JP2006351338A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 リチウム二次電池の、充電終了時の電池端子間開路電圧を高め、充放電サイクルに対する容量劣化を減少させる。
【解決手段】 充電終了時の25℃における電池端子間開路電圧が4.25V以上のリチウム二次電池の非水系電解液に、ビニルエチレンカーボネート誘導体及びビニレンカーボネート誘導体を共に含有させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、非水系電解液を用いたリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池はエネルギー密度が高く、しかも自己放電を起こしにくいという利点がある。そこで近年、携帯電話やノートパソコン、PDA等の民生用モバイル機器用の電源として広く利用されている。
従来のリチウム二次電池用の電解液は、支持電解質であるリチウム塩と非水溶媒とから構成される。ここで用いられる非水溶媒は、リチウム塩を解離させるために高い誘電率を有すること、広い温度領域で高いイオン伝導度を発現させること、及び、電池中で安定であることが要求される。これらの要求を一つの溶媒で達成するのは困難であるので、通常は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等に代表される高沸点溶媒と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の低沸点溶媒とを組み合わせて、非水溶媒として使用している。
また、リチウム二次電池の様々な特性を改善するため、初期容量、レート特性、サイクル特性、高温保存特性、低温特性、連続充電特性、自己放電特性、過充電防止特性等を改良するために種々の助剤を電解液に少量含有させる方法がこれまで数多く報告されてきた。ただし、あらゆる特性に対して万能な電解液は未だ見いだされていない。
一方で、エネルギー密度の向上を目的として、4.2Vを超える高い終止電圧まで充電する試みが行なわれている。具体的には、従来の一般的なリチウム二次電池を25℃で充電した場合、充電終了時における電池端子間開路電圧は、通常4.2V以下であった。このため、25℃で充電した場合に、充電終了時の電池端子間開路電圧が4.2Vを越えるようなリチウム二次電池の開発が試みられていた。しかしながら、電圧が高くなればなるほど、正極における電解液の分解に起因する副反応が避けられず、サイクル劣化が極めて大きくなるため、電池端子間開路電圧が4.2Vを超えるまで従来のリチウム二次電池を充電した場合、実用に耐えうるものではなかった。
このような充電終了時の電池端子間開路電圧を高めたいという要望に対し、特許文献1では、γ−ブチロラクトンを50容量%以上含有した非水溶媒とリチウム塩とからなる電解液を用いる技術が提案されている。この特許文献1には、前記の技術により、満充電時の25℃における電池端子間開路電圧が4.3V以上である二次電池の容量が増加し、さらにサイクル特性等が向上すると記載されている。
また、特許文献2には、電解質中のプロトン性不純物量及び水分量を低く抑えることで、リチウム複合酸化物からの遷移金属の溶出を抑制し、充電時の電池電圧が4.25V以上の電池において60℃保存劣化試験後の放電容量が向上することが開示されている。また、ビニレンカーボネート又はビニルエチレンカーボネートを10体積%未満の含有量で含む電解液を用いることで、負極表面に被膜を形成することの記載がある。
特開2003−272704号公報 国際公開第03/019713号パンフレット
近年、リチウム二次電池に対する高性能化への要求はますます高くなっており、高容量、サイクル特性、高温保存特性、連続充電特性等の諸特性を、高い次元で共に達成することが求められている。中でも、サイクル特性の改善は、最近特に要望が大きい。
しかしながら、前述したように4.2Vを超える充電終止電圧でサイクル試験を実施すると劣化が極めて大きく、満足な結果は得られなかった。これは、特許文献1,2などで充電終了時の電池端子間開路電圧が高いリチウム二次電池が得られるとして従来提案されてきた技術においても同様であった。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、充電終了時の電池端子間開路電圧を高めることができ、且つ、充放電サイクルに対しても容量劣化の少ないリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、非水系電解液に、ビニルエチレンカーボネート誘導体とビニレンカーボネート誘導体とを共に含有させることにより、充電終了時の電池端子間開路電圧を高めることができ、且つ、サイクル容量維持率の向上が可能であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、正極と、負極と、ビニルエチレンカーボネート誘導体及びビニレンカーボネート誘導体を共に含有する非水系電解液とを備え、充電終了時の25℃における電池端子間開路電圧が4.25V以上であることを特徴とする、リチウム二次電池に存する(請求項1)。
このとき、上記電池端子間開路電圧は、4.3V以上であることが好ましい(請求項2)。
また、ビニレンカーボネート誘導体は、ビニレンカーボネートであることが好ましい(請求項3)。
さらに、ビニルエチレンカーボネート誘導体は、ビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネート、1−メチル−1−ビニルエチレンカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい(請求項4)。
本発明によれば、リチウム二次電池において、高い電池端子間開路電圧まで充電できるようになるとともに、サイクル特性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
本発明のリチウム二次電池は、非水系電解液と、正極及び負極とを備えて構成される。また、本発明のリチウム二次電池はその他の構成要素を備えていても良い。
[I.非水系電解液]
本発明のリチウム二次電池に使用される非水系電解液(以下適宜、「本発明における非水系電解液」という)は、電解質と非水溶媒とを含む非水系電解液であって、ビニルエチレンカーボネート誘導体とビニレンカーボネート誘導体とを共に含有するものである。
[1.ビニルエチレンカーボネート誘導体]
[1−1.ビニルエチレンカーボネート誘導体の種類]
本発明における非水系電解液に含まれるビニルエチレンカーボネート誘導体(以下適宜、「本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体」という)とは、ビニルエチレンカーボネート自身及びビニルエチレンカーボネートの水素原子を置換基で置き換えたものである。
本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体の置換基の種類は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フルオロ基、クロル基、ブロモ基等のハロゲン基が挙げられる。なかでも、アルキル基、アルケニル基、アリール基等の炭化水素基が好ましい。
