JP2006348047A - 任意的に架橋性のコーティング、組成物及びその利用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】口内環境の表面または硬質組織表面のコーティングのための組成物であって、
A)極性基または極性化性基1〜80重量%
B)改質基0〜98重量%、
C)少なくとも 500の分子量の疎水性グラフトポリシロキサン鎖1〜40重量%
の繰り返し単位を含むポリマーを含む組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は硬質組織表層又は口環境の表面上のコーティングに関する。より詳しくは、本発明は硬質組織表面又は口環境の表面のための直接コーティングに関する。
本願は現在係属中の1993年12月6日出願の米国出願第08/163,028 号の一部継続出願である。
プラークはカリエス、歯肉病及び歯の脱色の一般的な原因であり、そしてそれらの進行に大いに寄与している。プラークはう食原性の細菌が歯の表層上のタンパク質性膜である周皮に付着したときに始まる。プラークはその後、歯石の形成にとっての核を担う。歯石が成熟し、そして硬化すると、それは食物着色物の吸収により変色する傾向にある。更に、口の修復材は食物着色物に由来する変色の形成をもとから受け易いことがある。口環境の硬質組織及び表層に対する汚れの吸収及び細菌の付着を回避する手段が所望されている。
Linらの米国特許第 5,078,988号は改変アミノアルキルシリコーンを含む歯みがき粉を開示している。この改変シリコーンは、カリエス及び変色の予防のために、歯の上の疎水性層を形成するものであると言われている。 Rollaらの PCT特許出願 WO 91/13608 号は液状シリコーン油及び脂肪溶解性抗菌剤を含んで成る歯みがき粉を開示しており、それは抗菌剤の唾液への徐放に基づきプラーク形成に対する歯の保護にとって有用であると記載されている。
本発明は硬質組織表層又は口環境の表層上のコーティングを提供し、このコーティングは以下の反復単位
A)1〜80重量%の極性又は極性化性(polarizable) 基
B)0〜98重量%の改質基
C)1〜40重量%の少なくとも 500の分子量を有する疎水性グラフトポリシロキサン鎖
を含んで成るポリマーを含んで成る。
A)1〜80重量%の極性又は極性化性基
B)0〜98重量%の改質基
C)1〜40重量%の少なくとも 500の分子量を有する疎水性グラフトポリシロキサン鎖
を含んで成るポリマーを含んで成る組成物を提供し、ここで前記ポリマーは更に縮合反応を受けることのできる少なくとも1のシラン成分を含む。
本発明は硬質組織、例えばぞうげ質、エナメル質、セメント質及び骨の上のコーティングに関する。他方、このコーティングは、口環境のその他の表層、例えば歯科修復材、歯科矯正具又は歯科補てつ具の表層上に施してよい。歯科修復材には、樹脂ベース複合体、アマルガム、ガラスイオノマー、セラミック及びこれらから誘導された様々なハイブリッド材料より仕上げた修復材が含まれる。歯科矯正具には歯科矯正用ブラケット、ワイヤー等が含まれる。歯科補てつ具には歯科ブリッジ、クラウン、義歯等が含まれる。
(1) CF3(CF2)xCH2OH
{式中、xが0〜20であり、そしてyが少なくとも1〜10である。}
(2) CF3(CF2)x(CH2)yOH
(3) w−ヒドロフルオロアルカノール3, HCF2(CF2)x(CH2)yOH
{式中、xが0〜20であり、そしてyが少なくとも1〜10である。}
(4) フルオロアルキルスルホンアミド・アルコール4,
(5) 環式フルオロアルキル・アルコール5,
Xが、上記A及びBモノマーと共重合性のビニル基であり;
Yが、2価連結基(例えば、1−30炭素原子の、アルキレン、アリーレン、アルクアリーレン、及びアラールキレン)であり、そして、複素原子、例えば、O,N,S,Pを取り込んでおり、例として、エステル、アミド、ウレタン、ウレア基であり;
nが、0又は1であり;
mが、1〜3の整数であり;
Rが、水素、低級アルキル(例えば、1〜4炭素原子、メチル、エチル、又はプロピル)、アリール(例えば、6〜20炭素原子、フェニル又は置換フェニル)、又はアルコキシ(好ましくは、1〜4炭素原子の低級アルコキシ)であり;そして
Zが、約 500を上廻る数平均分子量をもつ1価シロキサン・ポリマー部部であり、そして共重合条件下で本質的に非反応性である。}をもつモノマーから誘導されることができる。
R8 が水素原子、メチル基、又は CH2COOH基である。}
をもつX基をもつものとしてさらに定義されることができる。
{式中、mが1,2、又は3であり、gが0又は1であり、R11が(1〜10炭素原子の)アルキル、又は水素であることができ、fが2〜6の整数であり、hが0〜2の整数であり、そしてX,R、及びZが先に定義したものと同じである。}をもつ:
そのA基が、以下の一般式:
d=1、そして
Gが、結合又は価数d+1の、1−12炭素原子を含むヒドロカルビル基連結基、 又はその塩である。}により表される
モノ−又は多官能価カルボキシル基含有分子から誘導され;そして
そのC基が、以下の式:
Xが、そのA及びBモノマーと共重合性のビニル基であり;
mが、1〜3の整数であり;
Rが水素、低級アルキルであり;
Zが、約 500を超える数平均分子量をもつ1価シロキサン・ポリマー部分であり、そして共重合条件下で本質的に非反応性である。}により表されるモノマーから誘導される、
ような組成をもつ。
アニオン重合の開始剤は、1官能価リビング・ポリマーが作り出されるように選ばれる。好適な開始剤は、アルカリ金属炭化水素、例えば、アルキル又はアリール・リチウム、ナトリウム、又はカリウム化合物であってそのアルキル又はアリール基内に20炭素原子までを又はより好ましくは8炭素原子までを含むものを含む。このような化合物の例は、エチルナトリウム、プロピルナトリウム、フェニルナトリウム、ブチルカリウム、オクチルカリウム、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、 sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウム、及び2−エチルヘキシルリチウムである。リチウム化合物が開始剤として好ましい。また、開始剤として好適なものは、アルカリ金属アルコキシド、ヒドロキシド、及びアミド、並びに以下の式:
A)1〜80重量%の極性もしくは可極化性基
B)0〜98重量%の改質基
C)1〜40重量%の、少なくとも 500の分子量を有する疎水性グラフトポリシロキサン鎖
を含み、さらに側架橋性基を含む新規ポリマーを包含する。
