JP2006507309A - 疎水性薬剤の上昇した生物学的利用性を提供する製剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は疎水性薬剤、油相および表面活性剤を含んでなる製剤および剤形を提供する。製剤は所望する個体の胃腸管(“GI管”)に送達される疎水性薬剤の生物学的利用性を上昇させるように作用する。本発明の製剤は、水性環境に導入されるとその場でエマルジョンを形成する自己乳化型ナノ懸濁物として配合される。本発明の剤形は種々の異なる材料を使用して形成することができ、そして所望のメカニズムを使用して個体のGI管に本発明の製剤を送達するために成形することができる。本発明による放出制御剤形は本発明の製剤を所望する速度で所望する期間、送達するように設計することができる。放出制御剤形として設計する場合、本発明の剤形は浸透性剤形である。
Description
発明の分野
本発明は疎水性薬剤の制御送達のための製剤および剤形に関する。特に本発明は疎水性薬剤の生物学的利用性を強化する自己乳化型(self−emulsifying)製剤および制御放出剤形を提供する。
本発明は疎水性薬剤の制御送達のための製剤および剤形に関する。特に本発明は疎水性薬剤の生物学的利用性を強化する自己乳化型(self−emulsifying)製剤および制御放出剤形を提供する。
技術水準
投与をし易くし、そして患者のコンプライアンスを改善するために、一般に非経口投与よりは経口剤形を使用して所望の薬剤を投与することが好ましい。しかし疎水性薬剤物質の経口送達は困難であることが示された。経口的に投与された時、特に疎水性薬剤物質は良くない、または調和しない生物学的利用性を現す傾向がある。本明細書で使用するように、用語「生物学的利用性(bioavailability)」とは、投与した剤形から全身の血液循環に達する薬剤の量を指す。しばしば胃腸管での薬剤吸収は胃腸管の粘膜(“the mucosa”または“the mucosal membrane”)をわたって生成される薬剤の濃度勾配により生成され、薬剤吸収は薬剤濃度勾配が上がるほど上昇する。疎水性薬剤は水性の胃腸管環境で容易に溶解しないので、胃腸管に送達された疎水性薬剤により生成される濃度勾配は最高でも小さく、そして粘膜をわたる薬剤の吸収に限界を生じる。経口的に投与された疎水性薬剤の制限された生物学的利用性は、約10%の現在市販されている薬剤が良くない水溶性を現すことを考える時、特に問題である。さらに問題であるのは、潜在的な治療的価値を有する新規に発見された化学物質の約40%が、それらの良くない水溶性のために薬剤として目的を追求されないという事実である。したがって当該技術分野では、疎水性薬剤の経口的な生物学的利用性を上昇させる製剤および剤形を提供することは進歩となるだろう。
投与をし易くし、そして患者のコンプライアンスを改善するために、一般に非経口投与よりは経口剤形を使用して所望の薬剤を投与することが好ましい。しかし疎水性薬剤物質の経口送達は困難であることが示された。経口的に投与された時、特に疎水性薬剤物質は良くない、または調和しない生物学的利用性を現す傾向がある。本明細書で使用するように、用語「生物学的利用性(bioavailability)」とは、投与した剤形から全身の血液循環に達する薬剤の量を指す。しばしば胃腸管での薬剤吸収は胃腸管の粘膜(“the mucosa”または“the mucosal membrane”)をわたって生成される薬剤の濃度勾配により生成され、薬剤吸収は薬剤濃度勾配が上がるほど上昇する。疎水性薬剤は水性の胃腸管環境で容易に溶解しないので、胃腸管に送達された疎水性薬剤により生成される濃度勾配は最高でも小さく、そして粘膜をわたる薬剤の吸収に限界を生じる。経口的に投与された疎水性薬剤の制限された生物学的利用性は、約10%の現在市販されている薬剤が良くない水溶性を現すことを考える時、特に問題である。さらに問題であるのは、潜在的な治療的価値を有する新規に発見された化学物質の約40%が、それらの良くない水溶性のために薬剤として目的を追求されないという事実である。したがって当該技術分野では、疎水性薬剤の経口的な生物学的利用性を上昇させる製剤および剤形を提供することは進歩となるだろう。
自己乳化型製剤は疎水性薬剤の生物学的利用性を上げるために使用されてきた。自己乳化型製剤は一般に油相、表面活性剤および薬剤物質を含む。水性環境に暴露されると油相および表面活性剤が相互作用して、疎水性薬剤が上昇した溶解度を現すエマルジョンを形成する。したがって自己乳化型製剤は、水性環境での疎水性薬剤の溶解度を上げ、そしてこれにより個体のGI管に送達される疎水性薬剤の生物学的利用性を上げる可能性を有する。特許文献1、2、3、4、5、6および7は、疎水性薬剤の経口投与を促進するために開発された種々の自己乳化型製剤を検討している。疎水性薬剤の治療的用量が、より少ない数の剤形または容易に受け入れられるサイズの剤形を使用して経口的に投与できるように、水性環境中での疎水性薬剤の溶解度を上げる、疎水性薬剤の経口投与に適する自己乳化型製剤を提供することが望ましい。理想的にはそのような製剤は望ましい薬剤負荷特性(drug loading characteristic)を提供し、種々の剤形に適合し、水性環境に送達される前に製剤中に含まれる疎水性薬剤の凝集を減少するように作用し、そして水性環境に製剤を投与した後でも長期間、疎水性薬剤を可溶化するように作用したエマルジョンを提供する。
発明の要約
本発明は、望む個体の胃腸管(“GI管”)に送達された疎水性薬剤の生物学的利用性を上昇させるように作用する製剤(drug formulation)を提供する。本発明の製剤は、自己乳化型ナノ懸濁物(nanosuspension)として配合され、これは水性環境に導入されるとその場でエマルジョンを形成する。本明細書で使用するように、用語「個体」は薬剤が投与されるヒトを含む動物を指し、用語「水性環境」は水を含む環境または水を含む流体を示し、動物のGI管に存在する水性流体のような動物中に見いだされるインビボの媒質を含み、そして用語「水性媒質(1つ)」および「水性媒質(複数)」は水または水を含む流体を指し、動物のGI管に存在する水性流体のような動物中に見いだされるインビボの媒質を含む。
本発明は、望む個体の胃腸管(“GI管”)に送達された疎水性薬剤の生物学的利用性を上昇させるように作用する製剤(drug formulation)を提供する。本発明の製剤は、自己乳化型ナノ懸濁物(nanosuspension)として配合され、これは水性環境に導入されるとその場でエマルジョンを形成する。本明細書で使用するように、用語「個体」は薬剤が投与されるヒトを含む動物を指し、用語「水性環境」は水を含む環境または水を含む流体を示し、動物のGI管に存在する水性流体のような動物中に見いだされるインビボの媒質を含み、そして用語「水性媒質(1つ)」および「水性媒質(複数)」は水または水を含む流体を指し、動物のGI管に存在する水性流体のような動物中に見いだされるインビボの媒質を含む。
本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、飽和脂肪酸、1以上の表面作用物質または表面活性剤、および脂肪酸および1以上の表面活性剤中に分散した疎水性薬剤のナノ粒子を含む。本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、所定容量の製剤に疎水性薬剤の負荷を増すことを容易にし、時間経過に対して安定であり、水性環境における疎水性薬剤の溶解度を大きく上昇させ、そして経口的に投与された疎水性薬剤の生物学的利用性に驚くべき上昇を提供する。さらに、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、水性環境に自己乳化型ナノ懸濁物を送達した後に長期間、疎水性薬剤物質を溶解するように作用するエマルジョンを形成する。本明細書で使用するように、用語「溶解する」とは水性環境中で溶解性にする、またはさらに溶解性にすることを意味し、用語「溶液」は2以上の物質の化学的および物理的に均一な混合物を示し、そして用語「溶解度」は特定の溶媒に溶解し得る特定物質の量を指す。
また本発明は、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物を送達するために設計された剤形を含む。本発明の剤形は、種々の材料を使用して形成することができ、そして所望のメカニズムを使用して個体のGI管に本発明の製剤を送達するために成形することができる。例えば本発明の剤形は、投与後に所望する期間、製剤の放出を遅らせるために設計することができ、または剤形は選択した環境条件に暴露された時にのみ製剤を放出するように設計することができる。加えて本発明の剤形は、所望の期間にわたり、または選択した環境条件下で製剤の制御放出を提供するように設計することができる。本発明による制御放出剤形は、本発明の製剤を所望する期間にわたり所望する速度で送達するために設計することができる。制御放出剤形として設計する場合、本発明の剤形は浸透性剤形(osmotic dosaga form)となり得る。1つの観点では、本発明は実質的にすべての製剤が制御された速度で下部GI管に送達されるように、剤形が個体のGI管の上部を通過した後まで、製剤の放出を遅らせるように設計された浸透性の制御放出剤形を含む。
発明の詳細な説明
発明の詳細な説明
本発明は、自己乳化型ナノ懸濁物を含む。本明細書で使用する用語「ナノ懸濁物」は、中に分散されたある量のナノ粒子を含有する流動可能な製剤を示す。本発明の自己乳化型ナノ懸濁物には、油相、1以上の表面活性剤および所望の疎水性薬剤のナノ粒子を含む。本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、水性媒質に暴露されるとその場でエマルジョンを形成し、そして水性環境で疎水性薬剤の溶解度を強化するように作用する。特に本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、個体のGI管に送達される疎水性薬剤の溶解度を強化する。また本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、経口的に投与される疎水性薬剤の生物学的利用性に驚くべき上昇を提供し、そして疎水性薬剤の治療的用量を個体に送達することができる、許容され得るようにサイズを定めた経口剤形の製造を容易にする。
本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、油相として飽和脂肪酸を利用する。飽和脂肪酸は比較的安定な油相を提供し、そして自己乳化型ナノ懸濁物に含まれる疎水性薬剤のより完全な送達を促進するので、飽和脂肪酸を本発明の自己乳化型ナノ懸濁物の油相として使用する。飽和脂肪酸は消化されるためにリパーゼの作用を必要としない疎水性成分である。製剤が油相として脂質を含む場合、脂質に溶解される薬剤は脂質が酵素的活性により分解されなければ、閉じ込められ、そして送達されないままとなり得る。これはリパーゼが存在できないか、または低下した濃度で存在する下部GI管で、製剤の大部分が放出され得る放出制御剤形から製剤が放出される場合に特に興味深い。油相として飽和脂肪酸を利用することにより、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は自己乳化型ナノ懸濁物中に負荷された疎水性薬剤が未消化の油相内に閉じ込められ、そして送達できないようにされるという危険性を下げる。さらに自己乳化型ナノ懸濁物に使用する脂肪酸は飽和脂肪酸であるので、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、不飽和脂質または脂肪酸のような不飽和の疎水性材料を含む製剤に付随する安定性の問題を減らす。不飽和の疎水性物質に見いだされる1以上の炭素−炭素二重結合は、炭素−炭素単結合よりも有意に安定性が低く、そして時間の経過によりそのような不安定性は不飽和の疎水性物質を包含する製剤を分解するように作用する。
