JP2006500773A - 拡散層の横方向拡散の測定 - Google Patents

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Abstract

ウェーハ加工プロセスにおける更なるステップとして、ドーピングされた層の横方向急峻性を監視するために、どのような半導体ウェーハ加工プロセスをも変更することができる。一実施形態においては、1つ以上のドーピングされた領域を含むテスト構造が、製品ウェーハに形成され(例えば、1つ以上のトランジスタと同時に)、テスト構造の1つ以上の寸法が測定され、ウェーハのその他のドーピング領域における、例えば、同時に形成されたトランジスタにおける横方向急峻性の判断として使用される。テスト構造におけるドーピングされる領域は、お互いに一定の間隔を置いて規則正しく配置することができ、あるいは、隣接するドーピングされた領域間の間隔を変化させて配置されてもよい。あるいは、または、それに加えて、複数のテスト構造が、単一ウェーハに形成されてもよく、それぞれのテスト構造においては、ドーピングされた領域は、一定の空間的間隔で配置され、異なるテスト構造は、異なる空間的間隔を有する。

Description

背景
図1は、従来技術において周知のMOS電界効果トランジスタ(FET)の断面図を示す。このようなMOSトランジスタは、典型的には、ソース領域1sおよびドレイン領域1d、ソース拡張領域2sおよびドレイン拡張領域2d、チャンネル3、ゲート絶縁膜4およびゲート5を含む。ソース領域1sおよびドレイン領域1dは、典型的には、n型ドーピングのためのヒ素によって、あるいは、p型ドーピングのためのホウ素によって、高い濃度でドーピングされる。ドーピングレベルは、約1020ドーパント原子/1立方センチメートルである。領域1sおよび1dのための層は、典型的には、500〜700オングストロームの深さを有する。同様に、拡張領域2sおよび2dは、ソース領域1sおよびドレイン領域1dと同じ型のドーパント原子によって、高い濃度でドーピングされるが、これらの拡張領域は、より浅い深さ、典型的には、300〜500オングストロームの深さを有する。図2Aおよび図2Bは、垂直方向および横方向における(図1において、それぞれ、矢印Aおよび矢印Bに沿った)ドーピングプロフィールを示す。
拡張領域2sおよび2dは、チャンネル領域3に接触する。このトランジスタは、バイアスをゲート5に印加することによって動作する。例えば、領域1s、2s、2d、および、1dが、n型であれば、多数キャリアは、電子である。正の電圧が、ゲート5を介してチャンネル3に印加された場合、薄いゲート絶縁膜4が存在するために、電流は、ゲート5とチャンネル3との間には流れない。しかしながら、正の電圧は、電子をゲート領域3に引きつけ、電子の薄い層(反転層と呼ばれる)を形成し、その薄い層は、ソース拡張部分2sをドレイン拡張部分2dに接続し、ソースとドレインとの間に電流が流れるのを可能にする。ゲート5に印加された電圧が、取り除かれると、チャンネル3における反転層は、存在しなくなり、ソースは、ドレインから分離される。このようにして、トランジスタをターンオンおよびターンオフすることができる。
実際には、様々なソース層およびドレイン層1s、1d、2s、および、2dのドーピングプロフィールは、十分に急峻(箱状)ではない。それらは、通常、拡散プロセスによって形成され、その拡散プロセスは、いくつかの熱サイクルを必要とすることがあり、プロフィールをいくぶん丸みのあるものにする。例えば、図2Aは、ソース拡張部分2sの2つのプロフィール11aおよび11bを図1の矢印Aに沿って示す。線11aは、比較的に急峻なプロフィールを示し、線11bは、それほど急峻ではないプロフィールを示す。加工プロセスにおけるそれぞれのステップは、ある程度の許容誤差を有するので、急峻性のこのような変動(線11aと線11bとの間の)は、加工中の様々な半導体ウェーハにおいて発生することがある。個々のプロセスステップにおける変動あるいは一連のプロセスステップの累積変動は、プロフィールの急峻性を損なうことがある(例えば、線11aから線11bになることがある)。
更に、接合深さは、例えばアニーリング温度の変動のようなプロセス特性に依存して変化することがある。例えば、プロフィール11bは、プロフィール11aよりも深い拡散プロフィールになる。
同様に、横方向プロフィールは、半導体ウェーハ加工の個々のプロセスステップの許容誤差に依存した急峻性の変動を見せる。図2Bは、図1の矢印Bに沿ったプロフィールを示す(矢印Bは、半導体ウェーハの表面に平行にかつその表面のすぐ下に延びる)。プロフィール10saおよび10da(図2B)は、より急峻であり、プロフィール10sbおよび10dbは、それほど急峻ではない。更に、プロフィール10sbおよび10dbは、より遠くまで拡散しており、ソース領域とドレイン領域との間の距離およびチャンネル3の長さを減少させる。横方向拡散による横方向急峻性の低下は、対応する垂直方向急峻性の低下ほど大きくはないと考えられる。しかしながら、横方向急峻性の低下または横方向拡散の増加は、垂直方向急峻性の低下よりも大きな影響をトランジスタの性能に及ぼすことがある。また、横方向および垂直方向の急峻性低下は、様々な原因から発生することがあり、そのために、一方の測定基準は、他方の測定基準とはならない。例えば、表面における変形応力は、ドーパント原子の横方向拡散を助長することがあり、垂直方向においては、影響は見られない。
横方向の拡散および急峻性は、それはトランジスタの速度および回路内の次の段を駆動するトランジスタの能力に直接に影響するので、注意深く制御されなければならない。より小さな横方向急峻性は、プロフィール10sbおよび10db(図2B)のように、ソース拡張部分2sおよびドレイン拡張部分2b(図1)の部分が、より低い濃度でドーピングされることをもたらし、それによって、より大きな抵抗を有することになる。横方向急峻性の低下は、ソース1sとドレイン1d(図1)との間におけるより大きな電圧降下をもたらす直列抵抗成分を作成する。この電圧降下は、次の段を駆動するトランジスタの能力を減少させ、回路の速度を減少させる。更に、ソース拡張部分2sとドレイン拡張部分2dとの間の横方向距離は、チャンネル領域3の長さを規定する。このチャンネル長は、例えば遮断周波数のようなトランジスタのいくつかの特性を直接に決定する。
横方向拡散(アニーリング中に接合が横方向にどれだけ遠くへ移動するかによって識別される)および急峻性(拡散プロフィールの勾配によって定義される)を測定するための従来技術によるいくつかの方法は、トランジスタの電気的なプローブ検査、容量原子間力顕微鏡分析(C−AFM)、および、垂直方向二次イオン質量分析(SIMS)プロフィールからの推定である。
横方向の拡散および急峻性の推定は、トランジスタの電気的なプローブ検査から可能である。この処理は、トランジスタ構造全体に接触することを必要とする。その結果として、電気的なプローブ検査は、ドーピング層が形成されつつありかつトランジスタがまだ未完成であるプロセスのある時点においては非現実的なものである。ソース/ドレインプロセスステップとプローブ検査するための第1の機会との間の時間は、数日または数週間となることがあり、リアルタイムプロセス制御を実施する能力を大きく減少させる。
C−AFMのようなプローブ検査法は、トランジスタを区画しなければならず、また、様々な中間準備ステップを必要とする。たとえこれが完了しても、プローブ検査は、数時間を必要とし、分解能は、典型的には、100Åよりも悪く、プロセス制御のために拡散または急峻性を正確に測定するにはあまりにも貧弱である。
横方向および垂直方向の拡散および急峻性は、同じ物理現象に関連すると仮定して、垂直方向のプロフィール(図2Aに示される種類の)から横方向の拡散および急峻性を推定することも可能である。しかしながら、SIMSのような方法は、時間がかかり、かつ、破壊的であり、そのために、ルーチンインラインプロセス制御には適していない。更に、上述したように、横方向および垂直方向の拡散および急峻性がお互いに完全に関連しないいくつかの状態が存在することもある。
概要
ウェーハ加工プロセスにおける(または、このようなプロセスの発展形における)ステップとして、ドーピング層の横方向の拡散および急峻性を監視するために、どのような半導体ウェーハ加工プロセスでも変更することができる。実施形態によっては、このような監視は、ウェーハ加工プロセスにおける1つ以上のパラメータを制御するために、例えば、プロセスの歩留まりを改善するために、使用される。
具体的には、一実施形態においては、1つ以上のドーピングされた領域を含むテスト構造が、半導体ウェーハに形成され(例えば、1つ以上のトランジスタと同時に)、テスト構造の1つ以上の寸法が、測定され、ウェーハのその他のドーピングされた領域における、例えば、同時に形成されたトランジスタにおける横方向拡散および横方向急峻性の評価として使用される。
上述した種類のテスト構造は、小さくてもよく、例えば、一辺が数ミクロンであってもよく、また、製品ウェーハの所定の位置に配置されてもよい。テスト構造におけるドーピングされた領域は、お互いに一定の間隔を置いて規則正しく配置することができ、あるいは、隣接するドーピングされた領域間の間隔を変化させて配置されてもよい。
あるいは、または、それに加えて、複数のテスト構造が、単一ウェーハに形成されてもよく、それぞれのテスト構造においては、ドーピングされた領域は、一定の空間的間隔で配置され、異なるテスト構造は、異なる空間的間隔を有する。
別の実施形態においては、ほとんど(または、それどころか完全に)ドーピングされた領域およびほとんど(または、それどころか完全に)ドーピングされない領域が、テスト構造に含まれる。これらの領域は、接合深さ変動の影響を較正するのに使用される。別の実施形態においては、リソグラフプロセスにおける変動による線幅誤差の影響を較正するために、フォトレジスト線幅の測定が含まれる。
