JP2006348244A - 酸化亜鉛紫外発光体、酸化亜鉛紫外発光体薄膜、およびそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の課題は、酸化亜鉛の紫外発光効率を飛躍的に向上させ、かつ緑色発光を安価かつ簡易な方法で抑制した高効率酸化亜鉛紫外発光体を製造する方法、およびその製造方法によって得られる紫外発光体を提供することにある。
【解決手段】 本発明は、水素を含むガス雰囲気下で酸化亜鉛を加熱する工程を包含する、酸化亜鉛紫外発光体を製造する方法を提供する。本発明はまた、a)酸化亜鉛を大気中で加熱し焼結する工程;およびb)水素を含む混合ガス雰囲気下で該焼結した酸化亜鉛を加熱する工程を包含する、酸化亜鉛紫外発光体を製造する方法を提供する。これらの製造方法により、発光ピーク波長380nmの発光効率が100倍以上の酸化亜鉛紫外発光体が得られる。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明は、水素を含むガス雰囲気下で酸化亜鉛を加熱する工程を包含する、酸化亜鉛紫外発光体を製造する方法を提供する。本発明はまた、a)酸化亜鉛を大気中で加熱し焼結する工程;およびb)水素を含む混合ガス雰囲気下で該焼結した酸化亜鉛を加熱する工程を包含する、酸化亜鉛紫外発光体を製造する方法を提供する。これらの製造方法により、発光ピーク波長380nmの発光効率が100倍以上の酸化亜鉛紫外発光体が得られる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、高効率酸化亜鉛紫外発光体の製造方法に関するものであり、より詳しくは、多結晶ZnOを高温で水素還元することにより、酸化亜鉛の紫外発光効率を飛躍的に向上させ、かつ結晶構造中に生成する酸素空孔または格子間亜鉛原子が形成するドナー準位に起因するとされる緑色発光を安価かつ簡易な方法で抑制する方法に関する。本発明はまた、上記製造方法によって得られる酸化亜鉛紫外発光体、その酸化亜鉛紫外発光体の薄膜、およびその薄膜を含む発光素子、電子デバイスに関する。
酸化亜鉛(ZnO)は、ウルツ鉱型の結晶構造を持った半導体であり、禁制帯幅3.4eVを有する直接遷移型のバンドギャップを持つ化合物である。このような特性から、酸化亜鉛は、青色から紫外域の光電子デバイス用材料として有望であり、禁制帯域がほぼ同じ窒化ガリウムに比べて、励起子結合エネルギーが格段に大きく(ZnO:59meV、GaN:21meV、ZnSe:20meV)、室温においても高効率な励起子発光過程を利用した、単色性に優れた発光デバイスが実現可能な材料として期待されている。また、酸化亜鉛粉末は、緑色の蛍光体として利用されてきており、近年は、その広いバンドギャップを利用した透明導電体および発光体としての応用が検討されている。この蛍光体として利用されている酸化亜鉛の緑色発光(光子のエネルギー:2.3eV)は、バンドギャップ内に存在する酸素欠損等の不純物準位に起因した発光とされている。
最近、酸化亜鉛は、有力な紫外発光材料として注目されている。しかし、通常、酸化亜鉛は、上記理由により緑色発光の強度が強く、紫外発光材料として使用するためには、緑色発光を抑制しなければならなかった。そのためには、欠陥を極力減らした良質結晶を作製することが必要であった。
このような背景から、特許文献1には、少なくとも亜鉛と酸素とを基板上で反応させ、基板上に酸化亜鉛系結晶を成長させ、良質の結晶性ZnO膜の製造方法が開示されている(図4)。一方、特許文献2および非特許文献1には、酸化亜鉛に800〜1200℃の高温下で水素プラズマを照射し水素ドーピングすると、酸化亜鉛特有の発光ピーク波長380nmの発光効率を向上させ得ることを見出した(図5)。しかしながら、これらの先行技術に開示される方法はいずれも、分子線エピタキシ(MBE)法または化学的気相成長(CVD)法を利用して制御された条件の下で欠陥の少ない単結晶ZnOを作製することであり、図4および5に示す如く大掛かりな装置を必要とするため、莫大な製造コストがかかり、工業的大量生産には向いていないという問題があった。
特開2004−221352号公報
特開2003−277748号公報
プレス発表 National Institute for Materials Science,石垣ら,2002年11月
本発明の課題は、酸化亜鉛の紫外発光効率を飛躍的に向上させ、かつ緑色発光を安価かつ簡易な方法で抑制した高効率酸化亜鉛紫外発光体を製造する方法、およびその製造方法によって得られる紫外発光体を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、プラズマ装置およびビーム照射装置等を必要とせず、単に水素を含む気体中で加熱するだけで、発光効率が少なくとも100倍以上向上するという、これまでに到底達し得なかった高効率紫外発光が得られることを見出し、上記課題を解決した。