しかし生理学的温度で流動性である自己乳化型ナノ懸濁物を達成するために、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物の油相として含まれる飽和脂肪は慎重に選択しなければならない。C8脂肪酸よりも小さい飽和脂肪酸は、水性媒質へ暴露されてその場で多相エマルジョンを一貫して作成するには十分な疎水性を現さないことが分かった。したがって本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、C8脂肪酸以上の飽和脂肪酸を使用して配合される。しかし飽和脂肪酸の融点は、飽和脂肪酸のサイズがC12脂肪酸を超えて上がるにつれて望ましくなく上昇する。1以上の賦形剤と混合した後でも、C12よりも大きい飽和脂肪酸の融点は高すぎて生理学的温度で流動性の製剤を提供できない。したがって本発明の自己乳化型ナノ懸濁物の油相は、好ましくは飽和C8〜C12脂肪酸を使用して形成される。表1は飽和C6脂肪酸から飽和C18脂肪酸の範囲の飽和脂肪酸の物理学的特性を提供する。
本発明の自己乳化型ナノ懸濁物の油相は、1種類の飽和脂肪酸または種々の飽和脂肪酸の混合物を含むことができるが、それぞれの態様において、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物の油相はある量のC8、C10またはC12脂肪酸を含む。特に好適な態様では、カプリン酸、飽和C10脂肪酸が本発明の自己乳化型製剤の油相として役立つ。表1を参考にして認められるように、カプリン酸は31□Cの融点および水中での低い溶解度を有する。本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、約10重量%から約80重量%の間の飽和脂肪酸を含み、飽和脂肪酸は好ましくは自己乳化型ナノ懸濁物の約35重量%〜約45重量%を占める。
種々の表面活性剤を本発明の自己乳化型ナノ懸濁物に使用することができる。本発明の自己乳化型ナノ懸濁物に含まれる1以上の表面活性剤は、ナノ懸濁物の疎水性成分とナノ懸濁物が送達される環境中に含まれる水性媒質との間の界面張力を下げるように作用する。すなわち本発明の自己乳化型ナノ懸濁物の水性環境への送達で、製剤に含まれる1以上の表面活性剤はその場で安定なエマルジョンを自動的に作成するように作用する。本発明の製剤に含まれる1以上の表面活性剤は、好ましくは1以上の非イオン性表面活性剤である。例えば本発明の自己乳化型製剤に使用できる表面活性剤には、水素添加植物油のポリオキシエチレン生成物、ポリエトキシル化ヒマシ油またはポリエトキシル化水素添加ヒマシ油、ポリオキシエチレン−ソルビタン−脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体等を含む。本発明の自己乳化型ナノ懸濁物に含まれる1以上の表面活性剤には、9モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ヒマシ油、15モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ヒマシ油、25モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ヒマシ油、35モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ヒマシ油、40モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ヒマシ油、52モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシレン化ヒマシ油、20モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタンモノパルミレート、20モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタンモノステアレート、4モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタンモノステアレート、20モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタントリステアレート、20モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタンモノステアレート、20モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタントリオレート、8モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ステアリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、40モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ステアリン酸、50モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ステアリン酸、2モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ステアリルアルコール、および2モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化オレイルアルコールからなる群から選択される表面活性剤を含むことができる。そのような表面活性剤は、デラウエア州、ウィルミントンのアトラスケミカルインダストリー(Atlas Chemical Industries);ニュージャージー州、ボーントンのドリューケミカル社(Drew Chemical Corp.);およびニューヨーク州、ニューヨークのGAF社から入手することができる。本発明の自己乳化型ナノ懸濁物に使用することができる市販されている表面活性剤のさらなる例には:NIKKOL HCO−50□、NIKKOL HCO−35□、NIKKOL HCO−40□、NIKKOL HCO−60□(ニッコーケミカル社(Nikko Chemical Co.Ltd)から);CREMAPHORE□、CREMAPHORE RH40)□、CREMAPHORE RH60□、CREMAPHORE RH410□、CREMAPHORE RH455□およびCREMAPHORE EL□(BASFから);およびTWEEN 20□、TWEEN21□、TWEEN40□、TWEEN60□、TWEEN80□、TWEEN81□のようなTween(ICIケミカルズ(Chemicals)から)を含む。本発明の自己乳化型ナノ懸濁物に使用できるさらなる表面活性剤は、Pluronic F68、F108およびF127のようなPluronic表面活性剤を含む。
本発明の自己乳化型ナノ懸濁物中に含まれる表面活性剤の量は、種々の因子に依存する。中でもそのような因子は、製剤に含まれる脂肪酸および薬剤の量および種類、使用する表面活性剤(1つまたは複数)の種類、および水性環境に導入される自己乳化型製剤として望まれるエマルジョンの種類である。例えば本発明の自己乳化型製剤は、水性媒質との接触で安定なエマルジョンまたはマイクロエマルジョンを生成するために十分な表面活性剤を含むことができる。本明細書で使用する用語「マイクロエマルジョン」は、直径が1□m未満の平均油滴サイズを有し、そして中で薬剤量が溶解され得る均一な水中油型エマルジョンを現す多成分系を示す。典型的にはマイクロエマルジョンは、マイクロエマルジョンがより安定であり、そして通常は実質的に透明または乳光を発していると認識され、そしてその点で通常のエマルジョンとは識別されている。しかし本発明の自己乳化型製剤は、マイクロエマルジョンよりも粗いエマルジョンを生成するため配合することもできる。一般に自己乳化型製剤は、約5重量%〜約90重量%の表面活性剤を含み、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は好ましくは約25重量%〜約45重量%の表面活性剤を含む。
本発明の自己乳化型ナノ懸濁物中に含まれる疎水性薬剤は、ナノ粒子物質として自己乳化型ナノ懸濁物内に分散されている。用語「疎水性薬剤」は本明細書で使用するように、生物薬剤分類制度(Biopharmaceutics Classification System)に基づきクラスII薬剤に分類され得る、250mlよりも高い用量/溶解度容量を有する薬剤を示す。本発明の自己乳化型ナノ懸濁物中で使用できる薬剤には、限定するわけではないが、抗バクテリア剤、抗ウイルス剤、抗菌・カビ剤、制酸薬、抗炎症物質、冠血管拡張薬、脳血管拡張薬、向精神薬、抗新生物薬、興奮薬、抗ヒスタミン薬、緩下薬、鬱血除去薬、ビタミン、下痢止め用調製物、抗狭心症薬、血管拡張薬、抗不整脈薬、抗高血圧症薬、血管収縮薬、抗偏頭痛薬、抗腫瘍薬、抗凝固薬、抗血栓症薬、鎮痛薬、解熱薬、神経節薬、中枢神経に作用する作用物質、高血糖症薬、低血糖症薬、甲状腺および抗甲状腺調製物、利尿剤、鎮痙薬、子宮弛緩薬、ミネラルおよび栄養添加物、抗肥満薬、同化促進薬、抗喘息薬、去痰薬、咳止め、粘液溶解剤および抗尿酸症薬である疎水性薬剤を含む。また本発明の自己乳化型ナノ懸濁物中に含まれる疎水性薬剤は薬理学的に活性であるが、溶解度が良くないタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、プロテオミメティックまたはペプチドミメティック物質でもよい。
本発明の自己乳化型ナノ懸濁物中に含まれる疎水性薬剤の溶解度は、水中よりも自己乳化型ナノ懸濁物の油相で大きい。好ましくは、疎水性薬剤は水中での疎水性薬剤の溶解度よりも少なくとも10倍大きい、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物の油相中での溶解度を現す。より好ましくは疎水性薬剤は水中での疎水性薬剤の溶解度よりも少なくとも100倍大きい、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物の油相中での溶解度を現し、そしてさらに一層好ましくは、疎水性薬剤は水中での疎水性薬剤の溶解度よりも少なくとも500倍大きい、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物の油相中での溶解度を現す。
