JP2008002171A - 緩勾配用の平板瓦 - Google Patents

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Takushi Suzuki
拓志 鈴木
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Abstract

【課題】従来の多目的勾配凹を備えた平瓦は、戻り勾配緩和の効果を利用して、雨仕舞いの向上を意図しているが、葺設時に尻側端の裏面が瓦棧に当接する構成であって、屋根地と瓦の裏の間に籠もる熱気を排出する手段がなく、下地材の腐朽防止、小屋裏の暑気対策の要望に対応できない課題が残る。
【構成】本発明は、アンダーラップ、オーバーラップを有する緩勾配用の平板瓦であって、瓦本体の肉厚を略均等とし、表面の両側に膨出帯を設け、尻側の重なり部を残し頭側端に至る下向き傾斜表面を形成し、雨仕舞い効果の向上を意図する。また、尻側端の裏側を抉って形成した空間部と、下向き傾斜裏面に突設した複数のリブにより形成された通気路を利用して、瓦裏に滞留する熱気の上昇排気を促す構成である。
【選択図】図1

Description

本発明は、緩勾配用の平板瓦であって、一方の緩勾配用の平板瓦は、筋葺き兼千鳥葺き併用とする緩勾配用の平板瓦であり、また他方の緩勾配用の平板瓦は、千鳥葺き専用又は筋葺き専用とする緩勾配用の平板瓦に関する。
この種の緩勾配用の平板瓦において、改良すべき問題を、以下に列挙する。
[1]は、この種の平板瓦は、緩勾配による葺上げであることから、瓦本体の表面を流れる雨水のスムーズな流れ及び/又は平板瓦の雨仕舞いの確保が期待できない。
[2]は、この種の平板瓦の一般的な問題点となっている耐震、耐風雨効果(平板瓦の浮揚、飛散又はズレ防止等)の確保が図れない。
[3]は、平板瓦を葺き上げた際に、平板瓦の裏面の熱気を逃がす空間部(平板瓦の裏面と屋根地、横棧との間に形成した通気部「隙間」)が形成されないので、屋根地の乾燥及び/又は屋根裏の暖気の幾分の排除(熱交換が可能と考えられる故)が図れない。また下葺き材の劣化防止に有効な小屋裏換気の促進が期待できない。
上記に鑑み、この[1]〜[3]に関して、改良が加えられている先行文献の一例を列挙すると、次のような文献(1)、(2)が挙げられる。
文献(1)は、実開平5−16939号の「瓦平板部表面に多目的勾配凹を備えた平瓦」であり、この考案は、差込み部を備えた略方形状の平板部と、この平板部の表面に尻側から頭側に向って下り勾配の凹面を形成し、流水面の勾配が前傾し雨水の流下を促す構成とした多目的勾配凹を備えた平瓦であり、雨仕舞いの向上を図ることを意図する。
また文献(2)は、特開2005−2630「屋根瓦及びそれを使用した屋根の通気構造」であり、この発明は、屋根瓦の瓦本体の尻部裏面に設けた係止突起(引掛け)の突出高さを、瓦棧木(位置決め部材)の厚みより大きく形成し、葺設時に瓦棧木と屋根瓦裏面との間に通気空間を設けること、又は係止突起の先端を平面とし、野地面との安定を図る構成であって、屋根地及び/又は瓦棧木の乾燥を促進しつつ、この瓦棧木の腐蝕防止を図ることを意図する。
実開平5−16939号 特開2005−2630
以上で説明した文献(1)は、瓦裏に回り込んだ雨水が日照で蒸発した熱気を逃がす手段が見あたらないこと、アンダーラップ裏面が瓦本体の裏面より突出しており瓦棧等に載架する際に安定性の確保が難しいこと等の課題が残る。
