JP5417322B2 - 半導体のシート抵抗およびリーク電流を非接触で測定する接合光起電力法と装置 - Google Patents

半導体のシート抵抗およびリーク電流を非接触で測定する接合光起電力法と装置 Download PDF

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Description

本発明は、表面に配置された少なくとも1つのpn接合部を含む半導体構造体の電気的および/または物理的パラメータを非接触で測定するための接合光起電力法と装置の分野に関する。特に、本発明は、基板の表面に配置された少なくとも2つのpn接合部を含む半導体構造体のシート抵抗およびリーク電流を非接触で測定するための方法と装置に関する。
一般に、電界効果トランジスタはゲート電極により制御されるチャネル領域を含み、これにより、チャネルの長さ沿いに反対側の両端に配置されたソース/ドレイン領域を介してチャネル領域が電気接触されることが知られている。デバイスの寸法をスケールダウンする場合、例えば、国際半導体技術ロードマップ(ITRS)が予測しているように、課される電気的、物理的および幾何学的要件に適合するソース/ドレイン領域を構築するためには、より複雑なプロセスおよび構造体が必要とされる。
理想的には、ソース/ドレイン接触領域は、低いシート抵抗、低い接触抵抗、低いリーク電流を提供すべきであって基板内かつチャネルへ向かって限定的な拡張部を有し、よって、接触領域は、薄い半導体表面層にチャネル領域の寸法に影響することなく製造されることが可能である。この目的のために、注入される種の浅い注入深さおよび高活性化を可能にする、クラスタ注入、プラズマドーピング、非レーザ溶融アニーリング、他等の高度なプロセス技術を適用することができる。また、ソース/ドレイン接触領域が有効チャネル長さおよび/またはしきい値電圧等のチャネル特性に与える影響を制限するために、ソース/ドレイン領域に隣接して拡張領域、ハロおよび/またはポケット注入等の追加的なドープ領域も形成される。
多くの場合、ソース/ドレインは、例えばリセス型ソース/ドレイン構造におけるように複数の種を結合して形成され、これにより、ソース/ドレイン領域の位置に生成されるキャビティは、炭素ドープシリコンで満たされる。よって、単一のドープ層から成る代わりに、これらの接触領域は複数の、しばしば反対のドープ層を含む場合もある。従って、複雑な接触領域の電気的性質、具体的には関連する表面層の電気的性質、即ち、シート抵抗、反対のドープ層間の接合部リーク電流、他を正確な方法で測定することがより困難な作業となるが、その理由は、これらの高度アニールプロセスによって全ての欠点が除去されるわけではないことにある。
最近では、基板表面の近くに位置する接合絶縁層のシート抵抗を非物理的な接触方法で入手することを可能にする、接合光起電力(JPV)ベースのツールが導入されている。接合光起電力(JPV)技術は、可変強度で照射されているときのpn接合部の表面近くのバンド曲りまたは表面障壁の変動の測定を可能にする。ある非接触型のJPV測定技術では、測定装置の電極が検査対象であるサンプルの表面に隣接して、但しこれに物理的に接触することなく配置され、サンプル表面と共にキャパシタ構造体を形成する。結果的に生じるこれらの2プレート間、即ち電極とサンプル表面との間の静電相互作用は、蓄積される電荷の変動または印加される力の変化の変動によって観察されることが可能である。サンプル表面におけるバンド曲りまたは障壁の変動は、このような測定から演繹することができる。
米国特許第7,019,513号は、極浅(50nm未満)pn接合部のシート抵抗とそのリーク電流とを同時に測定するための接合光起電力装置および方法について記述している。pn接合部は、基板上に形成されるnドープおよびpドープ層の積層である。以下、「積層(stack)」という用語は、半導体構造体の同義語として使用する。測定の基礎は、この接合部におけるキャリアの光励起を使用することと、2つの電極、即ちプローブの中心における第1の電極および第1の電極から偏心される第2の電極によるこれらのキャリアの生成/再結合およびドリフトを空間的に分解する方法で検出することにある。従って、開示されている測定プローブは2つの部分、即ち、そこを通って第1の電極pn接合部を照射できる、半径Rを有する第1の円形の透過電極と、第1の電極から離隔された、内側の半径Rおよび外側の半径Rおよび角度θを有する第2の弧状の電極とから成る。
第1の電極は、第1の電極の下の照射エリアにおける表面光起電力Vを探るために使用され、一方で第2の電極は、照射エリアの外側の表面光起電力Vを探るために使用される。透過の深さが接合部空乏域の幅より大きいが、接合部空乏域の幅とキャリアの拡散長さとの和より小さい強度変調された光ビームを使用する場合、接合光起電力は第1および第2の電極で測定され、各々第1の電力V[V]および第2の電力V[V]が得られる。
探られるこれらの電力は、下記の方程式(1)によって与えられる(米国特許第7,019,513号における方程式6、7および8比較)。
Figure 0005417322
但し、
Figure 0005417322
であり、Rは接合部上層のシート抵抗[Ω/sq]であり、Gはゼロバイアスにおける接合部のコンダクタンス[Ω−1cm−2]であり、Cは接合部のキャパシタンス[Fcm−2]であり、ω=2πf[rad]、但しfは光ビームの強度変調周波数[Hz]であり、qは電気素量[C]であり、Φは半導体内部を伝搬する有効光束[Js−1]であり、IおよびKは各々第1種および第2種の変形ベッセル関数であり、iは虚数単位であり、Rは第1のプローブの半径[cm]であり、RおよびRは第2のプローブの内側および外側の半径[cm]であり、φはその角度[rad]である。
米国特許第7,019,513号は更に、試験pn接合部からシート抵抗R、接合部のキャパシタンスCおよび接合部のリーク電流Jを測定する方法を記述している。接合部のリーク電流Jは、接合部のコンダクタンスGに比例する。まず、無視し得るリーク電流と既知のシート抵抗Rscとを有する接合部キャパシタンスの校正ウエハが高強度の変調周波数fで測定され、校正ウエハの接合部のキャパシタンスであるCscの決定に繋がる
Figure 0005417322
を包含する割合(V1c/V2c)が取得される。次に、試験pn接合部が測定され、各々高強度および低強度の変調周波数fおよびfで割合(V11/V21)および(V12/V22)が取得される。式V11/V1cと組み合わせると、試験ウエハの3つの未知のパラメータR、GおよびCにおける3つの方程式が得られ、前記3つの方程式からこれらの3値を一意に引き出すことができる。
しかしながら、米国特許第7,019,513号に記述されている方法および装置は幾つかの欠点を示している。1つの欠点は、第1および第2の電力の決定に使用される式がどちらかといえば複雑であり、多大な計算時間を要することにある。他の欠点は、前記方法は基板表面における単一のpn接合部のシート抵抗R、接合部のキャパシタンスCおよび接合部のリーク電流Jを決定することのみが可能であり、高度な接合部は複数の、しばしば反対のドープ層を含む場合もあることである。更に、妥当な定量的結果を得るためには、基準pn接合部による基準測定値が必要とされる。更に、包含される光ビームは、少なくとも2つの変調周波数において変調されなければならない。
本発明の目的は、基板表面に位置づけられる少なくとも1つのpn接合部、好適には少なくとも2つのpn接合部を含む半導体構造体の電気的および/または物理的パラメータを非接触で測定するための高速で高精度かつ使用が容易な方法および装置を提供することにある。
発明を解決するための手段
この目的は、表面に位置づけられる少なくとも1つのpn接合部を含む半導体構造体の電気的および/または物理的パラメータを非接触で決定するための接合光起電力法によって達成され、本方法は、
a)半導体構造体のpn接合部を有する表面を第1の波長の光ビームで照射して表面に過剰キャリアを生成する工程と、
b)光ビームの光強度を、単一の予め定義された周波数で変調する工程と、
c)照射エリアの内側における第1の位置で第1の光起電力を測定し、かつ照射エリアの外側における少なくとも1つの第2の位置で第2の光起電力を測定する工程と、
d)第1の光起電力および第2の光起電力を基礎として半導体構造体の電気的および/または物理的パラメータを計算する工程とを含む。
第1および第2の光起電力の測定は、好適には、本発明に従って非接触で行われる。後により詳細に述べる本発明によるこの接合光起電力技術(JPV技術)が、所定の態様において光変調式の光反射技術とは異なる点は留意すべきである。例えば、キャリアの発生または生成には単一の光ビームで足りる。別の態様は、光信号の捕捉は不要であるが、静電位(即ち、接合光起電力)の変化が各々基板表面に接触しない電極によって、即ち、例えば校正ウエハのようなウエハの表面へ容量的に結合される電極によって決定または測定される、というものである。
本発明の好適な一具体例によれば、少なくとも1つの表面pn接合部を有する半導体構造体において、表面pn接合部の電気的および/または物理的パラメータを測定するための非接触方法が開示され、本方法は、半導体構造体の1つのエリアを光ビームで照射する工程であって、光ビームは表面pn接合部に過剰キャリアを生成するように選択される波長λと周波数fで変調される光強度とを有し、i,jは整数である工程と、半導体構造体を照射する間に照射されるエリアの内側の1つの位置および照射エリアの外側の少なくとも1つの位置で光起電力を測定する工程と、測定された光起電力から少なくとも1つのpn接合部の電気的および/または物理的パラメータを、下記の関係式、
Figure 0005417322
但し
Figure 0005417322
を使用して決定する工程とを含む。
本発明の別の好適な具体例によれば、本方法は更に、少なくとも4つの異なる光起電力測定結果を、照射エリアの外側の測定位置の数を選択することによって、および/または複数の波長λで測定することによって、および/または複数の変調周波数fで測定することによって、またはこれらの組み合わせによって取得することを含む。
本発明の更に別の好適な具体例によれば、本方法は更に、校正ウエハから測定結果を取得することを含む。
本発明の更に別の好適な具体例によれば、少なくとも2つの表面pn接合部を含む半導体構造体において、少なくとも2つの表面pn接合部の各々の電気的および/または物理的パラメータを測定するための非接触方法が提案され、本方法は、好適には、半導体構造体の1つのエリアを光ビームで照射する工程であって、光ビームは1つまたは複数の表面pn接合部に過剰キャリアを生成するように選択される波長λと周波数fで変調される光強度とを有し、i,jは整数である工程と、半導体構造体を照射する間に照射されるエリアの内側の1つの位置および照射エリアの外側の少なくとも1つの位置で光起電力を測定する工程と、測定された光起電力から表面pn接合部の各々の電気的および/または物理的パラメータを、下記の関係式、
Figure 0005417322
但し、
Figure 0005417322
を使用して決定する工程とを含む。
本発明の更に別の好適な具体例によれば、本方法は更に、半導体構造体のエリアを第1の波長とは異なる第2の波長の光ビームで照射する工程と、工程b)からd)までを実行する工程とを含む。言い換えれば、この追加工程は先行方法による工程と同時ではなく、好適には、第1の波長に関連する工程の後に実行される。
本発明の更に別の好適な具体例によれば、本方法は更に、光ビームの光強度を予め定義された単一の周波数とは異なる第2の予め定義された周波数で変調する工程と、工程c)およびd)を実行する工程とを含む。言い換えれば、この追加工程は先行方法による工程と同時ではなく、好適には、予め定義された単一の周波数による変調に関連する工程の後に実行される。好適には、予め定義された第2の周波数は、予め定義された単一の周波数と予め定義された第2の周波数との組み合わせを含む。
好適には、本方法の全工程は、半導体構造体と基板とを含む校正ウエハに対して実行される。
本発明の好適な一具体例によれば、電気的および/または物理的パラメータは、シート抵抗、リーク電流、接合キャパシタンス、接合コンダクタンスおよびキャリア分離率のうちの少なくとも1つを含む。
好適には、半導体構造体は、同じドーパント型である少なくとも2つの層を分離するための反対のドーパント型の層を含む。最も好適には、半導体構造体は、バルク半導体または絶縁体上半導体(SOI)を含む基板を更に含む。
本発明の更に別の好適な具体例によれば、工程d)における計算は、少なくとも1つのpn接合部に関する第1の光起電力Vおよび第2の光起電力Vを使用して、下記の式、
Figure 0005417322
但し
Figure 0005417322
に従って実行される。
本発明の更に別の好適な具体例によれば、工程d)における計算は、少なくとも1つのpn接合部に関する第1の光起電力Vおよび第2の光起電力Vを使用して、下記の式、
Figure 0005417322
但し、
Figure 0005417322
に従って実行される。
最も好適には、工程d)における計算は、少なくとも2つのpn接合部に関する第1の光起電力Vおよび第2の光起電力Vを使用して実行される。言い換えれば、多層構造体も調査することができる。
本発明の更に別の好適な具体例において、本方法は更に、少なくとも6つ、好適には8つの異なる光起電力測定結果を、照射エリアの外側の測定位置の数を選択することによって、および/または複数の波長λで測定することによって、および/または複数の変調周波数fで測定することによって、またはこれらの組み合わせによって取得することを含む。
また、上述の目的は、表面に位置づけられる少なくとも1つのpn接合部を含む半導体構造体の電気的および/または物理的パラメータを非接触で測定するための接合光起電力装置によっても達成され、本装置は、
半導体構造体のpn接合部を有する表面を、第1の波長の光ビームで照射して表面に過剰キャリアを生成するための光源と、
光ビームの光強度を単一の予め定義された周波数で変調するための変調器と、
照射エリアの内側における第1の位置で第1の光起電力を測定し、かつ照射エリアの外側における少なくとも1つの第2の位置で第2の光起電力を測定するための測定ユニットと、
第1の光起電力および第2の光起電力を基礎として半導体構造体の電気的および/または物理的パラメータを計算するためのコンピュータユニットとを含む。
第1および第2の光起電力の測定は、好適には、本発明に従って非接触で行われる。本発明の好適な一具体例によれば、少なくとも1つのpn接合部を含む半導体構造体において、pn接合部のうちの少なくとも1つの電気的および/または物理的パラメータを非接触で測定するための装置が開示され、本装置は、半導体構造体の1つのエリアを光ビームで照射するための手段であって、光ビームは波長λと周波数fで変調される光強度とを有し、i,jは整数である手段と、半導体構造体を照射する間に照射されるエリアの内側の1つの位置および照射エリアの外側の少なくとも1つの位置で光起電力を非接触で測定するための手段とを含む。好適には、本装置は、照射エリアの外側における2つ以上の位置で光起電力を測定するための手段を含む。より好適には、これらの手段は、照射エリアの外側における異なる位置に少なくとも2つの電極を含む。最も好適には、これらの手段は、照射エリアの外側で半導体構造体上を移動できる1つの電極を含む。
