JP2006345730A - おから含有味噌の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 不溶性植物繊維を多量に含むおから及び大豆ミールを、一般市販の丸大豆を使用して製造した味噌と同等以上の香り、食感、ザラツキ感を付与すると共に、安定吸収しにくいグリシド型イソフラボンからアグリコン型イソフラボンへと変換されたおから含有味噌を提供する。
【解決手段】 加温条件下でおからを粉砕する粉砕工程を有し、該工程で得られるおから粉砕物を原料として用いる。麹を用いてグリシド型イソフラボンからアグリコン型イソフラボンへと成分変換を計ると共に、味噌が熟成後再度粉砕する事により、更に微細粒子とし一般の丸大豆を使用し製造した味噌と同等以上の香り、食感、ザラツキ感を付与する。
【解決手段】 加温条件下でおからを粉砕する粉砕工程を有し、該工程で得られるおから粉砕物を原料として用いる。麹を用いてグリシド型イソフラボンからアグリコン型イソフラボンへと成分変換を計ると共に、味噌が熟成後再度粉砕する事により、更に微細粒子とし一般の丸大豆を使用し製造した味噌と同等以上の香り、食感、ザラツキ感を付与する。
Description
本発明は、おから及び大豆ミール含有味噌製造に関し、より詳細には、味噌としての賞味感は元より、大豆胚芽に豊富に含まれているイソフラボンにおいて吸収性の悪いグリコシド型イソフラボンを吸収率の高いアグリコン型に改質含有する、おから含有味噌の製造方法に関するものである。
おからは、豆腐を製造する際、豆乳を搾り取った残りかすという印象が強いが、おからには食物繊維やタンパク質、油脂そして多くのイソフラボンを含有している。しかしながら、おからを配合した味噌は、おから自身の特性から味噌汁にした際、口内での食感が悪い事から、あまり普及していないのが現状である。
このため生産されるおからの多くは、産業廃棄物として廃棄されている。このことは利用価値の高い多くの栄養素は元より、人体に吸収性の悪いとはいえ利用価値の高いイソフラボン(グリコシド型)までも廃棄されている事から、おからの有効利用が模索されている。
このため生産されるおからの多くは、産業廃棄物として廃棄されている。このことは利用価値の高い多くの栄養素は元より、人体に吸収性の悪いとはいえ利用価値の高いイソフラボン(グリコシド型)までも廃棄されている事から、おからの有効利用が模索されている。
例えば、オカラを原料として味噌の製造方法において、おからの持つザラツキ感を解消する目的で、オカラを加水摩砕もしくは煮沸・洗浄を施し無臭化処理したオカラを加水摩砕・水分調整と微粒子(30〜40ミクロン)にしたオカラペーストを大豆に替わって原料とする味噌の製造方法が提案されている(特許文献1参照)
しかしながら、特許文献1に記載のオカラを原料とした味噌の製造方法において、請求項1にある、オカラの粒子をそのままの状態での味噌は、6〜12ケ月程度の熟成では大豆の皮が完全分解されずザラツキ感が強く味噌としての価値観が低い。また請求項2の微粒子オカラ(40ミクロン)使用の場合は、実施例の中で詳細が記載されていないので、不明な点はあるが、請求項1の手法より若干改善された程度で、40ミクロン程度の粒子では味噌汁に使用した場合は、ザラツキを強く感じ味噌としての価値観が低く、無臭化処
理においては、イソフラボン及び油脂はじめ多くの有効成分が煮沸・洗浄で流出し価値観がなくなる。
理においては、イソフラボン及び油脂はじめ多くの有効成分が煮沸・洗浄で流出し価値観がなくなる。
そこで、本発明においては、味噌としての本来の食感を維持しながら、おからの持つ有効成分を温存・改質する味噌を製造するための方法を提供する事を目的とする。
本発明のおから含有味噌の製造方法(以下、「本方法」という)は、加温条件下でおからを粉砕する粉砕工程を有し、該工程で得られるおから粉砕物を原料として用いるおから味噌の製造方法である。
また、本方法には以下(1)〜(5)の態様が含まれる。
(1) 前記加温が27℃以上での加温である上記製造方法
(2) 前記おからの粉砕物の粒子が、50〜500マイクロメートルである上記製造方法。
(3) 前記おからの代替品として大豆ミールが使用する事もできる上記製造方法。
(4) 前記製造方法において、熟成後にミキサー等で再粉砕する上記製造方法。