また文献(2)は、引掛けの形状寸法を推計した場合、その容積は在来例に比し少なくとも数倍となり、粘土瓦を想定すると生産、施工に際し重大な障害をもたらす虞があり、実用に供するには、幾多の課題を残す。ここで、前述した引掛けの寸法を試算すれば、引掛けの出っ張り高さは、瓦棧木の厚さに通気路分を加算した寸法(一例では、瓦棧木の厚さ15mmに通気路10mmを加えた25mmとなる)を必要とし、また引掛けの下端面幅は、野地面との安定性を確保できる寸法(瓦の安定性を保ち、下地を痛めないことを考慮すると10mm超が望ましい)が必要である。
何れにしてもこれらの文献(1)(2)には、幾多の課題が残り、本発明の如く、[1]〜[3]の目的を総合的、かつ有機的に達成するには不充分である。
請求項1の発明は、[イ] この平板瓦は、瓦本体の表面を尻側から頭側端に至る下向き傾斜面とし、屋根勾配に対する流水面の戻り勾配を緩和する構成として、雨水の流下を促進すること、[ロ] 流水面の両側に膨出帯を形成し、葺き合わせ部への雨水の回り込みを抑制すること、[ハ] 瓦本体の肉厚を略均等とし、裏面を尻側から頭側に至る下向き傾斜面に構成し、屋根地と平板瓦の裏面との間に生成される熱気の棟方向への上昇を促すこと、[ニ] 瓦本体裏面の尻側端に、平板瓦の裏面の熱気を逃がす空間部を複数個所形成し、排気を図ること、[ホ] 尻側端裏面の空間部をプレス成形する際の二次効果として、尻側端表面に形成する水返し突条の形状確保と、周辺部のキレ防止に役立つこと、[ヘ] 引掛けの高さは10mm程で充分機能し、また横棧に引掛けることで、軒先方向へのズレ動きを規制できること、さらに在来のプレス装置を利用しての成形が可能とすること、またその際において、成形が容易とすること、[ト] 瓦本体裏面の尻側端から頭側垂れ部に至る複数条のリブを設け、このリブの上端面とアンダーラップの裏面を利用して、施工時、瓦棧に安定姿勢を確保し載架すること、等を意図する。
請求項1は、瓦本体の一方側にアンダーラップを他方側にオーバーラップを有する平板瓦であって、
この瓦本体の表面側には、この瓦本体の尻側やや内方より、頭側の垂れ部に至る下向き傾斜表面と、この下向き傾斜表面の両側に膨出帯をそれぞれ形成し、この他方の膨出帯を前記オーバーラップとし、またその一方の膨出帯の外側に一段低くなった前記アンダーラップを形成し、このアンダーラップの端部に水返し突条を形成し、また前記一方・他方の膨出帯の頭側端部に段付部を形成し、
また前記瓦本体の裏面側には、この瓦本体の尻側端部に引掛けと、この引掛け間に一箇所又は数箇所の空気流通用の空間部を設け、またこの瓦本体の尻側やや内方より、頭側の垂れ部に至る下向き傾斜裏面を形成し、前記尻側より、頭側の垂れ部やや内方に至って高さが順次低くなった複数本のリブを形成し、
前記下向き傾斜表面と下向き傾斜裏面とが略平行した面を形成し、前記瓦本体の肉厚を略均等に形成し、また前記肉薄の段付部に、瓦本体の裏面側の垂れ部が載架される構成とした緩勾配用の平板瓦である。
請求項2の発明は、前述の[イ]〜[ト]の目的を達成すること、又は[チ] 尻側(又は尻側端部)の係止突部と、頭側端部の被係止肉薄片との係止関係で、斜め上下に隣接配置される平板瓦相互の連繋を図り、この平板瓦の耐震、耐風雨効果に役立つ浮揚、飛散又はズレ防止を可能とすること、等を意図する。
請求項2は、瓦本体の一方側にアンダーラップを他方側にオーバーラップを有する平板瓦であって、
この瓦本体の表面側には、この瓦本体の尻側やや内方より、頭側の垂れ部に至る下向き傾斜表面と、この下向き傾斜表面の両側に膨出帯をそれぞれ形成し、この他方の膨出帯を前記オーバーラップとし、またその一方の膨出帯の外側に一段低くなった前記アンダーラップを形成し、このアンダーラップの端部に水返し突条を形成し、また前記一方・他方の膨出帯の頭側端部に肉薄の段付部を形成し、