本発明の更に別の好適な具体例によれば、測定ユニットは、照射エリアの外側における少なくとも2つの異なる位置に少なくとも2つの電極を含む。最も好適には、測定ユニットは、照射エリアの外側で半導体構造体上を移動できる少なくとも1つの電極を含む。
好適には、本装置は、同じドーパント型である少なくとも2つの層を分離するための反対のドーパント型の層を含む半導体構造体用に使用され、および/またはバルク半導体または絶縁体上半導体(SOI)を含む基板を含む半導体構造体用に使用される。
以下、本発明をより詳細に記述するが、これに関しては、Liege大学、2006/2007年の修士論文、Frederic Schaus著「高度CMOS構造体における非接触型シート抵抗/リーク電流測定のモデリング」を参照する。また、T.Clarysseら著、論文「高度CMOSの接合光起電力ベースのシート抵抗測定における洞察」、Proceedings of the INSIGHT-07 workshopも参照する。「ドーパント型」という用語が、多数電荷キャリアとして正孔または電子の何れかを有する層に対応することは留意される。この場合、これらの層は各々p型ドープおよびn型ドープとしてラベリングされる。ネットドーピング、即ちドナー/アクセプタの組合せ、が多数キャリアとしての正孔に繋がれば、その層はp型ドープされている。ネットドーピング、即ちドナー/アクセプタの組合せ、が多数キャリアとしての電子に繋がれば、その層はn型ドープされている。
最後に、前記方法および装置が短い計算時間で極めて高精度かつ高信頼の結果を提供することは留意するに値する。
本発明のこれらの態様および他の態様は、これ以後説明する具体例から明らかであり、かつこれらの具体例を参照して解明されるであろう。
本発明の第1の具体例にかかる基板表面に配置された2つのpn接合部を示す。 本発明の第2の具体例にかかる基板表面に配置された2つのpn接合部を示す。 本発明の第3の具体例にかかる電極の4プローブ構造を示す。 本発明の第4の具体例にかかる電極の4プローブ構造を示す。 本発明と共に使用できるコンピュータユニットを示す。 ガウス光強度と正弦波光強度との比較を示す。 低リーク構造体およびリークする接合部の時間曲線の比較を示す。 低リーク構造体およびリークする接合部の時間曲線の比較を示す。 キャリア分離率の計算を示す。 異なる周波数の時間曲線のプロットを示す。 理論とシミュレーションとの比較を示す。 理論とシミュレーションとの比較を示す。 プローブ電位の振幅:理論とシミュレーションとの比較を示す。 周波数曲線の実験結果を示す。 JPV分布フェーズ:理論とシミュレーションとの比較を示す。 JPV分布フェーズ:理論とシミュレーションとの比較を示す。 プローブ電位のフェーズ:理論とシミュレーションとの比較を示す。 プローブ電位のフェーズ:理論とシミュレーションとの比較を示す。 境界効果を示す定常状態シミュレーションを示す。 境界効果を示す定常状態シミュレーションを示す。 3つのウエハの実験およびシミュレーションによる周波数曲線を示す。 3つのウエハの実験およびシミュレーションによる周波数曲線を示す。 3つのウエハの実験およびシミュレーションによる周波数曲線を示す。 3つのウエハの実験およびシミュレーションによる周波数曲線を示す。 ++n接合のJPV横方向分布を示す。数値雑音は、解像限界付近で作業していることを示す。 シミュレーションのフローチャートを示す。 リーク電流のシミュレーションを示す。 リーク電流のシミュレーションを示す。 JPV分布は数値雑音による影響を受ける可能性がある。 異なる構造の中心部JPVと光波長との関係を示す。 透過率と波長との関係を示す。 キャリア分離率の計算を示す。 二重層構造のエネルギーバンドを示す。 均一照射の場合のpnp構造の電流を示す。 不均一な照射の場合のpnp構造の電流を示す。 異なる電流密度を有する環形の断面を示す。 異なる電流密度を有する環形の断面を示す。 pnp構造における光電位のシミュレーションによる時間曲線を示す。 二重層構造の理論(左)とシミュレーション(右)との比較を示す。 二重層構造の理論(左)とシミュレーション(右)との比較を示す。 二重層構造の理論(左)とシミュレーション(右)との比較を示す。 二重層構造の理論(左)とシミュレーション(右)との比較を示す。 二重層構造の理論(左)とシミュレーション(右)との比較を示す。 二重層構造の理論(左)とシミュレーション(右)との比較を示す。 2つの単一接合の理論上のJPV分布を示す。 2つの単一接合の理論上のJPV分布を示す。 二重層構造の解析およびシミュレーションによる周波数曲線の比較を示す。 二重層構造(より深い第2の接合)の理論(左)とシミュレーション(右)との比較を示す。 二重層構造(より深い第2の接合)の理論(左)とシミュレーション(右)との比較を示す。 二重層構造(より深い第2の接合)の理論(左)とシミュレーション(右)との比較を示す。 二重層構造(より深い第2の接合)の理論(左)とシミュレーション(右)との比較を示す。 f=0.2[kHz]におけるJPV分布の振幅と位相を示す。 f=0.2[kHz]におけるJPV分布の振幅と位相を示す。 二重層構造の可能なプローブジオメトリを示す。 過剰キャリアの電子−正孔発生、分離および側方ドリフト、(b)光および対応する過剰キャリアのバンド図に与える衝撃、それ故に、本明細書において接合光起電力(JPV)と称する表面光起電力を示す。 RsL測定中に高さWの環形に出入りする異なる電流を示す。 JPVシミュレーションのフローチャートを示す。 (a)異なる側方位置における表面電位と時間との関係を示す。シミュレーションしたドーパント構造は、中程度にドープされたn型7e17/cm層上の1.5e19/cmを厚さ41nmでドープされたp型ボックスプロファイルである。光源は、強度10−4W/cmを有する赤色光(700nm)であった。 (b)V1およびV2のシミュレーション、理論および実験による周波数曲線を示す。シミュレーションしたドーパント構造は、中程度にドープされたn型7e17/cm層上の1.5e19/cmを厚さ41nmでドープされたp型ボックスプロファイルである。光源は、強度10−4W/cmを有する赤色光(700nm)であった。 (a)UV光で測定した酸化物を有するウエハ全体のRsLシート抵抗マップ、(b)同じく紫色光で測定したもの、(c)XPS酸化物の厚さマップ(単位nm)、(d)酸化物除去後のウエハ片上のRsLシート抵抗マップ(チャック上に黒い斑点が測定される、(e)見かけの相関R値と酸化物厚さとの関係を示す。 見かけのシート抵抗の相対変動とUV光を使用したシミュレーションからの固定酸化物電荷との関係を示す。 (a)逆バイアスリークとn型層の基礎であるドーパントレベル(ウェル/ハロ)との関係を示す。 (b)3e19p型ドープ式の7nm厚さであるボックスプロファイルのRsLリーク電流とバイアスリーク電流との関係を示す。
以下、本発明を特定の具体例を参照しかつ所定の図面を参照して説明するが、本発明はこれらの具体例および図面に限定されるものではなく、クレームによってのみ限定される。クレームにおける引用符号はどれも、その範囲を限定するものとしては解釈されないものとする。説明する図面は、単なる例示であって、非限定的である。諸図を通じて、幾つかのエレメントのサイズは、例示を目的として誇張されかつ縮尺通りには描かれていない場合がある。
本明細書およびクレームにおいて「を含む(comprising)」という用語が使用されている場合、これは、他のエレメントまたは工程を除外するものではない。単数名詞を指して不定冠詞または定冠詞、例えば「a」または「an」、「the」が使用されている場合、別段の指定のない限り、これはその名詞の複数形を含む。
更に、本明細書およびクレームにおける第1、第2およびこれらに類似する用語は、類似のエレメントを区別するために使用されるものであって、時間的であれ空間的であれ、必ずしも序列における、または他の任意の方式における順序を記述するために使用されるものではない。このようにして使用される用語は適切な状況下で交換可能であること、および本明細書に記述される発明の具体例は本明細書に記述または例示されるもの以外の他の順序でも動作可能であることは理解されるべきである。
より深い、またはより高い、という用語は、基板内のエレメントの相対位置を示すために使用される。より深い、という用語は、これらのエレメントが、測定が実行されるべき側の基板主表面からより遠いことを意味する。
本明細書を通じて、「1つの具体例(one embodiment)」または「一の具体例(an embodiment)」は、その具体例に関連して記述される特定の機能、構造または特徴が本発明の少なくとも1つの具体例に包含されることを意味する。従って、本明細書を通じて様々な場所に現出する「1つの具体例における」または「一具体例における」という言い回しは、必ずしも全てが同じ具体例を指すものではなく、その可能性を含むものである。更に、特定の機能、構造または特徴は、本開示から一般的な当業者には明らかとなるであろうが、1つまたは複数の具体例において任意の適切な方法で組み合わされてもよい。
同様に、本発明の例示的な具体例の説明において、本発明の様々な機能は、時に、開示内容を簡素化しかつ様々な発明的態様のうちの1つまたはそれ以上の理解を助ける目的で単一の具体例、図面またはその記述に纏めてグループ化されることは認識されるべきである。しかしながら、このような開示方法は、クレームされている発明が各請求項に明示的に記載されているもの以上の機能を必要とするという意向を反映するものとして解釈されるべきではない。以下のクレームが反映しているように、発明的態様はむしろ、先に開示した単一の具体例の全ての機能に存在するわけではない。従って、詳細な説明に続くクレームは、本参照により明示的に詳細な説明に組み込まれるものであり、各請求項は、本発明の別々の具体例として独自の主張を有する。
更に、本明細書に開示される具体例の中には、紛れもなく他の具体例に含まれる幾つかの機能を含むものがあるが、異なる具体例の機能の組合せは、当業者には理解されるように、本発明の範囲内にあることが意図され、かつ異なる具体例を形成する。例えば、以下のクレームでは、クレームされているどの具体例も任意の組合せで使用されてもよい。
本発明の一具体例によれば、半導体構造体は基板上に位置づけられる。本発明の1つの具体例では、基板はバルク半導体基板、または絶縁体上シリコン(SOI)基板または絶縁体上ゲルマニウム(GOI)基板等の絶縁体上半導体基板である。反対ドーパント型の層シーケンスは、基板上の半導体層内にn型およびp型ドーパントを異なる深度に埋め込むことによって形成されてもよい。この反対ドーパント型の層シーケンスは、基板上にn型およびp型ドープ層を交互に蒸着させることによって形成されてもよい。
n型およびp型の層は、隣接する層間にホモ接合が達成される、例えばシリコンである単一の半導体材料内に形成されてもよい。n型およびp型の層は、例えばSi、SiGe、Ge、GaAs、AlGaAs等のIII−V材料である異なる半導体材料で形成されてもよく、この場合はヘテロ接合が達成される。また、n型およびp型の層はシート抵抗、ドーピングレベルおよび欠陥密度が異なってもよく、よって、接合部リーク電流に影響が出る。
その電気的および/または物理的パラメータが抽出される1つまたは複数の接合は、基板の表面近くに形成される。これらの接合を位置づけることのできる深さは、キャリアの光励起をもたらすために使用されるビームの透過の深さに依存する。この透過の深さは、光ビームの波長に比例する。光ビームの波長は、測定対象である試験サンプルにおいて、スクリーンされるべき最深接合部の空乏域の幅より大きく、しかもこのスクリーンされるべき最深の接合部の空乏域の幅とキャリアの拡散長さとの和より小さい透過の深さをもたらすように選択される。この方法で、測定されるべき全ての接合部は光励起を受ける。
本発明の第1の具体例では、基板9の表面に近い単一のpn接合部6の電気的性質が測定される。測定の基礎は、この接合部においてキャリアの光励起を使用し、かつ空間解像式にこれらのキャリアの発生/再結合およびドリフトを2つの電極によって、即ち図1に示すように、プローブの中心における第1の電極1および第1の電極から偏心される第2の電極2によって検出することにある。例えばLEDまたはレーザ源を起源とする光ビーム3の強度を変調することに起因して、表面5における表面電位も経時的に変化する。光ビーム3は、光ガイド4を介して基板9の表面5へ案内される。このように、開示されている測定プローブは2つのパーツ、即ち、半径Rを有する好適には円形である透過性の第1の電極であって、これを介してpn接合部を照射することのできる第1の電極1と、内側および外側の半径RおよびRおよび角度θを有する好適には弧形状である、第1の電極から離隔された第2の電極2とから成る。第1の電極1は、第1の電極の下の照射エリアにおける表面光起電力Vを探るために使用され、一方で第2の電極2は、照射エリアの外側の表面光起電力Vを探るために使用される。別の電極は、基板を接地するために使用される。好適には、この第3の電極は、基板の接合部が位置づけられた表面とは反対側の主表面へ接続される。
接合部の空乏域の幅(X+Xno)より大きく、しかも接合部の空乏域の幅とキャリアの拡散長さとの和(X+Xno+L)より小さい透過の深さを有する強度変調された光ビームを使用する場合、接合光起電力は第1および第2の電極1および電極2において測定され、各々第1の電力V[V]および第2の電力V[V]が得られる。ここで、Xは金属接合の深さであり、Xnoは基板内への対応する空乏域の拡張部であり、Lは拡散長さである。探られるこれらの電力は、下記の方程式で与えられる。
Figure 0005417322
ここで、
Figure 0005417322
であり、Rは接合部上層のシート抵抗[Ω/sq]であり、Gはゼロバイアスにおける接合部のコンダクタンス[Ω−1cm−2]であり、Cは接合部のキャパシタンス[Fcm−2]であり、ω=2πf[rad]、但しfは光ビームの強度変調周波数[Hz]であり、qは電気素量[C]であり、Fは電子−正孔ペア分離率[s−1cm−2]であり、IおよびKは各々第1種および第2種の変形ベッセル関数であり、iは虚数単位であり、Rは第1のプローブの半径[cm]であり、RおよびRは第2のプローブの内側および外側の半径[cm]であり、θはその角度[rad]である。このようにして得られる方程式は、測定される電力とこれらの電気的性質との間に見出される関係性の定式化がさほど複雑でないことに起因して、照射される接合の電気的性質の決定を容易にする。
試験サンプルのpn接合部6は、各々高低の強度変調周波数fおよびfにおける割合(V11/V21)および(V12/V22)を取得するために測定される。共に先の測定の場合と同じ波長を有する高い変調周波数fにおいて測定された、無視し得るリーク電流および既知のシート抵抗を有する試験ウエハ上のV11と校正ウエハ上のV1cとの割合(V11/V1c)を使用すれば、3つの未知の試験ウエハパラメータR、GおよびCによる第3の方程式が得られる。このようにして3つの未知の試験ウエハパラメータR、GおよびCによる3つの方程式が得られ、これらの方程式からこれらの3つの値が一意に引き出される。校正ウエハに関する唯一の未知なるもの、即ち接合キャパシタンスCscは、校正ウエハのシート抵抗Rscが既知でありかつGscが無視し得るものであることから、校正ウエハ上で高い変調周波数fにより測定される割合V1c/V2cから取得することができる。
