JP2010217184A - 半導体領域の接合深さを測定する方法および装置 - Google Patents

半導体領域の接合深さを測定する方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光変調光反射測定技術を用いて、基板の半導体接合の深さの値を測定する方法。
【解決手段】半導体接合を含む少なくとも第1領域を有する基板を得る工程と、参照領域を得る工程と、少なくとも1回、以下のシーケンス、光変調光反射率測定のための測定パラメータのセットを選択する工程110、選択されたパラメータのセットを用いて、少なくとも第1領域の上で、半導体接合を有する基板を表す第1光信号を測定する工程120、選択されたパラメータのセットを用いて、参照領域の上で、第2光信号を測定する工程130、および第2光信号に対する第1光信号の比を測定し(140)、この後に、この比から、半導体接合の深さを導き出す工程150を行う工程とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、ドープされた半導体領域のドーピングプロファイルの測定方法および測定装置に関し、特に、光変調光反射率測定技術を用いたその接合深さの測定方法および測定装置に関する。
ITRSロードマップは、32nm以下のSi−CMOS技術のトップ挑戦者の1つとして、半導体領域のシャロードーピングで形成されたウルトラシャロー接合の正確な評価を強調している。そのような接合は、一般に最大活性ドーピングレベルNと接合深さXにより特徴づけられる。
最大ドーピングレベルと接合深さを測定するための、使用された物理的および電気的分析技術、例えば2次イオン質量分析法(SIMS)、スプレッディングレジスタンスプロファイリング(SRP)、4点プローブ(FPP)、または、走査スプレッディングレジスタンス顕微鏡(SSRM)のような代わりの候補は、この接合深さXの正確な測定を可能にする。しかしながら、それらの評価技術は、破壊的で非常に遅く、例えば試料を準備しなければならず、それゆえにインライン測定はできない。
光変調光反射率(PMOR:Photomodulated Optical Reference)は、ドープされた半導体領域のようなドーピングプロファイルを定量的な方法で評価するための非破壊で非接触の技術として広く用いられる。測定中、変調されたパワーポンプレーザがドープされた半導体領域に導かれ、その屈折率プロファイルを変化させる。この屈折率プロファイルは、ドルーデ効果(Drude effect)とし知られる、試料中の過剰のキャリアの形成によりおよび/または調査する試料の温度効果により変調される。プローブレーザが同時にこのドープされた半導体領域に導かれ、屈折率プロファイルに依存して反射する。反射したプローブレーザ信号をロックイナンプに結びつけ、変調されたポンプレーザにより誘起されたドープされた半導体試料の反射率の変化が測定される。
そのようなPMOR技術の例は、サーマプローブ(Therma-Probe)(登録商標)技術(TP)であり、Lena Nicolaides らによる「温度波法を用いたウルトラシャロー接合の非破壊分析」(Review of Scientific Instruments, volume 74, number 1, January 2003)に開示されている。TP技術は、PMOR技術の高変調周波数機器である。ポンプパワーレーザ信号に対する、変調した反射プローブレーザ信号の位相シフトは、半導体ドーピングプロファイルに依存して測定され、2つの独立した信号は反射されたプローブレーザ信号から得られる。それらの独立した信号は、I(位相)とQ(90°の位相差)で表される。
国際特許出願WO2006/063809、「半導体基板のキャリア濃度レベルと電気的接合深さを独立して導き出すための方法とデバイス」の具体例が、図14および図15に示される。ドープされた半導体試料のドーピングレベルNと接合深さXを導き出すために、TP法が使用される。この目的のために、それらの相関カーブ上のドープされた半導体領域上で得られた1組の独立した信号(I、Q)をプロットすることで2組の相関カーブが測定され、最初に最大ドーピングレベルNが、続いてその接合深さXが測定される。
TP技術は、半導体ドーピングプロファイルの非破壊評価を可能にするが、十分に正確な接合深さの値を与えるためには、Q信号の変化は測定のノイズレベルに近い測定となる。
本発明の目的は、光変調光反射率(PMOR)測定技術を用いた、ドープされた半導体領域の接合深さを測定するための良好な方法とシステムを提供することである。本発明の少なくとも幾つかの具体例の特徴は、光変調光反射率(PMOR)測定技術を用いた、ドープされた半導体領域の接合深さを測定するための正確な方法とシステムを提供することである。
本発明の少なくとも幾つかの具体例の特徴は、屈折率プロファイルに影響する物理現象を設計し、この設計に測定された信号を適用する必要の無い、接合深さを導き出すための方法またはシステムを提供することである。
本発明の少なくとも幾つかの具体例の特徴は、接合深さを導き出し、この導き出された接合深さはSIMSにより得られた接合深さと非常に良好な相関関係を有するような方法またはシステムを提供することである。
本発明の少なくとも幾つかの具体例の特徴は、15nmから30nmの範囲の深さのサブnmの再現性を有する、この接合深さを導き出すための方法またはシステムを提供することである。
本発明の少なくとも幾つかの具体例の特徴は、導出手続に対する、測定されたデータの適合性の内在的なチェックを行うともに、この接合深さの絶対値を導出するための方法またはシステムを提供することである。
本発明の少なくとも幾つかの具体例の特徴は、導出手続に対する、測定されたデータの適合性の内在的なチェックを行うとともに、この接合深さの相対値を導出するための方法またはシステムを提供することである。そのような方法は、特に、基板の異なる領域で形成されたような、知られていない半導体プロファイルのばらつきの査定に関連する。
本発明は、光変調光反射率測定技術を用いて、基板の半導体接合の深さの値を測定する方法に関し、この方法は、半導体接合を含む少なくとも第1領域を有する基板を得る工程と、参照領域を得る工程と、少なくとも1回、以下のシーケンス:
(i)光変調光反射率測定のための測定パラメータのセットを選択する工程、
(ii)選択されたパラメータのセットを用いて、少なくとも第1領域の上で、半導体接合を有する基板を表す第1光信号を測定する工程、
(iii)選択されたパラメータのセットを用いて、参照領域の上で、第2光信号を測定する工程、
(iv)第2光信号に対する第1光信号の比を測定し、この後に、この比から、半導体接合の深さを導き出す工程、
を行う工程と、を含む。
本発明の具体例では、半導体接合の深さの値を測定する工程は、半導体接合の深さの絶対値を測定する工程を含む。
本発明の具体例では、基板は、半導体接合を含まない少なくとも第2領域を含み、参照領域は第2領域である。
本発明の具体例では、基板は、接合を含む第1主表面と、接合を含まない第2主表面とを有するバルク半導体基板であり、これにより第1光信号は第1主表面上で測定され、第2光信号は第2主表面上で測定される。
本発明の具体例では、第2光信号は、接合を形成する工程の前に、基板上で測定され、第1光信号は、基板に接合が形成された後に基板上で測定される。
本発明の具体例では、参照領域を得る工程は、接合の無い他の基板を準備する工程を含み、この他の基板の光学および半導体の特性は、実質的に接合を有する基板と同じであり、第1光信号は接合を有する基板上で測定され、第2光信号は接合を有しない基板上で測定される。
本発明の具体例では、半導体接合の深さは、以下の式:
Figure 2010217184
の比から導出される。ここでXは接合深さ、λprobeは試料の測定に用いられるレーザビームの光波長、nは自由キャリアの無い基板の屈折率、Rは第1光信号の第2光信号に対する比である。
本発明の具体例では、参照領域は、半導体接合を含む基板の他の領域からなり、他の領域は第1領域とは異なり、半導体接合の深さの値を測定する工程は、半導体接合の深さの相対値を測定する工程を含む。
本発明の具体例では、半導体接合の深さは、以下の式:
Figure 2010217184
を用いて比から導出される。ここでXは接合深さ、X referenceは参照領域の接合深さ、λは試料の測定に用いられるレーザビームの光波長、nは自由キャリアの無い基板の屈折率、ΔR/Rlayerは第1領域の光変調光反射信号、ΔR/Rreferenceは参照領域の光変調光反射信号である。
本発明の具体例では、基板を表す第1および/または第2の光信号を測定する工程は、ポンプレーザビームを提供する工程と、プローブレーザビームを提供する工程と、基板上のスポットにポンプレーザビームを収束させる工程と、ポンプレーザビームは基板の領域でその屈折率プロファイルを変調させ、基板上の他のスポットにプローブレーザビームを収束させる工程と、光変調された領域により反射されたプローブレーザビームの予め決められた特性を測定する工程と、を含む。