また前記瓦本体の裏面側には、この瓦本体の尻側端部に引掛けと、この引掛け間に一箇所又は数箇所の空気流通用の空間部を設け、またこの瓦本体の尻側やや内方より、頭側の垂れ部に至る下向き傾斜裏面を形成し、前記尻側より、頭側の垂れ部やや内方に至って高さが順次低くなった複数本のリブを形成し、
前記下向き傾斜表面と下向き傾斜裏面とが略平行した面を形成し、前記瓦本体の肉厚を略均等に形成し、また前記肉薄の段付部に、瓦本体の裏面側の垂れ部が載架される構成とし、
さらに前記アンダーラップの頭側端部に被係止肉薄片を形成し、前記瓦本体の尻側の水返し突条に隣接し、この尻側の表面より膨出した二方向に傾斜壁片を備えた係止突部を形成し、当該平板瓦を葺設した際に、この被係止肉薄片をこの係止突部に係止する構成とし、前記瓦本体の裏面側のオーバーラップの内端部に、前記係止突部の進入を許す凹部を形成する構成とした緩勾配用の平板瓦である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適なリブと空間部を提供することを意図する。
請求項3は、請求項1又は請求項2に記載の緩勾配用の平板瓦であって、この瓦本体の裏面側に設けたリブの尻側における膨出高さを、前記裏面より突設し、またこの瓦本体の裏面側に設けた空間部の底部を、この瓦本体の裏面と略同一面とする構成とし、当該平板瓦を葺設した際に、屋根地に敷設した横棧に前記リブが当接するとともに、この横棧と前記空間部との間に通気路が形成される構成とした緩勾配用の平板瓦である。
請求項1の発明は、瓦本体の一方側にアンダーラップを他方側にオーバーラップを有する平板瓦であって、
瓦本体の表面側には、瓦本体の尻側やや内方より、頭側の垂れ部に至る下向き傾斜表面と、下向き傾斜表面の両側に膨出帯をそれぞれ形成し、他方の膨出帯をオーバーラップとし、また一方の膨出帯の外側に一段低くなったアンダーラップを形成し、アンダーラップの端部に水返し突条を形成し、また一方・他方の膨出帯の頭側端部に段付部を形成し、
また瓦本体の裏面側には、瓦本体の尻側端部に引掛けと、引掛け間に一箇所又は数箇所の空気流通用の空間部を設け、また瓦本体の尻側やや内方より、頭側の垂れ部に至る下向き傾斜裏面を形成し、尻側より、頭側の垂れ部やや内方に至って高さが順次低くなった複数本のリブを形成し、
下向き傾斜表面と下向き傾斜裏面とが略平行した面を形成し、瓦本体の肉厚を略均等に形成し、また肉薄の段付部に、瓦本体の裏面側の垂れ部が載架される構成とした緩勾配用の平板瓦である。
従って、請求項1は、[イ] この平板瓦は、瓦本体の表面を尻側から頭側端に至る下向き傾斜面とし、屋根勾配に対する流水面の戻り勾配を緩和する構成として、雨水の流下を促進できること、[ロ] 流水面の両側に膨出帯を形成し、葺き合わせ部への雨水の回り込みを抑制できること、[ハ] 瓦本体の肉厚を略均等とし、裏面を尻側から頭側に至る下向き傾斜面に構成し、屋根地と平板瓦の裏面との間に生成される熱気の棟方向への上昇が促されること、[ニ] 瓦本体裏面の尻側端に、平板瓦の裏面の熱気を逃がす空間部を複数個所形成し、排気が図れること、[ホ] 尻側端裏面の空間部をプレス成形する際の二次効果として、尻側端表面に形成する水返し突条の形状確保と、周辺部のキレ防止に役立つこと、[ヘ] 引掛けの高さは10mm程で充分機能し、また横棧に引掛けることで、軒先方向へのズレ動きを規制できること、さらに在来のプレス装置を利用しての成形が可能となること、またその際において、成形が容易となること、[ト] 瓦本体裏面の尻側端から頭側垂れ部に至る複数条のリブを設け、このリブの上端面とアンダーラップの裏面を利用して、施工時、瓦棧に安定姿勢を確保し載架できること、等の特徴を有する。
請求項2の発明は、瓦本体の一方側にアンダーラップを他方側にオーバーラップを有する平板瓦であって、
