JP2006503828A - Cd2拮抗薬を投与することによりt細胞悪性腫瘍を予防または治療する方法 - Google Patents

Cd2拮抗薬を投与することによりt細胞悪性腫瘍を予防または治療する方法 Download PDF

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Abstract

本発明はCD2拮抗薬、好ましくはMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善するための単剤療法としての使用を包含する。本発明はまた、CD2拮抗薬、好ましくはMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの、他の癌療法と併用しての使用も包含する。本発明は、CD2拮抗薬、好ましくはMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善するために有効な量を含む医薬組成物を提供する。

Description

本出願は2002年9月5日に出願した米国特許仮出願第60/409,024号および2002年9月12日に出願した米国特許仮出願第60/410,385号の優先権を主張し、これらの特許はそれぞれ本明細書に参照によりその全てが組み入れられるものとする。
1.発明の分野
本発明は、CD2拮抗薬、好ましくはMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を治療、予防、管理、または改善するための単剤療法としての使用を包含する。本発明はまた、CD2拮抗薬、好ましくはMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの他の癌療法と組合わせての使用(併用)も包含する。本発明は、CD2拮抗薬、好ましくはMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントを、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を治療、予防、管理、または改善するために有効な量だけ含む医薬組成物を提供する。
2.発明の背景
2.1 癌
新生物もしくは腫瘍は、良性または悪性でありうる異常な無制御の細胞増殖から生じる新生物塊である。良性腫瘍は一般的に局在化したまま残る。悪性腫瘍はまとめて癌と呼ばれる。用語「悪性」は一般的に、腫瘍が近隣の身体構造を侵害し破壊し、遠くの部位に広がって死因になりうることを意味する(総括は、RobbinsおよびAngell, 1976, 「基礎病理学(Basic Pathology)」, 第2版, W. B. Saunders Co. , Philadelphia, pp.68-122を参照)。癌は身体の多数の部位に生じ、その起源に依存して色々な挙動を示しうる。癌細胞は癌細胞が元来生じた身体部分を破壊し、次いで身体の他部分に拡大し、そこで癌細胞は新しい増殖を開始してさらに破壊を起こす。
毎年120万人以上の米国人が癌に罹っている。癌は米国における死因の第2位であり、もし現在の傾向が続くと、癌は2010年には第1の死因になると予想される。肺および前立腺癌が米国における男性の癌死因のトップである。肺および乳癌が米国における女性の癌死因のトップである。米国の男性2人のうちの1人は、人生のある時期に癌と診断されうる。米国の女性3人のうちの1人は、人生のある時期に癌と診断されうる。
2.2 T細胞悪性腫瘍
T細胞起源由来のおよびT細胞発生に関わる他細胞の腫瘍は同定されている。T細胞リンパ増殖性障害は、胸腺および胸腺後段階(post-thymic)悪性腫瘍を含む。T細胞新生物は、リンパ前駆細胞、胸腺ストローマまたは上皮細胞、胸腺細胞、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、または抗原提示細胞の腫瘍を含む。T細胞悪性腫瘍は、急性リンパ芽球白血病、リンパ腫、胸腺腫、急性リンパ芽球白血病、ホジキンおよび非ホジキン病を含む。リンパ腫は、T細胞を冒す方法によって分類される。さらに詳細なリンパ腫分類および型を参照することができ、下の表1に総括する。T細胞リンパ腫は、例えば、リンパ芽球リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、血管免疫芽細胞性リンパ腫、血管中心性リンパ腫(鼻T細胞リンパ腫)、腸T細胞リンパ腫、および成人T細胞リンパ腫/白血病を含み、そのいくつかを以下に考察する。
リンパ芽球リンパ腫
リンパ芽球リンパ腫は急速進行性のほとんどT細胞のリンパ腫であって、主に小児および若年に起こり、小児性リンパ腫のほぼ半数を占める。患者のほぼ3分の2は男子である。第2のピークが再び40歳を超える患者に見られる。リンパ芽球リンパ腫と急性リンパ芽球白血病の間の区別は、一部分、恣意的に、骨髄関与の程度に基づく。主な生物学的差異は、リンパ芽球白血病が主にB細胞疾患であり、延髄外で主にT細胞のリンパ芽球リンパ腫と異なる点である。
T細胞前リンパ性白血病(T-PLL)
T細胞前リンパ性白血病は、明確な臨床および形態学的および細胞遺伝学的特徴をもつ稀な急速進行性の胸腺後段階悪性腫瘍(post-thymic malignancy)である(Matutes E.ら, 1991 Blood, 78:3269-74の総括を参照)。T-PLLは化学療法に耐性があり、乏しいメジアン生存率(7.5ヶ月)しか有しない。何人かの患者は最初、疾患が不活性になりうるが、最終的に進行し、その後の結果は類似している。この致命的疾患の結果を改善する新しい治療手法が必要とされている。
成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)
成人T細胞白血病(ATL)はヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I)に関連するT細胞悪性新生物の1つである。これは成熟CD4+リンパ球の急速進行性の致命的悪性腫瘍である(Hatta ら, 2002, Leukemia, 16:1069-85;Yamada Y. 1983, Blood, 61:192-9の総括を参照)。ATLは南日本とカリブ海地域に蔓延し、アフリカ、南アメリカ、中近東、および米国で散発的に起こる。白血球細胞は慣用的化学療法に内因的耐性があるので、ATLは予後経過が良くない。
ATLは4つの主サブタイプに分類されている。比較的くすぶり型および慢性型態では、メジアン生存率が2年以上である。急性型またはリンパ腫型では、メジアン生存率が13ヶ月である。造血幹細胞移植と化学療法がATLの治療に用いられている。
未分化大細胞リンパ腫(Ki-30/CD-30)
未分化大細胞リンパ腫(ALCL)は小児もしくは若い成人の全身に、あるいは皮膚(皮膚内/上)に起こりうる。皮膚に限られた疾患は増殖が極めて遅く(不活性)、皮膚に局在化したまま残り、自然寛解の例が多数ある。このいわゆる「古典的」ALCLは小児および若年に最も多く、高頻度の遺伝子転座(2;5)を有する。一方、原発性皮膚ALCLは、成人に多発する傾向があって転座が無い。ほとんどの場合、T細胞または細胞型不明(ヌル)である。全身型のALCLはリンパ節および結節外部位に関わりうる。化学療法が全身型のALCLを治療するために使われている。
Figure 2006503828
2.3 癌療法
現在、癌療法は患者の新生物細胞を根絶する外科療法、化学療法、ホルモン療法および/または放射線療法に関わりうる(例えば、Stockdale, 1998, 「癌患者管理の原理(Principles of Cancer Patient Management)」, in Scientific American: Medicine, vol.3, RubensteinおよびFederman, 編、第12章、第IV節を参照)。最近、癌療法は生物学的療法または免疫療法も利用している。これらの手法は全て、患者にとって大きい欠点を有する。例えば、外科療法は、患者の健康によっては禁忌であるかまたは患者に受入れられない。さらに、外科療法は完全に新生物組織を除去することができない。放射線療法は、新生物組織が放射線に対して正常組織より高い感受性を有するときにのみ有効であり、かつ放射線療法はしばしば厳しい副作用を誘引しうる。ホルモン療法は単独の薬物として投与することは稀であり、たとえ有効でありうるとしても、他の療法により癌細胞の大部分を除去した後に、癌の再発を予防または遅延するためにしばしば使用される。生物学的療法/免疫療法は数が限られており、発疹もしくは腫脹、発熱、悪寒および疲労を含むインフルエンザ様症候、消化器問題、またはアレルギー反応などの副作用を生じうる。
化学療法については、癌の治療に利用しうる様々な化学治療薬が存在する。癌化学治療薬の大部分は、DNA合成を直接、またはデオキシリボヌクレオチド三リン酸前駆体の生合成を抑制することにより間接的に抑制して、DNA複製および随伴する細胞分裂を防止することにより作用する(例えば、Gilmanら, 「グッドマンとギルマン;治療薬の薬理学的基礎(Goodman and Gilman's : The Pharmacological Basis of Therapeutics)」, 第8版(Pergamom Press, New York, 1990)を参照)。これらの薬物はアルキル化薬、例えばニトロソウレア、抗代謝物、例えばメトトレキセートおよびヒドロキシウレア、ならびに他の薬物、例えばエトポシド、カンプトテシン、ブレオマイシン、ドキソルビシンおよびダウノルビシンを含み、必ずしも細胞周期特異的でないが、それらのDNA複製に対する効果によって細胞を細胞周期のS期に死滅させる。他の薬物、具体的にはコルヒチンおよびビンカアルカロイド、例えばビンブラスチンは、微小管アセンブリーを妨害して有糸分裂停止をもたらす。化学療法プロトコルは一般的に、治療効力を増加するために化学治療薬の併用投与に関わる。
様々な化学治療薬を利用しうるが、化学療法は多数の欠点を有する(例えば、Stockdale, 1998, 「癌患者管理の原理(Principles Of Cancer Patient Management)」, 「科学的なアメリカの医薬(Scientific American Medicine)」, vol.3, RubensteinおよびFederman編、第12章、第10節に収載を参照)。ほとんど全ての化学治療薬は毒性があり、化学療法は、厳しい吐気、骨髄抑制、免疫抑制などの顕著な、かつしばしば危険な副作用を起こす。さらに、化学治療薬を併用投与しても多くの腫瘍細胞は化学治療薬に耐性があるかまたは耐性を発現する。実際、治療プロトコルで使用される特定の化学治療薬に耐性のあるこれらの細胞が、その特定処置に使用される薬物の作用機構と異なる機構により作用する他薬物に対しても耐性のあることがしばしば立証されている;この現象は多面的薬物または多剤耐性と呼ばれる。このように、薬物耐性の故に、多くの癌は標準の化学治療薬治療プロトコルに不応性であることが判っている。
代わりの癌療法、特に標準の癌療法、例えば外科療法、放射線療法、化学療法、およびホルモン療法に不応性であることが証明されている癌の治療の必要性は非常に大きい。さらに、通常、癌を唯一つの方法によって治療することはない。従って、癌を治療するための新しい治療薬および癌を治療するための新しく、より効果的な併用療法の開発が必要とされている。
2.4 T細胞表面抗原
T細胞は、標的細胞および抗原提示細胞と相互作用することにより、免疫応答に大きな役割を果たす。これらの相互作用は高度に特異的であり、T細胞表面上の特異的抗原受容体の1つによる標的細胞または抗原提示細胞表面上の抗原の認識に依存する。T細胞と他細胞の受容体-抗原相互作用はまた、様々なT細胞表面タンパク質、例えば抗原受容体複合体CD3およびアクセサリー接着分子、例えばCD4、LFA-1、CDS、およびCD2によっても促進される。
T細胞上の特徴的な細胞表面マーカーが癌療法の標的とされてきた。CD2、CD3、CD4、CD1laおよびCD25を含むT細胞表面マーカーに対する抗体が、例えば免疫抑制薬として試験されている(Berlinら, 1992 Transplantation 53: 840; Latinneら, 1996 Int. Immunol. 8:1113を参照)。
本発明は、CD2拮抗薬、特にMEDI-507(CD2 T細胞マーカーを認識するヒト化モノクローナル抗体)の、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善する上での使用に関する。ヒトCD2(T11)分子は、>95%の胸腺細胞および実質的に全ての末梢Tリンパ球上に発現される50KDa表面糖タンパク質である。CD2は、標的細胞上のその一次リガンドCD58(またはLFA-3)との相互作用を介して接着分子として作用する。CD2に対するモノクローナル抗体は当技術分野で公知であり、それらは優先的にT11-1(領域2)およびT11-2(領域1)と呼ばれるCD2の2部位にマップする(Denningら, 1987 J. Immunology 139:2573; Petersonら, 1987 Nature : 329:842を参照)。
本明細書における参考文献の引用と考察は、それらが本発明に先行する技術であることを容認すると類推してはならない。
3 発明の概要
本発明は、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善するための単剤療法としての使用を包含する。特に、本発明は、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの、現行標準または実験的な癌療法、特にT細胞悪性腫瘍に対する療法に部分的または完全に不応性のある被験者を治療する上での使用を包含する。本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善する方法であって、それを必要とする被験者にMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防上または治療上有効な量を投与することを含む上記方法を提供する。特に、本発明は、T細胞リンパ腫が皮膚T細胞リンパ腫でないことを条件として、不活性または急速進行性T細胞白血病またはT細胞リンパ腫を予防、治療、管理もしくは改善する方法であって、それを必要とする被験者にMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防上または治療上有効な量を投与することを含む上記方法を提供する。特定の実施形態においては、急性リンパ芽球白血病、成人T細胞白血病またはホジキンリンパ腫を、それを必要とする被験者にMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量を投与することにより、予防、治療、管理または改善する。好ましい実施形態においては、全身性、非皮膚T細胞悪性腫瘍を、それを必要とする被験者にMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量を投与することにより、予防、治療、管理または改善する。
本発明はまた、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善する方法であって、それを必要とする被験者に、治療薬と複合(conjugate)したMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防上または治療上有効な量を投与することを含む上記方法も提供する。MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントと複合しうる治療薬の例は、限定されるものでないが、サイトカイン、毒素、放射性元素、および代謝拮抗薬を含む。特定の実施形態においては、腫瘍関連抗原に対して特異的な抗体と複合したMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量を、それを必要とする被験者に、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善するために投与する。他の実施形態においては、CD2以外の免疫細胞表面抗原に対して特異的な抗体またはリガンドと複合したMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量を、それを必要とする被験者に、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善するために投与する。ある特定の実施形態においては、毒素(例えば、細胞毒もしくは免疫毒素)または放射性元素と複合していないMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントを、それを必要とする被験者に、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善するために投与する。
一実施形態において、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの使用は、癌に対する標準または実験的治療計画の効力を増強する。好ましい実施形態において、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの使用は、T細胞悪性腫瘍に対する標準または実験的治療計画(例えば、化学療法、放射免疫療法、または放射線療法)の効力を増強する。他の実施形態において、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの使用は、T細胞悪性腫瘍と診断された被験者を延命する。
本発明は、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの標準または実験的癌療法と組合わせての、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善するための使用を包含する。本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善する方法であって、それを必要とする被験者に、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント、および、1種以上の予防もしくは治療薬、好ましくは、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善するために現在使用されているかまたは使用されていたかまたは有用であることが公知である、CD2拮抗薬以外の予防もしくは治療薬の予防上または治療上有効な量を投与することを含む上記方法を提供する。本発明はまた、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善する方法であって、それを必要とする被験者に、治療薬と複合したMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント、および、1種以上の予防もしくは治療薬、好ましくは、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善するために現在使用されているかまたは使用されていたかまたは有用であることが公知である、CD2拮抗薬以外の予防もしくは治療薬の予防上または治療上有効な量を投与することを含む上記方法を提供する。癌を予防、治療、管理もしくは改善するためのMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントとの併用しうる治療薬の例は、限定されるものでないが、化学治療薬、治療抗体、および血管新生阻害剤を含む。MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントとの併用がT細胞悪性腫瘍を予防、治療、管理もしくは改善するために特に有用である治療薬の例としては、限定されるものでないが、Campath(登録商標)、抗Tac抗体(anti-Tac)、プリン類似体、ペントスタチン、細胞傷害薬、抗レトロウイルス薬、三酸化ヒ素、インターフェロン-α、および抗癌薬が挙げられる。MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントと併用しうる化学治療薬としては、限定されるものでないが、アルキル化薬、代謝拮抗薬、天然産物、およびホルモンが挙げられる。本発明の併用療法は、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントのより少ない用量および/またはMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントのより少ない投与頻度で、癌、特にT細胞悪性腫瘍の被験者における治療または予防効果の達成を可能にする。
本発明は、本発明の方法によって使用する医薬組成物であって、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善するために有効な量および製薬上許容される担体を含む上記医薬組成物を含む上記医薬組成物を提供する。特定の実施形態においては、医薬組成物は、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善するために有効な量のMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントをコードする核酸分子および製薬上許容される担体を含む上記医薬組成物を含む。
本発明は、本発明の方法によって使用する医薬組成物であって、治療薬と複合したMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善するために有効な量および製薬上許容される担体を含む上記医薬組成物を含む上記医薬組成物を提供する。ある特定の実施形態においては、かかる医薬組成物は、毒素または放射性元素と複合したMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントを含まない。本発明はまた、本発明の方法によって使用する医薬組成物であって、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント、CD2拮抗薬以外の予防もしくは治療薬、および製薬上許容される担体を含む上記医薬組成物も提供する。
様々な実施形態のそれぞれにおいて、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントを含む医薬組成物は、腹腔内投与(例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内および皮下投与)、硬膜外投与、局所投与、および粘膜投与(例えば、鼻腔内)、または経口投与により投与することができる。特定の実施形態においては、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントを含む組成物を皮下、筋肉内または静脈内に投与する。
代わりの実施形態においては、本発明は、MEDI-507以外の1種以上のCD2拮抗薬の、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善するための使用を包含する。本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善する方法であって、それを必要とする被験者に、MEDI-507以外の1種以上のCD2拮抗薬の予防または治療上有効な量を投与することを含む上記方法を提供する。本発明はまた、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善する方法であって、それを必要とする被験者に、治療薬と複合したCD2拮抗薬を投与することを含む上記方法を提供する。ある特定の実施形態においては、本発明の方法および組成物に使用されるCD2拮抗薬を毒素または放射性元素と複合しない。
特定の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善する方法であって、それを必要とする被験者に、ヒトCD2(図1)のアミノ酸残基18、55または59を含むCD2エピトープと免疫特異的に結合する抗体の予防または治療上有効な量を投与することを含んでなり、上記抗体がMEDI-507またはLO-CD2a/BTI-322でないことを条件とする上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善する方法であって、それを必要とする被験者に、ヒトCD2(図1)のアミノ酸残基18および55を含むCD2エピトープと免疫特異的に結合する抗体の予防または治療上有効な量を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善する方法であって、それを必要とする被験者に、ヒトCD2(図1)のアミノ酸残基18および59を含むCD2エピトープと免疫特異的に結合する抗体の予防または治療上有効な量を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善する方法であって、それを必要とする被験者に、上記抗体がMEDI-507またはLO-CD2a/BTI-322でないことを条件として、ヒトCD2(図1)のアミノ酸残基55および59を含むCD2エピトープと免疫特異的に結合する抗体の予防または治療上有効な量を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善する方法であって、それを必要とする被験者に、上記抗体がMEDI-507またはLO-CD2a/BTI-322でないことを条件として、免疫特異的にヒトCD2またはチンパンジーCD2と結合するが、ヒヒCD2と結合しない抗体の予防または治療上有効な量を投与することを含む上記方法を提供する。
本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を予防、治療、管理もしくは改善する方法であって、それを必要とする被験者に、MEDI-507以外の1種以上のCD2拮抗薬の予防または治療上有効な量を他の癌療法と組合わせて投与することを含む上記方法を提供する。本発明はさらに、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状の予防、治療、管理もしくは改善に使用するためのMEDI-507以外の1種以上のCD2拮抗薬を含む医薬組成物およびキットを提供する。
3.1 定義
本明細書に使用される、用語「T細胞悪性腫瘍」は、胸腺および胸腺後段階(post-thymic)悪性腫瘍を含むT細胞リンパ増殖性障害を意味する。T細胞悪性腫瘍はT細胞起源の腫瘍を含む。T細胞悪性腫瘍は、リンパ球前駆細胞、胸腺細胞、T細胞、NK細胞、または抗原提示細胞起源由来の腫瘍を意味する。ある特定の実施形態においては、「T細胞悪性腫瘍」および「T細胞悪性腫瘍」は、本発明によって標的とされうるCD2ポリペプチドを発現する、例えば、T細胞発生、胸腺ストローマ細胞および胸腺上皮細胞に関わる細胞などの他の細胞型を含む悪性腫瘍を意味する。T細胞悪性腫瘍は、限定されるものでないが、T細胞悪性腫瘍が皮膚T細胞悪性腫瘍、特に皮膚T細胞リンパ腫でないことを条件として、急性リンパ芽球白血病、リンパ腫、胸腺腫、急性リンパ芽球白血病、ホジキンおよび非ホジキン病を含む。好ましい実施形態においては、T細胞悪性腫瘍は全身性、非皮膚T細胞悪性腫瘍である。
本明細書中で用いる用語「補助の(adjunctive)」および「共同(conjunction)」は、「組み合わせた」または「組合せの」と相互変換可能に用いられる。
本明細書に使用される、タンパク質性薬剤(例えば、タンパク質、ポリペプチド、および抗体)に関する用語「類似体」は、第2のタンパク質性薬剤と類似したまたは同じ機能を保持する(しかし必ずしも第2のタンパク質性薬剤と類似したまたは同じアミノ酸配列を含むのでない)タンパク質性薬剤または第2のタンパク質性薬剤と類似したまたは同じ構造を保持するタンパク質性薬剤を意味する。類似したアミノ酸配列を有するタンパク質性薬剤は、次の3つの条件:(a)タンパク質性薬剤が第2のタンパク質性薬剤のアミノ酸配列と、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%同じであるアミノ酸配列を有すること;(b)タンパク質性薬剤が、第2のタンパク質性薬剤の少なくとも5個の連続アミノ酸残基、少なくとも10個の連続アミノ酸残基、少なくとも15個の連続アミノ酸残基、少なくとも20個の連続アミノ酸残基、少なくとも25個の連続アミノ酸残基、少なくとも40個の連続アミノ酸残基、少なくとも50個の連続アミノ酸残基、少なくとも60個の連続アミノ酸残基、少なくとも70個の連続アミノ酸残基、少なくとも80個の連続アミノ酸残基、少なくとも90個の連続アミノ酸残基、少なくとも100個の連続アミノ酸残基、少なくとも125個の連続アミノ酸残基,または少なくとも150個の連続アミノ酸残基をコードするヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされること;および(c)タンパク質性薬剤が第2のタンパク質性薬剤をコードするヌクレオチド配列と少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%同じであるヌクレオチド配列によりコードされることのうち少なくとも1つの条件を満たす第2のタンパク質性薬剤を意味する。第2のタンパク質性薬剤と類似したまたは同じ構造を保有するタンパク質性薬剤は、第2のタンパク質性薬剤と類似した二次、三次または四次構造をもつタンパク質性薬剤を意味する。ポリペプチドの構造は当業者に公知の方法により決定することができ、かかる方法として、限定されるものでないが、ペプチドのアミノ酸配列決定、X線結晶学、核磁気共鳴、円偏光二色性、および結晶学的電子顕微鏡が挙げられる。
2つのアミノ酸配列または2つの核酸配列の同一性パーセントを決定するには、最適な比較のために配列同士をアラインメントする(例えば、第2のアミノ酸または核酸配列との最適なアラインメントのために第1のアミノ酸または核酸配列の配列中にギャップを導入することができる)。その後、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置のアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第1の配列のある位置が第2の配列の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占められている場合、それらの分子はその位置で同一となる。2つの配列間の同一性パーセントは、それらの配列が共有する同一位置の数の関数である(すなわち、同一性%=重なり合う同一位置の数/位置の総数×100%)。ある実施形態では、2つの配列が同じ長さである。
2つの配列間の同一性パーセントはまた、数学的アルゴリズムを使っても決定することができる。2つの配列の比較に利用される数学的アルゴリズムの好適な非限定的な例は、KarlinおよびAltschul, 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 87: 2264-2268に記載され、KarlinおよびAltschul, 1993, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90: 5873-5877において改変されたアルゴリズムである。そのようなアルゴリズムは、Altschulら, 1990, J. Mol. Biol. 215: 403に記載のNBLASTおよびXBLASTプログラムに組み込まれている。BLASTヌクレオチド検索を、NBLASTヌクレオチドプログラムパラメーターセット(例えば、スコア=100、ワード長=12)を用いて行うことにより、本発明の核酸分子と相同なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質検索を、XBLASTプログラムパラメーターセット(例えば、スコア=50、ワード長=3)を用いて行うことにより、本発明のタンパク質分子と相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較の目的でギャップを挿入したアラインメントを得るためには、Gapped BLASTをAltschulら, 1997, Nucleic Acids Res. 25: 3389-3402に記載のように使用する。あるいはまた、PSI-BLASTを用いて、分子間の遠い関係を検出する反復検索を行うこともできる(同上)。BLAST、Gapped BLAST、およびPSI-Blastプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメーターを使用してもよい(例えば、NCBIウェブサイトを参照のこと)。配列比較に利用される数学的アルゴリズムの別の好ましい非限定的な例は、MyersおよびMiller, 1988, CABIOS 4:11-17に記載のアルゴリズムである。そのようなアルゴリズムは、GCG配列アラインメントソフトウェアパッケージの一部であるALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。アミノ酸配列の比較のためにALIGNプログラムを利用する場合は、PAM120加重残基表(weight residue table)、ギャップ長ペナルティー12、およびギャップペナルティー4を使用してもよい。
2つの配列間の同一性パーセントは、上述したものと類似の技法を用いて、ギャップを挿入してまたは挿入しないで決定することができる。同一性パーセントを計算するには、典型的には、正確な一致(マッチ)だけを数える。
本明細書中で用いる、非タンパク質性薬剤に関する用語「類似体」は、第1の有機もしくは無機分子と類似したまたは同じ機能を有し、かつ第1の有機もしくは無機分子と構造上類似している第2の有機もしくは無機分子を意味する。
本明細書中で用いる用語「拮抗薬」は、別の分子の機能、活性および/または発現を遮断し、阻害し、低減し、または中和する任意のタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、抗体、抗体フラグメント、大分子、または小分子(10kDより小さい)を意味する。様々な実施形態において、拮抗薬は、別の分子の機能、活性および/または発現を、リン酸緩衝溶液(PBS)のような対照と比べて、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%低減する。
本明細書中で用いる用語「抗体」は、モノクローナル抗体、合成多重特異性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、ラクダ化抗体、単一ドメイン抗体、キメラ抗体、一本鎖Fv(scFv)、1本鎖抗体(特異的一本鎖抗体を含む)、Fabフラグメント、F(ab')フラグメント、ジスルフィド連結Fv(sdFv)、および抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、本発明の抗体に対する抗Id抗体を含む)、細胞内発現抗体(intrabody)ならびに前記抗体のエピトープ結合フラグメントを意味する。特に、抗体は免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性なフラグメント(すなわち、抗原結合部位を含む分子)を含む。免疫グロブリン分子はいずれのタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスのものであってもよい。
本明細書中で用いる用語「CD2ポリペプチド」は、CD2糖タンパク質(T11またはLFA-2としても知られている)またはその断片を意味する。好ましい実施形態において、CD2ポリペプチドはT細胞やナチュラルキラー(NK)のような免疫細胞により発現される50〜55kDaの細胞表面糖タンパク質である。CD2ポリペプチドはどのような種に由来するものでもよい。ある特定の実施形態においては、CD2ポリペプチドはヒトまたはチンパンジーCD2分子である。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドはヒヒCD2分子ではない。CD2ポリペプチドのヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列は文献や公的なデータベース中に見出すことができ、また、そのヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列は当業者に公知のクローニングおよび配列決定技法を用いて決定することができる。例えば、ヒトCD2のヌクレオチド配列はGenBankデータベース中に見出すことができる(例えば、受託番号X06143、AH002740およびM16445を参照)。好ましい実施形態においては、CD2ポリペプチドはヒトCD2分子である(例えば、図1を参照)。
本明細書に用いる用語「競合」は、当業者に公知のまたは本明細書に記載の競合ELISAアッセイまたはBIACOREアッセイ(例えば、5.8節を参照)により評価したとき、CD2分子、特にLO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507のCD2ポリペプチドとの結合を阻害するまたは低減する薬剤を意味する。特定の実施形態においては、治療もしくは予防薬はCD2結合分子のCD2ポリペプチドとの結合を、競合ELISAアッセイまたはBIAcoreアッセイにより評価すると、PBSなどの対照と比較して少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%だけ低下させる。好ましい実施形態においては、抗CD2抗体はLO-CD2A/BTI-322またはMEDI-507のCD2ポリペプチドとの結合を、競合ELISAアッセイまたはBIAcoreアッセイにより評価すると、PBSなどの対照と比較して少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%だけ低下させる。
本明細書中で用いる、タンパク質性薬剤(例えば、タンパク質、ポリペプチド、および抗体)に関する用語「誘導体」は、アミノ酸残基の置換、欠失または付加の導入により改変されたアミノ酸配列を含んでなるタンパク質性薬剤を意味する。本明細書中で用いる用語「誘導体」はまた、任意のタイプの分子のタンパク質性薬剤との共有結合により修飾されたタンパク質性薬剤も意味する。例えば、限定されるものでないが、抗体は、グリコシル化、アセチル化、ペグ(PEG)化、リン酸化、アミド化、誘導体化(公知の保護基/ブロッキング基による)、タンパク質加水分解による切断、細胞性リガンドまたは他のタンパク質との結合などによって修飾することができる。誘導体タンパク質性薬剤は当業者に公知の技法を用いて化学的修飾により調製することができ、例えば、限定されるものでないが、特定の化学的切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝的合成などが含まれる。さらに、誘導体タンパク質性薬剤は1個以上の非古典的アミノ酸を含んでいてもよい。タンパク質性薬剤誘導体はそれが誘導された元来のタンパク質性薬剤と類似のまたは同一の機能を保持している。
本明細書中で用いられる、非タンパク質性誘導体に関する用語「誘導体」は、第1の有機または無機分子の構造に基づいて形成された第2の有機または無機分子を意味する。有機分子の誘導体には、限定されるものでないが、例えば、ヒドロキシル、メチル、エチル、カルボキシルまたはアミノ基の付加または欠失により修飾された分子が含まれる。有機分子はまた、エステル化、アルキル化および/またはリン酸化されていてもよい。
本明細書中で用いる用語「有効な量」は、癌、(特にT細胞悪性腫瘍)または1以上のその症状の重篤度および/または期間を低減するかまたは改善し、癌(特にT細胞悪性腫瘍)または1以上のその症状の進行を防止し、癌(特にT細胞悪性腫瘍)または1以上のその症状の退行をもたらし、または他の療法(例えば、予防もしくは治療薬)の予防または治療効果を増強するために十分な治療薬の量を意味する。
本明細書中で用いる用語「エピトープ」は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトの体内で抗原性または免疫原活性を有するポリペプチドまたはタンパク質の断片を意味する。特に、本明細書中で用いる用語「CD2エピトープ」は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトの体内で抗原性または免疫原活性を有するCD2ポリペプチドの断片を意味する。免疫原活性を有するエピトープは、動物の体内で抗体応答を引き出すポリペプチドまたはタンパク質の断片である。抗原活性のあるエピトープは、当業者に公知の方法(例えば、イムノアッセイ)で測定したとき、抗体が免疫特異的に結合するポリペプチドまたはタンパク質の断片である。抗原性エピトープは必ずしも免疫原性である必要はない。
本明細書中に用いる用語「断片」は、別のポリペプチドのアミノ酸配列の少なくとも5個の連続アミノ酸残基、少なくとも10個の連続アミノ酸残基、少なくとも15個の連続アミノ酸残基、少なくとも20個の連続アミノ酸残基、少なくとも25個の連続アミノ酸残基、少なくとも40個の連続アミノ酸残基、少なくとも50個の連続アミノ酸残基、少なくとも60個の連続アミノ酸残基、少なくとも70個の連続アミノ酸残基、少なくとも80個の連続アミノ酸残基、少なくとも90個の連続アミノ酸残基、少なくとも100個の連続アミノ酸残基、少なくとも125個の連続アミノ酸残基、少なくとも150個の連続アミノ酸残基、少なくとも175個の連続アミノ酸残基、少なくとも200個の連続アミノ酸残基、または少なくとも250個の連続アミノ酸残基のアミノ酸配列を含むペプチドまたはポリペプチド(限定されるものでないが抗体を含む)を意味する。特定の実施形態においては、ポリペプチドの断片はそのポリペプチドの機能を少なくとも1つ保持する
本明細書中で用いる用語「機能性断片」は、第2の、異なるポリペプチドのアミノ酸配列の少なくとも5個の連続アミノ酸残基、少なくとも10個の連続アミノ酸残基、少なくとも15個の連続アミノ酸残基、少なくとも20個の連続アミノ酸残基、少なくとも25個の連続アミノ酸残基、少なくとも40個の連続アミノ酸残基、少なくとも50個の連続アミノ酸残基、少なくとも60個の連続アミノ酸残基、少なくとも70個の連続アミノ酸残基、少なくとも80個の連続アミノ酸残基、少なくとも90個の連続アミノ酸残基、少なくとも100個のアミノ酸連続残基、少なくとも125個の連続アミノ酸残基、少なくとも150個の連続アミノ酸残基、少なくとも175個の連続アミノ酸残基、少なくとも200個の連続アミノ酸残基、または少なくとも250個の連続アミノ酸残基からなるアミノ酸配列を含み、かつ第2の、異なるポリペプチドの機能を少なくとも1つ保持するペプチドまたはポリペプチドを意味する。
本明細書中で用いる用語「融合タンパク質」は、第1のタンパク質またはその機能性断片、類似体もしくは誘導体のアミノ酸配列と異種タンパク質(すなわち、第1のタンパク質またはその機能性断片、類似体もしくは誘導体と異なる第2のタンパク質またはその機能性断片、類似体もしくは誘導体)のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドを意味する。一実施形態においては、融合タンパク質は異種タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドと融合した(すなわち、機能しうる形で連結された)予防もしくは治療薬を含んでなってもよい。この実施形態によると、異種タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは、予防もしくは治療薬の異なるタイプであってもなくてもよい。ある特定の実施形態においては、融合タンパク質は、CD2拮抗薬活性をもつタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドと異種タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドを含んでなる。他の実施形態においては、融合タンパク質はCD2結合分子と異種タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドを含む。特定の実施形態においては、融合タンパク質は、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントと異種ポリペプチドを含む。これらの実施形態によると、異種ポリペプチドは少なくとも5個のアミノ酸残基、少なくとも10個のアミノ酸残基、少なくとも15個のアミノ酸残基、少なくとも20個のアミノ酸残基、少なくとも25個のアミノ酸残基、少なくとも30個のアミノ酸残基、少なくとも40個のアミノ酸残基、少なくとも50個のアミノ酸残基、少なくとも75%個のアミノ酸残基、少なくとも100個のアミノ酸残基,または少なくとも150個のアミノ酸残基である。
本明細書中で用いる用語「宿主細胞」は、ある核酸分子を用いてトランスフェクトされた特定の対象細胞およびかかる細胞の子孫または潜在的子孫を意味する。かかる細胞の子孫は、後の世代で起こりうる突然変異もしくは環境上の影響のため、あるいは核酸分子の宿主細胞ゲノムへの組込みのため、核酸分子を用いてトランスフェクトされた親細胞と同一でなくてもよい。
本明細書中で用いる「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」は、お互いに少なくとも60%(好ましくは少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%,または、少なくとも95%)同一であるヌクレオチド配列同士が、典型的にはお互いとハイブリダイズしたまま残る、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件を記載する。そのようなストリンジェントな条件は当業者に公知であり、「分子生物学の現行プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, John Wiley & Sons, N. Y. (1989), 6.3.1-6.3.6に見出すことができる。一つの非限定的な例では、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、6 X 塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中の約45℃でのハイブリダイゼーション、続いて、0.1 X SSC、0.2% SDS中の約68℃での1回以上の洗浄からなる。好ましい非限定的な例では、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、6 X SSC中の約45℃でのハイブリダイゼーション、続いて、0.2 X SSC、0.1% SDS中の約50〜65℃での1回以上の洗浄(すなわち、50℃、55℃、60℃または65℃での1回以上の洗浄)からなる。本発明の核酸は、これらの条件下で、AまたはTヌクレオチドだけから構成されるヌクレオチド配列と専らハイブリダイズする核酸分子を含まないことが判る。
本明細書中で用いる用語「抗原と免疫特異的に結合する」および類似の用語は、ある抗原または断片と特異的に結合するが、他の抗原と特異的に結合しないペプチド、ポリペプチド、融合タンパク質、および抗体もしくはそのフラグメントを意味する。抗原と免疫特異的に結合するペプチドまたはポリペプチドは、例えば、イムノアッセイ、BIAcore、または当技術分野で公知の他のアッセイで測定したとき、他のペプチドまたはポリペプチドとより低い親和性で結合しうる。抗原と免疫特異的に結合する抗体またはフラグメントは、関連する抗原と交差反応しうる。好ましくは、抗原と免疫特異的に結合する抗体またはフラグメントは他の抗原と交差反応しない。
本明細書中で用いる用語「CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する」および類似の用語は、CD2ポリペプチドまたはその断片と特異的に結合するが、他のポリペプチドと特異的に結合しないペプチド、ポリペプチド、融合タンパク質および抗体またはそのフラグメントを意味する。CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するペプチドまたはポリペプチドは、例えば、イムノアッセイ、BIAcore、または当技術分野で公知の他のアッセイで測定したとき、より低い親和性で他のペプチドまたはポリペプチドと結合してもよい。CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体またはフラグメントは、関連する抗原と交差反応してもよい。好ましくは、CD2ポリペプチドまたはその断片と免疫特異的に結合する抗体またはフラグメントは、他の抗原と交差反応しない。CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体またはフラグメントは、例えば、イムノアッセイ、BIAcore、または当技術分野で公知の他の技法を用いて同定することができる。或る抗体またはそのフラグメントが、ラジオイムノアッセイ(RIA)や酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)などの実験手法を用いて測定したとき、他のどのような交差反応性の抗原と結合するより高い親和性でCD2ポリペプチドと結合するとき、その抗体またはフラグメントはCD2ポリペプチドと特異的に結合することになる。例えば、抗体特異性に関する考察については、Paul編, 1989, 「基礎免疫学(Fundamental Immunology)」 Second Edition, Raven Press, New York, pp.332-336を参照。