Yは所望によりヘテロ原子、例えばO,N,S,Pを含む多価結合基(例えば1〜30個の炭素原子を有するアルキレン、アリーレン、アルカリーレン、及びアラルキレン)である。その例はエステル、アミド、ウレタン、ウレア基である。
nは0もしくは1である。
R12はHもしくは低級アルキルである。
iは0〜2の整数である。
jは1〜3の整数である。
i+jは3である。
Tはハロゲン原子、アルコキシ、アルケノキシ、アシルオキシ、カルボキシ、アミノ、アミド、ジアルキルイミノオキシ、ケトキシム、アルドキシム、及び同様の基を含む加水分解性基もしくはヒドロキシ基である。好ましくは、この加水分解性基は、アルコキシ、アルケニルオキシ、ケトキシム及びアルドキシムからなる群より選ばれる。より好ましくは、この加水分解性基は、市販入手性、低コスト及び低毒性のため、メトキシ及びエトキシのようなアルコキシ基である。そのようなDユニットの例は、限定するものではないが、下式で表されるようなアクリレート及びメタクリレートアルキルアルコキシシランを含む。
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン及びビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランのようなビニルオルガノアルコキシシランも用いてよい。
R12はH又は低級アルキルである。
iは0〜2の整数である。
jは1〜3の整数である。
i+jは3である。
kは2〜50である。
成分III は、縮合反応を受けることのできるシラン部分の縮合を促進する触媒である。一般に、水分がこのような硬化反応に有利に作用する。この目的で、いかなる縮合シリコン触媒でも使用することができる。
本発明のコーティングの疎水性及び親水性を評価するには公知のウィルヘルミー表面圧計を利用して水に対する前進及び後退接触角をそれぞれ測定する。この方法は例えば"Wettability", John C.Berg, editor, Marcel Dekker, Inc., New York, 1993, pp11-25に記述されている。測定はコーティングを施された連続的なサンプルに対して行われる。接触角測定はいずれも水に対して行われる。
イソブチルメタクリレート(14g)、アクリル酸(2g)、米国特許第 4,693,935の第16欄に記述されている“モノマーC 3b”の製法に従って調製された分子量10,000のエチレン不飽和シリコーンマクロマー("PDMSマクロマー")(4g)及びアゾビスイソブチロニトリル("AIBN", 0.1g) をイソプロパノールに溶解させた。脱酸素後、溶液を55℃で重合させた。このポリマーをP1と命名した。次いでこの溶液をエッチングを施されたエナメル及び象牙質にそれぞれ塗布した。 ATT Instrument, Madison, WIから入手した DCA 322接触角アナライザを使用してウィルヘルミー表面圧法により接触角を測定した。利用サイクルは3サイクルまでとした。結果は下記の通り。
イソブチルメタクリレート(13g)、アクリル酸(3g)、PDMSマクロマー(4g)及びAIBN(0.1g)を THFに溶解させた。脱酸素後、溶液を55℃で重合させた。得られたポリマーのカルボキシレート基の約1/3をイソシアナトエチルメタクリレートと反応させて中間的な不飽和基を誘導した。次いで THFを60gのイソプロパノールと交換した。この溶液10gに0.0123gのヘキサフルオロリン酸ジフェニルヨードニウム及び0.0031gのカンフルキノンを添加した。このポリマーをP2と命名する。このポリマーから調製したコーティングに3M社の VisiluxTM2可視光源で照射することによりさらに交差結合を進行させた。
エチルメタクリレート(11.4g)、アクリル酸(2g)、PDMSマクロマー(4g)及びAIBN(0.1g) を75mlの絶対エタノールに溶解させた。反応混合物を15分間に亘って窒素でフラッシングしたのち8時間に亘って、55℃に加熱した。次いで室温まで放冷し、等量のイソプロパノールで希釈した。このポリマー溶液をP3と命名した。
ポリマーA−Fの合成
窒素導入管、凝縮器及び温度計を装着した3ネックの 250ml丸底フラスコに表9に示す試薬を送入した。フラスコに磁気撹拌棒を取付け、均一溶液に無水窒素泡を激しく送り込むことによって試薬を15分間撹拌した。15分後、窒素流量を減らし、泡立ち状態からブランケット状態に切換えた。電子式温度コントローラを取付けた油浴を利用して、撹拌しながら溶液を60℃に加熱した。加熱は8時間継続した。次いで反応混合物を、ポリマー溶液1mlにつき5mlの水を使用して水中に沈殿させた。白色のポリマー沈殿物を回収し、冷水で洗浄し、数日間に亘り70°の真空オーブン中で乾燥させた。
エナメルスラブ
抜取ったウシの歯の唇側面を 120グリットの研磨紙で扁平に研磨することによってエナメル質のない純粋な象牙質面を露出させた。次いでこれを 600グリット研磨紙で研磨して平滑面にした。ダイヤモンドソーを使用して、研磨面を含む薄いウエハ(約1/2mm)に切取った。このようなウエハ2枚を研磨面が外側になるようにScotchbondTM Multipurpose 歯科用接着剤(3M)で貼合わせた。この接着されたサンドウィッチを切削して約8mm×6mmの矩形にした。エナメルサンドウィッチの一方の短辺に小さく扁平な歯科用複合材から成るボタンをSBMP歯科用接着剤で取付け、ハンドルを形成した。
ウシの歯の唇側面を 120グリットの研磨紙で扁平に研磨して広い象牙質面を露出させた。ダイヤモンドソーを使用して研磨面と平行な薄く扁平なスラブを切り取った。スラブの厚さは約1mmであった。切削面が象牙質だけとなるように(即ち、髄腔が全く残らないように)留意した。次いで象牙質スラブの扁平な両面を 600グリット研磨紙で研磨した。次いでダイヤモンドソーを使用して6mm×8mmの矩形に切削した。小さく扁平な複合材ボタンを一端(短辺)にSBMPで接着した。
裸のエナメルスラブを先ず35%リン酸ゲルでエッチングし、 600グリット研磨紙で研磨した。コーティング前のスラズの水中での接触角を測定した。次いでポリマーA−Fのいずれか1つの溶液(イソプロパノール中 7.5%のポリマー)にスラブを5分間浸漬し、拭い、空気乾燥することでスラブをこの溶液でコーティングした。ポリマーでコーティングしたエナメルスラブの水中での前進接触面をウィルヘルミー表面圧計を使用して測定した。次いでこのコーティングしたエナメルサンプルを2日間脱イオン水中に貯蔵し、再び測定した。次いでサンプルを90分間プール唾液中で保温し、拭ってから接触角を測定した。上記サンプルを10分間水に浸漬し、再び測定した。この測定後、洗浄したスラブを剛さが中程度の歯ブラシでこすってから再度接触角を測定した。前進接触角の測定結果を表10に示す。第3サイクルにおける前進接触角測定値を報告する理由はこの時点で平衡状態に達するからである。
