JP2006344338A - 評価装置、評価方法、光ディスク製造方法 - Google Patents

評価装置、評価方法、光ディスク製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ROMディスクに形成されたピットとランドとの境界部分をエッジシフトさせることで副データが記録される光ディスク記録媒体について、上記副データの記録品質について適正に評価するための評価指標を求める。
【解決手段】 上記ピットとランドとのエッジ部分のうちエッジシフトが行われた部分で測定されたエッジシフト量について、その標準偏差値と平均値と、さらに2値判定においてエッジシフトが行われたとして判定可能な最小限のシフト量として予め定められた最小シフト量の情報とに基づき、上記エッジシフト量についてのジッタ値を計算する。上記最小シフト量に基づくことで再生時にエッジシフトが行われたとして判定される範囲のみを対象とした正確なジッタ値を求めることができる。
【選択図】図15

Description

本発明は、ピット及びランドの組み合わせによって主データが記録される光ディスク記録媒体であって、所定の複数位置に形成されたピットとランドとのエッジ部分を対象として、所定の記録パワーによるレーザ光が照射されてエッジシフトが行われることで、上記主データとは別の副データの記録が行われる光ディスク記録媒体について、上記副データの記録品質を評価するための評価装置とその方法とに関する。
また、上記評価装置の評価結果に基づき上記副データの記録を行って上記光ディスク記録媒体を製造する光ディスク製造方法に関する。
光ディスクとして、特に再生専用のROMディスクは、1つのスタンパからプラスチックの射出成形によって短時間で大量のレプリカ基板を安価に製造可能であることからパッケージメディアとして世界中で利用されている。例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等は、音楽や映像等の情報を記録するROMディスクとして広く一般に普及している。
従来より、このようにパッケージメディアとして販売されるROMディスクを基にその記録データを違法コピーしたいわゆる海賊版ディスクが作成されており、著作権の侵害が問題となっている。
海賊版ディスク製造防止のためには種々の技術が提案されているが、その1つとして、例えばディスクごとに異なる識別情報を付加する技術が知られている。このようにディスク個々に異なる識別情報を付加することで、再生装置側が上記識別情報を読み取ってこれをネットワーク経由で外部のサーバ装置に送信するといったシステムを構築することができる。このようなシステムを用いれば、例えば海賊版ディスクが作成・販売された場合には上記サーバ装置にて同一の識別情報が大量に検出されるので、海賊版ディスクの存在を検知することができる。さらに、検出された識別情報を送信してきた再生装置を特定することで、海賊版業者を特定できる可能性もある。
ここで、このようにROMディスクに対して識別情報を追記するための手法としては、BCA(Burst Cutting Area)などのように、ディスク上のピット/ランドにより記録が行われる以外の部分に識別情報の記録領域を別途設けて記録する手法が知られている。
しかし、このようにピット/ランドにより記録が行われる以外の部分を対象として記録を行うと、識別情報の読み/書きにあたりトラッキングサーボをかけることができないので、記録時においては、比較的広い幅で以て記録マークを形成する必要がある。
周知のようにBCAは反射膜を焼き切って識別情報の記録が行われる。このため、上記のようにして記録マークを広い幅で形成しなければならないことで、比較的長くレーザ光を照射する必要があり、これによって識別情報の記録動作を効率的に行うことができないという問題があった。
特に、著作権保護のための識別情報の記録は、製造された大量のROMディスクに対し順次行っていくものであるため、その記録が効率的に行われないと出荷自体が遅れるなどの問題が生じる。
そこで、ROMディスクに対し識別情報を追記する手法として、例えばポストスクイライブドID(商標)と呼ばれる手法が提案されている(例えば下記の非特許文献1参照)。
このポストスクライブドIDの手法は、ディスク上のピット/ランドによる記録が行われる領域内において、識別情報を書き込むための領域を予め定めておき、その領域に対しピット/ランドのエッジが形成されるようにするための所定のパターンデータを記録しておく。