適切な数の独立した方程式を得るためには、他の方法を適用することもできる。4つの異なる測定値が得られれば、先の式(2)および(3)を使用して未知の4つの試験ウエハパラメータR、G、C、Fを引き出すことができる。故に、照射エリアの外側における測定位置の数を選択することにより、および/または複数の波長λで測定することにより、および/または複数の変調周波数fを測定することにより、またはこれらの組合せにより、4つの未知の試験ウエハパラメータによる少なくとも4つの独立した方程式を取得することができる。
この第1の具体例の解析的方程式の行動は、Synopsis/Mediciデバイスのシミュレーションによく一致し、発見される解析的方程式2および3の正確さが確認される。
この第1の具体例において、開示されている概念は、多層構造体、即ち幾つかの層および/または少なくとも2つのpn接合部、即ち第1のpn接合部6および第2のpn接合部7を有する半導体構造体に適用される。この多層構造体は、好適には、第1のp型(またはn型)ドープ層を有する基板から成る二重接合構造体であり、第1のドープ層は第2のn型(またはp型)ドープ層の上に存在し、かつ第2のドープ層はp型(またはn型)ドープ基板上に存在する。全ての接合絶縁層のシート抵抗ならびに全接合部の接合リーク電流は非接触式に引き出すことができ、即ち、第1および第2の電極1および2は基板9の表面5に容量的に結合される。これは、ソース−ドレインまたはウェル、ハロまたはポケットインプラントに注入される、これらの拡張部等の反対のドーパント型の複数層を含む半導体構造体を特徴づける際に有益である場合がある。第1の具体例において論じた測定セットアップは、他の測定方法においても使用できる。
光ビーム3の波長は、測定対象である試験サンプルにおいて、少なくとも第1の接合部6の空乏域の幅かつ最大でもスクリーンされるべき最深接合部の空乏域の幅より大きく、しかもこのスクリーンされるべき最深の接合部の空乏域の幅とキャリアの拡散長さとの和より小さい透過の深さをもたらすように選択される。この方法で、測定されるべき全ての接合部は光励起、即ち光発生8を受け、かつプローブの電極1および2において測定される接合光起電力に寄与する可能性がある。これは図1、および本発明の第2の具体例を示す図2に示されている。これらの図には、接合光起電力効果における半径方向の対称性に起因して、測定セットアップの半分のみが示されている。
図1は、この測定を略示したものである。光ビーム3は、解析されるべき試験サンプルの表面5上の透明な第1の電極V1を介して入射し、基板9内に過剰キャリアを生成する。この光ビーム3の波長λおよび強度変調周波数fは、後に論じるようにして選択されることが可能である。好適には、波長λは、約1000nmから約300nmまでの範囲内で選択される。好適には、変調周波数fは200Hzから1MHzまでの範囲内であり、好適には2kHzから100kHzまでの間である。この周波数が高いほど、試験サンプル上の所定の位置で測定される接合光起電力信号は小さくなる。第2の電極V2は、第1の電極1から所定の間隔r12を隔てて置かれる。
試験サンプルは、p型である第1の層と、n型である第2の層との間に、第1の接合部6を含む。第1の接合部6は、金属接合深さXj1と、第1の層内への拡張幅Xpo1および第2の層内への拡張幅Xno1を有する空乏域とを有する。拡張幅は、第1および第2の層のドーピングレベルに依存する。Lp1は第2の層内の正孔拡散長さであり、Ln1は第1の層内の電子拡散長さである。Ln1<<Xj1であることが想定されている。試験サンプルは更に、n型である第2の層とp型である第3の層との間に第2の接合部7を含む。第2の接合部7は、金属接合深さXj2と、第2の層内への拡張幅Xno2および第3の層内への拡張幅Xpo2を有する空乏域とを有する。拡張幅は、第2および第3の層のドーピングレベルに依存する。Lp2は第2の層内の正孔拡散長さであり、Ln2は第3の層内の電子拡散長さである。
図1において、光ビームの波長λは、第1の接合部6の近くにのみ過剰キャリアを発生させるように選択され、これにより、第2の接合部7は事実上影響されずに残される。故に、Xj1+Xno1<透過の深さ(λ)<Xj1+Xno1+Lp1となる。
図2は、本発明の第2の具体例による測定を略示したものである。光ビーム3は、解析されるべき試験サンプルの表面上の透明である第1の電極1Vを介して入射し、基板9内に過剰キャリアを生成する。この光ビームの波長λおよび強度変調周波数fは、後に論じるようにして選択されることが可能である。好適には、波長λは、約1000nmから約300nmまでの範囲内で選択される。好適には、変調周波数fは200Hzから1MHzまでの範囲内であり、好適には2kHzから100kHzまでの間である。この周波数が高いほど、試験サンプル上の所定の位置で測定される接合光起電力信号は小さくなる。第2の電極V2は、第1の電極1から所定の間隔r12を隔てて置かれる。この第2の具体例では、プローブは3つ以上の電極を含み、即ちこれは幾つかのi個の電極を含みてもよく、図2にはi番目の電極10が示されている。これらの追加電極は、光ビーム3へより近い先行する電極から半径方向距離r21を隔てて配置される。
試験サンプルは、p型である第1の層とn型である第2の層との間に第1の接合部6を含む。第1の接合部6は、金属接合深さXj1と、第1の層内への拡張幅Xpo1および第2の層内への拡張幅Xno1を有する空乏域とを有する。拡張幅は、第1および第2の層のドーピングレベルに依存する。Lp1は第2の層内の正孔拡散長さであり、Ln1は第1の層内の電子拡散長さである。Ln1<<Xj1であることが想定されている。試験サンプルは更に、n型である第2の層とp型である第3の層との間に第2の接合部7を含む。第2の接合部7は、金属接合深さXj2と、第2の層内への拡張幅Xno2および第3の層内への拡張幅Xpo2を有する空乏域とを有する。拡張幅は、第2および第3の層のドーピングレベルに依存する。Lp2は第2の層内の正孔拡散長さであり、Ln2は第3の層内の電子拡散長さである。
図2において、光ビーム3の波長λは、第1の接合部6および第2の接合部7の近くに過剰キャリアを発生させるように選択される。故に、Xj2+Xpo2<透過の深さ(λ)<Xj2+Xpo2+Ln2となる。
この第2の具体例において、この多層構造体は、第1のp型(またはn型)ドープ層を有する基板から成る二重接合構造体であり、第1のドープ層は第2のn型(またはp型)ドープ層の上に存在し、かつ第2のドープ層はp型(またはn型)ドープ基板上に存在する。故に、以下半導体構造体とも称するこの構造体は、第1のドーパント型の第1の上部半導体層と、この第1の層と共に第1の接合部6を形成する第2の反対ドーパント型の第2の半導体層と、この第2の層と共に第2の半導体接合部7を形成する第1のドーパント型のより深い第3の半導体層とから成る。2つの接合部6および7によるこの積層は、第1または第2のドーパント型の何れかで基板9上に形成される。双方の接合絶縁層、即ち第1および第2の層のシート抵抗ならびに双方の接合部、即ち第1および第2の接合部6および7の接合リーク電流は、非接触式に引き出すことができる。これは、ソース−ドレインまたはウェル、ハロまたはポケットインプラントに注入されるこれらの拡張部等の反対ドーパント型の複数層を含む半導体構造体を特徴づける際に有益である場合がある。
ここで、p−n−p二重接合構造体の場合の二重接合構造の接合(=表面)光起電力φtot(r)に関する解析解を示す。結果的に得られる方程式(4)は、下記の通りである。
Figure 0005417322
但し、
Figure 0005417322

Figure 0005417322
であり、Rspは、この具体例ではp型ドープされている第1の層のシート抵抗であり、Rsnは、この具体例ではn型ドープされているより深い第2の層のシート抵抗であり、Gs1およびGs2は第1および第2の接合部のコンダクタンスであり、Cs1およびCs2は第1および第2の接合部6および7のキャパシタンスであり、FおよびFは第1および第2の接合部6および7の電子−正孔ペア分離率であり、aは光ビームの半径であり、rは光ビーム中心からの横方向距離である。
上側が1、下側が2でラベリングされる2つの個々の接合部の光起電力寄与率は各々次式で与えられる。
Figure 0005417322
次には、二重層構造に関して先に述べたように接触部で測定される光起電力VおよびVが下記の式によって与えられる。
Figure 0005417322
但し、
Figure 0005417322
である。
およびVは複素数であることが知られ、故に、V=│V│.exp(iΨ)と書くことができる。但し、│V│は絶対値であり、Ψは変調信号に対する位相角である。
接合光起電力(JPV)の横方向距離(光ビームの中心から離れる)に対する行動および変調周波数の関数としての行動は共に、単層の場合とは著しく異なる。例えば、単層の場合、JPVは変調周波数の低下に伴って単調増加するが、二重層の場合はそうではない。
この第2の具体例の解析的方程式の行動は、Synopsis/Mediciデバイスのシミュレーションによく一致し、解析的方程式12の正確さが確認される。
試験サンプルから、未知の電気的パラメータの数は変調された光ビームによりスクリーンされる接合の数と共に増加することを考慮して電気的性質を取得する方法は現存する。この第2の具体例による幾つかの方法を適用すれば、様々な接合部の所望される電気的パラメータを決定することができる。
式(4)または式(12)の何れかを基礎とすれば、次には、単一の光波長(λ)の場合に、8つの測定を実行することにより、試験ウエハ上の8つの未知の物理的パラメータRsp、Rsn、Gs1、Gs2、Cs1、Cs2、FおよびFを決定することが可能である。2つの異なる波長(λおよびλ)、即ち2つの異なる透過深さが使用される場合、分離率は波長に依存することから、10個の物理的パラメータ、即ちRsp、Rsn、Gs1、Gs2、Cs1、Cs2、F11、F21(λの場合)、F12、F22(λの場合)を決定する必要がある。
次に、幾つかの好適な測定構造について論じる。単一波長の場合の数値的に独立した任意の8個の測定値または2波長の場合の独立した10個の測定値は、先に提示した方程式の数学的解、それ故に先に挙げた物理的未知数の数学的解をもたらす。必要な(8つまたは10の)接合光起電力測定を実行するためには、測定パラメータを変更し、即ち、光ビームの変調周波数fおよび/または波長λを変更し、照射領域の内側および照射領域の外側の1つまたは複数の位置で接合光起電力を測定し、1つまたは複数の校正ウエハもしくはこれらのパラメータの組み合わせを使用してもよい。
次に、未知の実験値を収集するための可能な実験セットアップについて説明する。光ビームの単一波長λの場合は、試験サンプルのpn接合部が、割合(│V1i/V2i│)、iは1から6までの範囲内の整数、を求めるために低周波数から高周波数までの範囲内の6つの強度変調周波数fで測定される。波長λは、第1および第2の接合部を透通するように選択される。これにより、未知の8パラメータによる6つの方程式がもたらされる。
共に最も高い変調周波数fにおいて、かつ同じ波長λについて測定された、共に無視し得るリーク電流および既知のシート抵抗を有する試験ウエハ上のV11と2つの別々の校正ウエハ(一方は浅い、かつもう一方はより深い単一の接合部)上のV1cとの割合│V11/V1c│を使用すれば、8つの未知のパラメータによる2つの追加的な方程式が得られる。2つの校正ウエハの各々のキャパシタンスCscは、割合│V1c/V2c│から求めることができる。光ビームの2つの波長λ、λの場合は、試験サンプルのpn接合部が、割合│V1i/V2i│、iは1から6までの範囲内の整数、を求めるために各々高周波数f、中間周波数fおよび低周波数fである3つの強度変調周波数で測定される。第1の波長λは、第1の接合部のみを透通するように選択され、第2の波長λは、第1および第2の接合部を透通するように選択される。これにより、未知の10パラメータによる6つの方程式がもたらされる。
共に高い変調周波数fにおいて、かつ同じ波長λ、λについて測定された、無視し得るリーク電流および既知のシート抵抗を有する試験ウエハ上のV11と2つの別々の校正ウエハ(一方は浅い、かつもう一方はより深い単一の接合部)上のV1cとの割合│V11/V1c│を使用すれば、10個の未知のパラメータによる4つの追加的な方程式が得られる。2つの校正ウエハの各々のキャパシタンスCscは、最も適切な波長(その校正ウエハの最も高い分離率を有するもの)における割合│V1c/V2c│から求めることができる。
試験サンプルおよび校正ウエハにおける接合の深さは、SIMSを介して類似するウエハを調べることにより決定されてもよい。また、上述のセットアップにおいて使用したような所定のVおよびVの絶対値の割合の他に、方程式の幾つかがそれらの割合の引数(位相角の差)、即ちΨ−Ψ、によって置換されてもよい。試験サンプルのpn接合部は、プローブの2つの電極の電位│V│、│V│を求めるために、光ビームの4つの異なる変調周波数f、f、fおよびfで単一の波長λにおいて測定される。波長λは、第1および第2の接合部を透通するように選択される。
照射ビームの中心から横方向距離rにおける接合光起電力の非線形依存まで測定感度を高めるためには、試験サンプルのpn接合部を測定する際に3つ以上の電圧電極を適用することができる。1つの可能性は、各測定の間に2つのプローブの代わりに4つのプローブ、即ち│V│、│V│、│V│および│V│を使用することである。Vプローブは半径R0を有する円形プローブのままであるが、他のもの(V、V、V)は、内側および外側の半径および対応する特有の角度を有する弧である。VおよびVの解析的式は、Vのそれ(方程式12参照)に類似するものになる。
これで、必要な8つの実験値は、単にプローブV、V、VおよびVにおける2つの異なる変調周波数f、fおよび単一の波長λに関する接合光起電力の値であるということも言える。割合(V1i/V2i)および(V11/V1c)を考慮することによりFおよびFが計算から除外された単層の場合とは反対に、FおよびFを独立した未知数として考慮していることから、もはや割合(V1i/V2i)または(V11/V1c)を使用する必要はない。
接合光起電力が試験サンプル上の8つの異なる位置で測定されるように、8つまでの電極を使用する可能性もある。この場合は、試験サンプルの2つの接合部の未知の8パラメータを決定するために、試験サンプルを1つの波長λおよび1つの変調周波数fで照射しかつ8つの接合光起電力V、但しi:1,...,8、を測定して8つの実験値を得るだけで足りる。
この代替例において、論じている接合光起電力測定セットアップは、離隔された少なくとも3つの電極、即ち、試験サンプルを照射してこの照射領域の接合光起電力Vを測定するための透明な第1の電極と、第1の電極から様々な距離で離隔される、非照射領域における2つの位置で接合光起電力V(i:2,...,n、整数)を測定するための少なくとも2つの電極とを含むプローブを有するように適合化されなければならない。図2は、このように適合化されたセットアップを略示している。
このような多電極プローブの略セットアップは、本発明の第3および第4の具体例を表す次の図3および図4に示されている。図3に略示されているプローブは、照射領域において接合光起電力Vを測定するための透過性である第1の電極11と、照射領域の外側で接合光起電力V、但しi:2,3,4、を測定するための3つの追加電極12、13および14とから成る。