本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体は、初期の充電時に負極及び正極で保護被膜を形成して電解液の反応を抑制するために、本発明のリチウム二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
さらに、本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体の分子量も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、その分子量は、通常100以上、また、通常300以下、好ましくは200以下、さらに好ましくは150以下が望ましい。この範囲の上限を上回ると本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体の非水系電解液に対する相溶性又は溶解性が低下し、その非水系電解液を用いたリチウム二次電池のサイクル特性向上において十分な効果を発揮できない虞がある。
本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体の具体例としては、ビニルエチレンカーボネート、1,1−ジビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネート等のビニルエチレンカーボネート類;1−メチル−1−ビニルエチレンカーボネート、1−メチル−2−ビニルエチレンカーボネート、1−エチル−1−ビニルエチレンカーボネート、1−エチル−2−ビニルエチレンカーボネート、1,1−ジメチル−1−ビニルエチレンカーボネート、1,2−ジメチル−1−ビニルエチレンカーボネート、1,1−ジエチル−1−ビニルエチレンカーボネート、1,2−ジエチル−1−ビニルエチレンカーボネート、1,2,2−トリメチル−1−ビニルエチレンカーボネート、1,2,2−トリエチル−1−ビニルエチレンカーボネート等のアルキル置換ビニルエチレンカーボネート類;1−フェニル−1−ビニルエチレンカーボネート、1−フェニル−2−ビニルエチレンカーボネート、1,1−ジフェニル−1−ビニルエチレンカーボネート、1,2−ジフェニル−1−ビニルエチレンカーボネート等のアリール置換ビニルエチレンカーボネート類などが挙げられる。
これらのなかでも、ビニルエチレンカーボネート、1,1−ジビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネート等のビニルエチレンカーボネート類;1−メチル−1−ビニルエチレンカーボネート、1−メチル−2−ビニルエチレンカーボネート、1−エチル−1−ビニルエチレンカーボネート、1−エチル−2−ビニルエチレンカーボネート等の1置換アルキルビニルエチレンカーボネート類が好ましく、さらにはビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネート、1−メチル−1−ビニルエチレンカーボネートが、より好ましい。
また、上述した本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
[1−2.ビニルエチレンカーボネート誘導体の組成]
本発明における非水系電解液中の本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体の濃度は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で任意であるが、通常0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、また、通常8重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。この範囲の下限を下回ると、本発明における非水系電解液のサイクル特性を向上させることができなくなる虞がある。また、上限を上回ると、負極上に厚い被膜が形成され、この被膜が高い抵抗を有するため非水系電解液と負極との間でLiイオンが移動しにくくなり、レート特性などの電池特性が低下する虞がある。なお、本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体を2種以上併用する場合には、使用するビニルエチレンカーボネート誘導体の濃度の合計が上記範囲内となるようにする。
[2.ビニレンカーボネート誘導体]
[2−1.ビニレンカーボネート誘導体の種類]
本発明における非水系電解液に含まれるビニレンカーボネート誘導体(以下適宜、「本発明にかかるビニレンカーボネート誘導体」という)とは、ビニレンカーボネート自身及びビニレンカーボネートの水素原子を置換基で置き換えたものである。
本発明にかかるビニレンカーボネート誘導体の置換基の種類は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フルオロ基、クロル基、ブロモ基等のハロゲン基などが挙げられる。中でも、アルキル基、アルケニル基、アリール基等の炭化水素基が好ましい。
さらに、本発明にかかるビニレンカーボネート誘導体の分子量も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、その分子量は、通常80以上、また、通常300以下、好ましくは200以下、より好ましくは120以下である。この範囲の上限を上回ると本発明にかかるビニレンカーボネート誘導体の非水系電解液に対する相溶性又は溶解性が低下し、その非水系電解液を用いた本発明のリチウム二次電池のサイクル特性向上において十分な効果を発揮できない虞がある。
本発明のビニレンカーボネート誘導体の具体例としては、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、1,2−ジメチルビニレンカーボネート、1,2−ジエチルビニレンカーボネート、1−エチル−2−メチルビニレンカーボネート、フェニルビニレンカーボネート、1,2−ジフェニルビニレンカーボネート、1−メチル−2−フェニルビニレンカーボネート等が挙げられる。
これらのなかでも、ビニレンカーボネート、1,2−ジメチルビニレンカーボネート、1,2−ジフェニルビニレンカーボネートが好ましく、さらにはビニレンカーボネートが特に好ましい。これは、ビニレンカーボネートが負極に特に安定した界面保護被膜を形成するために、本発明のリチウム二次電池のサイクル特性を向上させることが可能となるからである。
また、上述した本発明にかかるビニレンカーボネート誘導体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
[2−2.ビニレンカーボネート誘導体の組成]
本発明における非水系電解液中の本発明にかかるビニレンカーボネート誘導体の濃度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、また、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下が望ましい。この範囲の下限を下回ると、本発明における非水系電解液がサイクル特性を向上させることが出来なくなる虞がある。また、上限を上回ると、負極上に厚い保護被膜が形成され、この保護被膜が高い抵抗を有するため非水系電解液と負極との間でLiイオンが移動しにくくなり、レート特性などの電池特性が低下する虞がある。なお、本発明にかかるビニレンカーボネート誘導体を2種以上併用する場合には、使用するビニレンカーボネート誘導体の濃度の合計が上記範囲内となるようにする。