従って、本発明は以下を提供する。
(1)酸化亜鉛紫外発光体を製造する方法であって、
水素を含むガス雰囲気下で、酸化亜鉛を加熱する工程、
を包含する、方法。
(2)上記ガスが、水素と不活性ガスとの混合ガスである、項目(1)に記載の方法。
(3)上記混合ガス中に占める水素の割合が、0.1〜95体積%である、項目(2)に記載の方法。
(4) 前記不活性ガスが、ヘリウム、窒素、ネオンまたはアルゴンの、一種あるいは少なくとも二種以上の組み合わせである、項目(2)または(3)に記載の方法。
(5)上記加熱工程が、650〜890℃の温度で行われる、項目(1)〜(4)のいずれか1項に記載の方法。
(6)上記温度で10〜30分間保持される、項目(5)に記載の方法。
(7)上記加熱工程が、大気圧以上の圧力下で行われる、項目(1)〜(6)のいずれか1項に記載の方法。
(8)上記工程で加熱される酸化亜鉛が、単結晶もしくは多結晶の酸化亜鉛またはその焼結体である、項目(1)〜(7)のいずれか1項に記載の方法。
(9)項目(1)〜(8)のいずれか1項に記載の方法によって製造された、酸化亜鉛紫外発光体。
(10)紫外発光効率が100倍以上である、酸化亜鉛紫外発光体。
(11)緑色発光が実質的に抑制されている、項目(10)に記載の酸化亜鉛紫外発光体。
(12)紫外発光効率が500倍以上である、酸化亜鉛紫外発光体。
(13)緑色発光に対する紫外発光の発光強度比が、0.3以上である、酸化亜鉛紫外発光体。
(14)緑色発光に対する紫外発光の発光強度比が、1以上である、酸化亜鉛紫外発光体。
(15)酸化亜鉛紫外発光体を製造する方法であって、
a)酸化亜鉛を大気中で加熱し、焼結する工程;および
b)水素を含むガス雰囲気下で、該焼結した酸化亜鉛を加熱する工程、
を包含する、方法。
(16)上記工程a)で加熱焼結される酸化亜鉛が、単結晶または多結晶の酸化亜鉛である、項目(15)に記載の方法。
(17)上記工程a)が、大気圧中で1000〜1500℃に加熱することによって行われる、項目(15)または(16)に記載の方法。
(18)上記工程b)におけるガスが、水素と不活性ガスとの混合ガスである、項目(15)〜(17)のいずれか1項に記載の方法。
(19)上記混合ガス中に占める水素の割合が、0.1〜95体積%である、項目(18)に記載の方法。
(20)上記不活性ガスが、ヘリウム、窒素、ネオンまたはアルゴンの、一種あるいは少なくとも二種以上の組み合わせである、項目(18)または(19)に記載の方法。
(21)上記工程b)が、650〜890℃の温度で行われる、項目(15)〜(20)のいずれか1項に記載の方法。
(22)上記温度で10〜30分間保持される、項目(21)に記載の方法。
(23)上記工程b)が、大気圧以上の圧力下で行われる、項目(15)〜(22)のいずれか1項に記載の方法。
(24)項目(15)〜(23)のいずれか1項に記載の方法によって製造された、酸化亜鉛紫外発光体。
(25)酸化亜鉛紫外発光体薄膜を製造する方法であって、
a)基板上に酸化亜鉛薄膜を形成する工程;および
b)水素を含むガス雰囲気下で、該酸化亜鉛薄膜を加熱する工程、
を包含する、方法。
(26)上記工程a)が、MBE法またはCVD法により行われる、項目(25)に記載の方法。
(27)上記工程b)におけるガスが、水素と不活性ガスとの混合ガスである、項目(25)または(26)に記載の方法。
(28)上記混合ガス中に占める水素の割合が、0.1〜95体積%である、項目(27)に記載の方法。
(29)上記不活性ガスが、ヘリウム、窒素、ネオンまたはアルゴンの、一種あるいは少なくとも二種以上の組み合わせである、項目(27)または(28)に記載の方法。
(30)上記加熱工程が、650〜890℃の温度で行われる、項目(25)〜(29)のいずれか1項に記載の方法。
(31)上記温度で10〜30分間保持される、項目(30)に記載の方法。
(32)上記工程b)が、大気圧以上の圧力下で行われる、項目(25)〜(31)のいずれか1項に記載の方法。
(33)項目(25)〜(32)のいずれか1項に記載の方法によって製造された、酸化亜鉛紫外発光体薄膜。
(34)紫外発光効率が100倍以上である、酸化亜鉛紫外発光体薄膜。
(35)緑色発光が実質的に抑制されている、項目(34)に記載の酸化亜鉛紫外発光体薄膜。
(36)紫外発光効率が500倍以上である、酸化亜鉛紫外発光体薄膜。