本明細書中で用いる用語「併用して」または「組合せて」は2種以上の治療(例えば1種以上の予防および/または治療薬)を使用することを意味する。用語「併用して」または「組合せて」の使用は、癌、特にT細胞悪性腫瘍を有する被験者に予防薬および/または治療薬を投与する順序を制限するものでない。第1の予防もしくは治療薬を第2の治療薬(例えば、第2の予防もしくは治療薬)の投与前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前)に、投与と同時に、または投与後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後)に、癌、特にT細胞悪性腫瘍を有する被験者に投与することができる。
タンパク質性薬剤(例えば、ペプチド、ポリペプチド、融合タンパク質、または抗体)に関して本明細書中で用いる用語「単離された」は、それが由来する細胞または組織源からの細胞性物質または混入タンパク質を実質的に含まないか、それが化学合成されたものであるときは化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まないタンパク質性薬剤を意味する。用語「細胞性物質を実質的に含まない」は、タンパク質性薬剤が細胞から単離されるかまたは組換えで生産されたものであって、細胞の細胞成分から分離されているタンパク質性薬剤の調製物を意味する。従って、細胞性物質を実質的に含まないタンパク質性薬剤は、約30%、20%、10%または5%(乾燥重量基準)未満の量の異種タンパク質(本明細書では「混入タンパク質」ともいう)を含有するタンパク質性薬剤の調製物を含む。タンパク質性薬剤が組換えにより生産されたものであるときは、培地をも実質的に含まないことが好ましく、すなわち、培地はタンパク質調製物の体積の約20%、10%または5%未満となるようにする。タンパク質性薬剤が化学合成により調製されたものであるときは、化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まないことが好ましく、すなわち、タンパク質性薬剤の合成に伴う化学前駆体または他の化学物質から分離される。したがって、そのようなタンパク質性薬剤の調製物は、約30%、20%、10%または5%(乾燥重量基準)未満の化学前駆体または目的のタンパク質性薬剤以外の化合物を含有する。特定の実施形態においては、CD2拮抗薬またはCD2結合分子が単離される。好ましい実施形態においては、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントが単離される。
核酸分子に関して本明細書中で用いる用語「単離された」は、その核酸分子の天然源中に存在する他の核酸分子から分離されている核酸分子を意味する。さらに、cDNA分子のような「単離された」核酸分子は、組換え法により生産された場合には他の細胞性物質もしくは培地を実質的に含まず、また、化学的に合成された場合には化学前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。特定の実施形態においては、CD2拮抗薬をコードする核酸分子が単離される。好ましい実施形態においては、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントをコードする核酸分子が単離される。
本明細書中で用いる用語「管理する」および「管理」は、被験者に、癌、特にT細胞悪性腫瘍の治癒をもたらさない治療(例えば、予防もしくは治療薬)から引き出す有益な効果を意味する。ある特定の実施形態において、被験者は癌の進行または悪化を防止するために、癌、特にT細胞悪性腫瘍を「管理する」ための1種以上の治療(例えば、予防もしくは治療薬)を投与される。
本明細書中で用いる用語「非応答性」および「不応性」は、癌、特にT細胞悪性腫瘍用の現在入手可能な予防もしくは治療薬であって、臨床上、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状に関連する1以上の症状を緩和するのに十分でない上記予防もしくは治療薬を用いて治療された患者を意味する。典型的には、そのような患者は重症の持続的活動性の疾患を患っており、癌、特にT細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を改善するために更なる治療を必要とする。
本明細書中で用いる用語「核酸」および「ヌクレオチド配列」は、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)、DNA分子とRNA分子の組合せまたはハイブリッドDNA/RNA分子、およびDNAまたはRNA分子の類似体を含む。前記類似体は、例えば、限定されるものでないが、イノシンやトリチル化塩基を含むヌクレオチド類似体を用いて、作製することができる。かかる類似体はまた、ヌクレアーゼ耐性や細胞膜横断能の向上といった、該分子に有利に寄与する修飾型主鎖を含むDNAまたはRNA分子を含みうる。核酸またはヌクレオチド配列は一本鎖であっても二本鎖であってもよく、一本鎖部分と二本鎖部分の両方を含んでもよく、また、三本鎖部分を含んでいてもよいが、好ましくは二本鎖DNAである。
本明細書中で用いる用語「予防薬」は、癌、特にT細胞悪性腫瘍の予防に使用されるあらゆる薬剤を意味する。ある特定の実施形態において、用語「予防薬」はCD2拮抗薬(例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)を意味する。ある特定の他の実施形態では、用語「予防薬」はCD2拮抗薬(例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)を意味しない。好ましくは、予防薬は癌、特にT細胞悪性腫瘍の発生、開始もしくは進行を防止したり遅らせたりするために、有用であることが知られているか、使用されていたか、あるいは現在使用されている薬剤である。
本明細書中で用いる用語「予防する」および「予防」は、療法(例えば、予防もしくは治療薬)の実施または療法の組合わせ(例えば、予防および/または治療薬)の結果として生じる、被験者における癌(特にT細胞悪性腫瘍)の発生もしくは開始の阻止または癌、特にT細胞悪性腫瘍の1以上の症状の再発、開始、または発生の予防を意味する。
本明細書中で用いる用語「予防上有効な量」は、癌(特にT細胞悪性腫瘍)またはその1以上の症状の再発または発生を防止するのに十分な予防薬の量を意味する。
本明細書中で用いる「予防プロトコル」とは、1種以上の予防薬の投与量とタイミングの投薬計画(regimen)を意味する。
本明細書中で用いる「プロトコル」には投薬スケジュールおよび投薬計画(regimen)が含まれる。ここにおいてプロトコルは使用方法のことであり、予防および治療上のプロトコルを含む。
本明細書中で用いる「副作用」とは、治療法(予防もしくは治療薬)の望ましくない不利な作用を包含する。不利な作用は常に望まれていないが、望まれない作用が必ずしも不利とは限らない。予防もしくは治療薬からの不利な作用は有害であったり、不快であったり、危険であったりする。
本明細書中で用いる「小分子」および類似の用語は、限定されるものでないが、約1,000グラム/モルより小さい分子量を有する有機または無機化合物(すなわち、ヘテロ有機および有機金属化合物を含む)を含む。好ましい実施形態においては、「小分子」は、約750グラム/モルより小さい分子量を有する有機または無機化合物を包含する。さらに他の特定の実施形態においては、「小分子」は、約500グラム/モルより小さい分子量を有する有機または無機化合物を包含する。かかる化合物の塩、エステル、およびその他の製薬上許容される形態も包含する。
本明細書では用語「被験者」および「患者」は相互交換可能に用いられる。本明細書中で用いる「被験者」は、動物、好ましくは、限定されるものでないが、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラット、およびマウス)および霊長類(例えば、マカクザルのようなサルおよびヒト)を含む哺乳動物、そしてより好ましくはヒトを意味する。特定の実施形態においては、被験者は癌を有するヒトである。好ましい実施形態においては、皮膚T細胞リンパ腫以外のT細胞悪性腫瘍を有するヒトである。他の実施形態においては、被験者は、非ヒト動物、例えば鳥類(例えば、ウズラ、ニワトリ、またはシチメンチョウ)、家畜動物(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、またはヒツジ)、ペット(例えば、ネコ、イヌまたはモルモット)、または実験動物(例えば、T細胞悪性腫瘍用の動物モデル、例えばT細胞悪性腫瘍を有するチンパンジーまたはマウス)である。
本明細書中で用いる用語「相乗作用」は、2以上の単剤療法(例えば、2種以上の単一予防薬および/または治療薬)の相加作用よりも効果的である治療法の組合わせ(例えば、予防もしくは治療薬の組合せ)を意味する。予防または治療法(例えば、予防もしくは治療薬)の組合せの相乗作用により、1以上の治療法(例えば、1種以上の予防もしくは治療薬)の投与量を少なくすることができ、および/または癌、特にT細胞悪性腫瘍の患者への上記治療薬の投与回数を減らすことが可能である。治療法(予防もしくは治療薬)の投与量を少なくし、かつ/または上記治療薬の投与回数を減らすことができるということは、該薬剤の被験者への投与に伴う毒性を減らし、しかも癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善における上記薬剤の効力を低下させることがない。その上、相乗作用により、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善における治療法(例えば、予防もしくは治療薬)の効力増加を得ることができる。最後に、治療法(例えば、予防もしくは治療薬)の組合わせの相乗作用により、単剤療法の使用に伴う有害なまたは望ましくない副作用を回避しまたは軽減することができる。
本明細書中の用語「治療法」および「療法」は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に利用することができる、いずれのプロトコル、方法、および/または薬物を意味してもよい。ある特定の実施形態においては、用語「治療法」および「療法」は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に有用な、当業者、例えば医師などの医療専門家に公知の、抗癌薬、生物学的療法、支持療法、および/または他の治療法を意味する。
本明細書中で用いる用語「治療薬」は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に利用しうる薬剤を意味する。ある特定の実施形態においては、用語「治療薬」は、CD2拮抗薬(例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)を意味する。ある特定の実施形態においては、用語「治療薬」はCD2拮抗薬(例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)を意味しない。好ましくは、治療薬は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に有用であることが知られているか、使用されていたか、あるいは現在使用されている薬剤である。
本明細書中で用いる用語「治療上有効な量」は、癌(特に、T細胞悪性腫瘍)の重篤度を軽減し、癌(特に、T細胞悪性腫瘍)の期間を短縮し、癌(特に、T細胞悪性腫瘍)の1種以上の症候群を改善し、癌(特に、T細胞悪性腫瘍)の進行を阻止または遅れさせ、癌(特に、T細胞悪性腫瘍)の退行を生じさせ、または治療法(例えば、予防もしくは治療薬)の治療効果を増強または改善するために十分である治療法(例えば、予防もしくは治療薬)の量を意味する。
本明細書中で用いる「治療プロトコル」とは、1種以上の治療薬を投与する投与量とタイミングの治療計画(regimen)を意味する。
本明細書中で用いる用語「治療する」および「治療」は、1種以上の治療法(例えば、1種以上の予防および/または治療薬)の投与により得られる、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の進行、重篤度および/または期間の低減または改善を意味する。
4 図面の簡単な説明
図面の簡単な説明は下記参照。
5 発明の詳細な説明
本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状に対する現在の単剤療法または併用療法より優れた予防および治療プロファイルを提供する治療プロトコルを包含する。本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善に対するCD2拮抗薬に基づく治療法を提供する。特に、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善に対する予防および治療プロトコルであって、それを必要とする被験者にMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントを投与することを含む上記プロトコルを提供する。
本発明はまた、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善のために用いるCD2拮抗薬を含む医薬組成物およびキットも提供する。特に、本発明は、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントを含む医薬組成物およびキットを提供する。
5.1 MEDI-507、その誘導体、類似体、抗原結合フラグメント
本発明は、MEDI-507(MedImmune, Inc., Gaithersburg, MD;Brancoら, 1999, Transplantation 68(10):1588-1596)、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント(例えば、MEDI-507の1以上の相補性決定領域(CDR))の、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善における使用を包含する。MEDI-507は、例えば、国際公開第WO 99/03502号、国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに米国出願第09/462,140号、第10/091,268号、および第10/091,313号(それぞれ、参照により本明細書にその全文が組み入れられる)に開示されている。MEDI-507は、ヒトCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するヒト化IgG1κクラスモノクローナル抗体である。MEDI-507は、ラットモノクローナル抗体LO-CD2a/BTI-322由来のCDRをヒトIgG1フレームワーク中に挿入する分子技術を利用して構築した。LO-CD2a/BTI-322のアミノ酸配列は、例えば米国特許第5,730,979号、第5,817,311号、および第5,951,983号;ならびに米国出願第09/056,072号および第09/462,140号(それぞれ、参照により本明細書にその全文が組み入れられる)、またはAmerican Type Culture Collection (ATCC(登録商標)), 10801 University Boulevard, Manassas, Virginia 20110-2209に1993年7月28日、受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株により産生されるモノクローナル抗体のアミノ酸配列に開示されている。
本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善におけるCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の使用であって、上記抗体がLO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507の可変重鎖(VH)ドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含んでなる上記使用を包含する。特に、本発明は、LO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507のVHドメインのアミノ酸配列を有する2つのVHドメインを含む単一ドメイン抗体を包含する。本発明はまた、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善におけるCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の使用であって、上記抗体がLO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507のVH CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有するVH CDRを含んでなる上記使用を包含する。特に、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善におけるCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の使用であって、上記抗体が表2に掲げたVH CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有するVH CDRを含んでなる上記使用を包含する。
Figure 2006503828
一実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。好ましい実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2、および配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。
本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善におけるCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の使用であって、上記抗体がLO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507の可変軽鎖(VL)ドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含んでなる上記使用を包含する。本発明はまた、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善におけるCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の使用であって、上記抗体がLO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507のVL CDRのアミノ酸配列を有するVL CDRを含んでなる上記使用を包含する。特に、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善におけるCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の使用であって、上記抗体が表2(前掲)に掲げたVL CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有するVL CDRを含んでなる上記使用を包含する。
一実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。好ましい実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2、および配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。
本発明はまた、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善のためのCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の使用であって、上記抗体が本発明に開示したVHドメインを本明細書に開示したVLドメインまたは他のVLドメインと組合わせて含んでなる上記使用を包含する。本発明はまた、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善のためのCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の使用であって、上記抗体が本発明に開示したVLドメインを本明細書に開示したVHドメインまたは他のVHドメインと組合わせて含んでなる上記使用を包含する。
特に、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善におけるCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の使用であって、LO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507の1以上のVH CDRおよび1以上のVL CDRを含む上記抗体の使用を包含する。本発明はまた、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善のためのCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の使用であって、表2に掲げた1以上のVH CDRおよび1以上のVL CDRを含む上記抗体も包含する。さらに具体的に、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善におけるCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の使用であって、VH CDR1およびVL CDR1;VH CDR1およびVL CDR2;VH CDR1およびVL CDR3;VH CDR2およびVL CDR1;VH CDR2およびVL CDR2;VH CDR2およびVL CDR3;VH CDR3およびVH CDR1;VH CDR3およびVL CDR2;VH CDR3およびVL CDR3;VH1 CDR1、VH CDR2およびVL CDR1;VH CDR1、VH CDR2およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2およびVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3およびVL CDR1、VH CDR2、VH CDR3およびVL CDR2;VH CDR2、VH CDR2およびVL CDR3;VH CDR1、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR1、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR2、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR2、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3およびVL CDR1;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR2およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VL CDR1、VL CDR2、およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、およびVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、およびVL CDR3;または表2(前掲)に掲げたVH CDRおよびVL CDRのそれらのいずれかの組合わせを含んでなる上記抗体の使用を包含する。
一実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1および配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1および配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号1のアミノ酸配列を有するVH CDR1および配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。
他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2および配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2および配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号2のアミノ酸配列を有するVH CDR2および配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。
他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3および配列番号4のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3および配列番号5のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR3および配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む抗体を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。
本発明は、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントをコードする一般的に単離された核酸分子の、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善における使用を包含する。一実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、LO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507のVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含む上記抗体をコードする単離された核酸分子を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、ATCC(登録商標)に受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株が産生するモノクローナル抗体のVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含む上記抗体をコードする単離された核酸分子を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、LO-CD2a/BTI-322、MEDI-507、またはATCC(登録商標)に受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株が産生するモノクローナル抗体のVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含む上記抗体をコードする単離された核酸分子を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、表2(前掲)に掲げたVH CDR1のアミノ酸配列を有するVH CDR1を含む上記抗体をコードする単離された核酸分子を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、表2(前掲)に掲げたVH CDR2のアミノ酸配列を有するVH CDR2を含む上記抗体をコードする単離された核酸分子を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。さらに他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、表2(前掲)に掲げたVH CDR3のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む上記抗体をコードする単離された核酸分子を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。
一実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、LO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507のVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含む上記抗体をコードする単離された核酸分子を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、ATCC(登録商標)に受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株が産生するモノクローナル抗体のVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含む上記抗体をコードする単離された核酸分子を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、LO-CD2a/BTI-322、MEDI-507、またはATCC(登録商標)に受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株が産生するモノクローナル抗体のVL CDRのアミノ酸配列を有するVL CDRを含む上記抗体をコードする単離された核酸分子を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、表2(前掲)に掲げたVL CDR1のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む上記抗体をコードする単離された核酸分子を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、表2(前掲)に掲げたVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む上記抗体をコードする単離された核酸分子を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。さらに他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、表2(前掲)に掲げたVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む上記抗体をコードする単離された核酸分子を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。
他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、LO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507のVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインおよびLO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507のVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含む上記抗体をコードする単離された核酸分子を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、ATCC(登録商標)に受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株が産生するモノクローナル抗体のVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインおよびATCC(登録商標)に受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株が産生するモノクローナル抗体のVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含む上記抗体をコードする単離された核酸分子を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、LO-CD2a/BTI-322、MEDI-507、またはATCC(登録商標)に受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株が産生するモノクローナル抗体のVH CDRおよびLO-CD2a/BTI-322、MEDI-507、またはATCC(登録商標)に受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株が産生するモノクローナル抗体のVL CDRを含む上記抗体をコードする単離された核酸分子を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、表2(前掲)に掲げたアミノ酸配列を有するVH CDR1、VL CDR1、VH CDR2、VL CDR2、VH CDR3、VL CDR3、またはそれらのいずれかの組合わせを含む上記抗体をコードする単離された核酸分子を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に使用する。
本発明は、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体であって、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する本明細書に記載のVHドメイン、VH CDR、VLドメイン、またはVL CDRの誘導体を含む上記抗体の、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善における使用を包含する。例えばアミノ酸置換を生じる位置指定突然変異誘発およびPCRを介する突然変異誘発を含む当業者に公知の標準技術を用いて、本発明の抗体をコードするヌクレオチド配列に突然変異を導入することができる。好ましくは、誘導体は元の分子と比較して、25個未満のアミノ酸置換、20個未満のアミノ酸置換、15個未満のアミノ酸置換、10個未満のアミノ酸置換、5個未満のアミノ酸置換、4個未満のアミノ酸置換、3未満のアミノ酸置換、または2未満のアミノ酸置換を含む。好ましい実施形態においては、誘導体は1以上の推定非必須アミノ酸残基(すなわち、抗体がCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するために不可欠でないアミノ酸残基)においてなされる保存的アミノ酸置換を有する。「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基を類似した電荷の側鎖を有するアミノ酸残基と置き換える置換のことである。類似した電荷の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは当技術分野で定義されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分枝側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)をもつアミノ酸が挙げられる。あるいは、突然変異を、飽和突然変異誘発などによりコード配列の全体または部分に沿って無作為に導入し、得られる突然変異体を生物学的活性についてスクリーニングして活性を保持する突然変異体を同定してもよい。突然変異誘発の後、コードされた抗体を発現させて、抗体の活性を確認することができる。
本発明は、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善における使用であって、上記抗体が可変軽鎖(VL)ドメインおよび/または可変重鎖(VH)ドメイン中に1以上のアミノ酸残基置換を有するLO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507のアミノ酸配列を含んでなる上記使用を包含する。本発明はまた、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善における使用であって、上記抗体が1以上のVL CDRおよび/または1以上のVH CDR中に1以上のアミノ酸残基置換を有するLO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507のアミノ酸配列を含んでなる上記使用も包含する。LO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507のVHドメイン、VH CDR、VLドメインおよび/またはVL CDR中に置換を導入することにより作製した抗体は、in vitro および/または in vivoで、例えば、そのCD2ポリペプチドと結合する能力、またはそのT細胞活性化を抑制する能力、またはそのT細胞増殖を抑制する能力、またはそのT細胞溶解を誘発する能力、または癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する能力について試験することができる。
特定の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつATCC(登録商標)に受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株が産生するモノクローナル抗体をコードするヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下(例えば、6x塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中にて約45℃でのフィルター結合DNAとのハイブリダイゼーションと、これに続く0.2xSSC/0.1%SDS中にて約50〜65℃での1回以上の洗浄)、高度にストリンジェントな条件下(例えば、6xSSC中にて約45℃でのフィルター結合DNAとのハイブリダイゼーションと、これに続く0.1xSSC/0.2%SDS中にて約68℃での1回以上の洗浄)、またはその他の当業者に公知のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下(例えば、Ausubel, F. M.ら, 編, 1989, 「分子生物学の現行プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, Vol. I, Green Publishing Associates, Inc. and John Wiley & Sons, Inc., New Yorkの6.3.1-6.3.6および2.10.3頁を参照)でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。
特定の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつMEDI-507をコードするヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下(例えば、6x塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中にて約45℃でのフィルター結合DNAとのハイブリダイゼーションと、これに続く0.2xSSC/0.1%SDS中にて約50〜65℃での1回以上の洗浄)、高度にストリンジェントな条件下(例えば、6xSSC中にて約45℃でのフィルター結合DNAとのハイブリダイゼーションと、これに続く0.1xSSC/0.2%SDS中にて約68℃での1回以上の洗浄)、またはその他の当業者に公知のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下(例えば、Ausubel, F. M.ら, 編, 1989, 「分子生物学の現行プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, Vol. I, Green Publishing Associates, Inc. and John Wiley & Sons, Inc., New Yorkの6.3.1-6.3.6および2.10.3頁を参照)でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。
特定の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつLO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507のVHまたはVLドメインをコードする核酸配列と、ストリンジェントな条件下(例えば、6x塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中にて約45℃でのフィルター結合DNAとのハイブリダイゼーションと、これに続く0.2xSSC/0.1%SDS中にて約50〜65℃での1回以上の洗浄)、高度にストリンジェントな条件下(例えば、6xSSC中にて約45℃でのフィルター結合DNAとのハイブリダイゼーションと、これに続く0.1xSSC/0.2%SDS中にて約68℃での1回以上の洗浄)、またはその他の当業者に公知のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下(例えば、Ausubel, F. M.ら, 編, 1989, 「分子生物学の現行プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, Vol. I, Green Publishing Associates, Inc. and John Wiley & Sons, Inc., New Yorkの6.3.1-6.3.6および2.10.3頁を参照)でハイブリダイズするヌクレオチド配列がコードするVHドメインのアミノ酸配列またはVLドメインのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。
他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつLO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507をコードするヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列がコードするVH CDRのアミノ酸配列またはVL CDRのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ表2(前掲)に掲げたVH CDRまたはVL CDRのいずれか1つをコードするヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列がコードするVH CDRのアミノ酸配列またはVL CDRのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつATCC(登録商標)に受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株が産生するモノクローナル抗体のVH CDRまたはVL CDRのいずれか1つをコードするヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列がコードするVH CDRのアミノ酸配列またはVL CDRのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。
他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつLO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507をコードするヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列がコードするVH CDRのアミノ酸配列およびVL CDRのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつ表2(前掲)に掲げたVH CDRおよびVL CDRのいずれか1つをコードするヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列がコードするVH CDRのアミノ酸配列およびVL CDRのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつATCC(登録商標)に受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株が産生するモノクローナル抗体をコードするヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列がコードするVH CDRのアミノ酸配列およびVL CDRのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。
特定の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつATCC(登録商標)に受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株が産生するモノクローナル抗体のアミノ酸配列と少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じであるアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、MEDI-507のアミノ酸配列と少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じであるアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、LO-CD2a/BTI-322のアミノ酸配列と少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じであるアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。
他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、MEDI-507のVHドメインと少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じであるVHドメインのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、LO-CD2A/BTI-322のVHドメインと少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じであるVHドメインのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、ATCC(登録商標)に受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株が産生するモノクローナル抗体のVHドメインと少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じであるVHドメインのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。
他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、LO-CD2a/BTI-322のVH CDRのいずれか1つと少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じである1以上のVH CDRのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、MEDI-507のVH CDRのいずれか1つと少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じである1以上のVH CDRのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、表2(前掲)に掲げたVH CDRのいずれかの1つと少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じである1以上のVH CDRのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、ATCC(登録商標)に受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株が産生するモノクローナル抗体のVH CDRのいずれか1つと少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じである1以上のVH CDRのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。