本発明の具体例では、パラメータのセットは、基板上の、ポンプレーザビームとプローブレーザビームがそれぞれ収束する2つのスポットの間のオフセットdを含む。
本発明の具体例では、工程i)〜工程iV)のシーケンスが、オフセットdに対して他の値を選択することにより繰り返される。
本発明の具体例では、工程i)〜工程iV)のシーケンスが、その比が1から−1の間の値に収束するまで、増加するオフセットdに対して繰り返される。
本発明の具体例では、反射したプローブレーザビームの所定の特性を測定する工程は、ポンプレーザビームと同調する反射したプローブレーザビームの成分を測定する工程を含む。
本発明の具体例では、基板の表面に隣接して半導体接合が形成され、この方法は更に、測定中に、第1光信号が収束し、および第2光信号が収束するように、表面におけるキャリアの再結合を低減する工程を含む。このキャリア再結合の低減は、表面における静電ポテンシャルの電場の存在により、照射された表面に自由キャリアが到達することを防止することにより得ることができる。このキャリアの再結合の低減は、表面での再結合を防止することで、即ち表面での界面トラップを低減することで得られる。
本発明の具体例では、オフセットdとは別に、PMOR測定のパラメータのセットは、その間に第1光信号および第2光信号が測定される時間間隔であり、これにより、測定中に、第1光信号が収束し第2光信号が収束するように、それぞれの時間間隔が選択される。
本発明の具体例では、基板は半導体層である。
また、本発明は、光変調光反射率測定技術を用いた、基板中に形成された半導体接合の深さの絶対値を測定する方法を開示し、この方法は、少なくとも1回、以下のシーケンス:
(i)光変調された光反射率測定のための測定パラメータのセットを選択する工程、
(ii)選択されたパラメータのセットを用いて、半導体接合を有する基板を表す第1光信号を測定する工程、
(iii)選択されたパラメータのセットを用いて、半導体基板のみを表す第2光信号を測定する工程、
(iv)第2光信号に対する第1光信号の比を測定し、この後に、この比から、半導体接合の深さを導き出す工程、
を行う工程と、を含む。
また、本発明は、光変調光反射率測定技術を用いた、基板の領域に形成された半導体接合の深さの相対値を測定する方法を開示し、この方法は、
半導体接合を含む少なくとも2つの領域を有する基板を提供する工程と、
少なくとも1回、以下のシーケンス:
(i)光変調された光反射率測定のための測定パラメータのセットを選択する工程、
(ii)それらの領域の一方で、半導体接合を有する基板を表す第1光信号を測定する工程、
(iii)それらの領域の他方で、選択されたパラメータのセットを用いて、半導体接合を有する半導体基板を表す第2光信号を測定する工程、
(iv)第2光信号に対する第1光信号の比を測定し、この後に、この比から、半導体接合の相対的な深さを導き出す工程、
を行う工程と、を含む。
本発明は、光変調光反射率測定(PMOR)技術を用いた、基板の少なくとも1つの領域に形成された半導体接合の深さを測定する方法を開示し、このPMOR技術は、
測定する基板を準備する工程と、
ポンプレーザビームを提供する工程と、
ポンプレーザビームを、測定する基板上のスポットに収束させる工程と、
このポンプレーザビームのスポットを囲む領域で、ポンプレーザビームが、測定される基板の下層の屈折率プロファイルを変調する工程と、
プローブレーザビームを、ポンプレーザビームのスポットからオフセットdで、測定する基板上に収束させる工程と、
光変調された領域により反射されたプローブレーザビームの所定の性質を測定する工程と、を含み、
この方法は、少なくとも1回、以下のシーケンス:
i)接合領域でPMOR測定を行い、半導体接合を有する基板を表す第1の所定の特性を測定する工程、
ii)このPMOR測定を繰り返し、少なくとも半導体接合を有さない基板を表す第2の所定の特性を測定する工程、
iii)第2の所定の特性に対する第1の所定の特性の比を測定し、この後に、この比から半導体接合の深さを導き出す工程、
を行う工程を含む。
また、本発明は、基板の第1主表面上に形成された半導体接合の深さの絶対値を測定する装置を開示し、この基板は、更に、第2主表面を含み、この装置は、
ポンプレーザビームと、
プローブレーザビームと、
基板の第1主表面上のスポットに、ポンプレーザビームを収束させる手段であって、これにより、このポンプレーザビームのスポットを囲む領域で、下層の基板の屈折率プロファイルを変調する手段と、
ポンプレーザビームのスポットからオフセットdの、基板の第1主表面上に、プローブレーザビームを収束させる手段と、
第1主表面上の光変調された領域により反射されたプローブレーザビームの所定の特性を測定する手段と、を含み、この装置は、更に、
ポンプレーザビームとプローブレーザビームを、第2主表面にも収束させる手段と、第2主表面上の光変調された領域により反射されたプローブレーザビームの所定の特性を測定する手段とを含む。
本発明の具体例では、この装置は、更に、基板の第1主表面と第2主表面のそれぞれにおいて、プローブレーザビームとポンプレーザビームとの間のオフセットを変化させる手段を含む。
記載された図面は、単に概要であり、限定するものでは無い。図面において、図示目的で、いくつかの要素の大きさは拡張され、縮尺通りに記載されていない。寸法と相対する寸法は、本発明の実施の実際の縮小には対応していない。
公知の光変調光反射率(PMOR)技術の操作原理の模式図を示す。 本発明の具体例にかかる、接合深さを導き出すための方法を表すフローチャートである。 本発明の他の具体例にかかる、接合深さを導き出すための方法を表すフローチャートである。 本発明の実験の具体例にかかる、図5中に記載された試料を選択して得られた、PMOR信号の比Raの横方向挙動を示す。それぞれの比に対して、対応するSIMS接合深さは右側に記載された。 ボックス状のドーピングプロファイルを有する試料についての、SIMS(2次イオン質量分析)と、本発明の実験的具体例にかかる導出方法TPにより得られた接合深さXの間の相対関係を示す。 注入されたドーピングプロファイルを有する試料のための、レーザアニールスキャン数の関数として、本発明の具体例にかかる導出方法を介して得られた接合深さを示す。 本発明の具体例にかかる、n型およびp型の一連のドープ基板の、基板表面のパッシベーションによるPMOR信号の時間依存性を示す。 本発明の具体例にかかる接合深さの絶対値を測定するために、1つの基板からPMORテスト試料信号とPMOR参照試料信号とを提供するための、一の具体例で使用される基板の模式的な断面図を示す。 本発明の具体例にかかる接合深さの相対値を測定するために、1つの基板からPMORテスト試料信号とPMOR参照試料信号とを提供するための、一の具体例で使用される基板の模式的な断面図を示す。 本発明の具体例にかかる接合深さの絶対値を測定するために、1つの基板からPMORテスト試料信号とPMOR参照試料信号とを提供するための、一の具体例で使用される基板の模式的な断面図を示す。 本発明の具体例にかかる接合深さの絶対値を測定するために、1つの基板からPMORテスト試料信号とPMOR参照試料信号とを提供するための、一の具体例で使用される測定セットアップの模式図を示す。 接合深さの絶対値を測定するために、1つの基板からのPMORテスト試料信号とPMOR参照試料信号とを提供する、本発明の一の具体例で使用される測定セットアップの模式図を示す。
本発明は、特定の具体例について、添付図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではなく、請求の範囲によってのみ限定されるものである。
更に、説明や請求の範囲中の、第1、第2、第3等の用語は、類似の要素の間で区別するために使用され、時間的、一時的、空間的順序等を表す必要はない。そのように使用される用語は、適当な状況下で入替え可能であり、ここに記載された発明の具体例は、ここに記載や図示されたものと異なる順序によっても操作できることを理解すべきである。
請求の範囲で使用される「含む(comprising)」の用語は、それ以降に示される要素に限定して解釈されるべきではなく、他の要素や工程を排除しない。このように、言及された特徴、数字、工程、または成分は、その通りに解釈され、1またはそれ以上の他の特徴、数字、工程、または成分、またはこれらの組み合わせの存在または追加を排除してはならない。このように、「手段AおよびBを含むデバイス」の表現の範囲は、構成要素AとBのみを含むデバイスに限定されるべきではない。本発明では、単にデバイスに関連した構成要素がAとBであることを意味する。
この明細書を通じて参照される「一の具体例(one embodiment)」または「ある具体例(an embodiment)」は、この具体例に関係して記載された特定の長所、構造、または特徴は、本発明の少なくとも1つの具体例に含まれることを意味する。このように、この明細書を通して多くの場所の「一の具体例(one embodiment)」または「具体例(an embodiment)」の語句の表現は、同じ具体例を表す必要はなく、表しても構わない。更に、特定の長所、構造、または特徴は、この記載から当業者に明らかなように、1またはそれ以上の具体例中で適当な方法で組み合わせることができる。
