JP2006351754A - 熱電変換材料およびそれを用いた熱電変換装置 - Google Patents

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【課題】 NaxCoOy(但し、xおよびyは0.5≦x≦1、1≦y≦2である)で示される酸化物からなる熱電変換材料であって、熱電変換性能の優れた熱電変換材料を提供すること。
【解決手段】 錯体重合法を利用する前記熱電変換材料の製造過程で、前記熱電変換材料の母材となる粒子表面にNaもしくはNaを含む化合物からなる微粒子を析出させ、次いで前記微粒子を前記母材粒子中へ拡散・消失させて得る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、熱電変換材料に関する。詳しくはNaxCoOy(但し、式中、xおよびyは、0.5≦x≦1、1≦y≦2である)で示される酸化物からなる熱電変換材料およびそれを用いた熱電変換装置に関する。
近年、環境問題や化石燃料の代替エネルギーの問題が社会的に大きく注目されている。このような状況下において、例えば、二酸化炭素、窒素酸化物等の有害ガスを排出せずに排熱等の未利用熱エネルギーを有効に電気エネルギーに変換する熱電変換エネルギー技術や、有害なフロン系ガスを使わない熱伝冷却技術等への期待が高まってきている。これらの期待に応えるためには、高性能な熱電変換材料等の開発が不可欠である。
熱電変換材料は、熱エネルギーと電気エネルギーとを相互に変換できる材料であり、その性能指数(Z)は、次式で与えられる。
Z=S2/(ρκ)
(式中、Sは熱起電力(ゼーベック係数)、ρは電気抵抗率、κは熱伝導率を示す。)
従って熱電変換効率を高めるには、Sの絶対値が大きく、ρおよびκがともに小さいことが必要となる。
これまでに、熱電変換材料としては種々のものが提案されている。例えば、Bi2Te3系熱電変換材料は、室温から200℃の温度範囲において高い性能指数を示し、ペルチェ素子として熱電冷却等に用いられている。また、Pb−Te系熱電変換材料は、200〜500℃の温度範囲において高い性能指数を示し、発電装置として主に用いられている。ところが、これらは非酸化物系材料であるため、合成工程が複雑であるという問題がある。また、Teは資源として乏しく、しかも毒性があるため、環境への影響及び一般家庭での使用を考えた場合に問題がある。これらの理由により、合成工程が比較的簡単な酸化物系材料に、有害な元素を含まない新しい熱電材料の探索が進められている。
このような状況下において、NaFeO2型結晶構造を有する酸化物であるNa0.5CoO2が熱電変換材料として脚光を浴びている。例えば、Nax-yyCoO2+d(ただし、式中、x、y、dはそれぞれ、0.6<x≦1.0、0≦y<0.28、−0.4<d≦0の範囲である)であらわされ、AがMg、Ca、Sr、Li、Kまたは希土類元素の少なくとも一種である酸化物材料の前駆体を錯体重合法で合成し、その後、酸化性雰囲気で加熱し、結晶化を行い(仮焼成)、所定の形状にプレス成型した後、酸化性雰囲気で本焼成し、高い熱電変換特性を得た変換材料が得られている(特許文献1参照)。
また、Na0.5CoO2が室温下で、100μV/Kと言う大きな熱起電力を示し、かつ、200μmΩという低い電気抵抗を示すことが報告されている(非特許文献1参照)。Na0.5CoO2の出力因子はBi2Te3の出力因子を上回っており、新しい熱電変換材料として期待されている。しかしながら、本材料は大気中の水分と反応しやすいために、熱電特性が経時変化しやすいなどの問題があり、解決が望まれている。
また、NaxCoOy(ただし、xおよびyは0.3<x≦0.8、1.65≦y<2.4の範囲である)の酸化物からなる熱電変換材料の初期原料粉として、予め合成した酸化物の単結晶粉を用いるとともに、この単結晶粉に焼結助剤としてナトリウム化合物を添加し焼成することが提案されている(例えば特許文献2参照)。