コーティングの本質性(substantivity) を示すために、カットエナメル質 (cut enamel) または象牙質スラブ(他の処理を全く行っていない)について、まず接触角を測定した。次にこれらを独立して、表11と12に示すようにポリマーBとCの 7.5重量%溶液でコートし次いで乾燥した。
エナメル質または象牙質の前処理の影響
カットしてポリッシュしたエナメル質または象牙質スラブを、(a)リン酸ゲルで15秒間エッチングし、水ですすぎ次にポリマーコーティングを塗布する前に乾燥するか、または(b)Nupro(登録商標)粗研磨ペーストで研磨し(エナメル質の場合、片面当り10分間研磨、象牙質スラブの場合片面当り4分間研磨)、水で充分すすぎ接触角を測定した。
ジメチルプロピルアミノ基を含有するポリジメチルシロキサンポリマー鎖を本質性と疎水性について測定した。これらポリマーの市販品2種類:PS510(分子量2,500)およびPS513(分子量27,000) (Petrach, Huls) を使用した。
PS510の 7.5%アセトン溶液を調製した。エナメル質のスラブをこの溶液でコートし次いで乾燥した。次に接触角を測定した。
象牙質スラブをカットし研磨した後、 PS510の溶液(7.5%アセトン溶液)または PS513の溶液(7.5%メチルエチルケトン溶液)でコートした。コートした試料の接触角を測定した。これらの試料を37℃でエージングし次に接触角を再度測定した。測定値を表15に報告する。
本発明のコーティングの効率をさらに評価するため、生物学的方法を用いてさらに詳細な分析を実施した。生物学評価法一般に方法と材料。
エナメル質の粒子は、スカペル(Scapel) と歯科キュレットでかきとることによってすべての付着組織をまず取除くことによって約 100個のウシの歯から製造した。歯根を切断ホイールを用いてセメント質エナメル質境界部で除去し次に歯髄を除去した。次に歯冠を液体窒素中に20分間浸漬し、取出して直Sにハンマーでたたいた。象牙質は、粉砕ホイールを用いて、最大片から取出した。エナメル質スラブを分析ミル中に入れ、40℃で約5分間処理した。得られた粉末をふるいにかけて約80〜 120μMの粒子を得た。得られた粒子を洗浄し、酸で処理して清浄にし、40℃で乾燥し使用するまで貯蔵した。
唾液は、ボランティヤーに2平方インチの Parafilm を2〜3分間かくで冷却した50ml試験管中に吐き出すように要請して集めた。これら試料を集め、4℃で20分間 10,000RPMで遠心分離した。透明化した唾液を10mlのバイアルビンに分散して、使用する直前まで−70℃で貯蔵した。
4種類のポリマーでコートした粉末エナメル質の試料をポリマーA,B,CおよびEを用いて製造した。
これらの試料は生物学的付着試験を行った。最初、これらのコートされた粒子を以下の3種の物質で攻撃した。
IgG −免疫グロブリンタンパク質PI7.5
OVA −卵白アルブミンタンパク質PI3.5
P.gin −P−歯肉細菌
細菌の蛍白標識化
リン酸緩衝食塩水(PBS) 中109 /mlのP−歯肉細菌10mlを、 PBS中1mg/mlのフルオレセインイソチオシアネート(FITC) 0.1mlと混合した。その混合物を、室温で1時間回転させ、次いで上澄み液の 495nmにおける光学濃度がゼロになるまで、40mlづつの PBSで洗浄した。乾燥した細菌のペレットを、 0.1%のアジ化ナトリウムを含有するPBS 10mlに再度懸濁させ、次いで使用するまで4℃で貯蔵した。
150mg の粒子(ポリマーでコートしてあるかまたはしていない)を 2.5のヒトの唾液と混合し、ポリプロピレン製試験管中で室温にて1〜2時間回転させた。未コートの粒子を、対照として PBS中で同じ時間回転させた。これら粒子を次に PBS中で3回洗浄して、未結合の唾液を除き、 PBS中1ml当り 100mgに調節し、使用するまで4℃で貯蔵した。
5mgの粒子(3組)を、コミカル底のマイクロフィルタープレートのウェル(NUNC)にピペットで採取し、 200μlの PBSで3回洗浄した。FITC標識細菌、 IgGまたは卵白タンパク質 100mlを各ウェルに添加し、プレートを絶えず振盪しながら室温で1時間インキュベートした。そのウェルを 250μlの PBSで3回洗浄し、 250μlの同じ緩衝液中に再度懸濁させた。これら粒子の20μlづつを取出し、底部にガラス繊維のフィルターを有する IDEXX Assay Plateのウェルに入れた。これらプレートをIDEXX Screen Mashine(登録商標)中に入れ、減圧濾過によって液体を除き、結合した蛍光を測定した。初期の読取りを行った後、プレートを、 0.125%NP−40を含有する PBSで2回洗浄し、結合した蛍光をScreen Machine(登録商標)で再度測定した。試験結果は相対蛍光単位(relative fluroresent unit)(RFU)で示した。
粒子はポリマーコーティングのあるものとないものの両方を試験した。これら各々の1/2を、集めた唾液で処理した。これら唾液で処理した粒子をリン酸緩衝食塩水(PBS) で洗浄し、唾液で処理しなかった粒子によって、付着性について試験した。結合した蛍光を、正の対照の百分率すなわち細菌またはタンパク質の未コートエナメル質粒子への結合として計算した。またこれら粒子は 0.125%のNP−40を含有する PBSで洗浄して細菌とタンパク質の付着性を測定した。
細菌菌株の増殖
ミュータンスれんさ球菌の菌株を、歯の治療を求めている人からの新鮮な分離物としてミネソタ大学歯科学校から入手した(菌株43−2,43−3およびRL19)。追加のミュータンスれんさ球菌をAmerican Type Culture Collectionから入手した(菌株10558, 12396,27351, 27352, 27609および33399)。これら菌株をすべて、37℃で嫌気チャンバー内にて Todd Hewitt Broth中で培養した。細胞を、対数増殖期の後期に収穫し、濾過減菌した、食塩水で3回洗浄した。これら細胞を、濾過減菌した KCl緩衝液(0.1M NaCl, 0.05M KCl, 0.1M MgCl2, 0.1mMリン酸カリウムおよび1mM CaCl2, pH7.0)中に1.0(600nm)の光学濃度(“OD”)で再懸濁させた。