更に、ここで記載された幾つかの具体例は幾つかの特徴で、他の具体例に含まれる以外の特徴を含み、異なった具体例の長所の組み合わせは、本発明の範囲に入ることを意味し、当業者に理解されるように異なった具体例を形成する。例えば、以下の請求の範囲では、請求された具体例のいくつかは、他の組み合わせにおいても使用することができる。
ここで与えられる説明において、多くの特別な細部が示される。しかしながら、本発明の具体例はそれらの特別な細部無しに実施できることを理解すべきである。他の例では、公知の方法、構造、および技術は、この説明の理解をわかりにくくしないために、詳細には示されていない。
本発明は、この特定のPMOR法に限定されるものではないが、説明するために、サーモプローブ(Thermo-Probe:登録商標)法(TP)が半導体領域の測定に使用される。このサーモプローブ技術(TP)は、「ウルトラシャロー半導体構造中の活性キャリアプロファイルを定量するための方法およびデバイス」の名称での国際特許出願WO2007028605、米国特許出願US2008/0224036のパラグラフ8〜12に記載され、参照することによりその全体がここに含まれる。次のパラグラフは、そのようなPMOR技術の動作原理の概略を示す。以下の例では、KLA−Tencor社製のTP630XPツールが、PMOR測定を行うのに使用されたが、本発明の具体例はこれに限定されるものではない。
図1は、半導体材料の基板2を含む試料1を示す。本発明の具体例では、基板が参照されるが、興味のある領域が参照されても良く、他の部分や支持層がここでの参照無しに存在しても良い。試料1は、シリコンまたはゲルマニウムのウエハのようなバルク半導体基板で良く、選択的に、Ge、SiGe、またはGaAs、InP等のようなIII−V材料の半導体材料の層を含んでも良い。それらの層は、半導体基板の主表面上の、少なくとも選択された領域に形成される。半導体基板2は、このように、その主表面において露出したバルク半導体基板の一部でも良く、またはこの半導体基板上の、1またはそれ以上の選択的な半導体層のスタックでも良い。実質的に均一な組成を有する基板の代わりに、試料は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)やゲルマニウム・オン・インシュレータ(GOI)のような半導体層と誘電体層とのスタックとして形成し、誘電体層により半導体層が半導体基板から分離されても良い。半導体基板2は、この分離誘電体層の上に形成された層である。半導体基板2は、選択的に、1またはそれ以上の半導体層のスタックとして形成されても良い。それらの1またはそれ以上の層は、この分離する誘電体層の主表面上の少なくとも選択された領域に形成されても良い。
半導体基板2は、一般には、下部のアンドープまたは下部のドープ層4の上に形成された上部のドープ層3を含む。ドープ層のドーピングプロファイルは、最大活性ドーピング濃度Nactive、および垂直拡がりまたは深さXにより特徴付けられる。形成されたままの、または注入されたままのドーピングプロファイルは、活性ドーイングプロファイルとは異なる。なぜならば、自由キャリアを提供するドーピング原子の数は、とりわけ、ドープ層に与えられる熱量に依存するからである。このように、ドーピング元素の一部が、活性化されないまま残るため、活性ドーピング濃度は、注入されたままのドーピング濃度と同じかまたはより少なくなる。後に検討するように、活性化されたドーピング元素のみが、PMOR信号に寄与する。層3は、層4の上のその場(in-situ)ドープされた層3として堆積させても良く、ボックスプロファイルとして知られるように、層3全体で均一なドーピングプロファイルを示す。化学気相堆積(CVD)またはエピタキシャル層成長は、基板上にドープされた層を形成するために良く知られた技術である。代わりに、ドープされた層3が、基板2中へのドーパントの注入により形成されて、ドープされた層3と残ったアンドープの層4を形成しても良い。例えば、基板2中にドーパントを注入するためにイオン注入が用いられた場合、使用される注入種、エネルギ、および注入ドーズの選択に依存して、どのようなドーピングプロファイルでも得ることができる。層3は、下部層4をドープするのに用いられるドーパントと、同じまたは反対の型のドーパントでドープされる。後者の場合、接合5は、上部層3と下部層4との間に形成される。この接合5は、基板2の中の所定の深さに位置し、この接合は、接合深さXにより特徴付けられる。そのようなドープされた層2の例は、電界効果トランジスタのようなトランジスタのソースおよびドレイン接合であり、バイポーラトランジスタのエミッタ領域である。
光変調光反射率(PMOR)測定は、一般には、以下の工程を含む。ポンプレーザビーム7とプローブレーザビーム8は、周囲6から基板2の上に与える。入射したプローブレーザビーム8と、反射したプローブレーザ信号9は、それぞれ矢印8と9で表される。ポンプレーザビーム7は、一般には、この基板2中に過剰のキャリアプロファイルΔN(z)を形成することにより、基板2の屈折率の変化を引き起こす。ポンプレーザビーム7は、このように、調査される半導体材料のバンドギャップより大きなエネルギ量を与える波長(光周波数)を有し、ポンプレーザビーム7により光学的に刺激された場合に、半導体材料中で過剰のキャリアを形成する。ポンプレーザビーム7は、一般には、時間非依存成分(DC)と時間依存成分(AC)からなる。TPの場合、ポンプレーザビーム7のこの時間依存成分は、約1MHzの変調周波数と、約790nmの光波長を有する。図1では、基板2中への深さzの関数としての、過剰のキャリアプロファイルΔN(z)が、グラフ7により示される。プローブレーザ8の波長(光周波数)は、調査される半導体層に入射する場合に、過剰キャリアを生成しないか、単に無視できる量の過剰キャリアを生成するように選択される。TPの場合、プローブレーザビーム3の光波長は、一般には670nmである。プローブレーザビームの矢印8は反射され、これにより半導体基板2の多くの場所で、反射されたプローブレーザビーム信号の矢印9を形成する。例えば、プローブレーザビーム8は表面で反射されて、反射されたプローブレーザビーム信号9中の表面成分を形成する。表面で起きる過剰キャリアプロファイルの変化により反射され、近表面成分を形成し、または、N(z)の傾斜上でドープ部分3とアンドープ部分4との界面により反射され、界面の成分を形成する。プローブレーザビームは、または、ドーピングプロファイル中のいずれかの遷移でも反射される。
一般には、ポンプレーザ7とプローブレーザ8の双方のレーザは、固定された測定セットアップで、双方の入射レーザビームは、層表面に垂直な方向を有し、これは、基板表面の垂線に対してゼロ度の角度で入射することを意味する。ポンプレーザ7の最大パワーおよび時間変調周波数は、一般には一定である。また、反射されたプローブレーザビーム9やその成分が測定される間の時間も、一般には一定に保たれる。プローブレーザ8とポンプレーザ7の間の間隔dは、図1に示すように変化させることができる。小さい、またはゼロの、オフセットまたはレーザ分離、即ち双方のレーザビーム7、8が、半導体基板2の実質的に同じスポットに当たると、プローブレーザ3により測定される最大数の過剰キャリアに対応し、これにより、高い反射信号を形成する。また、反射されたプローブ信号9を、半導体基板2の露出した表面に入射するポンプレーザビーム7とプローブレーザビーム8の間のオフセットdの関数として測定できる。所定の試料に対するこのオフセットdと固定された測定条件との関数として、反射されたプローブレーザ9の信号を示すカーブは、オフセットカーブまたはトラッカースキャンとして知られる。
説明によれば、半導体接合のテスト試料1の上で最初にPMOR測定を行い、参照試料の上でこのPMOR測定を繰り返すことにより、半導体接合5の深さXを決定することができる。それぞれのPMOR測定の結果の比Rを形成することで、この接合深さXに比例する信号が得られる。PMOR測定は、同じ測定条件を用いて行われる。
PMOR測定中に、プローブレーザビーム8とポンプレーザビーム7は互いに間隔を隔て、それらのビームが、試料1の表面の異なるスポットに当たるようにする。後に示すように、オフセットd>0でPMOR測定を行うことにより、測定される反射されたプローブレーザビーム信号8またはその成分は、基板プラズマ波成分により支配される。プラズマ波成分と熱波成分は、オフセットdの増加により無視できるようになる。
テスト試料1の上で得られたPMOR信号は、このようにこの接合5が形成された基板2を含む半導体接合5を表す光信号である。
参照試料に応じて、双方のPMOR測定の比は、この接合深さXの絶対値または相対値を表す。もし、接合5自体を含むことなく接合5が形成された基板2のみを表す光信号を生じるように参照試料が選択された場合、接合深さの絶対値は、双方のPMOR測定の比Rから導き出される。もし、この接合5が形成された基板2を含む半導体接合5を表す光信号を生じるように参照試料が選択された場合、接合深さXの相対値は、双方のPMOR測定の比Rから導き出される。この場合、この接合深さXの絶対値を知ることなく、テスト試料1と参照試料のそれぞれに形成された実際の接合の間の接合深さの差:ΔX=(ΔX test−ΔX reference)のみが決定される。