その上で識別情報の記録は、そのエッジ部分を対象として高出力による記録レーザ光を照射する/しないにより、エッジシフトさせる/させないことで行うものとする。つまり、例えば上記のような所定パターンデータが記録される領域をディスク上に複数設けておき、或る領域はエッジシフトを行い、他の領域はエッジシフトを行わないなどにより、識別情報の”0””1”が記録されるものである。
このとき、再生装置側としては、ディスク上の各所定領域を再生し、再生データが上記所定パターンデータと同じである領域では値”0”が記録されたと判定でき、また再生データが上記所定パターンデータと異なる領域は値”1”が記録されていると判定できる。
上記のような記録手法によれば、識別情報はピット/ランドによりデータが記録される領域において、ピット/ランドのエッジ部分をシフトさせることで追記することが可能であり、従って記録マーク自体はBCAでの場合よりも格段に小さくてよく、記録のためのレーザ光の照射時間も格段に短くすることができる。すなわち、その分識別情報の追記のために要する時間は短縮化することができる。
"ポストスクライブドID"[URL:http://www.postscribedid.com/index_j.html](平成17年5月6日検索)
ところで、上記のようにROMディスクに対しピット/ランドのエッジ部分をシフトさせて識別情報の追記を行う場合においても、このような識別情報の記録の安定化が図られるべく、エッジシフトにより記録された信号を評価し、その結果に基づいてレーザパワー等のパラメータを調整するなどして記録の最適化を図ることが考えられる。
しかしながら現状において、このようなエッジシフトにより追記される情報について記録信号を適正に評価する手法は提案されていない。
このような課題に基づき、本発明では評価装置として以下のように構成することとした。
つまり、ピット及びランドの組み合わせによって主データが記録される光ディスク記録媒体であって、所定の複数位置に形成されたピットとランドとのエッジ部分を対象として、所定の記録パワーによるレーザ光が照射されてエッジシフトが行われることで、上記主データとは別の副データの記録が行われる光ディスク記録媒体について、上記副データの記録品質を評価するための評価装置であって、先ず、上記光ディスク記録媒体に対し再生パワーにより照射したレーザ光の反射光情報に基づいて信号の読み出しを行う読出手段を備える。
また、上記読出手段による読出信号を所定レベルでスライスした結果を2値化信号として出力する2値化手段を備える。
さらに、上記2値化手段により得られる2値化信号に基づき測定した、上記所定の複数位置に形成されたピットとランドとのエッジ部分のうちエッジシフトが行われた部分でのエッジシフト量について、その標準偏差値と平均値と、さらに2値判定においてエッジシフトが行われたとして判定可能な最小限のシフト量として予め定められた最小シフト量の情報とに基づき、上記エッジシフト量についてのジッタ値を計算するジッタ値算計算手段を備えるようにしたものである。
上記のようにして本発明としては、ピットとランドとのエッジ部分のシフト量の分布について、従来の光ディスク記録媒体について行われているものと同様に、その標準偏差値と平均値とに基づくことで、上記エッジ部分についての時間的な揺らぎを示すジッタ値の概念を取り入れている。
但し、本発明としては、従来のようにピットとランドの組み合わせにより記録される主データについてではなく、エッジシフトによって記録が行われる副データについてのジッタ値を求めることから、単にエッジシフト量の分布の標準偏差値と平均値とに基づくのみでは正確な評価指標を求めることはできない。
このことは、副データの再生時の動作について考察してみるとわかる。つまり、再生装置側では、光ディスク記録媒体から読み出した信号について2値判定を行った結果に基づきエッジシフトが行われたか否かを判定するようにされる。つまりは、エッジシフト量を1T(チャンネルビット)の単位で検出するようにされているので、再生時にエッジシフトが行われていることが検出されるためには、1Tのシフト量として判定されるために必要な最小限のシフト量(最小シフト量、例えば0.5T)以上のシフト量が必要とされる。
