JP2006348560A - 筋葺き用の平板瓦 - Google Patents

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有彦 村上
Takushi Suzuki
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Abstract

【課題】 従来、筋葺き用の耐風雨瓦は、頭側においてオーバーラップ側端の受凹部に、アンダーラップ側端の抑止覆部を係止して隣接瓦の連係を図るとともに、尻側オーバーラップ端の肩覆部とアンダーラップ頭側端の係止凹部との係止で斜め上下段瓦の係合を意図している。しかし、それぞれの係止手段は、複雑な構成で高精度の管理を必要とするので、製造及び/又は施工の合理化を阻んできた。
【構成】 本発明は、アンダーラップ・オーバーラップを有する筋葺き用の平板瓦で、アンダーラップ頭側内端部に頭側係止片と、オーバーラップ尻側角部に尻側係止凹部を備えた尻側係止突起を設け、尻側係止凹部に頭側係止片を差し込み係止する。また頭側端において、アンダーラップ側の外方に突設した頭側覆片と、オーバーラップ側端部に頭側受片を形成し、頭側受片に頭側覆片を当接係止する構成であり、平板瓦の浮揚・ズレ抑止が図れて耐震、耐風雨効果を発揮する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、筋葺きした平板瓦の尻側及び/又は頭側で係止関係が作用し、斜め上下及び/又は左右に配置される平板瓦の相互間で浮揚及び/又はズレを抑止し、耐震、耐風雨機能を発揮する筋葺き用の平板瓦に関する。
この種の平板瓦は、耐震、耐風雨効果(平板瓦の耐震、耐風雨効果に役立つ浮揚及び/又はズレを抑止する等)の観点から重視されている。しかし、葺き合わせの簡便化、製造及び/又は施工の合理化の面において、多くの課題を抱え、その改良を希求されている状況にある。このような状況に鑑み、これらに関する改良発明が種々提案されており、その代表的な各例を先行文献(1)〜(3)として下記に説明する。
先ず、文献(1)は、特許第2973326号の「頭部係合耐風雨厚平形瓦」であり、この発明は、瓦本体に桟側覆部(オーバーラップ)と差込受部(アンダーラップ)をそれぞれ有する厚平形瓦(平板瓦)であって、並列葺き(筋葺き)した場合、頭側において、オーバーラップ側端に一段落として形成した受凹部に、アンダーラップ側端に裏側を空隙状に形成した抑止覆部が係合する構成、及びアンダーラップ側頭端部の係止凹部とオーバーラップ側尻端部の肩覆部とが係止する構成である。この文献(1)は、平板瓦において隣接する瓦間の頭側の係止関係(係止構成)、及び斜め上下段瓦間の抑止構成により強風雨時の振れ浮き等を防止することを意図する。
しかし、この文献(1)は、係止凹部の裏面がアンダーラップの裏面より一段下がった構成であるので、取扱・搬送時に欠損する危険性があること及び/又は軒先施工時に瓦座等の下地基材に乗り上げる虞がある。また文献(1)は、オーバーラップ側の受凹部とアンダーラップ側の抑止覆部との係止形態が鍵形又は函形の内方二面で衝止する構成を採用するので、複雑な構成(複雑な形状)となること、又は前述と同様に取扱・搬送時に欠損を生じやすいこと、また葺き合せ(葺設)に手間及び/又は注意を要すること、或は歩留まりの低下を招来すること等の課題を抱えている。そして、この文献(1)に開示した発明を、素材の可塑性を利用したプレス成形、乾燥、焼成の工程を経る粘土瓦に応用するには、改良すべき問題を残している。
また文献(2)は、特許第3380235号の「千鳥葺き用の耐震、耐風雨瓦」であり、この発明は、瓦本体にオーバーラップとアンダーラップをそれぞれ有する平板瓦であって、アンダーラップの頭側内端部に設けた頭側係止片を、瓦本体尻側に設けた尻側係止突起内側の尻側挿入凹部に係止する構成であって、この係止を介して地震時の転位、滑落等の防止、及び台風時の捲れ上がり、飛散等の抑止を達成することを意図する。