[3.ビニルエチレンカーボネート誘導体とビニレンカーボネート誘導体との比]
本発明の非水系電解液中における、ビニルエチレンカーボネート誘導体とビニレンカーボネート誘導体との比は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、ビニルエチレンカーボネート誘導体とビニレンカーボネート誘導体との合計モル数に対するビニルエチレンカーボネート誘導体のモル数の比で、通常0.01以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、また、通常0.9以下、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下とすることが望ましい。上記の比が小さすぎると負極保護被膜の安定性が低下して、サイクル特性の改善効果が小さくなる虞があり、上記の比が大きすぎると正極でのガス発生を抑制しきれずに、サイクル特性が低下する虞がある。
[4.非水溶媒]
非水溶媒について特に制限は無く、公知の非水溶媒を任意に用いることができるが、通常は、有機溶媒を用いる。非水溶媒の例を挙げると、鎖状カーボネート類、環状カーボネート類、鎖状エステル類、環状エステル(ラクトン化合物)類、鎖状エーテル類、環状エーテル類、含硫黄有機溶媒などが挙げられる。なかでも高いイオン導電性を発現させる溶媒として、通常、鎖状カーボネート類、環状カーボネート類、鎖状エステル類、環状エステル類、鎖状エーテル類、環状エーテル類が好ましい。
鎖状カーボネート類の具体例を挙げると、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート等が挙げられる。
また、環状カーボネート類の具体例を挙げると、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。
さらに、鎖状エステル類の具体例を挙げると、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等が挙げられる。
また、環状エステル類の具体例を挙げると、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。
さらに、鎖状エーテル類の具体例を挙げると、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル等が挙げられる。
また、環状エーテル類の具体例を挙げると、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン等が挙げられる。
さらに、含硫黄有機溶媒の具体例を挙げると、スルホラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
さらに、非水溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。ただし、所望の特性、即ち、サイクル特性を発現するように、2種以上の非水溶媒が混合して使用されることが好ましい。特に、環状カーボネート類と、鎖状カーボネート類又は環状エステル類とから主としてなることが好ましい。ここで、主としてなるとは、具体的には、非水溶媒が、環状カーボネート類と、鎖状カーボネート類又は環状エステル類とを合計で70重量%以上含有していることを指す。
2種以上の非水溶媒を併用する場合、好ましい組み合わせの例としては、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとγ−ブチロラクトン等の2元系溶媒;エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジエチルカーボネート等の3元系溶媒などが挙げられる。これらを主として含有する非水溶媒は、各種特性をバランス良く満たすことから好適に用いられる。
また、非水溶媒として有機溶媒を用いる場合には、その有機溶媒の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常3以上、また、通常13以下、好ましくは7以下である。炭素数が大きすぎると電解質の電解液に対する溶解性が悪くなり、サイクル特性の改善という本発明の効果を十分に発現できない虞がある。一方、炭素数が小さすぎると揮発性が高くなり、電池内圧力の上昇の要因となる虞があるので好ましくない。
さらに、非水溶媒として用いる有機溶媒の分子量も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常50以上、好ましくは80以上、また、通常250以下、好ましくは150以下である。分子量が大きすぎると電解質の電解液に対する溶解性が悪くなり、また粘度も上昇するため、サイクル特性の改善という本発明の効果を十分に発現できない虞がある。一方、分子量が小さすぎると揮発性が高くなり、電池内圧力の上昇の要因となるので好ましくない。
また、2種以上の非水溶媒を併用した2元系以上の非水溶媒を用いる場合、その2元系以上の非水溶媒中の環状カーボネートの比率は、通常10体積%以上、好ましくは15体積%以上、さらに好ましくは20体積%以上であり、また、通常60体積%以下、好ましくは50体積%以下、さらに好ましくは40体積%以下とすることが望ましい。上記範囲の下限を下回るとLi塩の解離が起こりにくくなるため電導度が低下するので高負荷容量が減少しやすく、上限を上回ると粘度が高くなりすぎてLiイオンが移動しにくくなるため高負荷容量が減少しやすい。
ただし、γ−ブチロラクトンを用いる場合には、その濃度は通常20重量%以下とすることが望ましい。
[5.電解質]
電解質について特に制限は無く、リチウム二次電池の電解質として用いられるものであれば公知のものを任意に用いることができるが、通常は、リチウム塩を用いる。
電解質に用いるリチウム塩としては、無機リチウム塩及び有機リチウム塩のいずれを用いても良い。
無機リチウム塩の例を挙げると、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6等の無機フッ化物塩;LiAlCl4等の無機塩化物塩;LiClO4、LiBrO4、LiIO4等の過ハロゲン酸塩などが挙げられる。
また、有機リチウム塩の例を挙げると、CF3SO3Li、C49SO3Li等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;CF3COOLi等のパーフルオロアルカンカルボン酸塩;(CF3CO)2NLi等のパーフルオロアルカンカルボンイミド塩;(CF3SO22NLi、(C25SO22NLi等のパーフルオロアルカンスルホンイミド塩等の含フッ素有機リチウム塩などが挙げられる。
これらの中でも、非水溶媒に溶けやすく、且つ高い解離度を示すことから、LiPF6、LiBF4、CF3SO3Li、(CF3SO22NLiなどが好ましい。
なお、電解質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、特にLiPF6とLiBF4との併用、あるいは、LiPF6と(CF3SO22NLiとの併用は、連続充電特性の改善に効果があるので好ましい。