これに対し、例えば従来から行われている主データについてのジッタ値計算に倣い、シフト量の分布の標準偏差値を、単にその分布の平均値のみに基づいて除算してジッタ値を計算した場合には、ジッタ値を計算する上での基準範囲は、元のエッジ部分(つまりシフト量が0の位置)からの範囲を含むものとなってしまう。つまりは、従来のジッタ値計算をそのまま適用したのみでは、上記最小シフト量以下の範囲もジッタ値を計算する上での対象範囲に含まれてしまうものであり、従って本発明のようにエッジシフトによって記録が行われる副データの記録品質についての評価値を得ることを前提とした場合には、正確な評価値が得られないことになる。
そこで、上記本発明のようにしエッジシフト量の分布についての標準偏差値と平均値と、さらに上記最小シフト量の情報とに基づきジッタ値を計算するようにしたことで、実際に再生装置側での2値判定によってエッジシフトが認められる範囲のみを基準とした、正確なジッタ値を計算することができる。
このようにして本発明によれば、ピット及びランドの組み合わせによって主データが記録される光ディスク記録媒体であって、所定の複数位置に形成されたピットとランドとのエッジ部分を対象としてエッジシフトが行われることで上記主データとは別の副データの記録が行われる光ディスク記録媒体について、上記エッジシフトにより記録が行われる副データの記録品質について適正に評価することのできる評価指標を得ることができる。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。なお、説明は以下の順序で行う。

<1.光ディスク記録媒体>
<2.記録方法>
<3.記録装置 >
<4.副データ評価値>
<5.評価装置>
<6.評価値測定動作>
<7.評価装置を用いた光ディスク製造方法>
<8.変形例>
<1.光ディスク記録媒体>

図1は、実施の形態で用いる光ディスク記録媒体(主データ記録ディスクD16)の断面構造図を示している。
実施の形態で用いる主データ記録ディスクD16は、再生専用のROMディスクであり、具体的にはブルーレイディスク(Blu-Ray Disc)と称されるディスクに準拠したディスク構造及びフォーマットが採用されたものとなる。
このディスクD16は、図示するようにして基板101と、この基板101に対して積層された反射膜102、及びこの反射膜102に対し接着されたカバー層103を備えている。基板101における上記反射膜102と接する面に対しては凹凸の断面形状が与えられている。凹状の断面部はピットであり、凸状の断面部はランドである。ディスクD16では、これらピットとランドの組み合わせ、具体的にはピットとランドのそれぞれの長さによりデータが記録される。
反射膜102は、基板101上に積層されることで上記のようなピットとランドの形状に応じた凹凸の断面形状が与えられる。また、反射膜102は、例えば金属膜とされ、図示するようにして対物レンズによって集光されるレーザ光が上記カバー層103を介して照射された際に、上記凹凸に応じた反射光が得られるようなっている。後述する記録装置50では、照射したレーザ光のこの反射膜102からの反射光に基づき、ピットとランドの組み合わせにより記録されるデータを読み出すことができる。
ここで、実施の形態の主データ記録ディスクD16では、反射膜102は、再生パワーによるレーザ光の照射に対しては物質特性は何ら変化しないが、再生パワーよりも充分に高い出力による記録パワーによりレーザ光が照射されることで溶融し、物質特性が変化してランド部分がピット部分での反射特性に近づく材料が選定されている。
一般的な光ディスク記録媒体では、反射膜の材料にはアルミニウムが用いられるが、本実施の形態の主データ記録ディスクD16では、例えばアルミニウムとチタンの合金、或いは銀を含む合金を選定している。
これらの材料による反射膜102とした場合に、所定の上記記録パワーによるレーザ光照射を行うと、ランド部分がピット部分での反射特性に近づき、これによって再生信号レベルがピット部分での再生信号レベルとみなされるレベルまで低下するという実験結果が得られている。これは、上記記録パワーによるレーザ光照射により、反射膜102が一旦溶融することで、金属膜の酸化状態や結晶状態(アモルファス状態)が変化することが要因となっていると考えられる。また、これと共に高出力のレーザ照射により反射膜102と接する基板101及び/又はカバー層103が熱せられて形状変化を生じることも1つの要因であると考えられる。
