JPH08316277A - 界面準位密度測定方法、測定装置及び測定用標準試料 - Google Patents

界面準位密度測定方法、測定装置及び測定用標準試料

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JPH08316277A
JPH08316277A JP11426795A JP11426795A JPH08316277A JP H08316277 A JPH08316277 A JP H08316277A JP 11426795 A JP11426795 A JP 11426795A JP 11426795 A JP11426795 A JP 11426795A JP H08316277 A JPH08316277 A JP H08316277A
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interface state
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reciprocal
carrier lifetime
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JP11426795A
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▲高▼ ▲高▼濱
Takashi Takahama
Teruaki Kisu
輝明 木須
Takamitsu Nagara
高光 長良
Jiro Yoshigami
二郎 由上
Osamu Okura
理 大倉
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Hitachi ULSI Engineering Corp
Hitachi Ltd
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Hitachi ULSI Engineering Corp
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】非加工、非接触でシリコン基板の界面準位密度
を測定すること。 【構成】シリコン基板の厚さの逆数の2乗値と当該シリ
コン基板のキャリアライフタイムの逆数値との比例定数
と、当該シリコン基板の界面準位密度との対応関係に基
づいて、被測定シリコン基板の厚さの逆数の2乗値とキ
ャリアライフタイムの逆数値との比例定数から被測定シ
リコン基板の界面準位密度を求める。 【効果】マイクロ波光導電減衰法を用いたシリコン基板
の界面準位密度測定により、電極形成プロセスと裏面オ
ーミック処理の影響や電極接触による試料汚染の影響を
受けることなく容易にインライン測定が出来るという効
果がある。また、製造装置やプロセスの品質検査コスト
を低減する効果もある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコン基板の界面準位
密度の測定方法、測定装置並びに測定用シリコン基板
(標準試料)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリコン基板表面に形成したシリコン酸
化膜やシリコン窒化膜等の絶縁膜、或いは、シリコン基
板表面が空気や水と接触することによって生成する自然
酸化膜と、シリコンとの界面には界面準位が存在してい
る。界面準位はソーラーセルやダイナミックRAM等の
シリコンデバイスの特性を左右する重要な性質である。
このため、シリコンデバイスの開発において界面準位密
度の測定は不可欠であり、これまで、いくつかの測定方
法が提案されている。すなわち、高周波C−V法、低周
波C−V法、コンダクタンス法、Quasi−Stat
ic法、電荷−電圧法、DLTS法、チャージポンピン
グ法、熱刺激電流法、光飽和法等である。高周波C−V
法、低周波C−V法は、印加電圧を掃引しながら容量を
測定し、界面準位でのキャリアの充放電周波数追従性を
用いて界面準位密度を求めるものである。コンダクタン
ス法は、印加電圧を掃引しながらコンダクタンスを測定
して界面準位密度を算出する方法であり、Quasi−
Static法は定常応答法としての低周波C−V法を
準定常応答法として改良したものである。電荷−電圧法
は測定試料を既知の容量と直列に接続して、ゲート電極
に蓄積した電荷量を測定することによって界面準位密度
を算出するものである。DLTS(DeepLevel
Transient Spectoroscopy)
法と熱刺激電流法は、界面準位でのキャリアの捕獲・放
出に起因するインピーダンス変化を温度の変化に対応さ
せることによって界面準位密度を測定する方法である。
チャージポンピング法はFETのソース・ドレイン電流
が界面準位で捕獲された後に再結合する際の基板電流を
測定する方法であり、光飽和法はバイアス印加状態で光
照射を行いバイアス電圧と表面バンドベンディング特性
より界面準位密度を求める方法である。
【0003】一方、界面準位及びシリコン基板バルクの
準位に関係した量としてキャリアライフタイムがある。
シリコン基板のキャリアライフタイムを測定する方法と
して、マイクロ波光導電減衰法が知られている。マイク
ロ波光導電減衰法は、シリコン基板表面にパルス光を照
射し、電子正孔対を過剰キャリアとして発生させ、パル
ス光遮断後の過剰キャリア減衰量をマイクロ波の吸収或
いは反射を利用して測定し、ライフタイムを算出する方
法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】界面準位密度測定は、