基板プラズマ波成分を主にまたは単に含む反射された光信号を得るためのPMOR測定のパラメータの選択は、層プラズマ波成分と熱波成分とが、試料の表面に沿った位置xとともに減衰する比により決定される。ここでx=0は、試料の表面にポンプレーザビームが入射するスポットである。
図2は、説明した導出方法100の異なる工程を記載したフローチャートを示す。最初に、PMOR測定のパラメータが選択される110。このパラメータのセットは、オフセットd、光周波数のようなポンプレーザの設定、変調周波数およびパワー、光周波数のようなプローブレーザビームの設定を含む。この記載で説明したように、オフセットdは、層3プラズマ波成分および熱波成分が無いか、または層4プラズマ波成分に比較して少なくとも無視できるように、例えば後者の信号の10%より小さく、好適には1%より小さいPMOR信号が得られるように選択される。ポンプレーザパラメータの設定は、半導体材料のバンドギャップ、侵入深さ、および望まれるプラズマ波および熱波の大きさや横方向の拡がりの観点から選択される。プローブレーザの光周波数は、半導体材料と接合深さの観点から選択される。選択されたパラメータを用いたPMOR測定は、120で特徴付けられるように実際の接合上で行われる。この測定は、接合5と、その中またはその上4に接合が形成された基板2を表すPMOR信号を形成する。このPMOR測定は、接合深さの絶対値が得られる場合には、基板2を表す信号を得るために参照試料の上で繰り返され130、そうでなければ、このPMOR測定は、接合5と基板4を表すPMOR信号を形成するために参照試料の上で繰り返され、テスト試料と参照試料の接合深さの間の相対的な違いが形成される。最初にテスト試料を測定し、または参照試料を測定する。一旦、双方のPMOR信号が得られれば、PMORテスト試料のPMOR参照信号に対する比が形成される140。この比Raから、使用された参照試料に依存するテスト試料の接合深さの絶対値または相対値が導き出される150。
図3は、図2により示された導出方法の変形を示す。これは、測定された比Rを確認する工程145を含む。最初のチェックは、この比がその期待されるコサイン挙動と矛盾しない値を有するか、即ち、この値が[−1、1]の範囲内であるか、を見る。もし、こうでなければ、選択されたPMOR測定パラメータが適当でないため、例えばプローブレーザの正しくない光周波数のため、または使用された試料がここで記載された仮定に一致するPMOR信号を形成しないため、例えば形成されたままのドーピングプロファイルの低い活性度のため、のいずれかの理由で測定された比が使用できない。この最初の場合、他のPMORパラメータのセットが選択され、他のPMOR測定が行われ、PMOR信号比に対する適切な値が所定の試料に対して得られるどうかを見る。比Rが−1と1の間の値を形成しない場合、この値がオフセットdとともに変化するかどうかもチェックする。理論的には、層3プラズマ波成分と熱波成分の全体のPMOR信号に対する影響を制限するのに十分に大きなオフセットdの値が1つだけ必要とされる。基板2の物理的特徴が知られている場合、dの最小値が決定される。熱波の減衰は半導体材料のタイプに依存し、一方、層3のプラズマ波成分は基板2のプラズマ波成分より速く、もし基板が知られていれば後者も決定できる。大事をとって、試料上で少なくとも2つのPMOR測定が行われるが、得られたPMORが安定か、またはオフセットdに対して変化するかをチェックするために、異なるオフセットdの値が用いられる。PMOR測定中に、ポンプレーザ9に対してプローブレーザ8が、連続または不連続な工程で動くことで、多くのPMOR測定を行うことを選択しても良い。
以下のパラグラフにおいて、この説明で記載された方法の下にある物理が、説明を教えるためのTP法を用いて説明される。
第1節:活性ドーピングプロファイル上のPMOR理論
最初に、ボックス上の活性ドーピングプロファイル3のPMOR信号の挙動を説明するための、近似式の導出について要約する。この理論は、次に、PMOR信号の横方向の挙動、即ち、ポンプ7とプローブ8のレーザビームがオフセットdで分離された場合について説明するために一般化される。
先のパラグラフで説明したように、PMORは2つのレーザを用いた光技術である。最初に、基板2の半導体材料のバンドギャップより高い光子エネルギを、ポンプレーザ7が有するため、基板2中に、過剰の温度分布だけでなく、過剰のキャリア分布が、照射により形成される。ポンプレーザビーム7のパワーは時間とともに変調するため、温度や過剰のキャリアの分布も、時間とともに周期的に変化する。この時間依存温度や過剰キャリアの分布により引き起こされた屈折率プロファイルの変化により、プローブレーザ8が試料上で反射され、その時間依存の反射プローブビーム9となる。検出された反射プローブレーザビーム9は、ロックインアンプに接続され、非常に高い感度で記録される。
J. Bogdanowicz がMaterials Science & Engineering B, 154-155 (2008) P. 234-239 の「光変調された光反射率への、化学気相堆積中の不活性なドーパントの影響」に記載し、参照することによりその全体がここに含まれるように、PMOR信号ΔR/Rは、接合深さXと活性ドーピング濃度Nactiveを有するボックス状の活性ドーピングプロファイル3の場合に、以下のように表される。
Figure 2010217184
ここで、mとmは、それぞれ電子と正孔の有効質量、nは、プローブレーザ8の光波長λにおける自由キャリアの無い場合の基板2の格子屈折率、β=−mdn/dNは、有効質量mを有する過剰の自由キャリアの存在による基板2の反射率nの変化を考慮したドルーデ係数(Drude coefficient)であり、ここでδ=dn/dTは温度Tの上昇によるこの屈折率の変化を考慮する。ΔTsurfaceは、基板2の表面における過剰の温度であり、ΔNsubstrateは、基板2の下部層4中の過剰キャリア濃度であり、ΔN substrate/ΔNactiveは、もし以下の仮定が行われた場合に、基板2の上部層3中の過剰キャリア濃度である:ボルツマン統計が適用され、バンドギャップが狭くならず、疑似フェルミレベルが、空間電荷領域中で実質的に一定で、かつ、ΔNsubstrate<ΔNactiveである。
上記式(1)は、PMOR信号ΔR/Rが、それぞれ、上部層3中の過剰キャリア濃度(層プラズマ成分)、下部層4中の過剰キャリア濃度(基板プラズマ成分)、および過剰温度(熱成分)に関連する3つの成分からなることを示す。興味深いことには、式(1)は、また、PMOR信号ΔR/Rが、どのようにドーピング濃度Nactiveと接合深さXに依存するかも直接示す。
式(1)は、プローブ8とポンプ7のレーザビームが基板2の表面上で一致する場合の、PMOR信号ΔR/Rの挙動を開示する。この記載は、しかしながら、PROM信号ΔR/Rの横方向の挙動が記載される。プローブレーザビーム8の入射のスポットが、ポンプレーザビーム7の入射のスポットに対してx軸に沿って移動する場合、即ち2つのレーザスポットがオフセットdで互いに分離される場合、反射されたプローブレーザビーム9の測定された信号が変化するのだろうか。最初の近似では、上部層3プラズマ成分、下部層4プラズマ成分、および熱成分が、それぞれの減衰長さLlayer、Lsubstrate、およびLthermalに対して、すべて指数関数的に減衰するものと仮定される。全信号ΔR/Rに対して、以下の関係が定義される。
Figure 2010217184
ここでΔN0、substrateおよびΔT0、substrateは、x=0の場合、即ち2つのレーザスポットが一致しオフセットd=0の場合の、過剰キャリア濃度と過剰温度である。
式(2)に表される3つの減衰長さは異なる値を有する。第1に、一次元で低い変調周波数の問題、Lsubstrate=√(Dτ)およびLthermal=√(2D/ωpump)が知られている。ここで、Dはキャリア拡散率、τはキャリアのライフタイム、Dthは基板2の熱拡散率、ωpumpはポンプレーザビーム7の振動、即ち時間に対するポンプレーザパワーの変調である。TPに対して、これは一般にSi中で、Lsubstrate〜10μm、Lthermal〜4μmである。所定の値は、一次元の場合のみ変化でき、3次元の問題では、それらは実際にはより短いことに注意すべきである。第2に、上部層3プラズマ成分の減衰長さLlayerは、下層のプラズマ成分4の減衰長さLsubstrateより短いことを示すことができる。換言すれば、熱成分と上部層3プラズマ成分は、下部層4プラズマ成分より速く減衰する。結論として、2つのレーザビーム7、8の入射スポットの間の距離dが十分大きい場合、下部層4プラズマ成分のみが残る。即ち以下のようなる。
Figure 2010217184