しかし、この文献(2)は、前記頭側係止片の裏面がアンダーラップ裏面より突出しており、損傷を受けやすいこと、また軒先施工時に、瓦座等の下地材と干渉し、適切な葺き設を妨げること等の弊害が考えられる。さらにこの文献(2)は、千鳥葺き専用の構成となっているので、螻羽(けらば=妻側端部)に半瓦等の部品が入用で面倒な課題が残る。
文献(3)は、特開2004−92106の「耐風瓦」であり、この発明は、瓦本体に上方重合部(オーバーラップ)と下方重合部(アンダーラップ)とを設けた矩形状の瓦(平板瓦)であって、アンダーラップの外側端面部には、外方かつ下方への傾斜面部を形成し、尻側水返し上面には、前記傾斜面部に填り込む係合凹部を有する係合突起を形成した構成である。従って、この文献(3)は、葺設に際し、流れ方向にスライドできる構成を採用し、利き足調整を可能とした耐風瓦の提供を意図している。
しかし、この文献(3)は、係合凹部が流れ方向(軒先方向)に開放形状であり、上下方向(流れ方向)の移動規制が難しい構成であって、上段瓦の転位或いは滑落の防止対策は、在来型の釘等による固定に依存することから不安要因を抱えている。さらに前記傾斜面部と係止凹部との安定かつ確実な填め合わせ(係止)の確立を図るには、高精度の形状、寸法の維持管理及び/又は製造機構が必須であり、相応の生産技術が要求されこと、またコストアップを招くこと等の虞がある。またこの文献(3)は、係合凹部を有する係合突起と下方重合部の傾斜面部との係合関係による耐風機能であり、一個所の係り合いのみに依存した係止関係である。従って、効果的に耐震、耐風雨機能を発揮するには必ずしも充分とは考えられない。
特許第2973326号 特許第3380235号 特開2004−92106
以上で説明した文献(1)〜(3)は、その構造面での複雑化及び/又は高精度の形状、寸法の維持管理を必要とする。従って、例えば、製造面では、相応の設備装置と生産技術が要求されること、また施工面では、葺き合わせに手間を要すること、さらに機能面では、雨仕舞いに苦労すること等の多面的な課題が残る。
そして、前記文献(1)〜(3)を個別に検討すると、先ず、文献(1)は、この発明を粘土の可塑性を利用した焼成瓦に応用するには、歩留まり対策、突起物の欠損防止等の課題も考えられる。次に文献(2)では、千鳥葺き専用の構成であるので、螻羽に半瓦等が入用となり、煩雑になること、また頭側係止片の裏面がアンダーラップ裏面より突出する構成であるので、軒先施工時に、瓦座等に乗り上げること、搬送時に損傷を受けやすいこと等の不都合が考えられる。さらに文献(3)では、係合突起と係合凹部との係合関係において、差し込み方向が一方向であって流れ方向の転位を規制する手段がなく、上段瓦のズレ及び/又は滑落の防止は従来の釘止め等に依存せざるを得ない等の不安要因を抱えていると考えられる。
請求項1の発明は、平板瓦を筋葺きした場合に(左右の平板瓦が接して形成される葺き合わせラインが流れ方向に略一線に揃う)、尻側係止凹部と頭側係止片との尻側係止関係(尻側係止構成)により斜め上下に配置される平板瓦相互の係止(この係止を、前記尻側係止関係とする)が図られることから、暴風雨による上段瓦の頭側の浮揚抑止すること等を意図する。そして、この請求項1の発明は、頭側係止片を尻側係止凹部に差し込み係止する際に、少なくとも二方向からの差し込みを可能とした尻側係止関係を有する構成とし、少なくとも上段瓦の流れ方向の転位の規制等を図ることを意図する。また請求項1の発明は、頭側係止片の裏面をアンダーラップの裏面と同一面とする構成であり、軒端の施工に際し、瓦座等の基材に乗り上げる障害を解消することを意図する。
請求項1は、瓦本体の一方側端にアンダーラップを他方側端にオーバーラップを有する筋葺き用の平板瓦であって、
この瓦本体のアンダーラップの頭側内端部に裏面をアンダーラップの裏面と同一面とする頭側係止片と、前記オーバーラップ尻側角部に略台形状の尻側係止突起とを設け、この尻側係止突起の裏側をえぐって形成した尻側係止凹部を設け、葺き合わせ時において、前記頭側係止片を前記尻側係止凹部に差し込み係止する際に、少なくとも二方向からの差し込みを可能とした尻側係止関係を有する構成とした筋葺き用の平板瓦である。