シリコンデバイスの製造装置や製造プロセスの品質検査
及び製造技術開発支援或いは製品不良解析等において実
施されている。製造装置や製造プロセスの品質検査で
は、検査対象製造装置やプロセスで所定の処理後、界面
準位密度測定が行われる。前述の従来の界面準位密度測
定法はすべて、界面準位密度を測定すべきシリコン基板
のシリコンと絶縁膜界面を検査対象製造装置やプロセス
で作り込んだ後に、シリコン基板表面に電極材料を成膜
し、電極を所定の大きさに加工するとともに、シリコン
基板裏面を界面準位密度測定装置の端子に対してオーミ
ックコンタクト状態に作り上げ、その後にようやく測定
するものである。したがって測定している界面準位密度
は、電極材料成膜装置と電極加工及び裏面加工プロセス
の影響をも含めた値となる。
【0005】製造装置や製造プロセスの品質検査におい
ては、検査の信頼性を高めるために、検査対象製造装置
や検査対象プロセス以外の影響は出来るかぎり少なくす
る必要がある。しかし、従来の技術では電極形成プロセ
スと裏面オーミック処理の影響を無くすことが出来ない
という欠点があった。また、検査対象プロセ以外に電極
形成プロセスと裏面オーミック処理といった検査に必要
ではあるが、無くせるものなら無くすべきプロセスが多
いため、それだけ検査コストは高くなるという欠点もあ
った。
【0006】製造技術開発や不良解析においては、界面
準位密度測定実施後のシリコン基板をシリコンデバイス
製造ラインに戻して、熱処理や形状加工等の再処理を行
って、再び界面準位密度測定をする操作を繰り返すよう
なインライン測定が容易に出来る技術を必要としてい
る。しかし、従来の技術ではインライン測定は容易では
なかった。というのも、従来技術の測定では、シリコン
基板と界面準位密度測定装置の端子部とが接触するた
め、界面準位密度測定装置端子部の構成材料である鉄や
銅等の重金属材料がシリコン基板表面及び裏面に付着す
る。この金属材料で汚染されたシリコン基板をシリコン
デバイス製造ラインに戻すと、シリコンデバイス製造装
置が上記金属材料で汚染され、本シリコンデバイス製造
装置で製品として加工処理されている非汚染シリコン基
板までもが上記金属材料で汚染されてしまう。その後、
汚染されたシリコン基板を熱処理すると汚染金属原子が
シリコン基板内に拡散して、デバイス特性を劣化させる
こととなる。このため、従来の界面準位測定方法、並び
に従来の界面準位密度測定に用いるシリコン基板は、イ
ンライン測定に不向きであるという欠点があった。
【0007】ところで、従来の技術の項において述べた
マイクロ波光導電減衰測定法は、電極形成及び測定装置
の端子に対するオーミックコンタクト加工が不要であ
り、測定装置の金属材料部分とシリコン基板とが直接接
触することなく、過剰キャリアライフタイムを測定する
ことが可能である。本発明の発明者は、このマイクロ波
光導電減衰測定法で求められたシリコン基板のキャリア
ライフタイムと当該シリコン基板の界面準位密度との間
に相関関係があることを実験的に発見した。そこで本発
明の発明者は、マイクロ波光導電減衰法を用いてシリコ
ン基板の界面準位密度を測定出来るようにすればよいと
考えた。
【0008】本発明が解決しようとする課題は、マイク
ロ波光導電減衰法を用いることにより、シリコン基板の
界面準位密度を当該シリコン基板を加工することなく
(測定のための加工の影響を及ぼすことなく)又は当該
シリコン基板に対して非接触で(汚染の影響を受けるこ
となく)測定する方法及び測定装置並びに測定用シリコ
ン基板を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下のシリ
コン基板の界面準位密度測定方法により解決される。
【0010】予め、シリコン基板の厚さの逆数の2乗値
と、マイクロ波光導電減衰法で測定した当該シリコン基
板のキャリアライフタイムの逆数値との比例定数を求
め、当該比例定数と当該シリコン基板の界面準位密度と
の対応関係を取得しておく。これらの対応関係の取得
は、実験的に(即ち、標準試料としてのシリコン基板を
用いて)行なうとよいが、理論的に求めてもよい。この
対応関係を取得する際、複数のシリコン基板を用いても
よく、また当該シリコン基板として表面にシリコン基板
材料よりなる段差が設けられたシリコン基板を用いるの
が望ましい。この対応関係が取得できたら、界面準位密
度を測定しようとしているシリコン基板(被測定試料)
で、マイクロ波光導電減衰法キャリアライフタイム測定
を行う。本測定を行う際も、上述対応関係を取得すると
きと同様に、複数のシリコン基板(被測定試料)を用い
てもよいが、シリコン基板表面にシリコン基板材料より
なる段差を設けたシリコン基板を用いる(被測定試料の
表面に段差を設ける)方がよい。そして、本測定値の逆
数とシリコン基板の厚さの逆数の2乗値との比例定数を
算出する。この比例定数と前記対応関係から界面準位密
度を求める、という方法で、前記課題は解決できる。
【0011】上述の測定方法により前記課題を解決する
にあたり、以下に記すシリコン基板の界面準位密度測定
装置を用いてもよい。
【0012】キャリアライフタイム測定手段とデータ入
力手段と記憶手段と表示手段とが計算手段に接続されて
いる装置を用意する。予め、シリコン基板の厚さの逆数
の2乗値と当該シリコン基板をマイクロ波光導電減衰法
で測定して得られたキャリアライフタイムの逆数値との
比例定数と、当該シリコン基板の界面準位密度との対応
関係を該記憶手段中に保持(記憶)させておく。この対
応関係を実験的に取得する際、複数のシリコン基板を用
いても、また基板表面に段差(シリコン基板材料からな
る)を有するシリコン基板を用いてもよい。このキャリ