A8AP(登録)Kit(Boeringer Manheim 社) をメーカーの指示にしたがって使って、 DNAを上記細菌から単離した。要約すると、各種菌株の細胞約109 個を、1ml/mlのムタノリシン(Sigma社) を補充した溶菌緩衝液2mlと混合した。熱処理したRNアーゼ60μlとリゾチーム溶液 160μlを添加し、ゆるやかに転倒させて混合した。得られた懸濁細胞を37℃で30分間インキュベートし、次に 100μlの Proteinase Kを添加した。ゆるやかに転倒させて混合した後、懸濁した細胞を60℃で60分間インキュベートした。4mlの結合緩衝液を添加し、ゆるやかに転倒させて混合し、試料全体を DNA結合マトリックスのカラムに添加した。そのカラムを重量によって排液し、次に添加の結合緩衝液3mlを添加し再び排液した。 0.5mlの一次溶離緩衝液を添加し、カラムを排液して RNAを溶出させ、続いてタンパク質を2mlの DNA溶離緩衝液で溶出させ 100mm×100mm の試験管に集めた。その DNAをイソプロパノールで沈澱させ、エタノールで洗浄して乾燥した。得られた DNAのペレットをトリス−EDTA (“TE”)緩衝液50μlに溶解し、各製剤の量と純度を、 260/280nm における光学濃度と0.85%TE上の電気泳動で測定した。
コーティングしたエナメル粒子およびコーティングしないエナメル粒子を1mlの唾液に独立に添加し、そして室温において1時間回転した。粒子を緩衝化 KClで洗浄し、そしてOD1.0(600nm)において1mlの細菌を添加し、そしてこの混合物を室温においてさらに1時間回転した。次いで、粒子を5つの懸濁液〔下を参照〕の1つの中で洗浄した。次いで粒子を沈降させ、50μlの DNA抽出緩衝液を添加し、そして懸濁粒子を沸騰させて DNAを抽出しそして可溶化した。粒子を40℃に急冷し、遠心し、そして各管について10μlの複製試料をゼータープロープ(Zeta-ProbeTM(バイオ・ラド)膜上に点在させた。次いで、膜を前ハイブリダイゼーション溶液で処理し、洗浄し、そして 100ngのニック翻訳された DNAプロープを25mlのハイブリダイゼーション溶液の中に添加した。ハイブリダイゼーションを65℃において一夜インキュベートさせた後、3回洗浄して非結合プローブを除去した。次いで、膜をミルク・ブロッキング溶液の中で1時間インキュベートし、そしてヤギ抗ジゴキシゲニン(ブロッキング緩衝液中の1:1000)を添加した。さらに1時間インキュベートした後、膜を洗浄して非結合抗体を除去し、そして酵素基質溶液の中に1〜2時間決めた。膜をEDTA溶液の中で洗浄することによって、反応を停止させ、そして単一の観察者により下記の目盛りを使用してドットの強度を推定した:
0=色なし、
1=ちょうど可視、
2=明瞭に可視の円、
3=透明に可視の暗い円、
4=非常に暗い、最高の強度の円。
5つの異なる緩衝液を洗浄実験のために調製した:緩衝化 KCl、緩衝化 KCl+1%ツイーン20、緩衝化 KCl+1%ツイーン80、緩衝化 KCl+1%可溶性練り歯磨き抽出物および緩衝化 KCl+1%うがい薬。微生物の付着実験のための最終洗浄液として、緩衝液を個々に使用した。
細菌、プラーク耐性コーティングおよび対照の組み合わせについての付着値は、表16において見ることができる。一般に、すべての実験材料でコーティングしたエナメルを試験し、そして KCl緩衝液の巾の対照と比較したとき、約25%(範囲=10〜47%) の結合の全体の減少が存在した。また、種々の界面活性剤または経口生成物を洗浄緩衝液に添加したとき、未処理エナメルの対照と比較して、コーティングされた粒子への結合の、81〜29%範囲の実質的減少が存在し、そして唾液で処理した対照と比較して、86〜13%の減少が存在した。この減少は、種々の洗浄溶液単独の添加により説明することができるよう、大きかった。
エナメル処理
第1の特性−唾液の処理
E=ポリマーによる未コーティングのエナメル
A1=ポリマーAでコーティングされたエナメル
B1=ポリマーBでコーティングされたエナメル
C1=ポリマーCでコーティングされたエナメル
E1=ポリマーEでコーティングされたエナメル
第2の特性−唾液の処理
B=KCL 緩衝液の処理のみ
S=唾液の処理
第3の特性−洗浄緩衝液
KCL =KCL 緩衝液の洗浄
T20=KCL +1%ツイーン(TweenTM) 20緩衝液の洗浄
T80=KCL +1%ツイーン(TweenTM) 80緩衝液の洗浄
TP=KCL +1%フローズ−アップ(Close−upTM) 練り歯磨き抽出物の洗浄
MW=KCL +1%ラボンス(LavorisTM) うがい薬の洗浄
コーティング溶液の生物学的評価
無水マレイン酸で前以てコーティングした、ポリスチレンのアッセイウェルを、下記に示すように種々の溶液で処理した。
i)対照、未コーティング、
ii)ポリマーCの溶液(イソプロパノール中の 7.5%)でコーティングした、
iii )ポリマーCの溶液(イソプロパノール中の 7.5%)でコーティングし、次いで1重量%のツイーン80を含有する緩衝液から成るすすぎ液、
iv)ポリマーEの溶液(イソプロパノール中の 7.5%)でコーティングした、
v)ポリマーEの溶液(イソプロパノール中の 7.5%)でコーティングし、次いで1重量%のツイーン80を含有する緩衝液から成るすすぎ液。
ポリマーおよびPDMS溶液による歯のスラブのコーティングを比較するために、イソプロパノール中のポリマーCの 7.5%溶液(実施例4)またはアセトン中の PS510ポリジメチルシロキサンの 7.5%溶液(比較例1)で、象牙質スラブをコーティングした。50mlの蒸留水の中に0.01gのメチレンブルーを溶解することによって、溶液を調製した。コーティングされた象牙質スラブをこの溶液の中に5分間浸漬し、次いで取り出し、そして蒸留水で洗浄した。スラブを乾燥し、そしてオリンパス拡大顕微鏡を使用して 7.5×でポラロド写真を撮った。
第1図に示すように象牙質スラブは両側が純白であり、ポリマーCでコーティングされた象牙質スラブ上に色素は保持されていないことを示した。対照的に、第2図は、比較例1のシロキサンでコーティングされた象牙質スラブが、暗色区域により示されるように、スラブ表面上に色素の保持を経験したことを示す。
1:唾液処理なしの未コーティングのエナメル
2:唾液処理した未コーティングのエナメル
3:唾液処理なしのBでコーティングしたエナメル
4:唾液処理したBでコーティングしたエナメル
5:唾液処理したAでコーティングしたエナメル
6:唾液処理したCでコーティングしたエナメル
7:唾液処理したEでコーティングしたエナメル
8:陰性の対照
コーティングを有するエナメル粒子は、IgG, OVAおよび/または P.ginの付着の実質的減少を示す。
下記表18は、ポリマーと異なるA単位との反応組成物を記載する。下記の連続的供給重合方法により、表18に示すポリマーの各々を製造した。