他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、MEDI-507のVLドメインと少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じであるVLドメインのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、LO-CD2A/BTI-322のVLドメインと少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じであるVLドメインのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、ATCC(登録商標)に受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株が産生するモノクローナル抗体のVLドメインと少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じであるVLドメインのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。
他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、MEDI-507のVL CDRのいずれかと少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じである1以上のVL CDRのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、LO-CD2a/BTI-322のVL CDRのいずれかと少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じである1以上のVL CDRのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、表2(前掲)に掲げたVL CDRのいずれかと少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じである1以上のVL CDRのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、ATCC(登録商標)に受託番号HB 11423として寄託した培養細胞株が産生するモノクローナル抗体のVL CDRのいずれかと少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%同じである1以上のVL CDRのアミノ酸配列を含んでなる抗体を投与することを含む上記方法を提供する。
本発明は、CD2ポリペプチドとの結合についてLO-CD2a/BTI-322またはその抗原結合フラグメントと競合する抗体の、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善における使用を包含する。好ましい実施形態においては、本発明は、CD2ポリペプチドとの結合についてMEDI-507またはその抗原結合フラグメントと競合する抗体の、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善における使用を包含する。
本発明は、修飾された、すなわち、いずれかのタイプの分子の抗体への共有結合により修飾されたMEDI-507またはその抗原結合フラグメントの誘導体の、本発明の方法および組成物における使用を包含する。例えば、限定されるものでないが、MEDI-507またはその抗原結合フラグメントの誘導体は、例えば、グリコシル化、アセチル化、ペグ(PEG)化、リン酸化、アミド化、公知の保護/ブロック基による誘導体化、タンパク質分解切断、細胞リガンドまたは他のタンパク質との結合などにより修飾された抗体を含む。限定されるものでないが、特定の化学的切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成を含む、多数の化学的修飾のいずれかを公知の技術により実施してもよい。さらに、誘導体は1以上の非古典的アミノ酸を含有しうる。
本発明は、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の本発明の方法および組成物における使用であって、上記抗体がフレームワーク領域中に突然変異(例えば、1以上のアミノ酸置換)を有するMEDI-507のアミノ酸配列を含んでなる上記使用を包含する。ある特定の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、VHおよび/またはVLドメインのフレームワーク領域に1以上のアミノ酸残基置換を有するMEDI-507のアミノ酸配列を含む。
本発明はさらに、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の本発明の方法および組成物における使用であって、上記抗体が可変およびフレームワーク領域中に突然変異(例えば、1以上のアミノ酸置換)を有するMEDI-507のアミノ酸配列を含んでなる上記使用を包含する。
5.2 CD2拮抗薬
MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの本発明の方法および組成物における使用に加えて、他のCD2拮抗薬を本発明によって使用することができる。CD2拮抗薬としては、限定されるものでないが、免疫細胞、好ましくはT細胞またはNK細胞により発現されるCD2ポリペプチドの機能、活性および/または発現を遮断し、抑制し、低減しまたは中和することで特徴付けられる、タンパク質性分子(例えば、タンパク質、ポリペプチド(例えば、可溶性CD2ポリペプチドおよび可溶性LFA-3ポリペプチド)、ペプチド、融合タンパク質(例えば、治療薬成分と複合した可溶性CD2ポリペプチドおよび治療薬成分と複合した可溶性LFA-3ポリペプチド)、抗体(例えば、抗CD2抗体)、および抗体(フラグメント)、核酸分子(例えば、CD2アンチセンス核酸分子、3本鎖またはタンパク質性分子をコードする核酸分子)、有機分子、無機分子、小有機分子、薬物、および小無機分子が挙げられる。さらなるCD2拮抗薬の例および特徴は、国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに2002年3月3日に出願された米国特許出願第10/091,268号および第10/091,313号(それぞれの内容は本明細書に参照によりその全てが組み入れられる)の第4.1節に開示されている。いくつかの実施形態においては、本発明の方法によって使用されるCD2拮抗薬は小有機分子、薬物またはアンチセンス分子でない。CD2拮抗薬は、当業者に公知のまたは本明細書(例えば第5.8節)に記載の技術を用いて同定することができる。
ある特定の実施形態においては、CD2拮抗薬はT細胞悪性腫瘍を患う被験者におけるCD2ポリペプチドの機能、活性、および/または発現を低減する。他の実施形態においては、CD2拮抗薬はCD2ポリペプチドと直接結合してTリンパ球の活性および/または機能をモジュレートする。特定の実施形態においては、CD2拮抗薬は、本明細書に記載のまたは当業者に公知の標準的in vivoおよび/またはin vitroアッセイにより測定したとき、T細胞悪性腫瘍を患う被験者におけるT細胞活性化または増殖を阻害または低減する。特定の実施形態においては、CD2拮抗薬は、本明細書に記載のまたは当業者に公知の標準的in vivoおよび/またはin vitroアッセイにより測定したとき、T細胞悪性腫瘍を患う被験者におけるリンパ球、特に末梢血T細胞の枯渇を媒介する。他の実施形態においては、CD2拮抗薬は抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を利用することによりTリンパ球の活性および/または機能を直接または間接にモジュレートする。
ある特定の実施形態においては、CD2拮抗薬は、本明細書に記載の(例えば競合ELISA)または当業者に公知のin vivoおよび/またはin vitroアッセイで、CD2ポリペプチドとLFA-3の間の相互作用を阻害または低減する。他の実施形態においては、CD2拮抗薬は、CD2ポリペプチドとLFA-3の間の相互作用を阻害または妨害しない。特定の実施形態においては、CD2拮抗薬は、当業者に公知のまたは本明細書に記載の競合アッセイ(例えば、競合ELISA)により評価すると、CD2ポリペプチドとLFA-3の間の相互作用を、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%,または少なくとも99%だけ阻害または低減する。他の特定の実施形態においては、CD2拮抗薬は、当業者に公知のまたは本明細書に記載の競合アッセイ(例えば、競合ELISA)により評価すると、CD2ポリペプチドとLFA-3の間の相互作用を、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満だけ阻害または低減する。
ある特定の実施形態においては、CD2拮抗薬は、本明細書に記載のまたは当業者に公知の標準in vivoまたはin vitroアッセイにより確認すると、サイトカイン発現および/または放出をモジュレートする。特定の実施形態においては、CD2拮抗薬は、CD2拮抗薬を投与した被験者の血清中の、例えば、インターフェロン-γ(IFN-γ)、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-9(IL-9)、インターロイキン-12(IL-12)、およびインターロイキン-15(IL-15)などのサイトカインの濃度をモジュレートする。サイトカインの血清濃度は、イムノアッセイ(例えばELISAを含む)などの当業者に公知のいずれかの技術により測定することができる。
好ましい実施形態においては、CD2拮抗薬として利用するタンパク質、ポリペプチドまたはペプチド(抗体および融合タンパク質を含む)は、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの受給者と同じ種から誘導して、これらのタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドに対する免疫応答の可能性を低減する。他の好ましくは実施形態においては、被験者がヒトであるとき、CD2拮抗薬として利用するタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドはヒトのものであるかヒト化される。
CD2拮抗薬として機能するタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードする核酸分子を、本発明の方法に従って、癌、特にT細胞悪性腫瘍を患う被験者に投与することができる。さらに、CD2拮抗薬として機能するタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの誘導体、類似体、断片または変異体をコードする核酸分子を、本発明の方法に従って、癌、特にT細胞悪性腫瘍を患う被験者に投与することができる。好ましくは、かかる誘導体、類似体、変異体および断片は全長野生型タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドのCD2拮抗薬活性を保持する。
5.2.1 CD2結合分子
本発明は、CD2結合分子と呼ばれるCD2拮抗薬の、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善における使用を包含する。本明細書に用いる用語「CD2結合分子」および類似の用語は、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつリンパ球、特に末梢血T細胞の活性および/または機能を直接もしくは間接にモジュレートする生物活性分子を意味する。一実施形態においては、CD2結合分子はリンパ球、特に末梢血T細胞の枯渇を直接または間接に媒介する。特定の実施形態においては、CD2結合分子はCD2ポリペプチドと結合し、かつナイーブT細胞でなく、記憶T細胞(すなわち、CD45RO+T細胞)の枯渇を優先して媒介する。CD2結合分子は、例えば、イムノアッセイまたは当業者に公知の他の技術により同定することができる。CD2結合分子は、限定されるものでないが、ペプチド、ポリペプチド、融合タンパク質、小分子、ミメチック薬剤、合成薬、有機分子、無機分子、および抗体を含む。さらなるCD2拮抗薬の例および特徴は、国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに2002年3月3日に出願された米国特許出願第10/091,268号および第10/091,313号(それぞれの内容は本明細書に参照によりその全てが組み入れられる)の第4.2節に開示されている。
一実施形態においては、CD2結合分子は、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。ある特定の実施形態においては、CD2結合分子はMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント、またはLO-CD2a/BTI-322でない。好ましい実施形態においては、CD2結合分子は、T細胞またはNK細胞などの免疫細胞により発現されたCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントである。他の実施形態においては、CD2結合分子は、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するポリペプチド、ペプチド、ミメチック薬剤、無機分子または有機分子である。他の実施形態においては、CD2結合分子は、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するLFA-3ペプチド、ポリペプチド、誘導体、またはその類似体である。他の実施形態においては、CD2結合分子は、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質である。好ましい実施形態においては、CD2結合分子は、T細胞またはNK細胞などの免疫細胞により発現されたCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質である。ある特定の実施形態においては、CD2結合分子は小さい有機分子または薬物でない。
特定の実施形態においては、CD2結合分子はヒトおよび/またはチンパンジーCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するがヒヒCD2ポリペプチドと結合しない。他の実施形態においては、CD2結合分子はヒトCD2(図1)のアミノ酸残基18、55、および/または59を含むエピトープと免疫特異的に結合する。他の実施形態においては、CD2結合分子はヒトCD2(図1)のアミノ酸残基18および55を含むエピトープと免疫特異的に結合する。他の実施形態においては、CD2結合分子はヒトCD2(図1)のアミノ酸残基18および59を含むエピトープと免疫特異的に結合する。他の実施形態においては、CD2結合分子はヒトCD2(図1)のアミノ酸残基55および59を含むエピトープと免疫特異的に結合する。さらに他の実施形態においては、CD2結合分子は、ヒヒCD2のアミノ酸配列中に見出されるアミノ酸残基とは異なるヒトCD2またはチンパンジーCD2のアミノ酸配列中の12個のアミノ酸残基の1個以上を含むエピトープと免疫特異的に結合する。これらの実施形態によると、CD2結合分子は好ましくは、LO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507でない。
ある特定の実施形態においては、CD2結合分子は、本明細書に記載の(例えば、ELISA)または当業者に公知のin vivoおよび/またはin vitro アッセイで、CD2ポリペプチドとLFA-3の間の相互作用を阻害または低減する。他の実施形態においては、CD2結合分子はCD2ポリペプチドとLFA-3の間の相互作用を阻害または低減しない。
5.2.1.1 MEDI-507以外のCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体
CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体が当技術分野で公知であることは理解されるに違いない。CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するMEDI-507以外の公知の抗体の例としては、限定されるものでないが、培養細胞株UMCD2が産生するマウスモノクローナル抗体(Ancell Immunology Research Products、Bayport、MN;Kozarskyら, 1993, Cell Immunol. 150:235-246)、培養細胞株RPA2.10が産生するマウスモノクローナル抗体(Zymed Laboratories、Inc.、San Francisco、CA;Rabinowitzら, Clin. Immunol. & Immunopathol. 76(2):148-154)、ラットモノクローナル抗体LO-CD2b(国際公開第WO 00/78814 A2号)、およびラットモノクローナル抗体LO-CD2a/BTI-322(Latinneら, 1996, Int. Immunol. 8(7):1113-1119)が挙げられる。
CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体としては、限定されるものでないが、モノクローナル抗体、多特異的抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、ラクダ化抗体、単一ドメイン抗体;キメラ抗体、一本鎖Fv(scFv)、一本鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab')フラグメント、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)、および抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、本発明の抗体に対する抗Id抗体を含む)、ならびに上記のいずれかのエピトープ結合フラグメントが挙げられる。特に、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体としては、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的活性部分、すなわち、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗原結合部位を含有する分子が挙げられる。本発明の免疫グロブリン分子は、免疫グロブリン分子のいずれの型(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2)またはサブクラスであってもよい。特定の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつT細胞の枯渇を媒介する抗体は、Fcドメインまたはそのフラグメント(例えば、FcドメインのCH2、CH3、および/またはヒンジ領域)を含んでなる。好ましい実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合しかつT細胞の枯渇を媒介する抗体は、免疫細胞が発現するFcR、好ましくは、FcγRIIIと結合するFcドメインまたはそのフラグメントを含んでなる。
ある特定の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、本明細書に記載の(例えば、ELISA)または当業者に公知のin vivoおよび/またはin vitro アッセイで、CD2ポリペプチドとLFA-3の間の相互作用を阻害または低減する。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、CD2ポリペプチドとLFA-3の間の相互作用を阻害または低減しない。
特定の実施形態においては、抗体はヒトおよび/またはチンパンジーCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するがヒヒCD2ポリペプチドと結合しない。他の実施形態においては、抗体はヒトCD2(図1)のアミノ酸残基18、55、および/または59を含むエピトープと免疫特異的に結合する。他の実施形態においては、抗体はヒトCD2(図1)のアミノ酸残基18および55を含むエピトープと免疫特異的に結合する。他の実施形態においては、抗体はヒトCD2(図1)のアミノ酸残基18および59を含むエピトープと免疫特異的に結合する。他の実施形態においては、抗体はヒトCD2(図1)のアミノ酸残基55および59を含むエピトープと免疫特異的に結合する。さらに他の実施形態においては、抗体はヒヒCD2のアミノ酸配列中に見出されるアミノ酸残基と異なるヒトCD2またはチンパンジーCD2のアミノ酸配列中の12個のアミノ酸残基の1個以上を含むエピトープと免疫特異的に結合する。これらの実施形態によると、抗体は好ましくは、LO-CD2a/BTI-322またはMEDI-507でない。
CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、鳥類および哺乳類を含むいずれの動物(例えば、ヒト、マウス、ロバ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ、またはニワトリ)起源由来であってもよい。好ましくは、本発明の抗体は、ヒトまたはヒト化モノクローナル抗体である。CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するヒト抗体としては、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体、およびヒト免疫グロブリンライブラリーからまたはヒト遺伝子由来の抗体を発現するマウスから単離された抗体が挙げられる。
CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、単特異的、二特異的、三特異的またはさらに多特異性であってもよい。多特異的抗体は、CD2ポリペプチドの異なるエピトープに特異的であっても、またはCD2ポリペプチドならびに異種エピトープ(異種ポリペプチドもしくは固体支持体物質など)の両方に特異的であってもよい。例えば、PCT公開WO 93/17715、WO 92/08802、WO 91/00360、およびWO 92/05793;Tuttら, J. Immunol. 147:60-69 (1991);米国特許第4,474,893号、第4,714,681号、第4,925,648号、第5,573,920号、および第5,601,819号;ならびにKostelnyら, J. Immunol. 148:1547-1553 (1992)を参照。
本発明は、CD2ポリペプチドに対して高い結合親和性を有する抗体の、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善における使用を包含する。特定の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の会合速度定数もしくはkon速度(抗体(Ab)+抗原(Ag)kon→Ab-Ag)は、少なくとも105M-1s-1、少なくとも5 X 105M-1s-1、少なくとも106M-1s-1、少なくとも5 X 106M-1s-1、少なくとも107M-1s-1、少なくとも5 X 107M-1s-1、または少なくとも108M-1s-1である。好ましい実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体のkon速度は、少なくとも2 X 105M-1s-1、少なくとも5 X 105M-1s-1、少なくとも106M-1s-1、少なくとも5 X 106M-1s-1、少なくとも107M-1s-1、少なくとも5 X 107M-1s-1、または少なくとも108M-1s-1である。
他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体のkoff速度(抗体(Ab)+抗原(AG)koff→Ab-Ag)は、10-1s-1未満、5 X 10-1s-1未満、10-2s-1未満、5 X 10-2s-1未満、10-3s-1未満、5 X 10-3s-1未満、10-4s-1未満、5 X 10-4s-1未満、10-5s-1未満、5 X 10-5s-1未満、10-6s-1未満、5 X 10-6s-1未満、10-7s-1未満、5 X 10-7s-1未満、10-8s-1未満、5 X 10-8s-1未満、10-9s-1未満、5 X 10-9s-1未満、または10-10s-1未満である。好ましい実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体のkoffは、5 X 10-4s-1未満、10-5s-1未満、5 X 10-5s-1未満、10--6s-1未満、5 X 10-6s-1未満、10-7s-1未満、5 X 10-7s-1未満、10-8s-1未満、5 X 10-8s-1未満、10-9s-1未満、5 X 10-9s-1未満、または10-10s-1未満である。
他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体のアフィニティ定数もしくはKa(kon/koff)は、少なくとも102M-1、少なくとも5 X 102M-1、少なくとも103M-1、少なくとも5 X 103M-1、少なくとも104M-1、少なくとも5 X 104M-1、少なくとも105M-1、少なくとも5 X 105M-1、少なくとも106M-1、少なくとも5 X 106M-1、少なくとも107M-1、少なくとも5 X 107M-1、少なくとも108M-1、少なくとも5 X 108M-1、少なくとも109M-1、少なくとも5 X 109M-1、少なくとも1010M-1、少なくとも5 X 1010M-1、少なくとも1011M-1、 少なくとも5 X 1011M-1、少なくとも1012M-1、少なくとも5 X 1012M-1、少なくとも1013M-1、少なくとも5 X 1013M-1、少なくとも1014M-1、少なくとも5 X 1014M-1、少なくとも1015M-1、または少なくとも5 X 1015M-1である。さらに他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体の解離定数もしくはKd(koff/kon)は、10-2M未満、5 X 10-2M未満、10-3M未満、5 X 10-3M未満、10-4M未満、5 X 10-4M未満、10-5M未満、5 X 10-5M未満、10-6M未満、5 X 10-6M未満、10-7M未満、5 X 10-7M未満、10-8M未満、5 X 10-8M未満、10-9M未満、5 X 10-9M未満、10-10M未満、5 X 10-10M未満、10-11M未満、5 X 10-11M未満、10-12M未満、5 X 10-12M未満、10-13M未満、5 X 10-13M未満、10-14M未満、5 X 10-14M未満、10-15M未満、または5 X 10-15M未満である。
特定の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、LO-CD2a/BTI-322またはその抗原結合フラグメント、(例えば、LO-CD2a/BTI-322の1以上の相補性決定領域(CDR))である。LO-CD2a/BTI-322は、例えば、米国特許第5,730,979号、第5,817,311号、および第5,951,983号;および米国特許出願第09/056,072号および第09/462,140号(それぞれは本明細書に参照によりその全文が組み入れられる)に開示されたアミノ酸配列、またはAmerican Type Culture Collection(ATCC(登録商標))(10801 University Boulevard, Manassas, Virginia 20110-2209)に1993年7月28日、受託番号HB 11423として寄託された培養細胞株が産生するモノクローナル抗体のアミノ酸配列を有する。代わりの実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、LO-CD2a/BTI-322またはLO-CD2a/BTI-322の抗原結合フラグメントでない。
他の特定の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体は、LO-CD2bまたはその抗原結合フラグメント(例えば、LO-CD2bの1以上のCDR)である。LO-CD2bは、ATCC(登録商標)(10801 University Boulevard, Manassas, Virginia 20110-2209)に1999年6月22日、受託番号PTA-802として寄託された培養細胞株が産生する抗体の、または例えば、Dehouxら, 2000, Transplantation 69 (12):2622-2633、および国際公開第WO 00/78814号(それぞれは本明細書に参照によりその全文が組み入れられる)に開示されたアミノ酸配列を有する。代わりの実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体はLO-CD2bまたはLO-CD2bの抗原結合フラグメントでない。
5.2.1.2. CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するLFA-3ポリペプチド
本発明は、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するLFA-3ペプチド、ポリペプチド、それらの誘導体および類似体の、CD2拮抗薬としての、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善における使用を包含する。好ましくは、CD2結合分子と免疫特異的に結合し、LFA-3の少なくとも5個、好ましくは、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、少なくとも90個または少なくとも100個の連続するアミノ酸残基を含んでなる可溶性LFA-3ポリペプチドを用いて、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する。CD2結合分子と免疫特異的に結合する可溶性LFA-3ペプチド、ポリペプチド、それらの誘導体および類似体は、いずれの種から誘導してもよい。LFA-3のヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列は文献または公的データベースに見出されるか、または該核酸および/またはアミノ酸配列は当業者に公知のクローニングおよび配列決定技術を用いて決定することができる。例えば、ヒトLFA-3のヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、GenBankデータベースに見出すことができる(例えば、登録番号E12817およびCAA29622を参照)。
特定の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する可溶性LFA-3ポリペプチドは、天然のLFA-3の細胞外ドメインまたは国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに米国特許出願第10/091,268号および第10/091,313号の配列番号7のアミノ酸残基1〜187からなる。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する可溶性LFA-3ポリペプチドは、LFA-3の細胞外ドメインの断片(例えば、国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに米国特許出願第10/091,268号および第10/091,313号の配列番号7のアミノ酸残基1〜92、アミノ酸残基1〜85、アミノ酸残基1〜80、アミノ酸残基1〜75、アミノ酸残基1〜70、アミノ酸残基1〜65、アミノ酸残基1〜60)を含んでなる。
5.2.1.3 CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質
本発明は、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質の、CD2拮抗薬としての、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善における使用を包含する。一実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子またはそのフラグメントのFcドメインと融合した生物活性分子を含んでなる。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインのCH2および/またはCH3領域と融合した生物活性分子を含んでなる。さらに他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインのCH2、CH3、およびヒンジ領域と融合した生物活性分子を含んでなる。これらの実施形態に従うと、生物活性分子がCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する。CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する生物活性分子としては、限定されるものでないが、ペプチド、ポリペプチド、小分子、ミメチック薬剤、合成薬、無機分子、および有機分子が挙げられる。好ましくは、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する生物活性分子は、少なくとも5個、好ましくは、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、少なくとも90個または少なくとも100個の連続アミノ酸残基を含んでなるポリペプチドでありかつ免疫グロブリン分子のFcドメインまたはそのフラグメントのアミノ酸配列に対して異種である。
特定の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインまたはそのフラグメントと融合した、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するLFA-3またはその断片を含んでなる。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインのCH2および/またはCH3領域と融合した、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するLFA-3またはその断片を含んでなる。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインのCH2、CH3、およびヒンジ領域と融合した、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するLFA-3またはその断片を含んでなる。
他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインまたはそのフラグメントと融合した、LFA-3の細胞外ドメイン(例えば、国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに米国特許出願第10/091,268号および第10/091,313号の配列番号7のアミノ酸残基1〜187)を含んでなる。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインのCH2および/またはCH3領域と融合した、LFA-3の細胞外ドメイン(例えば、国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに米国特許出願第10/091,268号および第10/091,313号の配列番号7のアミノ酸残基1〜187)を含んでなる。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインのCH2、CH3、およびヒンジ領域と融合した、LFA-3の細胞外ドメイン(例えば、国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに米国特許出願第10/091,268号および第10/091,313号の配列番号7のアミノ酸残基1〜187)を含んでなる。
他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインまたはそのフラグメントと融合した、LFA-3の細胞外ドメインの断片(例えば、国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに米国特許出願第10/091,268号および第10/091,313号の配列番号7のアミノ酸残基1〜92、アミノ酸残基1〜85、アミノ酸残基1〜80、アミノ酸残基1〜75、アミノ酸残基1〜70、アミノ酸残基1〜65、またはアミノ酸残基1〜60)を含んでなる。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインのCH2および/またはCH3領域と融合した、LFA-3の細胞外ドメインの断片(例えば、国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに米国特許出願第10/091,268号および第10/091,313号の配列番号7のアミノ酸残基1〜92、アミノ酸残基1〜85、アミノ酸残基1〜80、アミノ酸残基1〜75、アミノ酸残基1〜70、アミノ酸残基1〜65、またはアミノ酸残基1〜60)を含んでなる。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインのCH2、CH3、およびヒンジ領域と融合した、LFA-3の細胞外ドメインの断片(例えば、国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに米国特許出願第10/091,268号および第10/091,313号の配列番号7のアミノ酸残基1〜92、アミノ酸残基1〜85、アミノ酸残基1〜80、アミノ酸残基1〜75、アミノ酸残基1〜70、アミノ酸残基1〜65、またはアミノ酸残基1〜60)を含んでなる。
特定の実施形態においては、CD2結合分子はLFA-3TIP(Biogen, Inc., Cambridge, MA)である。代わりの実施形態においては、CD2結合分子はLFA-3TIPでない。
他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインまたはそのフラグメントと融合した、LFA-3またはその断片のアミノ酸配列と少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでなる。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインのCH2および/またはCH3領域と融合した、LFA-3またはその断片のアミノ酸配列と少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでなる。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインのCH2、CH3、およびヒンジ領域と融合した、LFA-3またはその断片のアミノ酸配列と少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでなる。
他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインまたはそのフラグメントと融合した、LFA-3の細胞外ドメインのアミノ酸配列(例えば、国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに米国特許出願第10/091,268号および第10/091,313号の配列番号7のアミノ酸残基1〜187)と少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでなる。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインのCH2および/またはCH3領域と融合した、LFA-3の細胞外ドメインのアミノ酸配列(例えば、国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに米国特許出願第10/091,268号および第10/091,313号の配列番号7のアミノ酸残基1〜187)と少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでなる。他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインのCH2、CH3、およびヒンジ領域と融合した、LFA-3の細胞外ドメインのアミノ酸配列(例えば、国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに米国特許出願第10/091,268号および第10/091,313号の配列番号7のアミノ酸残基1〜187)と少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでなる。
他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインまたはそのフラグメントと融合した、LFA-3の細胞外ドメインの断片のアミノ酸配列(例えば、国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに米国特許出願第10/091,268号および第10/091,313号の配列番号7のアミノ酸残基1〜92、アミノ酸残基1〜85、アミノ酸残基1〜80、アミノ酸残基1〜75、アミノ酸残基1〜70、アミノ酸残基1〜65、アミノ酸残基1〜60)と少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでなる。
他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインのCH2および/またはCH3領域と融合した、LFA-3の細胞外ドメインの断片のアミノ酸配列(例えば、国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに米国特許出願第10/091,268号および第10/091,313号の配列番号7のアミノ酸残基1〜92、アミノ酸残基1〜85、アミノ酸残基1〜80、アミノ酸残基1〜75、アミノ酸残基1〜70、アミノ酸残基1〜65、またはアミノ酸残基1〜60)と少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでなる。
他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、免疫グロブリン分子のFcドメインのCH2、CH3、およびヒンジ領域と融合した、LFA-3の細胞外ドメインの断片のアミノ酸配列(例えば、国際出願第PCT/US02/22273号および第PCT/US02/06761号、ならびに米国特許出願第10/091,268号および第10/091,313号の配列番号7のアミノ酸残基1〜92、アミノ酸残基1〜85、アミノ酸残基1〜80、アミノ酸残基1〜75、アミノ酸残基1〜70、アミノ酸残基1〜65、またはアミノ酸残基1〜60)と少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでなる。
他の実施形態においては、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する融合タンパク質は、LFA-3またはその断片をコードするヌクレオチド配列とハイブリダイズする核酸分子がコードするポリペプチドと融合した、免疫グロブリン分子のFcドメインまたはそのフラグメントを含んでなる。
さらに、抗体または抗体フラグメントをin vivoでより安定にするかまたはより長いin vivo半減期をもたせるために、抗体をアルブミンと複合することができる。その技術は当技術分野で公知であり、例えば、国際公開第WO 93/15199号、第WO 93/15200号、および第WO 01/77137号;欧州特許第EP 413,622号(これらは全て本明細書にその全てが参照により組み入れられる)を参照すること。
5.3 増加した半減期をもつCD2拮抗薬
本発明は、延長されたin vivo半減期を有するタンパク質性CD2拮抗薬(好ましくは、MEDI-507、その類似体、誘導体、または抗原結合フラグメント)の、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善における使用を包含する。特に、本発明は、動物、好ましくは哺乳類、そして最も好ましくはヒトにおいて、3日より長い、7日より長い、10日より長い、好ましくは、15日より長い、25日より長い、30日より長い、35日より長い、40日より長い、45日より長い、2ヶ月より長い、3ヶ月より長い、4ヶ月より長い、または5ヶ月より長い半減期を有する、タンパク質性CD2拮抗薬(好ましくは、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)を提供する。
タンパク質性CD2拮抗薬(例えば、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、モノクローナル抗体、一本鎖抗体およびFabフラグメント)のin vivo血清循環を延長するために、例えば高分子量ポリエチレングリコール(PEG)などの不活性ポリマー分子を、多機能リンカーを用いてまたは用いないで、ポリペプチドのNもしくはC末端に対する部位特異的複合化(site-specific conjugation)を通してまたはリシン残基に存在するε-アミノ基を経由して、抗体と結合することができる。生物学的活性の消失が最小限となる直鎖もしくは分枝鎖ポリマー誘導体化を利用しうる。複合化の程度はSDS-PAGEおよび質量分析により綿密にモニターしてPEG分子と抗体との適切な複合化を保証することができる。未反応PEGは、サイズ排除またはイオン交換クロマトグラフィーにより抗体-PEG複合体から分離することができる。PEG誘導体化した抗体を、結合活性ならびにin vivo効力について、当技術分野で公知の方法を用いて、例えば、本明細書に記載のイムノアッセイにより試験することができる。
増加したin vivo半減期を有する抗体(好ましくは、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)はまた、1以上のアミノ酸改変(すなわち、置換、挿入もしくは欠失)をIgG定常ドメイン、またはそのFcRn結合フラグメント(好ましくは、Fcまたはヒンジ-Fcドメインフラグメント)中に導入して作製することもできる。例えば、国際公開第WO 98/23289号;国際公開第WO 97/34631号;および米国特許第6,277,375号を参照、これらはそれぞれ本明細書に参照によりその全文が組み入れられる。
5.4 CD2拮抗薬複合体
本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理または改善に用いるための所与の生物学的応答を改変する治療薬または薬物成分と複合化したCD2拮抗薬(好ましくは、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)を提供する。特定の実施形態においては、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント以外のCD2拮抗薬を治療薬または薬物成分と複合化しない。代わりの実施形態においては、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント以外のCD2拮抗薬を治療薬または薬物成分と複合化する。
ある特定の実施形態においては、治療薬または薬物成分と複合化した、例えば抗CD2抗体(好ましくは、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)などのCD2拮抗薬を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善するために使用する。他の実施形態においては、治療薬または薬物成分と複合化していない、例えば抗CD2抗体(好ましくは、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)などのCD2拮抗薬を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善するために使用する。さらに他の実施形態においては、毒素(例えば細胞毒または免疫毒素)、細胞傷害薬または放射性元素以外の治療薬または薬物成分と複合化した、例えば抗CD2抗体(好ましくは、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)などのCD2拮抗薬を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善するために使用する。