アライフタイム測定手段による被測定試料(界面準位密
度を測定しようとしているシリコン基板)のキャリアラ
イフタイム測定結果は、計算手段に入力される。この計
算手段は、記憶手段中に保持された対応関係に基づきキ
ャリアライフタイム測定結果から界面準位密度を算出
し、その結果を表示手段から出力させる。
【0013】以上の測定方法、測定装置において、シリ
コン基板の厚さの逆数の2乗値とキャリアライフタイム
の逆数値との比例定数に対する当該シリコン基板の界面
準位密度の対応関係(即ち、シリコン基板のキャリアラ
イフタイムと界面準位密度との相関関係)を求めるにあ
たり、標準試料としてシリコン基板表面にシリコン基板
材料よりなる段差を設けたシリコン基板を用いるとよ
い。当該標準試料としてのシリコン基板は、バルク材と
して単一(均一)の準位密度を有することが望ましい。
【0014】
【作用】本発明の作用(機能)について、図2及び3を
援用して以下に説明する。
【0015】図2は、シリコン基板バルクの準位密度が
単一(均一)の試料を用いた実験結果を示したものであ
り、横軸にシリコン基板の厚さの逆数を2乗した値をと
り、縦軸にマイクロ波光導電減衰法で求めた過剰キャリ
アライフタイムの逆数を同一界面準位密度ごとにプロッ
トしたものである。本図より、界面準位密度が同一のシ
リコン基板においては、シリコン基板の厚さの逆数の2
乗値とマイクロ波光導電減衰法で求めた過剰キャリアラ
イフタイムの逆数値とは直線関係となることがわかる。
【0016】図3は、シリコン基板の界面準位密度が単
一(均一)の試料を用いた実験結果を示したものであ
り、横軸にシリコン基板の厚さの逆数を2乗した値をと
り、縦軸にマイクロ波光導電減衰法で求めた過剰キャリ
アライフタイムの逆数をシリコンイオン注入ドーズ量ご
とにプロットしたものである。尚、シリコンイオン注入
ドーズ量が高いものはバルク準位密度も高く、シリコン
イオン注入ドーズ量が低いものはバルク準位密度も低
い。また、ドーズ量の等しいシリコン基板の集合はバル
ク準位密度も等しいシリコン基板の集合であり、図中の
四角・円等の記号が同一のものは同一のバルク準位密度
を表している。本図より、シリコン基板バルクの準位密
度が同一の基板の集合に対しては、シリコン基板の厚さ
の逆数の2乗値とマイクロ波光導電減衰法で求めた過剰
キャリアライフタイムの逆数値とは直線関係となること
がわかる。更に、シリコン基板バルクの準位密度が異な
る基板の集合間であっても、界面準位密度が同一であれ
ば、シリコン基板の厚さの逆数の2乗値とマイクロ波光
導電減衰法で求めた過剰キャリアライフタイムの逆数値
とは同一の傾きを持つ直線関係となることがわかる。
【0017】図2の5本の直線の傾きを横軸にとり、そ
れぞれの直線の界面準位密度を縦軸にプロットすると、
図1に示すような関係が得られる。本関係より、シリコ
ン基板の厚さの逆数の2乗値とマイクロ波光導電減衰法
で求めた過剰キャリアライフタイムの逆数値とが形づく
る直線の傾きがわかれば、図1を用いて、直ちに、その
シリコン基板の界面準位密度を求めることが出来る。す
なわち、一度、図1に相当するデータを取得してしまえ
ば、その後、界面準位密度を測定する場合、「発明が解
決しようとする課題」の項で述べたような電極形成や基
板裏面のオーミックコンタクト処理は、不要となる。こ
のため、製造装置や製造プロセスの品質検査において
は、電極形成プロセスと裏面オーミック処理の影響を無
くすことが出来ると同時に、それだけ検査コストを下げ
ることも可能になる。また、製造技術開発や不良解析に
おいては、インライン測定が容易に出来るようになる。
【0018】
【実施例】
<実施例1>一つのシリコンインゴットの任意の領域か
ら連続して切り出した厚さの異なるシリコン基板を複数
枚用意する。ここで、一つのシリコンインゴットの任意
の領域から連続して切り出すというのは、シリコン基板
のバルクの準位密度とキャリア濃度及びキャリア生成ド
ーパントが複数枚にわたって同一にするためであり、シ
リコン基板のバルクの準位密度とキャリア濃度及びキャ
リア生成ドーパントが複数枚にわたって同一となってい
れば、どのような履歴をもつ基板であってもよい。本実
施例では、ボロンを1×1015atoms/cm3含有
するシリコン基板を用いた。また、複数枚というのは2
枚以上であればよいという意味であるが、本実施例では
測定精度を高くするために7枚のシリコン基板を用いて
説明する。
【0019】まず、上記7枚のシリコン基板全てに対し
て同一のRCA洗浄並びに希フッ酸洗浄を行った後、基
板表面に50〜100nm程度の熱酸化膜を形成する。
このとき、酸化温度・酸化方法は従来からよく知られた
ものでよい。本実施例では、1000℃で1時間ドライ
酸化を行った。次に、これら7枚のシリコン基板全ての
表面の一部に電極を形成する。電極材料・加工法は従来
からよく知られたものでよい。本実施例では、リンドー
プトポリシリコン電極(リン元素をドープした多結晶シ
リコンからなる電極)をマイクロ波でエッチングした。
電極を形成する場所と大きさは、後で実施するマイクロ
波光導電減衰法によるライフタイム測定の際、導波管断
面よりも大きな領域が電極の無い領域として存在するよ
うに選べば、大きさ場所ともに任意である。本実施例で
は、図4に示すようにシリコン基板1の右側領域に5m
m角の電極2を形成した。そして、これら電極2を形成
したシリコン基板表面のちょうど裏側面にあたる領域の
みを界面準位密度測定用装置の端子に対してオーミック
状態とする。本実施例では、裏面のリンドープトポリシ
リコン膜を除去した後、電極2を形成したシリコン基板
表面のちょうど裏側面にあたる領域以外をレジストで覆