下記の表20は、様々なBユニットを有する、プラーク抵抗性ポリマーの反応組成物を示す。表20のポリマーはそれぞれ、アクリル酸(6g),PDMS大割球(macromer)(4g),AIBN(0.2g)、記載されたBユニット(26g)及び溶媒(108ml)を、 250mlの丸底フラスコに入れて調製した。室温下で、この混合物中に、泡立っている窒素を15分間通すことによって、この反応混合物を脱酸素した。その後、この反応混合物をゆるやかに撹拌しながら、温度を60℃まで上昇した。この反応混合物は、8時間、窒素ブランケットを行った。
被覆されたエナメル質表面の各々を、ORAL B(登録商標)35のやわらかい直毛の歯ブラシを用いて、負荷 140gで、回数50サイクル/分で、15分間ブラッシングした。エナメル質表面及び歯ブラシは、ブラッシング時は、CREST(登録商標)レギュラーフレーバー練り歯磨き/蒸留水の50/50スラリーに浸された。
下記の表21は、Aユニット、Bユニット及びCユニットをさまざまな相対量で含む、プラーク抵抗性反応組成物を示す。表21の各ポリマーは、 250mlの3首丸底フラスコの中に、モノマー類、AIBN(0.2g)及びイソプロパノール(108ml)を装入することによって調製した。室温下で、この混合物中に、泡立っている窒素を15分間通すことによって、この反応混合物を脱酸索した。その後、この反応混合物をゆるやかに撹拌しながら、温度を60℃まで上昇した。この反応混合物は、8時間、窒素ブランケットを行った。
実施例10のポリマーN及びKに対するう食原性最近の付着を、下記の方法を用いて測定した。清潔なウシの歯を、10%のクエン酸で15秒間酸腐蝕し、洗浄し、かつ乾燥した。次に酸腐蝕した歯の歯冠を、50/50イソプロパノール/アセトンを溶媒とする10%ポリマー溶液に浸漬被覆し、かつ風乾した。
下記の表23は、プラーク耐性ポリマーのA 174を含めた種々のDユニット及び下記のアルコキシ シランとの反応組成物を説明する。
下記の表24は、コーティング溶液に縮合触媒を付加した場合の実施例12のポリマーQ〜Uの水接触角度の上下を示す。ウイルへルミープレート法を用いて接触角度を測定した。オクタン酸第一スズを縮合触媒として用いた(ポリマー重量の5%)。2つの測定値の平均を表す表24の結果は、ポリマーコーティングが裸研磨エナメル(表6)よりも疎水性が高く親水性が低いことを示す。
Dユニットの架橋結合のための架橋化合物をコーティング溶液に加えた場合の実施例12のポリマーQ及びRの水接触角度の上下を示す。表25に示した「PHS 」と呼ばれる架橋化合物を、加水分解及び部分縮合後にA−174 から得た。表25に示した PHSの濃度は、溶液中のポリマー重量を基礎にした重量百分率である。ウイルヘルミープレート法を用いて接触角度を測定した。2つの測定値の平均を表す表25の結果は、ポリマーコーティングが裸研磨エナメル(表6)よりも疎水性が高く親水性が低いことを示す。
縮合触媒オクタン酸第一スズ(溶液中のポリマー重量を基礎にして5%)を用いた場合と用いない場合のポリマーQ及びS〜Uへのう食原性細菌の付着を、実施例11記載の手法を用いて測定した。Streptococcus sobrinus (ATCC 27351) の株及びStreptococcus gordinii (ATCC 10558)の株に関して結果を、下記の表29に示す。表29は、非結合エナメルと比較した結合細菌の%減少を記載する。2種の細菌を、 KCl洗浄中に含まれる TWEEN−80を用いた場合と用いない場合で評価した。 TWEEN−80がポリマー被覆菌の KCl洗浄液中に含まれる場合は、 TWEEN−80は裸エナメル対照菌の KCl洗浄液中にも含まれた。5つの反復測定値の平均を表す結果は、プラーク耐性コーティングをエナメルに適用した場合にう食原性細菌の結合の有意の低減が達成されたことを示す。
下記の表30は、Bユニットメチルメタクリレート及びDユニットA−174 とのポリマーの反応組成物を比す。比較のために、表30には、対応するDユニットを用いずに調製された同様のポリマーの反応組成物が含まれている。表30に示したポリマーはともに、実施例8に記載の連続給送重合工程により調製した。モノマー給送は、イソプロパノール(28ml)中のオアクリル酸(6g)、メチルメタクリレート(26g)、PDMSマクロマー(4g)及び任意にA− 174Dユニット(2.6g)で構成された。イニシエーター給送はイソプロパノール(60ml)中のAIBN(0.2g)から成っていた。モノマー及びイニシエーター給送をそれぞれ60ml滴下漏斗中に入れ、漏斗を 250ml三つ首丸底フラスコに取り付けた。少量のイソプロパノール(20ml)及び磁気撹拌棒を 250ml丸底フラスコ中に初めて入れておいた。冷却器を反応フラスコの三首に取り付けた。室温で、15分間給送溶液中に窒素ガスを発泡させて反応容器を脱酸素化した。軽く撹拌しながら窒素ブランケット下で反応フラスコを60度Cに保持しながら、2つの漏斗の内容物を一定速度(10ml/時間)で6時間、反応フラスコに付加した。モノマー及びイニシエーター溶液の付加完了後、反応フラスコを窒素下でさらに3時間、60℃に保持した。
1.口内環境の表面または硬質組織表面上のコーティングであって、
A)極性基または極性化性基1〜80重量%
B)改質基0〜98重量%、
C)少なくとも 500の分子量の疎水性グラフトポリシロキサン鎖1〜40重量%
の繰り返し単位を含むポリマーを含むコーティング。
2.C単位が前記ポリマーの1〜30重量%である形態1記載のコーティング。
3.前記極性基または極性化性基がヒドロキシ、チオ、置換および無置換アミド、環式エーテル、ホスフィン、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、C,S,P,Bのオキシ酸、C,S,P,Bのチオオキシ酸、これらの基の前駆体および保護形態からなる群より選ばれたものである形態1記載のコーティング。
4.A単位が、下記式
5.A単位が隣含有酸官能基を含む形態4記載のコーティング。
6.A単位が、アクリル酸およびメタクリル酸、イタコン酸およびN−アクリロイルグリシンからなる群より選ばれたものである形態4記載のコーティング。
7.A単位が、一般式
8.A単位がヒドロキシエチル(メト)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メト)アクリレート、ヒドロキシブチル(メト)アクリレート、グリセロールモノ(メト)アクリレート、トリス(ヒドロキシメチル)エタンモノアクリレート、ペンタエリトリトールモノ(メト)アクリレート、N−ヒドロキシメチル(メト)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メト)アクリルアミド、およびヒドロキシプロピル(メト)アクリルアミドからなる群より選ばれたものである形態7記載のコーティング。
