JP2006347378A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 キャニスタの新気導入口に常閉型電磁弁を備えたエンジンにおいて、エンジン停止中に給油口キャップ又はフューエルフィラーリッドが開かれると、コントロールモジュールが低消費電力モードから通常モードに移行し、燃料タンク内の残量及び/又は圧力の増加に基づいて実際に給油されているか否かを判断して、該判断結果に基づいて前記電磁弁に開駆動信号を出力するか否かを決定する。
【選択図】 図2
Description
例えば、燃料タンクにて発生した燃料蒸気を捕集するキャニスタを備えたエンジンにおいて、前記キャニスタの新気導入口に常閉型の電磁開閉弁を設けてあると、キャニスタを介して燃料タンク内を大気解放して給油が可能な状態にするためには、前記電磁開閉弁に駆動信号を出力して開弁させる必要が生じる。
エンジンの停止中に制御装置を通常モードで動作させると、エンジン停止中の消費電力が大きくなり、バッテリを大きく消耗させてしまうという問題が生じる。同様に、エンジン停止中に無用に駆動信号を出力すると、エンジン停止中の電力消費を増大させ、バッテリを大きく消耗させてしまうことになる。
かかる構成によると、車載電装品に駆動信号を出力することが要求される前提条件が成立しているか否かに基づいて、駆動信号の出力が要求され得る状態であるか否かを判定し、更に、駆動信号の出力が要求され得る状態であっても、実際に駆動信号の出力が要求される状態になっているか否かに基づいて、駆動信号の出力・停止を制御することが可能である。
請求項2記載の発明では、前提条件の成立時に通常モードに移行し、前提条件の非成立時に低消費電力モードに移行する一方、通常モードにおいて、車載電装品への駆動信号の出力が要求される状態に実際になっているときにのみ前記駆動信号を出力する。
従って、駆動信号の出力され得る条件のときにのみ通常モードになるから、制御装置の消費電力を節約できると共に、電装品への駆動信号の出力も実際に要求されるときに限定して行われるので、電装品における消費電力も節約できる。
従って、前提条件が成立した直後は電装品を駆動状態に保持して、駆動要求に遅れなく対応できると共に、駆動要求の消滅に対して直ちに駆動信号の出力を停止させて、電装品における消費電力を節約できる。
かかる構成によると、前提条件の成立状態であって本来は通常モードに設定すべき状態であっても、前提条件の成立状態が最大時間以上継続すると、強制的に通常モードから低消費電力モードに移行させ、駆動信号の出力も停止させる。
実施形態における車両用エンジンのシステム構成を図1に示す。
図1において、エンジン1はガソリン内燃機関であり、スロットルバルブ2及び吸気バルブ3を介して燃焼室4内に空気が吸引される一方、燃料噴射弁5から燃料が噴射されることで、燃焼室4内に混合気が形成される。
前記燃料噴射弁5には、燃料タンク10内の燃料(ガソリン)が供給される。
前記燃料タンク10内には、燃料ポンプ11が設置されており、該燃料ポンプ11によって吸引された燃料が、図示省略した燃料供給管を介して前記燃料噴射弁5に供給される。
前記ECM12は、マイクロコンピュータを含んで構成され、各種センサからの検出信号を入力し、前記検出信号に基づく演算処理によって、燃料噴射時期・燃料噴射量を決定して噴射制御信号を前記燃料噴射弁5に出力し、また、点火時期を決定して点火信号を点火プラグ6(パワートランジスタ)に出力する。
また、本実施形態のエンジン1には、蒸発燃料処理装置15が設けられている。
前記蒸発燃料処理装置15は、燃料タンク10において発生した燃料蒸気を、燃料蒸気導入路16を介してキャニスタ17内の吸着材(活性炭)に一旦吸着させて捕集し、前記キャニスタ17から脱離させた燃料蒸気を、パージ通路18を介してエンジン1のスロットルバルブ2下流側の吸気通路に供給するものである。
前記パージ通路18には、常閉型電磁弁であるパージ制御弁19が介装されており、該パージ制御弁19の開度によってパージ流量が制御される。
前記パージ制御弁19及び大気開放弁20は、エンジン停止時における燃料蒸気の流出を防止するために、必要時以外は閉状態を保持することが望まれるため、常閉型の電磁弁を用いるようにしている。
前記エリアの圧力を検出する圧力センサ21が設けられており、前記エリアを閉塞させた状態での圧力センサ21の検出結果から、前記エリアにおけるリークの有無を診断できるようになっている。
前記FCM22は、マイクロコンピュータを含んで構成されると共に、前記ECM12と相互通信可能に構成され、前記圧力センサ21の検出信号を入力すると共に、燃料レベルゲージ23の検出信号や、燃料タンク10の給油口のキャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)の開閉状態を検出する開閉スイッチ24の信号を入力する。