(37)緑色発光に対する紫外発光の発光強度比が、0.3以上である、酸化亜鉛紫外発光体薄膜。
(38)緑色発光に対する紫外発光の発光強度比が、1以上である、酸化亜鉛紫外発光体薄膜。
(39)項目(33)〜(38)のいずれか1項に記載の酸化亜鉛紫外発光体薄膜を含む、発光素子。
(40)項目(33)〜(38)のいずれか1項に記載の酸化亜鉛紫外発光体薄膜を含む、電子デバイス。
(1)酸化亜鉛紫外発光体を製造する方法であって、
水素を含むガス雰囲気下で、酸化亜鉛を加熱する工程、
を包含する、方法。
(2)上記ガスが、水素と不活性ガスとの混合ガスである、項目(1)に記載の方法。
(3)上記混合ガス中に占める水素の割合が、0.1〜95体積%である、項目(2)に記載の方法。
(4) 前記不活性ガスが、ヘリウム、窒素、ネオンまたはアルゴンの、一種あるいは少なくとも二種以上の組み合わせである、項目(2)または(3)に記載の方法。
(5)上記加熱工程が、650〜890℃の温度で行われる、項目(1)〜(4)のいずれか1項に記載の方法。
(6)上記温度で10〜30分間保持される、項目(5)に記載の方法。
(7)上記加熱工程が、大気圧以上の圧力下で行われる、項目(1)〜(6)のいずれか1項に記載の方法。
(8)上記工程で加熱される酸化亜鉛が、単結晶もしくは多結晶の酸化亜鉛またはその焼結体である、項目(1)〜(7)のいずれか1項に記載の方法。
(9)項目(1)〜(8)のいずれか1項に記載の方法によって製造された、酸化亜鉛紫外発光体。
(10)紫外発光効率が100倍以上である、酸化亜鉛紫外発光体。
(11)緑色発光が実質的に抑制されている、項目(10)に記載の酸化亜鉛紫外発光体。
(12)紫外発光効率が500倍以上である、酸化亜鉛紫外発光体。
(13)緑色発光に対する紫外発光の発光強度比が、0.3以上である、酸化亜鉛紫外発光体。
(14)緑色発光に対する紫外発光の発光強度比が、1以上である、酸化亜鉛紫外発光体。
(15)酸化亜鉛紫外発光体を製造する方法であって、
a)酸化亜鉛を大気中で加熱し、焼結する工程;および
b)水素を含むガス雰囲気下で、該焼結した酸化亜鉛を加熱する工程、
を包含する、方法。
(16)上記工程a)で加熱焼結される酸化亜鉛が、単結晶または多結晶の酸化亜鉛である、項目(15)に記載の方法。
(17)上記工程a)が、大気圧中で1000〜1500℃に加熱することによって行われる、項目(15)または(16)に記載の方法。
(18)上記工程b)におけるガスが、水素と不活性ガスとの混合ガスである、項目(15)〜(17)のいずれか1項に記載の方法。
(19)上記混合ガス中に占める水素の割合が、0.1〜95体積%である、項目(18)に記載の方法。
(20)上記不活性ガスが、ヘリウム、窒素、ネオンまたはアルゴンの、一種あるいは少なくとも二種以上の組み合わせである、項目(18)または(19)に記載の方法。
(21)上記工程b)が、650〜890℃の温度で行われる、項目(15)〜(20)のいずれか1項に記載の方法。
(22)上記温度で10〜30分間保持される、項目(21)に記載の方法。
(23)上記工程b)が、大気圧以上の圧力下で行われる、項目(15)〜(22)のいずれか1項に記載の方法。
(24)項目(15)〜(23)のいずれか1項に記載の方法によって製造された、酸化亜鉛紫外発光体。
(25)酸化亜鉛紫外発光体薄膜を製造する方法であって、
a)基板上に酸化亜鉛薄膜を形成する工程;および
b)水素を含むガス雰囲気下で、該酸化亜鉛薄膜を加熱する工程、
を包含する、方法。
(26)上記工程a)が、MBE法またはCVD法により行われる、項目(25)に記載の方法。
(27)上記工程b)におけるガスが、水素と不活性ガスとの混合ガスである、項目(25)または(26)に記載の方法。
(28)上記混合ガス中に占める水素の割合が、0.1〜95体積%である、項目(27)に記載の方法。
(29)上記不活性ガスが、ヘリウム、窒素、ネオンまたはアルゴンの、一種あるいは少なくとも二種以上の組み合わせである、項目(27)または(28)に記載の方法。
(30)上記加熱工程が、650〜890℃の温度で行われる、項目(25)〜(29)のいずれか1項に記載の方法。
(31)上記温度で10〜30分間保持される、項目(30)に記載の方法。
(32)上記工程b)が、大気圧以上の圧力下で行われる、項目(25)〜(31)のいずれか1項に記載の方法。
(33)項目(25)〜(32)のいずれか1項に記載の方法によって製造された、酸化亜鉛紫外発光体薄膜。
(34)紫外発光効率が100倍以上である、酸化亜鉛紫外発光体薄膜。
(35)緑色発光が実質的に抑制されている、項目(34)に記載の酸化亜鉛紫外発光体薄膜。