請求項2の発明は、平板瓦を筋葺きした場合に、頭側受片と頭側覆片との頭側係止関係(頭側係止構成)により、左右に隣接して配置される平板瓦相互の係止(この係止を、前記頭側係止関係とする)が図られることで、頭側の浮揚及び/又はズレを抑止し耐震、耐風雨機能を発揮することを意図する。また請求項2の発明の頭側係止関係においては、少なくとも斜め上方からの差し込み等の方法による葺き合わせが可能となること、または、頭見付け端部の葺き上がりラインが自動的に整うこと等の効果により作業効率の向上を図ることを意図する。そして、請求項2の発明は、この頭側係止構成において、前記頭側覆片と頭側受片との重合によって、下段瓦のオーバーラップ上面から遡上する雨水の吹き込みを阻止し、雨仕舞いの改善効果を発揮することをも意図する。尚、この請求項2の発明において、他の意図するところは前述の例に準ずる。
請求項2は、瓦本体の一方側端にアンダーラップを他方側端にオーバーラップを有する筋葺き用の平板瓦であって、
この瓦本体のアンダーラップの頭側内端部に裏面をアンダーラップの裏面と同一面とする頭側係止片と、前記オーバーラップ尻側角部に略台形状の尻側係止突起とを設け、この尻側係止突起の裏側をえぐって形成した尻側係止凹部を設け、葺き合わせ時において、前記頭側係止片を前記尻側係止凹部に差し込み係止する際に、少なくとも二方向からの差し込みを可能とした尻側係止関係を有し、
また前記瓦本体の頭側端において、頭見付けをアンダーラップ側の外方向に突出した頭側内方表面から頭見付け下方端に達する裏面開放形状の傾斜面を有する頭側覆片を、また前記頭見付けのオーバーラップ側端部を切り欠いて頭側内方表面から頭見付け下方端に達する傾斜面を有する頭側受片を形成し、葺き合わせ時において、前記頭側受片に前記頭側覆片を当接し係止する頭側係止関係を有する構成とした筋葺き用の平板瓦である。
請求項3の発明は、平板瓦を筋葺きした場合に、前記尻側係止凹部と前記頭側係止片との尻側係止関係(尻側係止構成)と、前記頭側受片と前記頭側覆片との頭側係止関係(頭側係止構成)とにより、斜め上下に配置される平板瓦相互の係止と、左右に隣接して配置される平板瓦相互の係止とを達成し、耐震、耐風雨機能を発揮することを意図する
請求項3は、請求項1又は請求項2に記載の平板瓦を筋葺きした場合に、尻側角部に二方向の傾斜面を備えた略台形状の尻側係止突起の尻側係止凹部と前記頭側係止片との尻側係止関係により、斜め上下に配置される平板瓦相互の係止を図り、頭側端部の前記頭側覆片と前記頭側受片との頭側係止関係により、左右に隣接配置される平板瓦相互の係止を図り、この平板瓦の耐震、耐風雨効果に役立つ浮揚とズレの防止を可能とする構成とした筋葺き用の平板瓦である。
請求項1の発明は、瓦本体の一方側端にアンダーラップを他方側端にオーバーラップを有する筋葺き用の平板瓦であって、
瓦本体のアンダーラップの頭側内端部に裏面をアンダーラップの裏面と同一面とする頭側係止片と、オーバーラップ尻側角部に略台形状の尻側係止突起とを設け、尻側係止突起の裏側をえぐって形成した尻側係止凹部を設け、葺き合わせ時において、頭側係止片を尻側係止凹部に差し込み係止する際に、少なくとも二方向からの差し込みを可能とした尻側係止関係を有する構成とした筋葺き用の平板瓦である。
従って、請求項1は、平板瓦を筋葺きした場合に(左右の平板瓦が接して形成される葺き合わせラインが流れ方向に略一線に揃う)、尻側係止凹部と頭側係止片との尻側係止関係(尻側係止構成)により斜め上下に配置される平板瓦相互の係止(この係止を、前記尻側係止関係とする)が図られることから、暴風雨による上段瓦の頭側の浮揚抑止が図れる特徴がある。そして、この請求項1は、頭側係止片を尻側係止凹部に差し込み係止する際に、少なくとも二方向からの差し込みを可能とした尻側係止関係を有する構成とし、少なくとも上段瓦の流れ方向の転位の規制等が図れる実益がある。また請求項1は、頭側係止片の裏面をアンダーラップの裏面と同一面とする構成であり、軒端の施工に際し、瓦座等の基材に乗り上げる障害を解消できる特徴がある。