い、希フッ酸で熱酸化膜を除去し、導電ペ−ストを塗布
した。
【0020】こうして出来上がったシリコン基板の電極
2の無い領域をマイクロ波光導電減衰法により過剰キャ
リアライフタイムを測定し、光学的方法でシリコン基板
の厚さを測定する。本実施例では、シリコンステージを
有する光干渉法段差測定装置を用いて、シリコンステー
ジ表面とシリコン基板表面との距離を測定しシリコン基
板の厚さを決定した。電極2のある領域では、電極2に
針を当て、界面準位密度を測定する。このときの測定方
法は「従来の技術」の項で述べた方法のうちどれを用い
てもよいが、本実施例では測定の容易な高周波C−V法
を用いた。以上の測定後、上記7枚のシリコン基板が同
一の界面準位密度を有していることを確認し、横軸にシ
リコン基板の厚さの逆数を2乗した値をとり、縦軸にマ
イクロ波光導電減衰法で求めた過剰キャリアライフタイ
ムの逆数をプロットする。その結果を図5に示す。上記
シリコン基板の界面準位密度は、8×1010コ/cm2
だった。図5より、シリコン基板の厚さの逆数の2乗値
とマイクロ波光導電減衰法で求めた過剰キャリアライフ
タイムの逆数値とは直線関係となることがわかる。
【0021】以上に述べた方法において、シリコン基板
表面に電極を形成したあとで、7枚のシリコン基板全て
に水素アニールを施す。すると、シリコンと熱酸化膜界
面に存在する準位は水素によってターミネートされ、界
面準位密度の比較的低いシリコン基板を作ることが出来
る。その低界面準位密度基板を極低水分窒素中でアニー
ルすると、ターミネータとしての水素が離脱して、界面
準位密度が増加する。ここで、極低水分窒素中というの
は次のような意味を持つ。すなわち、窒素アニール雰囲
気中に僅かな水分が存在すると、アニールによって離脱
した水素の替わりに水分が界面準位のターミネータとし
て働き、界面準位密度増加が抑制されたり、水分がシリ
コンを酸化してしまい界面状態の制御が困難になる。そ
こで、界面準位密度増加を目的とするアニールでは、雰
囲気中の水分量を数百ppmオーダ以下とする。また、
この極低水分窒素中アニールにおいては、雰囲気中の水
分濃度或いはアニール温度を制御することで、界面準位
密度を制御することができる。尚、本アニールは、窒素
中のみでなく、アルゴンやキセノン等の希ガス中であっ
てもよい。本実施例では、ここに述べた水素アニールと
極低水分窒素中アニールを用いて、5種類の界面準位密
度の異なるシリコン基板を作って、図5と同様に、横軸
にシリコン基板の厚さの逆数を2乗した値をとり、縦軸
にマイクロ波光導電減衰法で求めた過剰キャリアライフ
タイムの逆数を同一界面準位密度ごとにプロットした。
その結果が、図2である。本図において、白抜きの四角
から黒い四角までの界面準位密度は、図中に記した通り
である。図2より、界面準位密度が同一のシリコン基板
においては、シリコン基板の厚さの逆数の2乗値とマイ
クロ波光導電減衰法で求めた過剰キャリアライフタイム
の逆数値とは直線関係となることがわかる。ところで図
2は、シリコン基板のバルクの準位密度が同一の試料に
関するデータであるが、シリコン基板バルクの準位密度
の異なる試料に関しても、同様の直線関係が成り立つこ
とを調べてみた。シリコン基板バルクの準位密度を変化
させるのは、基板内溶存酸素量を変えたり、鉄や銅等の
金属元素をドーピングしたり、IG(インゴッド)処理
やイオン注入等の技術で容易に出来る。本実施例では、
低酸素基板とシリコンイオン注入プロセスを用いて、シ
リコン基板バルクの準位密度を変化させ、前に述べた水
素アニールと極低水分窒素中アニールを使って界面準位
密度が同一のシリコン基板を作って、図5と同様に、横
軸にシリコン基板の厚さの逆数を2乗した値をとり、縦
軸にマイクロ波光導電減衰法で求めた過剰キャリアライ
フタイムの逆数をシリコンイオン注入ドーズ量ごとにプ
ロットした。図3に、その結果を示す。尚、シリコンイ
オン注入ドーズ量が高いものはバルク準位密度も高く、
シリコンイオン注入ドーズ量が低いものはバルク準位密
度も低い。また、ドーズ量の等しいシリコン基板の集合
はバルク準位密度も等しいシリコン基板の集合であり、
図中の四角・円等の記号が同一のものは同一のバルク準
位密度を表している。図3より、シリコン基板バルクの
準位密度が同一の基板の集合に対しては、シリコン基板
の厚さの逆数の2乗値とマイクロ波光導電減衰法で求め
た過剰キャリアライフタイムの逆数値とは直線関係とな
ることがわかる。更に、シリコン基板バルクの準位密度
が異なる基板の集合間であっても、界面準位密度が同一
であれば、シリコン基板の厚さの逆数の2乗値とマイク
ロ波光導電減衰法で求めた過剰キャリアライフタイムの
逆数値とは同一の傾きを持つ直線関係となることがわか
る。ここで再び図2に戻る。図2の5本の直線の傾きを
横軸にとり、それぞれの直線の界面準位密度を縦軸にプ
ロットすると、図1に示すような直線が得られる。した
がって、シリコン基板の厚さの逆数の2乗値とマイクロ
波光導電減衰法で求めた過剰キャリアライフタイムの逆
数値とが形づくる直線の傾きがわかれば、図1を用い
て、直ちに、そのシリコン基板の界面準位密度を求める
ことが出来る。すなわち、一度、図1に相当するデータ
を取得してしまえば、その後、界面準位密度を測定する
場合、「発明が解決しようとする課題」の項で述べたよ
うな電極形成や基板裏面のオーミックコンタクト処理
は、不要となる。以下に図1の利用方法を述べる。
【0022】製造装置や製造プロセスの品質検査を行う
場合、基板バルクの準位密度が等しく、厚さの異なるシ
リコン基板を2枚以上用意する。ここでバルクの準位密
度が等しい基板というのは、前述の「一つのシリコンイ
ンゴットの任意の領域から連続して切り出した厚さの異