(36)紫外発光効率が500倍以上である、酸化亜鉛紫外発光体薄膜。
(37)緑色発光に対する紫外発光の発光強度比が、0.3以上である、酸化亜鉛紫外発光体薄膜。
(38)緑色発光に対する紫外発光の発光強度比が、1以上である、酸化亜鉛紫外発光体薄膜。
(39)項目(33)〜(38)のいずれか1項に記載の酸化亜鉛紫外発光体薄膜を含む、発光素子。
(40)項目(33)〜(38)のいずれか1項に記載の酸化亜鉛紫外発光体薄膜を含む、電子デバイス。
本発明によれば、大掛かりな装置を必要とせず、低コストで酸化亜鉛の緑色発光を抑制し、高効率酸化亜鉛紫外発光体を製造する方法、およびそれによって製造される高効率酸化亜鉛紫外発光体を提供することができる。
以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。
(用語)
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
本明細書の方法において対象となる「酸化亜鉛」は、単結晶もしくは多結晶の酸化亜鉛、またはそれらの焼結体のいずれであってもよく、粉末状、固形状(例えば、ペレット)または薄膜のいずれの形態をとっていてもよい。また、酸化亜鉛を主成分として添加物を含むもの、または不純物が含まれているものでもよい。酸化亜鉛固有の電子特性については、前述の背景技術の項で説明したとおりである。本発明の酸化亜鉛紫外発光体を製造する際に、加熱される原料酸化亜鉛は、市販のものをそのまま使用してもよい。
本明細書における「酸化亜鉛紫外発光体」とは、高効率に紫外光(酸化亜鉛特有の380nm付近の発光ピーク波長を有する)を発光し、緑色の発光(540nm付近の発光ピーク波長)が実質的に抑制された酸化亜鉛を意味する。本発明の酸化亜鉛紫外発光体は、従来では達成し得なかった紫外発光効率(少なくとも100倍以上)を有する。
本明細書における「水素を含むガス雰囲気」とは、必須成分の水素と水素以外の一種以上の気体とからなり、ガスの総体積に対して少なくとも0.1%以上の水素を含む混合ガスを意味する。ここで、水素以外の一種以上の気体は、目的の酸化亜鉛紫外発光体の紫外発光効率に悪影響を及ぼさず、原料酸化亜鉛の加熱の際に安全性が確保される気体であれば何でもよい。本発明における上記水素以外の気体の例として、不活性ガスが挙げられ、その代表例には、ヘリウム、窒素、ネオンまたはアルゴンの、一種あるいは少なくとも二種以上の組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。なお、本発明における「水素を含むガス」は、「フォーミングガス」と互換可能に使用される。
本明細書における「(酸化亜鉛を)加熱する」工程は、当業者が想定できる周知のあらゆる加熱手段のいずれを用いて行われる。
本明細書における「紫外発光効率」とは、対象となる酸化亜鉛の加熱処理前後の紫外発光ピーク波長における発光強度比を意味する。酸化亜鉛特有の紫外発光ピーク波長は、加熱前後で数ナノメーターだけシフトすることがあるが、これは紫外発光を起こす酸化亜鉛の電子状態が水素を含むガス雰囲気下での加熱によって改変されるためであり、酸化亜鉛の紫外発光の質に何ら影響を及ぼすものではない。本明細書中において、「紫外発光効率」との用語は、それと同意義の「紫外増強因子」と互換可能に使用され得る。
本明細書における「緑色発光が実質的に抑制されている」とは、酸化亜鉛特有の緑色蛍光発光が全く無いか、または発光素子または電子デバイスなどにおける単色の紫外発光体として使用に耐え得る程度に緑色蛍光発光が抑えられていることを意味する。酸化亜鉛の発光スペクトルから求められる積分強度比[IUV/IGreen]が高いほど、より緑色発光が抑制されていることになる。
本明細書における「発光強度」とは、酸化亜鉛の発光スペクトルにおける目的のピークの積分強度を意味する。
本明細書における「発光素子」とは、酸化亜鉛薄膜の紫外発光を利用した発光素子であり、その代表例として、紫外蛍光体等の発光材料、室温で発光する紫外レーザ、紫外発光ダイオード、紫外エレクトロルミネッセンス等が挙げられる。
本明細書における「電子デバイス」とは、酸化亜鉛薄膜を用いた電子デバイスのことであり、その代表例として、薄膜トランジスタ(TFT)、透明導電膜、表面弾性波素子、焦電素子、圧電素子、ガスセンサー、透明導電膜、バリスター等が挙げられる。
(好ましい実施形態の説明)
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきでないことが理解される。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきでないことが理解される。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。
