JP2006351338A - リチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 充電終了時の25℃における電池端子間開路電圧が4.25V以上のリチウム二次電池の非水系電解液に、ビニルエチレンカーボネート誘導体及びビニレンカーボネート誘導体を共に含有させる。
【選択図】 なし
Description
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、充電終了時の電池端子間開路電圧を高めることができ、且つ、充放電サイクルに対しても容量劣化の少ないリチウム二次電池を提供することを目的とする。
また、ビニレンカーボネート誘導体は、ビニレンカーボネートであることが好ましい(請求項3)。
さらに、ビニルエチレンカーボネート誘導体は、ビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネート、1−メチル−1−ビニルエチレンカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい(請求項4)。
本発明のリチウム二次電池は、非水系電解液と、正極及び負極とを備えて構成される。また、本発明のリチウム二次電池はその他の構成要素を備えていても良い。
本発明のリチウム二次電池に使用される非水系電解液(以下適宜、「本発明における非水系電解液」という)は、電解質と非水溶媒とを含む非水系電解液であって、ビニルエチレンカーボネート誘導体とビニレンカーボネート誘導体とを共に含有するものである。
[1−1.ビニルエチレンカーボネート誘導体の種類]
本発明における非水系電解液に含まれるビニルエチレンカーボネート誘導体(以下適宜、「本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体」という)とは、ビニルエチレンカーボネート自身及びビニルエチレンカーボネートの水素原子を置換基で置き換えたものである。
本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体は、初期の充電時に負極及び正極で保護被膜を形成して電解液の反応を抑制するために、本発明のリチウム二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
また、上述した本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
本発明における非水系電解液中の本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体の濃度は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で任意であるが、通常0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、また、通常8重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。この範囲の下限を下回ると、本発明における非水系電解液のサイクル特性を向上させることができなくなる虞がある。また、上限を上回ると、負極上に厚い被膜が形成され、この被膜が高い抵抗を有するため非水系電解液と負極との間でLiイオンが移動しにくくなり、レート特性などの電池特性が低下する虞がある。なお、本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体を2種以上併用する場合には、使用するビニルエチレンカーボネート誘導体の濃度の合計が上記範囲内となるようにする。
[2−1.ビニレンカーボネート誘導体の種類]
本発明における非水系電解液に含まれるビニレンカーボネート誘導体(以下適宜、「本発明にかかるビニレンカーボネート誘導体」という)とは、ビニレンカーボネート自身及びビニレンカーボネートの水素原子を置換基で置き換えたものである。
また、上述した本発明にかかるビニレンカーボネート誘導体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
本発明における非水系電解液中の本発明にかかるビニレンカーボネート誘導体の濃度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、また、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下が望ましい。この範囲の下限を下回ると、本発明における非水系電解液がサイクル特性を向上させることが出来なくなる虞がある。また、上限を上回ると、負極上に厚い保護被膜が形成され、この保護被膜が高い抵抗を有するため非水系電解液と負極との間でLiイオンが移動しにくくなり、レート特性などの電池特性が低下する虞がある。なお、本発明にかかるビニレンカーボネート誘導体を2種以上併用する場合には、使用するビニレンカーボネート誘導体の濃度の合計が上記範囲内となるようにする。
本発明の非水系電解液中における、ビニルエチレンカーボネート誘導体とビニレンカーボネート誘導体との比は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、ビニルエチレンカーボネート誘導体とビニレンカーボネート誘導体との合計モル数に対するビニルエチレンカーボネート誘導体のモル数の比で、通常0.01以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、また、通常0.9以下、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下とすることが望ましい。上記の比が小さすぎると負極保護被膜の安定性が低下して、サイクル特性の改善効果が小さくなる虞があり、上記の比が大きすぎると正極でのガス発生を抑制しきれずに、サイクル特性が低下する虞がある。
非水溶媒について特に制限は無く、公知の非水溶媒を任意に用いることができるが、通常は、有機溶媒を用いる。非水溶媒の例を挙げると、鎖状カーボネート類、環状カーボネート類、鎖状エステル類、環状エステル(ラクトン化合物)類、鎖状エーテル類、環状エーテル類、含硫黄有機溶媒などが挙げられる。なかでも高いイオン導電性を発現させる溶媒として、通常、鎖状カーボネート類、環状カーボネート類、鎖状エステル類、環状エステル類、鎖状エーテル類、環状エーテル類が好ましい。
また、環状カーボネート類の具体例を挙げると、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。