本発明の自己乳化型ナノ懸濁物に含まれる疎水性薬剤は、水中よりも自己乳化型ナノ懸濁物の油相中で溶解性であるが、操作環境へ自己乳化型ナノ懸濁物が送達される前に疎水性薬剤が自己乳化型ナノ懸濁物内に完全に溶解される必要はない。代わりに本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は好ましくは、飽和脂肪酸内に溶解したある量の疎水性薬剤および表面活性剤ならびに製剤中に分散したある量の非溶解の疎水性薬剤を有する懸濁物として調製される。特に好適な態様では、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、操作環境へ送達される前に自己乳化型ナノ懸濁物内に分散された非溶解の疎水性薬剤の量が、自己乳化型ナノ懸濁物内に溶解された疎水性薬剤の量よりも大きくなるように配合される。いったん個体のGI環境に送達されれば、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は油相を形成する脂肪酸内に溶解した疎水性薬剤の吸収を促進する。さらに本発明の自己乳化型ナノ懸濁物により形成されるエマルジョンの油相に溶解している疎水性薬剤が油相から吸収または分配されるので、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物により形成されるエマルジョンは、製剤内に分散された、それまでは非溶解の疎水性薬剤の持続的な可溶化を提供する。
本発明の自己乳化型ナノ懸濁物を作成するために、自己乳化型ナノ懸濁物に使用する疎水性薬剤はナノ粒状物質として調製される。本明細書で使用するように、用語「ナノ粒状物」または「ナノ粒子」は、すべての寸法において1□mよりも小さい平均粒子サイズを現す粒子を示す。好ましくは本発明の自己乳化型ナノ懸濁物に含まれる疎水性薬剤の粒子は、各寸法において約0.5□mよりも小さい平均粒子サイズを現し、そして最も好ましくは本発明の自己乳化型ナノ懸濁物に含まれる疎水性薬剤の粒子は、各寸法において約0.2□mよりも小さい平均粒子サイズを現す。Rossミキサーのような真空ミキサーは、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物内の疎水性薬剤のナノ粒子を分散させるために現在好適であるが、疎水性薬剤のナノ粒子は、すでに定めたようなナノ懸濁物を生じる任意の適切な方法を使用して製剤中に分散させることができる。さらに所望の疎水性薬剤のナノ粒子は、所望のサイズの範囲内の粒子を提供する任意の方法を使用して、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物内での分散を調製することができる。例えば薬剤はRESSまたはGAS法のような湿式磨砕または超臨界流体法を使用して処理することができる。さらにナノ粒子を生成する方法は、米国特許第6,267,989号、同第5,510,118号、同第5,494,683号および同第5,145,684号明細書に開示され、その内容は引用により本明細書に編入する。
ナノ粒状物質を得るために、それらが処理される時に粒子をコートする作用物質を用いて材料を処理することが一般に必要である。材料がコーティング剤の存在下で処理されない場合、形成された粒状物は材料が処理される時、急激に凝集するか、または塊状となり、そしてナノ粒子にならない。したがって本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、疎水性薬剤のナノ粒子の凝集化または塊状化を防止するためにある量のコーティング剤も含む。コーティング剤の例には、脂質、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(“HPMC”)およびポリビニルピロリドン(“PVP”)ポリマーのような親水性ポリマー、および固体もしくは液体の表面活性剤を含む。ナノ粒子の形成法に使用するコーティング剤は、2つの異なる表面活性剤の混合物のような作用物質の混合物を含んでもよい。コーティング剤として使用する場合、親水性ポリマーはナノ粒状物質の形成を促進し、しかも生じたナノ粒子を長期の貯蔵期間にわたり再結晶に対して安定化させる両方に作用することができる。本発明の自己乳化型ナノ懸濁物に有用なナノ粒子の作成においてコーティング剤として有用な表面活性剤には、Pluronic F68、F108またはF127のような非イオン性の表面活性剤を含む。本明細書ですでに挙げた非イオン性の表面活性剤も、ナノ粒子形成法のコーティング剤として有用となり得る。
本発明の自己乳化型ナノ懸濁物に含まれるコーティング剤の量は、懸濁物内に分散する疎水性の薬剤物質の量に依存する。しかし本発明の自己乳化型ナノ懸濁物に含まれるナノ粒子状の疎水性薬剤物質に含まれるコーティング剤の量は、好ましくは約10重量%〜約70重量%の範囲であり、疎水性の薬剤物質はナノ粒状物質の約30重量%〜約90重量%を表す。好ましくは本発明の自己乳化型ナノ懸濁物に含まれるナノ粒子状の疎水性薬剤物質は、約25〜約35%のコーティング剤および約65%〜約75%の疎水性薬剤物質を含み、コーティング剤と薬剤物質の総重量%が100重量%に等しい。
疎水性薬剤のナノ粒子で本発明の自己乳化型ナノ懸濁物を調製することは、薬剤負荷量の増大を可能とする。ナノ粒状物質として疎水性薬剤を調製することは、生物学的利用性を損なうことなく自己乳化型ナノ懸濁物の薬剤負荷量の増加を促進する。粗い材料と比べて、薬剤物質の分離を生じることなく、あるいは自己乳化型懸濁物の安定性に他の悪影響を及ぼすことなく、より多くのナノ粒状薬剤物質を自己乳化型製剤内に分散できることがわかった。さらにナノ粒状の疎水性薬剤物質の使用は、疎水性薬剤のナノ粒子が低粘度液体に分散された時でも沈殿を現さないので、低粘度の自己乳化型担体中に薬剤物質の実質的に均一な懸濁物の形成を可能とする。対照的に、より大きな粒子がたとえ微粒子でも分散して懸濁物を形成する場合、粘性強化剤が均一な懸濁物を維持し、そして沈殿の防止に必要であり、そしてそのようなより高粘度の製剤は、放出制御送達デバイスからの送達には十分に適していないかもしれない。本発明の自己乳化型ナノ懸濁物により可能となる増加した薬剤負荷量は、比較的さらに疎水性の薬剤が製剤の所定の容量から送達できるようにし、これは次いで所望の疎水性薬剤の所定量を投与するために必要となる剤形のサイズを下げることができる。
本発明の自己乳化型ナノ懸濁物に含まれる薬剤の量は、使用する薬剤および送達すべき所望の用量に依存して変動する。一般に本発明の自己乳化型製剤は、許容されるサイズの剤形から約10mg〜約250mgの疎水性薬剤を送達するために十分な疎水性の薬剤物質を含む。好適な態様では本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、許容されるサイズの剤形から約40mg〜約150mgの疎水性薬剤を送達するために十分な疎水性の薬剤物質を含む。あるいは本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、好ましくは約2重量%〜約50重量%の疎水性薬剤を含み、そして特に好適な態様では本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、約10重量%〜約30重量%の疎水性薬剤を含む。
その薬剤負荷特性の外に、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は水性環境での疎水性薬剤の溶解度を強化し、そして本発明の自己乳化型ナノ懸濁物により形成されるエマルジョンは、エマルジョン中に溶解された疎水性薬剤の画分が沈殿することを防止するように作用する。本発明の自己乳化型ナノ懸濁物に含まれる飽和脂肪酸および表面活性剤により形成されるエマルジョンは、人工腸流体(Artificial intestinal fluid:“AIF”)のような水性流体に導入された後、数時間の間、疎水性の薬剤物質の溶解度を維持することが示された。
また本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物を容易に経口的に投与できるようにする種々の剤形と適合する。本発明の自己乳化型ナノ懸濁物により提供される上昇した溶解度により、自己乳化型ナノ懸濁物は個体のGI管に比較的高濃度の溶解した疎水性薬剤の生成を促進する。さらに自己乳化型ナノ懸濁物により形成されるエマルジョンは溶解した薬剤物質が吸収される時、疎水性薬剤を可溶化するように作用するので、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、製剤が単に溶解されたある量の疎水性薬剤を含む場合に可能となるよりも高濃度の溶解された疎水性薬剤を長期間にわたり維持するように作用する。したがって経口剤形を使用して個体のGI管に送達される時、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物はGI管内で、より高濃度の溶解された疎水性薬剤を生成し、そして維持するための両方で作用する。個体のGI管内で、より高濃度の溶解された疎水性薬剤を生成し、そして維持ように作用することにより、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は粘膜をわたる疎水性薬剤の輸送を増加するように作用し、そしてこれにより経口剤形を使用して投与された疎水性薬剤の生物学的利用性を上昇させるように作用する。
本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物を含有することができ、自己乳化型ナノ懸濁物と適合性があり、そして本発明の自己乳化型ナノ懸濁物を個体のGI管に送達することができる任意の経口剤形を使用して個体に投与することができる。しかし本発明の自己乳化型ナノ懸濁物は、制御放出剤形を使用して個体のGI管に送達される時、生物学的利用性に驚くべき上昇を提供することが分かった。
放出制御剤形を使用して本発明の自己乳化型ナノ懸濁物が送達される場合、少なくとも2つの因子の組み合わせが比較的高い生物学的利用性を導くと考えらる。第1に、水性環境での疎水性薬剤の溶解度は、水性環境での自己乳化型ナノ懸濁物の濃度が上昇すれば上昇する。特に水性環境での自己乳化型ナノ懸濁物の濃度の上昇がたとえ少なくも、疎水性薬剤の溶解度に大きな上昇を提供できることが分かった。第2に放出制御剤形は剤形に含まれる製剤の量を個体のGI管の下部に送達する傾向があり、そしてGI管の下部は一般に上部GI管よりも少ない水性媒質を含む。したがって放出制御剤形はある量の本発明の自己乳化型ナノ懸濁物を、比較的少ない水性媒質を含有する環境へ送達するように作用し、これは送達の部位に比較的高濃度の自己乳化型ナノ懸濁物を提供すると考えられる。より高濃度の自己乳化型ナノ懸濁物は、次いでGI環境において疎水性薬剤の溶解度を上昇させ、そしてこれにより疎水性薬剤の経口生物学的利用性を強化すると考えられる。
本発明は放出制御剤形を含む。本発明の放出制御剤形は、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物を含有することができる任意の放出制御剤形を含み、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物と適合性があり、そして個体のGI管内に所望する期間にわたり制御された速度で本発明の自己乳化型ナノ懸濁物を送達する。本発明の放出制御剤形は、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物を所望する期間にわたり所望する濃度で送達するように設計することができる。典型的には本発明の放出制御剤形は、約1時間〜約24時間の範囲の期間にわたり所望の放出速度で本発明の自己乳化型ナノ懸濁物を送達するように設計される。好適な態様では本発明の放出制御剤形は、剤形が個体の下部GI管に入った後にのみ自己乳化型ナノ懸濁物を送達し始めるように設計される。本明細書で使用するように、「下部GI」または「下部GI管」または「GI管の下部」という句は、遠位小腸および結腸を示す。