半径方向対称に起因して、プローブのこれらの電極は、好適には円形または弧形状である。各電極のサイズおよび位置は、他の電極とは独立して選択されてもよい。第1の電極11が小さいほど、照射エリアは小さくなり、発生する過剰キャリアは少なくなり、結果的に、接合光起電力信号は小さくなる。また、第2、第3および第4の電極12、13および14が小さいほど、測定される接合光起電力信号は少なくなる場合もある。従って、電極のエリアは、好適には、第1の電極からの半径方向距離rの増大に伴って増大する。図4は、これを示す。図4は、4つの電極、即ち、それを介して試験サンプルが照射される真ん中の第1の電極11と、異なる位置における、異なる内側の半径、外側の半径および角度を有する照射エリアの外側における3つの電極12、13および14とを含むプローブを略示している。典型的には、これらの電極の直径または半径はmmまたはミリメートル以下の領域内にある。
各測定の間に3つ以上の電圧電極を使用する代わりに、照射領域の電力Vを測定するための固定式である第1の電極と、試験サンプルの非照射領域をスキャンするための可動式である外側の第2の電極(V2)とを使用することができる。試験サンプルを第1の電極からサンプルの縁へ向かう方向にスキャンすることにより、横方向の接合光起電力曲線の詳細な形状を得ることができる。接合光起電力の測定精度を高めるために、例えば、このスキャンの間に取得される最小または最大実験値のみを選択して8つの実験値を得ることができる。これで、光ビームの単一の変調周波数fおよび単一の波長λを使用することができる。
或いは、論じている接合光起電力測定セットアップは、2つの電極、即ち、試験サンプルを照射してこの照射領域の接合光起電力Vを測定するための、透明な第1の電極と、非照射領域における少なくとも2つの位置で接合光起電力を測定するための少なくとも1つの可動式電極とを含むプローブを有するように適合化されなければならない。
先に指摘したように、本発明は、第1の光起電力および第2の光起電力を基礎として半導体構造体の電気的および/または物理的パラメータを計算するためのコンピュータユニットも提供する。このコンピュータユニットは、例えばマイクロプロセッサである計算デバイスを含んでもよい。本発明の諸具体例による上述の方法またはクレームされている方法はどれも、図5に示されているようなコンピュータユニット40において実装されてもよい。図5は、コンピュータユニット40の1つの構造を示し、本構造は、少なくとも1つのカスタマイズ可能な、またはプログラム可能なプロセッサ41を含み、プロセッサ41は、例えばRAM、ROM、等々である少なくとも1つの形式のメモリを含むメモリサブシステム42へ結合される。プロセッサ41または複数のプロセッサは汎用または専用プロセッサであってもよく、かつ例えば他の機能を実行する他のコンポーネントを有するチップであるデバイス内に包含されるためのものであってもよい点は留意されるべきである。従って、本発明の諸具体例による方法の1つまたは複数の態様は、デジタル電子回路において、またはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアまたはこれらの組合せにおいて実装されてもよい。本コンピュータユニットは、少なくとも1つのディスクドライブおよび/またはCD−ROMドライブおよび/またはDVDドライブを有する格納サブシステム43を含んでもよい。実装によっては、ディスプレイシステム、キーボードおよびポインティングデバイスが、ユーザによるパラメータ値等の情報の手動入力に含むためのユーザ・インタフェース・サブシステム44の一部として含まれてもよい。また、データを入出力するためのポートも含まれてもよい。更に、ネットワーク接続部、様々なデバイスへのインタフェース、等々のようなエレメントが含まれてもよいが、図5には示されていない。コンピュータユニット40の様々なエレメントは、単純を期して単一のバスを有して図5に示されるバスサブシステム45を介することを含む様々な方法で結合されてもよいが、当業者には、少なくとも1つのバスによるシステムが包含されることは理解されるであろう。メモリサブシステム42のメモリは、いずれ、処理システム40上で実行されれば本明細書に記述している方法具体例の工程を実施する命令セットの一部または全て(何れの場合も46として示されている)を保持してもよい。
また本発明は、計算デバイス上で実行されると本発明による任意の方法の機能を提供するコンピュータ・プログラム・プロダクトも含む。本コンピュータ・プログラム・プロダクトは、計算への入力として受信される第1の光起電力および第2の光起電力を基礎として半導体構造体の電気的および/または物理的パラメータを計算するためのコードセグメントを有するソフトウェアを含む。このようなコンピュータ・プログラム・プロダクトは、プログラム可能プロセッサが実行するための機械可読コードを伝送するキャリア媒体において明白に具現されてもよい。従って、本発明は、計算手段上で実行されると先に述べたような任意の方法を実行するための命令を提供するコンピュータ・プログラム・プロダクトを伝送するキャリア媒体に関連している。「キャリア媒体(carrier medium)」という用語は、命令を実行用プロセッサへ提供することに関与する任意の媒体を指す。このような媒体は、不揮発性媒体および伝送媒体を含む、但しこれらに限定されない多くの形式であってもよい。不揮発性媒体は、例えば、大容量記憶装置の一部である格納デバイス等の光または磁気ディスクを含む。コンピュータ読取り可能媒体の一般的形式としては、CD−ROM、DVD、フレキシブルディスクまたはフロッピー(登録商標)ディスク、テープ、メモリチップまたはカートリッジもしくはコンピュータが読み取ることのできる他の任意の媒体が含まれる。実行用プロセッサへの1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスの伝送には、様々な形式のコンピュータ読取り可能媒体が包含されてもよい。また、コンピュータ・プログラム・プロダクトは、LAN、WANまたはインターネット等のネットワークにおける搬送波を介して伝送されてもよい。伝送媒体は、電波および赤外線データ通信の間に発生されるもの等の音波または光波の形式であってもよい。伝送媒体には、同軸ケーブル、銅線およびコンピュータ内のバスを含むワイヤを含む光ファイバが含まれる。
以上、図面および先の記述において本発明を詳細に示し、かつ説明したが、このような図示および説明は例証的または例示的であって限定的ではないとされるべきものであり、本発明は開示されている具体例に限定されない。
当業者は、諸図面、開示内容および添付のクレームを精査すれば、開示されている具体例の他の変形を理解し、かつクレームされている発明を実施する際にこれらの変形を実行することができる。本明細書で行っている説明には、多くの特有の詳細が述べられている。しかしながら、本発明の具体例は、これらの特有の詳細なしで実施されてもよいことは理解される。他の例では、本明細書の理解を不明確にしないために、周知の方法、構造および技術は詳細に示されていない。このような方法は、当業者には既知である。クレームに記載されている幾つかのアイテムの機能は、単一のユニットによって満たされてもよい。クレームにおける引用符号は何れも、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
定性シミュレーションから定量シミュレーションへ
1 トラブルシューティング
1.1 光強度問題
既に述べたように、可変光強度は、Gaussianシリーズを活用してMEDICIにおいて実装されている。有効光強度は、最大強度を時間的なガウス関数で乗じることによって計算される。以下、光ビーム形状および幾つかの吸収特性を規定するMEDICIの入力ファイルの抜粋を示す。
Figure 0005417322
強度式の引数は最大光強度であり、あらゆるサブシミュレーション中で一定となる。大部分のシミュレーションにおいて、選んだ強度は10−4[W/]cmであった。
GAUSSIANステートメントの2つの引数、TOおよびTCの意味は、MEDICIがGaussian[4]を計算する際に使用する解析的式、
Figure 0005417322
を見ればより明らかであろう。
この関数は、標準偏差が
Figure 0005417322
でありかつ平均がTOであるガウス分布を表している。これらの2つのパラメータは、可能な限り正弦に近いガウス分布を有するように選ばれる。
Figure 0005417322
但し、
Figure 0005417322
は光変調の周期であり、Nは前記周期の指数である(第1の周期に関してはN=1)。図6では、方程式1の近似ガウス分布を正弦関数と比較することができる。双方の周波数は、f=200[Hz]である。ガウス関数の振幅は、1ではないことが観察される。また、これはまさしく、定値である光強度が正規化された時間依存性の関数であるGAUSSIANによって乗算されることが仮定されている、というシミュレータの問題点の起源である。実際には、GAUSSIANは全く正規化されていない。図6では、f=200[Hz]でGAUSSIANが約513の振幅を有することが分かる。よって、シミュレーションに使用された実際の光強度は10−4[W/]cmではなく、5.13・10−2[W/]cmであった。このように強烈な照射の場合、小信号条件はもはや確かなものではない。これは、図7の非ガウス分布形状の時間曲線、および図9(b)で観察される高い表面電位を説明している。
時間依存性の変調関数は、正規化基準を顧慮する。これは、曲線より下の表面は常に1、即ち、
Figure 0005417322
であることを意味する。
より高い周波数の場合、ガウス分布はより狭くなり、よって振幅はより高くなる。その結果、有効光強度に付帯する誤りは、このより高い振幅に起因して周波数と共に増大する。下記の表は、シミュレーションに使用された変調周波数のGAUSSIAN(t)の最大値を示す。
1.1.1 ソリューション
この問題点を解くためにここで採用するソリューションは、下記の通りである。即ち、最大光強度がそのテンプレート$light_intensity$を置換する前に、その値はガウス分布の最大振幅および電流周波数のそれによって予め分割される。従って、光強度が高すぎるという現象は回避される。
Figure 0005417322
1.2 線形性の条件
物理量の数値を見ると(項目)、[5]および[2]により要求される小信号の条件は、
Figure 0005417322
を満たしていないことが観察される。
この基準違反の理由は、リーク電流密度が僅か2.6・10−11[A/]cmと極端に低いことにある。リーク電流をかばう1つの方法は、シミュレーションにトラップを導入することによって達成される。シミュレーションは、半導体のバンドギャップ内部の欠陥の効果をモデリングする[4]。引例[1]は、USJのリーク電流に対する欠陥の影響について論じている。シミュレーションの観点からすれば、「リークする」接合部は超低リークの接合部より遙かにシミュレートが容易である。図7は、リーク電流密度が僅かにJ=2.6・10−11[A/]cmである接合部に関して得られる時間曲線をよりリークする接合部(J=3.9・10−5[A/]cm)の時間曲線と比較したものである。リーク電流が著しく低いとき、JPVは、光励起のあらゆる一周期において高まる。右側の場合、リーク電流が高いほどp層における過剰キャリアをより高速で殺し、かつこの層は充電しない。高いリークの場合、定常周期状態は遙かに高速で到達され、シミュレートする必要のある周期は遙かに少なくなる。
2 新しいシミュレーション結果
JPVの解析的式を計算することが可能であるためには、項目に記述されている物理的パラメータを推定しなければならない。数値を知ったならば、解析的式を、補正されたシミュレータからの結果と比較する。実験測定値との比較は、優れた量的一致を示す。使用した構造は、最終章のそれと同じであり、即ち、N=1.5・1019[cm−3]、N=7・1017[cm−3]およびx=41[nm]を有するpn接合部である。サンプルの半径は、境界効果を避けるために3[cm]まで拡大されている。光源は、10−4[W/]cmの強度を有するUVであった。
2.1解析解の入力パラメータ
2.1.1 シート抵抗
シミュレートする構造の完全なボックスプロファイルを想定して、シート抵抗を推定する。固有抵抗は、ASTM変換式、
Figure 0005417322
を使用して計算される。
2.1.2 キャパシタンス
表面ユニット毎の接合キャパシタンスは、
Figure 0005417322
によって計算される。但し、Wは空乏ゾーンの幅であり、εはシリコンの誘電定数である。
2.1.3 コンダクタンス
コンダクタンスは、MEDICIシミュレーションを使用して求めてある。電極は、シミュレートするウエハの頂部および底部に置いた。ΔV=+1[mV]およびΔV=−1[mV]のバイアスを印加すると、対応する電流密度が戻る。補間された電流密度曲線の勾配は、ほぼゼロバイアスにおけるコンダクタンス、
Figure 0005417322
である。
2.1.4 キャリアの分離率
このパラメータの推定は、極めて重大である。引例[5]は、単位容積当たりの発生率が下記の式、
Figure 0005417322
を有することを示している。但し、αopt(x)は深さxの関数における吸光係数であり、hvは光子エネルギーであり、Rは反射率である。発生率の例示は、図8に見出すことができる。接合部の電界によって分離されるキャリアは、空乏層内または空乏層から離隔された拡散長さLn,p内に存在するキャリアである。上層は電子の拡散長さLより薄いものと想定すれば、x=0とx=x+xn0+Lとの間に発生されるキャリアは全て分離される。但し、xn0はn層における空乏域の拡張部である。よって、
Figure 0005417322
となる。
開示している構造体の場合、ほぼ、
Figure 0005417322
が得られる。
接合部のより高いリーク電流に起因して、小信号の条件は、
Figure 0005417322
に適合することは留意されるべきである。
2.2 解析結果と数値結果の比較
この比較を行う前に、シミュレートする5つの周波数の時間曲線を見てみる。
図9では、シミュレータの改良後、表面電位は、ちょうど励起している光源のように正弦波的に振動することを観察することができる。図7の、高すぎる光強度が原因であった非線形効果はなくなっている。
2.2.1 横方向JPV分布の振幅
JPVの振幅と横方向距離│Φ(r)│との関係の解析結果および数値結果を各々、図10(a)および図10(b)に示す。
質的一致は優れていることが分かる。全ての周波数について、解析的曲線の形状はシミュレータの結果と完全に一致している。定量的にも、ほぼ完全に一致している。しかしながら、特に周波数が低い場合には、まだ極く僅かな相違が存在する。これは、解析パラメータの不完全な推定に起因する可能性がある。JPVはFに線形比例することから、特に、キャリア分離率の計算は極めて重大であるように思われる。実際には、Fはより高い可能性もあり、拡散長さは指数関数式からもたらされる。これは、空乏域からLより更に遠くへキャリアの分離確率がゼロではないことを意味する。更に、シミュレーションの精度も限定される。これは、使用する物理的モデル、時間依存性の光ビームソースの正しい定義および接合の基礎を成す物理学の正しい実装に依存する。
2.2.2 プローブ電位の振幅
解析的および数値的周波数曲線、即ち2つのプローブの振幅と変調周波数との関係も、極めてよく一致する(図11)。最も高い周波数において外部プローブ電位の数値がより高い理由は、時間曲線からこのように低いJPV振動を引き出すことが困難であることにある。双方の周波数曲線は、図12の実験による周波数曲線とよく一致している。実験曲線の振幅は、著しく高い。これは、RsLツールの信号振幅の内部利得に起因する。5つの周波数の完全なシミュレーションは、約4〜5時間を要する。シミュレーション時間は、メッシュノードの数および時間周期の数に大きく依存する。