更に別の実施形態において、ある場合には、ドーピングされた線と空間とからなる構造が、チップのパターンの一部分として得られる。例えば、抵抗は、ドーピングされた線である。これらの場合においては、測定は、テスト構造を必要とせずに、集積回路の能動領域において直接になされる。
一実施形態においては、ウェーハ加工プロセスのリアルタイム制御を実行するために、上述した種類の1つ以上のテスト構造が、ドーピング領域が形成された直後に監視される。しかしながら、また、デバイス特性のこのような評価は、オフラインで実行され(例えば、非製品ウェーハによって)、別の実施形態におけるプロセスの発展形に使用されてもよい。
図面は、正確な縮尺率で示されていないことに注意されたい。
発明の詳細な説明
本発明の一実施形態は、半導体ウェーハにおけるテスト構造の作成、それに続いて、そのテスト構造の1つ以上の特性の非接触型測定に基づくものである。このようなテスト構造特性の測定は、例えば、テスト構造が、同様に、ドーピングされた領域を含めば、例えば、トランジスタのドーピングされた領域における横方向拡散を判断するのに使用することができる。
実施形態によっては、このような測定は、フィードバックプロセスにおいてウェーハ加工プロセスを制御するのに使用される。具体的には、一実施形態においては、処理301(図3A)に示されるように、1つ以上のテスト構造が、例えば、トランジスタの加工と同時に、製品ウェーハにおいて形成される。トランジスタのドーピングされた領域の横方向拡散を判断しなければならない場合、処理301において形成されたテスト構造は、ドーパント原子の打ち込みを必要とする場合もあり、実施形態に応じて、このような打ち込みは、ウェーハのトランジスタを形成するための打ち込みと同時に実行されてもよい。しかしながら、別の実施形態においては、例えば、金属層の特性が判断されなければならない場合に金属層の一部分を形成することによって、その他の種類のテスト構造が、形成されてもよいことに注意されたい。
1つ以上のテスト構造が、形成されると、テスト構造を含有するウェーハは、測定システムに整列させられ(図3Aにおける処理302を参照)、それに続いて、テスト構造の寸法を指示する信号が、非接触型プローブを用いて、測定される(図3Aにおける処理303を参照)。処理304によって示されるように、1つ以上の処理302および303は、例えば、複数のテスト構造のために、反復して実行されてもよく、当業者には明らかなように、その他の種類の測定を挿入されてもよく、あるいは、その他の種類の測定と同時に実行されてもよい。
その後、処理303において実行された測定は、所定の管理限界と比較され、測定値が管理限界の範囲内にあれば、ウェーハの加工は、続行され(図3Aにおける処理306を参照)、それに続いて、同じウェーハにおいて、あるいは、別のウェーハにおいて、更なるテスト構造を形成するために、処理301(上述した)に戻る。測定値が、所定の管理限界の範囲外にあれば、ウェーハの加工に使用されるプロセスパラメータは、変更され(図3Aにおける処理307を参照)、そのずれに応じて、現在のウェーハは、拒絶されてもよく、あるいは、それの代わりに、更に加工されてもよい。
したがって、テスト構造の特性の測定は、ウェーハの加工中に現場で実行され、一実施形態においては、測定ツール314(図3B)は、アニーリング装置313、イオン打ち込み装置311、パターン形成ツール310、および、酸化物マスク除去ツール312のようなその他のウェーハ加工ツールと同じ場所に配置される。ウェーハ331(図3B)は、パターン形成ツール310に入り、そこで、トランジスタに形成されるべき2つのソース拡張部分およびドレイン拡張部分に対応するパターン、また、1つ以上のテスト構造のドーピングされた領域に対応するパターンが、ウェーハ331上に形成される。
一実施形態においては、パターン形成の後かつイオン打ち込みの前に、パターン形成された線の幅が、走査電子顕微鏡(SEM)のような一般的に市販されているツールによって、測定される。この実施形態における線幅の測定は、横方向拡散測定の実行されるべき分析に影響を及ぼし得るリソグラフィックパターン形成における誤差を補正するのに使用される。
その後、ウェーハ331は、イオン打ち込み装置311の中に挿入され、そこで、ドーパント原子が、打ち込まれる。次に、打ち込みマスクが、ツール312によって除去され、ウェーハは、アニーリング装置313内においてアニーリングされる。その後、ウェーハにおけるテスト構造が、処理302〜303を参照して上述したように、ツール314によって評価される。ツール314によって生成される測定信号は、接続321を介してアニーリング装置313に接続されかつ接続322を介してイオン打ち込み装置311に接続されたバス320上に供給されてもよく、それによって、フィードバック信号をそれらのツール311および313に提供する。
あるいは、または、それに加えて、バス320上の測定信号は、接続322を介して工場コンピュータ315に提供されてもよい。工場コンピュータ315は、例えば、後に、ウェーハ331上のデバイスの電気的性能との相関関係を計算するために、測定信号を保管してもよい。
当分野において周知のいくつかの方法のいずれかが、本発明によって製品ウェーハに形成されたテスト構造の寸法またはその他の特性を測定するための処理303(図3A)を実行するのに使用されてもよい。例えば、米国特許出願第09/544,280号、米国特許出願第09/274,821号、および、米国特許出願第09/799,481号に記載された種類の1つ以上の方法が、図3Aおよび図3Bを参照して説明したようにして使用されてもよい。
更に、当業者には明らかなように、特定の用途に応じて、どのような種類のテスト構造でも、本発明の開示に基づいて、製品ウェーハ内に形成されてもよい。
図4Aおよび図4Bは、このようなテスト構造の一実施例を平面図および断面図で示す。図4Aの実施例においては、テスト構造は、いくつかのイオン打ち込み領域13a〜13hを含む(例として、8つの領域が示されるが、パターンに整列させる測定システムの能力または集積回路ダイ内の空間的制約などのその他の要件に応じて、それよりも多いかまたは少ない領域が、使用されてもよい)。
ウェーハにおけるテスト構造の領域13a〜13hは、それぞれ、寸法が同一であってもよく(長方形の箱)、ウェーハ30の上方から方向C(図4B)に沿って見たときに、それらの領域が平行な線分13a〜13hのアレイ(図4A)を形成するように、お互いに平行に配置されてもよい。この実施例においては、領域13a〜13hは、それぞれ、共通直線E(図4A)に対して直角に配置され、そのために、これらの打ち込み領域は、お互いに平行である。
特定の一実施形態においては、打ち込み領域13a〜13hは、中心から中心までの間隔Sおよび領域間距離wを有する。領域13a〜13hを含有するテスト構造を設計する場合、利用できるリソグラフィーの分解能の制約の範囲内においてピッチ(S)を最小限にすることを意図してもよい。これは、例えば横方向拡散による寸法の小さな変動が測定信号に与える影響を増大させる。例えば、リソグラフィーの幾何学的形状に応じて、Sは、0.26μmであるように選択されてもよく、また、wは、0.13μmであるように選択されてもよい。図4Aに示される実施形態においては、Sおよびwは、それぞれ、領域13a〜13hのお互いに隣接するいずれか2つの間で同じであるが、代替の実施形態においては、その他の幾何学的形状が、使用されてもよい。例えば、別の代替の一実施形態においては、距離Sおよび距離wは、所定の方向に、例えば、線Eに沿って左から右に、徐々に増大してもよい。更に、別の実施形態においては、いくつかのこのようなテスト構造が、形成され、距離Sおよび距離wは、テスト構造内においては同じであるが、異なるテスト構造においては、これらの距離が、異なる。
更に、図4Aおよび図4Bに示される実施例においては、それぞれの領域13a〜13hの幅wは、領域間距離wと同じであり、例えば、0.13μmである。しかしながら、wがwに等しくなくても、図3Aに示される方法は、同じように良好に機能する。図3Aの方法を使用するとき、バーの幅と間隔の幅との間には、制約がないことに注意されたい。バーの幅および間隔の幅が異なっても、この方法は、同じように良好に機能する。
上述したように、テスト構造の寸法をできるだけ小さくすることを意図してもよい。この意図は、横方向拡散が間隔wをどれだけ塞ぐかを測定するのを可能にする。この影響は、割合2d/wに比例し、ここで、dは、横方向拡散距離である(係数2は、拡散が両側から発生することに起因する)。例えば、横方向拡散が、d=0.03μmであり、かつ、w=0.13μmであれば、割合の影響は、0.06/0.13または約50%である。wが、より大きければ、例えば、1μmであれば、影響は、ほんの0.06/1または約6%である。したがって、寸法をできるだけ小さくすることを意図してもよい。また、ドーピングされた領域wの幅は、横方向拡散の少なくとも2倍であるように選択されてもよく、それによって、ドーピングされたバー内のドーパントが、横方向拡散によって使い果たされることはない。
隣接する領域13a〜13h間の徐々に増加する間隔Sを使用する実施形態においては、0.26μmから0.5μmまで一定のピッチで増加してもよい(等しいバーおよび間隙)。あるいは、間隙を0.13μmで一定にしかつドーピングされるバーの長さを変化させながら、あるいは、ドーピングされるバーの幅を0.13μmで一定にしかつ間隙を変化させながら、Sを0.26μmから0.5μmまで増加させてもよい。