請求項2の発明は、瓦本体の一方側端にアンダーラップを他方側端にオーバーラップを有する筋葺き用の平板瓦であって、
瓦本体のアンダーラップの頭側内端部に裏面をアンダーラップの裏面と同一面とする頭側係止片と、オーバーラップ尻側角部に略台形状の尻側係止突起とを設け、尻側係止突起の裏側をえぐって形成した尻側係止凹部を設け、葺き合わせ時において、頭側係止片を尻側係止凹部に差し込み係止する際に、少なくとも二方向からの差し込みを可能とした尻側係止関係を有し、
また瓦本体の頭側端において、頭見付けをアンダーラップ側の外方向に突出した頭側内方表面から頭見付け下方端に達する裏面開放形状の傾斜面を有する頭側覆片を、また頭見付けのオーバーラップ側端部を切り欠いて頭側内方表面から頭見付け下方端に達する傾斜面を有する頭側受片を形成し、葺き合わせ時において、頭側受片に頭側覆片を当接し係止する頭側係止関係を有する構成とした筋葺き用の平板瓦である。
従って、請求項2は、平板瓦を筋葺きした場合に、頭側受片と頭側覆片との頭側係止関係(頭側係止構成)により、左右に隣接して配置される平板瓦相互の係止(この係止を、前記頭側係止関係とする)が図られることで、頭側の浮揚及び/又はズレを抑止し耐震、耐風雨機能が発揮できる特徴がある。また請求項2は、頭側係止関係において、少なくとも斜め上方からの差し込み等の方法による葺き合わせが可能となること、又は頭見付け端部の葺き上がりラインが自動的に整うこと等の効果により作業効率の向上が図れること等の実益がある。そして、請求項2は、この頭側係止構成において、頭側覆片と頭側受片との重合によって、下段瓦のオーバーラップ上面から遡上する雨水の吹き込みを阻止し、雨仕舞いの改善効果が発揮できる特徴がある。尚、この請求項2において、他の意図するところは前述の例に準ずる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の平板瓦を筋葺きした場合に、尻側角部に二方向の傾斜面を備えた略台形状の尻側係止突起の尻側係止凹部と前記頭側係止片との尻側係止関係により、斜め上下に配置される平板瓦相互の係止を図り、頭側端部の頭側覆片と頭側受片との頭側係止関係により、左右に隣接配置される平板瓦相互の係止を図り、平板瓦の耐震、耐風雨効果に役立つ浮揚とズレの防止を可能とする構成とした筋葺き用の平板瓦である。
従って、請求項3は、平板瓦を筋葺きした場合に、尻側係止凹部と頭側係止片との尻側係止関係(尻側係止構成)と、頭側受片と頭側覆片との頭側係止関係(頭側係止構成)とにより、斜め上下に配置される平板瓦相互の係止と、左右に隣接して配置される平板瓦相互の係止とを達成し、耐震、耐風雨機能を発揮できる特徴がある。
本発明に基づく「筋葺き用の平板瓦(耐震、耐風雨用の平板瓦)」(以下、瓦とする)の一実施例を説明する。
本発明の一例を図1〜図9に基づいて説明する。瓦の本体1(本体1とする)の表面1aには、その一方及び/又は他方側に膨出部100、101を形成する。そして、この本体1の一方側の膨出部100には、その外方にアンダーラップ2を、またこの本体1の他方側の膨出部101には、この他方側の膨出部101の裏面を肉薄形状としたオーバーラップ3それぞれ設ける。尚、この本体1においては、その表面1aの形状は、図示しないが、全面平坦なタイプ、両側端部に膨出帯を有するタイプ、或いは両側端と流れ面の流れ方向(縦方向)に一条又は複数条の膨出帯を有するタイプ等の例もありえるが、何れも限定されない。図中102は表面1aの中間の膨出部を示す(一例である)。