3つの信号成分の時間依存性に関して意見を述べる。TPのようなPMOR技術では、パワー変調周波数が比較的高く(ωτ〜1)、ポンプパワーに関してそれらの遅延を考慮するとすべての3つの成分は実数部分のみを有するのではなく、虚数部分をも有する。このポンプレーザビーム7と反射したプローブレーザビーム8の間の時間遅延は、反射されたプローブレーザビーム8の中の2つの先の述べた成分I(位相)とQ(90°位相差)に起因する。そのようなPMOR技術では、I信号のみが式(3)に示されたように振る舞い、一方、Qの横方向の挙動を説明するために、全体の時間依存性を考慮する必要がある。この結果、反射信号8の成分のみが、記載を説明するのに使用される。
第2節:ボックス状のプロファイルの接合深さ
J. Bogdanowicz らが、Journal of Vacuum Science and Technology B, 26 (2008), p. 310-316に記載し、参照することによりここに組み込まれる「高周波変調された光反射率による光キャリアプロファイリングの進歩」の表Iに記載されたような、同じ活性ドーピング濃度Nactiveであるが異なる接合深さXを有する試料1のために、前節で展開した理論が、CVDボックス状の活性ドーピングプロファイル3の接合深さXjの絶対値を導出する方法を得るために適用される。得られた結果は、それらの試料に対して測定されたSIMS接合深さと比較される。
ウエハは、一般には、例えばソース/ドレイン接合が形成された異なる活性領域のような、接合が形成された多くの領域を含む。同じ処理工程で形成されても、異なる領域それぞれの実際のドーピングプロファイルは、処理のばらつきにより互いにばらつく。後者の方法は、例えばウエハの一部またはウエハ全体の、接合深さXの相対的なばらつきを測定するのに使用できる。ウエハは、一般には、例えばソース/ドレイン接合が形成された異なる活性領域のような、接合が形成された多くの領域を含む。同じ処理工程で形成されても、異なる領域それぞれの実際のドーピングプロファイルは、処理のばらつきにより互いにばらつく。
前節で展開した理論は、式(3)に要約される。この式(3)は、層4を含む参照試料、即ちX=0となる上部層3の無い基板に対しても有効である。このように、式(3)の比を、この具体例ではボックス状のドーピングプロファイルである基板2に、接合領域5を含むテスト試料1に適用でき、式(3)は、接合領域5の無い、即ち上部層3の無い基板2を含む参照試料に適用できる。この比Rは、レーザビームの間隔dが十分に大きい場合には、
Figure 2010217184
となる。式(4)において、下部層4の過剰のキャリア濃度とその減衰長さは、上部層3から独立するものと仮定される。これは、上部層3中の不活性なドーピング濃度は高すぎない場合に確かである。式(4)は、テスト試料1と接合5の無い参照試料との上でそれぞれ測定された信号の比が、ポンプとプローブのレーザ7、8が十分に間隔を隔てる場合に、テスト試料1の接合深さXに比例することを示す。
前のパエラグラフで展開された方法は、J. Bogdanowicz らが、Journal of Vacuum Science and Technology B, 26 (2008), p. 310-316に記載し、参照することによりここに組み込まれる「高周波変調された光反射率による光キャリアプロファイリングの進歩」の表Iに記載されたような、CVD2およびCVD3の材料に適用される。CVD8マトリックスは、2つの一連の試料:CVD8−1およびCVD8−2からなる。CVD8−1シリーズは、殆ど同じ接合深さで1019から3×1020cm−3の範囲の異なるドーピング濃度を有する6つの単層のCVD層からなる。CVD8−2シリーズは、同じ接合深さで、同じドーピング濃度のシャロー層3(3×1020cm−3)と、3×1019cm−3から3×1020cm−3までの範囲でドーピング濃度のばらつく第2層4とを有するボックス状の構造の2つの層3、4からなる。
図4は、J. Bogdanowicz らが、Journal of Vacuum Science and Technology B, 26 (2008), p. 310-316に記載し、参照することによりここに組み込まれる「高周波変調された光反射率による光キャリアプロファイリングの進歩」の表Iに記載されたような、CVD2マトリックスの試料1を選択して測定したPMOR信号ΔR/Rの、アンドープの試料、即ち下部層3の無い基板2で測定したPMOR信号ΔR/Rに対する比Rの横方向の挙動を示す。試料1の多くでは、比Raは、−1と1の間の値に収束する。この飽和値は、次に、式4を用いたテスト試料1の接合の絶対値を得るために使用される。式(4)に表されるように、比Rと接合深さXとの間のコサインの関係のために、測定されたPMOR信号の実効比は、−1と1の間の値を有する。測定された比がこの関係に従うという事実は、第1節と第2節の導出手順を導出するために行った仮定が正しいことを証明している。それゆえに、テスト試料のPMOR信号の、参照試料のPMOR信号に対する測定された比Rが、1−と1との間に有るか否かをチェックすることにより、特定の試料に適用する場合に、方法の正しさをチェックできる。レーザの間隔dの使用範囲に対して、最も深い接合について比Raが収束したのは、基板4の上部層3中の不活性なドーパントレベルの、より大きな影響によるものであり、これにより基板2のみを表すPMOR信号に影響するためであろう。
シリコン基板2に形成された活性ドーピングプロファイルでPMOR測定を行った場合、図4のx=0に対して望まない非対称のカーブが常に観察された。この非対称さは、PMOR測定中に、Si基板2の露出した表面に存在する自然酸化物に自由キャリアを導入することで説明できる。この自然酸化物は、シリコン基板2の露出した表面をパッシベートする。第4節では、基板2の表面の特性についてのPMOR測定の感度を低減し、上で展開したモデルを、この導出方法のより高い再現性と正確さをより確固にするために、この帯電効果(charging effect)が有用であることを示す。図4に示されるオフセットカーブは、左から右へのPMOR測定中のプローブレーザビーム7の動きで得られるため、最初に帯電していなかった表面は、このスキャン中により帯電され、左側(d<0)でのPMOR測定は本質的に帯電の無い酸化物の上で行われ、一方、右側(d>0)でのPMOR測定は本質的に帯電した酸化物の上で行われる。それらのPMOR信号はより信頼性のあることが望まれ、それらのオフセットカーブの右部分(d>0)は、更なる記載に使用される。
図5は、d=4μmのレーザ分離で、式(4)を用いて得られたテスト試料1の接合深さを、二次イオン質量分析(SIMS)を用いてテスト試料1で得られた対応する接合深さと比較するものである。全ての試料で相関関係は非常に良好で、より深い接合を有するCVD8−2のダブルボックスでさえも良好である。しかしながら、式(4)の周期性により、導出方法は、接合深さXと(λ/2n−X)の間を区別できないことに注意すべきである。図5では、公知のSIMS接合深さが、それゆえに、2つの式のどちらを使用するかを決定するのに用いられた。これは、図5中に、X=44nmの垂直な点線により示される。X<44nmの値では、式(4)が直接適用された。この記載にかかる方法で得られた接合深さの値と、対応するSIMS接合深さとの間の相違は、SIMSプロファイルがウエハの中央で測定され、導出された接合深さがウエハの他の位置で得られた、ウエハでの接合深さの不均一性によって説明でき、および/または第4節で検討される基板の信号再現性によって説明できる。
技術は、J. Bogdanowicz らが、Journal of Vacuum Science and Technology B, 26 (2008), p. 310-316に記載し、参照することによりここに組み込まれる「高周波変調された光反射率による光キャリアプロファイリングの進歩」の表Iに記載されたような、CVD5およびCVD4の試料で試験された。しかしながら、双方の場合、技術は納得できない結果となった。CVD5のテスト試料の場合、これは、下部層3の活性化されたドーピング濃度Nactiveが十分に高くなく、Llayer〜Lsubstrateは、層3のプラズマ成分が下部層4のプラズマ成分より速くは減衰しないことを意味するという事実によると思われる。結果として、PMOR信号と式(4)に残る双方のプラズマ成分が使用できない。CVD4のテスト試料では、それらは非常に高い不活性のソーピング濃度を有し、基板プラズマ成分は、活性ドーピングプロファイルNactiveに依存するようになり、式(1)を導く時に行われた1つの仮定:ΔNsubstrate<ΔNactiveが有効でなくなる。
式(4)となる参照試料としてアンドープの基板、即ち接合の無い基板を用いるよりむしろ、参照試料やPMOR測定として、活性ドーピングプロファイルを有し、接合深さX referenceで特徴付けられる同じ基板に形成されたドープ層3を含む基板またはPMOR測定Δを用いることができる。好適には、この参照試料の活性ドーピング濃度は、実質的にテスト試料と同じである。テスト試料PMOR信号ΔR/ΔR layerのI成分の、参照試料のPMOR信号ΔR/ΔR referenceのI成分に対する比Rは、以下のようになる:
Figure 2010217184
式(5)は、テスト試料1の接合深さの相対値、即ち、比X/X refを求める方法を導き出すのに使用できる。
特に、図5で検討したように、X reference<λ/(4n)で、Si中でのTPのPMOR測定では、これは約44nmであり、もしΔX=X−X referenceが小さい場合、式(5)は、分子のコサインの2次テーラー展開の後に、
Figure 2010217184
となる。
ここで、サイン関数は、その偏角(argument)が正または負であるかに依存して、それぞれ1または−1である。例えば、参照PMOR測定がウエハの中央で行われた場合、式(6)は、ウエハの一部または全ウエハでの接合深さの均一性を決定するために使用できる。このパラグラフで記載された導出方法は、式5を不明確にするゼロコサインを示す参照接合深さを用いては使用できないことに注意すべきである。シリコン基板2でのTPのPMOR測定の場合、そのような参照接合深さX referenceは、一般にはSi中で22nmである。しかしながら、これがその場合、式(4)に示されたように、PMOR信号ΔR/Rの、プローブレーザビーム8の光波長λに対する依存性のために、参照接合X referenceで得られるPMOR信号ΔR/R layerが、ゼロで無いように、他の光波長λを選択することができる。このように、PMOR測定のパラメータが選択された場合、プローブレーザビームの光周波数は、PMOR信号がゼロと成らないように選択できる。
第3節:任意のプロファイルの接合深さ
本節では、記載された導出方法の、任意の形状のプロファイルへの拡張について検討する。特に、アニールされた注入プロファイルへの拡張が検討される。調査された試料は、特に、E. Rosseel らが、IEEE International Conference on Advanced Thermal Processing of Semiconductors, 2008に記載し、参照することによりその全体がここに組み込まれる、「浅いボロン接合の活性化および拡散への、複数の融点以下のレーザスキャンの影響」の、実験セクションにおいて記載され、全体が特徴付けられる。3つの一連の試料が、Bのみ(0.5keV、1015cm−2)、BとGe(12keV、5×1014cm−2)、またはB、Ge、およびC(3keV、1015cm−2)のそれぞれを有するそれらの表面について、注入の均一性が調査された。3つのシリーズを形成する全ての試料は、続いて、それぞれの条件でレーザビームを表面試料の一部の上でスキャンすることにより、異なった温度で異なった時間、レーザアニールされた。スキャンの温度は、それぞれ1220℃または1300℃であり、一方、アニーリングの時間は、1〜7回の間で同じ領域上で行われる連続したスキャンの回数を変えることで変えた。3つの注入シリーズのそれぞれについて、14の異なる活性化された接合プロファイルに対応する14の異なるアニール条件が得られた。それぞれの注入条件が1つのウエハ2の上で行われたため、異なる活性化された接合プロファイルについて得られた基板信号は同じである。
第1節と第2節で述べた導出方法の、それらの注入プロファイルへの拡張は、本質的に2つの問題を生じる。第1は、第1節と第2節で使用した試料のボックス状のドーピングプロファイルと相反するそれらの最終傾斜により、それらの注入されたプロファイル中で、独特なSIMS接合深さの特定がより困難になった。それゆえに、接合深さXの測定として、1020cm−3でのSIMS接合深さを行うことが提案された。第2は、接合5の無い参照信号を得ることがより困難であり、式(6)に対応する相対的な接合導出方法が、式(4)に対応する絶対的な接合の導出方法より好しかった。それぞれのシリーズおよびアニーリング温度では、3回アニールされた試料、即ち試料「S」は、通常は既に十分に活性化されたと仮定され、参照SIMS接合深さを得る参照として用いられる。
B+Ge注入試料とともに、B注入試料について、得られた結果が図6に示される。式(6)を用いて導き出された相対的な接合は、測定されたSIMS接合深さと非常に良好な一致を示す。この導出された接合の絶対値の距離を得るために、SIMS接合深さが、式(6)中の参照接合深さとして使用される。特に、7回アニールされた試料で測定されたSIMS接合深さに、すべてのカーブが収束する。低温アニールについての単調で無い挙動に注意すべきである。これは物理的であるようには見えず、(3回のレーザアニールスキャンを有する)参照試料が十分に活性化されなかった事実によるものであろう。C+Ge+Bが注入された試料は、アニール後においてさえも、基板2中に残った多すぎる欠陥の熱信号を単に示す。それらの欠陥は、プラズマ成分の形成に負の影響を与える。この導出方法は、テスト試料と参照試料の、基板/下部層4のプラズマ成分の比較に基づく。それゆえに、このプラズマ成分は、有用な結果を得るために、それぞれのPMOR信号ΔR/R中で有力でなければならない。
結論として、本節3は、この手順は、いずれのドーピングプロファイルに対しても、それは使用でき、正確な結果を与えることを示す。丁度、ボックス状の活性化されたドーピングプロファイルでは、相対的な接合深さを決定でき、参照として入手できる均等な基板を有する場合は、絶対的な接合深ささえも決定できる。
第4節:精度と再現性
本節では、展開された導出方法の精度と再現性が検討される。この方法の精度は、式(1)〜(6)の展開が正面される場合に、いかにうまく2つの主な仮説を行うかに依存する。
最初の主な仮定は、所定のレーザ間隔dにおいて、熱および層3のプラズマ成分が、基板/下部層4のプラズマ成分に対して無視できることである。シリコン試料の上でTPを用いる場合、基板2に多すぎる欠陥が無い場合、熱成分は問題を引き起こさない。同様に、下部層3の活性化されたドーピングが低すぎない場合(>5e18cm−3)、層3プラズマ成分は、十分に小さいと考えられる。
第2の主な仮定は、基板/下部層4のプラズマ成分の横方向の拡がりが、参照試料と路のテスト試料で同じであるべきである。これは、実際には、2つの追加の要求を意味する。第1に、ドーピングプロファイルNactiveは、基板/下部層4のプラズマ成分に殆ど影響しないことを要求する。これは、十分な数のドーピング原子が活性化された場合である。記載された導出方法は、それゆえに、良くアニールされた構造で優先的に使用される。第2に、全ての基板2がTPの観点から同じであることが要求される。
この第2の要求の有効性を査定するために、20の異なるn型基板と20の異なるp型基板のオフセットカーブが測定された。n型基板のPMOR信号のばらつきは1%より小さく、即ち測定限度より小さく、一方、p型基板のPMOR信号のばらつきは15%までである。PMOR測定は、n型基板の上のPMOR信号のレベルは、p型基板よりも最大で25%高いことを示した。唯一の関連したパラメータは、ドーピングタイプから独立する高注入の二極拡散性であるため、この挙動は、理論的な観点からは期待されなかった。
それらの拡散の殆どは、表面効果によることが示された。もちろん、所定の時間、PMOR信号ΔR/Rを記録すれば、表面とバルク2との間に形成された電場が更にキャリアが表面に注入されるには高すぎるようになるまで、キャリアは基板2の表面に注入され、この表面をパッシベートする。これは、信号の飽和として実験的に観察される。飽和状態において、PMOR信号ΔR/Rが基板に対して最も感度が悪く、それゆえに再現性がある。図4は、200秒後に全ての基板で飽和が達成されなくても、n型またはp型によらず、それらの基板上の信号の間の違いは、ほんの約5%であることを示す(選択のみが図4に示される)。この結果、表面がパッシベートされた場合に、技術はより正確になる。この現象は、時間とともに、PMOR信号ΔR/Rの飽和として実験的に観察された。PMOR信号ΔR/Rが表面に対して最も感度が悪くなり、それゆえに基板から他への再現性がより良くなるのは飽和後である。図8は、使用された基板の選択に対して、200秒後に全ての基板で飽和が達成されていないにもかかわらず、n型またはp型によらず、それらの基板上の信号の間の違いは、ほんの約5%であることを示す。PMOR信号の飽和は、ドーピングタイプによらず、全てのタイプの基板で同じであることを期待するであろう。結論として、表面がどんな手段でパッシベートされても、技術はより高精度になる。
このパラグラフで言及されたパッシベーションは、測定される基板の表面の、電場の存在に関連する。このパッシベーション技術は、時々、電場誘起(field-induced)パッシベーションと呼ばれる。電場は、表面またはその近傍において、1つのキャリアタイプの濃度を減らし、これにより、PMOR測定が行われる表面での再結合を低減する。制御されない表面再結合は、ドープされた層3や層4、またはバルク2のような下部層で、キャリアの再結合それゆえに過剰のキャリアの再結合を妨げる。
この表面電場または静電ポテンシャルバリアは、違う方法でも作製できるであろう。外部電圧を用いてもよく、または表面を予め帯電(precharge)してもよい。