一実施形態においては、領域13a〜13h(図4A)を形成するのに使用されるイオン打ち込みは、半導体ウェーハに(正規の回路の一部として)存在するトランジスタのソース/ドレイン拡張領域を形成するのに使用されるイオン打ち込みと正確に同じエネルギーおよびドーズ量を有する。テスト構造のためのエネルギーおよびドーズ量は、以下の2つの理由から、そのMOSトランジスタと同じになるように選択されてもよい。第1に、それは、実際のトランジスタドーピングを最もよく表現するからであり、また、第2に、それは、更なるプロセスステップを必要としないからである。図4Aおよび図4Bに示される実施形態においては、ドーパント原子は、深さDr(図4B)まで打ち込まれ、Drは、例えば、50Åであってもよい。これらの打ち込みは、極めて浅くてもよく、典型的には、100Å以下である。この実施形態においては、打ち込みパラメータは、打ち込み種(B、As、P、Sb、など)、エネルギー(典型的には、0.2〜2keV)、および、ドーズ量(典型的には、1×1014〜3×1015原子/cm)である。アニールパラメータは、典型的には、温度(約1000℃)、時間(瞬間的〜10秒)、その温度までのランプアップ速度(50〜200℃/秒)、および、ランプダウン時間(ランプアップ速度と同じ)である。
(図4Bの紙面に垂直な方向に沿った)打ち込み領域13a〜13hの長さ(図4A)は、典型的には、数ミクロン(約10ミクロンかまたはそれ以上)であり、レーザスポット(以下で説明するように、測定中に使用される)をテスト構造に整列させるのを可能にする。したがって、現在可能な約3μmのスポットサイズ(以下で説明する)をより小さくすれば、それに比例して、約10μmである線長Lは、将来、より小さくできる。このような方法の分解能は、一実施形態においては、現在、10Å以下である。
ウェーハ30のアニールに続いて、打ち込み領域のサイズは、図4Cに示されるように、拡散のために増加する。ウェーハ30において最初に形成された領域13a〜13hは、点線で示され、アニールの後、より大きくなっており、領域14a〜14hとして符号を付されている。ここで、領域14a〜14h(図4Cおよび図4D)は、領域間間隔wを有し、ここで、w<wである。例としての値は、w=200nm、w=120nmである。
図4Aおよび図4Bを参照して上述した種類のテスト構造を作るプロセスが、一実施形態として、図5A〜図5Dに示される。まず最初に、フォトレジスト層11が、ウェーハ30の表面に塗布される(図5A)。次に、フォトレジスト層11は、レジストを露光および現像することによってパターン化され、孔12a〜12hが、フォトレジスト層11に作成される(図5B)。
また、トランジスタの1つ以上の部分をシリコンウェーハに同時に作成するために、(上記の段落において)説明したばかりの処理を使用してもよい。実施形態に応じて、例えば、ソース領域とドレイン領域およびそれらの拡張部分は、領域13a〜13hを形成するのと同時に形成されてもよい。もしそうであれば、層11は、テスト構造を形成するのに必要な孔12a〜12hに加えて、トランジスタの形成されるべき領域の位置に孔を有する。あるいは、繰り返すと、実施形態に応じて、ウェーハ30における様々なトランジスタのすべての領域は、説明したばかりの処理から独立した異なる処理によって、形成されてもよい。
領域13a〜13hを孔12a〜12hの下に(また、上述したようなトランジスタを形成するために存在してもよいあらゆるその他の孔の下に)形成するために、イオン打ち込みが実施される。フォトレジスト層11は、その他の場所では、イオン打ち込みを遮蔽する(図5C)。フォトレジスト11は、除去され、打ち込み領域13a〜13hが、基板10に残る(図5D)。
パターン形成領域13a〜13hの幅は、リソグラフィックパターン形成に使用されるマスク上で見られる幅に等しくなくてもよいことに注意されたい。例えば、パターンが、過度に露光されると、線は、広くなることがある。実施形態によっては、線幅に関する知識が、横方向拡散の量を得るのに使用される。このような場合、SEMを用いた実際の線幅の測定は、プロセスの実施形態によっては、プロセスのこの時点に実行される。
最後に、ウェーハは、アニーリングされ、打ち込み領域13a〜13hの拡散を生じさせ、その結果として、拡張されたドーピング領域14a〜14hが、得られる(図5E)。拡張されたドーピング領域14a〜14hは、対応する打ち込み領域13a〜13hよりも距離Vdだけ深く、かつ、水平寸法が距離Hdだけ大きい。水平寸法の変化Hdは、次の経験則、すなわち、横方向拡散は垂直方向拡散の約0.7倍であるという経験則によって、対応する垂直寸法の変化Vdに関係づけられる。ここで説明される種類の方法は、横方向拡散が正確に測定されるので、このような経験則に頼る必要性を除去する。上述したように、このようなステップは、コンタクトホールまたはゲート構造のエッチングのようなトランジスタ加工ステップと組み合わせて実行されてもよい。したがって、テスト構造を形成するために、集積回路を形成するのに通常使用されるステップ、すなわち、テスト構造がなくても通常必要とされるステップを除けば、更なるマスキングステップまたはプロセスステップはなくてもよい。
距離Hdにわたるアニーリング中の横方向拡散は、ドーピング領域14a〜14h(「ドーピングフィンガー」とも呼ばれる)間の間隔wを減少させる。したがって、本発明の一実施形態においては、間隔の減少w−wの測定は、ソース拡張部分2sとドレイン拡張部分2dとの間の横方向拡散の測定値を提供する。この間隔減少の測定は、例えば、図6を参照して以下に説明するように、アニーリングの前後に距離wおよびwを測定することによって実行されてもよい。アニーリング前の距離Wbは、一実施例においては、印刷されたマスクの幅に等しく、SEMを用いて測定されてもよい。アニーリング後の距離Waは、ここで説明される方法を用いて測定される。しかしながら、上述したように、その他の方法が、このような間隔を測定するのに使用されてもよい。ある実施形態においては、間隔減少w−wを計算する代わりに、間隔wかまたは間隔w、または、それらの両方が、プロセス制御を実施するために、個々に使用される。
ドーピングされた領域間の間隔wまたはwを測定するために、実施形態に応じて、1つ以上の光ビームが、テスト構造に照射されてもよい。具体的には、半導体材料の禁制帯幅エネルギーよりも大きなフォトンを有する第1の光ビーム(「ポンプビーム」とも呼ばれる)が、まず最初に、テスト構造上に焦点を合わせられる(図6において処理601によって示されるように)。テスト構造が、そのように照射されたとき、過剰キャリア(電子および正孔)が生成され、過剰キャリア濃度は、より低い濃度でドーピングされた領域においては高く、より高い濃度でドーピングされた打ち込み領域においては低い。更に、第2のビーム(「プローブビーム」とも呼ばれる)が、測定(図6における処理602のように)のために使用され、図7Aにおいて、両方のビーム(これらは、同時に発生する)は、矢印16によって表現され、その矢印16は、また、符号PINを付されている。キャリア濃度の違いは、ドーピングされた領域14a〜14hにおけるキャリア分布よりも高い斜線領域15(図7Aを参照)におけるキャリア分布をもたらす。
図7Bおよび図7Cは、過剰キャリア濃度を深さの関数として示す。これらのグラフは、ポンプビームによって照射されたことによる過剰キャリア濃度、すなわち、生成ビームの変調周波数で変化するキャリア濃度を示す(および、バックグランドキャリアが存在するために通常はより高い総キャリア濃度ではない)。
ドーピングされた領域14a〜14h間に存在する領域においては、過剰キャリア濃度15s(図7B)は、基板10において表面20からドーピングされた領域の端部までずっとほぼ一定(図7B)のままである。ドーピングされた領域の深さは、約200〜400Åである。それよりもはるかに深くまで、すなわち、数ミクロンまで、濃度はほぼ一定のままである。キャリア濃度15sの値は、ポンプビームの強度に依存する。ウェーハ表面20におけるレーザパワーが5mW程度であり、波長が830nmのビームが、直径が3μmのスポット内に焦点を合わせられた照射レベルの場合、過剰キャリア濃度15sは、ビーム径内において、すなわち、照射された領域内において、約1×1018キャリア/cm3である。過剰キャリア濃度は、ビームの外側において、徐々に小さくなる。しかしながら、生成ビーム径の外側で発生することは、プローブビームスポットがポンプビームのスポットの範囲内にある限り、測定方法にとって重要なことではない。
ドーピングされた領域14dを通って引かれた垂直線に沿って、過剰キャリア濃度15d(図7C)は、表面20からの距離が増加するにつれて増加する。ドーピングされた領域14dは、領域14a〜14hと同じである。したがって、図7Aにおいてドーピングされた領域14gを通る垂直切断線7C−7Cにおいても、同じプロフィール(図7C)が、見られる。過剰キャリア濃度15dは、ドーピングセグメント14a〜14hのいずれかを通る切断線に沿った濃度プロフィールである。2つのドーピングセグメント14gと14hとの間の間隙を通る第2の切断線7B−7Bは、その切断線に沿って、図7Bに示される過剰キャリアプロフィールを有する。
それぞれのドーピングされた領域14a〜14hの下にある位置において、典型的には、境界21から数百(200〜300)Åだけ下方において、濃度15d(図7C)は、濃度15s(図7)にほぼ等しくなる。しかしながら、垂直線に沿って基板10からウェーハ表面20に向かって上方へ垂直に進むと、濃度15dは、ドーピングされた領域14dの水平な境界21まで、最初は、一定であり、この境界21において、濃度15dは、急激に低下し、濃度15sより数桁も小さい。図7Aにおいて、破線24は、境界21がドーピングされた領域ごとに存在する平面を示す。
水平方向における急峻性の測定は、以下に説明されるようにして決定されてもよい。なぜなら、有効信号は、(間隙の面積(%))×表面からの信号+(ドーピングされた領域の面積(%))×接合24からの信号であるからである。横方向拡散が、増加するにつれて、ドーピングされた領域の面積の割合は、増加し、かつ、ドーピングされない領域の面積の割合は、減少する。したがって、測定された信号は、横方向拡散の量である。また、測定された信号は、深さ24の関数であり、そのために、接合深さは、測定の一部であり、接合深さは、図10に示されるようにかつ以下で説明されるようにして導き出されてもよい。
シリコンの屈折率は、周知のそれの導電率の関数であり、次の関係式に従って、過剰キャリア濃度とともに線形に増加する。
Figure 2006500773