治療薬成分としては、限定されるものでないが、代謝拮抗薬(例えば、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化薬(例えば、メクロレタミン、チオエパクロラムブシル(thioepa chlorambucil)、メルファラン、カルムスチン(carmustine)(BSNU)およびロムスチン(lomustine)(CCNU)、シクロトスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシスジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えばダウノルビシン(旧名ダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(旧名アクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC));アウリスタチン(Auristatin)分子(例えば、アウリスタチン(auristatin)PHE、ブリオスタチン(bryostatin)1、およびソラスタチン(solastatin)10;Woykeら, ANTIMICROB. Agents Chemother. 46: 3802-8 (2002)、Woykeら, Antimicrob. Agents Chemother. 45: 3580-4 (2001)、Mohammadら, Anticancer Drugs 12: 735-40 (2001)、Wallら, Biochem. Biophys. Res. Commun. 266: 76-80 (1999)、Mohammadら, Int. J. Oncol. 15: 367-72 (1999)を参照、これらは全て本明細書に参照により組み入れられる);ホルモン(例えば、グルココルチコイド、プロゲスチン、アンドロゲン、およびエストロゲン)、DNA修復酵素インヒビター(例えば、エトポシド(etoposide)またはトポテカン(topotecan))、キナーゼ阻害剤(例えば、化合物ST1571、イマチニブメシラート(imatinib mesylate)(Kantarjianら, Clin Cancer Res. 8 (7):2167-76 (2002));細胞傷害薬(例えば、パクリタキソール(paclitaxol)、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシンならびにそれらの類似体または同族体、ならびに米国特許第6,245,759号、第6,399,633号、第6,383,790号、第6,335,156号、第6,271,242号、第6,242,196号、第6,218,410号、第6,218,372号、第6,057,300号、第6,034,053号、第5,985,877号、第5,958,769号、第5,925,376号、第5,922,844号、第5,911,995号、第5,872,223号、第5,863,904号、第5,840,745号、第5,728,868号、第5,648,239号、第5,587,459号に開示の化合物);ファルネシルトランスフェラーゼインヒビター(例えば、R115777、BMS- 214662、および、例えば米国特許第6,458,935号、第6,451,812号、第6,440,974号、第6,436,960号、第6,432,959号、第6,420,387号、第6,414,145号、第6,410,541号、第6,410,539号、第6,403,581号、第6,399,615号、第6,387,905号、第6,372,747号、第6,369,034号、第6,362,188号、第6,342,765号、第6,342,487号、第6,300,501号、第6,268,363号、第6,265,422号、第6,248,756号、第6,239,140号、第6,232,338号、第6,228,865号、第6,228,856号、第6,225,322号、第6,218,406号、第6,211,193号、第6,187,786号、第6,169,096号、第6,159,984号、第6,143,766号、第6,133,303号、第6,127,366号、第6,124,465号、第6,124,295号、第6,103,723号、第6,093,737号、第6,090,948号、第6,080,870号、第6,077,853号、第6,071,935号、第6,066,738号、第6,063,930号、第6,054,466号、第6,051,582号、第6,051,574号、および第6,040,305号に開示の化合物);トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、カンプトテシン;イリノテカン(irinotecan);SN-38;トポテカン(topotecan);9-アミノカンプトテシン;GG-211(GI 147211);DX-8951f;IST-622;ルビテカン(rubitecan);ピラゾロアクリジン;XR-5000;セントピン(saintopin);UCE6;UCE1022;TAN-1518A;TAN-1518B;KT6006;KT6528;ED-110;NB-506;ED-110;NB-506;およびレベカマイシン(rebeccamycin));ブルガレイン(bulgarein);DNA副溝結合剤、例えば、Hoescht色素33342およびHoechst色素33258;ニチジン(nitidine);ファガロニン(fagaronine);エピベルベリン(epiberberine);コラリン(coralyne);β-ラパコン(β-lapachone);BC-4-1;ビスホスホン酸塩(例えば、アレンドロナート(alendronate)、シマドロナート(cimadronte)、クロドロナート(clodronate)、チルドロナート(tiludronate)、エチドロナート(etidronate)、イバンドロナート(ibandronate)、ネリドロナート(neridronate)、オルパンドロナート(olpandronate)、リセドロナート(risedronate)、ピロドロナート(piridronate)、パミドロナート(pamidronate)、ゾレンドロナート(zolebdronate));HMG-CoAレダクターゼ阻害剤、(例えば、ロバスタチン(lovastatin)、シムバスタチン(simvastatin)、アトルバスタチン(atorvastatin)、プラバスタチン(pravastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)、スタチン(statin)、セリバスタチン(cerivastatin)、レスコール(lescol)、ルピトール(lupitor)、ロスバスタチン(rosuvastatin)およびアトルバスタチン(atorvastatin);アンチセンスオリゴヌクレオチド(例えば、米国特許第6,277,832号、第5,998,596号、第5,885,834号、第5,734,033号および第5,618,709号に開示された);アデノシンデアミナーゼ阻害剤(例えば、フルダラビンリン酸(Fludarabine phosphate)および2-クロロデオキシアデノシン);イブリツモマブ・チウキセタン(ibritumomab tiuxetan)(Zevalin(登録商標);トシツモマブ(BEXXAR(登録商標)))ならびにそれらの製薬上許容される塩、溶媒和化合物、包接化合物、およびプロドラッグが挙げられる。
さらに、所与の生物学的応答を改変する治療薬成分または薬物成分と複合化することもできる。治療効果が見込める作用薬成分または薬物成分は古典的な化学治療薬に限定して解釈すべきでない。例えば、薬物成分は、所望の生物学的活性を持つタンパク質、ペプチドもしくはポリペプチドでありうる。かかるタンパク質としては、例えば、アブリン、ヒマ毒リシンA、シュードモナス外毒素、コレラ毒素、もしくはジフテリア毒素などの毒素;腫瘍壊死因子、インターフェロン-α、インターフェロン-β、神経成長因子、血小板由来成長因子、組織プラスミノーゲンアクチベーター、アポトーシス薬、例えば、TNF-α、TNF-β、AIM I(国際公開WO 97/33899を参照)、AIM II(国際公開WO 97/34911を参照)、Fasリガンド(Takahashiら, 1994, J. Iminunol., 6:1567-1574)、およびVEGF(国際公開WO 99/23105を参照)、抗血管新生薬、例えばアンギオスタチンもしくはエンドスタチンまたは凝血経路の一成分(例えば、組織因子)などのタンパク質;または、例えば、リンホカイン(例えば、インターフェロン-γ(IFN-γ)、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-5(IL-5)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-10(IL-10)、インターロイキン-12(IL-12)、インターロイキン-15(IL-15)、インターロイキン-23(IL-23)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、および顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF))などの生物学的応答改変因子;または成長因子(例えば、成長ホルモン(GH));または血液凝固薬(例えば、カルシウム、ビタミンK、組織因子、例えば、限定されるものでないが、ハーゲマン因子(第XII因子)、高分子量キニノーゲン(HMWK)、プレカリクレイン(PK)、血液凝固タンパク質第II因子(プロトロンビン)、第V因子、第XIIa因子、第VIII因子、第XIIIa因子、第XI因子、第XIa因子、第IX因子、第IXa因子、第X因子、リン脂質、フィブリノーゲンのαおよびβ鎖由来の線維素ペプチドAおよびB、フィブリンモノマー)が挙げられる。特定の
実施形態においては、IL-9ポリペプチドと免疫特異的に結合する抗体をロイコトリエン拮抗薬(例えば、モンテルカスト(montelukast)、ザフィルルカスト(zafirlukast)、プランルカスト(pranlukast)、およびジロイトン(zyleuton)と複合化する。
さらに抗体を、放射性金属イオン、例えば213Biのようなαエミッター、または、限定されるものでないが、131In、131Lu、131Y、131Ho、131Smを含む放射性金属をペプチドと複合化するのに有用である大環状キレート剤などの治療成分と複合化することができる。ある特定の実施形態においては、大環状キレート剤は1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N',N",N"-四酢酸(DOTA)であって、リンカー分子を経由して抗体と結合することができる。かかるリンカー分子は当技術分野では公知であり、Denardoら, 1998, Clin Cancer Res. 4:2483-90;Petersonら, 1999, Bioconjug. Chem. 10:553;およびZimmermanら, 1999, Nucl. Med. Biol. 26: 943-50に記載されている(それぞれ、参照によりその全てが組み入れられる)。
治療成分を抗体と複合化する技術は公知であり、例えば、Arnonら, 「癌療法における薬物の免疫ターゲティング用のモノクローナル抗体(Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy)」, in Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy, Reisfeldら, (編), pp.243-56 (Alan R. Liss, Inc. 1985);Hellstromら,「薬物送達用の抗体(Antibody For Drug Delivery)」, in Controlled Drug Delivery (第2版), Robinsonら (編), pp.623-53 (Marcel Dekker, Inc. 1987);Thorpe,「癌療法における細胞傷害薬の抗体担体:総説(Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy:A Review)」, in Monoclonal Antibodies '84 : Biological And Clinical Applications, Pincheraら (編), pp.475-506 (1985);「癌療法における放射標識抗体の治療用途の分析、結果、および将来展望(Analysis, Results, And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy)」, in Monoclonal Antibody For Cancer Detection And Therapy, Baldwinら (編), pp.303-16 (Academic Press 1985);ならびにThorpeら, 1982, Immunol. Rev. 62:119-58を参照されたい。
あるいは、抗体を、Segalが米国特許第4,676,980号(本特許は本明細書に参照によりその全文が組み入れられる)に記載のように、第2の抗体と複合化して抗体ヘテロ複合体を形成させてもよい。
本発明はまた、診断薬と複合化したCD2拮抗薬、好ましくは、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントも提供する。MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントを診断に用いて、例えば、臨床試験操作の一部として、癌、特にT細胞悪性腫瘍の発生または進行をモニターし、例えば所与の治療計画の効力を決定することができる。CD2拮抗薬、好ましくはMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントを検出可能物質とカップリングすることにより検出を容易にすることができる。検出可能な物質の例としては、様々な酵素、補欠分子団、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、放射性物質、ポジトロン放出金属、および非放射性常磁性金属が挙げられる。検出可能な物質を、直接に抗体とまたは間接に中間体(例えば、当技術分野で公知のリンカー)を介して、当技術分野で公知の技術によりカップリングまたは複合することができる。例えば、本発明による診断薬として使用する抗体と複合することができる金属イオンに対する米国特許第4,741,900号を参照。かかる診断および検出は、抗体を様々な酵素を含む検出可能な物質とカップリングすることにより実施することができ、限定されるものでないが、様々な酵素、例えば、限定されるものでないが、西洋わさびペルオキシダーゼ、塩基性ホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼ;補欠分子団複合体、例えば、限定されるものでないが、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチン;蛍光物質、例えば、限定されるものでないが、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアナート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリトリン;発光物質、例えば、限定されるものでないが、ルミノール;生物発光物質、例えば、限定されるものでないが、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリン;放射性物質、例えば、限定されるものでないが、ビスマス(213Bi)、炭素(14C)、クロム(51Cr)、コバルト(57Co)、フッ素(18F)、ガドリニウム(153Gd、159Gd)、ガリウム(68Ga、67Ga)、ゲルマニウム(68Ge)、ホルミウム(166Ho)、インジウム(115In、113In、112In、111In)、ヨウ素(131I、125I、123I、121I)、ランタン(140La)、ルテチウム(177Lu)、マンガン(54Mn)、モリブデン(99Mo)、パラジウム(103Pd)、リン(32P)、プラセオジム(142Pr)、プロメチウム(149Pm)、レニウム(186Re、188Re)、ロジウム(105Rh)、ルテニウム(97Ru)、サマリウム(153Sm)、スカンジウム(47Sc)、セレン(75Se)、ストロンチウム(85Sr)、硫黄(35S)、テクネチウム(99Tc)、タリウム(201Tl)、スズ(113Sn、117Sn)、トリチウム(3H)、キセノン(133Xe)、イッテルビウム(169Yb、175Yb)、イットリウム(90Y)、亜鉛(65Zn);様々なポジトロン放出断層撮影に用いるポジトロン放出金属、および非放射性常磁性金属イオンが挙げられる。
5.5 癌の予防または治療にCD2拮抗薬と併用しうる薬剤
本発明はまた、CD2拮抗薬(好ましくは、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)および1種以上のCD2拮抗薬以外の予防もしくは治療薬を含む組成物、ならびにそれを必要とする被験者に上記組成物を投与することを含んでなる、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療または改善する方法も提供する。治療および予防薬は、限定されるものでないが、小分子、合成薬、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸(例えば、限定されるものでないが、生物活性タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードする、アンチセンスヌクレオチド配列、3本鎖およびヌクレオチド配列を含むDNAおよびRNAヌクレオチド)抗体、合成または天然無機分子、ミメチック薬、および合成または天然有機分子を含む。癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善するのに有用であることが公知であるかまたは使用されていたかまたは現在使用されているいずれの薬剤も、本明細書に記載の発明に従ってCD2拮抗薬と併用することができる。癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を治療するために使用されていたかまたは現在使用されている予防もしくは治療薬に関する情報については、例えば、Hardmanら, 編, 1996, 「グッドマンとギルマン;治療薬の薬理学的基礎(Goodman and Gilman's : The Pharmacological Basis of Therapeutics)」, 第9版, Mc-Graw-Hill, New York、およびemedicineウエブサイトを参照されたい。
5.5.1 抗癌薬と治療抗体
本発明の医薬組成物および投与剤形およびキットを含む、本発明の様々な実施形態において利用しうる抗癌薬の例は、限定されるものでないが、アシビシン(acivicin);アクラルビシン(acralvicin);アコダゾール塩酸塩(acodazole hydrochloride);アクロニン(acronine);アドゼレシン(adozelesin);アルデスロイキン(aldesleukin);アルトレタミン(altretamine);アンボマイシン(ambomycin);アメタントロン酢酸塩(ametantrone acetate);アミノグルテチミド(aminoglutethimide);アムサクリン(amsacrine);アナストロゾール(anastrozole);アントラマイシン(anthramycin);アスパラギナーゼ(asparaginase);アスペルリン(asperlin);アザシチジン(azacitidine);アゼテパ(azetepa);アゾトマイシン(azotomycin);バチマスタット(batimastat);ベンゾデパ(benzodepa);ビカルタミド(bicalutamide);ビスアントレン塩酸塩(bisantrene hydrochloride);ビスナフィドジメシラート(bisnafide dimesylate);ビゼレシン(bizelesin);ブレオマイシン硫酸塩(bleomycin sulfate);ブレキナールナトリウム(brequinar sodium);ブロピリミン(bropirimine);ブスルファン(busulfan);カクチノマイシン(cactinomycin);カルステロン(calusterone);カラセミド(caracemide);カルベチマー(carbetimer);カルボプラチン(carboplatin);カルムスチン(carmustine);カルビシン塩酸塩(carubicin hydrochloride);カルゼルシン(carzelesin);セデフィンゴール(cedefingol);クロラムブシル(chlorambucil);シロレマイシン(cirolemycin);シスプラチン(cisplatin);クラドリビン(cladribine);クリスナトールメシラート(crisnatol mesylate);シクロホスファミド(cyclophosphamide);シタラビン(cytarabine );デカルバジン(dacarbazine);ダクチノマイシン(dactinomycin);ダウノルビシン塩酸塩(daunorubicin hydrochloride);デシタビン(decitabine);デキソルマプラチン(dexormaplatin);デザグアニン(dezaguanine);デザグアニンメシラート(dezaguanine mesylate);ジアジコン(diaziquone);ドセタキセル(docetaxel);ドキソルビシン(doxorubicin);ドキソルビシン塩酸塩(doxorubicin hydrochloride);ドロキシフェン(droloxifene);ドロキシフェンクエン酸塩(droloxifene citrate);ドロモスタノロンプロピオン酸塩(dromostanolone propionate);デュアゾマイシン(duazomycin);エダトレキセート(edatrexate);エフロルニチン塩酸塩(eflornithine hydrochloride);エルサミトルシン(elsamitrucin);エンロプラチン(enloplatin);エンプロメート(enpromate);エピプロピジン(epipropidine);エピルビシン塩酸塩(epirubicin hydrochloride);エルブロゾール(erbulozole);エソルビシン塩酸塩(esorubicin hydrochloride);エストラムスチン(estramustine);エストラムスチン燐酸ナトリウム(estramustine phosphate sodium);エタニダゾール(etanidazole);エトポシド(etoposide);エトポシド燐酸塩(etoposide phosphate);エトプリン(etoprine);ファドロゾール塩酸塩(fadrozole hydrochloride);ファザラビン(fazarabine);フェンレチニド(fenretinide);フロキシウリジン(floxuridine);フルダラビン燐酸塩(fludarabine phosphate);フルオロウラシル(fluorouracil);フルロシタビン(flurocitabine);フォスキドン(fosquidone);フォストリエシンナトリウム(fostriecin sodium);ゲムシタビン(gemcitabine);ゲムシタビン塩酸塩(gemcitabine hydrochloride);ヒドロキシウレア(hydroxyurea);イダルビシン塩酸塩(idarubicin hydrochloride);イフォスファミド(ifosfamide );イルモフォシン(ilmofosine );インターロイキンII(組換えインターロイキンII、またはrIL2を含む)、インターフェロンα-2a;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-n1;インターフェロンα-n3;インターフェロンβ-1a;インターフェロンγ-1b;イプロプラチン(iproplatin);イリノテカン塩酸塩(irinotecan hydrochloride);ランレオチド酢酸塩(lanreotide acetate);レトロゾール(letrozole);ロイプロリド酢酸塩(leuprolide acetate);リアロゾール塩酸塩(liarozole hydrochloride);ロメトレキソールナトリウム(lometrexol sodium);ロムスチン(lomustine);ロソキサントロン塩酸塩(losoxantrone hydrochloride);マソプロコール(masoprocol);メイタンシン(maytansine);メクロレタミン塩酸塩(mechlorethamine hydrochloride);メゲストロール酢酸塩(megestrol acetate);メレンゲストロール酢酸塩(melengestrol acetate);メルファラン(melphalan);メノガリル(menogaril);メルカプトプリン(mercaptopurine);メトトレキセート(methotorexate);メトトレキセートナトリウム(methotorexate sodium);メトプリン(metoprine);メツレデパ(meturedepa);ミチンドミド(mitindomide);ミトカルシン(mitocarcin);ミトクロミン(mitocromin);ミトギリン(mitogillin);ミトマルシン(mitomalcin);ミトマイシン(mitomycin);ミトスパー(mitosper);ミトタン(mitotane);ミトキサントロン塩酸塩(mitoxantrone hydrochloride);ミコフェノール酸(mycophenolic acid);ノコダゾール(nocodazole);ノガラマイシン(nogalamycin);オルマプラチン(ormaplatin);オキシスラン(oxisuran);パクリタキセル(paclitaxel);ペガスパルガーゼ(pegaspargase);ペリオマイシン(peliomycin);ペンタムスチン(pentamustine );ペプロマイシン硫酸塩(peplomycin sulfate);ペルホスアミド(perfosfamide );ピポブロマン(pipobroman);ピプロスルファン(piposulfan);ピロキサントロン塩酸塩(piroxantrone hydrochloride);プリカマイシン(plicamycin);プロメスタン(plomestane);ポルフィマーナトリウム(porfimer sodium);ポルフィルマイシン(porfiromycin);プレドニムスチン(prednimustine);プロカルバジン塩酸塩(procarbazine hydrochloride);ピューロマイシン(puromycin);ピューロマイシン塩酸塩(puromycin hydrochloride);ピラゾフリン(pyrazofurin);リボプリン(riboprine);ログレチミド(rogletimide);サフィンゴル(safingol);サフィンゴル塩酸塩(safingol hydrochloride);セムスチン(semustine);シムトラゼン(simtrazene);スパルフォセートナトリウム(sparfosate sodium);スパルソマイシン(sparsomycin);スピロゲルマニウム塩酸塩(spirogermanium hydrochloride);スピロムスチン(spiromustine)スピロプラチン;(spiroplatin);ストレプトニグリン(streptonigrin);ストレプトゾシン(streptozocin);スルフェヌル(sulofenur);タリソマイシン(talisomycin);テコガランナトリウム(tecogalan sodium);テガフール(tegafur);テロキサントロン塩酸塩(teloxantrone hydrochloride);テモポルフィン(temoporfin);テニポシド(teniposide);テロキシロン(teroxirone);テストラクトン(testolactone);チアミプリン(thiamiprine );チオグアニン(thioguanine);チオテパ(thiotepa);チアゾフリン(tiazofurin);チラパザミン(tirapazamine);トレミフェンクエン酸塩(toremifene citrate);トレストロン酢酸塩(trestolone acetate);トリシリビンリン酸塩(triciribine phosphate);トリメトレキセート(trimetrexate);トリメトレキセートグルクロン酸塩(trimetrexate glucuronate);トリプトレリン(triptorelin);ツブロゾール塩酸塩(tubulozole hydrochloride);ウラシルムスタード(uracil mustard);ウレデパ(uredepa);バプレオチド(vapreotide);ベルテポルフィン(verteporfin);ビンブラスチン硫酸塩(vinblastine sulfate );ビンクリスチン硫酸塩(vincristine sulfate);ビンデシン(vindesine);ビンデシン硫酸塩(vindesine sulfate);ビネピジン硫酸塩(vinepidine sulfate);ビングリシネート硫酸塩(vinglycinate sulfate);ビンロイロシン硫酸塩(vinleurosine sulfate);ビノレルビン酒石酸塩(vinorelbine tartrate);ビンロシジン硫酸塩(vinrosidine sulfate);ビンゾリジン硫酸塩(vinzolidine sulfate);ボロゾール(vorozole);ゼニプラチン(zeniplatin);ジノスタチン(zinostatin);ゾルビシン塩酸塩(zorubicin hydrochloride)が挙げられる。他の抗癌薬としては、限定されるものでないが、20-epi-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン(abiraterone);アクラルビシン(aclarubicin);アシルフルベン(acylfulvene);アデシペノール(adecypenol);アドゼレシン(adozelesin);アルデスロイキン(aldesleukin);全TK拮抗薬;アルトレタミン(altretamine);アンバムスチン(ambamustine);アミドックス(amidox);アミフォスチン(amifostine );アミノレブリン酸(aminolevulinic acid);アンルビシン(amrubicin);アンサクリン(amsacrine);アナグレリド(anagrelide);アナストロゾール(anastrozole);アンドログラホリド(andrographolide);血管新生阻害剤;拮抗薬D;拮抗薬G;アントラレリックス(antarelix);抗背方化形態発生タンパク質-1(anti-dorsalizing morphogenic protein-1);抗アンドロゲン、前立腺癌薬、;抗エストロゲン;アンチネオプラストン(antineoplaston);アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィディコリングリシン酸塩(aphidicolin glycinate);アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシスレギュレーター;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン(asulacrine);アタメスタン(atamestane);アトリムスチン(atrimustine);アキシナスタチン1(axinastatin 1);アキシナスタチン2(axinastatin 2);アキシナスタチン3(axinastatin 3);アザステロン(azasetron);アザトキシン(azatoxin);アザチロシン(azatyrosine);バッカチン(baccatin)III誘導体;バラノール(balanol);バチマスタット(batimastat);BCR/ABL拮抗薬;ベンゾクロリン(benzochlorins);ベンゾイルスタウロスポリン(benzoylstaurosporine);βラクタム誘導体;βアレチン(β-alethine);βクラマイシンB(betaclamycin B);ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド(bicalutamide);ビスアントレン(bisantrene);ビスアジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine);ビスナフィド(bisnafide);ビストラテンA(bistratene A);ビゼルシン(bizelesin);ブレフラート(breflate);ブロピリミン(bropirimine);ブドチタン(budotitane);ブチオニンスルホキシミン(buthionine sulfoximine );カルシポトリオール(calcipotriol);カルホスチンC(calphostin C);カンプトテシン誘導体;カナリポックス(canarypox)IL-2;カペシタビン(capecitabine);カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨抽出阻害剤;カルゼレシン(carzelesin);カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン(castanospermine );セクロピンB(cecropin B);セトロレリックス(cetrorelix);クロリン(chlorlns);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト(cicaprost);cis-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシン(collismycin)A;コリスマイシン(collismycin)B;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クランベシジン(crambescidin)816;クリスナトール(crisnatol);クリプトフィシン(cryptophycin)8;クリプトフィシンA誘導体;キュラシンA;シクロペントアントラキノン(cyclopentanthraquinone);シクロプラタム(cycloplatam);シペマイシン(cypemycin);シタラビンオクホスファート(cytarabine ocfosfate);細胞溶解性因子;サイトスタチン(cytostatin);ダクリキシマブ(dacliximab);デシタビン(decitabine);デヒドロジデムニン(dehydrodidemnin)
B;デスロレリン(deslorelin);デキサメタゾン(dexamethasone);デキシホスファミド(dexifosfamide );デキスラゾキサン(dexrazoxane);デキスベラパミル(dexverapamil);ジアジコン(diaziquone);ディデムニン(didemnin)B;ジドックス(didox);ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;ジヒドロタキソール、9-;ジオキサマイシン(dioxamycin);ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラステロン(dolasetron);ドキシフルリジン;(droloxifene);ドロナビノール(dronabinol);デュオカルマイシン(duocarmycin)SA;エベスレン(ebeslen);エコムスチン(ecomustine);エデルホシン(edelfosine );エドレコロマブ(edrecolomab);エフロルニチン(eflornithine );エレメン(elemene);エミテフル(emitefur);エピルビシン(epirubicin);エプリステリド(epristeride);エストラムスチン(estramustine)類似体;エストロゲン作動薬;エストロゲン拮抗薬;エタニダゾール(etanidazole);エトポシド(etoposide)燐酸塩;エキセメスタン(exemestane);ファドロゾール(fadrozole);ファザラビン(fazarabine);フェンレチニド(fenretinide);フィルグラスチン(filgrastim );フィナステリド(finasteride);フラボピリドール(flavopiridol);フレゼラスチン(flezelastine);フルアステロン(fluasterone);フルダラビン(fludarabine);フルオロダウノルニシン塩酸塩(fluorodaunorunicin hydrochloride);ホルフェニメキス(forfenimex);ホルメスタン(formestane);ホストリエシン(fostriecin );ホテムスチン(fotemustine );ガドリニウムテキサヒドリン(gadolinium texaphyrin);硝酸ガリウム(gallium nitrate);ガロシタビン(galocitabine);ガニレリックス(ganirelix);ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン(gemcitabine);グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム(hepsulfam);ヘルグリン(heregulin);ヘキサメチレンビスアセタミド;ヒペリシン(hypericin);イバンドロン酸(ibandronic acid);イダルビシン(idarubicin);イドキシフェン(idoxifene);イドラマントン(idramantone);イルモフェシン(ilmofosine );イロマスタット(ilomastat);イミダゾアクリドン(imidazoacridones);イミキモド(imiquimod);免疫刺激性ペプチド;インスリン様増殖因子-1受容体阻害剤;インターフェロン作動薬;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン(iobenguane);ヨードドキソルビシン(iododoxorubicin);イポメアノール(ipomeanol、4-);イロプラクト(iroplact);イルソグラジン(irosogladine);イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコンドリン(isohomohalicondrin)B;イタセトロン(itasetron);ジャスプラキノリド(jasplakinolide);カハラリド(kahalalide F);ラメラリン-N-トリアセタート(lamellarin-N triacetate);ランレオチド(lanreotide);レイナマイシン(leinamycin);レノグラスチン(lenograstim );レンチナン硫酸塩(lentinan 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methiodide);タウロムスチン(tauromustine);タザロテン(tazarotene);テコガランナトリウム;テガフール(tegafur);テルルラピリリウム(tellurapyrylium);テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン(temoporfin);テモゾロミド(temozolomide);テニポシド(teniposide);テトラクロロデカオキシド(tetrachlorodecaoxide);テトラゾミン(tetrazomine);サリブラチン(thaliblastine);チオコラリン(thiocoraline);トロンボポエチン;トロンボポエチンミメチック;サイマルファシン(thymalfasin);サイモポエチン受容体作動薬;サイモトリナン(thymotrinan);甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone);スズエチルエチオプルプリン(tin ethyl etiopurpurin);チラパザミン(tirapazamine);二塩化チタノセン;トプセンチン(topsentin);トレミフェン(toremifene);全能性幹細胞因子(totipotent stem cell factor);翻訳阻害剤;トレチノイン(tretinoin);トリアセチルウルジン;トリシリビン(triciribine);トリメトレキセート(trimetrexate);トリプトレリン(triptorelin);トロピセトロン(tropisetron);ツロステライド(turosteride);チロシンキナーゼ阻害剤;チロホスン(tyrphostins);UBC阻害剤;ウベニメックス(ubenimex);泌尿生殖器洞誘導増殖阻害剤因子(urogenitial sinus-derived growth inhibitory factor);ウロキナーゼ受容体拮抗薬;バプレオチド(vapreotide);バリオリン(variolin)B;ベクター系、赤血球遺伝子療法;ベラレゾル(velaresol);ベラミン(veramine);ベルジン(verdins);ベルテポルフィン(verteporfin);ビノレルビン(vinorelbine);ビンキサルチン(vinxaltine);ビタキシン(vitaxin);ボロゾール(vorozole);ザノテロン(zanoterone);ゼニプラチン(zeniplatin);ジラスコルブ(zilascorb);およびジノスタチンスチマラマー(zinostatin stimalamer)が挙げられる。好ましいさらなる抗癌薬は5-フルオウラシルおよびロイコボリンである。
本発明の方法に使用することができる治療抗体の例は、限定されるものでないが、HERCEPTIN(登録商標)(トラスツズマブ(Trastuzumab))(Genentech, CA)(転移性乳癌の患者を治療するためのヒト化抗HER2モノクローナル抗体である);REOPRO(登録商標)(アブシキシマブ(abciximab))(Centocor)(血餅形成を予防するための血小板上の抗糖タンパク質IIb/IIIa受容体である);ZENAPAX(登録商標)(ダクリズマブ(daclizumab))(Roche Pharmaceuticals、Switzerland)(急性腎他移植片拒絶の予防用の免疫抑制、ヒト化抗CD25モノクローナル抗体である);PANOREXTM(マウス抗17-IA細胞表面抗原IgG2a抗体である)(Glaxo Wellcome/Centocor);BEC2(マウス抗イディオタイプ(GD3エピトープ)IgG抗体である)(ImClone System);IMC-C225(キメラ抗EGFR IgG抗体である)(ImClone System);VITAXINTM(ヒト化抗AVβ3インテグリン抗体である)(Applied Molecular Evolution/Medimmune);Campath 1H/LDP-03(ヒト化抗CD52 IgG1抗体である)(Leukosite);Smart M195(ヒト化抗CD33 IgG抗体である)(Protein Design Lab/Kanebo);RITUXANTM(キメラ抗CD20 IgG1抗体である)(IDEC Pharm/Genetech、Roche/Zettyaku);LYMPHOCIDETM(ヒト化抗CD22 IgG抗体である)(Immunomedics);LYMPHOCIDETMY-90(Immunomedics);Lymphoscan(Tc-99m-標識;放射線オイメージング;Immunomedics);Nuvion(対CD3;Protein Design Labs);ICM3(ヒト化抗ICAM3抗体である)(ICOS Pharm);IDEC-114(霊長類化抗CD80抗体である)(IDEC Pharm/Mitsubishi);ZEVALDSFM(放射標識したマウス抗CD20抗体である)(IDEC/Schering AG);IDEC-131(ヒト化抗CD40L抗体である)(IDEC/Eisai);IDEC-151(霊長類化抗CD4抗体である)(IDEC);IDEC-152(霊長類化抗CD23抗体である)(IDEC/Seikagaku);SMART 抗CD3(ヒト化抗CD3 IgGである)(Protein Design Lab);5G1.1(ヒト化抗補体因子5(C5)抗体である)(Alexion Pharm);D2E7(ヒト化抗TNF-α抗体である)(CAT/BASF);CDP870(ヒト化抗TNF-αFabフラグメント(Celltech);IDEC-151(霊長類化抗CD4 IgG1抗体である)(IDEC Pharm/Smithkline Beecham);MDX-CD4(ヒト抗CD4 IgG抗体である)(Medarex/Eisai/Genmab);CD20-ストレプトアビジン(+ビオチン-イットリウム90;NeoRx);CDP571(ヒト化抗TNF-αIgG4抗体である)(Celltech);LDP-02(ヒト化抗α4β7抗体である)(LeukoSite/Genentech);OrthoClone OKT4A(ヒト化抗CD4 IgG抗体である)(Ortho Biotech);ANTOVATM(ヒト化抗CD40L IgG抗体である)(Biogen);ANTEGRENTM(ヒト化抗VLA-4 IgG抗体である)(Elan);およびCAT-152(ヒト抗TGF-β2抗体である)(Cambridge Ab Tech)が挙げられる。特定の実施形態においては、CD2拮抗薬を、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善するために、VITAXINTMと併用する。
本発明の方法および組成物に使用することができる化学治療薬は、限定されるものでないが、アルキル化薬、代謝拮抗薬、天然産物、またはホルモンを含む。本発明の方法および組成物において、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善するのに有用であるアルキル化薬の例は、限定されるものでないが、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロランビシルなど)、アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ロムスチンなど)、またはトリアゼン(デカルバジンなど)を含む。本発明の方法および組成物において、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善するのに有用である代謝拮抗薬の例は、限定されるものでないが、葉酸類似体(例えば、メトトレキセート)、またはピリミジン類似体(例えば、シタラビン)、プリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)を含む。本発明の方法および組成物において、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善するのに有用である天然産物の例は、限定されるものでないが、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクラスチン)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド)、抗生物質(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン)、酵素(例えば、L-アスパラギナーゼ)、または生物学的応答修飾因子 (例えば、インターフェロンα)を含む。
本発明の方法および組成物において、癌を予防、治療、管理または改善するために有用であるアルキル化薬の例としては、限定されるものでないが、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファランなど)、エチレンイミンおよびメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン、チオテパ)、アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシンなど)、またはトリアゼン(デカルバジンなど)を含む。本発明の方法および組成物において、癌を予防、治療、管理または改善するために有用である代謝拮抗薬の例は、限定されるものでないが、葉酸類似体(例えば、メトトレキセート)、またはピリミジン類似体(例えば、フルオロウラシル、フロキソウリジン、シタラビン)、プリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)を含む。本発明の方法および組成物において、癌を予防、治療、管理または改善するために有用である天然産物の例は、限定されるものでないが、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクラスチン)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド、テニポシド)、抗生物質(例えば、アクチノマイシンD、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン)、酵素(例えば、L-アスパラギナーゼ)、または生物学的応答修飾因子(例えば、インターフェロンα)を含む。本発明の方法および組成物において、癌を予防、治療、管理または改善するために有用であるホルモンおよび拮抗薬の例は、限定されるものでないが、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン)、プロゲスチン(例えば、ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸塩、メゲステロール酢酸塩、メドロキシプロゲステロン酢酸塩)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール)、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン)、アンドロゲン(例えば、テストステロンプロピオン酸塩、フルオキシメステロン)、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド)、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン類似体(例えば、ロイプロリド)を含む。本発明の方法および組成物において、癌を予防、治療、管理または改善するために利用することができる他の薬剤は、白金配位錯体(例えば、シスプラチン、カルボプラチン)、アントラセンジオン(例えば、ミトキサントロン)、置換ウレア(例えば、ヒドロキシウレア)、メチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン)、副腎皮質性抑制剤(例えば、ミトタン(mitotane)、アミノグルテチミド)を含む。