瓦本体の表面側には、瓦本体の尻側やや内方より、頭側の垂れ部に至る下向き傾斜表面と、下向き傾斜表面の両側に膨出帯をそれぞれ形成し、他方の膨出帯をオーバーラップとし、また一方の膨出帯の外側に一段低くなったアンダーラップを形成し、アンダーラップの端部に水返し突条を形成し、また一方・他方の膨出帯の頭側端部に肉薄の段付部を形成し、
また瓦本体の裏面側には、瓦本体の尻側端部に引掛けと、引掛け間に一箇所又は数箇所の空気流通用の空間部を設け、また瓦本体の尻側やや内方より、頭側の垂れ部に至る下向き傾斜裏面を形成し、尻側より、頭側の垂れ部やや内方に至って高さが順次低くなった複数本のリブを形成し、
下向き傾斜表面と下向き傾斜裏面とが略平行した面を形成し、瓦本体の肉厚を略均等に形成し、また肉薄の段付部に、瓦本体の裏面側の垂れ部が載架される構成とし、
さらにアンダーラップの頭側端部に被係止肉薄片を形成し、瓦本体の尻側の水返し突条に隣接し、尻側の表面より膨出した二方向に傾斜壁片を備えた係止突部を形成し、平板瓦を葺設した際に、被係止肉薄片を係止突部に係止する構成とし、瓦本体の裏面側のオーバーラップの内端部に、係止突部の進入を許す凹部を形成する構成とした緩勾配用の平板瓦である。
従って、請求項2は、前述の[イ]〜[ト]の目的を達成できること、又は[チ] 尻側(又は尻側端部)の係止突部と、頭側端部の被係止肉薄片との係止関係で、斜め上下に隣接配置される平板瓦相互の連繋を図り、この平板瓦の耐震、耐風雨効果に役立つ浮揚、飛散又はズレ防止が図れること等の特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の緩勾配用の平板瓦であって、瓦本体の裏面側に設けたリブの尻側における膨出高さを、裏面より突設し、また瓦本体の裏面側に設けた空間部の底部を、瓦本体の裏面と略同一面とする構成とし、平板瓦を葺設した際に、屋根地に敷設した横棧にリブが当接するとともに、横棧と空間部との間に通気路が形成される構成とした緩勾配用の平板瓦である。
従って、請求項3は、請求項1又は請求項2の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適なリブと空間部を提供できること等の特徴を有する。
本発明に基づく「筋葺き用及び/又は千鳥葺き用の平板瓦(耐震、耐風雨用の平板瓦)」(以下、瓦とする)の一実施例を説明する。
本発明の一例を図1〜図9に基づいて説明する。この一例における緩勾配用の平板瓦Aは、筋葺き兼千鳥葺き併用の平板瓦Aであり、この平板瓦Aは、瓦本体1の一方側1−1にアンダーラップ2を、その他方側1−2にオーバーラップ3を有する筋葺き兼千鳥葺き用として兼用可能となっており、次のような構成となっている。
平板瓦Aの瓦本体1の表面側100には、尻側1−3の重なり部100−2を残して、頭側1−4の垂れ部5に至る下向き傾斜表面6を形成する。そして、この下向き傾斜表面6の流れ方向(瓦の尻側1−3から頭側1−4の方向をいう)の両側には、膨出帯3−1、3−2が分割して設けられている。そして、この他方側1−2の膨出帯3−2は広幅とする。この他方側1−2の膨出帯3−2はオーバーラップ3となる。また一方側1−1の膨出帯3−1は細幅とする。この一方側1−1の膨出帯3−1の外側に一段低くなった前記アンダーラップ2を形成する。
また、膨出部3−1、3−2の頭側1−4の端部1−5にそれぞれ肉薄の段付部7、7(7とする)を形成する。図中8は尻側水返し突条、9は釘孔、10は表面側100に設けた対の内側水返し突条、11はアンダーラップ2に設けた水返し突条をそれぞれ示す。