9.A単位がアルコキシ置換(メト)アクリレート若しくは(メト)アクリルアミドである形態1記載のコーティング。
10.A単位が、一般式
11.C単位が一般式
Yは二価の結合基であり、
nは0または1であり、
mは1〜3の整数であり、
Rは水素、低級アルキルであり、
Zは約 500を越える数平均分子量を有する、一価シロキサンポリマー部分であり、そして共重合条件下で本質的に無反応性である。)
を有するモノマーから誘導されたものである形態1記載のコーティング。
12.単位Cが一般式
Zは一般式
eは約5〜約 700の整数であり、
mは1,2または3であり、
nは0または1である。)を有するモノマーから誘導されたものである形態1記載のコーティング。
13.C単位が
RおよびR”は水素、低級アルキルであり、
Zは約 500を越える数平均分子量を有する一価シロキサンポリマー部分であり、そして共重合条件下で本質的に無反応性であり、fは2〜6の整数であり、
gは0または1であり、
hは0〜2の整数である。)からなる群より選ばれた一般式を有するモノマーから誘導されたものである形態1記載のコーティング。
14.Aが一般式
C単位が
mは1〜3の整数であり、
Rは水素、低級アルキルであり、
Zは約 500を越える数平均分子量を有する一価シロキサンポリマー部分であり、そして共重合条件下で本質的に無反応性であり、fは2〜6の整数であり、
gは0または1である。)
のモノマーから誘導されたものである形態1記載のコーティング。
15.前記コーティングが少なくとも1種のエチレン性不飽和化合物を更に含む形態1記載のコーティング。
16.A)極性基または極性化性基1〜80重量%
B)改質基0〜98重量%、
C)少なくとも 500の分子量の疎水性グラフトポリシロキサン鎖1〜40重量%
の繰り返し単位を含むポリマーを含むコーティングが付着されて有する一時若しくは永久歯科修復材。
17.A)極性基または極性化性基1〜80重量%
B)改質基0〜98重量%、
C)少なくとも 500の分子量の疎水性グラフトポリシロキサン鎖1〜40重量%。
の繰り返し単位を含むポリマーを含むコーティングが付着されて有する歯列矯正具。
18.A)極性基または極性化性基1〜80重量%
B)改質基0〜98重量%、
C)少なくとも 500の分子量の疎水性グラフトポリシロキサン鎖1〜40重量%
の繰り返し単位を含むポリマーを含むコーティングが付着されて有する口内組織修復具。
19.ヒト口内表面に適する歯科用組成物であって、
A)極性基または極性化性基1〜80重量%
B)改質基0〜98重量%、
C)少なくとも 500の分子量の疎水性グラフトポリシロキサン鎖1〜40重量%
の繰り返し単位を含むポリマーを含むコーティングを含み、弾性率以下の損失弾性率を有する組成物。
20.前記組成物が歯磨き配合物である形態19記載の組成物。
21.前記組成物が弾性率と等しい損失弾性率形態19記載の組成物。
22.A)極性基または極性化性基1〜80重量%
B)改質基0〜98重量%、
C)少なくとも 500の分子量の疎水性グラフトポリシロキサン鎖1〜40重量%
の繰り返し単位を含むポリマーを含むチューインガム。
23.プラーク、細菌および汚れの口内表面への付着性を低下させる方法であって、
a)
A)極性基または極性化性基1〜80重量%
B)改質基0〜98重量%、
C)少なくとも 500の分子量の疎水性グラフトポリシロキサン鎖1〜40重量%
の繰り返し単位を含むポリマーを前記口内表面に適用する工程、
b)
前記ポリマーを前記口内表面上で乾燥させる工程、
を含む方法。
24.前記ポリマーが塗布可能な組成物から適用される形態23記載の方法。
25.前記ポリマーが、水、低級アルコール、アセトン、シリコーンオイルおよびそれらの混合物からなる群より選ばれたキャリアー溶剤を更に含む組成物から適用される形態23記載の方法。
26.口内表面への細菌の付着性を低下させる方法であって、
a)
A)極性基または極性化性基1〜80重量%
B)改質基0〜98重量%、
C)少なくとも 500の分子量の疎水性グラフトポリシロキサン鎖1〜40重量%
の繰り返し単位を含むポリマーを前記口内表面に適用する工程、
b)
前記ポリマーを前記口内表面上で乾燥させる工程、
c)被覆された口内表面に界面活性剤を含む第二組成物を適用する工程、
を含む方法。
27.前記第二組成物が 0.1〜30重量%の界面活性剤を含む形態26記載の方法。
28.前記界面活性剤がノニオン界面活性剤である形態26記載の方法。
29.前記界面活性剤がカチオン若しくはアニオン界面活性剤である形態26記載の方法。
30. 前記界面活性剤が長鎖脂肪酸塩、長鎖脂肪酸の多価ヒドロキシエステルおよび長鎖脂肪アルコールの多価ヒドロキシエーテルからなる群より選ばれたものである形態26記載の方法。
31.前記第二組成物が、被覆された口内表面にバクテリアまたはタンパク材料が付着する前に適用される形態26記載の方法。
32.ヒト口内表面を被覆する方法であって、
i)次の比でモノマーを混合する工程、
A)極性基または極性化性基を有する重合性モノマー1〜80重量%
B)改質基を有する重合性モノマー0〜98重量%、
C)少なくとも 500の分子量の疎水性グラフトポリシロキサン鎖を含む重合性モノマー1〜40重量%
ii)口内表面上で現場で前記モノマーを重合させる工程、
を含む方法。
33.以下の成分を含んで成るヒト口腔内の口腔表面をコーティングするのに適する歯科用組成物:
a)以下の繰返し単位を含んで成るポリマー:
A)1〜80重量%の極性基または可極性化基;
B)0〜98重量%の改質基;
C)1〜40重量%の少なくとも 500の分子量を有する疎水性グラフトポリシロキサン鎖;及び
b)界面活性剤。
34.歯を修復するために必要な以下の成分を含んで成る処理剤を塗布すためのキット:
a)歯修復剤;及び
b)以下の繰返し単位を含んで成るポリマーを含んで成る組成物:
A)1〜80重量%の極性基または可極性化基;
B)0〜98重量%の改質基;
C)1〜40重量%の少なくとも 500の分子量を有する疎水性グラフトポリシロキサン鎖。
35.以下の繰返し単位を含んで成り、ペンダント架橋性基を更に含んで成るポリマー:
A)1〜80重量%の極性基または可極性化基;
B)0〜98重量%の改質基;
C)1〜40重量%の少なくとも 500の分子量を有する疎水性グラフトポリシロキサン鎖。
36.前記ペンダント架橋性基が重合性エチレン性不飽和基である形態35に記載のポリマー。