(1) 前記加温が27℃以上での加温である上記製造方法
(2) 前記おからの粉砕物の粒子が、50〜500マイクロメートルである上記製造方法。
(3) 前記おからの代替品として大豆ミールが使用する事もできる上記製造方法。
(4) 前記製造方法において、熟成後にミキサー等で再粉砕する上記製造方法。
そして、本発明は、本方法により製造されるおから含有味噌を提供する。
イソフラボンは、女性ホルモンの欠乏を補うと同時に、分泌過剰の抑制効果や、強い抗酸化作用が老化防止に役立つと言われるが、実際大豆に含有するイソフラボンはグリコシド型であって分子量が大きく腸吸収タイプであり、腸内細菌には個人差が大きく吸収性にばらつきが生じる。(米国アラバマ大学バーミンガム校、ステファン・バーンズ教授の報告)そこで、腸内細菌の代替として麹菌を用いて味噌の長い熟成期間の間に、グリコシド型イソフラボンの糖分を分解除去し、アグリコン型イソフラボンとし食す事により胃で速やかに吸収されるよう改質ができる。然し現実は、味噌の最も多い用途である味噌汁においてザラツキという食感から敬遠され、おから含有味噌がほとんど存在しないのが実態である。
そこで、本発明においては、味噌製造前及び熟成完了後におから及びおから味噌を細粉砕する事によって、一般常用の味噌汁同様の食感を持った、おから含有味噌を製造する事を可能にした。
そこで、本発明においては、味噌製造前及び熟成完了後におから及びおから味噌を細粉砕する事によって、一般常用の味噌汁同様の食感を持った、おから含有味噌を製造する事を可能にした。
本方法は、加温条件下でおからを粉砕する粉砕工程を有すると共に、粉砕工程により
得られたおから粉砕物を原料として用いおから含有味噌を製造する方法である。粉砕工程
とは、加温条件下で行われるが、本発明でいう「加温」とは、おから又はおから粉砕物を周囲温度よりも高い温度へ人的に加熱するのみならず、粉砕等によって自然に発熱しておから又はおから粉砕物が周囲温度よりも高い温度になる場合も含む。粉砕中におからに含まれる油脂類が溶出等により移動しやすくなり、粉砕されたおからの表面を該油脂が覆うことにより加水することなく、おからが粘度を有しペースト状となる。かかるおからの粉砕温度は27℃〜60℃が好ましい。この粉砕で得られるおからの粒径は50〜500マイクロメートルの範囲になるよう調整粉砕する。
得られたおから粉砕物を原料として用いおから含有味噌を製造する方法である。粉砕工程
とは、加温条件下で行われるが、本発明でいう「加温」とは、おから又はおから粉砕物を周囲温度よりも高い温度へ人的に加熱するのみならず、粉砕等によって自然に発熱しておから又はおから粉砕物が周囲温度よりも高い温度になる場合も含む。粉砕中におからに含まれる油脂類が溶出等により移動しやすくなり、粉砕されたおからの表面を該油脂が覆うことにより加水することなく、おからが粘度を有しペースト状となる。かかるおからの粉砕温度は27℃〜60℃が好ましい。この粉砕で得られるおからの粒径は50〜500マイクロメートルの範囲になるよう調整粉砕する。
本方法は、前記で得られたおから粉砕物に麹、塩を加え約1年間の熟成を行う。この熟成期間の間に、何も失う事の無かった多量のグリコシド型イソフラボンが、麹菌の酵素によりグリコシド型イソフラボンの糖分が分解され、吸収率の高いアグリコン型イソフラボンへと変化し、一層健康的な食物へと変化させることができる。本方法は、味噌の用途として最も利用率の高い味噌汁を一般の大豆使用の味噌汁と損色のない食感に仕上げる目的で、更に約1年を目途に熟成後ミキサーを用いて粉砕することにより、おからの持つザラツキ感を解消したおから含有味噌とする事ができる。
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例を挙げる。しかしながら、これら実施例によって、本発明は何ら制限されるものではない。まず、おから5Kgを用意した。このおからは、豆腐を製造する際に豆乳を搾り取った残りかすとして得られる物であるが、自動水分測定装置(平沼産業株式会社製、型番AQV−2000)によって水分含有量率を測定したところ、約71重量%であった。また、おからの粒径を顕微鏡にて観察したところ、ほぼ400〜1000マイクロメートルの範囲内であった。