基板2の表面や、先のパラグラフで検討したようなその上に形成された誘電体層17で、自由キャリアのトラップを用いることができる。図4に示すように、プローブレーザビーム7は基板2の表面上を移動して、ポンプレーザビーム7の入射する位置から更に離れた場所でPMOR信号ΔR/Rが得られるだけでなく、このレーザトラッカスキャン中に表面がより帯電される。この表面上に1またはそれ以上の誘電体層19を形成することができ、この誘電体層は次に帯電した誘電体層の近傍での再結合を防止するのに十分な内在した電荷密度を有する。そのような電荷の例は、高い負の電荷密度で知られるAlONである。なた、表面再結合を減らすこともできる。
表面は、表面上のレーザビームによるスキャンのような物理的手段で帯電でき、これにより、PMOR測定を行う前にこの表面上で表面をパッシベートするために、照射された基板2に過剰のキャリアを形成し、PMOR測定中の表面における再結合を制御する。PMOR装置に第3のレーザが供給された場合、この第3のレーザビームはプローブレーザビーム7が収束される表面を予備スキャンし、この表面上でPMOR測定の工程を行う前に、測定される表面の帯電が行われる。更に、第3のレーザビームによりエネルギを供給し、プローブレーザビーム7でスキャンされる表面に分子を捕捉することにより、分子に分離される環境中でPMOR測定を行うことができる。
誘電体層19で覆われた表面も、コロナ帯電(corona charging)を用いることで帯電させることができる。参照することによりここに組み込まれる、米国特許出願US2008 0297189は、コロナ帯電の原理を説明する。コロナ放電により形成されたイオンを堆積させることで、小さな電場が自然酸化物の上に形成され、移動できる電荷キャリアが、表面に到達するのを防止する。それゆえに、表面/界面での速い再結合の影響を大幅に減らしながら、バルクのライフタイムが測定できる。
また、例えば熱酸化による化学的パッシベーションにより、界面トラップを減らすことにより、表面再結合を低減できる。
表面パッシベーション無しの場合、同じウエハの異なるスポット上での基板信号の再現性は約1%であった。例えばウエハの中心点についての接合深さの相対的な測定は、それゆえに基板表面の帯電を必要としない。それゆえに、ある領域での接合深さの相対的ばらつきを示す高解像度のマップがそれゆえに可能となる。
第1節から第3節で使用されたウエハは、高品質のウエハではなかった、良好な特性の高品質なデバイスウエハ上での測定では、PMOR信号ΔR/Rのウエハ間の再現性は0.1%より低く、半導体デバイスの実際の製造に使用される基板上で使用された場合に、この技術はより正確になるであろう。
所定の試料に導出方法を適用できること、即ち、行われた仮定が正確かを査定するために、図4に示されたように、全体のオフセットカーブが測定できる。信号の比
Figure 2010217184
は、レーザ間隔dが十分に大きい場合に、−1と1の間の値で飽和すべきである。
導出方法の再現性は、さまざまなアンドープの基板上でPMOR信号ΔR/Rの再現性を測定することで計算される。n型およびp型の基板上での表面帯電後に得られた、5%の再現性標準が用いられた。接合深さに関する式(3)の第1導関数は
Figure 2010217184
となる。基板に対して、導出方法はそれゆえに、接合深さのnm以下(sub-nm)の再現性を有し、KLA−TEMCOR社のTP630XPのセットアップでは、これはシリコン基板に対しては10nm〜30nmの範囲となる。それらの再現性の値は、装置の再現性とウエハ間の再現性の双方を含むことに注意すべきである。
先のパラグラフで説明したように、テストする試料のPMOR信号ΔR/R layerから離れて、2つのPMOR信号に比からテスト試料の接合深さXを得るために、第2のPMOR信号ΔR/R referenceが必要である。もしこの接合深さ5の絶対値を測定したい場合、参照PMOR信号は、下部層4のみを表す、即ち基板2中に接合5の無い基板のプラズマ波成分の寄与のみを含むか、または、下部層4と公知の接合深さX referenceである接合5とを表す。もし、接合深さ5の相対値を測定したい場合、参照PMOR信号は下部層4と接合5とを表す。参照PMOR信号は、異なる方法で得ることもできる。
図8は、接合深さXの接合5を有する少なくとも1つのドープ領域11を含む基板の模式的な断面図を示す。この基板は、接合深さX’の接合5’を有する追加のドープ領域11’を含んでも良い。領域11’、11、12は、分離領域10により分けられる。半導体デバイスを形成する場合に、この分離領域10は、一般にはフィールド酸化物またはシャロートレンチ分離領域である。プロセスのばらつきにより、それらのドープされた領域11、11’の間の活性化されたドーピングプロファイルが変化し、互いの領域の間で接合深さX、X’がばらつくようになる。プローブ8とポンプ7のレーザビームの間の十分なオフセットdで、このドープされた領域11、11’の1つの上でPMOR測定を行うことにより、層3プラズマ波成分と熱波成分とが本質的に無く、実質的に接合深さXと下部層4中の過剰キャリア濃度のみに依存するPMOR信号ΔR/R layerが得られる。この基板は、更に、少なくとも1つのアンドープの領域12を含む。プローブ8とポンプ7のレーザビームの間の十分なオフセットdで、このアンドープ領域12の1つの上でPMOR測定を繰り返すことにより、層3プラズマ波成分と熱波成分とが本質的に無く、実質的に下部層4中の過剰キャリア濃度のみに依存するPMOR信号ΔR/R referenceが得られる。双方のPMOR信号の比Rは、測定されたドープ領域11の接合深さXの絶対値を表す。このアプローチでは、PMOR信号を決定する基板2の光学的および物理的なパラメータは、参照試料とテスト試料の双方で、同じ基板2にドープ領域11とアンドープ領域12とが形成されたように等しい。
図9は、接合深さXの接合5を有する少なくとも1つのドープ領域11を含む基板の模式的な断面図を示す。この基板は、接合深さX’、X’’の接合5’、5’’を有する追加のドープ領域11’、11’’を含んでも良い。プロセスのばらつきにより、それらのドープされた領域11、11’、11’’の間の活性化されたドーピングプロファイルは変化し、互いにばらついた接合深さX、X’、X’’となる。プローブ8とポンプ7のレーザビームの間の十分なオフセットdで、このドープされた領域11の1つの上でPMOR測定を行うことにより、層3プラズマ波成分と熱波成分とが本質的に無く、実質的に接合深さXと下部層4中の過剰キャリア濃度のみに依存するPMOR信号ΔR/R layerが得られる。プローブ8とポンプ7のレーザビームの間の十分なオフセットdで、このドープ領域11’、11’’の1つの上でPMOR測定を繰り返すことにより、層3プラズマ波成分と熱波成分とが本質的に無く、実質的に接合深さX’、X’’と下部層4中の過剰キャリア濃度のみに依存するPMOR信号ΔR/R referenceが得られる。双方のPMOR信号の比Rは、測定されたドープ領域11’、11’’の接合深さX’、X’’の相対値を表す。このアプローチでは、PMOR信号を決定する基板2の光学的および物理的なパラメータは、参照試料とテスト試料の双方で、同じ基板2にすべてのpドープ領域11、11’、11’’が形成されたように等しい。
図10は、接合深さXの接合5を有する少なくとも1つのドープ領域11を含む基板の模式的な断面図を示す。このドープ領域11は、基板の第1主表面13に形成される。基板2中に活性化されたドープ層3を形成する工程の前に、この表面13の上でPMOR測定を行うことにより、参照PMOR信号ΔR/R referenceが得られる。ドープ層3が形成された後に、この表面13の上でPMOR測定を繰り返すことで、テストPMOR信号ΔR/R layerが得られる。このアプローチでは、PMOR信号を決定する基板2の光学的および物理的なパラメータは、参照試料とテスト試料の双方で同じである。
先のパラグラフでは、テスト試料と参照試料が形成された基板の間の同一性が、テスト試料と参照試料とを同じ基板上に形成することで、特に同じ基板2の同じ表面13に形成することで得られた。代わりに、ドープ層3が形成された第1主表面13の上で、PMORテスト信号を測定しても良い。PMORテスト信号は、この基板2の他の主表面14で測定しても良い。図10は、このアプローチを示す。このアプローチでは、PMOR信号を決定する基板2の光学的および物理的なパラメータは、参照試料とテスト試料の双方で、テストPMOR信号と参照PMOR信号が同じ基板2から得られたように等しい。プローブ8とポンプ7のレーザビームの間の十分なオフセットdで、このドープ領域11の上でPMOR測定を行うことにより、層3プラズマ波成分と熱波成分とが本質的に無く、実質的に接合深さXと、下部層4または基板2の中の過剰キャリア濃度のみに依存するPMOR信号ΔR/R layerが得られる。プローブ8とポンプ7のレーザビームの間の十分なオフセットdで、アンドープの主表面14でPMOR測定を繰り返すことにより、層3プラズマ波成分と熱波成分とが本質的に無く、実質的に基板2の中の過剰キャリア濃度のみに依存するPMOR信号ΔR/R referenceが得られる。双方のPMOR信号の比Rは、測定されたドープ領域11の接合深さXの絶対値を表す。