また、環状エステル類の具体例を挙げると、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。
また、環状エーテル類の具体例を挙げると、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン等が挙げられる。
ただし、γ−ブチロラクトンを用いる場合には、その濃度は通常20重量%以下とすることが望ましい。
電解質について特に制限は無く、リチウム二次電池の電解質として用いられるものであれば公知のものを任意に用いることができるが、通常は、リチウム塩を用いる。
電解質に用いるリチウム塩としては、無機リチウム塩及び有機リチウム塩のいずれを用いても良い。
また、有機リチウム塩の例を挙げると、CF3SO3Li、C4F9SO3Li等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;CF3COOLi等のパーフルオロアルカンカルボン酸塩;(CF3CO)2NLi等のパーフルオロアルカンカルボンイミド塩;(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)2NLi等のパーフルオロアルカンスルホンイミド塩等の含フッ素有機リチウム塩などが挙げられる。
なお、電解質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、特にLiPF6とLiBF4との併用、あるいは、LiPF6と(CF3SO2)2NLiとの併用は、連続充電特性の改善に効果があるので好ましい。
本発明における非水系電解液は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、非水系電解液の濡れ性、過充電特性等を改善する目的で他の助剤を含有させても良い。
助剤の例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸等の酸無水物;酢酸ビニル、アジピン酸ジビニル、酢酸アリル等のカルボン酸エステル;ジフェニルジスルフィド、1,3−プロパンサルトン、1,4−ブタンサルトン、ジメチルスルホン、ジビニルスルホン、ジメチルサルファイト、エチレンサルファイト、1,4−ブタンジオールジメタンスルホネート、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸−2−プロピニル等のイオウ含有化合物;t−ブチルベンゼン、ビフェニル、o−ターフェニル、4−フルオロビフェニル、フルオロベンゼン、2,4−ジフルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ジフェニルエーテル、2,4−ジフルオロアニソール、トリフルオロメチルベンゼン等の芳香族化合物及びこの芳香族化合物をフッ素原子で置換したものなどが挙げられる。
また、助剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
非水系電解液は、本発明のリチウム二次電池に用いる際、通常は液体状態で存在するが、例えば、これを高分子によってゲル化して、半固体状電解質にしてもよい。ゲル化に用いる高分子は任意であるが、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリレート、ポリメタクリレートなどが挙げられる。なお、ゲル化に用いる高分子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
本発明における非水系電解液は、非水溶媒に、電解質と、本発明のビニルエチレンカーボネート誘導体及びビニレンカーボネート誘導体と、必要に応じて他の助剤とを溶解することにより調製することができる。
脱水の手段としては特に制限はないが、例えば、脱水する対象が非水溶媒などの液体の場合は、モレキュラーシーブ等を用いればよい。また脱水する対象が電解質などの固体の場合は、分解が起きる温度以下で乾燥させればよい。
本発明のリチウム二次電池は、上述した本発明における非水系電解液と、正極及び負極とを備えて構成される。また、本発明のリチウム二次電池はその他の構成を備えていても良い。例えば、リチウム二次電池は、通常、スペーサを備えている。
正極は、リチウムの吸蔵及び放出が可能なものであれば、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。
通常は、正極として、集電体上に正極活物質層を設けて構成されたものを用いる。なお、正極は適宜その他の層を備えていてもよい。
正極活物質層は、正極活物質を含んで構成される。正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば、その種類に制限はない。例としては、Fe、Co、Ni、Mnなどの遷移金属の酸化物、遷移金属とリチウムとの複合酸化物、遷移金属の硫化物などが挙げられる。
また、遷移金属とリチウムとの複合酸化物の具体例としては、基本組成がLiNiO2等のリチウムニッケル複合酸化物;基本組成がLiCoO2等のリチウムコバルト複合酸化物;基本組成がLiMnO2、LiMnO4等のリチウムマンガン複合酸化物などが挙げられる。
さらに、遷移金属の硫化物の具体例としては、TiS2,FeSなどが挙げられる。
なかでも、リチウムと遷移金属との複合酸化物は、リチウム二次電池の高容量と高サイクル特性とを両立させることができるため、好ましい。
なお、これらの正極活物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
以下、スラリーを正極集電体に塗布・乾燥する場合について説明する。
これらの中で好ましい結着剤は、フッ素系樹脂、CN基含有ポリマーである。
なお、結着剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
導電性材料の具体例としては、活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はないが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のファイバー、箔などが挙げられる。
なお、これらの助剤等は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