ここで、Δnは、屈折率の変化であり、Nは、過剰キャリア濃度であり(この場合、暗闇における濃度と照射によるようなキャリアを生成する条件下における濃度との差である)、εは、自由空間の誘電率であり、εは、シリコンの比誘電率であり、mは、キャリア有効質量であり、qは、電子電荷であり、ωは、キャリアを照射する光の周波数である。この関係は、周知のDrudeの電気伝導モデルから得られる(Jackson,Electrodynamicsを参照)。
過剰キャリア濃度によって発生する屈折率の変化の結果として、屈折率の急な勾配が、ドーピングされた領域間のウェーハ表面20において発生し、より小さな勾配が、拡散領域14a〜14hの下部境界21において発生する。しかしながら、表面勾配は、ドーピングされた領域においては極めて小さい(ドーピングされた領域におけるより低い過剰キャリア濃度のために)。また、深さ24における勾配は、ドーピングされた領域14a〜14h間の間隙においては存在しない。なぜなら、間隙領域のその深さにはドーピングステップが存在しないからである。
プローブビーム16(図7A)は、拡散領域14a〜14hの長手方向に沿って偏光されてもよいが(すなわち、図7Aの紙面に垂直な線に沿って偏光される)、プローブビーム16は、また、実施形態に応じて、偏光されなくてもよい。長手方向に平行なポンプビームおよびプローブビームの両方またはどちらか一方の偏光は、2000年3月8日に出願された米国特許出願第09/521,232号に記載されるように、ドーピングされた領域の存在およびそれらの領域間の空間に対する感度を増大させる。プローブビームが半導体ウェーハに入射するとき、様々な反射成分が、発生し、矢印17、18、および、19として図7Aに示される。反射成分17は、材料が空気からシリコンに変化するために、前面20から発生する。プローブビームのこの反射成分17は、過剰キャリア分布15が存在してもしなくても存在する。また、別の反射成分18は、表面20から出射し、半導体10の表面20における過剰キャリア濃度15sにおける急な勾配によって引き起こされる屈折率成分によるものである。更に別の反射成分19は、ドーピングされた領域14a〜14hの下部エッジ21における過剰キャリア濃度15dにおける勾配によるものである。
一実施形態は、第1の光ビームを変調し、かつ、例えば、処理603(図6)によって示されるように、ロックイン増幅器によって第2の光ビームの反射の変調された成分の強度を測定することを含む。しかしながら、成分18および19は、過剰キャリアが存在するときにのみ存在するので、キャリア生成(例えば、第1の光ビームによる)をオンにしてオフにすれば、これらの成分は、その他の反射と区別することができる。したがって、第2の光ビームの反射は、第1の光ビームをオンにして測定され、再度、第1の光ビームをオフにして測定することができ、処理603を実行するために、これらの2つの測定の差を得ることができる。
第1の光ビームの強度が変調される場合、変調周波数は、一実施形態においては、ドーピングされない領域におけるキャリアの寿命の逆数よりも小さい。これは、図7Cにおいて説明されるキャリア分布を形成するのを可能にするために、特定の実施形態において使用される。100マイクロ秒の寿命の場合、周波数は、10kHz以下となるように選択されてもよく、その他の実施形態においては、異なってもよい。測定することのできる信号は、より高い周波数において存在するが、低下させてもよい。したがって、好ましい一実施形態は、より低い周波数を使用する。また、より高い周波数において、搬送波が、生成される。この場合、静的拡散方程式を解いた結果である上述したキャリア濃度分布は、満足できるものではなく、信号は、結果的に、搬送波からの反射と静的分布とを重畳したものとなり、その静的分布は、興味のある信号を提供する。
具体的には、周波数ωで周期的に励起するという条件下における時間依存拡散方程式は、
Figure 2006500773