ナトリウム化合物としては酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウムであり、多結晶粉を単結晶粉に対して25wt%程度以下で添加し、結晶粉の方向をそろえ、加圧下で900℃以上の温度で焼成している。ここでナトリウム化合物は、焼結助剤として添加しており、原料そのものとして加えられているのではない。また、初期原料粉であるNaxCoO2単結晶粉の合成では未反応成分を分離する必要があるなど、複雑な工程が必要で、コスト高である等の問題がある。
特開2002−280623号公報 特開2002−223011号公報 寺崎一郎、笹子佳孝、内野倉国光、Phys.Rev.B56(1997)12685
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、NaxCoOy(但し、式中、xおよびyは0.5≦x≦1、1≦y≦2の範囲を表す)で示される酸化物からなる熱電変換材料において、熱電変換性能の優れた熱電変換材料、およびそれを用いた熱電変換装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の熱電変換材料は、NaxCoOy(但し、式中、xおよびyは0.5≦x≦1、1≦y≦2の範囲である)で示される酸化物からなる熱電変換材料であって、前記熱電変換材料は、母材となる母材粒子表面にNaもしくはNaを含む化合物からなる微粒子を析出させ、次いで前記微粒子を前記母材粒子中へ拡散・消失させることを特徴とする。
上記発明によれば、NaxCoOy(但し、0.5≦x≦1、1≦y≦2)で示される酸化物から成る熱電変換材料であって、前記熱電変換材料の製造過程で、前記熱電変換材料の母材となる粒子表面にNaもしくはNaを含む化合物からなる微粒子を析出(付着)させ、次いで前記微粒子を前記母材粒子中へ拡散・消失させ、熱変換材料が得られる。このことから、母材粒子の結晶を増大させ、母材粒子を緻密化することができるため、NaxCoOyを有する熱電変換性能の優れた熱電変換材料を提供することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の熱電変換材料であって、前記微粒子が、前記母材粒子よりも小さいことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の熱電変換材料であって、前記微粒子が、平均粒径が0.1μm〜1μmの範囲にあることを特徴とする。
上記発明によれば、NaもしくはNaを含む化合物からなる微粒子が、平均粒径が0.1μmから1μmと母材粒子より小さいことから、母材粒子中への拡散を効果的なものにし、組成を均一化することができる。
請求項4記載の熱電変換装置は、熱電変換材料からなる素子を用いたことを特徴とする。
上記発明によれば、前記した本発明の熱電変換材料による素子を用いたことから、熱電変換性能の優れた装置を提供することができる。
本発明によれば、NaxCoOy(但し、0.5≦x≦1、1≦y≦2)で示される酸化物から成る熱電変換材料であって、前記熱電変換材料の製造過程で、前記熱電変換材料の母材となる粒子表面にNaもしくはNaを含む化合物からなる微粒子を析出(付着)させ、次いで前記微粒子を前記母材粒子中へ拡散・消失させ、熱変換材料が得られる。このことから、母材粒子の結晶を増大させ、母材粒子を緻密化することができるため、NaxCoOyを有する熱電変換性能の優れた熱電変換材料を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
NaxCoOy(但し、式中xおよびyは0.5≦x≦1、1≦y≦2の範囲を表す)に代表される酸化物熱電材料の製造方法として、錯体重合法がある。錯体重合法の詳細は「粉体および粉末冶金」第40巻20号、1993年2月、p137に記述されている。ここでは詳細を省くが、その概略は、複数種の金属イオンとクエン酸との間で安定なキレート錯体を形成し、これをエチレングリコールに溶解分散させ、加熱重合エステル化させ、最終的に3次元のネットワーク構造を有する高分子ゲル(錯体重合体)を形成する。この錯体重合体を加熱し、ゲル中に残存する不要元素を除去する。次に、この加熱分解して得たゲルを加熱し、粒を結晶化する。