さらに、非水系電解液中の電解質の濃度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、非水系電解液に対して、通常0.5mol/L以上、好ましくは0.75mol/L以上であり、また、通常2mol/L以下、好ましくは1.75mol/L以下である。電解質の濃度が低すぎると非水系電解液の電気伝導率が不十分になる虞がある。一方、電解質の濃度が高すぎると粘度上昇のため電気伝導率が低下し、また、低温での析出が起こりやすくなり、リチウム二次電池の性能が低下する傾向がある。
[6.その他の助剤]
本発明における非水系電解液は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、非水系電解液の濡れ性、過充電特性等を改善する目的で他の助剤を含有させても良い。
助剤の例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸等の酸無水物;酢酸ビニル、アジピン酸ジビニル、酢酸アリル等のカルボン酸エステル;ジフェニルジスルフィド、1,3−プロパンサルトン、1,4−ブタンサルトン、ジメチルスルホン、ジビニルスルホン、ジメチルサルファイト、エチレンサルファイト、1,4−ブタンジオールジメタンスルホネート、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸−2−プロピニル等のイオウ含有化合物;t−ブチルベンゼン、ビフェニル、o−ターフェニル、4−フルオロビフェニル、フルオロベンゼン、2,4−ジフルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ジフェニルエーテル、2,4−ジフルオロアニソール、トリフルオロメチルベンゼン等の芳香族化合物及びこの芳香族化合物をフッ素原子で置換したものなどが挙げられる。
また、助剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、非水系電解液中における助剤の濃度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、また、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。なお、助剤を2種以上併用する場合は、これらの濃度の合計が上記範囲内に収まるようにする。
[7.非水系電解液の状態]
非水系電解液は、本発明のリチウム二次電池に用いる際、通常は液体状態で存在するが、例えば、これを高分子によってゲル化して、半固体状電解質にしてもよい。ゲル化に用いる高分子は任意であるが、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリレート、ポリメタクリレートなどが挙げられる。なお、ゲル化に用いる高分子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、非水系電解液を半固体状電解質として用いる場合、半固体状電解質に占める非水系電解液の比率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。好適な範囲としては、半固体状電解質の総量に対する非水系電解液の比率が、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは75重量%以上であり、また、通常99.95重量%以下、好ましくは99重量%以下、より好ましくは98重量%以下である。非水系電解液の比率が大きすぎると、電解液の保持が困難となり液漏れが生じやすくなる虞があり、逆に少なすぎると充放電効率や容量の点で不十分となることがある。
[8.非水系電解液の製造方法]
本発明における非水系電解液は、非水溶媒に、電解質と、本発明のビニルエチレンカーボネート誘導体及びビニレンカーボネート誘導体と、必要に応じて他の助剤とを溶解することにより調製することができる。
非水系電解液を調製するに際しては、非水系電解液の各原料、即ち、電解質、本発明のビニルエチレンカーボネート誘導体、ビニレンカーボネート誘導体、非水溶媒、及び他の助剤は、予め脱水しておくことが好ましい。脱水の程度としては、水分含有率が通常50ppm以下、好ましくは30ppm以下となるまで脱水することが望ましい。なお、本明細書においてppmとは、重量を基準にした比率を意味する。
非水系電解液中に水が存在すると、水の電気分解、水とリチウム金属との反応、リチウム塩の加水分解などが起こる可能性があり、好ましくない。
脱水の手段としては特に制限はないが、例えば、脱水する対象が非水溶媒などの液体の場合は、モレキュラーシーブ等を用いればよい。また脱水する対象が電解質などの固体の場合は、分解が起きる温度以下で乾燥させればよい。
[II.リチウム二次電池]
本発明のリチウム二次電池は、上述した本発明における非水系電解液と、正極及び負極とを備えて構成される。また、本発明のリチウム二次電池はその他の構成を備えていても良い。例えば、リチウム二次電池は、通常、スペーサを備えている。
[1.正極]
正極は、リチウムの吸蔵及び放出が可能なものであれば、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。
通常は、正極として、集電体上に正極活物質層を設けて構成されたものを用いる。なお、正極は適宜その他の層を備えていてもよい。
[1−1.正極活物質層]
正極活物質層は、正極活物質を含んで構成される。正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば、その種類に制限はない。例としては、Fe、Co、Ni、Mnなどの遷移金属の酸化物、遷移金属とリチウムとの複合酸化物、遷移金属の硫化物などが挙げられる。
遷移金属の酸化物の具体例としては、MnO、V25、V613、TiO2などが挙げられる。
また、遷移金属とリチウムとの複合酸化物の具体例としては、基本組成がLiNiO2等のリチウムニッケル複合酸化物;基本組成がLiCoO2等のリチウムコバルト複合酸化物;基本組成がLiMnO2、LiMnO4等のリチウムマンガン複合酸化物などが挙げられる。
さらに、遷移金属の硫化物の具体例としては、TiS2,FeSなどが挙げられる。
なかでも、リチウムと遷移金属との複合酸化物は、リチウム二次電池の高容量と高サイクル特性とを両立させることができるため、好ましい。
また、上述した遷移金属とリチウムとの複合酸化物は、主体となる遷移金属原子の一部をAl、B、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mg、Ca、Ga等の他の金属で置き換えると、安定化させることができるので好ましい。なかでもAl、Mg、Ca、Ti、Zr、Co、Ni、Mnで置き換えると、高い電圧における正極の劣化が抑制されるので特に好ましい。
さらに、上述した遷移金属とリチウムとの複合酸化物の表面をAl、B、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mg、Ca、Ga等の金属の酸化物で被覆すると、高電圧における溶媒の酸化反応が抑制されて好ましい。なかでもAl23、TiO2、ZrO2、MgOは強度が高く、安定した被覆効果を発現させるため特に好ましい。
なお、これらの正極活物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