また瓦本体1の裏面側101には、瓦本体1の尻側1−3端部に引掛け13と、引掛け13間に複数の空気流通用に空間部14を一箇所又は数箇所設け、また瓦本体1の尻側1−3やや内方より(表面側100の重なり部100−2を残して)、頭側1−4の垂れ部5に至る下向き傾斜裏面15を形成し、さらに尻側1−3より、頭側1−4の垂れ部5やや内方に至って高さが低くなった複数本のリブ17を形成する構造である。そして、この場合、リブ17の上端面をアンダーラップ2の裏面2aと同一面に揃えるのが、望ましい。
尚、前記下向き傾斜表面6と下向き傾斜裏面15とが略平行した面を形成し、瓦本体1の肉厚103を略均等に形成する。また前記段付部7には、瓦本体1の裏面側101の垂れ部5の下端面5−1が載架される構成であって、結束時の安定化、容易化を図る構成となっている。
尚、この例では、図示しないが、表面頭側略中央部に、尻側1−3を頂点とする略二等辺三角形状の分水堤を設けた構成とすれば、千鳥葺きに採用した場合に、下段に配置した平板瓦A、A1の葺合わせ部への雨水流下を回避し、雨仕舞い効果を高め得る特徴がある。
そして、この例では、図示しないが、アンダーラップ2の側端部を所定の金具等で下地材(図示せず)に緊結する葺設工法を採用すれば、頭側1−4の浮き上がりを防止し耐震、耐風雨性能が向上する。
また、尻側1−3の裏面端部1−6において、空間部14をプレス成形する際、粘土を表面側100に押圧する作用により、尻側水返し突条8を盛り上げ形成することで、例えば、安定した形状の確保と、土の流動化を図りつつ、この尻側水返し突条8周辺のキレ防止が図れること等の二次的効果が期待できる。
◎ つぎに、この一実施例について、平板瓦A、A1等の葺設状態を説明する。
この平板瓦Aの引掛け13を屋根地Rに固定した瓦棧R1に係止し、釘孔9を介して瓦棧R1に釘止めする。そして、この平板瓦Aのアンダーラップ2に他の平板瓦A1のオーバーラップ3を被せ葺きするとともに、瓦棧R1に係止して屋根地Rに緊結する。以後、この作業を繰り返し、同段(一段目)の施工を完了する。その後、これに引き続いて、この一段目の上段に、前述と同様に、次の二段目の葺設を完了する。これらの葺設作業を順次繰り返して、この屋根地Rの葺設を完了(施工を完了)する。
そして、瓦本体1の表面側100の下向き傾斜表面6は、戻り勾配を和らげ流水面の傾斜度を強めており、雨水の流下をスムーズ、かつ促進する。また膨出帯3−1、3−2は、風雨の横走りを遮り葺き合わせ部(アンダーラップ2とオーバーラップ3の葺き合わせ箇所)への雨水の侵入を抑止し、雨仕舞い効果の向上を図る。
さらに、平板瓦Aを瓦棧R1に載架し緊結する際に、裏面側101のリブ17が支えとなり平板瓦Aの安定性が確保される。また瓦棧R1上端面と裏面側101との間に形成されるリブ17の高さ相当の隙間が空間部14に連通し、屋根地Rと下向き傾斜裏面15との間に滞留する高温多湿な空気(熱気E、空気等)を上段の平板瓦Aの裏面側101に誘導する通気路を構成する。
また、裏面側101に併設された複数のリブ17と下向き傾斜裏面15とで構成される台形断面の上向き開放空間は、前記の熱気Eを上方に誘導する(矢印で示す)煙突効果も期待できる。
これらの葺設施工することで、次のような実益がある。先ず、上下段に配置される平板瓦A、A1の葺き合わせ部が、棟方向に一線に揃う葺設ができるとともに、格子状に配置することで、筋葺きとなる。つぎに、この上下段に配置される平板瓦A、A1の葺き合わせ部が、一段毎に互い違いとなる千鳥状に配置することで、千鳥葺きとなる。従って、本発明では、筋葺き用、千鳥葺き用に兼用が可能な構成になっており重宝すること、又は顧客の要望に応え得ること等の実用性がある。
◎ ついで本発明の他の一実施例を、図10〜図14に基づいて説明する。
この例は、耐震、耐風雨機能を備えた筋葺き専用の緩勾配用平板瓦Bであって、その基本的な構造は、前述の筋葺き用、千鳥葺き用に兼用が可能な緩勾配用平板瓦Aに準じているので、その相違点についてのみ記述する。