2.2.3 横方向JPV分布の位相
また、JPVの振動と光源の振動との間の位相シフトも引き出すことができる。このシフトは、時間曲線上に既に見出すことができる。図13は、理論とシミュレーションとの優れた一致を示している。シミュレートした位相シフトの階段状の行動は、時間離散化に起因する。即ち、1周期について50のタイム工程をシミュレートしたので、位相シフト分解能は360/50=7.2゜である。
2.2.4 プローブ電位の位相
最後の比較は、周波数の関数としてのプローブ電位の位相シフトに対して行う。図14は、解析結果と数値結果の間の優れた相関性を確認している。最も高い2つの周波数の外部プローブ位相シフトは、JPVの振動が小さすぎて検出できないために計算することができなかった。
現在は、実用的なシミュレータが存在することから、多くの異なる問題に関する未解決の課題に対して、回答を開始することができる。以下の項目では、これらの問題点の幾つかを扱う。
3 サンプルサイズの影響
表面電位の横方向の拡張は、章で紹介した横方向のフォールオフパラメータに密接に関連している。その式、
Figure 0005417322
は、βがシート抵抗に伴って増大することを示す。Rが高いほど、過剰キャリアが照射ゾーンから横方向へ流れることはより困難となり、よって、JPVはより急に降下する。同様に、横方向のフォールオフパラメータもコンダクタンスに伴って増加する。シート抵抗が低い場合、JPVは、重大な横方向の拡張を有する可能性がある。従って、特に低いシート抵抗とリーク電流との接合に関して、境界効果が発生する可能性がある。図15、図16は、使用した円筒形サンプルの半径サイズの影響を示す。図15における定常状態のJPV分布は、これらが境界効果によって如何に影響されるかを示している。この構造は、シート抵抗R=500[Ω/]平方を有する。半径が小さすぎると、分離されるキャリアはその横方向ドリフトを妨げられる。これらはサンプル内に留まらなければならないことから、JPVを不正確に増大させる。R=1558[Ω/]平方である図16の構造の場合、横方向のフォールオフパラメータはより高いことから、境界効果が有する影響は遙かに小さい。2つの接合部のコンダクタンスは、等しくなるように選ばれている。
これらのシミュレーションは、最悪のケースであることに留意されたい。実際に、RsLツールの光ビームは少なくともf=200[Hz]の変調周波数を有し、これは、定常状態ケースよりも高いβ、これによりJPVのより速い低下をもたらす。更に、ウエハ半径は、ほとんどの場合、JPVの拡散域に比べて大きい。
プローブがウエハの境界近くを測定しているとき、過剰キャリアはまだ中心部へ向かって自由にドリフトすることができる。従って、ウエハの境界によってもたらされる障害は低減される。
4.第2の基板の影響
引例[3]では、一連の高度ボロンドープ層が化学気相成長法(CVD)によって成長され、かつ広範な最新技術による非貫通性/非接触シート抵抗ツールによって特徴づけられている。選択した3つのUSJの特徴ならびに理論上(SIMSベース)および実験によるシート抵抗を、表2に示す。
Figure 0005417322
この表は、深さ20[μm]で始まりかつ1015[cm−3]のドナー・ドーピング・レベルを有する第2の基板の存在を示していない。要約すれば、保有している構造体はp++.n+ではなく、p++.n+.nである。異なるウエハのUVおよび赤色光(図17)の実験による、およびシミュレートした周波数曲線は、下記のような不規則性を示している。
− 構造体B11D12およびB11D13の場合、外部プローブのJPVは小さすぎて実験で十分に測定することができない。その結果、これらの2ウエハに関しては、シート抵抗は領域外(>10[Ω/]平方)である。恐らくは、アクセプタ原子の起動レベルは100%ではなく、これにより、シート抵抗は理論上の期待値より遙かに高くなる。より厚い接合部(B11D16)の場合、シート抵抗測定はコヒーレントである。
− シミュレートした周波数曲線の外部プローブ電位は、最も高い周波数を除いて予測された行動をとる。実際に、シミュレータに関しても、JPVは小さすぎて時間曲線から正確に引き出すことはできない。「数値」雑音は、プローブ電位を上昇させる。
− UVと赤色光の実験測定間の著しい差は、構造体B11D12の外部プローブ電位に関してのみ観察することができる。この差は、第2のインタフェースに起因する可能性もある。赤色光はUVより深く透通することから、JPVを増大させる可能性のあるキャリアが第2のインタフェース(n+.n)においても発生される可能性がある。但し、シミュレーションは、単一のn+.n接合部により誘発される表面電位は完全に無視し得るものであることを示している。例えば、図18には、下記の特徴を有するn++.n構成に関して異なる変調周波数においてJPV分布が認められる。
Figure 0005417322
しかしながら、接合部は表面近くに位置づけられ、2つのn層のドーピングレベルは著しく異なり、このような構成により発生される最大表面電位は僅かに約8[μV]であって、これは、pn接合部により成長される光電位に比べて著しく小さい。要約すると、表面電位に対する第2の基板の影響を除外することができる。
5 シミュレータの拡張
RsLツールの行動を完全な模倣を望む場合は、最後のシミュレーション工程を採用しなければならない。項目において述べたように、RsLツールは、3つの測定からのプローブ電位を使用して未知数R’、G’およびC’を計算する。校正方程式および方程式セットを解くために、MATHEMATICA−ノートブックが実装されている。このノートブックの入力は、6つのプローブ電位(V1c、V2c、V11、V21、V12、V22)と、校正ウエハRのシート抵抗と、2つの変調周波数fおよびfとから成る。これらの値を全て導入することにより、仮想構造体の予測されるパラメータ(R、G、C)をRsL技術でシミュレートしたパラメータ(R’、G’、C’)と比較することができる。フローチャート19は、拡張されたシミュレータの原理の概略を示している。
例えば、既に詳細調査が行われかつ表3にその推定パラメータが喚起されている構造体について考察してみよう。
Figure 0005417322
このウエハに対しては、変調周波数f=100[kHz]における校正も行われ、R=Rにされている。試験測定周波数は、fおよびf=2[kHz]である。試験測定に対応する方程式セットの解も、表3に提示されている。
推定されたパラメータとRsL技術でシミュレートされたパラメータとの間には、僅かな差しか観察することができない。これについては多くの理由が考えられるが、例えば、パラメータの不完全な推測、横方向距離
Figure 0005417322
の有限分解能、MEDICIにより使用された物理的モデルの精度がそうである。この時点でRsL測定全体をシミュレートする能力は、章の場合のような非理想の構造体を調査する場合に極めて有益であろう。
6 リーク電流の測定
この項目では、基底を成すn型層(ウェル/ハロ構造体の存在)のドーパントレベルに対するRsLリーク電流の依存性に更に注目する。アクセプタ濃度N=3・1019[cm−3]および接合深さx=7[nm]を有するp型上層について考察しよう。今回、欠陥は、低リーク電流に関するシミュレータの行動を確認するために導入されていない。リーク電流のモデル化は、極めて複雑である。その第1の寄与は、少数キャリアの拡散電流である。更に、バンド間トンネリング(BTB)およびトラップ支援トンネリング(TAT)を介する再結合(発生)もUSJのリーク電流に大きく寄与する(引例[1])。2つの異なる基板ドーピングレベル(N=7・1016[cm−3]およびN=2・1018[cm−3])について、図20aはMEDICIから得られた対応するI−V曲線を提示している。図20(b)は、2つの異なるバイアス点(26[mV]前方向、および26[mV]逆方向)のI−V曲線から得たリーク電流密度をRsL技術シミュレーションで得たリーク電流値と比較している。JPVは、ダイオードを前方向へバイアスする点に留意すべきである。従って、RsLツールにより測定されたリーク電流は、ゼロバイアスにおけるI−V曲線の勾配により演繹されたものではなく、ほぼ表面電位、即ち最大値26[mV]10である正バイアスのそれである。
赤色におけるRsLリーク電流値とI−V曲線からの異なる電流との間には、RsL値の方が僅かに低いことを除いて優れた一致が観察される。更に、特に低ドープ基板の場合、MATHEMATICA方程式セットの解が入力、即ちプローブ電位に対してかなり感受性が高いことは留意されるべきである。プローブ電位の信頼性の高い値を得るために、幾つかの予防策を講じた。
・ コンダクタンスが低いことから、結果的に低くなる横方向フォールオフパラメータにより、サンプル半径を大きくすることを余儀なくされた。
・ 横方向フォールオフパラメータが最大となる最も高い変調周波数では、外部プローブ電位は低すぎて時間曲線から正しく引き出すことが不可能である11。従って、校正周波数fは、100[kHz]ではなくf=10[kHz]を採用している。校正測定条件、
Figure 0005417322
は依然として完全に満たされることから、この選択は有効である。図21は、今回は対数目盛で、異なる変調周波数の横方向JPV分布を示している。JPV分布の積分に比例する100[kHz]における外部プローブの電位(V)は、数値パラサイトにより多大な影響を受ける。反対に、f=10[kHz]では、Vは正しい値を有する。
・ シミュレーションフレームワークの限定的な分解能による影響に更に対処するために、最大光強度をI=2・10−4[W/]cm 12へ倍増した。
実際には、電力プローブの分解能がやはり限定的である場合、システムは同じく、最も高い変調周波数において外部プローブ電位の正確な値を測定することが困難な場合がある。実験によるソリューションは、プローブのジオメトリを変更することであろう。実際に、外部プローブがもう少し中心部寄りに置かれれば、シート抵抗を遙かに容易に測定できる可能性もある。一方で、この領域の増大は、シート抵抗に対するシステムの感度を下げると思われる。
7 波長の影響
JPVの大きさが照射光の波長に依存することは、既に確認した。よって、所定の構造体の表面電位がどの波長で最大になるかを確認することは、興味深いと思われる。更に、接合深さによってその行動がどのように影響されるかも調査する。
接合深さは異なるが、ドーピングレベルは等しいpn構造体13に関して、2つのシミュレーションを実行した。それらの特性、ならびに基板Lにおける正孔の拡散長さの理論値を、下表に略示する。
Figure 0005417322
波長に対するJPVの依存性のイメージを得るために、中心点14における表面電位が横方向JPV分布から引き出されている定常状態シミュレーション(f=0[kHz])を基礎とすることにした。各構造体について、使用した波長の関数の中心点におけるJPVの正規化された発展を図22に示す。これらのシミュレーションにおいて、理論上の拡散長さは、少数キャリアの寿命τの定義を介してインポーズされる。
双方のシミュレーションにおいて、光強度が一定であったことは留意すべきである。定性的に、所定の構造体に関する曲線の形状は、項目2.1.4において既に説明しているキャリア分離率Fによって決定づけられる。その式は、
Figure 0005417322
である。
キャリア分離率は、下記の2項から構成される。
・ 透過率T:シリコン表面における反射率Rは、波長に大きく依存する。MEDICIから、異なる波長における反射率が既に引き出されている。図23は透過率T=1−Rを示し、これは、シリコンへ透過される光強度の率を示す。物理的には、UVエリアにおけるノッチは、シリコンの直接的バンドギャップの存在に起因する。
注釈:実際には、UV光の選択は、透過の観点からすると、このノッチに起因して最適ではない。
・ Γ:この項は、接合部によって分離されるキャリアの数を示す。Γは、下記に依存する。
− αoptおよびhvを介する波長
− xを介する構造体のジオメトリ
− Lおよびxn0を介する、特に基板ドーピングであるドーピングレベル。
Γは発生率の積分を表す。
拡散長さLは、
Figure 0005417322
により、基板内の少数キャリアの寿命τ、および拡散率Dに依存する。
出願人が行うケースでは、Lは光透過の最大深さより遙かに大きい。事実、λ=900[nm]の場合、透過の深さ15は約
Figure 0005417322
であり、これは、L=50[μm]より小さい。言い換えれば、事実上、発生される全てのキャリアは接合部によって分離される。
更に、この拡散長さが接合深さよりも重要であるとき、JPVは、接合部の深さに対してかなり不感受性である。例えば、構造体1から構造体2へ、そのxが変わっても、正規化されたJPVと波長との関係にはほとんど影響がない。後に、章において分かるように、ウエハの特徴とは独立しているキャリア分離率を有することが希望されることから、これは、どちらかと言えば望ましい行動である。
また、同じシミュレーションを実行して、遙かに小さい少数キャリア寿命、それ故により小さい拡散長さをインポーズした。実際には、これは、構造体内の欠陥に起因する可能性もある。この場合は、事実上、曲線JPVと波長との関係が接合深さとのより大きい依存性をもたらす。
参照文献
[1] V.N.Faifer、D.K.Schroder、M.I.Current、T.Clarysse、P.J.Timans、T.Zangerle、W.Vandervorst、T.M.H.Wong、A.Moussa、S.McCoy、J.Gelpey、W.Lerch、S.Paul、D.Bolze著「ハロインプラントが極浅pn接合部のリーク電流およびシート抵抗に与える影響」真空科学/技術ジャーナルより刊行予定。
[2] Gerald Lucovsky著「不均一に照射されるpn接合部における光効果」応用物理学ジャーナル、31(6):1088−1095、1960年6月。
[3] T.Clarysse、A.Moussa、F.Leys、R.Loo、W.Vandervorst、M.C.Benjamin、R.J.Hillard、V.N.Faifer、M.I.Current、R.Lin、D.H.Petersen著「極浅プロファイル上の正確なシート抵抗測定」デバイス製造のためのドーピングエンジニアリング(材料工学会シンポジウム会報)、912:197−202、2006年。
[4] 概要「Taurus mediciユーザガイド、2006」2006.06年度版。
[5] Thomas Zangerle著「極浅接合プロファイル上の非接触シート抵抗/リーク測定の解釈モデル」リエージュ大学、修士論文、2006年。
ドルマーク間の表示はテンプレートである。これらは、SCILABルーチンによって自動的に数値に置換される。
実際には、ガウス分布に類似。
即ち、光強度が時間的に一定である状態
二次イオン質量分析法
2[mV]における太い水平線は、その下では雑音が支配的な限界である
I=10−4W/cm
同じ光強度
1つは校正測定、2つは試験測定
ウエハの上部および底部における2つの電極が接合部を偏光させる
10 小信号の条件│Φ(r)│<26[mV]を考慮した場合
11 この現象は、図17(c)および図17(d)において既に確認されている
12 全ての周波数でJPV値は26[mV]より下に留まることを検証した
13 上層は常にアクセプタドープ層である
14 即ち、円形照射ゾーンの中心
15 純粋なシリコンにおける透過の深さ