基板の異なる表面13、14がテストPMOR信号と参照PMOR信号を形成するために使用された場合、それらの表面13、14にポンプレーザ8、8’とプローブレーザ7、7’のビームを供給できる装置17が必要となり、これにより同じPMORパラメータのセッティングが用いられる。図11および図12は、基板の第1主表面13の上に形成された半導体接合の深さの絶対値を決定するための、そのような装置17の代わりの変形であり、これにより基板は更に第2主表面14を含む。装置17は、ポンプレーザビーム7とプローブレーザビーム8、ポンプレーザ8のビームを基板2の第1主表面13上のスポットに収束させて、このポンプレーザビームスポットの周囲の領域において下部基板2の屈折率プロファイルを変調させる手段16と、プローブレーザ7のビームを基板2の第1主表面13上にポンプレーザビームスポットからオフセットdで収束させる手段15、第1主表面上の光変調された領域により反射されたプローブレーザビーム9の所定の特性を測定する手段と、を含み、装置17は更に、ポンプレーザビーム7’とプローブレーザビーム8’を第2主表面14に収束させる手段と、アンドープの第2主表面14の上の光変調された領域により反射されたプローブレーザビーム9’の所定の特性を測定する手段とを含む。装置17は、更に、プローブレーザビーム8、8’とポンプレーザビーム7、7’との間のオフセットdを、基板2の第1ドープ主表面13と第2ドープ主表面のそれぞれで、変化させる手段を含む。
図11では、そのようなPMOR装置17の概略が示される。装置は、ポンプレーザ7とプローブレーザ8のビームを形成し、基板2の第1のドープ表面13に収束させ、照射でこの表面13により形成されたPMOR信号9を検出する手段15、16を含む。この装置は、更に、ポンプレーザ7’とプローブレーザ8’のビームを形成し、基板2の第2のアンドープの表面14に収束させ、照射でこの第2の表面14により形成されたPMOR信号9’を検出する手段15’、16’を含む。
図12では、代わりにPMOR装置17の概略が示される。この装置は、ポンプレーザ7とプローブレーザ8のビームを形成し、基板2の第1のドープ表面13に収束させ、照射でこの表面13により形成されたPMOR信号9を検出する手段15、16を含む。この装置は、更に、ポンプレーザ7とプローブレーザ8のビームを、基板2の第2のアンドープの表面14に向け直し、照射でこの表面14により形成されたPMOR信号9’を検出する手段18、18’を含む。テストPMOR信号と参照PMOR信号とを形成し、検出するために、基板2と測定光学および検出システム15、16を再利用することで、この記載にかかる導出方法の精度は、更に改良できる。
先の記載は、本発明の所定の具体例について詳述する。しかしながら、テキストで以下に詳細に先の記載がなされようと、本発明は多くの方法で実施できることが認識されるであろう。なお、本発明の所定の特徴や形態を記載する場合の、特定の用語の使用は、この用語がここで用語が関係する本発明の特徴や形態の特定の特徴を含むように限定されて再定義されることを意味すると取るべきでない。
上記詳細な説明は、さまざまな具体例に適用された、本発明の新規な特徴について、示し、記載し、そして指摘したが、本発明の精神から離れることなく、記載されたデバイスやプロセスの形態や細部において、さまざまな省略、代替え、および変形が当業者によって行うことができることが理解できるであろう。

Claims (15)

  1. 光変調光反射測定技術を用いて、基板(2)の半導体接合(5)の深さの値を測定する方法(100)であって、この方法は、
    半導体接合を含む少なくとも第1領域(11)を有する基板(2)を得る工程と、
    参照領域(11’、11’’、12)を得る工程と、
    少なくとも1回、以下のシーケンス:
    (i)光変調光反射率測定のための測定パラメータのセットを選択する工程(110)、
    (ii)選択されたパラメータのセットを用いて、少なくとも第1領域の上で、半導体接合(5)を有する基板を表す第1光信号を測定する工程(120)、
    (iii)選択されたパラメータのセットを用いて、参照領域の上で、第2光信号を測定する工程(130)、
    (iv)第2光信号に対する第1光信号の比を測定し(140)、この後に、この比から、半導体接合(5)の深さを導き出す工程(150)、
    を行う工程と、を含む方法(100)。
  2. 半導体接合(5)の深さの値を測定する工程は、半導体接合(5)の深さの絶対値を測定する工程(140)を含む請求項1に記載の半導体接合(5)の深さの値を測定する方法(100)。
  3. 基板(2)は、半導体接合(5)を含まない少なくとも第2領域(12)を含み、参照領域は第2領域(12)に形成される請求項1または2のいずれかに記載の半導体接合(5)の深さの値を測定する方法(100)。
  4. 第2光信号は、接合を形成する工程の前に、基板上で測定され、第1光信号は、基板(2)に接合が形成された後に基板上で測定される請求項1または2のいずれかに記載の半導体接合(5)の深さの値を測定する方法(100)。
  5. 参照領域を得る工程は、接合の無い他の基板を準備する工程を含み、この他の基板の光学および半導体の特性は、実質的に接合を有する基板と同じであり、第1光信号は接合(5)を有する基板(2)上で測定され、第2光信号は接合を有しない基板上で測定される請求項1または2のいずれかに記載の半導体接合(5)の深さの値を測定する方法(100)。
  6. 半導体接合(5)の深さは、以下の式:
    Figure 2010217184
    の比から導出され、ここでXは接合深さ、λprobeは試料の測定に用いられるレーザビーム(8)の光波長、nは自由キャリアの無い基板(2)の屈折率、Rは第1光信号の第2光信号に対する比である請求項1〜5のいずれかに記載の半導体接合(5)の深さの値を測定する方法(100)。
  7. 参照領域は、半導体接合(5’、5’’)を含む基板の他の領域(11’、11’’)からなり、他の領域(11’、11’’)は第1領域とは異なり、半導体接合(5)の深さの値を測定する工程は、半導体接合(5)の深さの相対値を測定する工程を含む請求項1に記載の半導体接合(5)の深さの値を測定する方法(100)。
  8. 半導体接合(5)の深さは、以下の式:
    Figure 2010217184
    の比から導出され、ここで、Xは接合深さ、X referenceは参照領域の接合深さ、λは試料の測定に用いられるレーザビームの光波長、nは自由キャリアの無い基板の屈折率、ΔR/Rlayerは第1領域の光変調光反射信号、ΔR/Rreferenceは参照領域の光変調光反射信号である請求項7に記載の半導体接合(5)の深さの値を測定する方法(100)。
  9. 基板を表す第1および/または第2の光信号を測定する工程は、
    ポンプレーザビーム(7)を提供する工程と、
    プローブレーザビーム(8)を提供する工程と、
    基板上のスポットにポンプレーザビーム(7)を収束させる工程であって、ポンプレーザビーム(7)は基板の領域でその屈折率プロファイルを変調させる工程と、
    基板(2)上の他のスポットにプローブレーザビーム(8)を収束させる工程と、
    光変調された領域により反射(9)されたプローブレーザビーム(8)の予め決められた特性を測定する工程と、を含む請求項1〜8のいずれかに記載の半導体接合(5)の深さの値を測定する方法(100)。
  10. パラメータのセットは、ポンプレーザビーム(7)とプローブレーザビーム(8)がそれぞれ収束する基板(2)上の2つのスポットの間のオフセットdを含む請求項9に記載の半導体接合(5)の深さの値を測定する方法(100)。
  11. 工程i)〜工程iV)のシーケンスが、オフセットdに対して他の値を選択することにより繰り返される請求項10に記載の半導体接合(5)の深さの値を測定する方法(100)。
  12. 工程i)〜工程iV)のシーケンスが、その比が1から−1の間の値に収束するまで、オフセットdを増加させて繰り返される請求項11に記載の半導体接合(5)の深さの値を測定する方法(100)。
  13. 反射したプローブレーザビームの所定の特性を測定する工程は、ポンプレーザビームと同調する反射したプローブレーザビームの成分を測定する工程を含む請求項9〜12のいずれかに記載の半導体接合(5)の深さの値を測定する方法(100)。
  14. 接合(5)は基板(2)の表面に隣接して形成され、この方法は更に、測定中に、第1光信号が収束し、および第2光信号が収束するように、表面におけるキャリアの再結合を低減する工程を含む請求項1〜13のいずれかに記載の半導体接合(5)の深さの値を測定する方法(100)。
  15. 基板は、半導体層である請求項1〜14のいずれかに記載の半導体接合(5)の深さの値を測定する方法(100)。
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