なお、実験によると、上記した本実施の形態としての材料による反射膜102を用いたディスクD16について、上記ランド部分をピット部分の反射特性に近づける記録パワーからレーザパワーを変えてレーザ光照射を行った場合に、ピット部分の反射特性がランド部分での反射特性に近づき、これにより再生信号レベルがランド部分での再生信号レベルとみなされるレベルまで上昇するという結果が得られている。この原理としても、高出力のレーザ光照射による反射膜102の酸化状態や結晶状態の変化や、基板101及び/又はカバー層103の形状変化が大きな要因となっていると考えられる。
ここで、以下では、上記のようにしてランド部分がピット部分での反射特性に近づき、ピット部分での再生信号レベルとみなされるレベルに低下することを「ランドをピット化する」と言い、逆に、ピット部分がランド部分での反射特性に近づきランド部分での再生信号レベルとみなされるレベルに上昇することを「ピットをランド化する」と言うことにする。
確認のために述べておくと、本発明においてはランド又はピットのエッジ部分についてランド→ピット化又はピット→ランド化により行われたエッジシフトのシフト量を測定した結果に基づき評価値の計算を行うものであって、エッジシフトを行うための原理自体について限定するものではない。つまりは、上記の説明とは異なる要素・原理に基づきランド化、ピット化によってエッジシフトが行われる場合にも本発明は好適に適用することができるものである。
図2は、主データ記録ディスクD16に記録される主データのデータ構造を示している。
先ず、図示するようにしてRUBと称される1つの記録単位が定義される。1つのRUBは、16個のセクターと2つのリンキングフレームから成るようにされる。リンキングフレームは、各RUB間の緩衝領域として設けられている。
それぞれのセクターは、図示するようにして31個のフレームから成る。さらに1つのフレームは1288データビットから成る。この場合、フレームは1つのアドレス単位を形成する。
ここで、後述もするが、本実施の形態のディスクD16において主データは、RLL(1,7)PP(Parity preserve/prohibit、RLL:Run Length Limited)変調された後にNRZI(Non Return to Zero Inverse)変調されてディスクD16に記録される。このために、図示もしているよう1フレームは、実際に記録される変調データとしては1932チャンネルビット分の領域となる。
また、上記のようなRLL(1,7)PP変調では、符号”0”と”1”との連続数(つまりピット長とランド長)は、何れも2T(チャンネルビット)から8Tの長さに制約される。このとき、各フレームの先頭に位置するsyncでは、この変調ルールに従わない9Tによる連続符号が挿入されて再生時のフレーム同期信号の検出に用いられる。
図3は、図2に示した1フレーム内のデータ構造を示した図である。
この図3に示されるように、1フレーム内には、図2にも示したsyncに続けて、25データビットによるデータ領域→1データビットによるDCコントロールビットが格納される。この場合、syncは、変調前のデータとしては20データビットとなる。
そして、上記25データビットの領域後のDCコントロールビットに続けては、45データビットによるデータ領域→1データビットによるDCコントロールビットのパターンが、図2に示した1フレームの合計である1288データビット分繰り返される。
本実施の形態では、このような1フレームの構造とした上で、上記sync後の25bitのデータ領域うち、先頭の24データビットの領域を、上記主データとは別の副データを形成するビットの値を書き込むためのID bit書込領域として割り当てるものとしている。このID bit書込領域として、本実施の形態の場合は第1ビット書込領域、第2ビット書込領域の2つが形成されるようにし、これによって1フレームにつき副データの値を2つ記録できるようにしている。
なお、この場合、副データとしては、ディスクD16の個々に固有となるようにして割り振られる識別情報(ID bitとも言う)が記録されるものとする。