5.5.2 血管新生阻害剤
本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善するための、1以上の血管新生阻害剤のCD2拮抗薬との併用を包含する。血管新生阻害剤の例としては、限定されるものでないが、アンギオスタチン(プラスミノーゲン断片);抗血管新生抗トロンビンIII;アンギオザイム(Angiozyme);ABT-627;Bay 12-9566;ベネフィン(Benefin);ベバシズマブ(Bevacizumab);BMS-275291;軟骨由来阻害剤(CDI);CAI;CD59補体断片;CEP-7055;Col 3;コンブレスタチン(Combretastatin)A-4;エンドスタチン(Endostatin)(コラーゲンXVIII断片);フィブロネクチン断片;グロベータ(Gro-beta);ハロフギノン(halofuginone);ヘパリナーゼ;ヘパリン六糖断片;HMV833;ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG);IM-862;インターフェロンα/β/γ;インターフェロン誘導性タンパク質(IP-10);インターロイキン-12;クリングル5(プラスミノーゲン断片);マリマスタット(marimastat);メタロプロテイナーゼ阻害剤(TIMP);2-メトキシエストラジオール;MMI 270(CGS 27023A);MoAb IMC-1C11;ネオバスタット(Neovastat);NM-3;パンゼム(Panzem);PI-88;胎盤リボヌクレアーゼ阻害剤;プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤;血小板因子-4(PF4);プリノマスタット(Prinomastat);プロラクチン16KD断片;プロリフェリン(Proliferin)関連タンパク質(PRP);PTK 787/ZK 222594;レチノイド;ソリマスタット(Solimastat);スクワラミン(Squalamine);SS 3304;SU 5416;SU6668;SU11248;テトラヒドロコルチゾール-S;テトラチオモリブデン酸塩;サリドマイド;トロンボスポンジン-1(TSP-1);TNP-470;トランスフォーミング増殖因子-β(TGF-b);バスキュロスタチン(vasculostatin);バソスタチン(vasostatin)(カルレティキュリン断片);ZD 6126;ZD 6474;ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(FTI);およびビスホスホネートが挙げられる。
5.6 治療プロトコル
本発明はCD2-拮抗薬に基づく療法であって、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善するために、CD2拮抗薬を動物、好ましくは哺乳類動物、そして最も好ましくはヒトに投与することに関わる上記療法を包含する。好ましい実施形態においては、本発明の治療方法および組成物に用いるCD2拮抗薬は、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントである。他の好ましい実施形態においては、本発明は、単剤療法としてのMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善するための使用を包含する。
本発明はまた、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状に対して、現在の単剤療法または併用療法より優れた予防および治療プロファイルを与える併用療法も包含する。例として、限定されるものでないが、癌療法は、アポトーシス誘導、細胞傷害、抗有糸分裂、チューブリン安定化、微小管形成阻害、トポイソメラーゼ活性、代謝拮抗、またはDNA相互作用薬であってもよい。本発明の方法は、例えば、現在の標準および実験的化学治療薬、ホルモン療法、免疫療法、放射線療法などを含む当技術分野で公知の癌、特にT細胞悪性腫瘍に対する治療法の、効力を増強し、耐性を改善し、そして/または生じる副作用を軽減する。
本発明が包含するのは、相加効果または相乗効果を有する併用療法である。本発明はまた、治療効果が相加的より大きい相乗的である組合わせも包含する。好ましくは、かかる組合わせはまた、望ましくないまたは有害な副作用も軽減するかまたは防ぐ。ある特定の実施形態においては、本発明の併用療法は、CD2拮抗薬の投与または他の癌療法単独と比較して、全体として改善された療法を提供する。好ましい実施形態においては、本発明が包含する併用療法は、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの投与または他の癌療法単独と比較して、改善された全体療法を提供する。ある特定の実施形態においては、既存または実験的癌療法の投与量を低減するかまたはより低頻度で投与することができ、ひいては患者のコンプライアンスを増加し、療法を改善し、かつ欲しないまたは有害な副作用を軽減する。
本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善する併用療法であって、それを必要とする被験者に1種以上のCD2拮抗薬の予防または治療上有効な量および1以上の癌療法の予防または治療上有効な量を投与することを含んでなる上記併用療法を提供する。好ましい実施形態においては、本発明は癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善する併用療法であって、それを必要とする被験者にMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量、および1以上の癌療法の予防または治療上有効な量を投与することを含んでなる上記併用療法を提供する。特に、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防または治療する方法であって、それを必要とする被験者にMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量および1以上の化学療法、ホルモン療法、生物学的療法、免疫療法の予防または治療上有効な量を投与することを含んでなる上記方法を提供する。
ある特定の実施形態においては、本発明は、CD2拮抗薬、好ましくはMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善するための遺伝子療法との併用を包含する。他の実施形態においては、本発明の方法および組成物と併用する癌療法は、癌療法、特にT細胞悪性腫瘍の療法に用いられる他の治療抗体である。
ある特定の実施形態においては、本発明は、1以上の化学療法だけと組合わせての、または、場合によっては、ホルモン療法、生物学的療法/免疫療法および/または放射線療法と組合わせての、CD2拮抗薬、好ましくはMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの投与を含む予防および治療計画またはプロトコルを提供する。癌を治療する方法はまた、CD2拮抗薬、好ましくは、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントと組合わせての、そして、場合によっては、化学療法、ホルモン療法、生物学的療法/免疫療法および/または放射線療法と組合わせての外科療法も含むことを考えている。
特定の実施形態においては、本発明は、CD2拮抗薬、好ましくは、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの、1以上の癌化学治療薬、例えば、限定されるものでないが、ドキソルビシン、エピルビシン、シクロホスファミド、5-フルオロウラシル、タキサン例えばドセタキセル(docetaxel)およびパクリタキセル(paclitaxel)、ロイコボリン、レバミゾール、イリノテカン、エストラムスチン、エトポシド、ビンブラスチン、ダカルバジン、ニトロソウレア、例えばカルムスチン(carmustinie)およびロムスチン(lomustine)、ビンカアルカロイド、白金化合物、シスプラチン、マイトマイシン、ビノレルビン(vinorelbine)、ゲムシタビン(gemcitabine)、カルボプラチン、ヘキサメチルメラミンおよび/またはトポテカン(topotecan)と組合わせての投与を含む予防および治療プロトコルを提供する。かかる方法は、場合によってはさらに、他の癌療法、例えば、限定されるものでないが、放射線療法、生物学的療法、ホルモン療法および/または外科療法の投与を含む。
他の特定の実施形態においては、本発明は、CD2拮抗薬、好ましくは、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの、放射線療法の1以上のタイプ、例えば、外部ビーム放射線療法、放射性同位体(I-125、パラジウム、イリジウム)の侵入移植、ストロンチウム-89などの放射性同位体、胸部放射線療法、腹腔内P-32放射線療法、および/または全腹腔および骨盤放射線療法の実施と組合わせての、投与を含んでなる予防および治療計画またはプロトコルを提供する。かかる方法は、場合によっては、さらに化学療法、生物学的療法/免疫療法、ホルモン療法および/または外科療法を含む他の癌療法の投与を含む。
さらに他の特定の実施形態においては、本発明は、CD2拮抗薬、好ましくはMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの、1以上の生物学的療法/免疫療法またはホルモン療法、例えばタモキシフェン(tamoxifen)、ロイプロリド(leuprolide)または他のLHRH拮抗薬、非ステロイド系抗アンドロゲン(フルタミド(flutamide)、ニルタミド(nilutamide)、ビカルタミド(bicalutamide))、ステロイド系抗アンドロゲン(シプロテロン酢酸塩(cyproterone acetate))、エストロゲン(DES、クロロトリアニセン、エチニルエストラジオース、複合エストロゲンU.S.P.、DES-二リン酸塩)、アミノグルテチミド、ヒドロコルチゾン、フルタミド離脱、プロゲステロン、ケトコナゾール、プレドニゾン、インターフェロンα、インターロイキン2、腫瘍壊死因子α、および/またはメルファラン(melphalan)と組合わせての投与を含んでなる予防および治療プロトコルを提供する。生物学的療法はまた、サイトカイン、例えば、限定されるものでないが、TNFリガンドファミリーメンバー、例えば、アポトーシスを誘導するTRAIL抗癌作用薬、TRAIL受容体1および2(別称、DR4およびDR5(死ドメイン含有受容体4および5)として公知)、ならびにDR4およびDR5と結合するTRAIL抗体も含む。TRAILおよびTRAIL抗体、リガンドおよび受容体は当技術分野で公知であり、米国特許第6,342,363号、第6,284,236号、第6,072,047号および第5,763,223号に記載されている。かかる方法は、場合によっては、さらに他の癌療法、例えば、限定されるものでないが、放射線療法、化学療法、および/または外科療法の投与を含む。
ある特定の実施形態においては、本発明は、T細胞悪性腫瘍を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量および1以上の標準または実験的なT細胞悪性腫瘍に対する療法の予防または治療上有効な量を投与することを含んでなる上記方法を提供する。本発明の方法および組成物に利用しうる標準または実験的なT細胞悪性腫瘍に対する療法としては、限定されるものでないが、抗体療法(例えば、Campath(登録商標)、抗Tac、HuM291(抗CD3ヒト化マウスIgG2モノクローナル抗体)、抗体薬物複合体(例えば、Mylotarg)、放射標識モノクローナル抗体(例えば、Bexxar、Zevalin、LYM-1))、サイトカイン療法、細胞傷害薬を用いるまたは用いない攻撃性併用化学療法、プリン類似体、造血幹細胞移植、ならびにT細胞が媒介する治療(例えば、限定されるものでないが、白血病特異タンパク質(例えば;bcr/abl、PML/RARa、EMV/AML-1)、白血病関連タンパク質(例えば、プロテイナーゼ3、WT-1、H-TERT、hdm-2)を含む標的抗原に対して抗白血病活性をもつCD8+T細胞)が挙げられる(Riddellら, 2002, Cancer Control, 9(2):114-122;Deardenら, 2002, Medical Oncology, 19, Suppl. S27-32;Waldmannら, 2000, Hematology(Am Soc Hematol Educ Program):394-408を参照)。
特定の実施形態においては、本発明は、T細胞前リンパ性白血病(T-PLL)またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量を単独でまたは1以上のT-PLLの治療に有用である薬剤の予防または治療上有効な量の投与と組合わせて投与することを含んでなり、上記T-PLLの治療に有用である薬剤は、限定されるものでないが、CAMPATH-1H(登録商標)(Alemtuzumab)(Deardenら, 2002, Medical Oncol. 19 Suppl:S27-32)、ペントスタチン、プリン類似体(例えば、フルダラビン、クラドリビン)、エトポシド、ブレオマイシン、併用化学療法、またはDeardenら, 2000 Blood, 98(6):1721-6(これは本明細書に参照によりその全てが組み入れられる)に開示される他の治療を含む、上記方法を提供する。
他の特定の実施形態においては、本発明は、成人T細胞前リンパ性白血病(ATL)もしくはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量を単独でまたは1以上のATLもしくはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善するのに有用である薬剤の予防または治療上有効な量の投与と組合わせて投与することを含んでなり、上記薬剤は、限定されるものでないが、CAMPATH-1H(登録商標)(Alemtuzumab)(Deardenら, 2002, Medical Oncol. 19 Suppl:S27-32)、プロテアソーム阻害剤PS-341(Tanら, 2002, Cancer Research, 62: 1083-86、本明細書に参照により組み入れられる)、ペントスタチン、ヒト化抗IL-2Rα抗体(例えば、ヒト化抗Tac(HAT)(Phillipsら, 2000, Cancer Research, 60: 6977-84)を参照)、ダクリズマブ(ZENEPAX(登録商標))、シュードモナス外毒素Aと連結した組換え体CD7-特異的1本鎖免疫毒素(Peippら, 2002, Cancer Research, 62: 2848-55の記載を参照)、細胞傷害薬(例えば、デオキシコフォルミシン(deoxycoformysin)(DCF)、イリノテカン(Irinotecan)塩酸塩(CPT-11)、MST-16など)、レチノイド、抗レトロウイルス薬(例えば、AZT、ラムビジン(lamuvidine))、または、三酸化ヒ素(Bazarbachi & Hennine, 2001, Virus Research, 78:79-92による総括を参照))に開示される他の治療を含む上記方法を提供する。
他の実施形態においては、本発明は、ATLまたはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量を単独で、またはATLL療法に用いるのと別の療法の予防または治療上有効な量の投与と組合わせて投与することを含んでなり、上記ATLL療法に用いるのと別の療法は、限定されるものでないが、PUVA治療(Takemoriら, 1995, Human Cell, 8(3):121-6を参照)、インターフェロンα治療と続いての自己末梢血幹細胞移植(Fujiwara H.ら, 2002, Acta Haematol., 107:213-219)、免疫療法(例えば、抗Tac(Fv)-PE40KDEL;Ohno N.ら, 2002, Leuk. Lymphoma, 43(4):885-8)、細胞傷害薬との併用化学療法(Siegelら, 2001, Curr. Treat. Options Oncol., 2(4):291-300の総括を参照)を含む上記方法を提供する。
他の特定の実施形態においては、本発明は、ATLまたはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、標準療法に不応性となっているおよび/または免疫抑制性である被験者に、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量を単独でまたはジオドブジン(ziodvudine)(AZT)および/またはインターフェロンαの予防または治療上有効な量の投与と組合わせて投与することを含んでなる上記方法を提供する。さらなる特定の実施形態においては、上記患者にさらに、HTLV-1に対する抗レトロウイルス薬を投与する。代わりの実施形態においては、本発明は、ATLまたはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、1以上の抗インターロイキン2受容体モノクローナル抗体の予防または治療上有効な量およびMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量を投与することを含んでなる上記方法を提供する。さらに他の特定の実施形態においては、ATLを患う患者に、HTLV-I陽性細胞の細胞周期停止を誘導する薬剤(すなわち、三酸化ヒ素、IFNなど)(Bazarbachiら, 2001, ウイルス Research, 78(1-2):79-92を参照)の予防または治療上有効な量を、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量と組合わせて投与する。
本発明の方法と組成物は未治療の患者に有用であるだけでなく、限定されるものでないが、化学療法、ホルモン療法、生物学的療法、免疫療法、放射線療法および/または外科療法を含む現在の標準および/または実験的癌療法に部分的にまたは完全に不応性である患者の治療にも有用である。好ましい実施形態においては、本発明は、CD2拮抗薬(例えば、MEDI-507)の投与を含む療法以外の療法に対して不応性または非応答性であることが示されているかまたはそうでありうる癌を治療または予防するための治療および予防方法を提供する。他の好ましい実施形態においては、本発明は、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの投与を含む療法に対して不応性であるまたは非応答性であることが示されているかまたはそうでありうる癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を治療または予防するための治療および予防方法を提供する。
本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験者に、1種以上のCD2拮抗薬、好ましくは、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントおよび癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の治療または予防に用いる1種以上の抗血管新生薬を投与することを含んでなる上記方法を提供する。
本発明の併用療法の予防もしくは治療薬は、被験者に同時に投与することができる。用語「同時に」は予防もしくは治療薬を正確に同時に投与することに限られず、むしろ、CD2拮抗薬(例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)が他方の薬剤と一緒に作用して、それらが別のやり方で投与される場合より大きな利益を提供できるように、CD2拮抗薬(例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)と他方の薬剤をある時間間隔で連続して被験者に投与することを意味する。例えば、それぞれの予防もしくは治療薬を、同時にあるいは異なる時点に任意の順序で連続的に投与することができる。しかし、同時に投与しない場合は、所望の治療または予防効果を得るために、それらを時間的に十分接近させて投与すべきである。各予防もしくは治療薬を別々に、任意の適当な形態でかつ、適当な経路で投与することができる。
特定の実施形態においては、CD2拮抗薬(例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)を手術前に、同時に、または手術後に投与する。好ましくは、手術は局所化した腫瘍を完全に除去するかまたは大きな腫瘍のサイズを減少させる。手術はまた、予防対策としてまたは痛みを軽減するために実施してもよい。
様々な実施形態においては、予防もしくは治療薬を1時間未満離して、約1時間離して、約1時間〜約2時間離して、約2時間〜約3時間離して、約3時間〜約4時間離して、約4時間〜約5時間離して、約5時間〜約6時間離して、約6時間〜約7時間離して、約7時間〜約8時間離して、約8時間〜約9時間離して、約9時間〜約10時間離して、約10時間〜約11時間離して、約11時間〜約12時間離して、せいぜい24時間離してまたはせいぜい48時間離して投与する。好ましい実施形態においては、2種以上の成分を患者の同じ診察時に投与する。
他の実施形態においては、予防もしくは治療薬を約2〜4日間離して、約4〜6日間離して、約1週間離して、約1〜2週間離して、または2週間以上離して投与する。好ましい実施形態においては、予防もしくは治療薬を両方の薬剤がまだ活性のある時間枠内に投与する。当業者は、投与する薬剤の半減期を決定することにより、この様な時間枠を決定することができるであろう。
ある特定の実施形態においては、本発明の予防もしくは治療薬を被験者に周期的に(もしくはサイクルで)投与する。サイクル治療は、ある期間は第1の薬剤の投与、続いてある期間は第2の薬剤の投与および/またはある期間は第3の薬剤の投与を行い、この逐次投与を繰り返すことである。サイクル治療は、1種の作用薬に対する耐性の出現を抑制し、1種の作用薬の副作用を回避または低減し、および/または治療の有効性を改善することができる。
ある特定の実施形態においては、予防もしくは治療薬をほぼ3週未満のサイクルで、ほぼ毎2週に1回、ほぼ毎10日に1回、またはほぼ毎週1回投与する。1サイクルは、各サイクルに約90分間、各サイクルに約1時間、各サイクルに約45分間かけての注入による治療もしくは予防薬の投与を含んでもよい。各サイクルは、少なくとも1週間の休止、少なくとも2週間の休止、少なくとも3週間の休止を含んでもよい。投与するサイクル数は、約1〜約12サイクル、より典型的には約2〜約10サイクル、そしてより典型的には約2〜約8サイクルである。
他の好ましい実施形態においては、CD2拮抗薬(例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)を、毎週1回または毎2週に1回投与し;別の癌療法(例えば、化学療法、放射線療法)を数日間、毎日投与する。他の好ましい実施形態においては、癌療法を数日間〜数週間、連続的に投与する。さらに他の好ましい実施形態においては、癌療法を数時間〜数日間の期間、投与する。かかる方法は癌療法を投与しない数週間の休止期間を含むことを考えている。
さらに他の実施形態においては、本発明の治療および予防薬を、時間刻み投与治療計画(metronomic dosing regimen)で、連続注入または多回(多頻度)投与のいずれかにより、長い休止期間を設けずに投与する。かかる時間刻み投与は、休止期間を設けない一定間隔の投与に関わる。典型的には、治療薬、特に細胞傷害薬をより低い用量で用いる。かかる投与治療計画は、長い期間の比較的低用量の長期間毎日投与を包含する。好ましい実施形態においては、低用量の利用は有毒な副作用を最小化しかつ休止期間を無くすることができる。ある特定の実施形態においては、治療および予防薬を、約24時間から約2日間まで、約1週間まで、約2週間まで、約3週間まで、約1ヶ月まで、約2ヶ月まで、約3ヶ月まで、約4ヶ月まで、約5ヶ月まで、約6ヶ月までの範囲の長期間低用量または連続注入により送達する。当技術分野の癌専門医はかかる投与治療計画の予定作成を最適化することができる。
他の予防および/または治療薬と併用すると、CD2拮抗薬(例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)と予防および/または治療薬は相加的にまたは、さらに好ましくは、相乗的に作用しうる。一実施形態においては、CD2拮抗薬(例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)を1種以上の治療薬と同じ医薬組成物に入れて同時に投与する。他の実施形態においては、CD2拮抗薬(例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)を1種以上の他の治療薬と別々の医薬組成物に入れて同時に投与する。さらに他の実施形態においては、CD2拮抗薬(例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)を、他の予防もしくは治療薬の投与の前にまたは後に投与する。本発明は、CD2拮抗薬(例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)の他の予防もしくは治療薬と組合わせての、同じまたは異なる投与経路、例えば経口および非経口による投与を考えている。ある特定の実施形態においては、CD2拮抗薬(例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)を、有害な副作用(限定されるものでないが、毒性を含む)を生じる可能性のある他の予防もしくは治療薬と同時に投与すると、予防もしくは治療薬を、副作用を誘発する閾値より低い用量で有利に投与することができる。
本明細書に与える投与量と投与頻度は、用語「治療上有効かつ予防上有効な」範囲に包含される。投与量と投与頻度はさらに、典型的には、投与する特定の治療もしくは予防薬、癌の重症度およびタイプ、投与経路、ならびに患者の年齢、体重、応答、および過去の医療歴に依存するそれぞれの患者に特有の因子により変化しうる。当業者は適当な治療計画(regimens)を、かかる因子を考慮しかつ例えば文献および「医師のデスク参考書(Physician's Desk Reference)」(第56版、2002年)に従って選択することができる。
5.6.1 予防または治療される癌の型
上記抗体を含む本発明の抗体および組成物を用いて増殖性障害またはまたはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善することができる。特定の実施形態においては、増殖性障害は、T細胞、B細胞、肥満細胞、好酸球、好中球、および胎性胸腺細胞を含む免疫細胞の異常な増殖(例えば、無制御の増殖または増殖の欠如)により特徴付けられる。
本明細書に記載の組成物および方法は、癌および関連障害の予防、治療または改善に有用であり、それらとしては、限定されるものでないが、次が挙げられる:白血病、例えば、限定されるものでないが、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄球性白血病、例えば骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性、赤白血病性白血病(erytroleukemia leikemias)および脊髄形成異常症候;慢性白血病、例えば、限定されるものでないが、慢性骨髄球性(顆粒球)白血病、慢性リンパ性白血病、毛様細胞白血病;赤血球増加症(polycythemia vera);リンパ腫、例えば、限定されるものでないがホジキン病、非ホジキン病;多発性骨髄腫、例えば、限定されるものでないが、くすぶり型(smoldering)多発性骨髄腫、非分泌性骨髄腫、骨硬化性骨髄腫、プラズマ細胞白血病、単生プラズマ細胞腫および延髄外プラズマ細胞腫;ヴァルデンストレームマクログロブリン血症;意味未確定の単クローン性高ガンマグロブリン血症;良性モノクローナル免疫グロブリン血症;重鎖疾患;骨および結合組織肉腫、例えば限定されるものでないが、骨肉腫(bone sarcoma)、骨肉腫(osteo sarcoma)、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性巨細胞腫瘍、骨の線維肉腫、軟骨、骨膜肉腫、軟組織肉腫、血管肉腫(hemangiosarcoma)、線維肉腫、カポージ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、神経鞘腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫;脳腫瘍、例えば限定されるものでないが、神経膠腫、星細胞腫、脳幹神経膠腫、上衣細胞腫、乏突起膠腫、非神経膠腫、聴神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体腫、松果体芽細胞腫、原発脳リンパ腫;乳癌、例えば、限定されるものでないが、腺癌、小葉(小細胞)癌、腺管内癌、髄様乳癌、粘液性乳癌、管状腺乳癌、乳頭状乳癌、パジェット病、および炎症性乳癌;副腎癌、例えば、限定されるものでないが、褐色細胞腫および副腎皮質性癌;甲状腺癌、例えば、限定されるものでないが乳頭または濾胞性甲状腺癌、髄様甲状腺癌および未分化甲状腺癌;膵臓癌、例えば、限定されるものでないが、インスリノーマ、ガストリノーマ、グルカゴノーマ、ビポーマ、ソマトスタチン分泌腫瘍、およびカルチノイドまたは島細胞腫瘍;下垂体癌、例えば、限定されるものでないが、クッシング病、プロラクチン分泌腫瘍、先端巨大症、および尿崩症;眼癌、例えば、限定されるものでないが、眼黒色腫、例えば虹彩黒色腫、脈絡膜黒色腫、および毛様体黒色腫、および網膜芽細胞腫;膣癌、例えば、限定されるものでないが、扁平上皮細胞癌、腺癌、および黒色腫;外陰部癌、例えば、限定されるものでないが、扁平上皮細胞癌、黒色腫、腺癌、基底細胞癌、肉腫、およびパジェット病;頸癌、例えば、限定されるものでないが、扁平上皮細胞癌、および腺癌;子宮癌、例えば、限定されるものでないが、子宮内膜癌および子宮肉腫;卵巣癌、例えば、限定されるものでないが、卵巣上皮癌、境界型腫瘍、生殖細胞腫瘍、および間質腫瘍;食道癌、例えば、限定されるものでないが、扁平上皮癌、腺癌、腺様嚢胞癌、粘液性類表皮癌、腺扁平上皮癌、肉腫、黒色腫、プラズマ細胞腫、いぼ状癌、および燕麦細胞(小細胞)癌;胃癌、例えば、限定されるものでないが、腺癌、肉芽腫性(ポリープ状)、潰瘍性、表在拡大型、広汎拡大型、悪性リンパ腫、リポ肉腫、線維肉腫、および癌肉腫;大腸癌;直腸癌;肝臓癌、例えば、限定されるものでないが、肝細胞性癌および肝芽腫、胆嚢癌、例えば、限定されるものでないが、腺癌;胆管癌、例えば、限定されるものでないが、乳頭状癌、結節型および広汎型;肺癌、例えば、限定されるものでないが、非小細胞肺癌、扁平上皮細胞癌(類表皮癌)、腺癌、大細胞癌および小細胞肺癌;精巣癌、例えば、限定されるものでないが、胚腫瘍、精上皮腫、未分化、古典的(典型的)、精母細胞、非精上皮腫、胚性癌、テラトーマ癌、絨毛癌(卵黄嚢腫瘍)、前立腺癌、例えば、限定されるものでないが、腺癌、平滑筋肉腫、および横紋筋肉腫;陰茎癌;口腔癌、例えば、限定されるものでないが、扁平上皮細胞癌;基底癌;唾液腺癌、例えば、限定されるものでないが、腺癌、粘膜表皮性癌、およびアデノイド嚢胞癌;咽頭癌、例えば、限定されるものでないが、扁平上皮細胞癌、およびいぼ状;皮膚癌、例えば、限定されるものでないが、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌および黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、黒子悪性黒色腫、末端部黒子黒色腫;腎臓癌、例えば、限定されるものでないが、腎細胞癌、腺癌、副腎腫、線維肉腫、移行細胞癌(腎盂および/または子宮);ウィルムス腫瘍;膀胱癌、例えば、限定されるものでないが、移行細胞癌、扁平上皮細胞癌、腺癌、癌肉腫。さらに、癌としては、粘液肉腫、骨原性肉腫、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、中皮腫、骨膜腫、血管芽細胞腫、上皮癌、嚢胞腺癌、気管支原生癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌および乳頭腺癌が挙げられる(かかる障害の総括については、Fishmanら, 1985, Medicine, 第2版, J. B. Lippincott Co., Philadelphia、およびMurphyら, 1997, 「十分な情報に基づく決定:癌診断、治療、および回復の全書(Informed Decisions : The Complete Book of Cancer Diagnosis, Treatment, and Recovery)」, Viking Penguin, Penguin Books U.S.A., Inc., United States of Americaを参照)。
従って、本発明の方法と組成物はまた、様々な癌または他の異常増殖性疾患の治療または予防に有用であり、それらの疾患としては(限定されるものでないが)、次が挙げられる:癌、例えば、膀胱、乳房、大腸、腎臓、肝臓、肺、卵巣、膵臓、胃、頚部、甲状腺の癌;例えば、扁平上皮細胞癌;リンパ系統の造血性腫瘍、例えば、白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫;骨髄球性系統の造血性腫瘍、例えば、急性および慢性骨髄性白血病および前骨髄球性白血病;間葉起源の腫瘍、例えば、線維肉腫および横紋筋肉腫;他の腫瘍、例えば、黒色腫、精上皮腫、奇形癌、神経芽細胞腫および神経膠腫;中枢および末梢神経性系の腫瘍、例えば、星細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、および神経鞘腫;間葉起源の腫瘍、例えば、線維肉腫、横紋筋肉腫、および骨肉腫;ならびに他の腫瘍、例えば、黒色腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、精上皮腫、甲状腺濾胞性癌および奇形癌。アポトーシスの異常により生じる癌を本発明の方法と組成物により治療することも意図している。かかる癌としては、限定されるものでないが、濾胞性リンパ腫、p53突然変異をもつ癌、乳房、前立腺および卵巣のホルモン依存性腫瘍、および前癌病変、例えば家族性腺腫様ポリープ症、および骨髄形成異常症候群が挙げられる。特定の実施形態においては、卵巣、膀胱、乳房、大腸、肺、皮膚、膵臓、または子宮における悪性腫瘍または異常増殖性変化(例えば、化生および異形成症)、または過剰増殖性障害を本発明の方法と組成物により治療または予防する。
好ましい実施形態においては、本発明の方法および組成物を、乳房、大腸、肺、および前立腺癌の治療および/または予防に用いる。
5.6.2 予防または治療されるT細胞悪性腫瘍の型
本発明の方法および組成物はまた、様々なT細胞細胞悪性腫瘍の予防、治療、管理または改善にも有用である。本明細書に用いる用語「T細胞悪性腫瘍」および類似の用語は、胸腺および胸腺後段階(post-thymic)悪性腫瘍を含むいずれかのT細胞リンパ増殖性障害を意味する。T細胞悪性腫瘍はT細胞起源の腫瘍を含む。T細胞悪性腫瘍はリンパ前駆細胞、胸腺細胞、T細胞、NK細胞、または抗原提示細胞起源の腫瘍を意味する。T細胞悪性腫瘍は、来るべき急性リンパ芽球白血病、リンパ腫、胸腺腫、急性リンパ芽球白血病、およびホジキンおよび非ホジキン病を含むが、リンパ腫が皮膚T細胞リンパ腫でないことを条件とする。
本発明の方法および組成物を用いて予防、治療、管理または改善することができるT細胞悪性腫瘍としては、限定されるものでないが、T前駆細胞リンパ芽球白血病/リンパ腫、末梢T細胞およびNK細胞新生物、T細胞前リンパ性白血病(例えば、小細胞および大脳様)、T細胞顆粒リンパ性白血病、急速進行性NK細胞白血病、鼻および鼻型NK/T細胞リンパ腫、急速進行性NK細胞白血病、血管免疫芽細胞性T細胞リンパ腫、未特定の末梢T細胞リンパ腫(例えば、リンパ上皮腫(レナート(Lennert)の)、T帯、多形、小、混合、大、および免疫芽細胞)、成人T細胞白血病/リンパ腫(例えば、急性リンパ腫性、慢性、くすぶり型(smoldering)、およびホジキン様);未分化大細胞リンパ腫(ALCL)(Tおよび無細胞型)(例えば、リンパ組織球および小細胞);腸T細胞リンパ腫(腸疾患);および肝脾γ/δT細胞リンパ腫が挙げられる。好ましい実施形態においては、本発明の方法によって予防または治療されるT細胞悪性腫瘍は、全身、非皮膚T細胞悪性腫瘍である。
5.7 医薬組成物および投与方法
本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を治療、予防および改善するための組成物を提供する。特定の実施形態においては、組成物は1種以上のCD2拮抗薬を含む。他の実施形態においては、組成物は1種以上のCD2拮抗薬をコードする1以上の核酸分子を含む。他の実施形態においては、組成物は1以上のCD2結合分子を含む。他の実施形態においては、組成物は1種以上のCD2結合分子をコードする1以上の核酸分子を含む。好ましい実施形態においては、組成物はMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントを含む。他の好ましい実施形態においては、組成物はMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントをコードする核酸分子を含む。
特定の実施形態においては、本発明の組成物は、CD2拮抗薬もしくはCD2結合分子以外の、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善にとって有用であることが公知であり、または用いられたことがあり、または現在用いられている1種以上の予防もしくは治療薬を含む。他の実施形態においては、CD2拮抗薬もしくはCD2結合分子以外の、本発明の組成物は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善にとって有用であることが公知であり、または用いられたことがあり、または現在用いられている1種以上の予防もしくは治療薬をコードする1以上の核酸分子を含む。
一実施形態においては、本発明の組成物は、1種以上のCD2拮抗薬およびCD2拮抗薬以外の癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善にとって有用であることが公知であり、または用いられたことがあり、または現在用いられている1種以上の予防もしくは治療薬を含む。他の実施形態においては、本発明の組成物は、1種以上のCD2結合分子およびCD2結合分子以外の癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善にとって有用であることが公知であり、または用いられたことがあり、または現在用いられている1種以上の予防もしくは治療薬を含む。他の実施形態においては、本発明の組成物は、1種以上のCD2拮抗薬およびCD2拮抗薬以外の癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善にとって有用であることが公知であり、または用いられたことがあり、または現在用いられている1種以上の予防もしくは治療薬をコードする核酸分子を含む。他の実施形態においては、本発明の組成物は、1種以上のCD2結合分子、およびCD2結合分子以外の癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善にとって有用であることが公知であり、または用いられたことがあり、または現在用いられている1種以上の予防もしくは治療薬をコードする1以上の核酸分子を含む。
他の実施形態においては、本発明の組成物は、1種以上のCD2拮抗薬および1以上の核酸分子を含んでなり、上記核酸分子はCD2拮抗薬以外の癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善にとって有用であることが公知であり、または用いられたことがあり、または現在用いられている1種以上の予防もしくは治療薬をコードする。他の実施形態においては、本発明の組成物は、1種以上のCD2結合分子および1以上の核酸分子を含んでなり、上記核酸分子はCD2結合分子以外の癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善にとって有用であることが公知であり、または用いられたことがあり、または現在用いられている1種以上の予防もしくは治療薬をコードする。
他の実施形態においては、本発明の組成物は、1種以上のCD2拮抗薬をコードする1以上の核酸分子、およびCD2拮抗薬以外の癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善にとって有用であることが公知であり、または用いられたことがあり、または現在用いられている1種以上の予防もしくは治療薬をコードする1以上の核酸分子を含んでなる。他の実施形態においては、本発明の組成物は1種以上のCD2結合分子をコードする1以上の核酸分子と1種以上のCD2結合分子以外の予防もしくは治療薬をコードする1以上の核酸分子を含むものであり、上記予防もしくは治療薬は癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善にとって有用であることが公知であり、または用いられたことがあり、または現在用いられているものである。
好ましい実施形態においては、組成物は、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントおよび癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善にとって有用であることが公知であり、または用いられたことがあり、または現在用いられている1種以上の予防もしくは治療薬を含む。他の好ましい実施形態においては、組成物は、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント、および癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善にとって有用であることが公知であり、または用いられたことがあり、または現在用いられている1種以上の予防もしくは治療薬をコードする1以上の核酸分子を含んでなる。他の好ましい実施形態においては、組成物はMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントおよび1以上の核酸分子を含むものであり、上記核酸分子は癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善にとって有用であることが公知であり、または用いられたことがあり、または現在用いられている1種以上の予防もしくは治療薬をコードする。さらに他の好ましい実施形態においては、組成物は、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントをコードする1以上の核酸分子、および癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善にとって有用であることが公知であり、または用いられたことがあり、または現在用いられている1種以上の予防もしくは治療薬をコードする1以上の核酸分子を含んでなる。
好ましい実施形態においては、本発明の組成物は医薬組成物である。かかる組成物は、予防または治療上有効な量の1種以上の予防もしくは治療薬(例えば、CD2拮抗薬または他の予防薬もしくは治療薬)、および製薬上許容される担体を含んでなる。特定の実施形態においては、用語「製薬上許容される」は、動物、特にヒトにおける使用について、連邦政府もしくは州政府の規制当局により認可されているかまたは米国薬局方もしくは他の一般的に認められた薬局方に掲げられていることを意味する。用語「担体」は、治療薬とともに投与される希釈剤、アジュバント(例えば、フロイント(Freund)のアジュバント(完全および不完全))、賦形剤、またはビヒクルを意味する。かかる製薬用担体は水および、落花生油、大豆油、鉱物油、胡麻油などの石油、動物、植物または合成起源のものを含む油などの無菌の液体でありうる。水が医薬組成物を静脈内に投与するときの好ましい担体である。生理食塩水およびデキストロースおよびグリセロール水溶液も、特に注射溶液用の液状担体として使用することができる。適当な医薬賦形剤は、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、コムギ粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。所望であれば、組成物はまた、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝化剤を含有してもよい。これらの組成物は、溶液、懸濁剤、乳濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、粉剤、徐放製剤などの形態をとってもよい。経口製剤は、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準の担体を含んでもよい。適当な医薬担体の例は、E. W. Martinによる「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」に記載されている。かかる組成物は、予防または治療上有効な量の予防もしくは治療薬を、好ましくは精製した形態で含有し、適当な量の担体と一緒にして、患者への適当な投与形態を提供するであろう。製剤は投与の様式に適合しなければならない。好ましい実施形態においては、医薬組成物は無菌であり、かつ被験者、好ましくは動物被験者、さらに好ましくは哺乳類被験者、そして最も好ましくはヒト被験者への投与に適切な剤形である。
様々な送達系が公知であり、1種以上の予防もしくは治療薬(CD2結合分子を含む)を投与するために用いることができ、例えば、製薬上許容される担体、リポソーム中の封入、微粒子、マイクロカプセル、予防もしくは治療薬を発現できる組換え細胞、受容体が媒介するエンドサイトーシス(例えば、WuおよびWu, J. Biol. Chem. 262:4429-4432 (1987)を参照)、レトロウイルスの一部として核酸または他のベクター構築などがある。予防もしくは治療薬または予防もしくは治療薬を含む医薬組成物を投与する方法としては、限定されるものでないが、非経口投与(例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内および皮下投与)、硬膜外投与、局所投与、および粘膜(例えば、鼻腔内および経口経路)投与が挙げられる。特定の実施形態においては、CD2結合分子、MEDI-507および/または他の予防もしくは治療薬、または医薬組成物を、筋肉、局所、または静脈に投与する。好ましい実施形態においては、CD2結合分子、MEDI-507および/または他の予防もしくは治療薬を皮下に投与する。組成物をいずれの好都合な経路により、例えば、注入またはボーラス注射により、上皮または粘膜皮膚ライニング(例えば、口腔粘膜、直腸および腸粘膜など)を介する吸収により投与してもよく、そして他の生物学的活性薬と一緒に投与してもよい。投与は全身であっても局所であってもよい。
特定の実施形態においては、本発明の医薬組成物を治療を必要とする領域へ局所投与することが望ましく;これは、例えば、限定されるものでないが、局所注入により、注射により、またはインプラント(シアラスチック(sialastic)膜などの膜、もしくは繊維を含む多孔質、非多孔質またはゼラチン状材料である)を使うことにより達成することができる。好ましくは、予防もしくは治療薬を投与したときに、予防もしくは治療薬(例えば、CD2結合分子)を吸収しない材料を使用するように注意しなければならない。