ここで、Dは、拡散率であり、τは、寿命であり、nは、過剰キャリア濃度であり、jは、(−1)の平方根である。ω≫1/τであれば、第2の項は、虚数であり、波動解が得られる。逆に、ω≪1/τであれば、静的解が得られる。
過剰キャリアの表面濃度によって発生する成分18の相対的強度は、横方向拡散の関数であることに注意されたい。例えば、横方向拡散が、拡散領域間の空間を完全に排除した極端な場合(w=0)を考える。この場合、成分18は、ゼロである。横方向拡散がゼロである反対の場合においては、成分18は、最大となる。したがって、成分18は、横方向拡散によって単調に変化し、それの強度を測定することは、横方向拡散に関係する。
検出器における信号が、反射成分17、18、および、19によって、以下に説明される。表面20からの反射振幅は、成分17および18の和であり、以下のように書くことができる。
Figure 2006500773

ここで、右辺の第1の項は、成分17であり、第2の項は、成分18である。拡散領域の下部側面21からの反射振幅である成分19は、下部側面21まで通過して戻ることによって、位相シフトされ、以下のように書くことができる。
Figure 2006500773

ここで、nは、シリコンの屈折率であり、k=2π/λは、波数であり、ここで、λは、波長であり、zは、表面20と拡散領域の下部側面21との間の距離である。
電力は、反射の和の二乗振幅であり、以下の式によって与えられる。
Figure 2006500773

上記の式において、反射成分rs0は、典型的には、その他の項より数桁も大きいので、2次の項は、省略されている。信号が、フィルタリングされ、dc成分が、除去されると、最後の2つの項だけが残る。
Figure 2006500773