各ビット書込領域は、この場合は合計24データビットを2つに分けたことでそれぞれ12データビット分が割り当てられたものとなり、それぞれのビット書込領域に対しては、図示するようにB43(16進法)による値を格納するものとしている。これによって、各ビット書込領域のデータがRLL(1,7)PP変調及びNRZI変調されて実際にディスクD16にピット・ランドとして記録されるときに、図示するようにして5Tのランドと5Tのピットが隣接する区間が得られるようにしている。
つまり具体的に、B43(101101000011)をRLL(1,7)PP変調した値は、図中のMudulation bitsとして示すように「001000010000100100」となり、そのNRZI変調後の記録波形には、図示するNRZI bit stream1、NRZI bit stream2に示されるように5Tピット→5Tランドの組、又は5Tランド→5Tピットの組が得られ、これによって5Tのランドと5Tのピットが隣接する区間が得られるようになっている。
なお、同じMudulation bitsに対してそれぞれ極性の異なるNRZI bit stream1、NRZI bit stream2を想定する必要があるのは、直前のフレームの最終ビットの値によっては第1ビット書込領域の開始時点でのNRZIの極性が異なる場合があるからである。
<2.記録方法>

本実施の形態では、上記のようにID bit書込領域内の第1ビット書込領域、第2ビット書込領域にて所定長のランドとピットとが隣接する区間が得られるようにした上で、これらランドとピットとの境界部分をシフトさせる/させないかにより識別情報の値の記録を行う。
つまり、図3中のエッジシフト対象部分sftがシフトされていれば”1”、シフトされていなけば”0”といった形態で識別情報の値を記録するものである。
次の図4に、このような本実施の形態としての識別情報(副データ)の記録動作の具体例を示す。
なお、この図4を含め以下の説明では、エッジシフト対象部分sftとしてランド側のエッジ部分をピット化することでエッジシフトを行う場合を例示する。さらに、エッジシフトとしては1T分のシフトを行うものとする。
先ず、この図においても、先の図3と同様のID bit書込領域内に格納されるデータ値(Data bits)とそれに基づくModulation bitsと、このModulation bitsに基づき得られる記録波形として想定され得る、それぞれ極性の異なるNRZI bit stream1とNRZI bit stream2の記録波形との関係が示されている。
この場合としては、上記もしているようにエッジシフトをランドのエッジ部分をピット化することで行うので、NRZI bit stream1、NRZI bit stream2の何れの場合も、エッジシフトを行うとしたときはランド側のエッジ部分を対象として記録パワーによるレーザ光照射を行って記録を行うことになる。
但し、ここで考慮すべきは、NRZI bit stream1の極性となる場合と、NRZI bit stream2の極性となる場合とで、レーザ光を照射するタイミングが異なるものとなることである。
すなわち、図示するようにNRZI bit stream1の極性となる場合、第1ビット書込領域及び第2ビット書込領域で共に先頭から8チャンネルビット目がそれぞれ適正なレーザ照射位置となるのに対し、NRZI bit stream2の極性となる場合、適正なレーザ照射位置は先頭から7チャンネルビット目となる。
このことを考慮すると、適正なエッジシフトが得られるようにするためには、記録対象のフレームでのNRZIの極性の情報を把握しておく必要がある。
例えばこの場合、識別情報の値として、第1ビット書込領域には”1”、第2ビット書込領域には”0”を記録するものとされたとする。
この場合、先ずはビット書込領域ごとに割り振られた識別情報の値に基づき、そのビット書込領域においてエッジシフトを行うか否かを判断する。つまり、この場合は割り振られた上記”1””0”の値より、第1ビット書込領域でエッジシフトを行えばよいことがわかる。
そして、このとき、記録対象としているフレームでのNRZI bit streamの極性によっては、適正なエッジシフト位置が異なるので、当該フレームでの極性に応じた位置でレーザ光の照射を行う。つまり、NRZI bit stream1の極性では、図示するように第1ビット書込領域の先頭から8チャンネルビット目の位置でレーザ光の照射を行うことで、適正にエッジシフト対象部分sftとしてのランドのエッジ部分をシフトさせることができる。