他の実施形態においては、組成物を小胞、特にリポソームに入れて送達することができる(Langer, Science 249:1527-1533(1990);Treatら, 「感染性疾患及び癌の治療におけるリポソーム(Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer)」, Lopez-BeresteinおよびFidler (編), Liss, New York, pp.353-365 (1989);Lopez-Berestein, 同書, pp.317-327を参照;全般的に同書を参照)。
さらに他の実施形態においては、組成物を制御放出または持続放出システムで送達することができる。一実施形態においては、ポンプを利用して制御または持続放出を達成してもよい(Langer, 前掲;Sefton, 1987, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:20;Buchwaldら, 1980, Surgery 88:507;Saudekら, 1989, N. Engl. J. Med. 321:574を参照)。他の実施形態においては、ポリマー材料を利用して本発明の抗体またはそのフラグメントの制御または持続放出を達成することができる(例えば、「制御放出の医療的応用(Medical Applications of Controlled Release)」, LangerおよびWise (編), CRC Pres., Boca Raton, Florida (1974);「制御された薬物バイオアベイラビリティ、医薬品設計及び性能(Controlled Drug Bioavailability, Drug Product Design and Performance)」, SmolenおよびBall (編), Wiley, New York (1984);RangerおよびPeppas, 1983, J., Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem. 23:61を参照;また、Levyら, 1985, Science 228:190;Duringら, 1989, Ann. Neurol. 25:351;Howardら, 1989, J. Neurosurg. 7 1:105;米国特許第5,679,377号;米国特許第5,916,597号;米国特許第5,912,015号;米国特許第5,989,463号;米国特許第5,128,326号;国際公開WO 99/15154;および国際公開WO 99/20253も参照)。持続放出製剤に使用されるポリマーの例としては、限定されるものでないが、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレン-コ-酢酸ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、ポリグリコリド(PLG)、ポリ酸無水物、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド(PLA)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)(PLGA)、およびポリオルトエステルが挙げられる。好ましい実施形態においては、持続放出製剤に利用されるポリマーは不活性であって、浸出可能な不純物を含まず、貯蔵に安定で、無菌かつ生物分解性である。さらに他の実施形態においては、制御または持続放出システムを治療上の標的、すなわち表皮の近くに配置することができ、こうして全身用量のほんの一部しか必要としなくなる(例えば、Goodson, 「制御放出の医療的応用(Medical Applications of Controlled Release)」, 前掲, vol. 2, pp.115-138 (1984)を参照)。
制御放出システムはLanger(1990, Science 249:1527-1533)の総説に考察されている。当業者に公知のいずれの技術を利用して1以上の本発明の抗体またはそのフラグメントを含んでなる持続放出製剤を生産してもよい。例えば、米国特許第4,526,938号、PCT公開WO 91/05548、PCT公開WO 96/20698、Ningら, 1996,「持続放出ゲルを用いるヒト大腸癌異種移植片の腫瘍内放射線免疫療法、(Intratumoral Radioimmunotheraphy of a Human Colon Cancer Xenograft Using a Sustained-Release Gel)」, Radiotherapy & Oncology 39:179-189、Songら, 1995,「長循環エマルジョンの抗体が介在する肺ターゲティング(Antibody Mediated Lung Targeting of Long-Circulating Emulsions)」, PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 50:372-397、Cleekら, 1997, 「心血管系への適用のためのbFGF抗体用の生物分解性ポリマー担体(Biodegradable Polymeric Carriers for a bFGF Antibody for Cardiovascular Application)」, Pro. Int'l. Symp. Control. Rel. Bioact. Mater. 24:853-854、およびLamら, 1997, 「局所送達用の組換えヒト化モノクローナル抗体のマイクロカプセル化(Microencapsulation of Recombinant Humanized Monoclonal Antibodiy for Local Delivery)」, Proc. Int'l. Symp. Control Rel. Bioact. Mater. 24:759-760を参照されたい。これらはそれぞれ本明細書に参照によりその全文が組み入れられる。
特定の実施形態においては、本発明の組成物が予防もしくは治療薬をコードする核酸である場合、核酸をin vivoに投与してそのコードする予防もしくは治療薬の発現を促進することができ、それは、核酸を、例えばレトロウイルスベクターの利用により、適当な核酸発現ベクターの部分として構築してそれが細胞内に取り込まれるように投与する(米国特許第4,980,286号を参照)ことにより、または直接注入により、または微粒子ボンバードメント(例えば、遺伝子銃;バイオリスチック(Biolistic)、Dupont)により、または脂質もしくは細胞表面受容体もしくはトランスフェクション剤をコーティングすることにより、または核に進入することが知られるホメオボックス様ペプチド(例えば、Joliotら, 1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:1864-1868を参照)と連結して投与することなどにより実施することができる。あるいは、核酸を細胞内に導入し、相同組換えにより宿主細胞DNA内に組み込ませて発現してもよい。
特定の実施形態において、本発明の組成物が1種以上の予防もしくは治療薬をコードする1以上の核酸分子である場合、核酸をin vivoに投与してそのコードする予防もしくは治療薬の発現を促進することができ、それは、核酸を、例えばレトロウイルスベクターの利用により、適当な核酸発現ベクターの部分として構築してそれが細胞内に取り込まれるように投与する(米国特許第4,980,286号を参照)ことにより、または直接注入により、または微粒子ボンバードメント(例えば、遺伝子銃;バイオリスチック(Biolistic)、Dupont)により、または脂質もしくは細胞表面受容体もしくはトランスフェクション剤をコーティングすることにより、または核に進入することが知られるホメオボックス様ペプチド(例えば、Joliotら, 1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:1864-1868を参照)と連結して投与することなどにより実施することができる。あるいは、核酸を細胞内に導入し、相同組換えにより宿主細胞DNA内に組み込ませて発現してもよい。
本発明の医薬組成物は、意図する投与経路と適合しうるように製剤する。投与経路の例は、限定されるものでないが、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、口腔内(例えば、吸入)、鼻腔内、経皮(局所)、経粘膜、および直腸投与が挙げられる。特定の実施形態においては、組成物を、ヒトに対する静脈内、皮下、筋肉内、口腔内、鼻腔内または局所投与用に適合させた医薬組成物として日常的方法に従って製剤する。好ましい実施形態においては、医薬組成物を、ヒトに対する皮下投与用に日常的方法に従って製剤する。典型的には、静脈内投与用組成物は無菌等張性バッファー水溶液である。必要な場合は、組成物はまた、可溶化剤、および注射部位の痛みを和らげるリグノカインなどの局所麻酔薬を含んでもよい。
本発明の組成物を局所に投与するのであれば、組成物を、例えば、軟膏、クリーム、経皮パッチ、ローション、ゲル、シャンプー、スプレー、エーロゾル、溶液、エマルジョンの形態、または当業者に公知のその他の形態に製剤化してもよい。例えば、「レミントンの製薬科学および医薬剤形入門(Remington's Pharmaceutical Sciences and Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms)」, 4th ed., Lea & Febiger, Philadelphia, PA (1985)を参照。非スプレー型局所用剤形については、局所適用に適合性がありかつ好ましくは水より大きい動粘性を有する担体または1種以上の賦形剤を含有する粘性ないし半固体または固体剤形が通常使用される。適当な製剤は、限定されるものでないが、溶液剤、懸濁剤、乳濁剤、クリーム剤、膏薬、粉剤、リニメント剤、軟膏などが挙げられ、これらは、所望であれば、無菌化するか、例えば浸透圧などの様々な特性に影響を与えるために助剤(例えば、保存剤、安定化剤、湿潤剤、バッファー、もしくは塩)と混合する。他の適当な局所用剤形は、活性成分を、好ましくは固体もしくは液体不活性担体と一緒に加圧揮発成分(例えば、フレオンなどの気体噴霧剤)との混合物にまたはスクイズボトルにパッケージした、スプレー可能なエーロゾル製剤が挙げられる。所望であれば、加湿剤または保湿剤を、医薬組成物および剤形に添加してもよい。かかる添加成分の例は、当技術分野では公知である。
本発明の組成物を鼻腔内に投与する場合には、組成物を、エーロゾル剤形、スプレー、ミストまたは液滴の剤形に製剤化することができる。特に、本発明に従って使用する予防もしくは治療薬は、エーロゾルスプレーの剤形で加圧パックまたは噴霧器から、適当な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適当な気体の使用により、好都合に送達することができる。加圧エーロゾルの場合、投与単位は、計量した量を送達するバルブを備えることにより決定することができる。吸入器または吹送器に使用するために、化合物およびラクトースもしくはデンプンなどの適当な粉末基剤のパウダーミックスを含有する、例えば、ゼラチンのカプセルおよびカートリッジを製剤化してもよい。
本発明の組成物を経口投与する場合には、組成物を経口用に、例えば、錠剤、カプセル剤、カシェ剤、ゲルカップ(gelcap)剤、液剤、懸濁剤などの剤形で製剤することができる。錠剤またはカプセル剤は通常の方法により、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース);増量剤(例えば、ラクトース、微結晶セルロースもしくはリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクもしくはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンもしくはグリコールデンプンナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの製薬上許容される賦形剤を用いて調製することができる。錠剤は、当技術分野で公知の方法によりコーティングしてもよい。経口投与用の液体製剤は、例えば、溶液剤、シロップ剤もしくは懸濁剤の剤形であってもよいし、またはそれらを水もしくは他の適当なビヒクルを用いて使用前に調合する乾燥製品として提供してもよい。かかる液体製剤は、通常の方法により、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または食用硬化油脂);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性ビヒクル(例えば、アーモンドオイル、油状エステル、エチルアルコールまたは分留植物油);および保存剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはp-ヒドロキシ安息香酸プロピルまたはソルビン酸)などの製薬上許容される添加剤を用いて調製することができる。製剤はまた、バッファー塩、香料、着色料および甘味剤を必要に応じて含有してもよい。経口投与用製剤は、予防もしくは治療薬の徐放、制御放出または持続放出にとって適するように製剤することができる。
本発明の組成物は、注射により、例えばボーラス注射または連続輸液による非経口投与用に製剤化することができる。注射用製剤は、単位剤形で、例えばアンプルでまたは複数用量容器で、保存剤を加えて提供することができる。組成物は、油性もしくは水性ビヒクル中の懸濁液、溶液または乳濁液などの剤形であってもよく、かつ懸濁化剤、安定化剤および/または分散助剤などの製剤用助剤を含有してもよい。あるいは、活性成分は、使用前に適当な溶媒、例えば発熱物質を含まない滅菌水を用いて調合する粉末剤形であってもよい。
本発明の組成物はまた、例えば、ココアバターまたは他のグリセリドなどの通常の座薬基剤を含有する、座剤または保持浣腸などの直腸組成物に製剤化することもできる。
以上記載した製剤に加えて、本発明の組成物はまた、デポ製剤として製剤化することもできる。かかる長期作用製剤は、植込み(例えば皮下または筋肉内)によりまたは筋肉内注射により投与することができる。従って、例えば、組成物を、適当なポリマーまたは疎水性物質(例えば許容しうる油中のエマルジョンとして)もしくはイオン交換樹脂を用いて、または難溶性誘導体(例えば難溶性塩)として製剤化してもよい。
本発明の組成物は、中性もしくは塩の形態として製剤化することができる。製薬上許容される塩は、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来するアニオンにより形成される塩、および水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来するカチオンにより形成される塩が挙げられる。
一般的に、本発明の組成物の成分は、別々にまたは一緒に混合して単位剤形で、例えば、活性薬剤の量を示すアンプルなどの密封容器またはサシェット(sachette)に入れて、乾燥した凍結乾燥粉末または水を含まない濃縮物として供給する。組成物を輸液により投与する場合、それを無菌の製薬グレードの水または生理食塩水を含有する輸液ボトルを用いて調剤することができる。組成物を注射により投与する場合、注射用滅菌水または生理食塩水のアンプルを提供し、投与前に成分を混合することができる。
特に、本発明は、活性薬剤の量を示すアンプルまたはサシェットなどの密封容器にパッケージされた、1種以上の本発明の予防薬もしくは治療薬または医薬組成物を提供する。一実施形態においては、1種以上の本発明の予防薬もしくは治療薬または医薬組成物を、密封容器に入った乾燥滅菌済凍結乾燥粉末または水を含まない濃縮物として供給し、例えば、水または生理食塩水を用いて被験者への投与に適当な濃度に再調合することができる。好ましくは、1種以上の本発明の予防薬もしくは治療薬または医薬組成物を、乾燥した無菌の凍結乾燥粉末として密封容器に入れて、少なくとも5mg、さらに好ましくは、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも25mg、少なくとも35mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも75mg、または少なくとも100mgの単位用量にて供給する。凍結乾燥した本発明の予防薬もしくは治療薬または医薬組成物は、2〜8℃でその元の容器中で保存しなければならないし、かつ本発明の予防薬もしくは治療薬または医薬組成物は、再調合後、1週間以内、好ましくは、5日間以内、72時間以内、48時間以内、24時間以内、12時間以内、6時間以内、5時間以内、3時間以内、または1時間以内に投与しなければならない。別の実施形態においては、1種以上の本発明の予防薬もしくは治療薬または医薬組成物を、液体剤形で、活性薬剤の量と濃度を示す密封容器に入れて供給する。好ましくは、投与される組成物の液体剤形は、少なくとも0.25mg/ml、さらに好ましくは、少なくとも0.5mg/ml、少なくとも1mg/ml、少なくとも2.5mg/ml、少なくとも5mg/ml、少なくとも8mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも15mg/kg、少なくとも25mg/ml、少なくとも50mg/ml、少なくとも75mg/mlまたは少なくとも100mg/mlで密封容器に入れて供給する。液体剤形はその元の容器中で2℃〜8℃にて保存しなければならない。
さらに他の好ましい実施形態においては、本発明は、MEDI-507を、MEDI-507の量を示すアンプルまたはサシェットなどの密封容器にパッケージして提供する。一実施形態においては、MEDI-507を密封容器に入れた乾燥滅菌済凍結乾燥粉末または水を含まない濃縮物として供給し、そして、例えば、水または生理食塩水を用いて適当な濃度に再調合して被験者へ投与することができる。好ましくは、MEDI-507を、乾燥した無菌の凍結乾燥粉末として密封容器に入れて、少なくとも5mg、さらに好ましくは、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも25mg、少なくとも35mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも75mg、または少なくとも100mgの単位用量にて供給する。別の実施形態においては、MEDI-507を液体剤形で、MEDI-507の量および濃度を示す密封容器に入れて供給する。好ましくは、MEDI-507の液体剤形は、少なくとも0.25mg/ml、さらに好ましくは、少なくとも0.5mg/ml、少なくとも1mg/ml、少なくとも2.5mg/ml、少なくとも5mg/ml、少なくとも8mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも15mg/kg、少なくとも25mg/ml、少なくとも50mg/ml、少なくとも75mg/mlまたは少なくとも100mg/mlで密封容器に入れて供給する。
組成物は、所望であれば、活性成分を含有する1以上の単位剤形を含んでなるパックまたはディスペンサー(dispenser device)で提供することができる。パックは、例えばブリスターパックなどの金属またはプラスチック箔でありうる。パックまたはディスペンサーには投与の説明書を添付してもよい。
一般的に、本発明の組成物の成分は、かかる組成物のレシピエントと同じ種起源または種反応性である被験者から誘導される。従って、好ましい実施形態においては、ヒトまたはヒト化抗体を治療または予防するヒト患者に投与する。
癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善にとって有効でありうる本発明の組成物の量は、標準の臨床技術により決定することができる。製剤に使用する正確な用量はまた、投与経路および症状の重症度にも依存しうるのであって、医師の判断およびそれぞれの患者の状況に従って決定すべきである。有効な用量は、in vitroまたは動物モデル試験システムから誘導した用量-応答曲線から外挿することができる。
小分子の例示の用量は、被験者またはサンプル重量1kg当たり小分子のmgまたはμg量で表して、例えば、約1μg/kg〜約500mg/kg、約100μg/kg〜約5mg/kg、または約1μg/kg〜約50μg/kgを含む。
本発明に包含される抗体、タンパク質、ポリペプチド、ペプチドおよび融合タンパク質について、患者に投与される用量は、典型的には患者体重当たり0.0001〜100mg/kgである。好ましくは、患者に投与される用量は、患者体重当たり0.0001〜20mg/kg、0.0001〜10mg/kg、0.0001〜5mg/kg、0.0001〜2mg/kg、0.0001〜1mg/kg、0.0001〜0.75mg/kg、0.0001〜0.5mg/kg、0.0001〜0.25mg/kg、0.0001〜0.15mg/kg、0.0001〜0.10mg/kg、0.001〜0.5mg/kg、0.01〜0.25mg/kgまたは0.01〜0.10mg/kg、0.1〜10mg/kg、0.1〜6mg/kg、0.1〜5mg/kg、0.5〜10mg/kg、0.5〜6mg/kg、または0.5〜5mg/kgである。一般的に、ヒト抗体はヒト体内で、外来ポリペプチドに対する免疫応答の故に、他の種由来の抗体より長い半減期を有する。従って、ヒト抗体はより低い用量とより少ない投与頻度が可能であることが多い。さらに、本発明の抗体またはそのフラグメントの投与量および頻度を、例えば、リピド化などの改変により抗体の取り込みおよび組織浸透を増大させることによって、低下させることができる。
ある特定の実施形態においては、被験者に、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの0.1mg〜20mg、0.1mg〜15mg、0.1mg〜12mg、0.1mg〜10mg、0.1mg〜8mg、0.1mg〜7mg、0.1mg〜5mg、0.1mg〜2.5mg、0.25mg〜20mg、0.25〜15mg、0.25〜12mg、0.25〜10mg、0.25〜8mg、0.25mg〜7mg、0.25mg〜5mg、0.25mg〜2.5mg、1mg〜20mg、1mg〜15mg、1mg〜12mg、1mg〜10mg、1mg〜8mg、1mg〜7mg、1mg〜5mg、または1mg〜2.5mgの1以上の単位用量を投与して、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善する。
他の実施形態においては、被験者に、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの0.1mg、0.25mg、0.5mg、1mg、1.5mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、または16mgの1以上の単位用量を投与して、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善する。好ましくは、MEDI-507の単位用量を、癌、特にT細胞悪性腫瘍を患う被験者に、静脈内、皮下、筋肉内、口腔内、鼻腔内に投与する。
他の実施形態においては、被験者に、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量(ここで、予防上または治療上有効な量はそれぞれの用量に対して同じではない)の1以上の用量を投与する。さらに他の実施形態においては、被験者に、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量の1以上の用量を投与し、ここで上記被験者に投与される予防または治療上有効な量のMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの用量は、治療の進行とともに、例えば、0.01μg/kg、0.02μg/kg、0.04μg/kg、0.05μg/kg、0.06μg/kg、0.08μg/kg、0.1μg/kg、0.2μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75、μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、15μg/kg、20μg/kg、25μg/kg、30μg/kg、35μg/kg、40μg/kg、45μg/kg、50μg/kg、55、μg/kg、60YG/KG、65μg/kg、70μg/kg、75μg/kg、80μg/kg、85μg/kg、90μg/kg、95μg/kg、100μg/kg、または125μg/kgだけ増加させる。
他の実施形態においては、被験者、好ましくはヒトに、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量の1以上の用量を投与し、ここで上記被験者に投与される予防または治療上有効な量のMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの用量は、治療の進行とともに、例えば、0.01μg/kg、0.02μg/kg、0.04μg/kg、0.05、μg/kg、0.06μg/kg、0.08μg/kg、0.1μg/kg、0.2μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、15μg/kg、20μg/kg、25μg/kg、30μg/kg、35μg/kg、40μg/kg、45μg/kg、50μg/kg、55μg/kg、60μg/kg、65μg/kg、70μg/kg、75μg/kg、80μg/kg、85μg/kg、90μg/kg、95μg/kg、100μg/kg,または125μg/kgだけ減少させる。特定の実施形態においては、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントの予防または治療上有効な量を、毎週、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間またはそれ以上増加させる。
特定の実施形態においては、被験者に、CD2拮抗薬(例えば、CD2結合分子)の0.1〜10mg/kg/週、0.1〜6mg/kg/週、0.1〜5mg/kg/週、0.1〜2.5mg/kg/週、0.5〜10mg/kg/週、0.5〜6mg/kg/週、0.5〜5mg/kg/週、0.5〜2.5mg/kg/週、2〜10mg/kg/週、2〜6mg/kg/週、2〜5mg/kg/週、または4〜6mg/kg/週の用量を、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間またはそれ以上投与する。好ましくは、CD2拮抗薬はMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントである。
ある特定の実施形態においては、被験者の末梢血リンパ球数を、CD2拮抗薬(例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)の1用量の投与前に、中に、および/または後に、当業者に公知のまたは本明細書に記載の技法を用いてモニターする。特定の実施形態においては、末梢血T細胞および/またはNK細胞数を、CD2拮抗薬(例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント)の1用量の投与前に、中に、および/または後に、当業者に公知のまたは本明細書に記載の技術を用いてモニターする。特定の実施形態においては、1000細胞/mm3未満、800細胞/mm3未満、750細胞/mm3未満、500細胞/mm3未満、または450細胞/mm3未満、400細胞/mm3未満、または350細胞/mm3未満の絶対平均末梢血リンパ球数をもつ被験者に、CD2拮抗薬(好ましくは、例えば、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントなどのCD2結合分子)の1用量を投与しない。
CD2拮抗薬(例えば、MEDI-507)以外の癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善するために用いられたことがありまたは現在用いられている予防もしくは治療薬の投与量を、本発明の併用療法で用いることができる。好ましくは、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善するために用いられたことがありまたは現在用いられている投与量より低い投与量を本発明の併用療法に用いる。癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善するために現在用いられている薬剤の推奨投与量は、当技術分野のいずれかの参考文献から得ることができ、限定されるものでないが、Hardmanら, 編, 1996, 「グッドマンとギルマン;治療薬の薬理学的基礎(Goodman and Gilman's : The Pharmacological Basis of Therapeutics)」, 第9版, Mc-Graw-Hill, New York、「医師のデスク参考書(Physician's Desk Reference)」(第55版、2001年), Medical Economics Co., Inc., Montvale, NJ(それぞれ、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる)が挙げられる。
5.7.1 遺伝子療法
特定の実施形態においては、遺伝子療法により、1種以上の予防もしくは治療薬をコードする配列を含んでなる核酸を投与して癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理または改善する。遺伝子療法は、発現された核酸または発現しうる核酸の被験者への投与により行われる治療を意味する。本発明のこの実施形態においては、その核酸は、それらにコードされた予防または治療効果を媒介する予防もしくは治療薬を産生する。
当技術分野で利用しうるいずれの遺伝子療法を本発明に従って利用してもよい。典型的な方法を以下に記載する。
遺伝子療法の一般的総説については、Goldspielら, 1993, Clinical Pharmacy 12:488-505;WuおよびWu, 1991, Biotherapy 3:87-95;Tolstoshev, 1993, Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 32:573-596;Mulligan, Science 260:926-932(1993);ならびにMorganおよびAnderson, 1993, Ann. Rev. Biochem. 62:191-217;May, 1993, TIBTECH 11 (5):155-215を参照すること。組換えDNA技術の分野で一般的に知られておりかつ利用しうる方法は、Ausubelら (編), 「分子生物学の現行プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, John Wiley & Sons, NY (1993);およびKriegler, 「遺伝子導入と発現(Gene Transfer and Expression)」, A Laboratory Manual, Stockton Press, NY (1990)に記載されている。
好ましい態様においては、本発明の組成物は予防もしくは治療薬をコードする核酸を含んでなり、かつその核酸は適当な宿主において前記予防もしくは治療薬を発現する発現ベクターの一部分である。特に、かかる核酸は、抗体コード領域と機能しうる形で連結されたプロモーター、好ましくは、異種プロモーターを有し、かつそのプロモーターは誘導性または構成的であって、場合によっては、組織特異的である。他の特定の実施形態においては、予防もしくは治療薬をコードする配列と任意の他の所望の配列とが、ゲノム中の所望の部位における相同組換えを促進する領域とフランキングしている核酸分子を使用し、それにより、抗体をコードする核酸を染色体内に発現させる(KollerおよびSmithies, 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:8932-8935;Zijlstraら, 1989, Nature 342:435-438)。ある特定の実施形態においては、予防もしくは治療薬が発現される。他の実施形態においては、発現される予防もしくは治療薬は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善にとって有用であることが公知であり、または用いられたことがあり、または現在用いられている薬剤である。好ましい実施形態においては、発現される予防もしくは治療薬はMEDI-507である。
核酸の被験者中への送達は、直接的(すなわち被験者を直接、その核酸または核酸保有ベクターに曝す)、または間接的(すなわち最初に細胞をその核酸を用いてin vitroで形質転換し次いで被験者に移植する)のいずれであってもよい。これらの2つの手法は、それぞれin vivoまたはex vivo遺伝子療法として知られる。
特定の実施形態においては、核酸配列を直接、in vivoに投与し、そこで発現させてコードされた産物を産生させる。これは、当技術分野で公知の多数の方法のいずれかによって達成することができ、例えば、前記核酸配列を適当な核酸発現ベクターの一部分として構築し、それらが細胞内に存在するように投与することにより、例えば、欠陥もしくは弱毒レトロウイルスもしくは他のウイルスベクターを使用する感染により(米国特許第4,980,286号を参照)、または裸のDNAの直接注入により、または微粒子ボンバードメント(例えば、遺伝子銃;バイオリスチック(Biolistic)、Dupont)により、または核酸配列が含有されているin situでの足場(scaffolding)を有するマトリックス(例えば、欧州特許第EP 0 741 785 Bl号および米国特許第5,962,427号を参照)により、または脂質もしくは細胞表面受容体もしくはトランスフェクション剤をコーティングすることにより、またはリポソーム、微粒子、もしくはマイクロカプセルに封入することにより、またはそれらを核に進入することが知られるペプチドと連結して投与することにより、または受容体が媒介するエンドサイトーシスを受けるリガンドと連結して投与することにより(例えば、WuおよびWu, 1987, J. Biol. Chem. 262:4429-4432を参照)(受容体を特異的に発現する細胞型を標的とするのに利用しうる)などにより、実施することができる。他の実施形態においては、エンドソームを破壊する融合性ウイルスペプチドをリガンドが含有しているような核酸-リガンド複合体を形成させることにより、核酸のリソソーム分解を回避することができる。さらに他の実施形態においては、核酸を、特異的受容体にターゲティングすることにより、in vivoで細胞特異的取り込みと発現が行われるようにすることができる(例えば、国際公開WO 92/06180;WO 92/22635;W0 92/20316;W0 93/14188、WO 93/20221を参照)。あるいは、核酸を細胞内に導入し、相同組換えにより宿主細胞DNA内に組み込んで発現させることができる(KollerおよびSmithies, 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:8
932-8935;及びZijlstraら, 1989, Nature 342:435-438)。
特定の実施形態においては、予防もしくは治療薬をコードする核酸配列を含有するウイルスベクターを使用することができる。例えば、レトロウイルスベクターを使用することができる(Millerら, 1993, Meth. Enzymol. 217:581-599を参照)。これらのレトロウイルスベクターは、ウイルスゲノムの正確なパッケージングおよび宿主細胞DNA中への組み込みに必要な構成要素を含有する。遺伝子療法に使用する抗体をコードする核酸配列を、被験者へのその遺伝子の送達を容易にする1以上のベクター中にクローニングする。レトロウイルスベクターのさらなる詳細は、Boesenら, 1994, Biotherapy 6:291-302に見ることができ、本文献には、化学療法に対してさらに耐性のある幹細胞を作る目的でmdr 1遺伝子を造血幹細胞へ送達するためのレトロウイルスベクターの利用が記載されている。遺伝子療法におけるレトロウイルスベクターの使用を説明する他の参考文献は次の通りである:Clowesら, 1994, J. Clin. Invest. 93:644-651;Kleinら, 1994, Blood 83:1467-1473;SalmonsおよびGunzberg, 1993, Human Gene Therapy 4:129-141;ならびにGrossmanおよびWilson, 1993, Curr. Opin. in Genetics and Devel. 3:110-114。
アデノウイルスは遺伝子療法に利用しうる別のウイルスベクターである。アデノウイルスは、気道上皮へ遺伝子を送達するための特に魅力的な運搬体である。アデノウイルスはもともと気道上皮に感染して軽度の疾患を引き起こす。アデノウイルスに基づく送達系の他の標的は、肝臓、中枢神経系、内皮細胞、および筋肉である。アデノウイルスは非分裂細胞に感染できるという利点がある。KozarskyおよびWilson, 1993, Current Opinion in Genetics and Development 3:499-503は、アデノウイルスに基づく遺伝子療法の総説を記載している。Boutら, 1994, Human Gene Therapy 5:3-10は、遺伝子をアカゲザル(rhesus monkeys)の気道上皮へ導入するためのアデノウイルスベクターの利用を実証している。遺伝子療法におけるアデノウイルスの使用の他の例は、Rosenfeldら, 1991, Science 252:431-434;Rosenfeldら, 1992, Cell 68:143-155;Mastrangeliら, 1993, J. Clin. Invest. 91:225-234;国際公開W094/12649;およびWangら, 1995, Gene Therapy 2:775-783に見出すことができる。好ましい実施形態においては、アデノウイルスベクターを使用する。
アデノ随伴ウイルス(AAV)についても遺伝子療法における使用が提案されている(Walshら, 1993, Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 204:289-300;および米国特許第5,436,146号)。
遺伝子療法に対する他の手法は、エレクトロポレーション、リポフェクション、リン酸カルシウム媒介トランスフェクション、またはウイルス感染などの方法により遺伝子を組織培養物の細胞に導入することを伴う。通常、導入方法は、選択マーカーの細胞への導入を含む。従って、細胞を選択条件下に置き、導入された遺伝子を取り込んで発現している細胞を単離する。これらの細胞を次いで被験者に送達する。
この実施形態においては、核酸を細胞中に導入した後、得られる組換え細胞をin vivoへ投与する。かかる導入は、当技術分野で公知のいかなる方法により実施してもよく、そのような方法としては、限定されるものでないが、トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、核酸配列を含有するウイルスもしくはバクテリオファージベクターによる感染、細胞融合、染色体媒介型遺伝子導入、マイクロセル媒介型遺伝子導入、スフェロプラスト融合などが挙げられる。当技術分野では、外来遺伝子を細胞中へ導入する多数の技術が公知であり(例えば、LoefflerおよびBehr, 1993, Meth. Enzymol. 217:599-618;Cohenら, 1993, Meth. Enzymol. 217:618-644;Clin. Pharma. Ther. 29:69-92 (1985)を参照)、受容細胞の必須の発生上および生理学的な機能が破壊されない限り、それらを本発明に従って使用することができる。該技術は、核酸が細胞により発現されうるように、かつ好ましくは、細胞の子孫に伝達され発現されうるように、核酸の細胞への安定した導入を提供するものでなければならない。
得られる組換え細胞は、当技術分野で公知の様々な方法により被験者に送達することができる。組換え血液細胞(例えば、造血幹細胞もしくは造血前駆細胞)を静脈内に投与することが好ましい。想定される細胞使用量は、所望の効果、患者の状態などに依存し、当業者により決定されうる。
遺伝子療法の目的で核酸を導入することができる細胞には、すべての所望の利用しうる細胞型が包含され、限定されるものでないが、上皮細胞、内皮細胞、ケラチノサイト、繊維芽細胞、筋細胞、肝細胞;Tリンパ球、Bリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、マクロファージ、好中球、好酸球、巨核球、顆粒球などの血液細胞;様々な幹細胞もしくは前駆細胞、特に、例えば、骨髄、臍帯血、末梢血、胎児肝などから得られる造血幹細胞もしくは造血前駆細胞が挙げられる。
好ましい実施形態においては、遺伝子療法に利用する細胞は被験者自己由来のものである。
組換え細胞を遺伝子療法に利用する実施形態においては、予防もしくは治療薬をコードする核酸配列を、細胞またはその子孫細胞により発現されうるように細胞中に導入し、次いでその組換え細胞をin vivo投与して予防または治療効果をもたらす。特定の実施形態においては、幹細胞もしくは前駆細胞を使用する。単離しかつin vitroで維持しうるいかなる幹細胞および/もしくは前駆細胞も、本発明のこの実施形態に従って使用できる可能性がある(例えば、PCT公開WO 94/08598;StempleおよびAnderson, 1992, Cell 7 1:973-985;Rheinwald, 1980, Meth. Cell Bio. 21A:229;ならびにPittelkowおよびScott, 1986, Mayo Clinic Proc. 61:771を参照)。
特定の実施形態においては、遺伝子療法の目的で導入される核酸は、コード領域と機能しうる形で連結された構成的、組織特異的、または誘導プロモーターを含んでなる。好ましい実施形態においては、遺伝子療法の目的で導入される核酸は、コード領域と機能しうる形で連結された誘導プロモーターを含んでなり、そのため、適当な転写インデューサーの存在または不在を制御することによりその核酸の発現が制御可能である。
5.8 生物学的アッセイと動物モデル
CD2拮抗薬、特にMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント、および本発明の組成物を、T細胞活性化をモジュレートするその能力についてアッセイすることができる。T細胞活性化は、例えば、サイトカインおよび/またはT細胞活性化マーカーの発現レベルを測定することにより決定することができる。限定されるものでないが、免疫沈降と続いてのウェスタンブロット分析、ELISA、フローサイトメトリー、ノーザンブロット分析、およびRT-PCRを含む当業者に公知の技術を利用して、サイトカインおよびT細胞活性化マーカーの発現を測定することができる。好ましい実施形態においては、
CD2結合分子または本発明の組成物をIFN-γおよび/またはIL-2を誘導するその能力について試験する。
CD2拮抗薬、特にMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント、および本発明の組成物はまた、T細胞シグナル伝達を誘導するその能力についてアッセイすることもできる。CD2拮抗薬または本発明の組成物のT細胞シグナル伝達を誘導する能力は、例えば、キナーゼアッセイおよび電気泳動移動度シフトアッセイによりアッセイすることができる。
CD2拮抗薬、特にMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント、および本発明の組成物をin vitroおよび/またはin vivoでT細胞増殖をモジュレートするその能力について試験することができる。例えば、CD2拮抗薬または本発明の組成物のT細胞増殖をモジュレートするその能力は、3H-チミジン組込み、トリパンブルー細胞数、および蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)によりアッセイすることができる。
CD2拮抗薬、特にMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント、および本発明の組成物をin vitroおよび/またはin vivoで細胞溶解を誘導するその能力について試験することができる。例えば、CD2拮抗薬または本発明の組成物の細胞溶解を誘導するその能力は、例えば、51Cr-放出アッセイによりアッセイすることができる。
CD2拮抗薬、特にMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント、および本発明の組成物をin vitroおよび/またはin vivoで末梢血T細胞の枯渇および/またはNK細胞の枯渇を媒介するその能力について試験することができる。例えば、CD2拮抗薬または本発明の組成物の末梢血T細胞の枯渇を媒介するその能力は、例えば、フローサイトメトリー分析を用いてT細胞数を測定することによりアッセイすることができる。
CD2拮抗薬(例えば、結合分子)を様々な方法で特徴付けることができる。特に、CD2結合分子をCD2ポリペプチドと免疫特異的に結合する能力についてアッセイすることができる。かかるアッセイは、溶液中で(例えば、Houghten, 1992, Bio/Techniques 13:412-421)、ビーズ上で(Lam, 1991, Nature 354:82-84)、チップ上で(Fodor, 1993, Nature 364:555-556)、細菌上で(米国特許第5,223,409号)、胞子上で(米国特許第5,571,698号、第5,403,484号および第5,223,409号)、プラスミド上で(Cullら, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:1865-1869)またはファージ上で(ScottおよびSmith, 1990, Science 249:386-390;Devlin, 1990, Science 249: 404-406;Cwirlaら, 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:6378-6382;ならびにFelici, 1991, J. Mol. Biol. 222:301-310)(これらの参考文献はそれぞれ参照により本明細書にその全文が組み入れられる)実施することができる。CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合すると同定されているCD2結合分子を、次いでCD2ポリペプチドに対する特異性と親和性について試験することができる。
CD2結合分子を、当技術分野で公知のいずれかの方法により、CD2ポリペプチドに対する免疫特異的結合および他のポリペプチドとの交差反応性についてアッセイすることができる。免疫特異的結合と交差反応性を分析するために利用できるイムノアッセイとしては、限定されるものでないが、いくつかを列挙すれば、ウェスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合試験、免疫放射線測定アッセイ、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイを利用する競合および非競合アッセイ系が挙げられる。かかるアッセイは日常的に行われかつ当技術分野では公知である(例えば、Ausubelら, 編, 1994, 「分子生物学の現行プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, Vol.1, John Wiley & Sons, Inc., New York、これは参照により本明細書にその全文が組み入れられる)。例示のイムノアッセイを簡単に以下に(限定を意図するのではないが)記載する。
免疫沈降プロトコルは一般的に、細胞の集団を、タンパク質ホスファターゼおよび/またはプロテアーゼ阻害剤(例えば、EDTA、PMSF、アプロチニン、バナジン酸ナトリウム)を補充したRIPAバッファー(1% NP-40またはTriton X-100、1%デオキシコール酸ナトリウム、0.1% SDS、0.15M NaCl、0.01Mリン酸ナトリウム、pH 7.2、1%トラジロール)などの溶解バッファーに溶解し、目的のCD2結合分子を該細胞溶解物に加え、ある時間(例えば、1〜4時間)40℃にてインキュベートし、プロテインAおよび/またはプロテインGセファロースビーズを細胞溶解液に加え、約1時間以上40℃にてインキュベートし、ビーズを溶解バッファー中で洗浄し、そしてSDS/サンプルバッファーに再懸濁することを含んでなる。目的のCD2結合分子の特定抗原と免疫沈降する能力は、例えばウェスタンブロット分析により評価することができる。当業者であれば、CD2結合分子のCD2ポリペプチドとの結合を増加しかつバックグラウンドを減少するように改変しうるパラメーター(例えば、セファロースビーズによる細胞溶解液の前清澄化)に精通するであろう。免疫沈降プロトコルに関するさらなる考察については、例えば、Ausubelら, 編, 1994, 「分子生物学の現行プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, Vol.1, John Wiley & Sons, Inc., New Yorkの10.16.1を参照されたい。