本発明は、前記した粒子の結晶化を第一の焼成とし、その工程で得られた粒子表面に該粒子よりも小さい微粒子を析出させる。そして、さらに、高い温度で第二の焼成を行い、前記微粒子を粒子中へ拡散・消失させて結晶粒径を増大させ、目的とする組成の酸化物熱電材料を得る。
本発明を以下に示す実施例により、さらに詳説するが、本発明はこれら実施例に拘束されて解釈されるものではない。
図1に従って説明する。はじめに、パイレックス(登録商標)ガラス製の器に、純水1000mlと原料および微粒子となる酢酸ナトリウム・一水和物4.1gと酢酸コバルト・四水和物12.5gとを、それぞれ秤量した後、マグネチックスターラーで攪拌溶解した後(ステップS100)、クエン酸100gをこの溶液に加え(ステップS101)、マグネチックスターラーで攪拌溶解し、錯体形成とゾルを作製した。
次に、この得られたゾルにエチレングリコール4.85gを混合し、攪拌して溶解した後(ステップS102)、本溶液をホットプレート(HP)上で80分まで200℃、250℃で40分、300℃で100分加熱して、ゲル化した(ステップS103)。なお、温度はHPの表面温度を示す。その後、350℃で1時間加熱し、ゲルを加熱分解(ステップS104)し、不要なクエン酸とエチレングリコール、酢酸基とを燃焼した。次に、燃焼後の残留物をメノウ乳鉢で粉砕し、全体が均一になるように混合した(ステップS105)。
次に、粉砕・混合したゲル粒子をアルミナセラミックス製の器に移し、空気中もしくは酸素雰囲気中で800℃で10時間加熱(第一の焼成)し(ステップS106)、ここで、ベースとなる母材粒子の表面にナトリウムもしくはナトリウムを含む化合物からなる微粒子を形成した後、メノウ乳鉢を用いて第一の焼成の母材粒子を粉砕し均一化した(ステップS107)。
次に粉砕し均一化した母材粒子の試料を2.5×1.0×10mmに加圧成型した後(ステップS108)、アルミナセラミックス製の器に移し、酸素を、約200ml/分(1気圧下)導入しながら、電気炉中、900℃で20時間加熱(第二の焼成)し(ステップS109)、概略寸法2.5×1.0×12mmのp型の熱電素子を作製した。
第一の焼成後の母材粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察した結果、その形状は鱗片状をしており、母材粒子1個の平均的な大きさは2〜5μmの範囲であり、母材粒子表面に形成した微粒子は母材粒子より小さく、その表面に分散して形成されていた。この微粒子1個の平均的な大きさは0.1〜1μmであった。
また、EPMA(electron probe (x-ray) micro analyzer)分析から第一の焼成後の母材粒子表面に形成した微粒子はNaあるいはNa化合物であることが判明した。
表1に母材粒子表面を純水で洗浄した場合と、しない場合のEPMAによるNa量の測定結果を示す。
Figure 2006351754
表1から、第一の焼成で母材粒子表面にNaあるいはNa化合物の微粒子が形成されていることが明らかである。表は、洗浄しない場合のNa量を100として、洗浄した場合のNa量を表している。洗浄後のNaの数値が0でないのは、第一の焼成後、母材粒子はすでにNaとCoとOの化合物ができており、これによってNa信号を検出したためと考えられる。また、この微粒子は水溶性であり、その溶解した液はアルカリ性を示すものであった。
図2に第一、第二の焼成後の母材粒子の表面写真を、図3に第一の焼成後、水による洗浄前後の母材粒子の表面写真を示す。
図2より、第二の焼成により、母材粒子表面の微粒子が母材粒子へ拡散し、目的とする組成へと変化し、母材粒子表面の粒子は消滅することがわかった。
表2に微粒子の有無と結晶粒の増大、結晶粒間の空隙との関係、および構造との関係の結果を示す。表中、△は結晶粒の大きさにほとんど変化がなかった、○は大きな増大があった場合をそれぞれの記号で表した。
Figure 2006351754
表2から、微粒子により第二の焼成で、粒径が増大し、結晶粒間の隙間が小さくなり、緻密化が促進されていることがわかった。また、Na0.7CoO2単層が得られた。これに対し、微粒子を除去して第二の焼成を行った場合、結晶粒が増大せず、Na0.7CoO2とCo34との複数の層ができてしまい、目的とした組成にならないことがわかった。