この他の一実施例では、瓦本体1表面100のオーバーラップ3の尻側1−3の角部に設けた切欠き部19に隣接して、この尻側1−3の隅部には、頭側1−4方向の壁片と、一方側1−1方向の壁片との二方向の傾斜壁片2000、2000で囲まれた略台形状の係止突部20を形成する。そして、この係止突部20には、その裏側に尻側1−3の外方と他方側1−2に向かって開放形状の係止凹部20aを設ける。またアンダーラップ2の一方側1−1にある頭側1−4の内端部には、アンダーラップ2の裏面2aと同レベルの裏面21aを有する被係止肉薄片21を設ける。そして、この被係止肉薄片21は前記の係止凹部20a(係止突部20裏面)に差し込み係止され、下段の平板瓦Bの尻側1−3と、上段の平板瓦B1の頭側1−4との連係関係を確立して、耐震、耐風雨効果を発揮する特徴がある。
尚、この例では、裏面側101において、オーバーラップ3の内端部300に、係止突部20を収容できる凹部23を設け、平板瓦Bの斜め上段に平板瓦B1を葺設する際に、平板瓦Bの係止突部20による平板瓦B1の突き上げを回避できる特徴がある。
◎ さらに、本発明の別の一実施例を、図15〜図19に基づいて説明する。
この例は、耐震、耐風雨機能を備えた千鳥葺き専用の緩勾配用平板瓦Cであって、その構成は、前記の筋葺き専用の緩勾配用平板瓦Bに準ずるので、その相違点について説明する。
この別の一例では、瓦本体1表面100の尻側1−3であって、その中央部付近に、二方向の傾斜壁片2000、2000で囲まれ、裏面に係止凹部20aを備えた略台形状の係止突部20を設ける。またアンダーラップ2の頭側寄り側端部にあって、アンダーラップ2の裏面2aより一段下がった裏面21aを有する被係止肉薄片21を設ける。
そして、この被係止肉薄片21を前記係止凹部20a(係止突部20裏面)に差し込み係止し、斜め上下の平板瓦C、C1相互間の連係関係を確立して、耐震、耐風雨効果を発揮する特徴がある。
◎ 尚、図示しないが、軒先に本発明の平板瓦A、A1・・・・・を葺設することで、リブ17が瓦座に接し、空間部14により空間が形成されることは、該部における空気の流通(通気)を可能とするとともに、乾燥に役立つこと等の特徴を有する。そして、この実施例、又は前述した各実施例における空間部14が、換気棟構造との併用を介して屋根全体の換気(軒先から棟部への通気・換気)と、換気棟の特徴を最大限に発揮できるので、例えば、夏季の冷却効果と、屋根地Rの乾燥等に役立つ特徴がある。
本発明の一実施例を示した平板瓦の表面図 本発明の一実施例を示した平板瓦の裏面図 図1の尻側正面図 図1の頭側正面図 図1のD−D拡大断面図 (1)図1のオーバーラップ側の積層状態を示した拡大側面図 (2)図1のアンダーラップ側の積層状態を示した拡大側面図 (1)図1の葺設状態を示す断面模式図 (2)図1の葺設状態を示す要部の拡大断面模式図 図1の筋葺きの葺設状態の一例を示す模式図 図1の千鳥葺きの葺設状態の一例を示す模式図 本発明の他の一実施例を示した平板瓦の表面図 本発明の他の一実施例を示した平板瓦の裏面図 図10の尻側正面図 図10の頭側正面図 図10の筋葺きの葺設状態の一例を示す模式図 本発明の別の一実施例を示した平板瓦の表面図 本発明の別の一実施例を示した平板瓦の裏面図 図15の尻側正面図 図15の頭側正面図 図15の千鳥葺きの葺設状態の一例を示す模式図
符号の説明
1 瓦本体
100 表面側
100−2 重なり部
101 裏面側
1−1 一方側
1−2 他方側
1−3 尻側
1−4 頭側
1−5 端部
1−6 裏面端部
2 アンダーラップ
2a 裏面
3 オーバーラップ
3−1 膨出帯