正極活物質の比表面積は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1m2/g以上、好ましくは0.2m2/g以上であり、また、通常10m2/g以下、好ましくは5.0m2/g以下、さらに好ましくは3.0m2/g以下である。比表面積が小さすぎるとレート特性の低下、容量の低下を招く虞があり、また、大きすぎると正極活物質が非水系電解液等と好ましくない反応を引き起こし、サイクル特性を低下させる虞がある。
さらに、正極活物質の平均2次粒径も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.2μm以上、好ましくは0.3μm以上、また、通常20μm以下、好ましくは10μm以下である。平均2次粒径が小さすぎるとリチウム二次電池のサイクル劣化が大きくなったり、取り扱いが難しくなったりする場合があり、大きすぎると電池の内部抵抗が大きくなり出力が出にくくなる場合がある。
また、正極活物質層の厚さは、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1μm以上、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上、最も好ましくは40μm以上であり、また、通常200μm以下、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下である。薄すぎると塗布が困難になり均一性が確保しにくくなるだけでなく、本発明のリチウム二次電池の容量が小さくことがある。一方、厚すぎるとレート特性が低下する虞がある。
正極活物質層は、例えば、上述の正極活物質と、結着剤(バインダー)と、必要に応じて各種の助剤等とを、溶媒でスラリー化して塗布液とし、その塗布液を集電体に塗布し、乾燥することにより製造することができる。また、例えば、上述の正極活物質をロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としても良い。
以下、スラリーを正極集電体に塗布・乾燥する場合について説明する。
結着剤としては、非水系電解液に用いる非水溶媒や電極製造時に用いる溶媒に対して安定な材料であれば、その種類は特に制限されないが、耐候性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等を考慮して選択するのが好ましい。具体例としては、シリケート、水ガラスのような無機化合物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレン等のアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレン等の不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドン等の環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド等のアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニド等のCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有ポリマー;ポリアニリン等の導電性ポリマーなどが使用できる。
また、上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体なども使用できる。
これらの中で好ましい結着剤は、フッ素系樹脂、CN基含有ポリマーである。
なお、結着剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、結着剤として樹脂を用いる場合、その樹脂の重量平均分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1万以上、好ましくは10万以上であり、また、通常300万以下、好ましくは100万以下である。分子量が低すぎると電極の強度が低下する傾向にある。一方、分子量が高すぎると粘度が高くなり、電極の形成が困難になることがある。
さらに、結着剤の使用量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、正極活物質(負極に用いる場合は、負極活物質。以下、正極活物質と負極活物質とを区別せずにいう場合、単に「活物質」という)100重量部に対して、通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上であり、また、通常30重量部以下、好ましくは20重量部以下である。結着剤の量が少なすぎると電極の強度が低下する傾向にあり、結着剤の量が多すぎるとイオン伝導度が低下する傾向にある。
また、電極には、上記のように各種の助剤等を含有させても良い。助剤等の例としては、電極の導電性を高める導電性材料、電極の機械的強度を向上させる補強材などが挙げられる。
導電性材料の具体例としては、活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はないが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のファイバー、箔などが挙げられる。
また、補強材の具体例としては、各種の無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。
なお、これらの助剤等は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
スラリーを形成するための溶媒としては、活物質、結着剤、並びに必要に応じて使用される助剤等を溶解又は分散することが可能な溶媒であれば、その種類に特に制限はなく、水系溶媒と有機系溶媒のどちらを用いても良い。
水系溶媒の例としては水、アルコールなどが挙げられる。一方、有機系溶媒の例としてはN−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、アセトン、ジメチルエーテル、ジメチルアセタミド、ヘキサメチルホスファルアミド、ジメチルスルフォキシド、ベンゼン、キシレン、キノリン、ピリジン、メチルナフタレン、ヘキサン等が挙げられる。
なお、これらの溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、塗布・乾燥によって得られた活物質層は、正極活物質の充填密度を上げるため、ローラープレス等により圧密するのが好ましい。
[1−2.集電体]
集電体の素材としては、公知のものを任意に使用することができるが、通常は金属や合金が用いられる。具体的には、正極の集電体としては、アルミニウムやニッケル、SUS(ステンレス)等が挙げられる。中でも、正極の集電体としてはアルミニウムが好ましい。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、集電体と表面に形成された活物質層との結着効果を向上させるため、これら集電体の表面を予め粗面化処理しておくのが好ましい。表面の粗面化方法としては、ブラスト処理や粗面ロールにより圧延するなどの方法、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシなどで集電体表面を研磨する機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。