多層構造理論
本章では、多層システム、詳しくは二重層システムp++.n.pの表面における接合光起電力(JPV)の行動について説明する。第2の接合部n.pがウエハ上部に接近すると、光ビームにより発生される電子−正孔ペアは、第2の接合部によって分離される。その信号はますます重要となり、表面における合計電位に寄与する。このような構造の解析の動機付けは、第2の層のシート抵抗および第2の接合部のリーク電流の評価である。
今日まで、基底層のシート抵抗を拡散抵抗プローブまたは4点プローブ等の従来技術で測定することは不可能である。この層は機械的アクセスが不可能であるため、あえて試行するには非接触の測定方法が最良の方法であると思われる。
1 二重層構造の理論
本項では、不均一に照射されたp++.n.pシステムにおけるJPVの理論的評価について説明する。何れも単一のpn接合部の物理学について記述しているLucovsky[1]の論文およびZangerleの修士論文[2]を基礎として、ここでは、方程式を出願人の状況へと一般化していく。本章の骨子は、一定の光強度下における均一に照射されたp.n.p構造体によって始める。
1.1 均一照射されたp.n.p接合部
p.n.p構造体を照射しかつエネルギーがバンドギャップより大きい光ビームについて考察しよう。光ビームは、第1の接合部だけでなく第2の接合部でもEHPの分離が認められるに足る深さで透通するものと想定する。これとは別に、2つの接合部の空乏域は接触しないことも仮定している。分離されるために、EHPは、2つの空乏層のうちの一方が見えるところに、またはこれから拡散長さより短い距離に位置づけられなければならない。この場合には、接合部の内部電界が電子から正孔を分離し、こうして障壁電位が修正される。図25は、暗(黒色)状態および照射(赤色)状態下のp.n.p構造体のエネルギー帯を示す。
照射されたケースにおける表面の電力と暗状態における表面の電力との差は合計接合光起電力(JPV)であり、φtotで表示する。この電力は、下記の2つの寄与分を有する。
・ 第2の接合部における分離プロセスに起因する障壁電位の変化。この光起電力はφと呼ばれ、図25に表現されている。
・ 第1の接合部における分離プロセスに起因する障壁電位の変化。この光起電力はφと呼ばれる。
図25から、φは常にマイナスであり、φは常にプラスであることが推論される
φtot=φ+φ
であることから、φtotは、│φ│>│φ│であればプラスになり、そうでない場合はマイナスになる。この観察は、JPVが常にプラスであった単層のpn構造体との基本的な相違を示している。
図26は、異なる電流密度を示す。
・ Jph1=qfは、第1の接合部の空乏域における電荷分離を起源とする光電流密度である。fは、この接合部に関連づけられるキャリア分離率である。
・ Jph2=qfは、第2の接合部を介する光電流密度である。fは、この接合部に関連づけられるキャリア分離率である。
・ JT1およびJT1は各々、第1および第2の接合部の横方向電流である。
第1の層に関しては電荷保存則を成り立たせなければならないことから、
Figure 0005417322
と書き表すことができる。但し、Js1は第1の接合部のリーク電流である。同様に、第2の接合部に対する電荷保存則からも、φの定常状態条件、即ち、
ph1+Jph2=JT1+JT2
が得られる。
方程式1に続いて、
Figure 0005417322
が得られる。但し、Js2は第2の接合部のリーク電流である。φおよびφの式は、互いに独立していることが観察される。不均一に照射された二重層構造の場合、もはやこれは成り立たない。
1.2 不均一に照射されたp.n.p構造体
この場合は、構造体の表面は光ビームによって部分的にしか照射されていない。ここでは、半径aの円形表面について考察する。光ビームの直下では、分離プロセスが双方の電位障壁の一部を無効にする。これにより、照射された領域と非照射領域との間に電位差が生じ、横方向の電界(各層に1つ)が生成される。電界を知る者は電流を知る。即ち、電流密度JL1およびJL2は横方向の電界に従う。これらの電流は、多数キャリアによって構成されることに留意されたい。図27は、この状況を纏めたものである。実際には、Elat2およびJL2は、図上に示されているものとは反対の方向においてプラスである。その理由は、φは光ビームの下では確かにマイナスである(図25参照)が、横方向距離r=∞においては0であることにある。結論としては、Elat2およびJL2は中心部に向かってプラスである。
1.3 第1の層の定常状態光効果の方程式
本項では、一定の光源強度(定常状態)の場合のpドープされた上層に更に注目する。p領域における正孔の横方向電流密度JL1は横方向抵抗によって限定され、かつオームの法則によって、下記のように上部の光起電力φtotに関連づけられる。
Figure 0005417322
但し、ρは上層の固有抵抗である。
高さW、p層の厚さおよび半径rおよびr+Δrの環形を構築する。図28は、その断面を示している。
この環形の電荷保存則は、
Figure 0005417322
であることを要求している。
環形の両面に及ぶ電流密度JT1およびJph1を積分すると、
Figure 0005417322
が得られる。
横方向電流ΔIL1の合計変化は、環形の壁に及ぶ横方向電流密度JL1を積分することによって以下のように求められる。
Figure 0005417322
8、9および10を7に組み合わせると、Δrは0に向かうことから、
Figure 0005417322
となる。
ここで、電流密度をそれらの適切な式で置き換えると、
Figure 0005417322
になる。
方程式11は、下記のような定常状態光効果の一次元方程式になる。
Figure 0005417322
但し、
Figure 0005417322
は第1の層のシート抵抗である。この方程式を、任意の幾何学的構造、
Figure 0005417322
に一般化する。
この方程式は、小信号ケース用に線形化することができる。第1の接合部に起因するJPVが、
Figure 0005417322
を満たせば、方程式16は、
Figure 0005417322
になる。
この式は、第1の接合部の表面単位当たりのコンダクタンスGs1、ならびに横方向フォールオフパラメータαを導入することによって単純化することができる。
Figure 0005417322
定強度光源の場合の二重層構造の表面におけるJPVを説明する最終的な微分方程式は、
Figure 0005417322
となる。
1.4 第2の層の定常状態光効果方程式
上層の場合と同様に、第2の層に適用される電荷保存則は、第2の接合部における電荷分離に起因するJPVの行動を記述するために使用される。今回、横方向の電流フローJL2は、第2の層の抵抗ならびに横方向の光起電力分布φ(r)によって特徴づけられる。この場合もやはり、高さW、第2の層の幅を有する環形について考察する。図29は、異なる電流密度を有するその断面を示している。
電荷保存則は、下記のままである。
Figure 0005417322
T2およびIph2の式を得るために、環形の両面に及ぶ対応する電流密度を積分する。
Figure 0005417322
横方向電流ΔIL2の合計変化は、環形の壁に及ぶ横方向電流密度JL2を積分することによって求められる。
Figure 0005417322
方程式23、24、25、8および9を22に代入すると、Δrは0に向かうことから、
Figure 0005417322
が得られる。
次に、電流密度を下記の式、
Figure 0005417322
で置換する。
T2の指数項におけるマイナス符号は、φに関して取り込まれた符号規約から与えられる。第2の層の定常状態光効果の一次元方程式は、
Figure 0005417322
となる。但し、
Figure 0005417322
は第2の層のシート抵抗である。小信号のケース、即ち、
Figure 0005417322
であれば、テイラーの定理を使用して方程式30を、
Figure 0005417322
のように線形化することができる。
ここでは、第2の接合部の表面単位当たりのコンダクタンスGs2、第2の接合部の横方向フォールオフパラメータαおよびカップリングパラメータα12を下記のように定義する。
Figure 0005417322
カップリング係数は、第1の接合部(Gs1)および第2の接合部(Rsn)の特性を含むことに留意されたい。定強度光源の場合の第2の層の中性領域におけるJPVを説明する最終的な微分方程式は、
Figure 0005417322
となる。
1.5 両層の時間依存性光効果方程式
RsLツールは、可変強度の光源を使用する。この場合、定常状態連続条件11および26は、各々、
Figure 0005417322
となる。但し、γ(r,t)(γ(r,t))はp(n)領域における電荷密度である。考察を小信号のケースに限定すると、
Figure 0005417322
となる。但し、Cs1(Cs2)は第1(第2)の接合部の表面単位当たりのキャパシタンスである。方程式21および35は、時間依存性、即ち、
Figure 0005417322
になる。
次に、正弦波変調された光強度を有する光源、
Figure 0005417322
について考察する。
光強度が高すぎないとき、小信号の想定は検証され、かつJPVならびにキャリア分離率も正弦波的である。
Figure 0005417322
これらの式を方程式40に代入し、実数部および虚数部を識別しかつ複素横方向フォールオフ/カップリングパラメータを導入する。
Figure 0005417322
結果的な方程式システムは、幾つかの電位フェーザを横方向距離の関数で記述する。
Figure 0005417322
1.6 光効果方程式の解
上記式から、定常状態ケースの解が時間依存性の解と同じ形式を持つことが分かる。唯一の相違は、横方向フォールオフ/カップリングパラメータαがβになり、φおよびfがそのフェーザΦおよびFに置換されることにある。これを理由に、ここでは時間依存性の式を直に採用する。Φtot(r)をΦ(r)+Φ(r)で置換し、かつ半径aの円形光ビーム、即ち、
Figure 0005417322
を考慮することによって、未知数Φ(r)およびΦ(r)を有する(結合された)微分方程式システムは、
Figure 0005417322
になる。
1.6.1 転写
この微分方程式セットを解くために、システムを転写して2つのデカップルされた方程式を得る。即ち、表記を単純化するために、下記の表記法を導入する。
Figure 0005417322
次に、線形重畳、
Figure 0005417322
について考察すると、これは、
Figure 0005417322
を与える。但し、Φ=Φ+xΦである。どのようなx値が左辺をΦに比例させるかを探ってみよう。Lにおける項は、既にその性質を有している。他の項がこの要件を満たすためには、関係式、
Figure 0005417322
に従うxを求めなければならない。
解は、
Figure 0005417322
として与えられる。
デカップルされた方程式の修正セットは、x=x±で、一次結合、
Figure 0005417322
を取り込むことによって取得される。但し、
Figure 0005417322
である。
1.6.2 ソリューション
方程式セットをデカップルしたので、方程式61からΦx+(r)およびΦx−(r)を別々に計算することができる。MATHEMATICAは、ベッセル関数の一次結合から構成される極めて一般的な解を戻す。Z1,2がr=aで不連続をもたらすという事実は、積分定数の数を倍加させる。下記の境界条件は、MATHEMATICAにより提案されるある種のベッセル関数を除外する手助けをする。
Figure 0005417322
物理的に、これらの式は、電位が有限でなければならないこと、および光ビームから遠くでは、如何なる光電位も観察され得ないことを意味する。
他に、下記の2条件は、光ビームの縁におけるJPV分布の連続性を保証する。
Figure 0005417322
方程式61のセットの解は、
Figure 0005417322
によって与えられる。
表面における光電位の複素振幅は、
Figure 0005417322
によって取得される。
また、2つの接合部の合計光電位分布に対する寄与もΦx+(r)およびΦx−(r)の一次結合、即ち、
Figure 0005417322
である。
1.7 プローブ電位の導関数
2つのプローブの電位は、表面における光電位の平均振動に比例することを想起されたい。詳しく言えば、
Figure 0005417322
である。
Φtot(r)をその方程式66で置換すると、
Figure 0005417322
が得られる。
変数
Figure 0005417322
の式は、内側のプローブまたは外側のプローブ、即ち、

Figure 0005417322
の表面に及ぶ関数Φx±(r)を積分して求めることができる。
2 解析結果と数値結果の比較
二重層シミュレーションのケースでは、表面におけるJPVに追加して、n層内の光電位も引き出している。従って、φtot(r,t)だけでなく、φ(r,t)へのアクセスも有している。更に、第1の接合部によって生成される光電位、φ(r,t)は、次式によって計算される。
Figure 0005417322
図30は、3つの電位の異なる時間的発展を比較している。この構造体は、表1に記述されているものである。プロットしたのは、変調周波数f=2[kHz]の時間曲線のみであるが、下記ような観察を得ることができる。
・ 表面における電位(「JPV_tot」)の形状は、非ガウス的である。これは、これが互いに位相をずらされる2つの波の合計であることから、正常である。
・ 光ビームの近くでは、φ(r,t)は常にプラスである。しかしながら、中心から遙か遠くでは、即ち、r>0.5[cm]に関しては、φ(r,t)の振動はマイナスになり、または、言い換えれば、その位相を約180゜変える。
・ 第2の層内の光電位は、常にマイナスである。
・ 表面における電位は、φ(r,t)およびφ(r,t)の瞬間値に依存して、時にプラス、時にマイナスである。
次に、所定の構造体の解析的および数値的JPV分布および周波数曲線を比較する。
2.1 特性
調査したp.n.p二重接合の特性の概略を、表1に示す。
Figure 0005417322
これらの量の評価方法は、2つのキャリア分離率を除いて第1章に記述したものと同じである。実際に、これらは、方程式1.11に類似する解析的式によって推定されている。よって、フィッティングは完了している。即ち、FおよびFは、f=0.2[kHz]に関してシミュレートされたJPV分布の振幅に適合するように、僅かに(数パーセント)調整されている。
2.2 横方向JPV分布の振幅
図31は、横方向距離の関数における複素光電位の規模を表している。表1の数値を基礎として、左欄は解析解│Φtot(r)│、│Φ(r)│および│Φ(r)│(各々、方程式66、67および68の後)をプロットしている。右欄は、対応するシミュレートされたJPV分布を示す。光電位φ(r,t)は、80[nm]の深さにおける、よってあらゆる空乏域の外側における水平カットラインに沿ってプロットされている。
観察
・ 全てのJPV分布に関して、解析結果と数値結果とに極めて優れた一致が認められる。これは、導出された方程式ならびにパラメータの数値的推定の正当性を追認する。
・ 単層シミュレーションとの第1の明白な相違は、表面における光電位が必ずしも変調周波数の増加に伴って低下しないことにある。f=0.2[kHz]からf=10[kHz]へと、最大JPVは漸次増大する。