水系溶媒の例としては水、アルコールなどが挙げられる。一方、有機系溶媒の例としてはN−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、アセトン、ジメチルエーテル、ジメチルアセタミド、ヘキサメチルホスファルアミド、ジメチルスルフォキシド、ベンゼン、キシレン、キノリン、ピリジン、メチルナフタレン、ヘキサン等が挙げられる。
また、塗布・乾燥によって得られた活物質層は、正極活物質の充填密度を上げるため、ローラープレス等により圧密するのが好ましい。
集電体の素材としては、公知のものを任意に使用することができるが、通常は金属や合金が用いられる。具体的には、正極の集電体としては、アルミニウムやニッケル、SUS(ステンレス)等が挙げられる。中でも、正極の集電体としてはアルミニウムが好ましい。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
負極は、リチウムの吸蔵及び放出が可能なものであれば、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。
通常は、正極の場合と同様に、負極も集電体上に負極活物質層を設けて構成されたものを用いる。なお、正極と同様に、負極も適宜その他の層を備えていてもよい。
負極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵放出が可能な材料であれば他に制限は無く、公知の負極活物質を任意に用いることができる。例えば、コークス、アセチレンブラック、メゾフェーズマイクロビーズ、グラファイト等の炭素質材料;リチウム金属;リチウム−シリコン、リチウム−スズ等のリチウム合金などを使用することが好ましい。
なお、負極活物質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
負極の集電体の材質としては、公知のものを任意に用いることができるが、例えば、銅、ニッケル、SUS等の金属材料が用いられる。中でも加工し易さとコストの点から特に銅が好ましい。
さらに、正極同様、集電体の形状も任意であり、エキスパンドメタルやパンチングメタルのような穴あきタイプの集電体を使用することもできる。また、集電体として薄膜を使用する場合の好ましい厚さも、正極の場合と同様である。
正極と負極との間には、短絡を防止するために、通常はスペーサを介在させる。スペーサの材質や形状は特に制限されないが、上述の非水系電解液に対して安定で、保液性に優れ、且つ、電極同士の短絡を確実に防止できるものが好ましい。
また、スペーサの形状としては多孔性のものが好ましい。この場合、非水系電解液は、多孔性のスペーサに含浸させて用いる。
本発明のリチウム二次電池は、上述した本発明における非水系電解液と、正極と、負極と、必要に応じて用いられるスペーサとを、適切な形状に組み立てることにより製造される。更に、必要に応じて外装ケース等の他の構成要素を用いることも可能である。さらに、本発明のリチウム二次電池の形状は特に制限されず、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。例えば、コイン型電池、円筒型電池、角型電池などが上げられる。また、電池を組み立てる方法も特に制限されず、目的とする電池の形状に合わせて、通常用いられている各種方法の中から適宜選択することができる。
先に述べたような本発明のビニルエチレンカーボネート誘導体及びビニレンカーボネート誘導体を含有する非水系電解液を、本発明のリチウム二次電池に使用することで、充電終了時の25℃における電池端子間開路電圧が通常4.25V以上、好ましくは4.30V以上、さらに好ましくは4.40V以上となるまで充電しても、電解液の反応を抑制でき、ガスの発生を大幅に抑制して、サイクル特性を大幅に向上させることが可能となる。
[6−1.充電終了時の電池端子間開路電圧について]
本明細書において電池端子間開路電圧とは、回路に電流が流れていない状態での電池電圧のことである。その測定方法は任意であるが、例えば、通常の充放電装置で測定が可能である。
リチウム二次電池を充電する場合、一般に、抵抗の電圧降下分が加えられた状態で充電される。即ち、充電電圧は電池端子間開路電圧に充電電流と抵抗との積を加えたものとなっている。したがって、充電電流が大きいほど、また、リチウム二次電池の内部抵抗もしくは保護開路の抵抗が大きいほど、充電電圧と電池端子間開路電圧との差は大きくなる。
また、充電終了については、所定時間(例えば、充電完了に計算上必要とされる時間より長い時間)充電することによってもよく、充電電流値が規定値以下になったことを検知してもよく、電圧値が規定値に到達したことを検知してもよい。
以下、本発明の発明者が推察する、本発明の効果が得られるメカニズムは定かではないが、以下のように考えられる。
上記のように、従来、充電終了時の電池端子間開路電圧を高めることができるリチウム二次電池の開発が望まれていたが、従来の技術では、4.25V以上の高電圧条件下においては、主として正極上での電解液の酸化反応が顕著に発生したため、サイクル特性が悪く、実用的な二次電池は得られなかった。
そのためビニルエチレンカーボネート誘導体だけでは、主として負極被膜の不安定性ゆえにサイクル特性があまり向上しない。
したがって、高電圧電池においては、ビニレンカーボネート誘導体だけでは、負極被膜の安定性が向上するものの、一方で正極において自己分解によるガス発生が起こるためにサイクル特性向上は不十分なものとなる。
[正極の製造]
正極活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO2)92重量部とポリフッ化ビニリデン(以下適宜、「PVdF」という)4重量部とアセチレンブラック4重量部とを混合し、N−メチルピロリドンを加えてスラリー状にしたものを、アルミニウムからなる集電体の両面に塗布・乾燥して正極を得た。
負極活物質であるグラファイト粉末90重量部とPVdF10重量部とを混合し、N−メチルピロリドンを加えスラリー状にしたものを、銅からなる集電体の片面に塗布・乾燥して負極を得た。
図1にリチウム二次電池の概略断面図を示す。
上記の正極、負極、及び膜厚16μm、空孔率45%、平均孔径0.05μmのポリエチレン製2軸延伸多孔膜フィルム(セパレータ,スペーサ)に、それぞれ後述する電解液を塗布・含浸させた後、負極(2)、セパレータ(3)、正極(1)、セパレータ(3)、負極(2)の順に積層した。こうして得られた電池要素を、まずポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(4)で挟んだ。次いで、アルミニウム箔の両面に樹脂層を形成したラミネートフィルム(7)に、正極及び負極の端子を突設させて真空封止して、シート状のリチウム二次電池を作製した。また、正極及び負極の端子には封止材付きリード(8)を取り付けた。さらに、電極間の密着性を高めるために、シリコンゴム(5)及びガラス板(6)でシート状電池を挟み、3.4×10-4Paの圧力で加圧した。