そして、前記オーバーラップ3の尻側1−2の角部には、頭側1−1方向とアンダーラップ側1−3方向の二方向の傾斜面700、700を備えた略台形状の尻側係止突起7を形成する。そして、この尻側係止突起7には、その裏面7aを抉って(くり抜いて)尻側1−2の外方とオーバーラップ側1−4に向かって開口した尻側係止凹部8を設ける。またアンダーラップ2の頭側1−1内端部には、アンダーラップ2の裏面2bと同レベル(面一)の裏面9bを有する頭側係止片9を設け、この頭側係止片9は前記尻側係止凹部8に差し込み尻側係止関係を構成する。この尻側係止関係の構成は、前述の頭側1−1に於ける隣接する瓦同志の連係効果に加え、斜め上下の瓦間の連係が確立されることで耐震、耐風雨効果を発揮できる。そして、前記尻側係止凹部8は、頭側1−1方向とアンダーラップ側1−3方向の二面で本体1に固着しており、一工程によるプレス成形が可能となり生産性の向上と、加えて耐衝撃性にも優れている。そして、この例では、頭側係止片9を尻側係止凹部8に差し込み係止する際に、少なくとも二方向からの差し込みを可能とした尻側係止関係を有する構成とし、少なくとも上段瓦の流れ方向の転位の規制及び/又は左右の隣接する一方向の移動の規制等が図れること、又は差し込みの容易化・簡便化が図れること等の特徴がある。
尚、前記頭側係止片9の裏面9bがアンダーラップ2の裏面2bから突出しない構成によって、軒先の施工時に、瓦座等の下地基材に乗り上げる弊害が回避される。さらにアンダーラップ2の尻側1−2の角部表面に、このアンダーラップ2側端に設けた水返し200より一段高い(嵩高の)L形突条10を設ける。このL形突条10には、上段瓦のアンダーラップ2の頭側1−1から流下する雨水の遡上を堰き止める役割がある。そして、前記オーバーラップ3の尻側1−2の角部裏側に、尻側係止凹部8の下方に凹溝11を設けて、葺き合わせ時にオーバーラップ側1−4に隣合う瓦のL形突条10を受け入れ係止することで、尻側連係関係を構成する。そして、この凹溝11とL形突条10の尻側連係関係の構成は、先に葺き設した瓦のアンダーラップ2に他の瓦のオーバーラップ3を載置する際に、この載置の所作で自然に達成されるので、葺き合わせの容易化・確実性等に有効である。さらにこの尻側連係関係の構成は、左右に配置される瓦相互間の確実な連係が図れ、また前記の尻側1−2及び/又は頭側1−1の係止関係の補完に役立ち、かつ桁行き方向(流れ方向と直交する横方向)の変位(ズレ動き)等を規制できる機能がある等の特徴があって、この尻側連係関係は極めて有益である。
また裏面1bの頭側1−1の内方に、オーバーラップ側1−4と本体1との境界付近に、この裏面1bをえぐって(浅く掘り込んで)形成した略矩形状の葺合せ凹部12を設ける構成を採用した例では、この葺合せ凹部12には、斜め下方に配置される瓦の前記尻側係止突起7による突き上げを回避し、安定した葺き合わせが確保できる特徴が考えられる。従って、この構成も本発明のポイントの一つである。
本発明の他の一例を図10〜図17に基づいて説明する。この他の一例の基本的な構成は、前述の一例に準ずるので、その相違点を説明する。即ち、前記本体1の頭側1−1には、頭見付け部4及び/又はその内側(尻側1−2に向かった内方)をアンダーラップ側1−3に延設形成(延伸突出)した頭側覆片5と、頭見付部4及び/又はその内側のオーバーラップ側1−4の表面1aを切り欠いて形成した頭側受片6をそれぞれ設ける。そして、この頭側覆片5は、頭側1−1の内方表面から頭見付け部4の下方端に達する裏面開放形状の下向き傾斜面5aを有し、また前記頭側受片6は頭側1−1の内方表面から頭見付け部4の下方端に達する上向き傾斜面6aを有する構成である。
そして、前記頭側受片6の傾斜面6aには隣接する瓦の本体1の頭側覆片5の傾斜面5aが被嵌し頭側の係止関係を形成する構成とし、この構成は流れ方向に仰角を持った傾斜面を利用した衝止係合の特性(前後と上下の二方向に作用する)を応用する。これにより、例えば、地震時の軒先方向への転位(滑落)を抑制し、また台風、強風等による負圧に起因する浮揚(フラッタリング)を防止する効果が期待できる。そして、前記の頭側覆片5と頭側受片6との当接係止(重合)構成によって、下段瓦のオーバーラップ3の上面から遡上する雨水の吹き込みを阻止し、雨仕舞いの改善効果も期待できる。さらにこの頭側係止関係の構成は、隣接し左右に配置される瓦相互の連係効果を発揮し、前記の尻側係止関係によってもたらされる斜め上下の瓦間の係止効果との相乗作用によって、耐震、耐風雨効果の上乗せが期待できる。また施工に際し、斜め上方からの差し込みが可能になり作業性が向上すること、又はこの葺設の容易化・簡便化と、また横の葺き足(見付けのライン)が自然に整うこと等の如く、数々の効果が期待できるので有益である。