放出制御剤形は、所望する期間にわたり所望する速度で自己乳化型ナノ懸濁物の放出を提供する任意の放出または送達メカニズムを使用して、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物の制御放出を提供するように設計することができるが、本発明の放出制御剤形は好ましくは浸透性剤形である。アルザコーポレーション(ALZA Corporation)に割り当てられ、そして引用により本明細書に編入する米国特許第6,419,952号、同第6,342,249号、同第6,183,466号、同第6,174,547号、同第5,614,578号、同第5,413,572号、同第5,324,280号、および同第4,627,850号明細書に記載されているような浸透性剤形は、これらの剤形に含まれる膨張可能な浸透性材料が、下部GI管のような比較的少量の水性媒質を有する環境で制御された速度で流動可能な製剤を放出するように作用するので望ましい。
本発明の放出制御剤形が浸透性剤形である場合、剤形は米国特許第6,419,952号、同第5,614,578号、同第5,413,572号および同第5,324,280号明細書、および米国特許出願第60/343,001号および同第60/343,005号明細書(これらの内容は引用により本明細書に編入する)に記載されているような軟質ゼラチンカプセルまたは硬質カプセルを使用して形成することができる。図1から14は、軟質カプセルを使用して形成した本発明の放出制御剤形の好適な態様を具体的に説明する。
軟質ゼラチンカプセルまたは「軟質キャップ(soft−cap)」は本発明の放出制御剤形10を形成するために使用し、剤形10には自己乳化型ナノ懸濁物14を含有する軟質キャップ32を含む。バリア層34は軟質キャップ32の回りに形成され、そして膨張性の浸透性材料36の層または「浸透層(osmotic layer)」はバリア層34の回りに形成される。本発明の軟質キャップ型の制御放出剤形10には半透膜22が提供され、半透膜22は浸透層36の上に形成される。出口開口部24は好ましくは半透膜22、浸透層36およびバリア層34を通って形成されて、軟質キャップ型の放出制御剤形10から自己乳化型ナノ懸濁物14の送達を促進する。
本発明の放出制御剤形10を作成するために使用する軟質キャップ32は従来のゼラチンカプセルでよく、そしてその最終製造で2つの区画に、または単一ユニットのカプセルとして形成することができる。好ましくはバリア層34の存在から、軟質キャップ32の壁33は壁33が出口開口部24で露出する領域で溶解する場所を除き、その完全性およびゲル様の特性を維持する。一般に軟質キャップ32の壁33の完全性を維持することが、製剤14の十分に制御された送達を促進する。しかし製剤14の送達中に出口開口部24から伸びる軟質キャップ32の幾らかの溶解部分は、製剤14の放出速度または放出速度プロファイルに有意な影響を与えることなく収容することができる。
任意の適切な軟質キャップを、本発明の放出制御剤形を形成するために使用することができる。軟質キャップ32は、標準的なカプセル形状を含んでなる単一の本体ユニットとして、常法に従い製造することができる。そのような単一本体の軟質キャップは典型的には3〜22minims(1minimiは0.0616mlに等しい)のサイズで、卵形、長円およびその他の形状で提供され得る。軟質キャップ32は、例えば軟質ゼラチン材料または操作中に軟化する硬質ゼラチン材料を使用して常法に従い製造することができる。軟質キャップ32は、通常、(000)、(00)、(0)、(1)、(2)、(3)、(4)および(5)(最大の数が最小のカプセルサイズに対応する)と命名される標準形および種々の標準サイズに製造することができる。しかし軟質キャップ32が軟質ゼラチンカプセルまたは操作中に軟化する硬質ゼラチンカプセルを使用して製造されてもされなくても、特定の応用に必要または望まれるならば、軟質キャップ32は通常ではない形状およびサイズに形成することができる。
少なくとも操作中に、軟質キャップ32の壁33は軟化し、そして変形して、所望の放出速度または放出速度プロファイルを達成すべきである。本発明の放出制御剤形10を作成するために使用する軟質キャップ32の壁33は、典型的には硬質キャップ型の放出制御剤形10を作成するために使用する硬質−キャップ12の壁13の厚さよりも大きな厚さを有する。例えば軟質キャップは10〜40milsの次元の壁厚を有することができ、約20milsが最も多いが、硬質−キャップは2〜6milsの次元の壁厚を有することができ、約4milsが最も多い。米国特許第5,324,280号および同第6,419,952号明細書および米国特許出願第60/343,001号および同第60/343,005明細書(これらの内容はすでに引用により本明細書に編入した)は、本発明の放出制御剤形を形成するために有用な種々の軟質キャップの製造を記載する。
軟質キャップ32の回りに形成されるバリア層34は、浸透層36により発揮される圧力下で変形可能であり、そして好ましくは浸透層36中および自己乳化型ナノ懸濁物14の送達中に使用する環境中に存在し得る流体または物質に対して非透過性(impermeable)(または透過性が低い)である。またバリア層34も好ましくは本発明の製剤14に対して非透過性(または透過性が低い)である。しかしバリア層34のある程度の透過性は、自己乳化型ナノ懸濁物14の放出速度または放出速度プロファイルが悪影響を受けなければ許容され得る。バリア層34は浸透層36によりかかる力の下で変形可能なので、バリア層34は浸透層36が膨張すると軟質キャップ32の圧縮を可能とする。次いでこの圧縮は出口開口部24から自己乳化型ナノ懸濁物14を押し出す。好ましくはバリア層34は、バリア層34が出口開口部24が形成される領域で浸透層36と半透層(semipermeable layer)22との間にシールを形成するような程度まで変形可能である。その様式では、バリア層34は出口開口部24が形成されている時に浸透層36および半透膜22が最初に露出した領域を密閉するために、限定された程度まで変形または流動する。本発明の軟質キャップ型の放出制御剤形10に含まれるバリア層34を形成するために適する材料および方法は、米国特許出願第60/343,001号および同第60/343,005号明細書に教示されている。
本発明の軟質キャップ型の放出制御剤形10に含まれる浸透層36には、胃液中に存在するような水の存在下で膨張するヒドロ活性化組成物を含む。浸透層36は米国特許第5,324,280号および同第6,419,952号明細書、および米国特許出願第60/392,775号明細書に記載されている材料および方法を使用して調製することができ、これらの内容は引用により本明細書に編入する。浸透層36が外部の流体を吸収(imbibe)かつ/または吸収(absorbe)すると、浸透層36は膨張し、そしてゲル−キャップ32のバリア層34および壁33に対して圧力をかけ、これにより自己乳化型ナノ懸濁物14が出口開口部24を通って出るようにする。
図1、図5〜図8、および図10〜図11に示すように、本発明の軟質キャップ型の放出制御剤形10に含まれる浸透層36は、所望する放出速度または放出速度プロファイルおよび所望する送達効率を達成するために、望ましいように成形することができる。例えば浸透層36は出口開口部24から離れた、より厚い部分を有する非対称的なヒドロ活性化層(図5および図6を参照にされたい)でよい。非対称的な浸透層36の存在は、浸透層36のより厚い部分が膨張し、そして出口開口部24に向かって移動する時、最大用量の製剤14が剤形10から確実に送達されるように機能する。図面を参照にすれば容易に分かるように、浸透層36は軟質キャップ32の回りに形成されたバリア層34をすべては包含しない1以上の別れた区画38に形成されることができる(図5〜図8を参照にされたい)。図5および図6から分かるように、浸透層36は接触領域で軟質キャップ32の形状に合うように形成された1つの要素40であることができる。あるいは浸透層36は接触領域で軟質キャップ32の形状に合うように形成された2以上の別れた区画38を含むことができる(図7および図8をに示す)。
浸透層36は既知の材料および作成技術を使用して錠剤化された材料の物質として作成することができる。例えば浸透層は所望する形状およびサイズの浸透層36を形成するために錠剤化することにより都合よく作成できる。例えば浸透層36は軟質キャップ32上に形成されるバリア層34の外面に相補的な凹面として錠剤化することができる。通常の打錠プレス中の凸型パンチのような適切な工具は、浸透層に必要な相補的形状を提供することができる。錠剤化により形成される場合、浸透層36はコーティングとして形成されるよりはむしろ造粒され、そして圧縮される。錠剤化による浸透層の形成法は、例えば米国特許第4,915,949号、同第5,126,142号、同第5,660,861号、同第5,633,011号、同第5,190,765号、同第5,252,338号、同第5,620,705号、同第4,931,285号、同第5,006,346号、同第5,024,842号および同第5,160,743号明細書に記載されており、これらの内容は引用により本明細書に編入する。
浸透層36の回りに形成される半透膜22は非毒性であり、そして軟質キャップ型の放出制御剤形10の操作中にその物理的および化学的完全性を維持する。半透膜22は水の通過に対して透過性であるが、自己乳化型ナノ懸濁物14に含まれる活性剤の通過に対しては実質的に非透過性である。半透膜22は意図する個体に対して非毒性であり、そして剤形10の操作中にその物理的および化学的完全性を維持する。さらに半透膜22の厚さまたは化学的構造(make−up)を調整することにより、剤形10に含まれる膨張可能な浸透性組成物36が膨張する速度を制御することができる。したがって、本発明の剤形10をコーティングする半透膜22は、剤形10により達成される放出速度または放出プロファイルを制御するために使用することができる。
本発明の放出制御剤形に含まれる半透膜22は、水に対して透過性の任意の材料を使用して形成することができ、活性剤に対して実質的に非透過性であり、製薬学的に許容され、そして剤形の他の成分と適合性がある。一般に半透膜22は半透性ポリマー、半透性ホモポリマー、半透性コポリマーおよび半透性ターポリマーを含む材料を使用して形成することができる。半透性ポリマーは当該技術分野では知られており、そして米国特許第4,077,407号明細書(これは引用により本明細書に編入する)に例示され、そしてそれらはニューヨークのインターサイエンス出版社(Interscience Publishers)から出版されたポリマー科学および技術辞典(Encyclopedia of Polymer Science and Technology)、第3巻、325〜354頁、1964に記載された手順により作成することができる。本発明の剤形10に含まれる半透膜22は、流体透過性または半透膜22を通る流動の調節を補助するために、流動強化または流動低下剤のような流動調節剤も含むことができる。本発明の剤形10に含まれる半透膜22を形成するために適する材料および方法を記載するさらなる技術文献には、米国特許第6,174,547号、同第6,245,357号および同第6,419,952号明細書、および米国特許出願第08/075,084号、同第09/733,847号、同第60/343,001号、同第60/343,005号および同第60/392,774号明細書(これらの内容は引用により本明細書に編入する)含む。