なるシリコン基板」が望ましいが、基板メーカが提供し
ているところの抵抗率、溶存酸素濃度、面方位、表面仕
上げが同一仕様で厚さの異なるシリコン基板でもよい。
この用意した2枚以上のシリコン基板を検査所望の製造
装置や製造プロセスで所望の処理をする。処理後、マイ
クロ波光導電減衰法で過剰キャリアライフタイムを測定
する。もちろん、このとき電極形成処理及び裏面オーミ
ックコンタクト処理は不要である。そして、シリコン基
板の厚さの逆数の2乗値とマイクロ波光導電減衰法で求
めた過剰キャリアライフタイムの逆数値との直線関係の
傾きを算出し、図1の関係より界面準位密度を求める。
尚、ここで界面準位密度を求めるために用いたシリコン
基板のバルクの準位密度は、図1の関係を導き出すため
に用いた用いたシリコン基板のバルクの準位密度と同一
(均一)である必要がないことは、図3が示す通りであ
る。
【0023】製造技術開発支援や製品不良解析等におい
ても全く同様に本方法が適用できる。前記方法と同じ
く、基板バルクの準位密度が等しく、厚さの異なるシリ
コン基板を2枚以上用意する。このシリコン基板に対し
て、新たに開発中のシリコンデバイス製造プロセスや新
たに開発した製造装置で所望の処理を行う。或いは、不
良が発生した製造ラインにおいて、このシリコン基板を
製造装置や製造プロセスで所定の処理や異条件の処理を
行う。処理後、マイクロ波光導電減衰法で過剰キャリア
ライフタイムを測定する。そして、シリコン基板の厚さ
の逆数の2乗値とマイクロ波光導電減衰法で求めた過剰
キャリアライフタイムの逆数値との直線関係の傾きを算
出し、図1の関係より界面準位密度を求める。本方法で
は、非接触測定で界面準位密度が求められるのでインラ
イン測定が実施できる。これによって、製造ライン中の
不良発生装置の速やかな特定や不良誘発条件等、きめ細
かい不良解析や、製造装置のハード及びソフト面での微
調整や製造最適条件の設定等、高精度な技術開発を支援
出来る。
【0024】なお、図1、2及び5にある例えば1E1
0という界面準位密度の定量的表現は1×1010を示す
ものである。
【0025】<実施例2>図6は本発明の構成を示すブ
ロック図である。本発明は、CRTや液晶ディスプレ
イ、プリンタ等の表示手段3を有している。4Aはマイ
クロ波光導電減衰法過剰キャリアライフタイム測定手段
であり、本実施例において用いたものを図7に示す。こ
こで、図7について説明する。GaAsレーザー10を
パルス発光させるとシリコン基板1内に過剰キャリアが
発生し、シリコン基板1の電気伝導度が増加する。そし
てシリコン基板1の過剰キャリアライフタイムに従っ
て、電気伝導度は減少する。この電気伝導度の変化をガ
ンダイオード11で発振したマイクロ波によってプロー
ビングする。すなわち、マイクロ波は、導波管8を通っ
てシリコン基板1で反射・吸収され、その反射成分は、
サーキュレータ9によって検波器12に導かれる。その
後、導軸線13を経て、シグナルストレージ14におい
て解析され、過剰キャリアライフタイムを測定する。以
上で、図7の説明を終え、再び、図6を用いて、本発明
の構成について説明する。
【0026】4BはCPU実行コントロールデータ入力
手段であり、それぞれの出力はインターフェイスI/F
6を介して計算手段たるCPU7に入力される。このC
PU7には記憶手段5が接続されている。そして、この
CPU7からの信号によって、計測結果の界面準位密度
が表示手段3に表示されるようになっている。
【0027】記憶手段5の内容は、図1に示した関係
を、シリコン基板の厚さの逆数の2乗値とマイクロ波光
導電減衰法で求めた過剰キャリアライフタイムの逆数値
との直線関係の傾きに対して、界面準位密度が選択出来
るようにテーブル化したものと、作業用プログラムが記
憶されていて、CPU7実行の指針として使用されるよ
うになっている。
【0028】ところで、シリコン基板のキャリア生成ド
ーパント種が異なったり、キャリア濃度が変化したりす
ると、それに伴って図1の関係は変化する。また、マイ
クロ波光導電減衰法過剰キャリアライフタイム測定にお
ける過剰キャリア発生量が変化しても、過剰キャリア発
生量に依存して図1の関係は変化する。本発明では、測
定しようとするシリコン基板のキャリア生成ドーパント
種とキャリア濃度及びマイクロ波光導電減衰法過剰キャ
リアライフタイム測定における過剰キャリア発生量に応
じた図1相当の関係を複数種類、記憶手段5中に保持す
るようになっている。
【0029】本発明の構成装置の作用を図7のフローチ
ャートを用いて説明する。マイクロ波光導電減衰法過剰
キャリアライフタイム測定手段4A及びデータ入力手段
4Bより測定条件を入力する(ステップS1)。ここ
で、マイクロ波光導電減衰法過剰キャリアライフタイム
測定手段4Aからの測定条件入力項目は、過剰キャリア
発生量を決める条件項目であって、過剰キャリア発生用
パルスレーザの印加電圧、パルスレーザ光の直径、パル
スレーザ光源設定位置である。また、データ入力手段4
Bからの測定条件入力項目は、シリコン基板のキャリア
生成ドーパント種、キャリア濃度、基板厚である。次
に、入力された測定条件項目と同一条件下の図1相当の
テーブル化された関係が、記憶手段5中に存在するか否
かをステップS2の条件判定で調べる。このとき、入力
された条件と同一条件下の図1相当のテーブル化された
関係が記憶手段5中に存在する場合、図7のフローチャ
ート中ステップS2よりYESへ進む。そして、マイク
ロ波光導電減衰法過剰キャリアライフタイム測定を実施
する(ステップS3)。この測定値はインターフェイス
I/F6を介して計算手段たるCPU7に入力され、そ
こで記憶手段5中の図1相当のテーブル化された関係か