括弧内に2つの項が存在することに注意されたい。2つの項の相対的な大きさは、ウェーハ表面におけるドーピングされた領域とドーピングされない領域との相対的な幅に対応する。更に、第2の項は、ドーピングされた領域の垂直な深さの関数である。
上記の式から、測定される信号はドーピングされた領域およびドーピングされない領域からの信号を線形に重畳したものであることが理解される。一方の極値においては、ウェーハは、ドーピングされず(ドーピングされた領域の幅は、ゼロである)、信号は、ドーピングされないウェーハから得られる信号である。他方の極値においては、ウェーハは、完全にドーピングされ(ドーピング線間の間隙であるドーピングされない領域の幅は、ゼロである)、信号は、ドーピングされたウェーハから得られる信号である。信号は、ドーピングされない表面積に対するドーピングされた表面積の比の関数として、これらの極値間を線形に変化する。
一実施形態においては、図7Dに示されるグラフを用いて、横方向急峻性が見出せる。従来技術による方法を用いてテストされてもよい基準ウェーハに対する別個の較正実験を用いて、レスポンス曲線701が見出せる。これらの実験においては、テスト構造のサンプルが、基準ウェーハにおいて作られ、それに続いて、より長い時間またはより高い温度でアニーリングされる。信号を提供するために、サンプルは、図6を参照して上述したようにして測定される。アニーリングされた拡散領域のDr(図4B)は、SIMS(これは、拡散量の評価を提供する)のような一般的な方法を用いて知ることができる。
一実施例においては、曲線701は、以下の表の値によって定義される。

図7Dにおける符号 値
Sf 20,000μV/条件付き
Sl 17,600μV/条件付き
Sm 18,000μV/条件付き
Su 18,500μV/条件付き
Df 500Å
Du 200Å
Dm 250Å
Dl 300Å

図7Dに示される実施例においては、テスト構造は、幅が2800Åのドーピング線によって形成され、線間の間隔は、2400Åであった。測定された信号は、接合深さが400Åの場合のものであった。
図7Dから理解できるように、曲線701の傾斜領域の後、以下の理由のために、平坦な領域が存在する。最も大きなアニーリング時間および/または温度を有するいくつかの基準ウェーハにおいては、拡散は、拡散領域を完全に接続し、Dxよりも大きい大量の横方向拡散として示されるように(図4D)、間隔wをゼロにし、曲線701を平坦にする。したがって、点Dxの位置は、垂直方向拡散Vdに対する横方向拡散Hd(図4D)の比の量を提供する。なぜなら、それは、横方向拡散Hdが打ち込み領域間の間隔wの半分に等しいときに発生するからであり、その距離wは、マスクパターンによって設定される。
加工中のウェーハ(「製品ウェーハ」とも呼ばれる)における拡散プロセスを制御するのにこの較正曲線701(図7D)を使用することができる。未知のサンプルが、図6を参照して上述したようにして測定され、信号Sを有することが見出せる。この信号は、曲線701から決定されるように、横方向拡散の量Dに対応する。上側信号管理限界SUおよび下側信号管理限界SLを設定することができ、横方向拡散の最大量DUおよび最小量DLに対応する。測定された信号が、これらの限界SUまたはSLを超えると、アラームを発生させてもよく、および/または、調節が自動的になされてもよい。
好ましいハードウェア構成が、図8に示される。キャリア生成レーザ801は、830nmの波長を備えるダイオードポンプレーザ(Spectra Diode Labs,San Jose CA)である。それの出力は、コリメーティングレンズ823とコリメートされ、コリメートされたビーム803を提供する。測定レーザ805は、980nmの波長を備えるダイオードポンプレーザ(Spectra Diode Labs,San Jose CA)である。それの出力は、コリメーティングレンズ807とコリメートされ、コリメートされたビーム809を提供する。
ビーム809および803は、ダイクロイックミラーを用いて合成され、合成ビーム811を生成する。このビームは、50:50ビームスプリッタ812、90:10ビームスプリッタ814、および、対物レンズ815(100X、Olympus,Tokyo,Japan)を通過する。レンズ815は、ビーム811の焦点をウェーハ816の表面に合わせる。反射された信号成分は、再度、レンズ815とコリメートされる。ビームスプリッタ814は、リターンビームの10%をレンズ817およびカメラ818へ逸らし、それらのレンズ817およびカメラ818は、ビームスポットをパターンに整列させるシステムを提供する。
図8に示されていないものは、ピンホールおよび検出器を含む自動焦点システムであり、その自動焦点システムもまた、ビームスプリッタ814によって逸らされたリターンビームの一部分を使用する。リターンビームは、ビームスプリッタ812へ入射し、そのビームスプリッタ812は、リターンビームを光学フィルター819に通過させる。フィルター819は、測定レーザ805からの光は通過させるが、生成レーザ801からの光は遮断する。
送出された成分は、シリコンフォトダイオードである検出器820に到達する。フォトダイオード電流は、インピーダンス変換増幅器824を用いて電圧に変換され、その増幅器824の出力は、ロックイン増幅器825に入力する。ロックイン増幅器825の出力は、ディジタルコンピュータに入力し、そのコンピュータは、信号を受信し、それをユーザまたはその他のデータ収集システムに提供する。ロックイン増幅器825は、レーザ駆動装置821を変調するのに使用される周波数基準を含み、そのレーザ駆動装置821は、変調された駆動装置出力を生成レーザ801に提供する。
上述したことは、本発明の特定の実施形態を説明するものである。当業者には明らかなように、上述した実施形態の更なる実施形態および変形が可能である。
例えば、上述した実施形態の1つは、打ち込みマスク層11として、フォトレジストを使用することに言及している。しかしながら、その他の材料が、使用されてもよく、それどころか、テスト構造の形成を、ウェーハ加工に通常使用されるプロセスフロー内に統合するのに好都合でさえもある。例えば、マスク材料は、二酸化珪素、ポリシリコン、および/または、窒化珪素のような材料を成膜されてもよい。
特定の実施形態が、プロセス制御に関連づけられる。しかしながら、その他の実施形態が、プロセスの発展形に使用されてもよい。例えば、開発エンジニアが、異なるレーザアニール処理(例えば、ドーパント原子を励起するためにシリコンを局所的に加熱するのにレーザビームが使用される)によって実現可能な急峻性を比較したい場合、この測定は、情報を提供することができる。この場合、テスト構造を実現することのできる可能性は、拡大される。なぜなら、もはや標準的なフロー内にうまく収容する必要がないからである。例えば、細いポリラインからなるマスクを使用することができ、スペーサーを配置し(トランジスタのポリシリコンゲートに一般的に適用されるように、ポリラインの側面上に窒化珪素層を配置する)、スペーサーが引き起こし得る変形応力の影響を捕捉するために、マスクを除去する前にアニーリングする。プロセスの発展形のために構造をその他の顧客に適合させることは、実現の可能性において、制限はないが、上述した1つ以上の原理を使用する。
別の実施形態においては、ほとんど(または、完全に)ドーピングされた領域およびほとんど(または、完全に)ドーピングされない領域が、テストパターンに含まれる。「ほとんど」という用語は、領域の大部分(すなわち、領域の50%以上)がその特性を有する状況を網羅することを意図したものである。例えば、ドーピングされたがドーピングされない1つ以上のポケット(または、正孔)を含む領域は、「ほとんど」ドーピングされたと考えられる(なぜなら、領域の大部分はドーピングされているからである)。いくつかの実施形態においては、ここで説明される種類の方法は、このような領域におけるあらゆる2つの割合のドーピングとともに使用される(すなわち、このような実施形態は、100%のドーピングと0%のドーピングに限定されない)。
図9に示されるように、5つのテストパターン930、941、942、943、および、950が、テスト構造に含まれてもよいが、パターン930は、ほとんどドーピングされた領域である(縞のないパターン、100%ドーピング)。パターン950は、ほとんどドーピングされていない領域である(イオン打ち込みがない、0%ドーピング)。パターン941、942、および、943は、それぞれのパターンにおいて、一定の幅を有するドーピングされたバー(「打ち込み領域」とも呼ばれる)を有し、また、3つのパターンにわたって増加する幅を有するドーピングされない領域を有する。その他の実施形態は、その他のパターンまたは異なる数のパターンを使用してもよい。この実施例においては、アニーリングの前の寸法(印刷された寸法と呼ばれる)は、パターン941(50%のドーピング)の場合、バーは0.1μmであり、間隔は0.1μmであり、パターン942(40%のドーピング)の場合、バーは0.1μmであり、間隔は0.15μmであり、パターン943(33%のドーピング)の場合、バーは0.1μmであり、間隔は0.2μmである。
上述した種類の測定は、パターン930、941〜943、および、950上の位置においてなされる。例えば、第1の測定は、パターン930上でなされる。位置901におけるレーザビームが、水平ライン920に沿って、パターン950上の最終的な測定位置902まで走査され、測定が、ライン920に沿ったいくつかの位置のそれぞれにおいてなされる。例えば、5つの測定が、パターン930、941、942、943、および、950を含有する5つの領域においてなされてもよい。別の実施形態においては、より多い数の測定からなるライン走査が、例えば、ライン920に沿って位置901と902との間で100の一定のインクリメントステップによる101の測定が、なされてもよい。一実施例においては、それぞれのパターンは、10μmの幅であり、ステップサイズは、0.5μmであり、101のステップによって50μmの長さのパターンを網羅する。
ウェーハの領域がビームによって照射され、反射されたビームが測定される場合、測定される信号は、測定領域内におけるドーピングされた領域からの信号とドーピングされない領域からの信号とを重畳したものであり、以下の式によって与えられる。
Figure 2006500773