また、集電体の形状は任意である。例えば、電池の重量を低減させる、即ち重量当たりのエネルギー密度を向上させるために、エキスパンドメタルやパンチングメタルのような穴あきタイプの集電体を使用することもできる。この場合、その開口率を変更することで重量も自在に変更可能となる。また、このような穴あけタイプの集電体の両面に塗布層を形成させた場合、この穴を通しての塗布層のリベット効果により塗布層の剥離がさらに起こりにくくなる傾向にあるが、開口率があまりに高くなった場合には、塗布層と集電体との接触面積が小さくなるため、かえって接着強度は低くなる。
正極集電体として薄膜を使用する場合、その厚さは本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1μm以上、好ましくは5μm以上であり、通常100μm以下、好ましくは50μm以下である。厚すぎると、電池全体の容量が低下することになり、逆に薄すぎると取り扱いが困難になる。
[2.負極]
負極は、リチウムの吸蔵及び放出が可能なものであれば、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。
通常は、正極の場合と同様に、負極も集電体上に負極活物質層を設けて構成されたものを用いる。なお、正極と同様に、負極も適宜その他の層を備えていてもよい。
[2−1.負極活物質]
負極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵放出が可能な材料であれば他に制限は無く、公知の負極活物質を任意に用いることができる。例えば、コークス、アセチレンブラック、メゾフェーズマイクロビーズ、グラファイト等の炭素質材料;リチウム金属;リチウム−シリコン、リチウム−スズ等のリチウム合金などを使用することが好ましい。
単位重量あたりの容量が高く、かつ安全性が良好な点からは、リチウム合金が特に好ましく、また、サイクル特性及び安全性が良好な点では、炭素質材料を使用するのが特に好ましい。
なお、負極活物質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、負極活物質の粒径は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、初期効率、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が優れる点で、通常1μm以上、好ましくは15μm以上であり、通常50μm以下、好ましくは30μm以下程度である。
また、例えば、上記の炭素質材料をピッチ等の有機物で被覆した後で焼成したもの、CVD法等を用いて表面に上記炭素質材料よりも非晶質の炭素を形成したものなども、炭素質材料として好適に使用することができる。ここで、被覆に用いる有機物としては、軟ピッチから硬ピッチまでのコールタールピッチ;乾留液化油等の石炭系重質油;常圧残油、減圧残油等の直留系重質油;原油、ナフサ等の熱分解時に副生する分解系重質油(例えばエチレン ヘビーエンド)等の石油系重質油が挙げられる。また、これらの重質油を200〜400℃で蒸留して得られた固体状残渣物を、1〜100μmに粉砕したものも使用することができる。さらに塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂なども使用することができる。
負極活物質層は、例えば、上述の負極活物質をロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としたりすることも可能であるが、通常は、正極活物質層の場合と同様に、上述の負極活物質と、結着剤と、必要に応じて各種の助剤等とを、溶媒でスラリー化してなる塗布液を、集電体に塗布し、乾燥することにより製造することができる。スラリーを形成する溶媒や結着剤、助剤等としては、正極活物質について上述したものと同様のものを使用することができる。
[2−2.集電体]
負極の集電体の材質としては、公知のものを任意に用いることができるが、例えば、銅、ニッケル、SUS等の金属材料が用いられる。中でも加工し易さとコストの点から特に銅が好ましい。
また、負極の集電体も、正極の集電体と同様に、予め粗面化処理しておくのが好ましい。
さらに、正極同様、集電体の形状も任意であり、エキスパンドメタルやパンチングメタルのような穴あきタイプの集電体を使用することもできる。また、集電体として薄膜を使用する場合の好ましい厚さも、正極の場合と同様である。
[3.スペーサ]
正極と負極との間には、短絡を防止するために、通常はスペーサを介在させる。スペーサの材質や形状は特に制限されないが、上述の非水系電解液に対して安定で、保液性に優れ、且つ、電極同士の短絡を確実に防止できるものが好ましい。
スペーサの材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン等を用いることができるが、好ましくはポリオレフィンである。
また、スペーサの形状としては多孔性のものが好ましい。この場合、非水系電解液は、多孔性のスペーサに含浸させて用いる。
スペーサの厚さは、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、また、通常50μm以下、好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。スペーサが薄すぎると、絶縁性や機械的強度が悪化することがあり、厚すぎるとレート特性等の電池性能が悪化する虞があるばかりでなく、電池全体としてのエネルギー密度が低下する虞がある。
また、スペーサとして多孔性の膜を用いる場合、スペーサの空孔率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常20%以上、好ましくは35%以上、さらに好ましくは45%以上であり、通常90%以下、好ましくは85%以下、さらに好ましくは75%以下である。空孔率が小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化する傾向にある。また大きすぎると膜の機械的強度が低下し絶縁性が低下する傾向にある。
さらに、スペーサとして多孔性の膜を用いる場合、スペーサの平均孔径も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下であり、通常0.05μm以上である。あまりに大きいと短絡が生じやすくなり、小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が低下する虞がある。
[4.二次電池の組立]
本発明のリチウム二次電池は、上述した本発明における非水系電解液と、正極と、負極と、必要に応じて用いられるスペーサとを、適切な形状に組み立てることにより製造される。更に、必要に応じて外装ケース等の他の構成要素を用いることも可能である。さらに、本発明のリチウム二次電池の形状は特に制限されず、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。例えば、コイン型電池、円筒型電池、角型電池などが上げられる。また、電池を組み立てる方法も特に制限されず、目的とする電池の形状に合わせて、通常用いられている各種方法の中から適宜選択することができる。
[5.作用]
先に述べたような本発明のビニルエチレンカーボネート誘導体及びビニレンカーボネート誘導体を含有する非水系電解液を、本発明のリチウム二次電池に使用することで、充電終了時の25℃における電池端子間開路電圧が通常4.25V以上、好ましくは4.30V以上、さらに好ましくは4.40V以上となるまで充電しても、電解液の反応を抑制でき、ガスの発生を大幅に抑制して、サイクル特性を大幅に向上させることが可能となる。