本発明の一例を示した瓦の表面図 本発明の一例を示した瓦の裏面図 図1の尻側正面図 図1の頭側正面図 図1の尻側より正面視した尻側係止突起の拡大正面図 図1のオーバーラップ側より側面視した尻側係止突起の拡大側面図 本発明の葺設状態の一例を示す表面模式図 本発明の葺設状態の一例を示す裏面模式図 本発明の尻側係止突起と頭側係止片等の関係を説明した尻側より見た断面模式図 本発明の他の一例を示した瓦の表面図 本発明の他の一例を示した瓦の裏面図 図10の尻側正面図 図10の頭側正面図 図10の頭側より正面視した頭側受片の拡大正面図 図10のオーバーラップ側より側面視した頭側受片の拡大側面図 図10のアンダーラップ側より側面視した頭側覆片の拡大側面図 図10の頭側より正面視した頭側覆片の拡大正面図
符号の説明
1 本体
1a 表面
1b 裏面
1−1 頭側
1−2 尻側
1−3 アンダーラップ側
1−4 オーバーラップ側
100 膨出部
101 膨出部
102 膨出部
2 アンダーラップ
2b 裏面
200 水返し
3 オーバーラップ
4 頭見付け部
5 頭側覆片
5a 傾斜面
6 頭側受片
6a 傾斜面
7 尻側係止突起
7a 裏面
700 傾斜面
8 尻側係止凹部
9 頭側係止片
9b 裏面
10 L形突条
11 凹溝
12 葺合せ凹部

Claims (3)

  1. 瓦本体の一方側端にアンダーラップを他方側端にオーバーラップを有する筋葺き用の平板瓦であって、
    この瓦本体のアンダーラップの頭側内端部に裏面をアンダーラップの裏面と同一面とする頭側係止片と、前記オーバーラップ尻側角部に略台形状の尻側係止突起とを設け、この尻側係止突起の裏側をえぐって形成した尻側係止凹部を設け、葺き合わせ時において、前記頭側係止片を前記尻側係止凹部に差し込み係止する際に、少なくとも二方向からの差し込みを可能とした尻側係止関係を有する構成とした筋葺き用の平板瓦。
  2. 瓦本体の一方側端にアンダーラップを他方側端にオーバーラップを有する筋葺き用の平板瓦であって、
    この瓦本体のアンダーラップの頭側内端部に裏面をアンダーラップの裏面と同一面とする頭側係止片と、前記オーバーラップ尻側角部に略台形状の尻側係止突起とを設け、この尻側係止突起の裏側をえぐって形成した尻側係止凹部を設け、葺き合わせ時において、前記頭側係止片を前記尻側係止凹部に差し込み係止する際に、少なくとも二方向からの差し込みを可能とした尻側係止関係を有し、
    また前記瓦本体の頭側端において、頭見付けをアンダーラップ側の外方向に突出した頭側内方表面から頭見付け下方端に達する裏面開放形状の傾斜面を有する頭側覆片を、また前記頭見付けのオーバーラップ側端部を切り欠いて頭側内方表面から頭見付け下方端に達する傾斜面を有する頭側受片を形成し、葺き合わせ時において、前記頭側受片に前記頭側覆片を当接し係止する頭側係止関係を有する構成とした筋葺き用の平板瓦。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の平板瓦を筋葺きした場合に、尻側角部に二方向の傾斜面を備えた略台形状の尻側係止突起の尻側係止凹部と前記頭側係止片との尻側係止関係により、斜め上下に配置される平板瓦相互の係止を図り、頭側端部の前記頭側覆片と前記頭側受片との頭側係止関係により、左右に隣接配置される平板瓦相互の係止を図り、この平板瓦の耐震、耐風雨効果に役立つ浮揚とズレの防止を可能とする構成とした筋葺き用の平板瓦。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016037826A (ja) * 2014-08-11 2016-03-22 ミサワホーム株式会社

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