尚、前記燃料タンク10には、タンク内の圧力が異常な高圧になったときに圧力を抜くための機械式バルブ25や、燃料の満タン時に閉となってキャニスタ17側への液体燃料の流出を防ぐ機械式バルブ26などが設けられている。
そこで、FCM22がエンジン停止中も動作し、給油要求時に大気開放弁20を開制御する必要があり、本実施形態では、省電力を図りながら給油を可能にする制御を前記FCM22(制御装置)が行うようになっている。
図2のフローチャートは、前記給油制御の第1実施形態を示す。
図2のフローチャートにおいて、ステップS11では、前記開閉スイッチ24の信号から燃料タンク10の給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開かれているか否かを判断する。
一方、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開いている場合には、ステップS13へ進み、前記給油口開放継続タイマt1をカウントアップする。
ステップS14では、前記給油口開放継続タイマt1が予め定めた判定値(1)以上になっているか否かを判別する。
前記給油口開放継続タイマt1が判定値(1)未満である場合、即ち、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開いている状態の継続時間が、信号出力時間に相当する判定値(1)未満である場合には、ステップS15へ進んで、給油口開放継続タイマt2を0に初期化する。
従って、前記前記給油口開放継続タイマt2は、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開いている状態の継続時間が判定値(1)になってからの経過時間を示すことになる。
前記エンジン停止状態の判別は、前記ECM12から送信されるエンジン回転信号やイグニッションスイッチのオン・オフ信号から判断される。
エンジン1の運転状態であるときには、FCM22は、燃料ポンプ11の制御やパージ制御のために通常モードで動作する必要があるので、ステップS24へ進んで、通常モードに設定する。
これに対し、後述する低消費電力モードは、電力消費が前記通常モードよりも抑えられる結果、検出信号の演算処理等は可能であるものの、前記パージ制御弁19及び大気開放弁20(車載電装品)の開制御(開駆動信号の出力)が不能になるモードである。
一方、エンジン1が停止状態であるときには、ステップS18へ進み、前記開閉スイッチ24の信号から燃料タンク10の給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開かれているか否かを判断する。
ステップS25では、前記大気開放弁20に対する開駆動信号(開弁電力)の出力を停止し、次のステップS26では、低消費電力モードに移行する。
従って、給油のためにエンジンを停止させた場合であっても、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開かれるまでは、低消費電力モードで待機することになり、給油が行われない場合には、次にエンジンが始動されるまで低消費電力モードを維持することになる。
実際に給油が行われる場合には、前記大気開放弁20を開駆動することで、給油に伴うタンク内圧の過剰上昇を回避する必要があるが、フューエルフィラーリッド28・給油キャップ27が閉じている場合には給油が行われ得る条件になく、前記大気開放弁20を開駆動する必要がないから、前記大気開放弁20に対する開駆動信号(開弁電力)の出力を停止し、更に、低消費電力モードに移行して、エンジン停止中の消費電力の節約を図る。
一方、ステップS18で、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開いていると判断されると、ステップS19へ進む。
前記給油口開放継続タイマt1が判定値(1)未満であるとき、即ち、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開かれてからの時間が判定値(1)未満であるときには、ステップS22へ進んで、前記大気開放弁20(給油弁)に対する開駆動信号(開弁電力)の出力をセットし、次いでステップS24へ進んで、通常モードに設定する。
給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開かれた直後は、実際の給油動作が行われていなくても、給油が直ぐにでも開始される可能性が高い状態であるから、前記大気開放弁20を開状態に保持して給油に備えるようにする。
一方、ステップS19で、前記給油口開放継続タイマt1が判定値(1)以上になっていると判断された場合には、ステップS20へ進む。
ステップS20では、前記給油口開放継続タイマt2が判定値(2)以上になっているか否かを判別する。