[6.その他]
[6−1.充電終了時の電池端子間開路電圧について]
本明細書において電池端子間開路電圧とは、回路に電流が流れていない状態での電池電圧のことである。その測定方法は任意であるが、例えば、通常の充放電装置で測定が可能である。
[6−2.充電について]
リチウム二次電池を充電する場合、一般に、抵抗の電圧降下分が加えられた状態で充電される。即ち、充電電圧は電池端子間開路電圧に充電電流と抵抗との積を加えたものとなっている。したがって、充電電流が大きいほど、また、リチウム二次電池の内部抵抗もしくは保護開路の抵抗が大きいほど、充電電圧と電池端子間開路電圧との差は大きくなる。
本発明のリチウム二次電池において、充電方式は特に限定されず、任意の充電方式により充電することができる。例えば、定電流充電(CC充電)、定電流−定電圧充電(CCCV充電)、パルス充電、逆テーパ充電等が用いられる。
また、充電終了については、所定時間(例えば、充電完了に計算上必要とされる時間より長い時間)充電することによってもよく、充電電流値が規定値以下になったことを検知してもよく、電圧値が規定値に到達したことを検知してもよい。
現在のリチウム二次電池では、通常、充電終了時の電池端子間開路電圧は4.08V〜4.20Vの範囲である。この充電終了時の電池端子間開路電圧が高いほど、リチウム二次電池の容量(mAh)は向上する。また、充電終了時の電池端子間開路電圧が高いほど、リチウム二次電池の電圧自体が高くなることから、重量エネルギー密度(mWh/kg)も増加し、軽量で持続時間の長いリチウム二次電池を得ることができる。
[6−3.メカニズム]
以下、本発明の発明者が推察する、本発明の効果が得られるメカニズムは定かではないが、以下のように考えられる。
上記のように、従来、充電終了時の電池端子間開路電圧を高めることができるリチウム二次電池の開発が望まれていたが、従来の技術では、4.25V以上の高電圧条件下においては、主として正極上での電解液の酸化反応が顕著に発生したため、サイクル特性が悪く、実用的な二次電池は得られなかった。
これに対して、本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体は、高電位下で正極に保護被膜を形成し、正極と電解液の反応を抑制する。しかしながら該ビニルエチレンカーボネート誘導体は充電初期に一部が負極で還元されて、負極に厚くてもろい被膜を形成する。
そのためビニルエチレンカーボネート誘導体だけでは、主として負極被膜の不安定性ゆえにサイクル特性があまり向上しない。
また、本発明にかかるビニレンカーボネート誘導体は、充電初期に一部又はすべてが負極で還元されて、負極に安定な保護被膜を形成する。しかしながら、初期充電後にも電解液中に残存しているビニレンカーボネート誘導体は、特にサイクル試験中に正極および負極で分解する。
さらに、ビニレンカーボネート誘導体は、負極で分解する場合は負極被膜の補修につながり好ましいが、正極で分解する場合は被膜は形成せずに、ガスを発生させる。特に、リチウム二次電池が高電圧であるほど正極での分解が顕著となる。
したがって、高電圧電池においては、ビニレンカーボネート誘導体だけでは、負極被膜の安定性が向上するものの、一方で正極において自己分解によるガス発生が起こるためにサイクル特性向上は不十分なものとなる。
ところが、本発明の非水系電解液では、ビニルエチレンカーボネート誘導体とビニレンカーボネート誘導体と共に含んでいるために、以下に述べるように、正負極での反応を共に抑制できる。即ち、まずは初期充電の際に共に協奏して還元されるために、両者由来のハイブリッド被膜(保護被膜)が負極上に形成される。この被膜は抵抗が低く、熱安定性、溶媒安定性に優れる。一方、正極においてはビニルエチレンカーボネート誘導体由来の被膜によりビニレンカーボネート誘導体の分解が抑制される。このため、高電圧条件下においても、リチウム二次電池のサイクル特性が飛躍的に向上するものと推察される。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
<試験操作の説明>
[正極の製造]
正極活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO2)92重量部とポリフッ化ビニリデン(以下適宜、「PVdF」という)4重量部とアセチレンブラック4重量部とを混合し、N−メチルピロリドンを加えてスラリー状にしたものを、アルミニウムからなる集電体の両面に塗布・乾燥して正極を得た。
[負極の製造]
負極活物質であるグラファイト粉末90重量部とPVdF10重量部とを混合し、N−メチルピロリドンを加えスラリー状にしたものを、銅からなる集電体の片面に塗布・乾燥して負極を得た。
[リチウム二次電池の製造]
図1にリチウム二次電池の概略断面図を示す。
上記の正極、負極、及び膜厚16μm、空孔率45%、平均孔径0.05μmのポリエチレン製2軸延伸多孔膜フィルム(セパレータ,スペーサ)に、それぞれ後述する電解液を塗布・含浸させた後、負極(2)、セパレータ(3)、正極(1)、セパレータ(3)、負極(2)の順に積層した。こうして得られた電池要素を、まずポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(4)で挟んだ。次いで、アルミニウム箔の両面に樹脂層を形成したラミネートフィルム(7)に、正極及び負極の端子を突設させて真空封止して、シート状のリチウム二次電池を作製した。また、正極及び負極の端子には封止材付きリード(8)を取り付けた。さらに、電極間の密着性を高めるために、シリコンゴム(5)及びガラス板(6)でシート状電池を挟み、3.4×10-4Paの圧力で加圧した。
[容量評価]
コバルト酸リチウムの1時間当たりの放電量を160mAh/gとし、これと評価用リチウム二次電池の正極の活物質量とから放電速度1Cを求めてレート設定をした上で、25℃の恒温槽中、0.2Cで4.4Vまで定電流−定電圧充電(以下適宜、「CCCV充電」という)した後、0.2Cで3Vまで放電し、初期のフォーメーションを行なった。次いで、0.7Cで4.4VまでCCCV充電した後、0.2Cで3Vまで再度放電し、初期放電容量を求めた。なお充電時のカット電流はいずれも0.05Cとした。
[4.4Vサイクル特性評価]
容量評価試験の終了した評価用リチウム二次電池を25℃の恒温槽中、0.7Cで4.4VまでCCCV充電(カット電流は0.05Cとした)し、1Cで3VまでCC放電する充放電サイクルを50回繰り返した。50サイクル後の容量維持率を下記の計算式により求めた。また1回目の充電終了時に電池端子間開路電圧を測定した。
Figure 2006351338
<実施例1>
環状カーボネートであるエチレンカーボネート(EC)と鎖状カーボネートであるエチルメチルカーボネート(EMC)との混合溶媒(混合体積比1:3)に、電解質であるLiPF6を1mol/Lの割合で溶解したものをベース電解液(I)とし、このベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ2重量%及び2重量%となるように加えて非水系電解液とした。
