基を表す。)
  8. 融点T=241±5℃を特徴とする結晶性(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール。
  9. X線粉末ダイアグラムで、とりわけ特有な値d=6.19Å、6.01Å、5.16Å、4.13Å及び3.81Åを有することを特徴とする請求項8記載の結晶性(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール。
  10. 医薬組成物として使用するための、請求項8又は9記載の結晶性(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾール。
  11. 請求項8又は9記載の結晶性(R)-2-(4-アミジノフェニルアミノメチル)-1-メチル-5-[1-(カルボキシメチルアミノ)-1-(ピロリジノカルボニル)-エチル]-ベンズイミダゾールを含むことを特徴とする医薬製剤。
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