本発明の軟質キャップ型の放出制御剤形10は、出口開口部24で露出した浸透層36の任意の部分を密閉するメカニズムを含むことが現在、好ましい。そのような密閉メカニズムは製剤14の送達中に浸透層36が系から漏出することを防ぐ。1つの態様では、出口開口部24を孔あけし、そして浸透層36の露出した部分をバリア層34により密閉し、これはその弾力性のあるゴム様の特性から、出口開口部24の形成中および/または後に出口開口部24の内面のまわりから外側に流動する。この様式で、バリア層34は浸透層34と半透性層22との間の領域を効果的に密閉する。これは図4で最も明確に分かる。流動し、そして密閉するために、バリア層34は流動性のゴム様の粘稠度を系の操作が起こる温度で持つべきである。アクリル酸エチルおよびメタクリル酸メチルコポリマーのような材料、特にドイツ、ダルムシュタットのロームファルマ(RohmPharma)により供給されるEudragit NE30Dが好適である。そのような密閉メカニズムを有する軟質キャップ型の放出制御剤形10は、軟質キャップ32をバリア層34、浸透層36および半透層22で順次コーティングすることにより調製し、次いで出口開口部24を孔あけして剤形10を完成することができる。
あるいはプラグ44を使用して、浸透層36の露出部のために望ましい密閉メカニズムを形成することができる。図9Aから図9Dで示すように、プラグ44は孔46を半透膜およびバリア層に提供することにより形成することができる(1つの複合膜48として表す)。ついでプラグ44は、例えば熱、照射等により硬化され得る液体ポリマーで孔46を充填することにより形成される(図9Cに示す)。適当なポリマーには例えばコネチカット州、ハートホードのロックタイト社(Loctite Corpration)により販売されているLoctite□3201、Loctite□3211、Loctite□3321およびLoctite□3301のようなポリカーボネートボンド接着剤等を含む。出口開口部24をプラグに孔あけして軟質キャップ32の一部を露出する。プラグ型のシールを有する完全な剤形は、図10に全体図で、そして図11で断面図で具体的に説明する。
出口開口部の内面に形成されたシールを有する剤形を調製するさらに別の様式を、図12〜図14を参照にして記載する。図12では、軟質キャップ32(部分的にのみ示す)をバリア層34および浸透層36でコーティングした。半透膜22をコーティングする前に、バリア層34の下に伸びるが、貫通しない浸透層36の区画を線A−Aに沿って取り出す。次いで半透膜22を剤形10上にコーティングして、図13で具体的に説明するような剤形の前駆体を生じる。図13から分かるように、出口開口部24が形成されるゲル−キャップ32の一部は、半透膜22およびバリア層34で覆われているが、浸透層36で覆われてはいない。結果として、出口開口部24が剤形10のその部分に形成された時、図14から最も明確に分かるように、バリア層34は半透膜22および膨張性層20の接合部にシールを形成するので、流体は半透膜22のみを通って浸透層36を通過することができる。したがって浸透層36が操作中に剤形10から漏出することはない。本発明の軟質キャップ型の放出制御剤形10の密閉観点では、浸透層36への流体の流速が、半透膜22の流体流動特性を制御することにより慎重に制御できるようになる。
図5および図6に示す態様では、バリア層34が最初にゼラチンカプセル12上にコーティングされ、次いで錠剤化された浸透層36がバリアをコーティングした軟質キャップに生物学的に適合性の接着剤を用いて付けられる。適当な接着剤には例えば、澱粉ペースト、水性ゼラチン溶液、水性ゼラチン/グリセリン溶液、Duro−Tak接着剤(ナショナル スターチ アンド ケミカル カンパニー:National Starch and Chemical Company)のようなアクリレート−ビニルアセテートに基づく接着剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチル セルロース、ヒドロキシエチル セルロース等のような水溶性の親水性ポリマーの水溶液を含む。次いで中間剤形を半透膜でコーティングする。出口開口部24は側面、または浸透層36の反対側の軟質キャップ32の末端に形成される。浸透層36が流体を吸収すると、浸透層は膨潤する。これは半透膜22により圧迫されているので、浸透層36は浸透層36が膨張すると軟質キャップ32を圧縮し、これにより製剤14は軟質キャップ32の内部から使用環境へ表出する。
述べたように本発明の軟質キャップ型の放出制御剤形10は、複数の分離区画から成形された浸透層を含むことができる。任意の所望する数の分離区画を使用することができるが、典型的には分離区画の数は2〜6の範囲である。例えば図12および図13で具体的に説明するように、2つの区画38をバリアをコーティングした軟質キャップ32の末端上に付けることができる。図12は、点線により示す種々の剤形成分および実線で示す軟質キャップ32を有する軟質キャップ型の放出制御剤形10の該略である。図13は2つの分離した膨張性区画38を有する完成した軟質キャップ型の放出制御剤形10の断面図である。各膨張性区画38は、顆粒から錠剤化することにより都合良く形成され、そしてバリアをコーティングした軟質キャップ32に、好ましくは軟質キャップ32の末端に接着剤で付けられる。次いで半透層22が中間構造上にコーティングされ、そして出口開口部24が膨張性区画38の間の剤形の側面に形成される。膨張性区画38が膨張すると、製剤14が軟質キャップ32の内側から制御された様式で表出して、自己乳化型ナノ懸濁物14の制御された放出送達を提供する。
また本発明の放出制御剤形は、硬質ゼラチンまたはポリマー材料で作成されたカプセルのような硬質キャップを使用しても製造することもできる。引用によりすでに本明細書に編入した米国特許第6,174,547号、同第5,413,572号および同第5,614,578号明細書、および米国特許出願第60/392,774号明細書は、本発明の自己乳化型ナノ懸濁物を送達するために使用でき、そして本発明放出制御剤形として役立つことができる例示的な放出制御剤形を教示する。現在好適な硬質キャップ型の放出制御剤形を、図15で具体的に説明する。
図15を参照にすることにより分かるように、好適な放出制御型の硬質キャップ剤形100は、自己乳化型ナノ懸濁物140が充填されたカプセル本体120を含む。水非透過性のサブコート160をカプセル本体120の外面に提供してもよく、そして膨張可能な浸透性組成物180はカプセル本体120の第1末端20内に配置される。所望によりバリア層220を膨張可能な浸透性組成物180と自己乳化型ナノ懸濁物140との間に配置してもよい。バリア層220を含める場合、これは自己乳化型ナノ懸濁物140が膨張可能な浸透性組成物180と混ざることを防ぐように作用し、そして操作中に膨張可能な浸透性組成物180が膨張する時、剤形100から自己乳化型ナノ懸濁物140のより完全な送達を確実とするために役立つ。図15を参照にすることにより分かるように、半透膜240が水非透過性のサブコート16およびカプセル本体120の任意の露出部分および膨張可能な浸透性組成物180上に形成される。自己乳化型ナノ懸濁物140の放出を促進するために、本発明の剤形100は出口開口部260も含み、これは好ましくはカプセル本体120の第2末端280付近の領域に形成される。図15に示すように、出口開口部260は一般に膨張可能な浸透性組成物180の反対の位置に形成される。
本発明の好適な硬質キャップ型の放出制御剤形100に含まれるカプセル本体120は、所望する量の自己乳化型ナノ懸濁物140を含むように形成され、そして第1末端200および第2末端280を含む。カプセル本体120の第1末端200は開放されており、そして膨張可能な浸透性組成物180を収容するためのサイズおよび形状である。図15から分かるように、剤形100のカプセル本体120はキャップを含まず、そして膨張可能な浸透性組成物180をカプセル化しない。この様式では、剤形100の操作前にカプセル本体120と膨張可能な浸透性組成物180との間の接触が、以前の剤形の設計に比べて減らされる。そのような設計はカプセル材料から浸透性組成物への水の移動によりカプセルのひび割れを減らし、そしてこれにより剤形100の操作前または最中のいずれかにカプセル本体120の構造的安定性に影響を及ぼす膨張可能な浸透性組成物180とカプセル本体120との間の相互作用の可能性を減らす。図15に具体的に説明するカプセル本体120は一般に長円形に形成されるが、本発明の放出制御型の硬質キャップ剤形100のカプセル本体はそのように限定されず、そして所望の量の液体活性製剤を含むために、または特定の薬剤送達の応用に適するように、所望のサイズおよび形状にすることができる。
水和感度に付随する問題をさらに減らすために、本発明の放出制御型の硬質キャップ剤形100の好適な態様は、水溶性ポリマー材料で形成されたカプセル本体120を含むことができる。ゼラチン材料に比べて、水溶性ポリマー材料は水分損失に対して感度が低く、そしてカプセル製造で典型的に使用されているゼラチン材料よりも水分含量における変化に対する感度が顕著に低い。カプセル本体120を形成するために使用することができるポリマー材料には、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリ(ビニルアルコール−コ−エチレングリコール)のような多糖材料、およびカプセル本体を作成するための浸漬−コーティングまたは押出し法に適する他の水溶性ポリマーを含む。好適な硬質キャップ型の放出制御剤形100に含まれるカプセル本体120は単一のポリマー材料を使用して製造することができるが、カプセル本体120は1より多くのポリマー材料の混合物を使用して製造することもできる。現在、HPMCカプセルは市販されており、そして所望する性能特性を提供するので、それらを硬質キャップカプセル本体120を形成するために好ましく使用する。しかし本発明による硬質キャップ型の放出制御剤に含まれるカプセル本体120は、種々の材料および方法を使用して形成することができ、例示の材料および方法が例えば米国特許第6,174,547号、同第5,413,572号および同第5,614,578明細書、および米国特許出願第60/392,774号明細書に記載され、これらの内容は引用により本明細書に編入する。
本発明の硬質キャップ型の放出制御剤100のカプセル本体120上に形成される任意の水非透過性のサブコート160が含まれる場合、これはカプセル本体120を通って外部環境からの水が自己乳化型ナノ懸濁物140へ移動することを最少にするか、または防ぐように作用する。効果的となるために、水非透過性サブコート160は水の通過に対して完全に非透過性となる必要はない。本明細書で使用するように、「水非透過性」という表現は、約10〜4(mil□cm/atm□hr)より低い水の流動を表すサブコートを指す。十分な水非透過性のサブコートを提供し、製薬学的に許容され、そして剤形の他の成分と適合する任意の材料は、水非透過性のサブコート160を形成するために使用することができる。しかしカラルコン社(Colorcon Inc.)から入手可能なSurelease□ラテックス材料、BASFから入手可能なKollicoat□SRラテックス材料、Eudragit□SR、および他のポリメチルアクリレートラテックス材料のようなラテックス材料が、水非透過性サブコート160を形成するために現在好適である。