また、NRZI bit stream2の極性では、第1ビット書込領域の先頭から7チャンネルビット目の位置でレーザ光の照射を行うことで適正にエッジシフト対象部分sftとしてのランドのエッジ部分をシフトさせることができる。
このような動作により、この場合は第1ビット書込領域のみに”1”が記録されたことになる。すなわちこの結果、当該ID bit書込領域に対しては上記した”1””0”が記録されたことになる。
この図4では1つのフレーム内のID bit書込領域のみを抽出して示しているが、ID bit書込領域としては他のフレームに対しても同様に設けられるものである。従ってこのような記録動作を複数のフレームにわたって実行することで、識別情報を形成する全ての値を記録することができる。
ここで、記録された値の判定、すなわち識別情報の再生は以下のようにして行うことができる。
先ず、再生装置側では、フレームごとにID bit書込領域に記録されたデータ(主データ)の再生を行う。
ここで、本実施の形態では、先の図3に示したように、ID bit書込領域の位置とその中に格納されるべきデータの値がフォーマットにより規定されている。このことから再生装置側ではID bit書込領域の位置を認識できる。また、同様にID bit書込領域における各ビット書込領域内に格納されているデータ(主データ)の値も予め把握しておくことができる。
再生装置側では、ID bit書込領域のデータ再生を行い、各ビット書込領域ごとに再生データとそのビット書込領域に格納されているべきデータの値(この場合はB43)とを比較する。
そのビット書込領域での再生データがB43と一致すれば、エッジシフトが行われていない、つまり”0”が記録されていると判定できる。逆にB43と一致しなければエッジシフトが行われた、すなわち”1”が記録されていると判定できる。
このようにして識別情報の再生を行うことができる。
なお、これまでの説明のようにして各フレームごとに識別情報の値を2つを記録できるということは、この場合の識別情報としては最大でフレームの総数×2個分のビット数を記録できることになる。しかしながら、このことは必ずしも全てのフレームを対象として識別情報の記録を行うべきとするものではなく、例えば識別情報として記録すべきビットの数がフレームの総数×2以下となる場合には、識別情報を形成するすべてのビットを記録するに足るフレーム数分記録を行う等、識別情報の記録は一部のフレームを対象としてのみ行うこともできる。
なお、参考として、次の図5にはエッジシフトが行われた場合のディスク上の様子とエッジシフト後の記録波形、及びそれに伴い得られるModulation bitsとData bitsの値を示しておく。
先ず、この図においてType1と示す記録波形は、先の図3・図4を参照してわかるように、NRZI bit stream1の極性の場合の各ビット書込領域での記録波形に相当する。
また、Type2と示す記録波形は、NRZI bit stream2の極性の場合の各ビット書込領域での記録波形に相当する。つまり、このことから、この場合の各ビット書込領域での記録波形としてはこの2タイプしか存在しないことがわかる。
そして、記録波形が上記Type1であった場合、そのエッジシフト後のModulation bitsの値としては、図示するように「001000001000100100」となる。また、記録波形が上記Type2であった場合には、「001000100000100100」となる。
これらの値は、RLL(1,7)PP変調ルールに従って復調すると、図示するようにそれぞれB83(101110000011)、843(100001000011)に復調できることがわかる。本実施の形態では、ID bit書込領域内の各Byteに格納すべき値として、このようにシフト後に得られる値が正常にRLL(1,7)PP復調できる、すなわち変調ルールに従ったものとなるという条件も満たすようにその値を設定している。これによって変調ルールに従ってないデータとされることで再生装置側にて適正に主データの再生が行われなくなってしまうといった事態を防止することができる。
ここで、これまでの説明によると、本実施の形態では、ID bit書込領域の各ビット書込領域内に格納するデータ値としてB43を設定し、これによって各ビット書込領域のエッジシフト対象部分sftが5Tのランドとピットとのエッジ部分となるようにされ、且つエッジシフト後に得られるModulation bitsとして変調ルールに従った値が得られるようにしている。