得られた非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。なお、表1において、ビニルエチレンカーボネート誘導体、ビニレンカーボネート誘導体、電解質及び非水溶媒の欄においてカッコ内に記載された数値は、それぞれ、非水系電解液中における組成を表す。また、非水溶媒の欄においてカッコ内に記載された数値は、非水溶媒の混合比率を表す。
<実施例2>
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ0.5重量%及び1重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例3>
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ1重量%及び1重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例4>
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ3重量%及び1重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例5>
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ5重量%及び1重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例6>
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ1重量%及び3重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例7>
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ1重量%及び5重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例8>
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体として1,2−ジビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ1重量%及び1重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例9>
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体として1−メチル−1−ビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ1重量%及び1重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例10>
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体として1,2−ジメチルビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ1重量%及び1重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例11>
環状カーボネートであるエチレンカーボネート(EC)と、鎖状カーボネート類であるエチルメチルカーボネート(EMC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合溶媒(混合体積比1:1:1)に、電解質としてLiPF6を1.25mol/Lの割合で溶解したもの をベース電解液(II)とし、このベース電解液(II)に、非共役系不飽和結合を環外に有する環状カーボネートであるビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネート、及び、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ1重量%及び1重量%となるように加えて非水系電解液とした。得られた非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例1>
ベース電解液(I)そのものを用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例2>
ベース電解液(I)に、ビニルエチレンカーボネート誘導体としてビニルエチレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度が2重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例3>
ベース電解液(I)に、ビニレンカーボネート誘導体としてビニレンカーボネートを 、非水系電解液に対する濃度が2重量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、4.4Vサイクル特性評価を行なった。結果を表1に示す。
Figure 2006351338
表1より、本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体及びビニレンカーボネート誘導体の両方を含有した実施例1〜11の非水系電解液を用いると、本発明にかかるビニルエチレンカーボネート誘導体及びビニレンカーボネート誘導体の両方を含有しない場合(比較例1)や、どちらか一方のみを含有した場合(比較例2,3)に比べ、サイクル試験後の容量回復率が大きく、優れたサイクル特性が達成できることが分る。
本発明のリチウム二次電池の用途は特に限定されず、公知の各種の用途に用いることが可能である。具体例としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCDプレイヤー、ミニディスクプレイヤー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ等を挙げることができる。
本発明の実施例並びに比較例及び参考例において作製したリチウム二次電池の構造を示す概略断面図である。
符号の説明
1 正極
2 負極
3 セパレータ(スペーサ)
4 PETフィルム
5 シリコンゴム
6 ガラス板
7 ラミネートフィルム
8 封止材付きリード

Claims (4)

  1. 正極と、負極と、ビニルエチレンカーボネート誘導体及びビニレンカーボネート誘導体を共に含有する非水系電解液とを備え、
    充電終了時の25℃における電池端子間開路電圧が4.25V以上である
    ことを特徴とする、リチウム二次電池。
  2. 上記電池端子間開路電圧が、4.3V以上である
    ことを特徴とする、請求項1記載のリチウム二次電池。
  3. 該ビニレンカーボネート誘導体が、ビニレンカーボネートである
    ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のリチウム二次電池。
  4. 該ビニルエチレンカーボネート誘導体が、ビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネート、1−メチル−1−ビニルエチレンカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種である
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
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