水非透過性サブコート160は、適切なコーティング技術を使用してカプセル本体120上に提供することができる。例えばカプセル本体120には、既知の浸漬コーティング法を使用して水非透過性サブコート160が提供され得る。水非透過性サブコート160は、噴霧コーティング法を使用してカプセル本体120上に形成することもできる。しかし噴霧コーティング法を使用する場合、カプセル本体120に好ましくは噴霧コーティング法を行う前に取り外し可能なキャップが提供される。噴霧コーティング法の前に取り外し可能なキャップをカプセル本体120に提供することは、カプセル本体120の内面が水非透過性サブコート160を形成する材料でコーティングされることを防止する。しかしいったん噴霧コーティング法が完了すれば、キャップは容易に取り外すことができ、コーティングされたカプセル本体120のさらなる処理を可能とすべきである。本発明の硬質キャップ型の投薬放出制御剤形に含まれるカプセル本体120に水非透過性サブコートを提供するために適する例示的な噴霧コーティング法は、米国特許出願第60/392,774号明細書に記載され、この内容は引用により本明細書に編入する。
本発明の剤形100に含まれる膨張可能な浸透性組成物180は、膨張可能な浸透性組成物180が操作環境から水を吸収すると膨張し、そして自己乳化型ナノ懸濁物140に対する力を発揮し、これが出口開口部26を通って自己乳化型ナノ懸濁物140の放出を引き起こすように形成される。そのような特性を現し、製薬学的に許容され、そして本発明の剤形の他の成分と適合性がある任意の組成物を、膨張可能な浸透性組成物180を形成するために使用することができる。本発明の放出制御型の硬質キャップ剤形100を使用するための膨張可能な浸透性組成物180を形成する例示的材料および方法は、米国特許第6,174,547号、同第6,245,357号および同第6,419,952号明細書、および米国特許出願第09/733,847号、同第60/343,001号および同第60/343,005号および同第60/392,774号明細書(これらの内容は引用により本明細書に編入する)に詳述されている。
また図15を参照にして認識されるように、本発明の放出制御型硬質キャップ100の膨張可能な浸透性組成物180は、好ましくはバリア層220を含む二層錠剤30に錠剤化される。バリア層220は、剤形100の操作前および最中に自己乳化型ナノ懸濁物140が膨張可能な浸透性組成物180と混ざることを最少にするか、または防ぐように作用する。自己乳化型ナノ懸濁物140が膨張可能な浸透性組成物180と混ざることを最少にするか、または防ぐことにより、バリア層220は膨張可能な浸透性組成物180が膨張を止めた後、または剤形100の内部が充填された後に、剤形100内に残る残存活性剤の量を減らすために役立つ。またバリア層220は、膨張可能な浸透性組成物180の駆動力が剤形100に含まれる自己乳化型ナノ懸濁物140に伝わる均一性を上げるためにも役立つ。好適な硬質キャップ型の放出制御剤形100に含まれるバリア層220は、米国特許第6,419号明細書、出願番号08/075,084号、同第60/343,001号、同第60/343,005号および同第60/392,774号明細書に記載されている材料および方法を使用して形成することができる。
本発明の放出制御型硬質キャップ剤形100上に含まれる半透膜240は、水の通過に対して透過性であるが、自己乳化型ナノ懸濁物140に含まれる活性剤の通過に対しては実質的に非透過性である。半透膜240は意図する個体に対して非毒性であり、そして剤形100の操作中にその物理的および化学的完全性を維持する。さらに半透膜240の厚さまたは化学的構造(make−up)を調整することにより、本発明の剤形100に含まれる膨張可能な浸透性組成物180が膨張する速度を制御することができる。したがって本発明の剤形100をコーティングする半透膜240は、好適な放出制御型の硬質キャップ剤形100により達成される放出速度または放出速度プロファイルを制御するために使用することができる。本発明の硬質キャップ型放出制御剤形に提供される半透膜240は、図1から14で具体的に説明した好適な軟質キャップ型放出制御剤形に関連してすでに記載した材料および方法を使用して提供することができる。
本発明の硬質キャップ型放出制御剤形100に含まれる出口開口部260は、自己乳化型ナノ懸濁物140の放出を可能とするために適する種々の構造の1つにより具体化され得る。図15で具体的に説明するように、出口開口部26は一般にカプセル本体120の第2末端280またはその付近に形成され、そして半透膜240および水非透過性サブコート160を通って形成される開口270を含むことができる。図15で具体的に説明する出口開口部260の開口270はカプセル本体120の一部を露出するが、好ましくはカプセル本体120を貫通しない。剤形100を操作環境に投与すると、操作環境に存在する水が開口270により露出したカプセル本体120の一部を弱め、そして溶解し、カプセル本体120に含まれる自己乳化型ナノ懸濁物140を排出させる。図15で具体的に説明する出口開口部260は、本発明の硬質キャップ型放出制御剤形に提供され得る種々の出口開口部のわずか1つであるが、図15に示す出口開口部260は剤形100が投与される前にカプセル本体120の貫通を必要としないので有利である。そのような設計は、剤形100が投与される前に剤形100から自己乳化型ナノ懸濁物140の漏出を防止するように作用する。さらに図15に示す開口270は、既知の機械的またはレーザードリル技術を使用して簡単に形成される。それにもかかわらず、本発明の放出制御型の硬質キャップ剤形100は図15で具体的に説明する出口開口部260に限定されない。本発明の硬質キャップ型放出制御剤形に使用できる出口開口部の種々な態様の記載は、例えば本明細書にすでに引用した特許および特許出願、ならびに米国特許第3,845,770号、同第3,916,899号および同第4,200,098号明細書(これらの内容は引用により本明細書に編入する)に開示されている。
本発明に従い調製される硬質キャップおよび軟質キャップ型の放出制御剤形は、所望する期間にわたり所望の放出速度または放出速度プロファイルで本発明の製剤の制御放出を提供するために望ましいように構成することができる。好ましくは本発明の放出制御剤形は、長期間にわたり本発明の製剤の制御された放出を提供するように設計される。本明細書で使用する「長期間」という句は、2時間以上の期間を示す。典型的にヒトおよび獣医学の製薬学的応用に望ましい長期間は、2時間〜24時間、さらにしばしば4時間〜12時間、または6時間〜10時間となり得る。多くの応用に関して、1日に1回の投与が必要となるだけの剤形を提供することが好ましいかもしれない。
特に好適な態様では、本発明の放出制御剤形は剤形が個体の下部GI管に入った後にのみ、中に含まれる自己乳化型ナノ懸濁物の放出が始まるように設計される。1つのそのような態様では本発明の放出制御剤形には、剤形が個体の下部GI管に入るまで剤形の作動を防止するように作用する腸溶性オーバーコートが提供される。腸溶性のコーティングは当該技術分野では既知であり、そして予め定めたpHを有する水性環境に暴露されるまで、完全なままであるように設計される。したがって本発明に従い得る放出制御剤形には、個体の上部GI管内では完全なままであるが、剤形がGI管の上部からGI管の下部へ移動する時に起こるpHの変化により下部GI管で溶解する腸溶性コーティングが提供され得る。腸溶性コーティングの例は例えば、レミングトンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Science)、(1965)、第13版、第604〜605頁、マック出版社(Mack Publishing Co.)、イーストン、ペンシルバニア州;制御薬剤送達用のポリマー(Polymers for Controlled Drug Delivery)、第3章、CRC出版、1991;Eudragit□コーティング、ローム ファルマ(Eudragit□Coating Rohm Pharma)、(1985);および米国特許第4,627,851号明細書で検討されている。所望により本発明の剤形上に形成される腸溶性コーティングの厚さおよび化学成分は、下部GI管の特異的領域内で本発明の製剤の放出を標的とするように選択することができる。
もちろん上部GIを通過した後に自己乳化型ナノ懸濁物を放出し始めるように設計された本発明の制御放出剤形は、腸溶性コーティングを有する制御放出剤形に限定されない。例えば半透膜、浸透性組成物および自己乳化型ナノ懸濁物は、一般に剤形が個体の上部GI管を通過して下部GI管へ確実に入るために十分な時間、制御放出剤形が自己乳化型ナノ懸濁物を送達し始めないように配合し、そして設計することができる。あるいは本発明の放出制御剤形は、投与後に所望する期間にわたり侵食する外側コーティングを放出制御剤形に提供することにより、個体の下部GI管で本発明の自己乳化型懸濁物が送達され始めるように設計することができ、このコーティングの侵食は環境的pHからは実質的に独立している。
酢酸メゲストロールは、乳、子宮内膜および前立腺ガンのような種々のガンの待期療法が示された合成プロゲスチンである。酢酸メゲストロールの水溶性は37□Cで約2□g/mlである。この良くない水溶性により、酢酸メゲストロールは低い経口の生物学的利用性を現す。
酢酸メゲストロールを含有する本発明の第1の自己乳化型ナノ懸濁物を調製した。このおよびすべての他の実施例で使用する酢酸メゲストロールは、オランダのディオシンス社(Diosynth Corporation)により供給された。第1のナノ懸濁物は、酢酸メゲストロールのナノ粒子をカプリン酸およびCremophorELに分散することにより調製した。ナノ粒子は湿式磨砕により(Dyno粉砕機を使用して)、続いて凍結乾燥により調製した。Pluronic F108は湿式磨砕法でコーティング剤として使用した。ナノ粒子の平均粒子サイズは、Horiba LA−910レーザー散乱粒子サイズ分析機により測定した時、0.3μmであった。酢酸メゲストロールはソニケーターを使用してカプリン酸およびCremophorEL内に分散し、生じた自己乳化型ナノ懸濁物は3.8重量%の酢酸メゲストロールナノ粒子、1.4重量%のPluronic F108、47.4重量%のカプリン酸および47.4重量%のCremophorELを含んだ。
次いで本発明の第1の硬質キャップ型の放出制御剤形のバッチを、第1の自己乳化型製剤を使用して製造した。第1剤形は、透明のサイズ−0硬質キャップを使用して調製した。第1剤形は二層の浸透性組成物を包含し、そして速度制御半透膜でコーティングされた。出口開口部は孔の深さを調節しながら機械的ドリルにより第1剤形に提供した。
剤形に使用する二層の浸透性組成物を調製するために、浸透性造粒物をGlatt流動床造粒機(FBG)を使用して調製した。浸透性造粒物はNaCl、NaCMC、HPMC、HPC、Mgステアレートおよび赤い酸化鉄を含んだ。NaClは、21メッシュスクリーンを有するQuardoミルを使用し、そして最大速度に設定してサイズを揃え/ふるいにかけた。サイズを揃えたNaCl、NaCMC、HPMCおよび赤い酸化鉄を以下の重量比で造粒機のボウルの中でブレンドした:58.75%NaCMC、30%のサイズを揃え/ふるいにかけたNaCl、5.0%HPMC E−5、および1.0%の赤い酸化鉄。別の容器中に造粒溶液を5.0重量%のHPC EFを精製水に溶解することにより調製した。次いで浸透性造粒物は、造粒溶液を流動化粉末上にすべての溶液が適用されるまで噴霧することにより調製し、そして粉末は顆粒であった。最終的な浸透性造粒物は、0.25重量%のMgステアレートを調製した顆粒とブレンドすることにより完成した。