本実施の形態において、このようにエッジシフト対象部分sftが5Tという比較的長めのランドとピットとのエッジ部分となるようにしているのは、このようにエッジシフト対象部分sftに係るランド長及びピット長が長いことで、レーザ照射による変形範囲が大きくなってしまった場合等に対象外のエッジに影響を与えてしまう可能性をそれだけ低くすることができるからである。つまり、これによって識別情報の記録エラーの発生率を低下させることができるというものである。
この場合、エッジシフト対象部分sftに係るランド長とピット長とが長ければ、その分記録エラーの発生を効果的に防止できる。つまり、この場合のランド長及びピット長は5Tに限定されるものではなく、それ以上の長さが設定されることで記録エラーの発生をより確実に防止することができる。
本実施の形態において、各ビット書込領域に格納するデータ値としてのB43は、このような記録エラー防止の観点でエッジシフト対象部分sftが所定長以上のランドとピットとのエッジ部分となるようにするという条件と、エッジシフト後のModulation bitが変調ルールに従ったものとなるようにするという条件の双方を満たす値の一例を示したものに過ぎず、これらの条件を満たす範囲内であれば任意の値に設定できる。
なお、その一例については、後の変形例において説明する。
ところで、これまでの説明のように、本例ではエッジシフト対象部分sftに係るランド側のエッジ部分をピット化することでエッジシフトを行うものとしているが、逆にエッジシフト対象部分sftに係るピット側のエッジ部分をランド化することによっても同様にエッジシフトによる記録を行うことが考えられる。
図6は、このようにピットをランド化することでエッジシフトを行うとした場合での、エッジシフトが行われたときのディスク上の様子とエッジシフト後の記録波形、及びそれに伴い得られるModulation bitsとData bitsの値を先の図5と同様に示した図である。
この場合も、図示するType1の記録波形は、NRZI bit stream1の極性の場合の各ビット書込領域での記録波形を示しており、Type2の記録波形は、NRZI bit stream2の極性の場合の各ビット書込領域での記録波形を示すものである。
図示するようにピットをランド化することでエッジシフトを行う場合は、エッジシフト対象部分sftに係るピット側のエッジ部分を対象としてレーザ光照射を行うことになるので、これまでで説明したランドのエッジ部分を対象とする場合とは逆に、Type1(NRZI bit stream1の極性のとき)の場合でのエッジシフト位置は、各ビット書込領域で先頭から7チャンネルビット目となり、Type2(NRZI bit stream2の極性のとき)では各ビット書込領域で先頭から8チャンネルビット目となる。
そして、Type1の場合、ピットのランド化によって行われたエッジシフト後のModulation bitsの値としては、図示するように「001000100000100100」となり、またType2の場合では、エッジシフト後のModulation bitsの値は「001000001000100100」となる。これらModulation bitsの値は、図示するようにそれぞれ843(100001000011)とB83(101110000011)にRLL(1,7)PP復調することができる。
つまり、この場合の各ビット書込領域に格納するB43のデータ値によれば、このようにピットをランド化してエッジシフトを行う場合においても、エッジシフト後のModulation bitsとしてRLL(1,7)PP変調ルールに従った値が得られるようにすることができる。
ここで、次の図7には、参考としてこの場合の各ビット書込領域に格納されるデータ値B43によって対応可能な全てのエッジシフト態様を示しておく。
なお、この図では対応可能な全てのエッジシフト態様を正負のエッジシフト量により示している。例えばエッジシフト量が「+」は、エッジシフト対象部分sftの位置を正方向(再生方向に対し順方向であるという意味で)にシフトさせるエッジシフト態様である。すなわち、このエッジシフト量「+」による態様としては、先の図5にて示したType1の場合(図4ではNRZI bit stream1の極性のとき)においてランドをピット化する場合と、図6に示したType2の場合(NRZI bit stream2の極性のとき)においてピットをランド化するエッジシフトを行う場合とが該当する。