図4は、第一の焼成後と、第一の焼成後、洗浄して第二の焼成を行った場合と洗浄しないで第二の焼成を行った場合の各熱電変換材料のXRD(x-ray diffraction)パターンを示す。図4中の(上)は、第一の焼成後で、Na−Co−O層からなること、図4中の(中)は、第一の焼成後、洗浄なしで第二の焼成を行った場合で、Na0.7CoO2からなること、図4中の(下)は、洗浄して第二の焼成を行った場合で、Na−Co−O層とCo34層からなることがわかる。
図5に微粒子の有無と結晶粒径の関係を数値で示す。
このように、微粒子が存在することで、結晶の増大が可能となった。また、ナトリウム、もしくはナトリウム化合物の微粒子が1μmより大きくなると、母材粒子に占める面積が大きくなり、粒子内での偏りや、粒子間での偏りが生じ、その結果、第二の焼成で組成のばらつきが発生しやすくなることがわかった。また、微粒子が0.1μmより小さくなると、拡散量が不十分で、その結果、第二の焼成で結晶の増大がし難くなることがわかった。
なお、本実施例では小型の素子を製造するのに必要な量の実施例を示したが、この量に制約されるものではなく、多量の製造においても同様な効果が期待できる。また、出発原料に酢酸ナトリウム、酢酸コバルト等の酢酸塩を用いたが、これに限定されるものではなく、硝酸ナトリウム、硝酸コバルト等の硝酸塩でもよい。
図6に従って説明する。
実施例1と同様に出発材料として、パイレックス(登録商標)ガラス製の器にそれぞれ秤量した硝酸ナトリウム5.2gと硝酸コバルト4.2gと、純水50mlとを投入し、マグネチックスターラーで攪拌溶解した後(ステップS200)、この溶液にクエン酸34gを加え(ステップS201)、マグネチックスターラーで攪拌溶解して錯体形成しゾルを作製する。
次に、得られたゾルにエチレングリコール2.4gを混合し(ステップS202)、攪拌した後、本溶液をホットプレート(HP)上で70分まで200℃、250℃で30分、300℃で100分加熱し、ゲル化した(ステップS203)。その後、350℃で60分間加熱し、ゲルを加熱分解し(ステップS204)、不要なクエン酸とエチレングリコールと硝酸基を燃焼した。次に、燃焼後の残留物をメノウ乳鉢で粉砕し、全体が均一になるように混合した(ステップS205)。
その後、粉砕・混合したゲル粒子をアルミナセラミックス製の器に移し、空気中もしくは酸素雰囲気中、800℃で5時間加熱し、第一の焼成を行って(ステップS206)、母材粒子の表面に母材粒子より小さいナトリウムもしくはナトリウムからなる化合物微粒子を形成した後、母材粒子をメノウ乳鉢で粉砕し均一化した(ステップS207)。このとき、母材粒子表面の微粒子1個の大きさは0.3〜0.6μmの範囲であり、母材となる粒子より小さく、その表面に分散して形成されていた。
次に、加圧成型金型を用い5×5×10mmに加圧成型した後(ステップS208)、アルミナセラミックス製の器に移し、電気炉で酸素を約200ml/分の流量で導入しながら、900℃で20時間加熱焼成し、第二の焼成を行った後(ステップS209)、水を分散材として用いた湿式のビーズミル法で粉砕と解砕を行い(ステップS210)、結晶粒径の均一化と余剰NaおよびNa化合物成分の除去を行った。その後、粉末のみ取り出し、再度2.5×2×10mmに加圧成型し、電気炉に酸素を200ml/分の流量で導入し、900℃で20時間、第三の加熱焼成を行い(ステップS211)、目標とするNa0.7CoO2単層を得た。
実施例1と同様にパイレックス(登録商標)ガラス製の器に、それぞれ秤量した原料および焼結助剤となる酢酸ナトリウム・一水和物4.8gと、酢酸コバルト・四水和物8.98gと、60mlの純水とを投入し、マグネチックスターラーで攪拌溶解した後、クエン酸66.1gをこの溶液に加えてマグネチックスターラーで攪拌溶解し、錯体形成しゾルを作製した。
次に、得られたゾルにエチレングリコール4.85gを混合し、攪拌して溶液を調製した後、調製した本溶液をホットプレート(HP)上で80分まで200℃、250℃で40分、300℃で100分加熱し、ゲル化した。なお、温度はHPの表面温度を示す。その後、350℃で1時間加熱し、ゲルを加熱分解し、不要なクエン酸、エチレングリコールおよび酢酸基を燃焼した。