本発明は、水素を含むガス雰囲気下で酸化亜鉛を加熱する工程、を包含する、酸化亜鉛紫外発光体を製造する方法を提供する。この方法は、従来達し得なかったレベルにまで酸化亜鉛の紫外発光効率を飛躍的に向上させ、かつ緑色発光を安価かつ簡易な方法で抑制することのできる画期的な方法である。
好ましい実施形態において、上記水素を含むガスは、水素と不活性ガスとの混合ガスである。この混合ガス中に占める水素の割合は、好ましくは0.1〜95体積%であり、より好ましくは1〜90体積%であり、特に好ましくは、5〜80体積%である。混合ガス中に占める水素の割合が0.1体積%を下回る場合には、酸化亜鉛の緑色発光の抑制および紫外発光効率の向上効果が十分に得られない場合があり、混合ガス中に占める水素の割合が95体積%を超える場合には、加熱の間、水素引火の恐れがあるため、好ましくない。
不活性ガスの好ましい例としては、ヘリウム、窒素、ネオンまたはアルゴンの、一種あるいは少なくとも二種以上の組み合わせである。また、この不活性ガスには、市販の段階ですでに混入されている、ごく微量の、容易に分離できない不活性ガス不純物を含んでいてもよい。
好ましい実施形態において、常圧下での原料酸化亜鉛の加熱は、650〜890℃の温度で、より好ましくは700〜850℃の温度で、さらに好ましくは790〜810℃の温度で、10〜30分保持することによって行われる。加熱温度が650℃を下回る場合には、酸化亜鉛の緑色発光の抑制および紫外発光効率の向上がほとんど観測されず、890℃を上回ると試料が破損してしまうため、好ましくない。また、650〜890℃の加熱温度でも、保持時間が10分を下回ると、酸化亜鉛の緑色発光の抑制および紫外発光効率の向上がほとんど観測されず、30分より長く加熱すると、目的の酸化亜鉛発光体の機械的強度の低下を招く恐れがあり、また加熱長時間化によるさらなる効果が得られず、コストの面からも好ましくない。
本発明の製造方法により、緑色発光に対する紫外発光の発光強度比が、0.3以上、より好ましくは1以上、さらに好ましくは8以上の酸化亜鉛紫外発光体が得られる。
また、本発明の製造方法により、紫外発光効率が100倍以上、より好ましくは500倍以上、さらに好ましくは4000倍以上の酸化亜鉛紫外発光体が得られる。
別の好ましい実施形態において、原料酸化亜鉛の加熱は、大気圧以上の圧力下で行われる。大気圧でも短時間(10〜30分)で十分、本発明の効果が得られるが、それ以上に加圧すると、水素密度が上がるため大幅な加熱時間の短縮が得られる。大気圧を下回ると、加熱時間の長時間化につながり、好ましくない。
本発明の加熱工程で使用される原料酸化亜鉛は、単結晶もしくは多結晶の酸化亜鉛粉末、単結晶もしくは多結晶の酸化亜鉛の圧粉体(例えば、ペレット)、単結晶もしくは多結晶の酸化亜鉛薄膜、またはそれらの焼結体である。
別の局面において、本発明は、a)酸化亜鉛を大気中で加熱し焼結する工程;およびb)水素を含むガス雰囲気下で該焼結した酸化亜鉛を加熱する工程、を包含する、酸化亜鉛紫外発光体を製造する方法を提供する。これにより、機械的強度の高い、酸化亜鉛紫外発光体を提供することができる。
好ましい実施形態において、上記工程a)の焼結は、大気圧中で1000〜1500℃に加熱することによって行われる。この焼結は、特に単結晶もしくは多結晶の酸化亜鉛の圧粉体(例えば、ペレット)を作製する場合に行われる。1000℃を下回る場合には、焼結が不十分であり、1500℃を超えると酸化亜鉛圧粉体の機械的強度の低下を招くおそれがあるため、好ましくない。
この局面の工程b)についての好ましい実施形態は、前述の各実施形態と同様である。
さらに別の局面において、本発明は、a)基板上に酸化亜鉛薄膜を形成する工程;およびb)水素を含むガス雰囲気下で該酸化亜鉛薄膜を加熱する工程、を包含する、酸化亜鉛紫外発光体薄膜を製造する方法を提供する。これにより、紫外発光素子または電子デバイスに適した酸化亜鉛紫外発光体薄膜を提供することができる。好ましい薄膜の厚みは、100〜5000Åである。
好ましい実施形態において、上記工程a)は、薄膜の分野でよく用いられるMBE法またはCVD法により行われる。本発明で使用する基板としては、MBE法またはCVD法を用いて当業者が薄膜を調製する際に使用する基板であれば、何でもよく、好ましい例としては、例えば、サファイア基板が挙げられる。
この局面の工程b)についての好ましい実施形態は、前述の各実施形態と同様である。