次いで、おからを粉砕機(マドー社製、型番MTK662)を用いて粉砕を行った。約30分間おからを粉砕し、おから粉砕物を得た。このおから粉砕物の粒径を顕微鏡にて観察したところ、ほぼ、100〜200マイクロメートルの範囲内であった。また、この粉砕工程におけるおからの温度は、約55℃に上昇し、おから自体の形態は加温粉砕前のパサパサの状態から、おから自体の持つ該油脂が溶出し、おからの表面を覆うことによりペースト状に変化した。味噌製造の配合に関しては一般的配合とし、おから:65%、米麹:25%、粗塩:10%の重量比率とし、米麹と粗塩(粗塩約100gは残しておく)をよく混ぜた物を周囲の気温と同程度まで冷えたペースト状のおからに加え、均一になるよう混ぜ合わす。この混合物をあらかじめ用意しておいた容器(瓶)に、ソフトボール大程度に小分けし、容器内へ投げ込むように詰め込み最後に残しておいた粗塩約100gを表面に薄く振りかけ蓋をし、風通しの良い冷暗所に置き12ケ月熟成を行った。
12ケ月の熟成を経た、前記おから含有味噌を開封し容器(瓶)の味噌上層部を約2cm除去し、次いで、ミンチ機MD−22Kにて熟成完了したおから含有味噌を更に粉砕処理を施した。この粉砕後のおから粉砕物の粒径を顕微鏡にて観察を行ったところ、10ナノメーター以下の粒径となった。
乾燥状態の大豆ミール(水分8.2%含有)に加水し、十分に撹拌しながら水分率が約71%に成るように調整された湿潤状態の大豆ミールを5kg用意した。この得られた湿潤状態の大豆ミールの粒径は顕微鏡で観察測定するに及ばない大粒径である。
次いで、実施例1と同様のおから粉砕機にて約30分の粉砕を行ったところ、おからと同様の粒径とペースト状の大豆ミールを得た。更に、[0014]同様の製造工程及び熟成を行った。
次いで、[0014]同様の工程により得られた熟成大豆ミール含有味噌を、更に[0015]同様にミンチ機MD−22にて粉砕処理を行った。この粉砕物の粒径を顕微鏡にて観察を行ったところ、13ナノメーター以下の粒径となった。
更に、これらで得られた味噌を成人男女各20人(30〜65歳)のモニター試食による評価を行った。結果は次のとおりであった。評価基準として、味噌の評価は大変に困難であるが、各家庭で一般に食されているだし入り外の米味噌をイメージし各自の基準とした。結果、対象区を各自のイメージとしたため、若干の評価誤差が生じた経緯も見られたが、丸大豆を使用したものと同等以上の評価を得る事が出来た。
Claims (5)
- 加温条件下でおからを粉砕する粉砕工程を有し、該工程で得られるおから粉砕物を原料として用いる、おから含有味噌の製造方法。
- 前記加温条件が27℃以上での加温である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記おから粉砕物の粒径が、50〜500マイクロメートルである、請求項1又は2に記載の製造方法。
- おからの代替として大豆ミールを用いた、請求項1又は2又3に記載の製造方法。
- 麹菌、塩を加え、熟成後ミキサー等を用いて更に細粉砕化する請求項1又は2又は3又は4に記載の製造方法。
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JP2005173544A JP2006345730A (ja) | 2005-06-14 | 2005-06-14 | おから含有味噌の製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2011030548A (ja) * | 2009-08-06 | 2011-02-17 | Masaaki Kondo | 味噌様発酵食品およびその製造方法 |
JP6125127B1 (ja) * | 2017-01-25 | 2017-05-10 | 久保商事株式会社 | 焙煎おから添加味噌 |
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2005
- 2005-06-14 JP JP2005173544A patent/JP2006345730A/ja active Pending
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