ここで、Sは、信号であり、SおよびSは、それぞれ、ドーピングされた領域からの信号およびドーピングされない領域からの信号であり、FおよびFは、それぞれ、ドーピングされた測定面積の割合およびドーピングされない測定面積の割合である。ドーピングされた測定面積の割合およびドーピングされない測定面積の割合は、以下の式によって与えられることに注意されたい。
Figure 2006500773
Figure 2006500773

ここで、δは、横方向拡散距離であり、Pは、ピッチ(バー間の中心から中心までの間隔)であり、WPDおよびWPは、それぞれ、ドーピングされた領域およびドーピングされない領域の印刷された幅であり(P=WPD+WP)、信号は、以下のように書くことができる。
Figure 2006500773

ここで、FPDおよびFPUは、ドーピングされた測定面積の印刷された割合およびドーピングされない測定面積の印刷された割合である。上記の式を書き換えることによって、横方向拡散は、以下の式で与えられる。
Figure 2006500773

図9に示されるようなテスト構造を使用する利点は、上述の式の中のすべての量が既知であり、それによって、横方向拡散を直接に計算できることである。具体的には、ピッチPは、リソグラフィックマスクによって設定され、事前にわかっているものである。ドーピングされた測定面積の印刷された割合FPDおよびドーピングされない測定面積の印刷された割合FPUは、マスクからかまたはフォトレジストマスクのSEM測定からわかる。ドーピングされた領域からの信号Sは、位置930においてなされる測定によって見出せる。ドーピングされていない領域からの信号SUは、位置950における測定によって見出せる。領域941、942、および、942のそれぞれは、ピッチおよびドーピングされたバーの幅によって設定された異なる印刷された割合FPDおよびFPUを有する。
図10は、印刷されたようにドーピングされた測定面積の割合の関数として変化する一実施例の測定された信号を示す。横方向拡散が存在しなければ、信号は、線1010を辿る。点1030は、ほとんどドーピングされた領域950における信号に対応する(これは、例えば、2000μVであり、接合深さは、350Åである)。点1050は、ほとんどドーピングされていない領域950における信号に対応し、これは、20,000μVである。横方向拡散がゼロおよび30ナノメートルの両方の場合の信号が、以下の表に示される。
Figure 2006500773