37.前記ペンダント架橋性基が重合性エポキシ基である形態35に記載のポリマー。
38.a)以下の繰返し単位を含んで成り、ペンダント架橋性基を更に含んで成るポリマー:
A)1〜80重量%の極性基または可極性化基;
B)0〜98重量%の改質基;
C)1〜40重量%の少なくとも 500の分子量を有する疎水性グラフトポリシロキサン鎖;及び
b)界面活性剤;
を含んで成るヒト口腔内の口腔表面をコーティングするのに適する歯科用組成物。
39.以下の繰返し単位:
A)1〜80重量%の極性基または可極性化基;
B)0〜98重量%の改質基;
C)1〜40重量%の少なくとも 500の分子量を有する疎水性グラフトポリシロキサン鎖;
を含んで成るポリマーを含んで成るヒト口腔内の口腔表面をコーティングするのに適する歯科用組成物であって、前記ポリマーが、縮合反応しうる少なくとも1個のシラン部分を更に含んで成る組成物。
40.シラン部分がポリマーの 0.1〜30モル%の量で存在する形態39に記載の組成物。
41.シラン部分が下記式により表される形態39に記載の組成物:
Xは、A及びBモノマーと共重合可能なビニル基であり;
Yは、多価結合基であり;
nは、0または1であり;
R12は、水素または低級アルキルであり;
iは、0〜2の整数であり;
jは、1〜3の整数であり;
i+jは、3であり;及び
Tは、ヒドロキシ、またはハロゲン原子、アルコキシ、アルケノキシ、アシロキシ、カルボキシ、アミノ、アミド、ジアルキルイミシオキシ、ケトキシム及びアルドキシムから成る群より選ばれた加水分解性基である。
42.以下の繰返し単位を含んで成るポリマーを含んで成るヒト口腔内の口腔表面をコーティングするのに適する歯科用組成物:
A)1〜80重量%の極性基または可極性化基;
B)0〜98重量%の改質基;
C)1〜40重量%の少なくとも 500の分子量を有する疎水性グラフトポリシロキサン鎖;
D)1〜50重量%の下記式による表される基
Xは、A及びBモノマーと共重合可能なビニル基であり;
Yは、多価結合基であり;
nは,0または1であり;
R12は、水素または低級アルキルであり;
iは、0〜2の整数であり;
jは、1〜3の整数であり;
j+jは、3であり;及び
Tは、ヒドロキシ、またはハロゲン原子、アルコキシ、アルケノキシ、アシロキシ、アルボキシ、アミノ、アミド、ジアルキルイミノオキシ、ケトキシム及びアルドキシムから成る群より選ばれた加水分解性基である。
43.Tが、アルコキシ、アルケノキシ、アシロキシ、ケトキシム及びアルドキシムから成る群より選ばれた形態41に記載の組成物。
44.Tがアルコキシ基である形態41に記載の組成物。
45.前記組成物が、反応性シラン部分の縮合を促進する触媒を更に含んで成る形態40に記載の組成物。
46.前記触媒が、第III A族、第IVA族、第VA族、第VIA族、第VIIIA族、第IB族、第IIB族、第III B族、第IVB族及び第VB族の金属を含んで成る有機金属触媒から成る群より選ばれた形態45に記載の組成物。
47.前記触媒が、ジオクタン酸錫、ナフテン酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオキシド、ジブチル錫ジオクトエート、ジルコニウムキレート、アルミニウムキレート、チタン酸アルミニウム、チタンイソプロポキシド、及びこれらの混合物から成る群より選ばれた形態46に記載の組成物。
48.前記触媒が、トリエチレンジアミン、p−トルエンスルホン酸、n−ブチルホスホン酸及びこれらの混合物から成る群より選ばれた形態45に記載の組成物。
49.前記組成物が、縮合反応しうる少なくとも2個の総合シリコーン反応部位を含んで成る化合物を更に含んで成る形態39に記載の組成物。
50.前記化合物が下記式により表される形態49に記載の組成物:
Yは、多価結合基であり;
R12は、Hまたは低級アルキルであり;
iは、0〜2の整数であり;
jは、1〜3の整数であり;
i+jは、3であり;
kは、2〜50であり;及び
Tは、ヒドロキシ、またはハロゲン原子、アルコキシ、アルケノキシ、アシロキシ、カルボキシ、アミノ、アミド、ジアルキルイミノオキシ、ケトキシム及びアルドキシムから成る群より選ばれた加水分解性基である。
51.Tが、アルコキシ、アルケノキシ、アシロキシ、ケトキシム及びアルドキシムから成る群より選ばれた形態50に記載の組成物。
52.Tがアルコキシ基である形態50に記載の組成物。
53.前記化合物が下記式により表される形態49に記載の組成物:
55. 前記触媒が、第III A族、第IVA族、第VA族、第VIA族、第VIIIA族、第IB族、第IIB族、第III B族、第IVB族及び第VB族の金属を含んで成る有機金属触媒から成る群より選ばれた形態54に記載の組成物。
56.前記触媒が、ジオクタン酸錫、ナフテン酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオキシド、ジブチル錫ジオクトエート、ジルコニウムキレート、アルミニウムキレート、チタン酸アルミニウム、チタンイソプロポキシド、及びこれらの混合物から成る群より選ばれた形態55に記載の組成物。
57.前記触媒が、トリエチレンジアミン、p−トルエンスルホン酸、n−ブチルホスホン酸及びこれらの混合物から成る群より選ばれた形態54に記載の組成物。
58.前記ポリマーが10,000〜10,000,000重量平均分子量を有する形態39に記載の組成物。
59.前記ポリマーが50,000〜5,000,000 の重量平均分子量を有する形態39に記載の組成物。
60.口腔環境の硬質組織表面上のコーティングであって、以下の繰返し単位を含んで成り、縮合反応しうる少なくとも1個のシラン部分を含むポリマーから製造されたコーティング:
A)1〜80重量%の極性基または可極性化基;
B)0〜98重量%の改質基;
C)1〜40重量%の少なくとも 500の分子量を有する疎水性グラフトポリシロキサン鎖。
61.一時的または永久的歯修復材であって、以下の繰返し単位を含んで成り、縮合反応しうる少なくとも1個のシラン部分を含むポリマーを含んで成るコーティングを有する修復材:
A)1〜80重量%の極性基または可極性化基;
B)0〜98重量%の改質基;
C)1〜40重量%の少なくとも 500の分子量を有する疎水性グラフトポリシロキサン鎖。
62.以下の繰返し単位:
A)1〜80重量%の極性基または可極性化基;
B)0〜98重量%の改質基;
C)1〜40重量%の少なくとも 500の分子量を有する疎水性グラフトポリシロキサン鎖;
を含んで成り、縮合反応しうる少なくとも1個のシラン部分を含むポリマーを含んで成るコーティングを有する歯列矯正具。
63.前記組成物が、その弾性率以下の損失弾性率を有する形態39に記載の組成物。