次に、燃焼後の残留物をメノウ乳鉢で粉砕し、全体が均一になるように混合した。その後、アルミナセラミックス製の器に移し、粉砕・混合したゲル粒子を空気中もしくは酸素雰囲気中で800℃、−5時間加熱し、第一の焼成を行い母材粒子の表面に小さい粒子を形成した後、φ1mmのジルコニアボールとφ50mm×120mmのジルコニアポットを用いて先ほど焼成した粒子を乾式法で粉砕・混合し均一化を図った。
次に、ジルコニアポットから粉砕混合した粒子を回収し、加圧成型金型を用い2.5×2×10mmに加圧成型し、電気炉に酸素を約200ml/分導入しながら900℃で20時間、第二の焼成を行い、P型の熱電素子を作成した。
図7は本発明の熱電変換材料を用いた熱電変換装置3の構成図である。図7に示すように、たとえば、La−Bi−Ni−O系などのn型の熱電素子1を用い、本方法で作製したp型熱電素子2とペアーを組み熱電変換装置として構築した。具体的な構成は0.5mm厚のアルミナセラミックス絶縁性基板4上にプラズマ溶射等の方法でNi等の金属電極5,6を形成し、図示しない導電性接合材で前述のp、n型熱電素子端面を接合し、一方の面に同様に図示しない導電性接合材で電極を形成した0.5mm厚のアルミナセラミックス絶縁性基板7を接合した。その後、電力取り出し線8をp、n各熱電素子の電極と接続する。
上下のアルミナセラミックス絶縁性基板間に温度差を設けることで、電力を発生することが可能となった。さらに、Bi−Te系で用いられるような温度領域より高い温度領域の温度を熱電変換装置に印加でき、熱起電力を得ることが可能となった。
なお、この一組のp、n型熱電素子をアルミナセラミックス絶縁性基板上に複数組構成することで大きな電力を得ることが可能である。また、この素子に電流を印加して冷却や加熱、いわゆるペルチェ素子として、各種温度制御が必要な機器に用いることも可能である。また、余剰のNaもしくはNa化合物を除去しているので、経年による特性変動を低減することが可能となった。
実施例1の熱電変換材料の製造プロセスを示すフロー図である。 実施例の熱電変換材料の製造工程における第一の焼成後と第二の焼成後の母材粒子表面のSEM(scaning electron microscopy)像である。 第一の焼成後、水による洗浄前後の母材粒子表面のSEM像である。 第一の焼成後、及び第一の焼成後、水洗あり、又は水洗なしで第二の焼成を行った後の各熱電変換材料のXRDパターンであり、縦軸は反射強度(任意強度:arbitrary unit)であり横軸は反射角(2θ)である。 実施例の熱電変換材料における母材粒子表面の微粒子の有無と結晶粒径との関係を示すグラフである。 実施例2の熱電変換材料の製造プロセスを示すフロー図である。 本発明の熱電変換材料を用いた熱電変換装置の構成図である。
符号の説明
1 n型熱電素子
2 p型熱電素子
3 熱電変換装置
4、7 アルミナセラミックス絶縁性基板
5、6 金属電極
8 電力取り出し線

Claims (4)

  1. NaxCoOy(但し、上記式中、xおよびyは0.5≦x≦1、1≦y≦2の範囲である。)で示される酸化物からなる熱電変換材料であって、
    前記熱電変換材料は、前記熱電変換材料の母材となる母材粒子の表面にNaもしくはNaを含む化合物からなる微粒子を析出させ、次いで前記微粒子を前記母材粒子中へ拡散・消失させることを特徴とする熱電変換材料。
  2. 前記微粒子が、前記母材粒子よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の熱電変換材料。
  3. 前記微粒子が、平均粒径が0.1μm〜1μmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の熱電変換材料。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の熱電変換材料からなる素子を用いたことを特徴とする熱電変換装置。
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