本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、その全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援用される。
以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供したのではない。従って、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
次に、実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、酸化亜鉛粉末(シグマ−アルドリッチ社製;0.2g)を用意し、1軸性圧縮(プレス)により、ペレット状に加工した。このペレット状酸化亜鉛圧粉体を、大気中で1250℃に加熱し焼結した。次いで、1気圧のフォーミングガス(水素5体積%/窒素95体積%混合ガス)雰囲気中において、650℃の温度で20分間加熱した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った(図1)。
まず、酸化亜鉛粉末(シグマ−アルドリッチ社製;0.2g)を用意し、1軸性圧縮(プレス)により、ペレット状に加工した。このペレット状酸化亜鉛圧粉体を、大気中で1250℃に加熱し焼結した。次いで、1気圧のフォーミングガス(水素5体積%/窒素95体積%混合ガス)雰囲気中において、650℃の温度で20分間加熱した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った(図1)。
(実施例2)
酸化亜鉛の焼結体を700℃の温度で20分間加熱したことを除いて、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った(図1)。
酸化亜鉛の焼結体を700℃の温度で20分間加熱したことを除いて、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った(図1)。
(実施例3)
酸化亜鉛の焼結体を750℃の温度で20分間加熱したことを除いて、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った(図1)。
酸化亜鉛の焼結体を750℃の温度で20分間加熱したことを除いて、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った(図1)。
(実施例4)
酸化亜鉛の焼結体を800℃の温度で20分間加熱したことを除いて、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った(図1)。
酸化亜鉛の焼結体を800℃の温度で20分間加熱したことを除いて、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った(図1)。
(実施例5)
酸化亜鉛の焼結体を850℃の温度で20分間加熱したことを除いて、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った(図1)。
酸化亜鉛の焼結体を850℃の温度で20分間加熱したことを除いて、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った(図1)。
(実施例6)
1気圧のフォーミングガス(水素0.1体積%/窒素99.9体積%混合ガス)雰囲気中で、800℃の温度で20分間加熱したこと以外は、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った。
1気圧のフォーミングガス(水素0.1体積%/窒素99.9体積%混合ガス)雰囲気中で、800℃の温度で20分間加熱したこと以外は、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った。
(実施例7)
実施例1の焼結工程を省き、酸化亜鉛粉末を1気圧のフォーミングガス(水素5体積%/窒素95体積%混合ガス)雰囲気中において、800℃の温度で20分間加熱した。次いで、発光スペクトルを容易にするために、粉末を圧縮しペレット状にし、得られた試料について、発光スペクトル測定を行った。
実施例1の焼結工程を省き、酸化亜鉛粉末を1気圧のフォーミングガス(水素5体積%/窒素95体積%混合ガス)雰囲気中において、800℃の温度で20分間加熱した。次いで、発光スペクトルを容易にするために、粉末を圧縮しペレット状にし、得られた試料について、発光スペクトル測定を行った。
(実施例8)