ら界面準位密度を算出する(ステップS4)。結果を表
示手段3に表示して(ステップS5)、測定を終了す
る。
【0030】前記条件判定ステップS2で、入力された
条件と同一条件下の図1相当のテ−ブル化された関係が
記憶手段5中に存在しない場合、図7のフローチャート
中ステップS2よりNOへ進む。ステップS6では、入
力された条件と同一条件下の図1相当の関係を記憶手段
5中に入力記憶させるか否かを判定する。その判定用デ
ータは、CPU実行コントロールデータ入力手段4Bよ
り、YES或いはNOを入力する。ここでNOを入力す
ると測定終了となり、YESを入力すると新たな条件下
での図1相当の関係を記憶手段5中に入力記憶させる工
程へ進むことになる。以下、YESを入力した場合につ
いて説明する。
【0031】キャリア生成ドーパント種とキャリア濃度
とが、測定しようとしているシリコン基板と等しいシリ
コン基板を、実施例1で述べたような、一部分に電極を
持つシリコン基板として厚さの異なるものを複数枚準備
する。本基板の界面準位密度及び基板厚をあらかじめ測
定しておき、電極の無い領域に対してマイクロ波光導電
減衰法過剰キャリアライフタイム測定を実施する(ステ
ップS7)。測定した過剰キャリアライフタイム及び、
測定しようとしている過剰キャリアライフタイムの測定
条件であるところの過剰キャリア発生用パルスレーザの
印加電圧、パルスレーザ光の直径、パルスレーザ光源設
定位置は、マイクロ波光導電減衰法過剰キャリアライフ
タイム測定手段2AよりインターフェイスI/F6を介
してCPU7に入力される。別途測定しておいた界面準
位密度と基板厚、及び、キャリア生成ドーパント種とキ
ャリア濃度とをデータ入力手段4Bより入力する(ステ
ップS8)。入力されたデータより、実施例1において
述べた方法と同様の手順で、図1相当の関係を求め、シ
リコン基板の厚さの逆数の2乗値とマイクロ波光導電減
衰法で求めた過剰キャリアライフタイムの逆数値との直
線関係の傾きに対して、界面準位密度が選択出来るよう
にテーブル化する(ステップS9)。このテーブルとテ
ーブルに応じた測定条件を記憶手段5中に記憶する(ス
テップS10)。
【0032】次に、再び、ステップS1において入力さ
れた測定条件に対して条件判定を行う(ステップS
2)。入力された測定条件項目と同一条件下の図1相当
のテーブル化された関係が、記憶手段5中に存在するか
否かをステップS2の条件判定で調べる。ステップS1
或はステップS8にて入力ミスが無いかぎり、入力され
た条件と同一条件下の図1相当のテーブル化された関係
が記憶手段5中に存在するはずであるから、ステップS
2よりYESへ進む。そして、マイクロ波光導電減衰法
過剰キャリアライフタイム測定を実施する(ステップS
3)。この測定値はインターフェイスI/F6を介して
計算手段たるCPU7に入力され、そこで記憶手段5中
の図1相当のテーブル化された関係から界面準位密度を
算出する(ステップS4)。結果を表示手段3に表示し
て(ステップS5)、測定を終了する。 本発明になる
装置を用いて、製造装置や製造プロセスの品質管理を行
う場合、ステップS1の測定条件入力項目の内容を一定
化しておくと、ステップ2の条件判定においてNOとな
ることはないので、図1相当の関係を意識することなく
測定できる。このため、特定のグラフを読み取る技能知
識のない者でも短時間で容易に界面準位密度を測定する
ことができる。製造技術開発支援や製品不良解析等を行
う場合においても、ステップ2の条件判定においてNO
とならなければ、図1相当の関係を意識する必要は無
く、特定のグラフを読み取る技能知識のない者でも短時
間で容易に界面準位密度を測定することができる。ま
た、ステップ2の条件判定においてNOとなっても、や
はり図1相当の関係の詳細は意識する必要が無く、特定
のグラフを作成する技能知識のない者でも短時間で容易
に界面準位密度を測定することができる。
【0033】<実施例3>図9を用いて、本発明の一実
施例を説明する。図9中、(a)図はシリコン基板の平
面図である。(b)図は(a)図中点線で示したA−
A’部分の断面を表したものであり、図中に記したX−
Y平面軸のX方向に対するY方向の長さの拡大比率は約
70である。図中、15A〜15Dは、それぞれ、X方
向軸上への投影長として幅12mmの凹領域を設けたも
のである。この凹領域幅は、12mmと限定する必要は
全くなく、総ての凹領域幅が同一である必要もない。し
かし、マイクロ波光導電減衰法過剰キャリアライフタイ
ム測定におけるパルスレーザ光の直径よりも十分に大き
い凹領域幅は必要である。15A〜15Dの凹領域は、
それぞれの凹領域の深さが明らかに異なっていれば、深
さはいくらでもよい。ここで、明らかに異なった凹領域
の深さとは、シリコンインゴットから切り出したシリコ
ン基板を研磨した後にシリコン基板面内で生じうる厚さ
むらよりも大きいことを意味しており、10マイクロメ
−トル以上のことである。また、本図では、15A〜1
5Dと4種類の凹領域を設けたシリコン基板を示してい
るが、この凹領域は4種類に限定されず、1種類以上で
あればいくつでもよい。
【0034】次に、本シリコン基板1の使用方法につい
て述べる。製造装置や製造プロセスの品質検査を行う場
合、本シリコン基板1を検査所望の製造装置や製造プロ
セスで所望の処理をする。処理後、マイクロ波光導電減
衰法で凹領域15A〜15Dの底面上の過剰キャリアラ
イフタイムを測定する。凹領域15A〜15Dの底面部
分は、それぞれ、基板厚が異なっている。凹領域15A
〜15Dの底面部分各々の基板厚の逆数の2乗値とマイ
クロ波光導電減衰法で求めた過剰キャリアライフタイム