・ 下記については、留意しておくべきである。
Figure 0005417322
言い換えれば、に見られるように、単に規模│Φ(r)│および│Φ(r)│を加算しても表面電位│Φtot(r)│にはならない。これらの位相シフトは、重要な役割を果たす。
・ 2つのJPV分布ΦおよびΦの場合、中心部における光起電力は、ちょうど単一接合部のケースと同様に周波数と共に低下する。しかしながら、これは、2つの接合部が互いに影響し合っているということを全く意味しない。図32は、出願人の二重層構造の第1の接合部と同じ性質を有する単一接合部のケースにおけるJPV分布を示している。図31(c)と比較すると、特にr=aを超えると、第2の接合部はJPV分布の行動に大きく影響することを観察することができる。同様にして、特性が二重層システムの第2の接合部の1つと同一である単一接合部のJPV分布(図32(b))を見てみよう。ここでは、周波数に伴う低下が図31(e)より遅いことが分かるが、その主たる原因は、第1の接合部からの空間電荷の欠乏にある。
・ 第1の接合部を介する光電位(図31(c)および図31(d))は、約r=0.5[cm]における位相反転を示している。符号の反転は既に、r=0.5[cm]を超えた時間曲線上で示され、接合部は逆に偏極される。実際に、光ビームの下において、第1の接合部における分離プロセスはこれを前方向へ1つバイアスさせる(正の振動)。しかしながら、上層におけるJPVの横方向フォールオフは第2の層におけるそれと同じではないことから、これらの差、│Φ(r)│=│Φtot(r)−Φ(r)│は、中心部から所定の距離において最小値を有する可能性がある。従って、第1のダイオードは逆バイアス状態になる可能性がある。
2.3 プローブ電位の振幅
既に、表面JPVは、定性的に、単一接合部のケースとはかなり異なる周波数関連行動を有することを観察することができた。これは、2つのプローブに関する理論上(方程式71および72)およびシミュレートされた周波数曲線を示す図33において追認される。理論とシミュレーションとの一致は、この場合もやはり極めて満足のいくものである。他の二重層構造に対するシミュレーションは、周波数曲線の形状が極めて不規則であり、構造体の特性によって劇的に変わることを示している。
2.4 より深い第2の接合部に対するシミュレーション
本項では、第2の接合部が先例より深く、深さxj2=500[nm]に位置づけられるp.n.p構造体に関するシミュレーション結果を分析していく。正確な特性を、表2に示す。
図34および図35は、シミュレーション(右)ならびに理論上の曲線(左)から引き出されたJPV分布および周波数曲線を示す。解析的曲線は、数値結果と極めてよく一致している。
観察
・ 周波数曲線は、先の構造体の場合とは異なる形状を有する。即ち、これらは、特に外部プローブの場合、異なる周波数において増加/減少する。
・ 図34(d)では、Φの位相反転が言明された通りではないことが分かる。しかしながら、接合部は、それらのJPVに互いに影響し合う。
・ 今回、位相変化が窪みを引き起こすのは表面におけるJPV分布である(図34(b)の
Figure 0005417322
における黒色の曲線参照)。対数目盛に、変調周波数f=0.2[kHz]の場合のJPV分布│Φtot(r)│、│Φ(r)│および│Φ(r)│をプロットした(図36(a)参照)。中心部から所定の位置において、φ(r,t)のプラス振動の振幅は、φ(r,t)のマイナス振動の振幅に等しい。2つの波動間の位相シフトに起因して、これらの和(│Φtot(r)│)の振幅はゼロではないが、その最小値に達する。図36(b)では、表面光電位の位相ドロップを観察することができる。更に遠く、約r=1.1[cm]においては、│Φ(r)│に関して同様の現象が発生する。即ち、先の構造体の場合のように、φtot(r,t)の振動はφ(r,t)のそれよりマイナスになってφ(r,t)の位相反転を引き起こす(プロット36(b)における黒い曲線)ことから、第1の接合部は逆バイアス状態になる。
Figure 0005417322
第2の層のシート抵抗が第1の層のそれより高い(Rsn>Rsp)構造体の解析的および数値的プロットは、付属書類??に記述されている。
3 測定手順
単一接合部のケースでは、RsLツールは、校正測定を使用して3つの未知数、R、GおよびCを決定しなければならない。方程式のセットでは、3つのプローブ電位率の悉くで変数Fをなくすることが可能であることから、キャリア分離率Fを評価する必要はなかった。
二重層構造の場合、下記のような少なくとも6つの未知数がある。
sp、Rsn、Gs1、Gs2、Cs1およびCs2
プローブ電位の式71および72に注目すると、
Figure 0005417322
という類の率において、キャリア分離率は打ち消されないことを観察することができる。その結果、FおよびFを評価して、結果的に8つの未知数を生じさせる必要があるように思われる。
詳細な調査が行われていない、測定手順としての可能性の幾つかは下記の通りである。
・ オペレータは、(単一接合部の場合の2つではなく)4つの異なる周波数においてプローブ電位を測定し、8つの値を求める(各プローブにつき4値)。これらの値を解析的式に結びつけることにより、8つの方程式のセットから8つの未知数を取得することが予期される可能性もある。この手順では、校正工程は不要であると思われる。
・ 表面におけるJPV分布の複雑な形状に対してより高感度であるために、3つ以上のプローブを有するRsLツールの構築を仮想することも可能である。例えば、図36は、4つのプローブを有するシステムのジオメトリを示している。この場合、8つの電力を得るには、2つの周波数における測定で足りることになる。VおよびVの解析的式は、Vのそれに類似するものになる。
・ 更に複雑な測定原理は、横方向に移動可能な外部プローブの実装であると思われる。これは、JPV分布をより正確に追跡することができる。
参考文献
[1] Gerald Lucovsky著「不均一に照射されるpn接合部における光効果」応用物理学ジャーナル、31(6):1088−1095、1960年6月。
[2] Thomas Zangerle著「極浅接合プロファイル上の非接触シート抵抗/リーク測定の解釈モデル」リエージュ大学、修士論文、2006年。
電子−正孔ペア
不均一に照射されたp.n.p構造体の場合、φはマイナスになる可能性があることが認められる
pが上層であるとき
任意のスケールでのJPV分布
高性能CMOSのための接合光起電力を基礎とするシート抵抗測定の洞察
Trudo Claryssea,1、Alain Moussaa、Thomas Zangerlea,b、Frederic Schausa,b、Wilfried Vandervorsta,c、Vladimir Faiferd、Michael Currentd
IMEC:ベルギー、ルーフェン B−3001、カペルドレエフ 75
リエージュ大学、応用化学学部:ベルギー、リエージュ
KUルーフェン、電気エンジニアリング部:ベルギー、ルーフェン B−3001、カステエルパーク アレンバーグ 10
フロンティアセミコンダクタ社:CA95134、サンホセ、リバーオークスパークウェイ 199
先の研究は、高性能CMOS構造体上のシート抵抗を高信頼で測定できるツールが極く少数しかないことを明白に証明している。これらの有望な技術のうちの1つが、接合光起電力(JPV)ベースの技術である。この技術は、変調発光ダイオード(LED)を使用して、単一接合絶縁構造体のmmサイズのエリアに過剰キャリアを発生させる。過剰キャリアは、基底の電界によって分離され、続いて横方向へ拡散される。接合光起電力の横方向変動からは、上層のシート抵抗(Rs)および接合部の接合リーク(L)(ある市販ツールの場合のRsLという名称の所以)を非接触式に引き出すことができる。まずは、基礎を成す拡散方程式の単純化された理論上の解を提示する。次に、最近開発された、Scilab環境をSynopsis/Mediciデバイスシミュレーションと組み合わせた、(理論解との一致において)理想的かつさほど理想的でない高性能CMOS構造体の詳細な研究を見込んだシミュレーションフレームワークについて論じる。このシミュレーションフレームワークを使用して、酸化物電荷の存在が測定精度に与える影響を特徴づけるRsLの可能性、および基底のハロ/ウェルインプラントの存在下における実際のダイオード(デバイス)の逆バイアス特性に対するRsLリーク値の関係性に関して新しい洞察を提案する。可能であれば、実験データとの比較も行う。
はじめに
ITRSロードマップ(1)による必要性に応じて、20nm以下の高度に活性化されたソース−ドレイン拡張構造体の製造に、より複雑なインプラントおよびアニールプロセス(クラスタインプラント、プラズマドーピング、非融解レーザアニーリング、他)が導入されるにつれて、これらの高性能構造体の電気的活性化を正確に決定することはますますやりがいのある作業となる。しばしば言及される極めて重大な1つのパラメータは、関連する層のシート抵抗である。高度なアニールプロセスが使用されているが、これは必ずしも残りの埋込み瑕疵を全てなくするわけではなく、接合部のリーク電流もますます問題化してくる。最近では、RsLシステムと称する接合光起電力(JPV)を基礎とするツールが導入されていて、これは、極浅(50nm以下)接合部の絶縁層(2,3)のシート抵抗およびリークの双方の同時的かつ正確なマッピングを非接触式に達成できるようにする。引例(2)では、接合光起電力の解析的式が、一次元のポワソン方程式を使用しかつウエハ表面に垂直な垂直空間座標に及んで三次元の連続方程式を積分することによって導出されている。
本稿では、まず、Gerald Lucovskyの別の手法(4)を使用して、RsLツールの背後にある理論をより詳細に探る。即ち、測定されるJPV値の単純な方程式を導出する。次に、理想的な構造体およびさほど理想的でない構造体の双方のRsL行動を予測できるようにする定量的なシミュレーションフレームワークを導入する。最後に、シミュレーションによって実験データのより深い理解に有益であることが分かる幾つかのアプリケーションについて論じ、電荷を含むキャッピング酸化物の影響およびリーク問題について論じる。
解析的方程式
RsLツールは、(接合部に達するに足る大きさの深さ透通を有する)適切な波長およびシリコンの帯域幅より大きいエネルギーを有する変調された光ビームを使用して、接合絶縁層内に電子−正孔ペアを発生させる。続いて、これらの電子−正孔ペアは接合電界によって分離され、照射領域における表面付近で光起電力に変化を生じさせる。この動作原理を他の所謂表面光起電力技術(表面付近の空乏域に関連する)から区別化するために、本稿ではこれを接合光起電力(JPV)と称する。続いて、照射領域(mmサイズ)内に堆積された過剰キャリアは、照射領域の外側のあらゆる側方方向へドリフトする。この状況を、図36に示す。
基底を成す数学の方程式を導出するために、まず、一定の(時間非依存的な)照射ビームを想定して問題を単純化してみよう。このケースについては、Lucovsky(4)によって詳しく論じられている。高さW(表面層内)の所定の環形に対しては、4つの異なる電流寄与を認識することができる(図37)。即ち、Jph=q.fは光電流密度であって、qは電気素量であり、fは電子−正孔分離率であり、
Figure 0005417322
は横方向の電流密度であって、Jsおよびφは各々飽和(リーク)電流および電位であり(kおよびTはボルツマン定数および温度である)、
Figure 0005417322
およびJ(r+Δr)は各々容積に流れ込みかつ容積から流れ出る横方向電流密度であって(rは光ビームからの横方向距離)、ρは表面層の固有抵抗である。
すると、定常状態条件における電荷保存則要件は、次のような方程式になる。
Figure 0005417322
但し、シート抵抗はR=ρ/Wである。コンダクタンスG=(q.J)/(k.T)を導入し、かつ(q.f)/J<1を想定すれば、即ち小信号条件に関して、方程式、
Figure 0005417322
から設定値
Figure 0005417322
が得られる。
時間依存的なJPV方程式の場合は、電荷密度の経時的変化も考慮する必要がある。この場合、電荷密度は、
Figure 0005417322
によって与えられる。但し、Cは接合部のキャパシタンスである。変調周波数ωを有する変調光ビームの正弦波的時間依存性に関しては、これは最終的に、基本的なJPV方程式、
Figure 0005417322
になる。但し、
Figure 0005417322
であり、F(r)は振動キャリア分離率の合計規模である。
この方程式の解析解は、
Figure 0005417322
によって与えられる。
電力プローブVおよびVの形状を考慮すれば、下記のような、RsLツールにより測定される実験信号に関して正確な方程式を導出することができる。
Figure 0005417322
ここで、R、RおよびRは半径であり、θは電力プローブの形状に関する環形の角度であり、かつIおよびKは各々第1種および第2種の修正されたベッセル関数である。これらの方程式は、先に公開されている結果(5)と数学的に同一であるが、この場合はより単純化された形式を有することに留意されたい。これらの方程式は、(VおよびVの双方に関する)3つの独立した測定値(校正ウエハ上における高周波数での測定値、および試験ウエハ上での低周波数および高周波数での測定値)を利用可能であることを条件として、未知の接合絶縁試験構造体のR値およびJ値を引き出すことを見込んでいる。
この作業において、任意の所定のシリーズの実験的またはシミュレートされたV値およびV値に関するRおよびJを求めて方程式6を自動的に解くことのできるMathematica(6)ノートブックが開発されている。これは、後に論じるような不測の物理的問題に遭遇する際にRsLツール自体がどのように反応するかの決定を可能にすることから、極めて重要なツールである。
シミュレーションフレームワーク
上述の解析的方程式を利用可能にすることが極めて重要であることは明らかであるが、その主たる限界は、引き出される結果が理想に近い状況下でしか正しくないことにある。構造体は、方程式の導出において行われる基本的な想定から偏向し始めると、当然ながら崩壊する。故に、非理想の状況下でRsLツールの行動を調べることのできるシミュレーション環境を生成することも極めて有益である。
新規開発したシミュレーションフレームワークの主たる考案を、図38に示すフローチャートに例示する。
まず、使用されるべきメッシュ、ドーパントプロファイルおよび物理モデルを記述するSynopsis/Mediciデバイスシミュレータの入力ファイルを生成する。これらのパラメータは、光の変調周波数等の幾つかの変数を含む。データフロー全体は、一連のScilab(7)手順内で制御される。これらの手順は、続いて2つのメインタスクが実行されるループを制御する。まず、適切なサイズを有する二次元の軸対称容積内の異なる横方向位置における時間依存性電位の分布を、図39aに示すようにMediciによって計算する。第2に、2つの測定プローブVおよびVの下の積分されたJPV信号を、表面電位の振幅と時間曲線との関係から引き出す。最後に、V1およびV2を変調周波数に関連してプロットし、結果的に、所謂図39bに示すような周波数曲線を得る。