3−2 膨出帯
5 垂れ部
5−1 下端面
6 下向き傾斜表面
7 段付部
8 尻側水返し突条
9 釘孔
10 内側水返し突条
11 水返し突条
13 引掛け
14 空間部
15 下向き傾斜裏面
17 リブ
19 切欠き部
20 係止突部
20a 係止凹部
21 被係止肉薄片
21a 裏面
23 凹部
A 平板瓦
A1 平板瓦
B 平板瓦
B1 平板瓦
C 平板瓦
C1 平板瓦
E 熱気
R 屋根地
R1 瓦棧
103 肉厚
2000 傾斜壁片
300 内端部

Claims (3)

  1. 瓦本体の一方側にアンダーラップを他方側にオーバーラップを有する平板瓦であって、
    この瓦本体の表面側には、この瓦本体の尻側やや内方より、頭側の垂れ部に至る下向き傾斜表面と、この下向き傾斜表面の両側に膨出帯をそれぞれ形成し、この他方の膨出帯を前記オーバーラップとし、またその一方の膨出帯の外側に一段低くなった前記アンダーラップを形成し、このアンダーラップの端部に水返し突条を形成し、また前記一方・他方の膨出帯の頭側端部に段付部を形成し、
    また前記瓦本体の裏面側には、この瓦本体の尻側端部に引掛けと、この引掛け間に一箇所又は数箇所の空気流通用の空間部を設け、またこの瓦本体の尻側やや内方より、頭側の垂れ部に至る下向き傾斜裏面を形成し、前記尻側より、頭側の垂れ部やや内方に至って高さが順次低くなった複数本のリブを形成し、
    前記下向き傾斜表面と下向き傾斜裏面とが略平行した面を形成し、前記瓦本体の肉厚を略均等に形成し、また前記肉薄の段付部に、瓦本体の裏面側の垂れ部が載架される構成とした緩勾配用の平板瓦。
  2. 瓦本体の一方側にアンダーラップを他方側にオーバーラップを有する平板瓦であって、
    この瓦本体の表面側には、この瓦本体の尻側やや内方より、頭側の垂れ部に至る下向き傾斜表面と、この下向き傾斜表面の両側に膨出帯をそれぞれ形成し、この他方の膨出帯を前記オーバーラップとし、またその一方の膨出帯の外側に一段低くなった前記アンダーラップを形成し、このアンダーラップの端部に水返し突条を形成し、また前記一方・他方の膨出帯の頭側端部に肉薄の段付部を形成し、
    また前記瓦本体の裏面側には、この瓦本体の尻側端部に引掛けと、この引掛け間に一箇所又は数箇所の空気流通用の空間部を設け、またこの瓦本体の尻側やや内方より、頭側の垂れ部に至る下向き傾斜裏面を形成し、前記尻側より、頭側の垂れ部やや内方に至って高さが順次低くなった複数本のリブを形成し、
    前記下向き傾斜表面と下向き傾斜裏面とが略平行した面を形成し、前記瓦本体の肉厚を略均等に形成し、また前記肉薄の段付部に、瓦本体の裏面側の垂れ部が載架される構成とし、
    さらに前記アンダーラップの頭側端部に被係止肉薄片を形成し、前記瓦本体の尻側の水返し突条に隣接し、この尻側の表面より膨出した二方向に傾斜壁片を備えた係止突部を形成し、当該平板瓦を葺設した際に、この被係止肉薄片をこの係止突部に係止する構成とし、前記瓦本体の裏面側のオーバーラップの内端部に、前記係止突部の進入を許す凹部を形成する構成とした緩勾配用の平板瓦。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の緩勾配用の平板瓦であって、この瓦本体の裏面側に設けたリブの尻側における膨出高さを、前記裏面より突設し、またこの瓦本体の裏面側に設けた空間部の底部を、この瓦本体の裏面と略同一面とする構成とし、当該平板瓦を葺設した際に、屋根地に敷設した横棧に前記リブが当接するとともに、この横棧と前記空間部との間に通気路が形成される構成とした緩勾配用の平板瓦。
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