ウェスタンブロット分析は一般的に、タンパク質サンプルを調製し、タンパク質サンプルをポリアクリルアミド中で電気泳動し(例えば、抗原の分子量に基づいて8%〜20% SDS-PAGE)、タンパク質サンプルをポリアクリルアミドゲルからニトロセルロース、PVDFまたはナイロンなどのメンブランに移し、ブロッキング溶液(例えば、3% BSAまたは無脂肪乳入りのPBS)中でメンブランをブロックし、メンブランを洗浄バッファー(例えば、PBS-Tween 20)で洗浄し、メンブランをブロッキング溶液に希釈した目的のCD2結合分子(例えば、目的の抗体)とともにインキュベートし、メンブランを洗浄バッファーで洗浄し、メンブランをブロッキング溶液に希釈した酵素基質(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)もしくは放射性分子(例えば32Pまたは125I)と複合した抗体(CD2結合分子を認識する)とインキュベートし、メンブランを洗浄バッファーで洗浄し、そしてCD2ポリペプチドの存在を検出することを含んでなる。当業者であれば、検出されるシグナルを増加しかつバックグラウンドノイズを減少するように改変することができるパラメーターに精通するであろう。ウェスタンブロットプロトコルに関するさらなる考察については、例えば、Ausubelら, 編, 1994, 「分子生物学の現行プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, Vol.1, John Wiley & Sons, Inc., New Yorkの10.8.1を参照されたい。
ELISAは、CD2ポリペプチドを調製し、96ウエルマイクロタイタープレートのウエルをCD2ポリペプチドによりコーティングし、酵素基質(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)などの検出可能な化合物と複合した目的のCD2結合分子をウエルに加え、そしてある時間インキュベートして、CD2ポリペプチドの存在を検出することを含んでなる。ELISAにおいて、目的のCD2結合分子を検出可能な化合物と必ずしも複合させる必要はなく;代わりに検出可能な化合物と複合した抗体(目的のCD2結合分子を認識する)をウエルに加えてもよい。さらに、ウエルをCD2ポリペプチドによちコーティングする代わりに、CD2結合分子をウエルにコーティングしてもよい。この場合、コーティングしたウエルにCD2ポリペプチドを加えた後、検出可能な化合物と複合した抗体を加えてもよい。当業者であれば、検出されるシグナルを増加するように改変することができるパラメーターだけでなく当技術分野で公知のELISAの他の変法にも精通するであろう。ウェスタンブロットプロトコルに関するさらなる考察については、例えば、Ausubelら, 編, 1994, 「分子生物学の現行プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, Vol.1, John Wiley & Sons, Inc., New Yorkの11.2.1を参照されたい。
CD2結合分子のCD2ポリペプチドとの結合親和性およびCD2結合分子-CD2ポリペプチド相互作用の解離速度(off-rate)は、競合結合アッセイにより測定することができる。競合結合アッセイの一例はラジオイムノアッセイであって、これは、増加する量の無標識CD2ポリペプチドの存在のもとでの、標識(例えば、3Hまたは125I)したCD2ポリペプチドの目的のCD2結合分子とのインキュベーション、および標識したCD2ポリペプチドと結合したCD2結合分子の検出を含んでなる。CD2結合分子のCD2ポリペプチドに対する親和性(affinity)および解離速度(binding off-rate)は、データからスキャッチャードブロット(scatchard plot)分析により測定することができる。第2のCD2結合分子との競合をラジオイムノアッセイを用いて測定することもできる。この場合、第2の無標識のCD2結合分子の増加する量の存在のもとで、CD2ポリペプチドを標識(例えば、3Hまたは125I)した化合物と複合したCD2結合分子とともにインキュベートする。
好ましい実施形態においては、BIAcore動力学分析を用いてCD2結合分子のCD2ポリペプチドとの会合および解離速度(binding on and off rates)を決定することができる。BIAcore動力学分析は、その表面上にCD2結合分子を固定したチップからの、CD2ポリペプチドの結合および解離を分析することを含んでなる。
他の実施形態においては、CD2結合分子イディオタイプ特異的モノクローナル抗体を用いて、例えば、TおよびNK細胞上のCD2受容体と結合したCD2結合分子を検出し、そして二次抗体試薬を用いて細胞上のモノクローナル抗体を検出することができる。特定の実施形態においては、MEDI-507イディオタイプ特異的モノクローナル抗体、MAb 5e8dを用いて、TおよびNK細胞上のCD2受容体と結合したMEDI-507を検出し、そして二次抗体、フィコエリトリンと複合したヤギ抗マウスIgG(GAM-IgG-PE)を用いて細胞上のMAb 5e8dを検出することができる。CD2を認識するがMEDI-507と競合しないMAb TS2-18を用いてTおよびNK細胞上の全CD2を定量することができる。例示であって限定されるものでないが、MEDI-507投与の前後に被験者から採集した全血のアリコートを、MAb TS2-18、無関係のマウスMAb、またはMAb 5e8dと96ウエルプレート中で混合する。室温でのインキュベーションの後に、赤血球(RBC)を溶解し、溶解したRBCを反応物から洗浄により取除く。次いでサンプルをGAM-IGG-PEとともにインキュベートする。洗浄して未結合の二次抗体を除去した後、サンプルをFACSバッファー中に再懸濁し、ホルマリンで固定し、FACS分析にかける。データ出力を平均チャネル蛍光単位(MCF)として記録することができる。CD2受容体占有率(occumpany)は、式:[(平均実験MCF-平均IgG対照MCF)/(平均CD2レベル対照MCF-平均IgG対照MCF)]x100を用いて計算することができる。
本発明の予防および/または治療プロトコルの毒性および/または有効性を、細胞培養物または実験動物において、標準的な薬学的手法、例えば、LD50(集団の50%に対する致死用量)およびED50(集団の50%における治療有効用量)を決定する方法により決定することができる。毒性と治療効果との間の用量比は治療指数であり、比LD50/ED50として表すことができる。大きい治療指数を示す予防および/または治療薬が好ましい。毒性副作用を示す予防および/または治療薬を使用することはできるが、非感染細胞に対する潜在的損傷を最小限にし、それにより副作用を低減するために、かかる作用物質を病患組織部位に標的化する送達系を設計するように、注意を払わなければならない。
細胞培養アッセイおよび動物研究から得られるデータは、ヒトに使用する予防および/または治療薬の用量範囲を決定するのに使用することができる。かかる作用物質の用量は、好ましくは、毒性がほとんどないかまたは全くなく、ED50を含む循環濃度範囲内のものである。用量は、この範囲内で、使用する剤形や利用する投与経路に依存して様々であってよい。本発明の方法に使用するいかなる作用物質についても、治療上有効な用量を、まずは細胞培養アッセイから見積ることができる。動物モデルにおける用量は、細胞培養で決定されるIC50(すなわち、症状の最大抑制の半分を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するように決定してもよい。かかる情報を利用して、ヒトにおいて有用な用量をさらに正確に決定することができる。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィにより測定することができる。
本発明の医薬組成物または予防もしくは治療薬の複数の態様を、ヒトにおける使用の前に、in vitroすなわち細胞培養系においておよびげっ歯類動物モデル系などの動物モデル生物において、所望の治療活性について試験することが好ましい。例えば、特定の医薬組成物の投与の効果が示されるかどうかを決定するために利用しうるアッセイとしては、患者組織サンプルを培養物として増殖させ、医薬組成物に曝すかまたはさもなくば接触させ、そしてかかる組成物の組織サンプルに与える効果を観察する細胞培養アッセイが挙げられる。組織サンプルは患者から生検により得ることができる。この試験は、それぞれの個々の患者に対して最も効果的な予防もしくは治療薬の同定を可能にする。様々な特定の実施形態においては、癌、特にT細胞悪性腫瘍に関わる細胞型の代表的細胞(例えば、T細胞)を用いるin vitroアッセイを実施して、本発明の医薬組成物がかかる細胞型に所望の効果を与えるかどうかを決定してもよい。
あるいは、患者由来の細胞を培養する代わりに、治療もしくは予防薬を、腫瘍または悪性培養細胞株(例えば、Jurkat)の細胞を用いてスクリーニングすることができる。当技術分野で標準の多数のアッセイを利用してかかる細胞の生存率および/または増殖を評価することができる;例えば、細胞増殖は3Hチミジン組込みを測定することにより、直接細胞数より、プロトオンコジーン(例えば、fos、myc)などの公知遺伝子の転写活性の変化または細胞周期マーカーを検出することにより評価してもよく;細胞生存率はトリパンブルー染色により評価してもよく、分化は形態学の変化に基づいて視覚で評価してもよい。
癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状の予防、治療、管理、または改善に使用するための予防もしくは治療薬は、ヒトにおける使用の前に、適当な動物モデル系において試験することができる。かかるモデルとして利用される動物は、限定されるものでないが、ラット、マウス、ニワトリ、ウシ、サル、ウサギ、ハムスターなどが挙げられる。当技術分野で公知でありかつ広く利用されている、癌、特にT細胞悪性腫瘍に対する適当な動物モデルを用いて、治療もしくは予防薬の有効性および/または毒性を試験することができる。予防もしくは治療薬の有効性および/または毒性を試験するために用いることができる好適な動物モデルの例としては、限定されるものでないが、腫瘍のあるもしくは悪性T細胞(好ましくはヒト悪性T細胞s)を注射したヒトCD2トランスジェニックマウス、腫瘍をもつもしくは悪性T細胞を注射した重症複合免疫不全(SCID)マウス、または腫瘍をもつもしくは悪性T細胞、例えば、MET-1白血病細胞を注射した非肥満性糖尿病(NOD)/SCIDマウスが挙げられる。
さらに当業者に公知のいずれのアッセイを用いて、本明細書に開示した癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善する併用療法の予防および/または治療上の効用を評価することができる。
5.9 抗体の製造方法
抗原と免疫特異的に結合する抗体は、抗体を合成するための当技術分野で公知の任意の方法により、特に化学合成または好ましくは組換え発現技術により製造することができる。
抗原に対して免疫特異的なポリクローナル抗体は、当技術分野で公知の様々な方法により製造することができる。例えば、ヒト抗原を、限定されるものでないが、ウサギ、マウス、ラットその他を含む様々な宿主動物に投与して、ヒト抗原に対して特異的なポリクローナル抗体を含有する血清の産生を誘導することができる。宿主種に依存して様々なアジュバントを使用して、免疫応答を増加させてもよく、かかるアジュバントとしては、限定されるものでないが、フロイントのアジュバント(完全および不完全)、水酸化アルミニウムなどのミネラルゲル、リゾレシチンなどの表面活性物質、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油性エマルジョン、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、およびBCG(カルメット・ゲラン桿菌(bacille Calmette-Guerin))およびコリネバクテリウム・パルブム(corynebacterium parvum)などの潜在的に有用なヒトアジュバントが挙げられる。かかるアジュバントもまた当技術分野では公知である。
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術、組換え技術、およびファージディスプレイ技術、またはそれらの組合せの利用を含む、当技術分野で公知の多種多様な技術を用いて調製することができる。例えば、モノクローナル抗体は、当技術分野で公知であって、例えば、Harlowら, 「抗体:研究室マニュアル(Antibodies: A Laboratory Manual)」, (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 第2版 1988);Hammerlingら, 「モノクローナル抗体とT細胞ハイブリドーマ(Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas)」 563-681に収載 (Elsevier, N. Y., 1981)(前記参考文献は、参照によりその全文が組み入れられる)に教示される方法をはじめとするハイブリドーマ技術を利用して製造することができる。本明細書に用いる用語「モノクローナル抗体」は、ハイブリドーマ技術によって製造される抗体に限定されるものではない。用語「モノクローナル抗体」は、それを製造する方法ではなく、任意の真核生物、原核生物、またはファージクローンを含む単一クローンから得られる抗体を意味する。
ハイブリドーマ技術を用いて特異的抗体を製造しスクリーニングする方法は、当技術分野では日常的に利用されかつ公知である。簡単に説明すると、マウスを、非マウス抗原を用いて免疫感作することができ、そして免疫応答が一度検出されれば(例えば、その抗原に特異的な抗体がマウス血清中に検出されれば)、マウス脾臓を採取して脾細胞を単離する。次いでその脾細胞を公知の技術により任意の適当な骨髄腫細胞、例えばATCCから入手しうる培養細胞株SP20由来の細胞と、融合する。ハイブリドーマを選択し、限定希釈によりクローン化する。次いで、ハイブリドーマクローンを、当技術分野で公知の方法により、本発明のポリペプチドと結合できる抗体を分泌する細胞についてアッセイする。一般的に高レベルの抗体を含有する腹水液は、マウスを陽性ハイブリドーマクローンを用いて免疫感作することにより生成することができる。
従って、本発明は、本発明の抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を培養することを含んでなるモノクローナル抗体を作製する方法、ならびにその方法により製造される抗体を提供するものであり、好ましくは、上記方法におけるハイブリドーマは、非マウス抗原を用いて免疫感作したマウスから単離した脾細胞を骨髄腫細胞と融合し、次いで融合から得たハイブリドーマを、その抗原と結合しうる抗体を分泌するハイブリドーマクローンについてスクリーニングすることにより作製されるものである。
特異的な特定のエピトープを認識する抗体フラグメントは、当業者に公知のいかなる技術により作製してもよい。例えば、本発明のFabおよびF(ab')2フラグメントは、パパイン(Fabフラグメントを生成する)またはペプシン(F(ab')2フラグメントを生成する)などの酵素を用いて、免疫グロブリン分子のタンパク質分解切断により生成することができる。F(ab')2フラグメントは可変領域、軽鎖定常領域および重鎖のCH1ドメインを含有する。さらに、本発明の抗体はまた、当技術分野で公知の様々なファージディスプレイ法を用いて作製することができる。
ファージディスプレイ法においては、機能性抗体ドメインが、同ドメインをコードするポリヌクレオチド配列を保持するファージ粒子の表面に提示される。特に、VHおよびVLドメインをコードするDNA配列を、動物cDNAライブラリー(例えば、罹患組織のヒトまたはマウスcDNAライブラリー)から増幅する。VHおよびVLドメインをコードするDNAをPCRによりscFvリンカーと一緒に組換えて、ファージミドベクター中にクローニングする。そのベクターを大腸菌(E.coli)中にエレクトロポレーションして大腸菌(E.coli)をヘルパーファージに感染させる。これらの方法で使用されるファージは、典型的には、fdおよびM13を含む繊維状ファージであり、VHおよびVLドメインを通常、組換え法によりファージ遺伝子IIIまたは遺伝子VIIIのいずれかに融合させる。特定の抗原と結合する抗原結合ドメインを発現するファージを、抗原により、例えば、標識した抗原または固体表面もしくはビーズに結合もしくは捕獲された抗原を用いて、選択または同定することができる。本発明の抗体を作製するために利用しうるファージディスプレイ法の例としては、Brinkmanら, 1995, J. Immunol. Methods 182:41-50;Amesら, 1995, J. Immunol. Methods 184:177-186;Kettleboroughら, 1994, Eur. J. Immunol. 24:952-958;Persicら, 1997, Gene 187:9-18;Burtonら, 1994, Advances in Immunology 57:191-280;PCT出願第PCT/GB91/01134号;国際公開WO 90/02809、WO 91/10737、WO 92/01047、WO 92/18619、WO 93/11236、WO 95/15982、WO 95/20401、およびW097/13844;ならびに米国特許第5,698,426号、第5,223,409号、第5,403,484号、第5,580,717号、第5,427,908号、第5,750,753号、第5,821,047号、第5,571,698号、第5,427,908号、第5,516,637号、第5,780,225号、第5,658,727号、第5,733,743号、および第5,969,108号に開示された方法が挙げられ、これらはそれぞれ参照によりその全文が本明細書に組み入れられる。
以上の参考文献に記載の通り、ファージ選択の後、ファージからの抗体コード領域を単離し、さらにそれを使用して、ヒト抗体を含む全抗体、または任意の他の所望の抗原結合フラグメントを作製し、それらを、例えば以下に記載のようにして、哺乳類細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母、および細菌を含む任意の所望の宿主にて発現させることができる。組換え法によりFab、Fab'およびF(ab')2フラグメントを製造する技術はまた、国際公開WO 92/22324;Mullinaxら, 1992, BioTechniques 12 (6):864-869;Sawaiら, 1995, AJRI 34:26-34;ならびにBetterら, 1988, Science 240:1041-1043(上記参考文献は参照によりその全文が組み入れられる)に開示された方法などの当技術分野で公知の方法を用いて、使用することができる。
全抗体を作製するために、VHまたはVLヌクレオチド配列、制限酵素切断部位、および制限酵素切断部位を保護するフランキング配列を含むPCRプライマーを用いて、scFvクローン中のVHまたはVL配列を増幅することができる。当業者に公知のクローニング技術を利用して、PCR増幅されたVHドメインをVH定常領域、例えば、ヒトγ4定常領域を発現するベクター中にクローニングし、また、PCR増幅したVLドメインをVL定常領域、例えばヒトκもしくはλ定常領域を発現するベクター中にクローニングすることができる。好ましくは、VHまたはVLドメインを発現するベクターは、EF-1αプロモーター、分泌シグナル、可変ドメイン、定常ドメインおよびネオマイシンなどの選択マーカーに対するクローニング部位を含んでなる。VHおよびVLドメインを、必要な定常領域を発現する1つのベクター中にクローニングすることもできる。次いで、重鎖変換ベクターおよび軽鎖変換ベクターを培養細胞株中に同時トランスフェクトし、当業者に公知の技術を用いて、全長抗体、例えばIgGを発現する安定した一過性の培養細胞株を作製する。
ヒトにおける抗体のin vivo使用、およびin vitro検出アッセイを含む複数の用途について、ヒトまたはキメラ抗体を使用することが好ましい場合がある。完全なヒト抗体は、ヒト被験者の治療のためには特に望ましい。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列由来の抗体ライブラリーを用いる上記のファージディスプレイ法を含む、当技術分野で公知の様々な方法により作製することができる。米国特許第4,444,887号および第4,716,111号、;ならびに国際公開WO 98/46645、WO 98/50433、WO 98/24893、W098/16654、WO 96/34096、WO 96/33735、およびWO 91/10741も参照すること;これらはそれぞれ参照によりその全文が本明細書に組み入れられる。
ヒト抗体はまた、機能性の内因性免疫グロブリンを発現できないがヒト免疫グロブリン遺伝子を発現できるトランスジェニックマウスを用いて製造することもできる。例えば、ヒト重鎖および軽鎖免疫グロブリン遺伝子複合体を、無作為にまたは相同組換えによりマウス胚幹細胞中に導入してもよい。あるいは、ヒト重鎖および軽鎖遺伝子に加えて、ヒト可変領域、定常領域、および多様性領域を、マウス胚性幹細胞中に導入してもよい。相同組換えによりヒト免疫グロブリン遺伝子座を導入して、マウス重鎖および軽鎖免疫グロブリン遺伝子を別々にまたは同時に非機能化してもよい。特に、JH領域のホモ接合性欠失は内因性抗体産生を妨げる。改変した胚幹細胞を増殖させ、胚盤胞中にマイクロインジェクションしてキメラマウスを作る。次いでキメラマウスを交配し、ヒト抗体を発現するホモ接合性子孫を作る。そのトランスジェニックマウスを、通常の方式で、選択した抗原、例えば本発明のポリペプチドの全体もしくは部分を用いて、免疫感作する。その抗原に対するモノクローナル抗体を、免疫感作したトランスジェニックマウスから通常のハイブリドーマ技術を利用して得ることができる。トランスジェニックマウスによって保持されるヒト免疫グロブリントランスジーンはB細胞分化の際に再配列し、その後、クラススイッチおよび体細胞突然変異を受ける。従って、かかる技術を利用して、治療上有用なIgG、IgA、IgMおよびIgE抗体を製造することが可能である。ヒト抗体を製造するためのこの技術の総括については、LonbergおよびHuszar(1995, Int. Rev. Immunol. 13:65-93)を参照すること。ヒト抗体およびヒトモノクローナル抗体を製造するためのこの技術ならびにかかる抗体を製造するためのプロトコルの詳細な考察については、例えば、参照によりその全文が本明細書に組み入れられる、国際公開WO 98/24893、WO 96/34096、およびWO 96/33735;および米国特許第5,413,923号、第5,625,126号、第5,633,425号、第5,569,825号、第5,661,016号、第5,545,806号、第5,814,318号、および第5,939,598号を参照すること。さらに、Abgenix, Inc.(Freemont、CA)およびGenpha
rm(San Jose、CA)などの会社と、選択した抗原に対するヒト抗体を上記と類似の技術を利用して提供する契約を結ぶことができる。
キメラ抗体は、抗体の異なる部分が異なる免疫グロブリンに由来する分子である。キメラ抗体を製造する方法は当技術分野で公知である。例えば、Morrison, 1985, Science 229:1202;Oiら, 1986, BioTechniques 4:214;Gilliesら, 1989, J. Immunol. Methods 125:191-202;ならびに米国特許第5,807,715号、第4,816,567号、第4,816,397号、および第6,331, 415号(これらは本明細書に参照によりその全文が組み入れられる)を参照すること。
ヒト化抗体は、所定の抗原と結合することができ、そして実質的にヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有するフレームワークおよび実質的に非ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有するCDRを含んでなる抗体またはその変異体もしくはそのフラグメントである。ヒト化抗体は、実質的に少なくとも1つの、そして典型的には2つの可変ドメイン(Fab、Fab'、F(ab').sub.2、Fabc、Fv)を含んでなり、ここでCDR領域の全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリン(すなわち、ドナー抗体)のCDR領域と対応しかつフレームワーク領域の全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のフレームワーク領域である。好ましくは、ヒト化抗体はまた、少なくとも免疫グロブリン定常領域(Fc)の一部分、典型的にはヒト免疫グロブリンの一部分を含む。通常、抗体は軽鎖ならびに重鎖の少なくとも可変ドメインの両方を含有するであろう。抗体はまた、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3、およびCH4域を含んでもよい。ヒト化抗体は、IgM、IgG、IgD、IgAおよびIgEを含む免疫グロブリンのいずれのクラス、およびIgG1、IgG2、IgG3およびLGG4を含むいずれのイソ型から選択してもよい。通常、定常ドメインは、ヒト化抗体が細胞傷害活性を示すことが所望される補体固定定常ドメインであり、かつクラスは典型的にはIgG.sub.1である。かかる細胞傷害活性が所望でない場合、定常ドメインはIgG.sub.2クラスである。ヒト化抗体は1以上のクラスまたはイソ型からの配列を含んでもよく、そして所望のエフェクター機能を最適化するための特定の定常ドメインの選択は当技術分野の通常の技術に包含されている。ヒト化抗体のフレームワークおよびCDR領域は正確に親配列に対応する必要はなく、例えば、ドナーCDRまたはコンセンサスフレームワークは少なくとも1つの残基の置換、挿入または欠失により突然変異されていてその部位におけるCDRまたはフレームワーク残基がコンセンサスまたはインポート抗体に対応しないようにしてもよい。しかしかかる突然変異は広汎なものではないであろう。通常、親FRおよびCDR配列の残基と対応しうるヒト化抗体残基は、少なくとも75%、さらにしばしば90%、そして最も好ましくは95%超であろう。ヒト化抗体は、当技術分野で公知の様々な技術を用いて製造することができ、そのような技術としては、限定されるものでないが、CDRグラフト(欧州特許EP 239,400;国際公開WO 91/09967;および米国特許第5,225,539号、第5,530,101号、第5,585,089号)、ベニアリング(veneering)または再表面形成(resurfacing)(欧州特許EP 592,106;EP 519,596;Padlan, 1991, Molecular Immunology 28 (4/5):489-498;Studnickaら, 1994, Protein Engineering 7 (6):805-814;およびRoguskaら, 1994, PNAS 91:969-973)、およびチェーンシャッフリング(chain shuffling)(米国特許第5,565,332号)、ならびに、例えば、米国特許第6,407,213号、第5,766,886号、国際公開WO 93/17105、Tanら, J. Immunol. 169:1119-1125 (2002)、Caldasら, タンパク質 Eng. 13(5):353-360 (2000)、Moreaら, Methods 20(3):267-279 (2000)、Bacaら, J. Biol. Chem. 272(16):10678-10684 (1997)、Roguskaら, タンパク質 Eng. 9(10):895-904 (1996)、Coutoら, Cancer Res. 55(23 Supp):5973s-5977s (1995)、Coutoら, Cancer Res. 55(8):1717-1722 (1995)、Sandhu JS, Gene 150(2):409-410 (1994)、およびPedersenら, J. Mol. Biol. 235(3):959-973 (1994)に開示された技術が挙げられる。しばしば、フレームワーク領域のフレームワーク残基を、CDRドナー抗体由来の対応する残基によって置換して、抗原結合を改変し、好ましくは改良する。これらのフレームワーク置換は、当技術分野で公知の方法によって、例えば、CDRとフレームワーク残基の相互作用をモデル化して抗原結合に重要なフレームワーク残基を同定し、さらに配列比較により特定位置の異常なフレームワーク残基を同定することによって確認する(例えば、本明細書に参照によりその全文が組み入れられる、Queenら, 米国特許第5,585,089号;およびRiechmannら, 1988, Nature 332:323を参照)。
単一ドメイン抗体、例えば、軽鎖を欠く抗体を、当技術分野で公知の方法により作製することができる。Riechmannら, 1999, J. Immuno. 231:25-38;Nuttallら, 2000, Curr. Pharm. Biotechnol. 1(3):253-263;Muylderman, 2001, J. Biotechnol. 74(4):277302;米国特許第6,005,079号;および国際公開WO 94/04678、WO 94/25591、およびWO 01/44301を参照されたい(それぞれ、本明細書に参照により組み入れられる)。
さらに、今度は、抗原(例えば、CD2ポリペプチド)と免疫特異的に結合する抗体を使用し、当業者に公知の技術を用いて、抗原を「模倣する」抗イディオタイプ抗体を作製することができる(例えば、Greenspan & Bona, 1989, FASEB J. 7 (5):437-444;およびNissinoff, 1991, J. Immunol. 147(8):2429-2438を参照)。
5.9.1 抗体をコードするポリヌクレオチド配列
本発明は、抗原と免疫特異的に結合する抗体(例えば、CD2ポリペプチド)またはそのフラグメントをコードするヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチドを提供する。本発明はまた、例えば、先に規定したような、高いストリンジェンシー、中度のもしくは低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件のもとで、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドも包含する。
ポリヌクレオチドを得て、当技術分野で公知のいずれかの方法によりポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定することができる。CD2ポリペプチドに対して免疫特異的な抗体のヌクレオチド配列は、例えば、文献またはGenBankなどのデータベースから得ることができる。LOCD2a/BTI-322、LO-CD2b、およびMEDI-507のアミノ酸配列は既知であるので、これらの抗体をコードするヌクレオチド配列を、当技術分野で公知の方法を利用して(すなわち、特定のアミノ酸をコードすることが知られるヌクレオチドコドンを、抗体をコードする核酸を生成するように組み立てて)決定するることができる。抗体をコードするかかるポリヌクレオチドは、化学合成したオリゴヌクレオチドから組み立てることができ(例えば、Kutmeierら, 1994, BioTechniques 17:242に記載の通り)、これは、簡単に説明すると、抗体をコードする配列の一部分を含有する重複オリゴヌクレオチドの合成、これらのオリゴヌクレオチドのアニーリングおよびライゲーション、次いでライゲートしたオリゴヌクレオチドのPCRによる増幅を伴う。
あるいは、抗体をコードするポリヌクレオチドを、好適な起源由来の核酸から作製することができる。特定の抗体をコードする核酸を含有するクローンが入手できなくても、その抗体分子の配列が既知であれば、その免疫グロブリンをコードする核酸は、化学的に合成することができるし、あるいは、適当な起源(例えば、抗体cDNAライブラリーもしくはそれから作製したcDNAライブラリー、それから単離した核酸、好ましくはポリA+RNA、本発明の抗体を発現するように選択されたハイブリドーマ細胞などの、抗体を発現する任意の組織もしくは細胞)からその配列の3'および5'末端にハイブリダイズする合成プライマーを用いるPCR増幅によるか、または、特定の遺伝子配列に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを用いて、例えばcDNAライブラリーから前記抗体をコードするcDNAクローンを同定してクローニングすることにより、取得することができる。PCRにより作製された増幅核酸は、次いで、当技術分野で公知の方法を用いて複製可能なクローニングベクター中にクローニングすることができる。
抗体のヌクレオチド配列が一度決定されると、抗体のヌクレオチド配列を、ヌクレオチド配列の遺伝子操作に関する当技術分野で公知の方法、例えば組換えDNA技術、位置指定突然変異、PCRなど(例えば、Sambrookら, 1990, 「分子クローニング、研究室マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manual)」, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY、およびAusubelら, 編, 1998, 「分子生物学の現行プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, John Wiley & Sons, NY、に記載の技術を参照、これらの文献は本明細書に参照によりその全文が組み入れられる)を用いて遺伝子操作して、異なるアミノ酸配列を有する抗体を作製し、例えばアミノ酸置換、欠失、および/または挿入を創出することができる。
特定の実施形態においては、1以上のCDRを、慣用される組換えDNA技術を利用してフレームワーク領域内に挿入する。フレームワーク領域は、天然またはコンセンサスフレームワーク領域であってもよく、好ましくはヒトフレームワーク領域である(例えば、ヒトフレームワーク領域の列挙については、Chothiaら, 1998, J. Mol. Biol. 278:457-479を参照)。好ましくは、フレームワーク領域とCDRの組合せにより作製されたポリヌクレオチドは、特定の抗原(例えば、CD2ポリペプチド)と特異的に結合する抗体をコードする。好ましくは先に考察したように、1以上のアミノ酸置換をフレームワーク領域内で引き起こしてもよく、かつ好ましくはそのアミノ酸置換は抗体のその抗原との結合を改良するものである。さらに、かかる方法を利用して、鎖内ジスルフィド結合に参加する1以上の可変領域システイン残基のアミノ酸置換もしくは欠失を引き起こし、1以上の鎖内ジスルフィド結合を欠く抗体分子を作製してもよい。ポリヌクレオチドに対するその他の改変は本発明により包含されかつ当技術分野の範囲内にある。
5.9.2 抗体の組換え発現
抗原と免疫特異的に結合する抗体の組換え発現は、抗体をコードするポリヌクレオチドを含有する発現ベクターの構築を必要とする。本発明の抗体分子をコードするポリヌクレオチドが一度得られると、抗体分子を製造するためのベクターは、当技術分野で公知の技術を利用して組換えDNA技術により作製することができる。例えば、本明細書に参照によりその全文が組み入れられる、米国特許第6,331,415号を参照すること。そこで、抗体をコードするヌクレオチド配列を含有するポリヌクレオチドを発現させることによりタンパク質を製造する方法を本明細書に記載する。当業者に公知の方法を利用して、抗体コード配列および適当な転写および翻訳制御シグナルを含有する発現ベクターを構築することができる。これらの方法としては、例えば、in vitro組換えDNA技術、合成技術、およびin vivo遺伝子組換えが挙げられる。本発明は、従って、本発明の抗体分子、抗体の重鎖もしくは軽鎖、抗体の重鎖もしくは軽鎖可変ドメインまたはそれらの部分、あるいは重鎖もしくは軽鎖のCDRをコードし、プロモーターと機能しうる形で連結されたヌクレオチド配列を含んでなる複製可能なベクターを提供する。かかるベクターは、抗体分子の定常領域をコードするヌクレオチド配列(例えば、国際公開WO 86/05807;国際公開WO 89/01036;および米国特許第5,122,464号を参照)を含んでもよく、また抗体の可変ドメインをかかるベクター中にクローニングして重鎖全体、軽鎖全体、または重鎖全体と軽鎖全体の両方を発現させてもよい。
発現ベクターを通常の技術により宿主細胞に導入し、次いでトランスフェクトした細胞を通常の技術により培養して、本発明の抗体を製造する。従って、本発明は、本発明の抗体もしくはそのフラグメント、あるいはその重鎖もしくは軽鎖またはそれらの一部分、あるいは本発明の一本鎖抗体をコードし、異種プロモーターと機能しうる形で連結されたポリヌクレオチドを含有する宿主細胞を含む。2本鎖抗体を発現させるための好ましい実施形態においては、以下に詳しく説明するように、重鎖および軽鎖の両方をコードするベクターを宿主細胞において同時発現させ、免疫グロブリン分子全体を発現させることができる。
様々な宿主発現ベクター系を利用して、本発明の抗体分子を発現させることができる(例えば、米国特許第5,807,715号を参照)。かかる宿主発現系は、本発明のコード配列を作製し次いで精製するために用いられる運搬体を意味するのみならず、適当なヌクレオチドコード配列を用いて形質転換またはトランスフェクトすると、本発明の抗体分子をin situで発現することができる細胞も意味する。これらとしては、限定されるものでないが、抗体コード配列を含有する組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNAまたはコスミドDNA発現ベクターを用いて形質転換した細菌などの微生物(例えば、大腸菌(E.. coli)および枯草菌(B. subtilis));抗体コード配列を含有する組換え酵母発現ベクターを用いて形質転換した酵母(例えば、サッカロミセス・ピキア(Saccharomyces Pichia));抗体コード配列を含有する組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系;組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)に感染したかもしくは抗体コード配列を含有する組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)を用いて形質転換した植物細胞系;または、哺乳類細胞のゲノム由来のプロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター)もしくは哺乳類ウイルス由来のプロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を含有する組換え発現構築物を保持する哺乳類細胞系(例えば、COS、CHO、BHK、293、NSO、および3T3細胞)が挙げられる。好ましくは、大腸菌(Escherichia coli)などの細菌細胞を、そしてさらに好ましくは、特に組換え抗体分子全体を発現させるために真核細胞を使用して、組換え抗体分子を発現させる。例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞などの哺乳類細胞は、ヒトサイトメガロウイルス由来の主要中初期遺伝子プロモーターエレメントのようなベクターと一緒に使うと、抗体の有効な発現系である(Foeckingら, 1986, Gene 45:101;およびCockettら, 1990, Bio/Technology 8:2)。特定の実施形態においては、1種以上の抗原と免疫特異的に結合する抗体をコードするヌクレオチド配列の発現を、構成的プロモーター、誘導プロモーターまたは組織特異的プロモーターにより調節する。
細菌系においては、様々な発現ベクターを、発現される抗体分子に対して意図される用途に依存して有利に選択することができる。例えば、抗体分子の医薬組成物を作製するために大量のかかるタンパク質を生産する場合には、容易に精製される融合タンパク質産物の高レベルの発現を指令するベクターが望ましい。かかるベクターとしては、限定されるものでないが、抗体コード配列を個々にlac Zコード領域とイン・フレームとなるようにベクター中にライゲートして融合タンパク質を産生させうる大腸菌(E.coli)発現ベクターpUR278(Rutherら, 1983, EMBO 12:1791);pINベクター(Inouye & Inouye, 1985, Nucleic Acids Res. 13:3101-3109;Van Heeke & Schuster, 1989, J. Biol. Chem. 24:5503-5509)などが挙げられる。pGEXベクターを利用して、外来ポリペプチドをグルタチオン-5-トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として発現させることもできる。一般的に、かかる融合タンパク質は可溶であり、マトリックスであるグルタチオンアガロースビーズへの吸着および結合と、それに続く遊離グルタチオンの存在下での溶出により、溶解細胞から容易に精製することができる。pGEXベクターを、トロンビンまたはXa因子プロテアーゼ切断部位を含むように設計し、クローニングした標的遺伝子産物をGST部分から遊離させることができる。
昆虫系においては、オートグラファ・カリフォルニカ核多角体病ウイルス(Autographa californica nuclear polyhedrosis virus)(AcNPV)を、外来遺伝子を発現するベクターとして利用する。該ウイルスは、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞で増殖する。抗体コード配列を個々にそのウイルスの非必須領域(例えば、ポリヘドリン遺伝子)中にクローニングしてAcNPVプロモーター(例えば、ポリヘドリンプロモーター)の制御下に置くことができる。
哺乳類宿主細胞においては、様々なウイルスに基づく発現系を使用することができる。アデノウイルスを発現ベクターとして利用する場合、目的の抗体コード配列を、アデノウイルス転写/翻訳制御複合体、例えば、後期プロモーターおよびトリパータイト(tripartite)リーダー配列とライゲートしてもよい。次いでこのキメラ遺伝子を、in vitroまたはin vivo組換えによりアデノウイルスゲノムに挿入することができる。ウイルスゲノムの非必須領域(例えば、領域E1またはE3)への挿入により、感染宿主において生存可能でかつ抗体分子を発現しうる組換えウイルスを得ることができる(例えば、Logan & Shenk, 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 8 1:355-359を参照)。特定の開始シグナルも、挿入された抗体コード配列の効率的な翻訳に必要でありうる。これらのシグナルとしてはATG開始コドンおよび隣接配列が挙げられる。さらに、開始コドンは所望のコード配列のリーディングフレームと同期していて全インサートの翻訳を保証しなければならない。これらの外因性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、天然および合成の両方の様々な起源のものであってよい。発現効率は、適当な転写エンハンサーエレメント、転写ターミネーターなど(例えば、Bittnerら, 1987, Methods in Enzymol. 153:51-544を参照)を組み入れることにより増強することができる。
さらに、挿入された配列の発現をモジュレートするか、または所望の特定の様式で遺伝子産物を修飾およびプロセシングする宿主細胞株を選択することができる。タンパク質産物のかかる修飾(例えば、グリコシル化)およびプロセシング(例えば、切断)は、タンパク質の機能にとって重要でありうる。異なる宿主細胞は、タンパク質および遺伝子産物の翻訳後プロセシングおよび修飾のための特有かつ特定の機構を有する。適当な細胞系または宿主系を選んで、発現された外来タンパク質の正しい修飾とプロセシングを保証することができる。この目的のために、適切な一次転写のプロセシング、遺伝子産物のグリコシル化およびリン酸化のための細胞機構を持つ宿主真核細胞を使用することができる。かかる哺乳類宿主細胞としては、限定されるものでないが、CHO、VERY、BHK、Hela、COS、MDCK、293、3T3、W138、BT483、Hs578T、HTB2、BT20およびT47D、NSO(内因的に全く免疫グロブリン鎖を産生しないマウス骨髄腫培養細胞株)、CRL7O3OおよびHsS78Bst細胞が挙げられる。
組換えタンパク質の長期間にわたる高収量の生産のためには、安定した発現が好ましい。例えば、安定して抗体分子を発現する培養細胞株を遺伝子操作によって作ることができる。ウイルスの複製起点を含有する発現ベクターを用いるのではなしに、宿主細胞を、適当な発現制御エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)により制御したDNA、および選択マーカーを用いて形質転換することができる。外来DNAの導入後、遺伝子操作した細胞を、1〜2日間富栄養培地で増殖させ、次いで選択培地に切り換えてもよい。組換えプラスミド中の選択マーカーは、選択に対する耐性を付与し、細胞がプラスミドをその染色体中に安定的に組み込み、増殖して細胞巣を形成することを可能にするので、これを次にクローニングして培養細胞株に拡大することができる。この方法を利用して抗体分子を発現する細胞系を遺伝子操作により有利に作製することができる。かかる遺伝子操作で作製した培養細胞株は、抗体分子と直接または間接に相互作用する組成物をスクリーニングしたり評価したりするのに特に有用である。
様々な選択系を利用することができ、限定されるものでないが、例えば単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wiglerら, 1977, Cell 11:223)、ヒポキサンチン-グアニン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska & Szybalski, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 48:202)、およびアデニン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowyら, 1980, Cell 22:8-17)遺伝子が挙げられ、これらはそれぞれtk-、hgprt-またはaprt-細胞において使用することができる。また、以下の遺伝子については代謝拮抗物質耐性を選択の基礎として利用することができる:メトトレキセート耐性を付与するdhfr(Wiglerら, 1980, Natl. Acad. Sci. USA 77:357;O'Hareら, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:1527);ミコフェノール酸耐性を付与するgpt(Mulligan & Berg, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:2072);アミノグリコシドG-418耐性を付与するneo(WuおよびWu, 1991, Biotherapy 3:87-95;Tolstoshev, 1993, Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 32:573-596;Mulligan, 1993, Science 260:926-932;ならびにMorganおよびAnderson, 1993, Ann. Rev. Biochem. 62:191-217;May, 1993, TIB TECH 11 (5):155-215);ならびにハイグロマイシン耐性を付与するhygro(Santerreら, 1984, Gene 30:147)。当技術分野で公知の組換えDNA技法を慣用的に適用して所望の組換えクローンを選択することができ、かかる方法は、例えば、Ausubelら (編), 「分子生物学の現行プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, John Wiley & Sons, NY (1993);Kriegler, 「遺伝子導入と発現:研究室マニュアル(Gene Transfer and Expression, A Laboratory Manual)」, Stockton Press, NY (1990);およびDracopoliら (編), 「ヒト遺伝学の現行プロトコル(Current Protocols in Human Genetics)」, John Wiley & Sons, NY (1994)の第12章及び第13章;Colberre-Garapinら, 1981, J. Mol. Biol. 150:1(これらは参照により本明細書にその全文が組み入れられる)に記載されている。
抗体分子の発現レベルは、ベクター増幅により増加させることができる(総説については、BebbingtonおよびHentschel, 「DNAクローニングでクローニングした哺乳類細胞中の遺伝子を発現させるための遺伝子増幅に基づくベクターの使用(The use of vectors based on gene amplification for the expression of cloned genes in mammalian cells in DNA cloning)」, Vol.3. (Academic Press, New York, 1987)を参照)。抗体を発現するベクター系中のマーカーが増幅可能であれば、宿主細胞培養中に存在するインヒビターレベルの増加は、マーカー遺伝子のコピー数を増加させうる。増幅される領域は、抗体遺伝子と関連しているので、抗体の産生も増加しうる(Crouseら, 1983, Mol. Cell. Biol. 3:257)。