コバルト酸リチウムの1時間当たりの放電量を160mAh/gとし、これと評価用リチウム二次電池の正極の活物質量とから放電速度1Cを求めてレート設定をした上で、25℃の恒温槽中、0.2Cで4.4Vまで定電流−定電圧充電(以下適宜、「CCCV充電」という)した後、0.2Cで3Vまで放電し、初期のフォーメーションを行なった。次いで、0.7Cで4.4VまでCCCV充電した後、0.2Cで3Vまで再度放電し、初期放電容量を求めた。なお充電時のカット電流はいずれも0.05Cとした。
容量評価試験の終了した評価用リチウム二次電池を25℃の恒温槽中、0.7Cで4.4VまでCCCV充電(カット電流は0.05Cとした)し、1Cで3VまでCC放電する充放電サイクルを50回繰り返した。50サイクル後の容量維持率を下記の計算式により求めた。また1回目の充電終了時に電池端子間開路電圧を測定した。
環状カーボネートであるエチレンカーボネート(EC)と鎖状カーボネートであるエチルメチルカーボネート(EMC)との混合溶媒(混合体積比1:3)に、電解質であるLiPF6を1mol/Lの割合で溶解したものをベース電解液(I)とし、このベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ2重量%及び2重量%となるように加えて非水系電解液とした。
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ0.5重量%及び1重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ1重量%及び1重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ3重量%及び1重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ5重量%及び1重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ1重量%及び3重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ1重量%及び5重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体として1,2−ジビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ1重量%及び1重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体として1−メチル−1−ビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ1重量%及び1重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体として1,2−ジメチルビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ1重量%及び1重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
環状カーボネートであるエチレンカーボネート(EC)と、鎖状カーボネート類であるエチルメチルカーボネート(EMC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合溶媒(混合体積比1:1:1)に、電解質としてLiPF6を1.25mol/Lの割合で溶解したもの をベース電解液(II)とし、このベース電解液(II)に、非共役系不飽和結合を環外に有する環状カーボネートであるビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ1重量%及び1重量%となるように加えて非水系電解液とした。得られた非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
ベース電解液(I)そのものを用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度が2重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
ベース電解液(I)に、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを 、非水系電解液に対する濃度が2重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
2 負極
3 セパレータ(スペーサ)
4 PETフィルム
5 シリコンゴム
6 ガラス板
7 ラミネートフィルム
8 封止材付きリード
Claims (4)
- 正極と、負極と、ビニルエチレンカーボネート誘導体及びビニレンカーボネート誘導体を共に含有する非水系電解液とを備え、
充電終了時の25℃における電池端子間開路電圧が4.25V以上である
ことを特徴とする、リチウム二次電池。 - 上記電池端子間開路電圧が、4.3V以上である
ことを特徴とする、請求項1記載のリチウム二次電池。 - 該ビニレンカーボネート誘導体が、ビニレンカーボネートである
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のリチウム二次電池。 - 該ビニルエチレンカーボネート誘導体が、ビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネート、1−メチル−1−ビニルエチレンカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種である
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005175574A JP4867208B2 (ja) | 2005-06-15 | 2005-06-15 | リチウム二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005175574A JP4867208B2 (ja) | 2005-06-15 | 2005-06-15 | リチウム二次電池 |
Publications (3)
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