ステップS21では、実際に給油されているか否か、換言すれば、前記大気開放弁20への開駆動信号の出力が要求される状態に実際になっているか否かを判別する。
前記ステップS12における実際に給油されているか否かの判別は、前記燃料レベルゲージ23の検出信号に基づき検出される燃料残量の増大や、前記圧力センサ21の検出信号に基づき検出される燃料タンク10内の圧力上昇が認められた場合には、実際に給油が行われていると判断する。
実際に給油されていると判断された場合には、前記給油口開放継続タイマt1が判定値(1)未満であると判断されたときと同様に、ステップS22へ進み、前記大気開放弁20に対する開駆動信号(開弁電力)の出力をセットし、更に、ステップS24へ進んで、通常モードに設定する。
一方、ステップS21で、給油が行われていないと判断されたときには、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開いていても、大気開放弁20を開制御する必要がないので、ステップS23へ進み、前記大気開放弁20への開駆動信号の出力を停止し、前記大気開放弁20を閉状態にする。
即ち、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が継続して開いていている時間が、判定値(1)+判定値(2)を超えることがあっても、判定値(1)+判定値(2)になった時点で低消費電力モードに移行する一方、判定値(1)+判定値(2)になる前に給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が閉じられると、低消費電力モードに移行する。
更に、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が継続して開いていている時間が判定値(1)+判定値(2)になる前であっても、判定値(1)を超えた後は、実際に給油が行われているか否か(換言すれば、大気開放弁20への開駆動信号の出力が要求される状態に実際になっているか否か)に基づいて、大気開放弁20に対する開駆動信号の出力・停止を切り換えるので、無用に開駆動信号が出力されることによる消費電力の増大を回避できる。
前記給油口開放継続タイマt2が判定値(2)以上になっていると判別された場合は、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開かれてから、判定値(1)+判定値(2)だけの時間が経過していることになる。
従って、前記判定値(1)+判定値(2)の時間を超えて、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開状態を保持する場合には、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)の閉め忘れ等が予測され、大気開放弁20に開駆動信号を出力する必要はないと判断されるので、前記大気開放弁20に対する開駆動信号(開弁電力)の出力を停止し、低消費電力モードに強制的に移行する。
尚、エンジン運転中には、キャニスタ17からのパージ要求等に応じて、前記大気開放弁20が開制御されることになるが、図2のフローチャートは、エンジン停止中の処理を中心に説明するものであり、エンジン運転中の制御は省略されている。
上記図2に示す第1実施形態では、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)を開いてからの時間経過を前記給油口開放継続タイマt1で計測させ、判定値(1)が経過した時点からの時間経過を前記給油口開放継続タイマt2で計測させるようにしたが、前記給油口開放継続タイマt1と判定値(1),判定値(2)とを比較させることによっても、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)を開いてからの時間経過が、判定値(1),判定値(2)に達したか否かを判断させることができる。
図3のフローチャートは、前記給油制御の第2実施形態を示す。
図3のフローチャートにおいて、ステップS31では、エンジンが停止状態であるか否かを判別する。
一方、エンジンが停止している場合には、ステップS32へ進む。
ステップS32では、前記開閉スイッチ24の信号から燃料タンク10の給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開かれているか否かを判断する。
給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開いている場合には、ステップS33へ進み、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開いている継続時間t3が判定値(3)以上になっているか否かを判定する。