の逆数値との直線関係の傾きを算出し、図1相当の関係
より界面準位密度を求めることができる。製造技術開発
支援や製品不良解析等においても全く同様に本使用方法
が適用できる 或は、図1相当のデータを取得する際にも、本シリコン
基板1は利用できる。本シリコン基板1に対して、実施
例1で述べたのと同様に、RCA洗浄並びに希フッ酸洗
浄を行った後、基板表面に50〜100nm程度の熱酸
化膜を形成する。次に、図10に示すように、凹領域1
5A〜15D中及び凹領域の無い基板表面に電極16A
〜16Eを形成する。図10中、(a)はシリコン基板
の平面図、(b)は(a)図中点線B−B’部分の断面
を表したものである。そして、これら電極16A〜16
Eを形成したシリコン基板表面のちょうど裏側面にあた
る領域のみを界面準位密度測定用装置の端子に対してオ
ーミック状態とする。こうして出来上がったシリコン基
板の電極16A〜16Eに針を当て、界面準位密度を測
定する。電極16A〜16Eが無く、電極16A〜16
Eを形成した領域と同一の基板厚の領域は、マイクロ波
光導電減衰法により過剰キャリアライフタイムを測定す
る。以上の測定後、凹領域15A〜15D及び凹領域の
無い基板表面が同一の界面準位密度を有していることを
確認し、横軸に凹領域15A〜15Dの底面部分各々の
基板厚及び凹領域の無いシリコン基板の厚さの逆数を2
乗した値をとり、縦軸にマイクロ波光導電減衰法で求め
た過剰キャリアライフタイムの逆数をプロットする。更
に実施例1で述べた方法と同様に、水素アニールと極低
水分窒素中アニールを用いて、複数種類の界面準位密度
の異なるシリコン基板を作って、横軸にシリコン基板の
厚さの逆数を2乗した値をとり、縦軸にマイクロ波光導
電減衰法で求めた過剰キャリアライフタイムの逆数を同
一界面準位密度ごとにプロットする。この複数種類の直
線の傾きを横軸にとり、それぞれの直線の界面準位密度
を縦軸にプロットすると、図1相当の関係が得られる。
【0035】本発明になるシリコン基板1は、1枚の基
板でありながら複数種類の基板厚を持ち、その基板厚の
異なる領域でマイクロ波光導電減衰法による過剰キャリ
アライフタイム測定が可能である。このため、実施例
1、2で述べたような基板厚のみが異なる同一仕様のシ
リコン基板を複数枚準備する必要はなく、1枚のシリコ
ン基板のみでマイクロ波光導電減衰法を用いて、界面準
位密度を測定することができる。
【0036】<実施例4>図11を用いて、本発明の他
の実施例を説明する。図11中、(a)図はシリコン基
板の平面図である。(b)図は(a)図中点線で示した
C−C’部分の断面を表したものであり、図中に記した
X−Y平面軸のX方向に対するY方向の長さの拡大比率
は約70である。図中、17A〜17Dは、それぞれ、
X方向軸上への投影長として幅12mmの凸領域を設け
たものである。この凸領域幅は、12mmと限定する必
要は全くなく、総ての凸領域幅が同一である必要もな
い。しかし、マイクロ波光導電減衰法過剰キャリアライ
フタイム測定におけるパルスレーザ光の直径よりも十分
に大きい凸領域幅は必要である。17A〜17Dの凸領
域は、それぞれの凸領域の高さが明らかに異なっていれ
ば、高さはいくらでもよい。ここで、明らかに異なった
凸領域の高さとは、シリコンインゴットから切り出した
シリコン基板を研磨した後にシリコン基板面内で生じう
る厚さむらよりも大きいことを意味しており、10マイ
クロメートル以上のことである。また、本図では、17
A〜17Dと4種類の凸領域を設けたシリコン基板を示
しているが、この凸領域は4種類に限定されず、1種類
以上であればいくつでもよい。
【0037】図12には、本発明の他の実施例を示す。
図12中、(a)図はシリコン基板の平面図である。
(b)図は(a)図中点線で示したD−D’部分の断面
を表したものであり、図中に記したX−Y平面軸のX方
向に対するY方向の長さの拡大比率は約70である。図
中、17A〜17Dは、それぞれ、X方向軸上への投影
長として幅12mmの凸領域を設けたものである。この
凸領域幅は、12mmと限定する必要は全くなく、総て
の凸領域幅が同一である必要もない。また、15A〜1
5Cは、それぞれ、X方向軸上への投影長として幅12
mmの凹領域を設けたものである。この凹領域幅は、1
2mmと限定する必要は全くなく、総ての凹領域幅が同
一である必要もない。しかし、マイクロ波光導電減衰法
過剰キャリアライフタイム測定におけるパルスレーザ光
の直径よりも十分に大きい凹凸領域幅は必要である。1
7A〜17Dの凸領域は、それぞれの凸領域の高さが明
らかに異なっていれば、高さはいくらでもよい。また、
15A〜15Cの凹領域は、それぞれの凹領域の深さが
明らかに異なっていれば、深さはいくらでもよい。ここ
で、明らかに異なった凸領域の高さと、明らかに異なっ
た凹領域の深さとは、シリコンインゴットから切り出し
たシリコン基板を研磨した後にシリコン基板面内で生じ
うる厚さむらよりも大きいことを意味しており、10マ
イクロメートル以上のことである。また、本図では、1
7A〜17Dと4種類の凸領域及び15A〜15Cと3
種類の凹領域を設けたシリコン基板を示しているが、こ
の凹凸領域は4及び3種類に限定されず、1種類以上で
あればいくつでもよい。
【0038】図11、図12に示したシリコン基板1の
使用方法は、実施例3において述べたシリコン基板と同
様であり、品質検査や製造技術開発支援、製品不良解析
等に適用できる。これは、1枚の基板でありながら複数
種類の基板厚を持つことを利用して、1枚のシリコン基
板のみでマイクロ波光導電減衰法により、界面準位密度
を測定することができるという実施例3において述べた
ものと同等の効果を持っている。