従来のMBE法を用いて、サファイア基板上に酸化亜鉛粉末の薄膜(厚み300Å)を調製し、1気圧のフォーミングガス(水素5体積%/窒素95体積%混合ガス)雰囲気中において、800℃の温度で20分間加熱した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った。
従来のMBE法を用いて、サファイア基板上に酸化亜鉛粉末の薄膜(厚み300Å)を調製し、1気圧のフォーミングガス(水素5体積%/窒素95体積%混合ガス)雰囲気中において、800℃の温度で20分間加熱した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った。
(比較例1)
酸化亜鉛の焼結体を600℃の温度で20分間加熱したことを除いて、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った(図1)。
酸化亜鉛の焼結体を600℃の温度で20分間加熱したことを除いて、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った(図1)。
(比較例2)
酸化亜鉛の焼結体を900℃の温度で20分間加熱したことを除いて、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った。
酸化亜鉛の焼結体を900℃の温度で20分間加熱したことを除いて、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った。
(比較例3)
1気圧のフォーミングガス(窒素100%)雰囲気中で、800℃の温度で20分間加熱すること以外は、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った。
1気圧のフォーミングガス(窒素100%)雰囲気中で、800℃の温度で20分間加熱すること以外は、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った。
(比較例4)
真空中で、800℃の温度で20分間加熱したこと以外は、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った。
真空中で、800℃の温度で20分間加熱したこと以外は、実施例1と同じ方法で試料を調製した。得られた試料について、発光スペクトル測定を行った。
実施例1〜5で調製した試料について、図1のスペクトル結果から求めた加熱温度と積分強度比(IUV/IGreen)との関係を図2に、図1のスペクトル結果から求めた加熱温度と紫外発光効率との関係を図3に示す。図2より、650〜850℃の範囲において緑色発光の抑制効果が現れ、紫外発光効率が100倍以上に向上することがわかった。この発光効率の向上は、従来報告されている倍率より格段に高い値である。特に800℃付近では、4000倍以上の紫外発光効率の向上が確認された。
比較例1の加熱温度が600℃の場合には、図2および3より、緑色発光の抑制が観測されず、紫外発光効率も全く向上しないことがわかる。また、比較例1の加熱温度が900℃の場合には、試料が割れ、正確な発光スペクトル測定はできなかった。
以上の結果から、酸化亜鉛の緑色発光抑制および紫外発光にとって、加熱温度が重要な因子であることが明らかとなった。
上の結果をふまえ、一番効率が高かった加熱温度800℃および加熱時間20分間との条件を固定し、フォーミングガスの組成を変えて実験した結果、実施例6のように、ごく僅かな量の水素(混合ガス総体積中0.1体積%)を含む場合であっても、緑色発光の抑制効果があり、紫外発光効率が向上することがわかった。一方、比較例3のように水素を全く含まない窒素100%の場合、および比較例4のようにフォーミングガスを全く含まない真空の場合には、酸化亜鉛の緑色発光の抑制も、紫外発光効率の向上も、全く観測されなかった。
以上の結果から、酸化亜鉛の緑色発光抑制および紫外発光にとって、水素の存在が必須であることが明らかとなった。
さらに、実施例7の酸化亜鉛粉末および実施例8の酸化亜鉛粉末の薄膜についても発光スペクトル測定を行ったところ、実施例1〜6のようなペレット状酸化亜鉛圧粉体の焼結体と同様に、緑色発光の抑制および紫外発光効率の向上が観測された。
この結果から、緑色発光の抑制および紫外発光効率の向上の効果は、酸化亜鉛の形状および形態に関わらないことが明らかとなった。
本発明によれば、酸化亜鉛の紫外発光効率を飛躍的に向上させ、かつ緑色発光を安価かつ簡易な方法で抑制した高効率酸化亜鉛紫外発光体を提供することができる。また、この高効率酸化亜鉛紫外発光体は、以下の分野および製品での利用が可能となる:
第一には、紫外蛍光体等の発光材料、室温で発光する紫外レーザ、紫外発光ダイオード、紫外エレクトロルミネッセンス等への応用が可能である。
第一には、紫外蛍光体等の発光材料、室温で発光する紫外レーザ、紫外発光ダイオード、紫外エレクトロルミネッセンス等への応用が可能である。
第二には、酸化亜鉛は、低温成長かつ低抵抗膜作製が可能という利点を有しており、光デバイス以外にも薄膜トランジスタ(TFT)および透明導電膜等の応用が可能である。
第三には、酸化亜鉛は、表面弾性波素子、焦電素子、圧電素子、ガスセンサー、透明導電膜、バリスター等の応用に用いられてきた優れた機能を有する材料であり、これらの分野への応用が可能である。
Claims (36)
- 酸化亜鉛紫外発光体を製造する方法であって、
水素を含むガス雰囲気下で、酸化亜鉛を加熱する工程、
を包含する、方法。 - 前記ガスが、水素と不活性ガスとの混合ガスである、請求項1に記載の方法。
- 前記混合ガス中に占める水素の割合が、0.1〜95体積%である、請求項2に記載の方法。
- 前記不活性ガスが、ヘリウム、窒素、ネオンまたはアルゴンの、一種あるいは少なくとも二種以上の組み合わせである、請求項2に記載の方法。
- 前記加熱工程が、650〜890℃の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
- 前記温度で10〜30分間保持される、請求項5に記載の方法。
- 前記加熱工程が、大気圧以上の圧力下で行われる、請求項1に記載の方法。
- 前記工程で加熱される酸化亜鉛が、単結晶もしくは多結晶の酸化亜鉛またはその焼結体である、請求項1に記載の方法。
- 請求項1に記載の方法によって製造された、酸化亜鉛紫外発光体。
- 紫外発光効率が100倍以上である、酸化亜鉛紫外発光体。
- 緑色発光が実質的に抑制されている、請求項10に記載の酸化亜鉛紫外発光体。
- 緑色発光に対する紫外発光の発光強度比が、0.3以上である、酸化亜鉛紫外発光体。
- 酸化亜鉛紫外発光体を製造する方法であって、
a)酸化亜鉛を大気中で加熱し、焼結する工程;および
b)水素を含むガス雰囲気下で、該焼結した酸化亜鉛を加熱する工程、
を包含する、方法。 - 前記工程a)で加熱焼結される酸化亜鉛が、単結晶または多結晶の酸化亜鉛である、請求項13に記載の方法。
- 前記工程a)が、大気圧中で1000〜1500℃に加熱することによって行われる、請求項13に記載の方法。
- 前記工程b)におけるガスが、水素と不活性ガスとの混合ガスである、請求項13に記載の方法。
- 前記混合ガス中に占める水素の割合が、0.1〜95体積%である、請求項16に記載の方法。
- 前記不活性ガスが、ヘリウム、窒素、ネオンまたはアルゴンの、一種あるいは少なくとも二種以上の組み合わせである、請求項16に記載の方法。
- 前記工程b)が、650〜890℃の温度で行われる、請求項13に記載の方法。
- 前記温度で10〜30分間保持される、請求項19に記載の方法。
- 前記工程b)が、大気圧以上の圧力下で行われる、請求項13に記載の方法。
- 請求項13に記載の方法によって製造された、酸化亜鉛紫外発光体。
- 酸化亜鉛紫外発光体薄膜を製造する方法であって、
a)基板上に酸化亜鉛薄膜を形成する工程;および
b)水素を含むガス雰囲気下で、該酸化亜鉛薄膜を加熱する工程、
を包含する、方法。 - 前記工程a)が、MBE法またはCVD法により行われる、請求項23に記載の方法。
- 前記工程b)におけるガスが、水素と不活性ガスとの混合ガスである、請求項23に記載の方法。
- 前記混合ガス中に占める水素の割合が、0.1〜95体積%である、請求項25に記載の方法。
- 前記不活性ガスが、ヘリウム、窒素、ネオンまたはアルゴンの、一種あるいは少なくとも二種以上の組み合わせである、請求項25に記載の方法。
- 前記加熱工程が、650〜890℃の温度で行われる、請求項23に記載の方法。
- 前記温度で10〜30分間保持される、請求項28に記載の方法。
- 前記工程b)が、大気圧以上の圧力下で行われる、請求項23に記載の方法。
- 請求項23に記載の方法によって製造された、酸化亜鉛紫外発光体薄膜。
- 紫外発光効率が100倍以上である、酸化亜鉛紫外発光体薄膜。
- 緑色発光が実質的に抑制されている、請求項32に記載の酸化亜鉛紫外発光体薄膜。
- 緑色発光に対する紫外発光の発光強度比が、0.3以上である、酸化亜鉛紫外発光体薄膜。
- 請求項31、32または34に記載の酸化亜鉛紫外発光体薄膜を含む、発光素子。
- 請求項31、32または34に記載の酸化亜鉛紫外発光体薄膜を含む、電子デバイス。
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