64.前記組成物が、その弾性率に等しい損失弾性率を有する形態39に記載の組成物。
65.以下の工程を含んで成る口腔内表面への細菌の付着を減少させる方法:
a)以下の繰返し単位:
A)1〜80重量%の極性基または可極性化基;
B)0〜98重量%の改質基;
C)1〜40重量%の少なくとも 500の分子量を有する疎水性グラフトポリシロキサン鎖;
を含んで成り、縮合反応しうる少なくとも1個のシラン部分を含むポリマーを含んで成る組成物を、口腔内表面に塗布する工程;及び
b)前記ポリマーを前記口腔内表面上で乾燥させる工程。
66.前記ポリマーを塗布する前に被覆面を酸性溶液で処理する形態65に記載の方法。
67.前記組成物が、反応性シラン部分の縮合を促進する触媒を更に含んで成る形態65に記載の方法。
68.前記組成物が、縮合反応しうる少なくとも2個のシラン部分を含んで成る化合物を更に含んで成る形態65に記載の方法。
69.以下の工程を含んで成る口腔内表面への細菌の付着を減少させる方法:
a)以下の繰返し単位:
A)1〜80重量%の極性基または可極性化基;
B)0〜98重量%の改質基;
C)1〜40重量%の少なくとも 500の分子量を有する疎水性グラフトポリシロキサン鎖;
を含んで成り、縮合反応しうる少なくとも1個のシラン部分を含むポリマーを含んで成る組成物を口腔内表面に塗布する工程;及び
b)前記ポリマーを前記口腔内表面上に乾燥させる工程;
c)界面活性剤を含んで成る第2の組成物を被覆された口腔内表面に塗布する工程。
70.以下の工程を含んで成る歯列矯正具の近接した口腔内表面への細菌の付着を減少させる方法:
a)歯列矯正具を歯表面に接着させる工程;
b)以下の繰返し単位:
A)1〜80重量%の極性基または可極性化基;
B)0〜98重量%の改質基;
C)1〜40重量%の少なくとも 500の分子量を有する疎水性グラフトポリシロキサン鎖;
を含んで成り、縮合反応しうる少なくとも1個のシラン部分を含むポリマーを含んで成る組成物を歯列矯正具及び前記歯列矯正具に隣接する歯表面に塗布する工程;及び
b)前記ポリマーを前記口腔内表面上で乾燥させる工程。
71.歯を修復するために必要な以下の成分を含んで成る処理剤を塗布するためのキット:
a)歯修復材;及び
b)以下の繰返し単位:
A)1〜80重量%の極性基または可極性化基;
B)0〜98重量%の改質基;
C)1〜40重量%の少なくとも 500の分子量を有する疎水性グラフトポリシロキサン鎖。
を含んで成り、縮合反応しうる少なくとも1個のシラン部分を含むポリマーを含んで成る組成物。
Claims (11)
- 口内環境の表面または硬質組織表面のコーティングのための組成物であって、
A)少なくとも1つの極性基または極性化性基を含むモノマー1〜80重量%
B)得られるポリマーの物性を改質する少なくとも1つの基を含むモノマー0〜98重量%、
C)少なくとも 500の分子量の少なくとも1つの疎水性グラフトポリシロキサン鎖を含むモノマー1〜40重量%
を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位を含むポリマーと、適切なキャリアとを含む組成物。 - 前記極性基または極性化性基がヒドロキシ、チオ、置換および無置換アミド、環式エーテル、ホスフィン、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、C,S,P,Bのオキシ酸、C,S,P,Bのチオオキシ酸、これらの基の前駆体および保護形態からなる群より選ばれたものである請求項1記載の組成物。
- A単位が、下記一般式
A単位が、一般式
A単位がアルコキシ置換(メタ)アクリレート若しくは(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれるか、又は、
A単位が、一般式
- C単位が一般式
Yは二価の結合基であり、
nは0または1であり、
mは1〜3の整数であり、
Rは水素、低級アルキルであり、
Zは500を越える数平均分子量を有する、一価シロキサンポリマー部分であり、
そして共重合条件下で本質的に無反応性である。)を有するモノマーから誘導されたものであるか、又は、
単位Cが一般式
Zは一般式
eは5〜700の整数であり、
mは1,2または3であり、
nは0または1である。)を有するモノマーから誘導されたものであるか、又は、
C単位が
RおよびR”は水素、低級アルキルであり、
Zは500を越える数平均分子量を有する一価シロキサンポリマー部分であり、そして共重合条件下で本質的に無反応性であり、fは2〜6の整数であり、
gは0または1であり、
hは0〜2の整数である。)からなる群より選ばれた一般式を有するモノマーから誘導されたものである、請求項1記載の組成物。 - 請求項1記載のポリマーを含むコーティングを有する、一時若しくは永久歯科修復材。
- 請求項1記載のポリマーを含むコーティングを有する、歯列矯正具。
- 請求項1記載のポリマーを含むコーティングを有する、歯科補てつ具。
- ヒト口内表面をコーティングするための歯科用組成物であって、
請求項1記載のポリマーを含み、弾性率以下の損失弾性率を有する組成物。 - 請求項1記載のポリマーを含む、チューイングガム。
- 歯に修復材を適用する処置を必要とする場合のかかる処置のためのキットであって、以下を含んで成るキット:
a)歯修復材;及び
b)請求項1記載のポリマーを含む組成物。 - 以下のモノマーを含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰返し単位を含んで成るポリマーを含んで成るヒト口腔内の口腔表面をコーティングするための歯科用組成物:
A)少なくとも1つの極性基または極性化性基を含むモノマー1〜80重量%;
B)得られるポリマーの物性を改質する少なくとも1つの基を含むモノマー0〜98重量%;
C)少なくとも 500の分子量を有する少なくとも1つの疎水性グラフトポリシロキサン鎖を含むモノマー1〜40重量%;
D)下記式による表される少なくとも1つの基を含むモノマー1〜50重量%基
Xは、A及びBモノマーと共重合可能なビニル基であり;
Yは、多価結合基であり;
nは、0または1であり;
R12は、水素または低級アルキルであり;
iは、0〜2の整数であり;
jは、1〜3の整数であり;
i+jは、3であり;及び
Tは、ヒドロキシ、またはハロゲン原子、アルコキシ、アルケノキシ、アシロキシ、カルボキシ、アミノ、アミド、ジアルキルイミノオキシ、ケトキシム及びアルドキシムから成る群より選ばれた加水分解性基である。
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