【0039】
【発明の効果】本発明の測定方法によると、マイクロ波
光導電減衰法を用いてシリコン基板の界面準位密度測定
が可能になり、電極形成プロセスと裏面オーミック処理
の影響の無い測定ができるという効果がある。と同時
に、製造装置や製造プロセスの品質検査コストは安くな
り、インライン測定が容易に出来るという効果もある。
【0040】本発明の測定装置によると、上記効果に加
え、特定のグラフを読み取ったり、作成したりする技能
知識のない者でも短時間で容易に界面準位密度を測定す
ることができるという効果もある。
【0041】本発明の標準試料によると、上記効果に加
え、基板厚のみが異なる同一仕様のシリコン基板を複数
枚準備する必要はなく、1枚のシリコン基板(基板厚の
異なる部分を有する標準試料)のみでマイクロ波光導電
減衰法を用いて、界面準位密度を測定することができる
という効果もある。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】シリコン基板の厚さの逆数の2乗と過剰キャリ
アライフタイムの逆数とが形作る直線の傾きと界面準位
密度との関係を表す図。
【図2】界面準位密度別シリコン基板の厚さの逆数の2
乗と過剰キャリアライフタイムの逆数との関係を表す
図。
【図3】バルク準位密度の異なる場合のシリコン基板の
厚さの逆数の2乗と過剰キャリアライフタイムの逆数と
の関係を表す図。
【図4】実施例1の説明に使用するシリコン基板上の電
極を示す図。
【図5】シリコン基板の厚さの逆数の2乗と過剰キャリ
アライフタイムの逆数との関係を表す図。
【図6】実施例2の説明に使用する本発明測定装置の構
成を表すブロック図。
【図7】実施例2の説明に使用する本発明測定装置中の
過剰キャリアライフタイム測定手段を表す図。
【図8】本発明測定装置のフローチャートを表す図。
【図9】実施例3の説明に使用する本発明シリコン基板
の平面及び断面図。
【図10】実施例3の説明に使用する本発明シリコン基
板の平面及び断面図。
【図11】実施例4の説明に使用する本発明シリコン基
板の平面及び断面図。
【図12】実施例4の説明に使用する本発明シリコン基
板の平面及び断面図。
【符号の説明】
1…シリコン基板、2…電極、3…表示手段、4A…マ
イクロ波光導電減衰法過剰キャリアライフタイム測定手
段、4B…CPU実行コントロールデータ入力手段、5
…記憶手段、6…インターフェイス、7…計算手段CP
U、8…導波管、9…サーキュレータ、10…GaAs
パルスレーザ、11…ガンダイオード、12…マイクロ
波検波器、13…同軸線、14…シグナルストレージ、
15A…凹領域、15B…凹領域、15C…凹領域、1
5D…凹領域、16A…電極、16B…電極、16C…
電極、16D…電極、16E…電極、17A…凸領域、
17B…凸領域、17C…凸領域、17D…凸領域、S
1〜S10…フローチャート中のステップ、A−A’…
シリコン基板の断面位置を示す記号、B−B’…シリコ
ン基板の断面位置を示す記号、C−C’…シリコン基板
の断面位置を示す記号、D−D’…シリコン基板の断面
位置を示す記号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木須 輝明 東京都小平市上水本町5丁目20番1号 日 立超エル・エス・アイ・エンジニアリング 株式会社内 (72)発明者 長良 高光 東京都小平市上水本町5丁目20番1号 日 立超エル・エス・アイ・エンジニアリング 株式会社内 (72)発明者 由上 二郎 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 大倉 理 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン基板の厚さの逆数の2乗値と該シ
    リコン基板のキャリアライフタイムの逆数値との比例定
    数と、該シリコン基板の界面準位密度との対応関係にも
    とづいて、被測定シリコン基板の厚さの逆数の2乗値と
    該被測定シリコン基板のキャリアライフタイムの逆数値
    との比例定数から該被測定シリコン基板の界面準位密度
    を求めることを特徴とする界面準位密度測定方法。
  2. 【請求項2】キャリアライフタイム測定手段とデータ入
    力手段と記憶手段とが計算手段に接続されており、この
    記憶手段中に、シリコン基板の厚さの逆数の2乗値とキ
    ャリアライフタイムの逆数値との比例定数と該シリコン
    基板の界面準位密度との対応関係を保持し、本対応関係
    にもとづいて計算手段が、測定したキャリアライフタイ
    ムより界面準位密度を算出し、表示手段に出力すること
    を特徴とする界面準位密度測定装置。
  3. 【請求項3】バルク材として均一の準位密度を有するシ
    リコン基板からなり、該基板表面は段差が設けられてい
    ることを特徴とする標準試料。
JP11426795A 1995-05-12 1995-05-12 界面準位密度測定方法、測定装置及び測定用標準試料 Withdrawn JPH08316277A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011210774A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置の製造方法
CN118465588A (zh) * 2024-07-10 2024-08-09 云储新能源科技有限公司 一种动态可重构电池模组的内阻一致性评价方法及系统

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