横方向拡散がないとき、点1041u、1042u、および、1043uが、領域941、942、および、943において測定される。これらの点は、点1050(ほとんどドーピングされていない領域950上における測定から)と点1030(ほとんどドーピングされた領域930上における測定から)とを結んだ直線上に存在する。しかしながら、横方向拡散があれば、対応する点は、線1020のようなより小さな傾斜を有する直線上に存在する。この直線1020は、点1030、1041d、1042d、および、1043dを結び、点1050の下にある点1051において、垂直軸と交差する。横方向拡散δは、3つの領域941、942、または、943の中の2つの領域からの信号(信号1041d、1042d、または、1043d)を上記の式11に代入することによって見出せる。結果は、1つの領域から得られてもよく、あるいは、精度を改善するために、いくつかの領域からの値を平均してもよい。
ここで説明された実施形態の多くのこのような変更、適合、および、変形は、添付の特許請求の範囲に含められる。
従来技術による半導体ウェーハ、すなわち、MOS電界効果トランジスタの構造を示す断面図である。 従来技術による半導体ウェーハの拡張層2sを通る図1の矢印Aに沿ったドーピングプロフィールを示すグラフである。 従来技術による半導体ウェーハのトランジスタをウェーハ表面に平行に通る図1の矢印Bに沿ったドーピングプロフィールを示すグラフである。 本発明に基づいてプロセスがうまく制御されているかどうかを判定するためにテスト構造の寸法の測定を使用することを説明する判定フローチャートである。 本発明に基づいてその他のウェーハ加工ツールとともにテスト構造測定ツールを現場で使用することを説明するブロック構成図である。 本発明の一実施形態によるトランジスタのドーピングされた領域の横方向拡散を判断するためのテスト構造を説明する平面図である。 本発明の一実施形態によるトランジスタのドーピングされた領域の横方向拡散を判断するためのテスト構造を説明する断面図である。 酸化物マスク11を除去してアニーリングした後の図4Aおよび図4Bのテスト構造を説明する平面図である。 酸化物マスク11を除去してアニーリングした後の図4Aおよび図4Bのテスト構造を説明する断面図である。 図4Cおよび図4Dに示される種類のテスト構造を作成するプロセスを説明する一連の断面図である。 図4Cおよび図4Dに示される種類のテスト構造を作成するプロセスを説明する一連の断面図である。 図4Cおよび図4Dに示される種類のテスト構造を作成するプロセスを説明する一連の断面図である。 図4Cおよび図4Dに示される種類のテスト構造を作成するプロセスを説明する一連の断面図である。 図4Cおよび図4Dに示される種類のテスト構造を作成するプロセスを説明する一連の断面図である。 測定のプロセスを説明するフローチャートである。 照射されている図4Aおよび図4Bのテスト構造を示し、また、表面キャリア分布および深部キャリア分布からの反射成分を示す断面図である。 表面反射成分PRSCによって測定したときの隣接するドーピングされた領域14bと14cとの間の中心線に沿った深さの関数として過剰キャリア濃度を示すグラフである。 深部反射成分PRJCによって測定したときのドーピングされた領域14dの中心線に沿った深さの関数として過剰キャリア濃度を示すグラフである。 基準ウェーハからの横方向拡散の関数として示す測定信号の較正プロットを説明するグラフであり、どのようにして測定値が横方向拡散値に変換されるかまたどのようにして管理限界がプロセスのために設定されるかを示す。 図6に示されるようにしてテスト構造を評価するためのハードウェア構成を説明するブロック構成図である。 ほとんどドーピングされた領域およびほとんどドーピングされない領域を含む構造を全体にわたって走査することを説明する断面図である。 直線の勾配から横方向拡散を引き出すことを説明するグラフである(これは、ドーピングが増加するにつれて、測定される信号が減衰することを示す)。
符号の説明
801…キャリア生成レーザ、803…コリメーティングレンズ、805…測定レーザ、807…コリメーティングレンズ、809…コリメートされたビーム、810…ダイクロイックミラー、811…合成ビーム、812…50:50ビームスプリッタ、814…90:10ビームスプリッタ、815…対物レンズ、816…ウェーハ、817…レンズ、818…カメラ、819…フィルター、820…検出器、821…レーザ駆動装置、823…コリメーティングレンズ、824…インピーダンス変換増幅器、825…ロックイン増幅器。

Claims (21)

  1. 半導体ウェーハを評価するための方法であって、
    所定の幾何学的形状を有するテスト構造を半導体材料に形成するステップであって、前記テスト構造が、お互いに分離される複数の領域を備え、複数の領域の少なくとも1つの領域が、ほとんどドーピングされるかまたはほとんどドーピングされないかのいずれかである、ステップと、
    前記テスト構造から反射された光を測定するステップであって、前記反射された光が、前記少なくとも1つの領域からの成分を有する、ステップと、
    前記領域における横方向拡散の程度を決定するために、測定から得られた信号を分析するステップと、
    更なる処理のために半導体ウェーハを受け入れるかまたは拒絶するために、横方向拡散の程度を使用するステップと、
    を含む方法。
  2. 前記複数の領域が、ほとんどドーピングされた第1の領域およびほとんどドーピングされていない第2の領域を少なくとも備え、
    前記テスト構造から反射された光を測定するステップであって、前記反射された光が、前記第1の領域および前記第2の領域のそれぞれからの成分を有する、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1つの領域におけるドーピングの割合が知られ、
    前記分析するステップが、横方向拡散の程度を決定するために、前記割合を使用する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 複数の電荷キャリアを生成するために、第1のビームによって、テスト構造の少なくとも一部分を照射するステップと、
    第1のビームによって生成される複数の電荷キャリアの少なくともいくつかを有する半導体ウェーハの少なくともある領域において前記測定するステップを実行するために、第2のビームによって照射するステップと、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  5. 第1のビームおよび第2のビームのそれぞれが、同時に発生する、請求項4に記載の方法。
  6. 第1のビームおよび第2のビームの少なくとも一方が、偏光される、請求項4に記載の方法。
  7. テスト構造が、複数のドーピングされた領域を含み、それぞれのドーピングされた領域が、隣接するドーピング領域から分離され、
    偏光が、前記ドーピングされた領域のそれぞれに平行である、
    請求項6に記載の方法。
  8. 第1のビームおよび第2のビームのそれぞれが、偏光される、請求項6に記載の方法。
  9. 所定の周波数において、第1のビームの強度を変調するステップと、
    前記測定するステップ中に、所定の周波数を使用するステップと、
    を更に含む、請求項4に記載の方法。
  10. 前記複数の領域のそれぞれが、隣接する領域から一定の距離だけ分離される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記複数の領域のそれぞれが、隣接する領域から異なる距離だけ分離される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記測定するステップが、パターン形成された後の線幅を指示する、請求項1に記載の方法。
  13. 半導体ウェーハを評価するための方法であって、
    所定の幾何学的形状を有するテスト構造を半導体ウェーハに形成するステップと、
    テスト構造の寸法を指示する信号を測定するステップであって、前記信号が、ほとんどドーピングされた領域およびほとんどドーピングされていない領域の少なくとも一方から発生する、ステップと、
    前記測定するステップから得られた前記信号に応じて、ウェーハの加工に使用されるプロセスパラメータを変更するステップと、
    を含む方法。
  14. 少なくとも1つの電磁放射ビームによってテスト構造を照射するステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ビームが、偏光される、請求項14に記載の方法。
  16. 複数の電荷キャリアを生成するために、第1のビームによってテスト構造を照射するステップと、
    第1のビームによって生成される電荷キャリアの濃度を検知するために、第2のビームによってテスト構造を照射するステップと、
    を更に含む、請求項13に記載の方法。
  17. 所定の周波数において、第1のビームが変調され、
    前記所定の周波数が、前記測定処理中に使用される、
    請求項16に記載の方法。
  18. 測定が、更に、ドーピングの割合が自主的にわかる少なくとも1つの領域におけるレスポンスを測定することを含み、
    ドーピング割合が、プロセスパラメータの変更を決定するのに使用される、
    請求項11に記載の方法。
  19. 半導体ウェーハを評価するための装置であって、
    所定の幾何学的形状を有するテスト構造を半導体ウェーハに形成するための手段と、
    テスト構造の寸法を指示する信号を測定するための手段と、
    を備える装置。
  20. パターン形成の後に線幅を測定する手段を更に備える、請求項19に記載の装置。
  21. 半導体ウェーハを評価するための方法であって、
    縞状の幾何学的形状を有するテスト構造を半導体材料に形成するステップであって、前記テスト構造が、お互いから分離される複数の領域を備え、それぞれの領域が、隣接する領域と異なるドーピング濃度を有する、ステップと、
    前記テスト構造から反射された光を測定するステップであって、前記反射された光が、少なくとも1つの領域からの成分を有する、ステップと、
    前記領域における横方向拡散の程度を決定するために、測定から得られた信号を分析するステップと、
    更なる処理のために半導体ウェーハを受け入れるかまたは拒絶するために、横方向拡散の程度を使用するステップと、
    を含む方法。
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