前記継続時間t3が判定値(3)未満であるときには、ステップS34へ進み、前記ステップS21と同様にして、実際に給油されているか否か、換言すれば、前記大気開放弁20への開駆動信号の出力が要求される状態に実際になっているか否かを判別する。
そして、実際に給油されている場合には、ステップS35へ進んで、大気開放弁20に対する開駆動信号の出力を設定し、次いでステップS37へ進んで、通常モードに設定する。
また、ステップS32で給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が閉じていると判断された場合、及び、ステップS33で、前記継続時間t3が判定値(3)以上になっていると判断された場合には、ステップS38へ進んで、大気開放弁20に対する開駆動信号の出力停止を設定し、次いでステップS37へ進んで、低消費電力モードに設定する。
但し、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開かれている継続時間t3が判定値(3)以上に達すると、たとえ給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)が開いていても、低消費電力モードに強制的に移行することで、給油キャップ27(又はフューエルフィラーリッド28)の閉め忘れによって通常モードのまま放置されることを回避する。
上記第2実施形態の場合、実際に給油が行われるようになってから大気開放弁20が開制御されることになるが、ある程度給油されて残量が増えタンク内圧が上昇することで、大気開放弁20が開制御されるから、給油動作に大きな支障をきたすことはない。
更に、車両の位置情報として、ガソリンスタンドに停車しているか否かを検出し、ガソリンスタンドに停車している状態で通常モードに保持させ、実際に給油が行われているか否かに基づいて大気開放弁20に対する開駆動信号の出力・停止を決定させることができ、前記実際に給油が行われているか否かの判断に、フューエルフィラーリッド28の開放及び/又は給油キャップ27の開放を検出させることができる。
(イ)請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両の制御装置において、前記車載電装品が、前記駆動信号を受けて燃料タンクへの給油が継続的に可能な状態に切り換える電装品であることを特徴とする車両の制御装置。
(ロ)請求項(イ)記載の車両の制御装置において、
前記電装品が、前記燃料タンクにて発生した燃料蒸気を捕集するキャニスタの新気導入口に介装される常閉型の電磁弁であることを特徴とする車両の制御装置。
(ハ)請求項(イ)又は(ロ)に記載の車両の制御装置において、
前記前提条件として、フューエルフィラーリッド又は前記燃料タンクの給油キャップの開放を検出することを特徴とする車両の制御装置。
(ニ)請求項(イ),(ロ)又は(ハ)のいずれか1つに記載の車両の制御装置において、
前記駆動信号の出力が要求される状態に実際になっているか否かを、前記燃料タンクの燃料レベル及び/又は前記燃料タンク内の圧力に基づいて判断することを特徴とする車両の制御装置。
(ホ)請求項1〜4,(イ)〜(ニ)のいずれか1つに記載の車両の制御装置において、
前記制御装置が、エンジンを制御するエンジンコントロールモジュールとは個別に設けられ、燃料供給系に設けられた電装品を制御する燃料系コントロールモジュールであることを特徴とする車両の制御装置。
Claims (4)
- 車載電装品に駆動信号を出力する車両の制御装置であって、
前記車載電装品への駆動信号の出力が要求される状態の前提条件を判定すると共に、前記駆動信号の出力が要求される状態に実際になっているか否かを判定し、これらの判定結果に基づいて、通常モードと低消費電力モードとのいずれかへの切り換え、及び、前記駆動信号の出力・停止を行うことを特徴とする車両の制御装置。 - 前記前提条件の成立時に通常モードに移行し、前記前提条件の非成立時に低消費電力モードに移行する一方、前記通常モードにおいて、前記駆動信号の出力が要求される状態に実際になっているときにのみ前記駆動信号を出力することを特徴とする請求項1記載の車両の制御装置。
- 前記前提条件の成立時に通常モードに移行し、前記前提条件の非成立時に低消費電力モードに移行する一方、
前記前提条件が成立してから予め定めた信号出力時間内であるときには、前記車載電装品に駆動信号を出力し、前記信号出力時間以上になったときには、前記駆動信号の出力が要求される状態に実際になっているか否かに基づいて前記駆動信号の出力・停止を切り換えることを特徴とする請求項1記載の車両の制御装置。 - 前記前提条件の成立状態が予め定めた最大時間以上継続したときに、強制的に低消費電力モードに移行することを特徴とする請求項2又は3に記載の車両の制御装置。
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