第1の硬質キャップ型制御放出剤形に含まれる二層浸透性組成物内に含まれるバリア層は、Kollidone SRを使用して形成された。最終的な浸透性造粒物を使用して、ある量の最終浸透性造粒物およびある量のKollidone SRを、Carver打錠機を使用して二層錠剤に圧縮することにより二層浸透性組成物を調製した。270mgの最終的な浸透性造粒物を0.70cmのパンチ(下パンチ:改良型ボール、上パンチ:改良型)に加え、そして詰めた。次いで80mgのKollidone SRをパンチに加え、そして浸透性造粒物およびKollidone SRを約1メートルトンの力の下で圧縮して、錠剤化した二層浸透性組成物を形成した。
自己乳化型ナノ懸濁物を、第1の硬質キャップを調製するために使用するカプセルに負荷し、このカプセルは2つの区分に別れていた(本体およびキャップ)。次いで自己乳化型ナノ懸濁物は標準的な充填技術を使用して各カプセルの本体に負荷した。各カプセルには526mgの自己乳化型ナノ懸濁物が提供された。得られた硬質キャップ型放出制御剤形の酢酸メゲストロール用量は、したがって約20mgであった。カプセル本体に充填した後、プレコーティングしたアッセンブリーは、充填した各カプセル本体に二層浸透性組成物を配置することにより形成された。
次いでプレコーティングしたアッセンブリーを半透膜でコーティングした。半透膜はプレコーティングアッセンブリー上に提供され、重量で70%の酢酸セルロース398−10および30%のPluronic F68を含んだ。半透膜を形成するために、コーティング組成物は適当量の酢酸セルロース398−10およびPluronic F68をアセトンに溶解して4重量%の固体含量を有するコーティング溶液を形成することにより最初に形成された。次いでプレコーティングアッセンブリーには、各々に約131mgの半透膜が提供されるまで12”Freud Hi−コーティング機でコーティング溶液が噴霧された。
膜をコーティングした後、第1の硬質キャップ型放出制御剤形は、コーティングしたサブアッセンブリーを乾燥させ、そして各乾燥およびコーティングしたサブアッセンブリーに出口開口部を提供することにより完成させた。コーティングしたサブアッセンブリーはBlueオーブン中で30□Cにて一晩乾燥させ、ついで各乾燥サブアッセンブリーに直径約0.5mmと測定される出口開口部が提供された。出口開口部は、孔あけの深さを制御しながら機械的ドリルを使用して薬剤層側に孔をあけることにより各剤形に形成された。
第1の硬質キャップ型放出制御剤形の放出速度プロファイルは、USPIIパドル法を使用して2重量%のPluronic F108(pH6.8)水溶液中で測定した。図18に示すように、剤形に含まれる90%の酢酸メゲストロールが約7時間にわたり実質的に一定速度で放出された。
本発明による第2の自己乳化型ナノ懸濁物は、実施例1に記載されている材料を使用して調製した。しかし第2の自己乳化型ナノ懸濁物は相対的に多い酢酸メゲストロールナノ粒子を含むように調製した。実施例1に記載した方法を使用して、第2の自己乳化型ナノ懸濁物は、16重量%の酢酸メゲストロール粒子、4.2重量%のPluronic F108、39.9重量%のカプリン酸および39.9重量%のCremophor20ELを含むように調製した。
本発明の硬質キャップ型放出制御剤形の第2のバッチは、第2の自己乳化型ナノ懸濁物を使用して調製した。第2の硬質キャップ型放出制御剤形を作成するために使用したカプセルは#2硬質キャップであった。第2の硬質キャップ型放出制御剤形の浸透性組成物は、実施例1に記載したものと同じ浸透性造粒物およびバリア層材料を使用して製造したが、二層浸透性組成物に含まれる材料の重量は実施例1に記載した重量とは異なった。第2の硬質キャップ型放出制御剤形に含まれる二層浸透性組成物を提供するために、180mgの浸透性造粒物および70mgのバリア層材料(Kollidon SR)を227’凹型の平坦成形工具を使用して二層錠剤に圧縮した。180mgの浸透性造粒物および70mgのKollidon SRを錠剤化して二層浸透性組成物を形成した後、さらなる量のKollidon SRは、130mgのKollidon SRを同じ成形工具を使用してすでに存在する圧縮されたバリア材料上に圧縮することによりバリア層に加えた。さらなる量のKollidon SRは#2カプセル本体に存在する空の空間を埋めるために役立つ。
第2の硬質キャップ型放出制御剤形を形成するために使用するカプセルの本体を分け、そして125mgの第2の自己乳化型を各カプセルの本体に負荷した。第2の硬質キャップ型放出制御剤形に負荷された自己乳化型ナノ懸濁物は16重量%の酢酸メゲストロールを含んだので、各々の完成した第2の硬質キャップ型放出制御剤形は約20mg用量の酢酸メゲストロールを含んだ。いったんカプセル本体を所望の量の自己乳化型ナノ懸濁物で充填すれば、二層浸透性組成物をカプセル本体に配置してプレコーティングアッセンブリーを形成した。
第2の硬質キャップ型放出制御剤形のプレコーティングアッセンブリー上に含まれる速度制御膜は、90%の酢酸セルロース398−10および10%のPluronic F68からなった。第2の硬質キャップ型放出制御剤形の半透膜を生成するために使用するコーティング溶液は、適当量の酢酸セルロース398−10およびPluronic F68をアセトンに溶解して4重量%固体を含むコーティング溶液を提供することにより形成された。次いで第2の硬質キャップ型放出制御剤形の各コーティングサブアッセンブリーは、約47mgの重量の半透膜が提供されるまで12”Freud Hiコーティング機でコーティングした。第2の硬質キャップ型放出制御剤形を完成するために、次いでコーティングしたサブアッセンブリーを乾燥させ、そして実施例1に記載したように出口開口部を提供した。
次いで第2の硬質キャップ型放出制御剤形により提供される放出速度プロファイルは、実施例1に概説した方法に従い評価した。図19を参照にして分かるように、剤形に含まれる90%の酢酸メゲストロールが、約7時間にわたり実質的に一定速度で放出された。
AIF中の生の酢酸メゲストロールおよびナノ粒子状酢酸メゲストロールの溶解度を、種々の濃度の例示的な自己乳化型担体の存在下で評価した。例示的な自己乳化型担体には、飽和脂肪酸および表面活性剤のブレンド(カプリン酸/Cremophor EL;50/50、重量による)を含み、そして酢酸メゲストロールの溶解性は37□Cで測定した。AIF媒質の様々なサンプルは、種々の濃度(0.0、0.1、0.2、0.5、1.0重量/重量%)の自己乳化型担体を用いて調製した。酢酸メゲストロールは各AIFサンプルに過剰に加え、そして37□Cで一晩、振盪した。振盪後、各AIFサンプルを遠心し、そして各AIFサンプルの上清をUV分光計を用いて290nmにてアッセイした。
評価の結果を図16に提供する。図16を参照にして分かるように、ナノ粒子状の酢酸メゲストロールの溶解度は生の酢酸メゲストロールの溶解度よりも大きく、そして酢酸メゲストロールの溶解度が上昇し、そして自己乳化型担体の濃度が上昇した。
例示的な自己乳化型担体により形成されたエマルジョン中に溶解された酢酸メゲストロールの安定性を評価した。自己乳化型担体は50重量%のカプリン酸および50重量%のCremophor EL 50/50を含んだ。自己乳化型担体中およびエタノール中に酢酸メゲストロール溶液を調製し、そして各溶液の酢酸メゲストロール濃度は20mg/gであった。溶液を調製した後、0.2gの各溶液を10mlのAIFに加えた。混合物を水浴中で37□Cにて振盪し、そして混合物サンプルを15分、60分および4時間の時間間隔で取った。これらのサンプルは0.2□mのフィルターを通して濾過した後に酢酸メゲストロール濃度について測定した。
図17は評価の結果を具体的に説明する。図17で示すように、自己乳化型担体中に溶解した酢酸メゲストロールを含有するAIFでは酢酸メゲストロールの沈殿は認められなかった。対照的にエタノール溶液内に含まれる酢酸メゲストロールは、エタノール溶液をAIFに導入してから最初の15分以内に沈殿した。
数種の剤形により提供される酢酸メゲストロールの生物学的利用性を評価するために、5−アームPK実験(five−arm PK study)を行った。この実験は種々の剤形を3匹の絶食させた雑種犬に投与することを含んだ。この実験で投与される剤形は、実施例1(“4%ナノ懸濁物の硬質キャップ”)および実施例2(“16%ナノ懸濁物の硬質キャップ”)に従い製造した放出制御剤形、市販されている20mgのMegace□錠剤、酢酸メゲストロールの自己乳化型溶液を含有する硬質キャップ型放出制御剤形(“放出制御SES剤形”)および酢酸メゲストロールの自己乳化型溶液を含有する即時放出型の硬質キャップ(“IR SES剤形”)を含んだ。異なる剤形により送達される製剤を表2に記載する。
放出制御SES剤形は実施例1に記載した方法および材料を使用して調製したが、放出制御SES剤形に含まれる製剤は自己乳化型溶液であり懸濁物ではなかった。放出制御SES剤形に負荷される自己乳化型溶液は、重量で1.77%の酢酸メゲストロールおよび0.83%のPluronic F108(48.7%のCremophor ELおよび48.7%のカプリン酸に溶解)を含んだ。自己乳化型溶液に含まれる化合物は、機械的撹拌機を使用して混合した。各放出制御SES剤形には565mgの自己乳化型溶液が充填され、各放出制御SES剤形は10mg用量の酢酸メゲストロールを提供した。図2に示すように、放出制御SES剤形は投与から約7時間で90%の酢酸メゲストロールを送達した。
IR SES剤形は、#0硬質を放出制御SES剤形で使用したものと同じ自己乳化型溶液で充填することにより簡単に調製した。各IR SES剤形に565mgの自己乳化型溶液が負荷され、故に10mg用量の酢酸メゲストロールが提供された。
剤形は経口胃管栄養法を使用して空腹状態の犬に投与された。同群の3匹の犬を実験を通して使用し、3匹の各犬にはそれぞれ異なる剤形が投与された。実験の各アームで、犬には20mg用量の酢酸メゲストロールを与えた。20mg用量を達成するために、これら各剤形はわずか10mg用量の酢酸メゲストロールしか提供しないので、各犬には2つの制御放出SES剤形および2つのIR SES剤形が投与された。血漿サンプルは各剤形を投与してから0、0.5、1、2、4、6、8および10時間後に各犬から採取し、さらなる血漿サンプルは3種の放出制御剤形の投与から12および24時間後に各犬から採取した。各サンプル中の酢酸メゲストロールの血漿濃度は、最少検出限界が1ng/mlのLC/MS法を使用して評価した。LC/MS条件は表3に提供する。
AUCinfはAUCtおよびAUCt−infを加えることにより算出し、ここでAUCtは最後のサンプル時点(t)に対する台形積分により予想され、そしてAUCt−infはtから無限大の積分により予想される。
ここでCt、Kおよびtはそれぞれ最後のサンプリング時点tでの血漿サンプルの薬剤濃度、見かけ上の排除速度定数、および最後のサンプリング時間である。Kは最終期対時間での対数血漿濃度の直線回帰により予想される。平均の相対的BA%は以下のように算出した:
ここで
はそれぞれSEF剤形のAUCおよびMegace錠剤をAUCである。
PK実験の結果を図20に示す。この図から分かるように、4%ナノ懸濁物の硬質キャップおよび16%ナノ懸濁物の硬質キャップの両方が、Megace□20mg錠剤に比べて酢酸メゲストロールの生物学的利用性に4倍より高い上昇を提供した。さらに、有意に上昇した薬剤負荷を提供すると同時に、4%ナノ懸濁物の硬質キャップおよび16%ナノ懸濁物の硬質キャップは、放出制御SES剤形より提供されるものに匹敵する酢酸メゲストロールの生物学的利用性を提供した。
Claims (40)
- ナノ粒子形の疎水性薬剤;
飽和脂肪酸を含んでなる油相;および