宿主細胞を、本発明の2つの発現ベクター、すなわち、重鎖由来のポリペプチドをコードする第1ベクターと軽鎖由来のポリペプチドをコードする第2ベクターとを用いて同時トランスフェクトすることができる。その2つのベクターは、重鎖ポリペプチドと軽鎖ポリペプチドの同等の発現を可能にする同一の選択マーカーを含有してもよい。あるいは、重鎖ポリペプチドと軽鎖ポリペプチドの両方をコードしかつ発現できる単一ベクターを利用してもよい。かかる状況では重鎖の前に軽鎖を配置して、毒性である遊離の重鎖が過剰になることを避けなければならない(Proudfoot, 1986, Nature 322:52;およびKohler, 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:2 197)。重鎖と軽鎖のコード配列はcDNAまたはゲノムDNAを含んでいてもよい。
本発明の抗体分子が組換え発現により一旦産生されれば、抗体分子は、免疫グロブリン分子を精製するための当技術分野で公知の任意の方法により、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティー、特に、プロテインAの後の特異的抗原に対する親和性、およびサイズ分離カラムクロマトグラフィ)により、遠心分離、溶解度差(differential solubility)により、またはタンパク質を精製する他の任意の標準技術により、精製することができる。さらに、本発明の抗体またはそのフラグメントを、精製を容易にする本明細書に記載されているかまたはさもなくば当技術分野で公知の異種ポリペプチド配列と融合させてもよい。
5.10 ポリペプチドおよび融合タンパク質を製造する方法
ポリペプチドおよび融合タンパク質は、標準組換えDNA技術によりまたはタンパク質合成技術、例えば、ペプチド合成機の使用により、製造することができる。例えば、ポリペプチドまたは融合タンパク質をコードする核酸分子を、DNA自動合成機を含む、通常の技術により合成することができる。あるいは、遺伝子断片のPCR増幅を、2つの連続した遺伝子断片の間を相補的にオーバーハングするアンカープライマーを用いて実施し、次いでそれらをアニーリングして再増幅することによりキメラ遺伝子配列を作製することができる(例えば、「分子生物学の現行プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, Ausubelら, 編, John Wiley & Sons, 1992を参照)。さらに、生物活性分子をコードする核酸を、Fcドメインまたはそのフラグメントを含有する発現ベクター中にクローニングして、その生物活性分子がFcドメインまたはFcドメインのフラグメントとイン・フレームとなるように連結することができる。
ポリペプチドを抗体の定常領域に融合または複合する方法は、当技術分野では公知である。例えば、米国特許第5,336,603号、第5,622,929号、第5,359,046号、第5,349,053号、第5,447,851号、第5,723,125号、第5,783,181号、第5,908,626号、第5,844,095号、および第5,112,946号;欧州特許EP 307,434;EP 367,166;EP 394,827;国際公開WO 91/06570、WO 96/04388、WO 96/22024、WO 97/34631、およびWO 99/04813;Ashkenaziら, 1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:10535-10539;Trauneckerら, 1988, Nature, 331:84-86;Zhengら, 1995, J. Immunol. 154:5590-5600;およびVilら, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:11337-11341(これらは本明細書に参照によりその全文が組み入れられる)を参照すること。
生物活性分子およびFcドメインまたはそのフラグメントをコードするヌクレオチド配列は、当業者が利用しうる任意の情報から(すなわち、Genbank、文献から、または慣用的なクローニングにより)得ることができる。ポリペプチドまたは融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を、適当な発現ベクター、すなわち、挿入されたタンパク質コード配列の転写と翻訳に必要なエレメントを含有するベクター中に挿入してもよい。様々な宿主-ベクター系を、本発明においてタンパク質コード配列を発現させるために使用することができる。これらとしては、限定されるものでないが、ウイルス(例えば、ワクシニアウイルス、アデノウイルスなど)に感染させた哺乳類細胞系;ウイルス(例えば、バキュロウイルス)に感染させた昆虫細胞系;酵母ベクターを含有する酵母などの微生物;またはバクテリオファージ、DNA、プラスミドDNA、もしくはコスミドDNAを用いて形質転換した細菌が挙げられる。ベクターの発現エレメントは、その強度と特異性が様々でありうる。使用する宿主-ベクター系に応じて、様々な好適な転写および翻訳エレメントの任意のものを使用することができる。
ポリペプチドまたは融合タンパク質の発現は、当技術分野で公知の任意のプロモーターもしくはエンハンサーエレメントにより制御することができる。融合タンパク質をコードする遺伝子の発現を制御するのに利用しうるプロモーターとしては、限定されるものでないが、SV40初期プロモーター領域(BernoistおよびChambon, 1981, Nature 290:304-310)、ラウス肉腫ウイルスの3'長末端反復配列に含有されるプロモーター(Yamamoto,ら, 1980, Cell 22:787-797)、ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター(Wagnerら, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 78:1441-1445)、メタロチオネイン遺伝子の調節配列(Brinsterら, 1982, Nature 296:39-42)、テトラサイクリン(Tet)プロモーター(Gossenら, 1995, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 89:5547-5551);β-ラクタマーゼ・プロモーター(Villa-Kamaroff,ら, 1978, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 75:3727-3731)もしくはtacプロモーター(DeBoer,ら, 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 80:21-25などの原核生物発現ベクター;また「組換え細菌由来の有用タンパク質(Useful proteins from recombinant bacteria)」, in Scientific American, 1980,242: 74-94も参照)も参照;ノパリンシンセターゼプロモーター領域(Herrera-Estrellaら, Nature 303:209-213)またはカリフラワーモザイクウイルス35SRNAプロモーター(Gardnerら, 1981, Nucl. Acids Res. 9:2871)を含んでなる植物発現ベクター、および光合成酵素リブロース二リン酸カルボキシラーゼのプロモーター(Herrera-Estrellaら, 1984, Nature 310:115-120);Gal 4プロモーターなどの酵母または他の真菌由来のプロモーターエレメント、ADC(アルコールデヒドロゲナーゼ)プロモーター、PGK(ホスホグリセロールキナーゼ)プロモーター、アルカリホスファターゼプロモーター、ならびに組織特異性を示しトランスジェニック動物において利用されている次の動物性転写制御領域:膵臓腺房細胞において活性のあるエラスターゼI遺伝子制御領域(Swiftら, 1984, Cell 38:639-646;Ornitzら, 1986, Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 50:399-409;MacDonald, 1987, Hepatology 7:425-515);膵臓β細胞において活性のあるインスリン遺伝子制御領域(Hanahan, 1985, Nature 315:115-122)、リンパ系細胞において活性のある免疫グロブリン遺伝子制御領域(Grosschedlら, 1984, Cell 38 :647-658;Adamesら, 1985, Nature 318 :533-538;Alexanderら, 1987, Mol. Cell. Biol. 7:1436-1444)、精巣細胞、乳腺細胞、リンパ系細胞および肥満細胞において活性のあるマウス乳癌ウイルス制御領域(Lederら, 1986, Cell 45:485-495)、肝臓において活性のあるアルブミン遺伝子制御領域(Pinkertら, 1987, Genes and Devel. 1:268-276)、肝臓において活性のあるα-フェトプロテイン遺伝子制御領域(Krumlaufら, 1985, Mol. Cell. Biol. 5:1639-1648;Hammerら, 1987, Science 235:53-58);肝臓において活性のあるα1-抗トリプシン遺伝子制御領域(Kelseyら, 1987, Genes and Devel. 1:161-171)、骨髄性細胞において活性のあるβグロビン遺伝子制御領域(Mogramら, 1985, Nature 315:338-340;Kolliasら, 1986, Cell 46:89-94);脳内の乏突起膠細胞において活性のあるミエリン塩基性タンパク質遺伝子制御領域(Readheadら, 1987, Cell 48:703-712);骨格筋において活性のあるミオシン軽鎖-2遺伝子制御領域(Sani, 1985, Nature 314:283-286);ニューロン細胞において活性のあるニューロン特異的エノラーゼ(NSE)(Morelliら, 1999, Gen. Virol. 80:571-83);ニューロン細胞において活性のある脳由来の神経栄養因子(BDNF)遺伝子制御領域(Tabuchiら, 1998, Biochem. Biophysic. Res. Com. 253:818-823);星状細胞において活性のあるグリア線維酸性タンパク質(GFAP)プロモーター(Gomesら, 1999, Braz J Med Biol Res 32 (5):619-631;Morelliら, 1999, Gen. Virol. 80:571-583)、および視床下部において活性のある性腺刺激ホルモン放出ホルモン遺伝子制御領域(Masonら, 1986, Science 234:1372-1378)が挙げられる。
特定の実施形態においては、ポリペプチドまたは融合タンパク質の発現は構成的プロモーターにより調節される。他の実施形態においては、ポリペプチドまたは融合タンパク質の発現は誘導プロモーターにより調節される。他の実施形態においては、ポリペプチドまたは融合タンパク質の発現は組織特異的プロモーターにより調節される。
特定の実施形態においては、使用するベクターは、ポリペプチドもしくは融合タンパク質をコードする核酸と機能しうる形で連結されたプロモーター、1以上の複製起点、および、場合によっては、1以上の選択マーカー(例えば、抗生物質耐性遺伝子)を含んでなる。
哺乳類宿主細胞においては、様々なウイルスに基づく発現系を利用することができる。アデノウイルスを発現ベクターとして利用する場合、ポリペプチドまたは融合タンパク質をコードする配列を、アデノウイルス転写/翻訳制御複合体、例えば、後期プロモーターおよびトリパータイトリーダー配列とライゲートしてもよい。このキメラ遺伝子を、次いでin vitroもしくはin vivo組換えにより、アデノウイルスゲノムに挿入することができる。ウイルスゲノムの非必須領域(例えば、領域E1またはE3)中への挿入は、感染宿主において生存可能でかつ抗体分子を発現できる組換えウイルスをもたらす(例えば、Logan & Shenk, 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:355-359を参照)。特定の開始シグナルも、挿入した融合タンパク質コード配列の効率的な翻訳に必要でありうる。これらのシグナルとしては、ATG開始コドンと隣接配列が挙げられる。さらに、開始コドンは、所望のコード配列のリーディングフレームと同期していて全インサートの翻訳を保証するものでなければならない。これらの外因性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、天然および合成の両方の様々な起源のものであってよい。発現効率は、適当な転写エンハンサーエレメント、転写ターミネーターなどを組み入れることにより増強することができる(Bittnerら, 1987, Methods in Enzymol. 153:51-544を参照)。
ポリペプチドまたは融合タンパク質をコードする遺伝子のインサートを含有する発現ベクターは、3つの一般的手法:(a)核酸ハイブリダイゼーション、(b)「マーカー」遺伝子機能の存在もしくは非存在、および(c)挿入した配列の発現により、同定することができる。第1の手法においては、発現ベクター中のポリペプチドまたは融合タンパク質をコードする遺伝子の存在を、ポリペプチドまたは融合タンパク質をそれぞれコードする挿入した遺伝子と相同的である配列を含んでなるプローブを用いて核酸ハイブリダイゼーションにより検出することができる。第2の手法においては、組換えベクター/宿主系は、ポリペプチドまたは融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列のベクター中への挿入により生じる、ある特定の「マーカー」遺伝子機能(例えば、チミジンキナーゼ活性、抗生物質耐性、形質転換表現型、バキュロウイルス中の封入体(occlusion body)形成など)の存在または非存在に基づいて同定しかつ選択することができる。例えば、もし融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列がベクターのマーカー遺伝子配列内に挿入されれば、融合タンパク質インサートをコードする遺伝子を含有する組換え体は、マーカー遺伝子機能の不在により同定することができる。第3の手法においては、組換え発現ベクターは、組換え体が発現する遺伝子産物(例えば、融合タンパク質)をアッセイすることにより同定することができる。かかるアッセイは、例えば、in vitroアッセイ系における融合タンパク質の物理的または機能的特性、例えば、抗生物活性分子抗体との結合に基づくものでもよい。
さらに、挿入した配列の発現をモジュレートするか、または遺伝子産物を所望する特定の様式で修飾しプロセシングする宿主細胞株を選んでもよい。特定のプロモーターからの発現は、特定のインデューサーの存在のもとで増加させることができ;従って、遺伝子操作した融合タンパク質の発現を制御することができる。さらに、色々な宿主細胞は、翻訳時および翻訳後のプロセシングおよび修飾(例えば、タンパク質のグリコシル化、リン酸化)のための特有かつ特異的な機構を有する。適当な培養細胞株または宿主系を選んで、発現される外来タンパク質の所望の修飾およびプロセシングを保証することができる。例えば、培養細胞株における発現は非グリコシル化産物を産生するし、酵母における発現はグリコシル化産物を産生する。適切な一次転写物のプロセシング、遺伝子産物のグリコシル化およびリン酸化のための細胞機構を持つ宿主真核細胞を、使用することができる。かかる哺乳類宿主細胞としては、限定されるものでないが、CHO、VERY、BHK、Hela、COS、MDCK、293、3T3、WI38、NSO、および、特に、ニューロン培養細胞株、例えば、SK-N-AS、SK-N-FI、SK-N-DZヒト神経芽細胞腫(Sugimotoら, 1984, J. Natl. Cancer Inst. 73:51-57)、SK-N-SHヒト神経芽細胞腫(Biochim. Biophys. Acta, 1982,704:450-460)、Daoyヒト小脳髄芽腫(Heら, 1992, Cancer Res. 52:1144-1148)、DBTRG-05MGグリア芽腫細胞(Kruseら, 1992, In Vitro Cell. Dev. Biol. 28A:609-614)、IMR-32ヒト神経芽腫(Cancer Res., 1970,30:2110-2118)、1321N1ヒト星状細胞腫(Proc. Natl Acad. Sci. USA, 1977,74:4816)、MOG-G-CCMヒト星状細胞腫(Br. J. Cancer, 1984,49:269)、U87MGヒトグリア芽腫-星状細胞腫(Acta Pathol. Microbiol. Scand., 1968,74:465-486)、A172ヒトグリア芽腫(Olopadeら, 1992, Cancer Res. 52:2523-2529)、C6ラット神経膠腫細胞(Bendaら, 1968, Science 161:370-371)、Neuro-2aマウス神経芽細胞腫(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1970,65:129-136)、NB41A3マウス神経芽細胞腫(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1962, 48:1184-1190)、SCPヒツジ脈絡叢(Bolinら, 1994, J. Virol. Methods 48:211-221)、G355-5、PG-4ネコ正常星状細胞(Haapalaら, 1985, J. Virol. 53:827-833)、Mpfフェレット脳(Trowbridgeら, 1982, In Vitro 18:952-960)などのニューロン培養細胞株、および、正常培養細胞株、例えばCTX TNA2ラット正常皮質脳(Radanyら, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:6467-6471)、例えば、CRL7030およびHs578Bstが挙げられる。さらに、色々なベクター/宿主発現系が、異なる程度のプロセシング反応を引き起こしうる。
組換えタンパク質の長期間にわたる高収量の産生のためには、安定した発現が好ましい。例えば、ポリペプチドまたは融合タンパク質を安定して発現する細胞系を遺伝子操作によって作ることができる。ウイルスの複製起点を含有する発現ベクターを用いるのではなしに、宿主細胞を、適当な発現制御エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)により制御されるDNA、および選択マーカーを用いて形質転換してもよい。外来DNAの導入後、遺伝子操作した細胞を、1〜2日間富栄養培地で増殖させ、次いで選択培地に切り換えてもよい。組換えプラスミド中の選択マーカーは、選択に対する耐性を付与し、細胞がプラスミドをその染色体中に安定的に組み込み、増殖して細胞巣を形成することを可能にするので、これを次にクローン化して培養細胞株に拡張することができる。この方法を利用して、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するポリペプチドまたは融合タンパク質を発現する培養細胞株を遺伝子操作により有利に作製することができる。かかる遺伝子操作で作製した培養細胞株は、CD2ポリペプチドと免疫特異的に結合するポリペプチドまたは融合タンパク質の活性に影響を与える化合物をスクリーニングし評価するのに特に有用である。
様々な選択系を利用することができ、限定されるものでないが、例えば、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wiglerら, 1977, Cell 11:223)、ヒポキサンチン-グアニン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska & Szybalski, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 48:2026)、およびアデニン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowyら, 1980, Cell 22:817)遺伝子が挙げられ、これらはそれぞれtk-、hgprt-またはaprt-細胞にて使用することができる。また、次の遺伝子については、代謝拮抗物質耐性を選択の基礎として利用することができる:メトトレキセート耐性を付与するdhfr遺伝子(Wiglerら, 1980, Natl. Acad. Sci. USA 77:3567;O'Hareら, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:1527);ミコフェノール酸耐性を付与するgpt遺伝子(Mulligan & Berg, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:2072);アミノグリコシドG-418耐性を付与するneo遺伝子(Colberre-Garapin,ら, 1981, J. Mol. Biol. 150:1);ならびにハイグロマイシン耐性を付与するhygro遺伝子(Santerreら, 1984, Gene 30:147)。
本発明のポリペプチドまたは融合タンパク質が組換え発現により一旦産生されれば、タンパク質を精製するための当技術分野で公知の任意の方法、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティー、特に、プロテインAの後の特異的抗原に対する親和性、およびサイズ分離カラムクロマトグラフィ)により、遠心分離、溶解度差により、またはタンパク質を精製するための他の任意の標準技術により、それらを精製することができる。
5.11 キット
本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善するために有効な量のCD2拮抗薬を充填した1以上の容器を含む医薬パックまたはキットを提供する。好ましい実施形態においては、本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善するために有効な量のMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントを充填した1以上の容器を含む医薬パックまたはキットを提供する。本発明はまた、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善するために有効な量の、1種以上のCD2拮抗薬および1種以上の他の予防もしくは治療薬を充填した1以上の容器を含む医薬パックまたはキットも提供する。本発明はまた、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善するために有効な量の、1種以上の本発明の医薬組成物を充填した1以上の容器を含む医薬パックまたはキットも提供する。場合によっては、かかる容器には、医薬または生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府当局が指定した形式で、ヒト投与用の製造、使用または販売に対する行政当局による認可を記載した注意書きを添付することができる。
5.12 製品
本発明はまた完成した包装しかつ標識した医薬製品も包含する。本製品は、適当な単位投与剤形を、ガラスバイアルもしくは他の密栓した容器などの適当な容器中に含有する。非経口投与用に好適な投与剤形の場合、活性成分、例えば、CD2拮抗薬、特にMEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントは無菌でありかつ微粒子を含まない溶液として投与するのに好適である。言い換えれば、本発明は非経口溶液および凍結乾燥粉剤の両方を包含し、それぞれは無菌であり、かつ後者は注射前に再調合するのに好適である。あるいは、単位投与剤形は、経口、経皮、鼻腔内、または局所送達用に好適な固体であってもよい。
好ましい実施形態においては、単位投与剤形は、静脈内、筋肉内、鼻腔内、経口、局所または皮下送達用に好適である。従って本発明は、溶液、好ましくは無菌でそれぞれの送達経路に好適な溶液を包含する。
いずれの医薬製品とも同じように、包装材料および容器は、貯蔵および輸送中の製品の安定性を保護するように設計する。さらに、本発明の製品は、医師、技師または患者に、問題の疾患または障害を巧く予防、治療、管理、または改善する方法を手引きするための、使用の指示書または他の情報材料を含んでもよい。言い換えれば、製品は、限定されるものでないが、実投与量、モニタリング方法、全リンパ球、肥満細胞数、T細胞数、IgE産生、および他のモニタリング情報を含む、投与治療計画を示すまたは示唆する指示手段を含むものである。
特に、本発明は、箱、瓶、チューブバイアル、コンテナ容器、噴霧器、吸入器、静脈内注入(i.v.)バッグ、袋などの包装材料;および前記包装材料内に収容された少なくとも1つの単位剤形の医薬を含んでなる製品であって、上記医薬はCD2拮抗薬、特に、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント、および本発明の組成物を含有し、かつ上記包装材料は上記抗体が、本明細書に記載の特定の用量を投与することによりかつ特定の投与治療計画を用いることにより、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善するために利用することができることを示す指示手段を含む上記製品を提供する。
本発明はまた、箱、瓶、チューブバイアル、コンテナ容器、噴霧器、吸入器、静脈内注入(i.v.)バッグ、袋などの包装材料;および前記包装材料内に収容された少なくとも1つの単位剤形の医薬を含んでなる製品であって、上記医薬の1つはCD2拮抗薬、特に、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメントおよび本発明の組成物を含有しかつその他の医薬は第2の異なる抗体を含有し、そして上記包装材料は上記薬剤が、本明細書に記載の特定の用量を投与することによりかつ特定の投与治療計画を用いることにより、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善するために利用することができることを示す指示手段を含む上記製品も提供する。
特に、本発明は、箱、瓶、チューブバイアル、コンテナ容器、噴霧器、吸入器、静脈内注入(i.v.)バッグ、袋などの包装材料;および前記包装材料内に収容された少なくとも1つの単位剤形の医薬を含んでなる製品であって、上記医薬の1つはCD2拮抗薬、特に、MEDI-507、その類似体、誘導体または抗原結合フラグメント、または本発明の組成物を含有し、かつ上記包装材料は上記抗体が、本明細書に記載の特定の用量を投与することによりかつ特定の投与治療計画を用いることにより、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善するために利用することができることを示す指示手段を含む上記製品を提供する。
本発明は、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善するために使用する製品に同封した情報資料において、本発明の方法により低下または回避しうる副作用を示すことを提示する。本発明の方法により低下または回避しうる副作用としては、限定するものでないが、生命徴候の異常(熱、頻脈、徐脈、高血圧、低血圧)、血液学的事象(貧血、リンパ球減少症、白血球減少症、血小板減少症)、頭痛、悪寒、めまい、吐き気、無力症、背痛、胸痛(胸部圧迫感)、下痢、筋肉痛、疼痛、そう痒、乾癬、鼻炎、発汗、注射部位反応、および血管拡張が挙げられる。CD2拮抗薬および本発明の組成物は免疫抑制性があるので、長期にわたる免疫抑制は、日和見感染を含む感染のリスクを増加するであろう。長期にわたる持続的な免疫抑制はまた、特定の型の癌の発症リスクの増加ももたらしうる。
さらに、癌、特にT細胞悪性腫瘍、またはその1以上の症状を予防、治療、管理、または改善するために使用する製品に同封される情報資料は、外来タンパク質が、アナフィラキシーを含むアレルギー反応、またはシトシン放出症候群をももたらす可能性があることを示すことがありうる。情報資料は、アレルギー反応が軽度のそう痒性発疹としてのみ示されることもあるし、または紅皮症、スチーブンス・ジョンソン症候群、血管炎、またはアナフィラキシーのように重篤なこともありうることを示さなければならない。情報資料はまた、アナフィラキシー反応(アナフィラキシー)は重篤でありかつ時には致命的な過敏性反応であることも示さなければならない。アナフィラキシーを含むアレルギー反応は、いかなる外来タンパク質が体内に注入された場合にも起こりうる。これらは、じんま疹もしくは発疹などの軽度の症状から致命的な全身性反応までにわたる。アナフィラキシー反応は、暴露直後、通常10分以内に起こる。患者は、知覚異常、血圧低下、喉頭浮腫、精神状態変動、顔面または咽頭の血管性浮腫、気道閉塞、気管支けいれん、じんま疹およびそう痒、血清病、関節炎、アレルギー性腎炎、糸球体腎炎、一過性関節炎、または好酸球増加症を経験しうる。
6 実施例
本実施例は、MEDI-507単独でまたはヒト化抗Tac(HAT)との併用で、成人T細胞白血病(ATL)を治療する際の有効性を実証する。
6.1 材料と方法
雌性NOD/SCIDマウスはJackson Laboratories(Bar Harbor, ME)から購入した。マウス(6〜12週齢)に15x106の新しく単離したMET-1細胞を注射して白血病を確立した。MET-1白血病細胞をマウス中に導入して10〜14日後に、動物の可溶インターロイキン2受容体α(sIL-2Rα)(Tac、CD25)のレベルは1,000〜10,000pg/mLの範囲内にあった。マウスをサロゲート腫瘍マーカーである血清可溶IL-2Rα(Tac、CD25)の比較しうるレベルを有する15マウスのグループに無作為に割当てた。マウスの各グループに、100μgのPBS、HAT、MEDI-507、またはMEDI-507とHATの併用を毎週1回、4週間にわたって静脈内投与した。別のグループには100μgのMEDI-507を毎週1回、6ヶ月にわたって静脈内投与した。1マウス当たり100μgの投与量を用いた理由は、この量が投与の間の週に標的抗原の飽和を維持するために十分であることが分かったからである。腫瘍または治療薬を受けないNOD/SCIDマウスの対照グループが含まれた。
FcRγノックアウトマウスをJeffrey Ravetchの研究室(Rockefeller University、New York、NY)で作製した。腫瘍死滅におけるMEDI-507の機構についてのFcRγの役割を研究するために、FcRγノックアウトマウスおよびFcRγ無傷NOD/SCIDマウスでは非常に高い腫瘍負荷を用いた。高い腫瘍負荷を表す20,000〜90,000pg/mL血清(平均80,000pg/mL)のsIL-2Rαレベルをもつマウスを無作為に10マウスの研究グループに割当てた。FcRγノックアウトマウスの1グループはPBSを受け、第2グループはMEDI-507の毎週腹腔内投与を4回受けた。FcRγ無傷マウスの平行した2つのグループでは、1グループはPBSを受け、他のグループは100μgのMEDI-507の腹腔内投与を4回受けた。
6.1.1 ELISAによる、sIL-Rαおよび可溶性β 2 μ-ミクログロブリンの測定
療法実験を通して、ヒトIL-2Rαおよびヒトβ2ミクログロブリン(β2μ)をサロゲート腫瘍マーカーとして用いた。ヒトIL-2Rαおよびヒトβ2μの血清濃度は、R&D Systems(Minneapolis、MN)から購入した酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)キットを使用して測定した。ELISAは、製造業者のキット挿入品に示されたように実施した。
6.1.2 MEDI-507のMET-1 ATL細胞との結合の分析
MEDI-507のCD2との結合を、療法実験を実施する前に、フローサイトメトリーにより分析した。表現型MET-1白血病細胞は、Phillipsら, 2000, Cancer Res. 60:6977-6984に記載の表現型分析に従って調製した。細胞を1次抗体MEDI-507またはリツキシマブ(rituximab)を用いて氷上で30分間染色し、洗浄し、そして次いで、フルオレセインチオシアネート(FITC)で標識した抗ヒト免疫グロブリンG(IgG)Fcフラグメント抗体を用いて染色した。洗浄後、細胞を、MET-1細胞上のCD2に対するMEDI-507の結合について、Becton Dickinson FACSortフローサイトメーター(San Jose、CA)を用いて分析した。
6.1.3 mAb
CD2を認識するヒト化mAb MEDI-507はBioTransplantから贈られ、HAT、(ダクリズマブ;daclizumab)(ZENAPAX(登録商標)CD25に対するヒト化mAb)はHoffmann-La Roche(Nutley、NJ)から入手した。リツキシマブ(Rituximab)はIDEC Pharmaceuticals(San Diego、CA)から入手した。
6.1.4 統計学
マウスの白血病進行は血清中のヒトβ2μに対するELISAアッセイを用いておよびKaplan-Meier分析を用いてマウスの生存率をモニターすることにより評価した。StatView(SAS Institute, Cary, NC)を用いてKaplan-Meier累積生存率プロットを作製した。アンペアード(unpaired)t検定をβ2μレベルの分析において実施した。
6.2 結果
6.2.1 MET-1 ATL細胞上に発現されたCD2のMEDI-507との結合の実証
蛍光活性化細胞ソーター(FACS)分析を利用して、MEDI-507がMET-1 ATL細胞と結合する(図2A)ことを、B細胞特異的抗CD20mAb、リツキシマブ(図2B)と比較して示した。図2Aにおいて、イソ型対照は塗りつぶした領域で表したが、線で示したのはヒト化抗CD2を表す。図2Bにおいて、塗りつぶした領域はイソ型であり、線で示したのはヒト化抗CD20を表す。
6.2.2 CD2に対するMEDI-507を用いる、ATLの有効な治療
図3は、MET-1 ATL白血病をもつNOD/SCIDマウスグループの研究の第14日、第28日、および第60日における血清レベルヒトβ2μのグラフである。図3は、MET-1 ATL 白血病をもつNOD/SCIDマウスのMET-1 ATL細胞の増殖は、MEDI-507、HAT、およびMEDI-507とHATの併用の100μg/週の静脈内投与によって抑制されることを示す。図3が示すように、PBSを受給した対照グループと比較して、4週MEDI-507(P<0.0001)、4週HAT(P<0.0001)、4週MEDI-507とHATの併用(P<0.0001)、および6ヶ月MEDI-507グループ(P<0.0001)のマウスモデル中のヒトβ2μサロゲート腫瘍マーカーの血清レベルに有意な低下が見られた。
図4は、マウスの異なるグループのKaplan-Meler生存率プロットである。HATの4回の週投与を受けたMET-1 ATL白血病のNOD/SCIDマウスの累積生存率を黒塗りの円で示す。MEDI-507の4回の週投与を受けたMET-1 ATL白血病のNOD/SCIDマウスの累積生存率を図4に大きい菱形で示す。MEDI-507とHATの併用の4回の週投与を受けたMET-1 ATL白血病のNOD/SCIDマウスの累積生存率を図4に三角形で示す。PBSの4回の週投与を受けたMET-1 ATL白血病のNOD/SCIDマウスの累積生存率を図4に×で示す。MEDI-507の週投与を6ヶ月受けたMET-1 ATL白血病のNOD/SCIDマウスの累積生存率を図4に小さい菱形で示す。いずれの治療薬も受けなかったMET-1 ATL白血病に罹ってないNOD/SCIDマウスの累積生存率を図4に正方形で示す。図4に示されるように、MEDI-507、HAT、およびMEDI-507とHATの併用で処置したマウスの生存率は、PBSを投与したマウスと比較して、有意に延長された(P<0.0001)。研究の第70日にPBSグループのマウスは全て死亡したが、4週MEDI-507グループのマウスは67%、HATグループのマウスは53%、MEDI-507とHATの併用グループのマウスは80%、そして6ヶ月MEDI-507グループのマウスは100%、第70日に生存した。6ヶ月MEDI-507グループの生存期間は、他の全てのグループより有意に長く、いずれの腫瘍または治療薬を受けなかった無腫瘍マウスの対照グループと比較し得た。処置開始後の第180日に、無腫瘍、無処置グループの15マウスのうちの13、および6ヶ月MEDI-507グループの15マウスのうちの13は生存し、4週MEDI-507グループの15マウスのうちの6、4週MEDI-507とHAT併用グループの15マウスのうちの8と比較された。HATグループのマウスは全て第114日に死亡した。
図5は、MEDI-507毎週投与を6ヶ月与えたマウスにおいて、ヒトβ2μレベルが投与の全期間を通して漸次減少したことを示す。6ヶ月のMEDI-507の週処置を受けた13生存マウスのうちの12は、6ヶ月末に無検出レベルのヒトβ2μレベルを有した。
研究をさらに2回の実験で繰返したとき、MEDI-507のATLの治療における比較しうる有効性が観察された。
6.2.3 FCRγ発現はMEDI-507作用に或る役割を果たし得る
FcRγノックアウトグループにおいて、MEDI-507の4週投与を受けた動物とPBSのの4週投与を受けた動物との間で生存率の統計的な有意差はなかった(P>0.702)。
図6Aは、FcRγ無傷でMET-1 ATLを保持するNOD/SCIDマウスに対するKAPLAN-MEIER生存率プロットを示す。図6Bは、FcRγをノックアウトしたMET-1 ATLを保持するNOD/SCIDマウスに対するKAPLAN-MEIER生存率プロットを示す。PBSを投与したFcRγノックアウトマウスのグループとMEDI-507を投与したFcRγノックアウトマウスの間の生存率の統計的有意差はなかった。全てのFcRγノックアウトマウスは処置開始の22日内に死亡した。対照的に、MEDI-507を投与したFcRγ無傷のATL保持NOD/SCIDマウスは、PBSを投与したFcRγ無傷のATL保持NOD/SCIDマウスより長く生存した。PBSを投与したFcRγ無傷のマウスは全て処置開始の30日以内に死亡したが、MEDI-507を投与したFcRγ無傷のマウスは全てその時点で生存した。動物生存を40日間続いて観察し、その時点でMEDI-507を投与した10マウスのFcRγ無傷マウスのうち8マウスはまだ生存していた。従ってMEDI-507は、このモデルにおいてFcγに関わるFcRIII受容体の発現と関係がある機構により、ATLに対する有効な治療を提供する。
7 同等物
当業者であれば、本明細書に記載の特定の実施形態に対する多数の同等物を認識しうるかまたはさらに慣用的実験を行うことなく確認できるであろう。かかる同等物は以下の請求項に包含されると考える。
本明細書に記述した全ての公開文献、特許および特許出願は、あたかもそれぞれの個々の公開文献、特許または特許出願が特定してかつ個々に参照により本明細書に組み入れられると示されたのと同じように、参照により本明細書にその全文が組み入れられる。
ヒトCD2アミノ酸配列(配列番号7)を示す。 蛍光活性化細胞ソーター(FACS)を用いた、MEDI-507のMET-1成人T細胞白血病(ATL)細胞との結合の分析である。 MET-1白血病細胞を注射し、そして4回の週用量のPBS、4回の100μg週用量のMEDI-507、4回の100μg週用量のHAT、4回の100μg週用量のMEDI-507とヒト化抗Tac(HAT)の併用、および6ヶ月間の100μg週用量のMEDI-507を投与した、非肥満性糖尿病(NOD)/重症複合免疫不全(SCID)マウス中のヒトβ-2ミクロブロブリン(β2μ)の平均濃度である。 MET-1白血病細胞を注射し、そして4回の週用量のPBS、4回の100μg週用量のMEDI-507、4回の100μg週用量のHAT、4回の100μg週用量のMEDI-507とHATの併用、および6ヶ月間の100μg週用量のMEDI-507を投与したNOD/SCIDマウス、ならびにMET-1白血病細胞を注射せずかつ治療薬を投与しなかったNOD/SCIDマウスのKaplan-Meier生存率プロットである。 MET-1白血病細胞を注射し、そして100μg週用量のMEDI-507を6ヶ月間投与したNOD/SCIDマウスにおいて観察されたヒトβ2μレベルの変化である。 MET-1 FCRγノックアウトおよびFCRγ無傷の、ATLを保持するNOD/SCIDマウスのKaplan-Meier生存率プロットである。
【配列表】
Figure 2006503828
Figure 2006503828
Figure 2006503828

Claims (43)

  1. 癌またはその1以上の症状を治療または改善する方法であって、それを必要とする被験者にMEDI-507またはその抗原結合フラグメントの治療上有効な量を投与することを含んでなる上記方法。
  2. 癌またはその1以上の症状を治療または改善する方法であって、それを必要とする被験者に1種以上のCD2拮抗薬の治療上有効な量を投与することを含んでなり、上記CD2拮抗薬がMEDI-507でないことを条件とする上記方法。
  3. 癌またはその1以上の症状を治療または改善する方法であって、それを必要とする被験者にヒトCD2のアミノ酸残基18、55または59を含むエピトープと免疫特異的に結合する抗体の治療上有効な量を投与することを含んでなり、上記抗体がMEDI-507またはLO-CD2a/BTI-322でないことを条件とする上記方法。
  4. エピトープがヒトCD2のアミノ酸残基55および59を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 癌またはその1以上の症状を治療または改善する方法であって、それを必要とする被験者にヒトCD2とLFA-3の間の相互作用を抑制も妨害もしないCD2拮抗薬の治療上有効な量を投与することを含んでなり、上記CD2拮抗薬がMEDI-507またはLO-CD2a/BTI-322でないことを条件とする上記方法。
  6. さらに上記被験者に、1以上の癌療法の治療上有効な量を投与することを含んでなる、請求項1、2、3または5に記載の方法。
  7. 上記癌療法の少なくとも1つが化学療法、生物学的療法、放射線療法、ホルモン治療または外科療法である、請求項6に記載の方法。
  8. T細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を治療または改善する方法であって、それを必要とする被験者にMEDI-507またはその抗原結合フラグメントの治療上有効な量の用量を投与することを含んでなる上記方法。
  9. T細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を治療または改善する方法であって、それを必要とする被験者にヒトCD2のアミノ酸残基18、55または59を含むCD2エピトープと免疫特異的に結合する抗体の治療上有効な量を投与することを含んでなり、上記抗体がMEDI-507またはLO-CD2a/BTI-322でないことを条件とする上記方法。
  10. エピトープが、ヒトCD2のアミノ酸残基55および59を含む、請求項9に記載の方法。
  11. T細胞悪性腫瘍またはその1以上の症状を治療または改善する方法であって、それを必要とする被験者にヒトCD2とLFA-3の間の相互作用を抑制も妨害もしないCD2拮抗薬の治療上有効な量を投与することを含んでなり、上記CD2拮抗薬がMEDI-507またはLO-CD2a/BTI-322でないことを条件とする上記方法。
  12. 上記MEDI-507の治療上有効な量の投与が上記被験者の生存を延長する、請求項8に記載の方法。
  13. 上記被験者がヒトである、請求項1、2、3、5、8、9または11に記載の方法。
  14. 上記T細胞悪性腫瘍がT前駆細胞新生物または末梢T細胞もしくはNK-細胞新生物である、請求項8、9または11に記載の方法。
  15. 上記T細胞悪性腫瘍がT細胞慢性リンパ性白血病、大顆粒リンパ性白血病、末梢T細胞リンパ腫、血管中心性リンパ腫、腸T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病、成人T細胞リンパ腫、または未分化大細胞リンパ腫である、請求項8、9または11に記載の方法。
  16. 上記T細胞悪性腫瘍が皮膚T細胞リンパ腫でない、請求項8、9または11に記載の方法。
  17. MEDI-507が治療薬と複合されている、請求項8に記載の方法。
  18. 治療薬が異種ポリペプチドである、請求項17に記載の方法。
  19. 治療薬がCD2以外の細胞表面受容体と免疫特異的に結合する抗体である、請求項17に記載の方法。
  20. 上記細胞表面受容体がT細胞またはNK細胞抗原である、請求項19に記載の方法。
  21. 治療薬が腫瘍関連抗原と免疫特異的に結合する抗体である、請求項17に記載の方法。
  22. 少なくとも1つのCD2拮抗薬が治療薬と複合していて、上記治療薬が毒素または放射性元素でないことを条件とする、請求項2に記載の方法。
  23. 上記治療薬が細胞毒である、請求項17に記載の方法。
  24. 上記細胞毒がパクリタキセル、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、エピルビシン、またはシクロホスファミドである、請求項23に記載の方法。
  25. さらに、上記被験者にMEDI-507またはその抗原結合フラグメントの治療上有効な量の1以上の続く用量を投与することを含んでなる、請求項8に記載の方法。
  26. さらに、上記被験者に1以上のT細胞悪性腫瘍に対する標準のまたは実験的療法の治療上有効な量を投与することを含んでなる、請求項8に記載の方法。
  27. さらに、上記被験者に1以上のT細胞悪性腫瘍に対する標準のまたは実験的療法の治療上有効な量を投与することを含んでなる、請求項9または11に記載の方法。
  28. 上記療法の少なくとも1つが抗体治療、サイトカイン治療、化学療法、造血幹細胞移植、T細胞を媒介する治療、生物学的療法、放射線療法、ホルモン治療,または外科療法である、請求項26に記載の方法。
  29. 上記療法の少なくとも1つが抗体治療、サイトカイン治療、化学療法、造血幹細胞移植、T細胞を媒介する治療、生物学的療法、放射線療法、ホルモン治療,または外科療法である、請求項27に記載の方法。
  30. 上記標準または実験的療法がMEDI-507またはその抗原結合フラグメントを投与する前に、同時に、または後に実施される、請求項26に記載の方法。
  31. 上記被験者が先に1以上のT細胞悪性腫瘍に対する標準または実験的療法の投与により処置されているがMEDI-507またはその抗原結合フラグメントの投与により処置されてない、請求項8に記載の方法。
  32. MEDI-507またはその抗原結合フラグメントを静脈内、皮下、筋肉内、口腔内または鼻腔内に投与する、請求項8に記載の方法。
  33. 癌を予防、治療、管理、または改善するために治療上有効な量の1種以上のCD2拮抗薬、および製薬上許容される担体を含む、医薬組成物。
  34. T細胞悪性腫瘍を予防、治療、管理、または改善するために治療上有効な量の1種以上のCD2拮抗薬、および製薬上許容される担体を含む、医薬組成物。
  35. 癌を予防、治療、管理、または改善するために治療上有効な量のMEDI-507またはその抗原結合フラグメント、および製薬上許容される担体を含む、医薬組成物。
  36. T細胞悪性腫瘍を予防、治療、管理、または改善するために治療上有効な量のMEDI-507またはその抗原結合フラグメント、および製薬上許容される担体を含む、医薬組成物。
  37. CD2拮抗薬がMEDI-507でない、請求項33または34に記載の組成物。
  38. CD2拮抗薬が毒素または放射性元素と複合していない、請求項33または34に記載の組成物。
  39. ヒトCD2のアミノ酸残基18、55または59を含むCD2エピトープと免疫特異的に結合する抗体であってMEDI-507またはLO-CD2a/BTI-322でないことを条件とする上記抗体の、癌を予防、治療、管理、または改善するために治療上有効な量、および製薬上許容される担体を含んでなる、医薬組成物。
  40. エピトープがヒトCD2のアミノ酸残基55および59を含む、請求項39に記載の組成物。
  41. ヒトCD2とLFA-3の間の相互作用を抑制または妨害しないCD2拮抗薬であってMEDI-507またはLO-CD2a/BTI-322でないことを条件とする上記CD2拮抗薬の、癌を予防、治療、管理、または改善するために治療上有効な量、および製薬上許容される担体を含んでなる、医薬組成物。
  42. さらに1以上の化学治療薬、放射性治療薬、ホルモン治療薬、または生物学的治療薬を含んでなる、請求項33、34、35、36、39、41、または42に記載の組成物。
  43. CD2拮抗薬がLFA-3TIPでない、請求項33または34に記載の医薬組成物。
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