これらのシミュレーションの最終的精度は、とりわけ、使用される物理的モデル、時間依存性の光ビーム源の正しい確定および接合部の基礎を成す物理学の正しい実装に重度に依存する。使用した主たる物理的モデルは、フェルミ・ディラック統計、バンドギャップナローイング、濃度依存性のフィリップス可動モデルおよびショックレー・リード・ホール(SRH)/オージェ(Auger)再結合であった。反復性のガウス形時間依存により、実験正弦波的光ビーム変動を可能な限り綿密にシミュレートした。変調周波数を変更する際には、統合された光強度が一定に留まるように用心しなければならない。最後に、(先に行った小信号の想定を満たすために必要な)接合部のリーク電流の現実的な値を得るために、接合部の近くに幾つかの欠陥を付ける必要がある。図39bは、同じ構造体に関するシミュレーションからの結果と解析的方程式からの解とを比較した場合に得ることのできる最終精度を示している(図の説明文参照)。その結果、極めて良好な定量的一致を取得できることになる。更に、理論とシミュレーションは、シミュレーションが実験SIMSドーパントプロファイルの完全なボックスプロファイル近似値を基礎とすることを考慮すれば、実験データとよく一致する(図39b)。
キャッピング酸化物の影響
これでJPVシミュレータフレームワークの正しい動作を確立したので、例えばキャッピング酸化物のRsL結果に対する影響の調査を開始することができる。薄い酸化物に関しては、光学的視点からの多大な影響は予測されない。しかしながら、電荷が、例えば酸化物内に存在していれば、これは、RsL行動に影響する場合もしない場合もある表面空乏域を発生させる可能性がある。
上部に酸化物を有する500オーム/平方、200nm深さの接合絶縁構造体(中心部で測定されたV1およびV2信号は各々約10および5mVであった)に関して、初期RsLシート抵抗マッピング(375nmにおけるUV光を使用)を作った。420nmの紫色光でも類似の行動を観測可能であったことに留意されたい(個々の信号値は61および23mV)。基準Rs値は、従来の(100gにおける)4点プローブ測定から取得した。明らかに、このようにして測定されるRsLシート抵抗は、中心点を予測される校正値へと押しやると(最高値に対して)72%までの大きな変動を表示する。しかしながら、紫色Rsマッピングにおける変動は、UVマッピングの場合より小さい(各々72%および44%)ことは留意されるべきである。これは、より大きい波長に対して、即ちより高い透過の深さに対して、Rsマップは表面状態に対する感受性が低くなることを示しているように思われる。これは明らかに、現在の200nm深さの接合の場合、正確なRs測定のための推奨波長は、事実上、原則として表面行動に対する依存性はなくなるはずの赤色光(約700nm)である、という事実に一致している。これを追認するために、より適切な波長を使用することにより詳細な分析が進行中である。
酸化物厚さのマッピングを、XPS測定値から取得した。その結果、酸化物の厚さは約5nmから10nmまでの範囲で変化することになる。最も高いRsLシート抵抗は、最も薄い酸化物に関して報告されていることに留意されたい。従って、RsLシート抵抗とXPS酸化物の厚さとの間には、極めて強力な逆相関が存在する。中心値は任意に固定されていることから(実際には、これは、恐らくは500オーム/平方に固定されるべきものであったウエハの底部である)、ここでは相対的なRs行動のみが重要であることに留意されたい。続いて、酸化物は取り除かれ、図40dに新しいRsLシート抵抗マップが示されている。いまや期待値500オーム/平方(紫色光で)によってほぼ均一のRsマップを得ていることから、先に観察された差異の原因が酸化物にあったことは間違いない。
観察される行動の原因は、酸化物捕獲電荷、表面再結合率における変化、他等の異なる物理的現象である可能性もある。本研究においては、酸化物内に捕獲される電荷の存在を通じてこの行動を理解する初めての試みを行う。従って、図40に示すものと同じ構造体に対して、酸化物半導体界面における−1e13から+3e12/cmまでの範囲内の一定の電荷量を使用して、UV光による一連のMedici/Scilabシミュレーションを立ち上げている。図41は、シミュレーション結果を纏めたものであり、シート抵抗と電荷量との関係の相対的変動を示している。シート抵抗は、解析的RsL式を組み込んだ上述のMathematicaノートブックを使用してVおよびVのシミュレーション結果から引き出されていることに留意されたい。高い正電荷、即ち、上部p型層の表面に近い領域(ドーピングレベル1e19/cm3で約10nmに及ぶ)で減耗しかつpn接合電界とは強度が逆である表面垂直電界を生成する電荷に関して観察できるように、「明白な」シート抵抗の著しい減少を認めることができる。原因は、より小さいフォールオフパラメータ(方程式5におけるβ)、それ故に、より小さい明白なシート抵抗値に繋がる、照射領域におけるより低いシミュレートされたSPV信号にある。この行動は、実験データ(72%の変動を観察)とよく一致しているが、より大きい酸化物厚さはより多くの正電荷と相関することを想定すれば、このように比較的穏やかな電荷がどのようにしてRsL信号にあのような大きい影響を与えることができるかを追認するためには、さらなる作業が必要になる。
この初回解析は、特有の構造体に関する、所定の(非規格)動作条件下での実際のRsLシステムの行動をより良く理解する上で、RsLシミュレータの利用可能性が如何にこれを手助けできるかを示している。
再度、これまでに論じた構造体のために本稿で使用した条件は、日常的な作業用に一般的に推奨されるものではないことに留意されたい。
接合部のリーク電流
最後に、基底層(ウェル/ハロ構造体の存在)のドーパントレベルに対するRsLリーク電流の依存性に更に注目する。同じ上部p型ボックスプロファイル(7nm厚さのドープされた3e19at/cm)および2つの異なる基底n型ドーパントレベルに関して、対応するVおよびV値をシミュレートし、続いて、RsLにより測定されるようなリーク電流(約25mVにおける順方向リーク)を上述のMathematicaノートブック(解析的式)から、かつ代替としてMedici(25mVにおける逆バイアス)を介して発生される電流−電圧(I−V)曲線から引き出した。
図42aは、(−Vにおける)逆バイアスリークおよび(+Vtにおける)RsL(順方向)リークを基底層のドーパント濃度レベルの関数として示している。予測される通り、ウェル/ハロ・ドーパントレベルに伴うリークの増加が観察される。図42bは、RsLリーク値と、逆バイアスI−V曲線から得られるリーク値との相関性を示している。双方のリーク値は互いに接近していて、適用したシミュレータの精度を例証している。しかしながら、本シミュレーションがいまだpn界面における、またはその近くにおける欠陥(部分的にのみアニールされたインプラントの後に残る)の存在を考慮していないことは留意されるべきである。より現実的な状況におけるRsLと逆ダイオードリーク成分との関係については、他に更に詳しい情報が記載されている(8、9、10)。
謝辞
Thierry Conard and Ilse Hoflijk(Imec)のXPSワークに謝意を表する。
まとめ
正確なシート抵抗値および接合部リーク電流値を取得することは、未来のCMOS技術の時宜を得た開発にとって極めて重大な問題である。必要な情報を送出することのできる技術の1つが、ウエハに沿った接合光起電力の非接触測定を基礎とするRsLツールである。
RsLツールの内部動作をより深く洞察するために、本稿では、RsLデータの定量的シミュレーションを見込んだMedici/Scilabシミュレーションフレームワークを提示した。基礎を成す物理方程式の導出され、かつ単純化された解析解を基礎として、シミュレータが理想の単層構造体に関して正しく機能することを検証した。
シミュレーションは、非規格動作条件下(標準より短い波長)で酸化物キャッピング層を有するウエハ上に観察されるRsL差異が、酸化物内に存在する正電荷に起因する可能性があることを示している。更に、観察されたRsLリーク電流は実際に(理想に近いダイオードの)基礎を成す逆バイアス接合のリーク電流と相関され得ることを、新規RsLシミュレータが追認していることも例証された。
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5.V.N.Faifer、P.Van、M.I.Current、T.Wong「米国特許第7,019,513号」(2006年)
6.Mathematicaソフトウェアパッケージ(www.wolfram.com)
7.数値計算用Scilabオープンソースプラットフォーム(www.scilab.org)
8.V.N.Faifer、D.K.Schroder、M.I.Current、T.Clarysse、P.J.Timans、T.Zangerle、W.Vandervorst、T.M.H.Wong、A.Moussa、J.Gelpy、W.Lerch、S.Paul、D.Bolze「ハロインプラントが極浅pn接合部のリーク電流およびシート抵抗に与える影響」"J. Vac. Sci. Technol",Bへの投稿文献
9.V.N.Faifer、D.K.Schroder、M.I.Current、T.Clarysse、P.J.Timans、T.Zangerle、W.Vandervorst、T.M.H.Wong、A.Moussa、S.McCoy、J.Gelpy、W.Lerch、S.Paul、D.Bolze「非接触接合光起電力計測学によるSDE/ハロCMOS接合部のリーク電流およびドーパント活性化の特性決定」、「ナノエレクトロニクスの特性決定および計測学フロンティア」NIST、メリーランド州ゲイサーズバーグ、2007年3月27日−29日、に提供されたもの。会報はA.I.Pから刊行予定。
10.V.N.Faifer、D.K.Schroder、M.I.Current、T.Clarysse、P.J.Timans、T.Zangerle、W.Vandervorst、T.M.H.Wong、A.Moussa、S.McCoy、J.Gelpey、W.Lerch、S.Paul、D.Bolze「ハロインプラントが極浅pn接合部のリーク電流およびシート抵抗に与える影響」INSIGHT 2007ワークショップ、ナパ(カリフォルニア州)、の会報に含まれる。

Claims (13)

  1. 表面に配置された少なくとも1つのpn接合部(6)を含む半導体構造体(9)の物理的パラメータを非接触で測定するための接合光起電力法であって、
    a)半導体構造体のpn接合部を有する表面を第1の波長の光ビーム(3)で照射して、表面に過剰キャリアを生成する工程と、
    b)光ビームの光強度を単一の予め定義された周波数で変調する工程と、
    c)照射エリアの内側における第1の位置(1)で第1の光起電力を非接触で測定し、かつ照射エリアの外側における少なくとも1つの第2の位置(2)で第2の光起電力を非接触で測定する工程と、
    d)pn接合部を有する表面を他の波長の光ビームで照射して、工程b)を繰り返すことにより、および/または照射エリアの外側に更なる測定位置(10)を選択することにより、第3と第4の光起電力を非接触で測定する工程と、
    e)第1、第2、第3、および第4の光起電力に基づき、半導体構造体の物理的パラメータを計算する工程と、を含む接合光起電力法。
  2. 更に、単一の予め定義された周波数とは異なる第2の予め定義された周波数で光ビームの光強度を変調する工程と、工程c)およびd)を実行する工程と、を含む請求項1に記載の接合光起電力法
  3. 全ての工程は、半導体構造体と基板とを含む、測定した値の校正用ウエハ上で実行される請求項1または2に記載の接合光起電力法
  4. 物理的パラメータは、シート抵抗、リーク電流、接合キャパシタンス、接合コンダクタンス、およびキャリア分離率のうちの少なくとも1つを含む請求項1〜3のいずれかに記載の接合光起電力法
  5. 半導体構造体は、同じドーパント型の少なくとも2つの層を分離するための、反対ドーパント型の層を含むように形成された請求項1〜4のいずれかに記載の接合光起電力法
  6. 半導体構造体は、更に、バルク半導体または絶縁体上半導体(SOI)を含む基板を含む請求項1〜5のいずれかに記載の接合光起電力法
  7. 工程e)の計算は、少なくとも1つのpn接合部に関する第1の光起電力Vおよび第2の光起電力Vを使用して、下記の式:
    Figure 0005417322
    および、
    Figure 0005417322
    但し
    Figure 0005417322
    に従って実行され、Rは接合部上層のシート抵抗、Gはゼロバイアスにおける接合部のコンダクタンス、Cは接合部のキャパシタンス、ω=2πfであり、fは光ビームの強度変調周波数、qは電気素量、Fは電子−正孔ペア分離率、IおよびKは各々第1種および第2種の変形ベッセル関数、iは虚数単位、Rは第1のプローブの半径、RおよびRは第2のプローブの内側および外側の半径であり、θはその角度である請求項1〜6のいずれかに記載の接合光起電力法
  8. 工程e)における計算は、少なくとも1つのpn接合部に関する第1の光起電力Vおよび第2の光起電力Vを使用して、下記の式:
    Figure 0005417322

    但し、
    Figure 0005417322
    に従って実行され、
    但し、

    Figure 0005417322

    但し、
    Figure 0005417322

    Figure 0005417322

    であり、RspおよびRsnは、各々第1の層と、より深い第2の層のシート抵抗で、Gs1およびGs2は第1および第2の接合部のコンダクタンス、Cs1およびCs2は第1および第2の接合部のキャパシタンス、FおよびFは第1および第2の接合部の電子−正孔ペア分離率、aは光ビームの半径、rは光ビーム中心からの横方向距離である請求項1〜7のいずれかに記載の接合光起電力法
  9. 工程e)における計算は、少なくとも2つのpn接合部に関する第1の光起電力Vおよび第2の光起電力Vを使用して実行される請求項7または8に記載の接合光起電力法
  10. 表面に配置された少なくとも1つのpn接合部(6)を含む半導体構造体の物理的パラメータを非接触で測定するための接合光起電力装置であって、
    半導体構造体のpn接合部(6)を有する表面を第1の波長の光ビーム(3)で照射して、表面に過剰キャリアを生成するための光源と、
    光ビームの光強度を単一の予め定義された周波数で変調するための変調器と、
    照射エリアの内側における第1の位置(1)で第1の光起電力を非接触で測定し、かつ照射エリアの外側における少なくとも1つの第2の位置(2)で第2の光起電力を非接触で測定するための測定ユニットと、を含み、
    測定ユニットは、pn接合部を有する表面を他の波長の変調された光ビームで照射することにより、および/または照射エリアの外側に更なる測定位置(10)を選択することにより、第3と第4の光起電力を非接触で測定し、この装置は、更に、
    第1、第2、第3、及び第4の光起電力に基づいて、半導体構造体の物理的パラメータを計算するためのコンピュータユニットを含む接合光起電力装置。
  11. 測定ユニットは、照射エリアの外側における少なくとも2つの異なる位置(2、10)の、少なくとも2つの電極を含む請求項10に記載の装置。
  12. 測定ユニットは、照射エリアの外側で半導体構造体上を移動できる少なくとも1つの電極を含む請求項10に記載の装置。
  13. 半導体構造体は、同じドーパント型の少なくとも2つの層を分離するための、反対ドーパント型の層を含む請求項10〜12のいずれかに記載の装置。
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