表面活性剤を含んでなり、
製剤が水性媒質に導入されると安定なエマルジョンを自動的に形成するように表面活性剤および飽和脂肪酸が選択され且つ組み合わせられている製剤。 - 疎水性薬剤が生物薬剤分類制度に基づきクラスII薬剤に分類される薬剤を含んでなる、請求項1に記載の製剤。
- 疎水性薬剤が250mlより高い用量/溶解度容量を現す、請求項1に記載の製剤。
- 疎水性薬剤がすべての寸法において約1μmよりも小さい疎水性薬剤の粒子を含んでなる、請求項1に記載の製剤。
- 疎水性薬剤がすべての寸法において約0.5μmよりも小さい疎水性薬剤の粒子を含んでなる、請求項1に記載の製剤。
- 疎水性薬剤がすべての寸法において約0.2μmよりも小さい疎水性薬剤の粒子を含んでなる、請求項1に記載の製剤。
- 疎水性薬剤が、抗バクテリア剤、抗ウイルス剤、抗菌・カビ剤、制酸薬、抗炎症物質、冠血管拡張薬、脳血管拡張薬、向精神薬、抗新生物薬、興奮薬、抗ヒスタミン薬、緩下薬、鬱血除去薬、ビタミン、下痢止め用調製物、抗狭心症薬、血管拡張薬、抗不整脈薬、抗高血圧症薬、血管収縮薬、抗偏頭痛薬、抗腫瘍薬、抗凝固薬、抗血栓症薬、鎮痛薬、解熱薬、神経節薬、中枢神経に作用する作用物質、高血糖症薬、低血糖症薬、甲状腺および抗甲状腺調製物、利尿剤、鎮痙薬、子宮弛緩薬、ミネラルおよび栄養添加物、抗肥満薬、同化促進薬、抗喘息薬、去痰薬、咳止め、粘液溶解剤および抗尿酸症薬からなる群から選択される薬剤を含んでなる、請求項1に記載の製剤。
- 疎水性薬剤が、貧溶解性のタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、プロテオミメティクおよびペプチドミメティック物質からなる群から選択される薬剤を含んでなる、請求項1に記載の製剤。
- 脂肪酸が飽和C8〜C12脂肪酸を含んでなる、請求項1に記載の製剤。
- 脂肪酸が飽和C10脂肪酸を含んでなる、請求項1に記載の製剤。
- 脂肪酸がカプリン酸を含んでなる、請求項1に記載の製剤。
- 脂肪酸が飽和C8〜C12脂肪酸から選択される脂肪酸のブレンドを含んでなる、請求項1に記載の製剤。
- 脂肪酸が製剤の10重量%〜80重量%を構成する、請求項1に記載の製剤。
- 脂肪酸が製剤の35重量%〜45重量%を構成する、請求項1に記載の製剤。
- 疎水性薬剤が水中での薬剤の溶解度よりも少なくとも10倍大きい油相中での溶解度を示す薬剤を含んでなる、請求項1に記載の製剤。
- 疎水性薬剤が水中での薬剤の溶解度よりも少なくとも100倍大きい油相中での溶解度を示す薬剤を含んでなる、請求項1に記載の製剤。
- 疎水性薬剤が水中での薬剤の溶解度よりも少なくとも500倍大きい油相中での溶解度を示す薬剤を含んでなる、請求項1に記載の製剤。
- 疎水性薬剤が製剤の2重量%〜50重量%を構成する、請求項1に記載の製剤。
- 製剤が油相に溶解した第1の量の疎水性薬剤およびナノ粒子物質として懸濁した第2の量の疎水性薬剤を含んでなり、第1の量の疎水性薬剤および第2の量の疎水性薬剤が製剤の2重量%〜50重量%を占める、請求項1に記載の製剤。
- 疎水性薬剤が製剤の10重量%〜約30重量%を構成する、請求項1に記載の製剤。
- 製剤が油相に溶解した第1の量の疎水性薬剤およびナノ粒子物質として懸濁した第2の量の疎水性薬剤を含んでなり、第1の量の疎水性薬剤および第2の量の疎水性薬剤が製剤の10重量%〜30重量%を占める、請求項1に記載の製剤。
- 表面活性剤が非イオン性表面活性剤を含んでなる、請求項1に記載の製剤。
- 表面活性剤が非イオン性表面活性剤を含んでなり、そして製剤の5重量%〜90重量%を占める請求項1に記載の製剤。
- 表面活性剤が非イオン性表面活性剤を含んでなり、そして製剤の25重量%〜45重量%を占める請求項1に記載の製剤。
- 表面活性剤が水素添加植物油のポリオキシエチレン生成物、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリエトキシル化水素添加ヒマシ油、ポリオキシエチレン−ソルビタン−脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体およびプルロニック表面活性剤からなる群から選択される、請求項1に記載の製剤。
- 表面活性剤が、9モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ヒマシ油、15モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ヒマシ油、25モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ヒマシ油、35モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ヒマシ油、40モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ヒマシ油、52モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシレン化ヒマシ油、20モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタンモノパルミレート、20モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタンモノステアレート、4モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタンモノステアレート、20モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタントリステアレート、20モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタンモノステアレート、20モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ソルビタントリオレート、8モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ステアリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、40モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ステアリン酸、50モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ステアリン酸、2モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化ステアリルアルコール、および2モルのエチレンオキシドを含んでなるポリオキシエチレン化オレイルアルコールからなる群から選択される、請求項1に記載の製剤。
- 表面活性剤が、NIKKOL HCO−50(商標)、NIKKOL HCO−35(商標)、NIKKOL HCO−40(商標)、NIKKOL HCO−60(商標)、CREMAPHORE(商標)、CREMAPHORE RH40(商標)、CREMAPHORE RH60(商標)、CREMAPHORE RH410(商標)、CREMAPHORE RH455(商標)およびCREMAPHORE EL(商標)、TWEEN 20(商標)、TWEEN21(商標)、TWEEN40(商標)、TWEEN60(商標)、TWEEN80(商標)、TWEEN81(商標)、Pluronic F68、Pluronic F108およびPluronic F127からなる群から選択される、請求項1に記載の製剤。
- 表面活性剤が、水性媒質に導入されると製剤に安定なマイクロエマルジョンの自動的形成を引き起こすめに十分な量で製剤中に含まれる、請求項1に記載の製剤。
- 疎水性薬剤のナノ懸濁物から形成された製剤であって、製剤が:
ナノ粒子形の疎水性薬剤物質:
飽和C8〜C12脂肪酸を含んでなる油相、ここで疎水性薬剤物質は水中での疎水性薬剤物質の溶解度よりも少なくとも10倍大きい油相中での溶解度を示し;および
非イオン性表面活性剤、ここで非イオン性表面活性剤および油相は、製剤が水性媒質に導入されると安定なエマルジョンを自動的に形成するように選択され且つ組み合わせられている、
を含んでなる上記製剤。 - 疎水性薬剤が生物薬剤分類制度に基づきクラスII薬剤に分類される薬剤を含んでなり、薬剤が250mlより高い用量/溶解度容量を現す、請求項29に記載の製剤。
- 疎水性薬剤が、すべての寸法において約1μmよりも小さい平均粒子サイズを示す疎水性薬剤物質、すべての寸法において約0.5μmよりも小さい平均粒子サイズを示す疎水性薬剤物質、およびすべての寸法において約0.2μmよりも小さい平均粒子サイズを示す疎水性薬剤物質からなる群から選択される、請求項30に記載の製剤。
- 脂肪酸が製剤の35重量%〜45重量%を構成し、そして非イオン性表面活性剤が製剤の25重量%〜45重量%を構成する、請求項1に記載の製剤。
- 製剤が油相に溶解した第1の量の疎水性薬剤およびナノ粒子物質として懸濁した第2の量の疎水性薬剤を含んでなり、第1の量の疎水性薬剤および第2の量の疎水性薬剤が製剤の10重量%〜40重量%を占める、請求項32に記載の製剤。
- 表面活性剤が、水性媒質に導入されると製剤に安定なマイクロエマルジョンの自動的形成を引き起こすめに十分な量で製剤中に含まれる、請求項29に記載の製剤。
- 疎水性薬剤のナノ懸濁物から形成された製剤であって、製剤が:
ナノ粒子形の疎水性薬剤物質、ここで疎水性薬剤物質は250mlより高い用量/溶解度容量を示す薬剤を含んでなり、そしてすべての寸法において約1μmよりも小さい平均粒子サイズを示す疎水性薬剤物質、すべての寸法において約0.5μmよりも小さい平均粒子サイズを示す疎水性薬剤物質、およびすべての寸法において約0.2μmよりも小さい平均粒子サイズを示す疎水性薬剤物質からなる群から選択され:
飽和C8〜C12脂肪酸を含んでなる油相、ここで疎水性薬剤物質は水中での疎水性薬剤物質の溶解度よりも少なくとも100倍大きい油相中での溶解度を示し;および
非イオン性表面活性剤、ここで非イオン性表面活性剤および油相は、製剤が水性媒質に導入されると安定なマイクロエマルジョンを自動的に形成するように選択され、そして合わせられている、
を含んでなる上記製剤。 - 脂肪酸が製剤の35重量%〜45重量%を構成し、そして非イオン性表面活性剤が製剤の25重量%〜45重量%を構成する、請求項35に記載の製剤。
- 製剤が油相に溶解した第1の量の疎水性薬剤およびナノ粒子物質として懸濁した第2の量の疎水性薬剤を含んでなり、第1の量の疎水性薬剤および第2の量の疎水性薬剤が製剤の10重量%〜40重量%を占める、請求項36に記載の製剤。
- 放出制御剤形から送達される時に、錠剤型の薬剤の即時放出製剤と比べて、疎水性薬剤の生物学的利用性の少なくとも4倍の増加をもたらすように、疎水性薬剤、油相および表面活性剤が選択され且つ組み合わせられる、請求項1に記載の製剤。
- 放出制御剤形から送達される時に、錠剤型の薬剤の即時放出製剤と比べて、疎水性薬剤の生物学的利用性の少なくとも4倍の増加をもたらすように、疎水性薬剤、油相および表面活性剤が選択され且つ組み合わせられる、請求項29に記載の製剤。
- 放出制御剤形から送達される時に、錠剤型の薬剤の即時放出製剤と比べて、疎水性薬剤の生物学的利用性の少なくとも4倍の増加をもたらすように、疎水性薬剤、油相および表面活性剤が選択され且つ組み合わせられる、請求項35に記載の製剤。
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