逆にエッジシフト量が「−」は、エッジシフト対象部分sftの位置を負方向(再生方向に対し逆方向であるという意味で)にシフトさせるエッジシフト態様であり、具体的には先の図5にて示したType2の場合(NRZI bit stream2の極性のとき)においてランドをピット化する場合と、図6に示したType1の場合(NRZI bit stream1の極性のとき)においてピットをランド化するエッジシフトを行う場合とが該当する。
この図7を参照してわかるように、本実施の形態のB43によれば、ランドをピット化する場合とピットをランド化する場合との双方で、共に3T分のエッジシフトまで対応可能となる。
すなわち、ランドをピット化する場合、Type1の記録波形とされる場合においては、エッジシフト量の+1T→+2T→+3Tの増加に対し、シフト後のModulation bitsの値は「001000001000100100」→「001000000100100100」→「001000000010100100」となり、これらはそれぞれB83(101110000011)、B08(101100001000)、DC1(110111000001)のデータビット値にRLL(1,7)PP復調することができる。また、Type2の記録波形とされる場合においては、エッジシフト量の−1T→−2T→−3Tの増加に対し、シフト後のModulation bitsの値は「001000100000100100」→「001001000000100100」→「001010000000100100」となり、これらはそれぞれ843(100001000011)、AC3(101011000011)、883(100010000011)のデータビット値にRLL(1,7)PP復調することができる。
これらのことからランドをピット化する場合には、Type1・Type2双方の記録波形の場合で1Tから3Tまでのシフト量の範囲で変調ルールに従ったModulation bitsを得ることができる。すなわち、1T〜3Tの範囲までに対応可能となる。
また、ピットをランド化するとした場合、Type1の記録波形とされる場合においては、エッジシフト量の−1T→−2T→−3Tの増加に対し、シフト後のModulation bitsの値は、上記したランドをピット化する場合でのType2の記録波形とされる場合と同様となり、従ってこの場合も3Tまでのエッジシフトに対応できるものとなる。
また、ピットをランド化する場合でのType2の記録波形とされる場合において、エッジシフト量の+1T→+2T→+3Tの増加に対するシフト後のModulation bitsの値は、ランドをピット化するとした場合でのType1の記録波形とされる場合と同様となるので、この場合としても3Tまでのエッジシフトに対応できるものとなる。
つまりこれらより、ピットをランド化する場合としても1T〜3Tのエッジシフトまで対応可能となる。
<3.記録装置>

上記説明による本実施の形態としての記録動作を実現するための記録装置の構成の一例について、次の図8を参照して説明する。
先ず、ROMディスクとしての主データ記録ディスクD16は、図示されないターンテーブルに載置された状態でスピンドルモータ51によって所定の回転駆動方式に従って回転駆動される。このように回転駆動されるディスクD16に対し、図示する光ピックアップOPが記録信号(記録データ)の読み出しを行う。
この光ピックアップOPには、図示するようにしてレーザ光源となるレーザダイオードLD、レーザ光をディスクD16の記録面に集光・照射するための対物レンズ52a、ディスクD16からの上記レーザ光照射に基づく反射光を検出するフォトディテクタPD等が備えられている。
さらに、上記対物レンズ52aをフォーカス方向及びトラッキング方向に移動可能に保持する2軸機構52が設けられている。この2軸機構52は後述する2軸駆動回路56からのフォーカスドライブ信号FD、トラッキングドライブ信号TDに基づいて対物レンズ52aを上記フォーカス方向及びトラッキング方向に駆動する。
確認のために述べておくと、上記フォーカス方向とはディスクD16に接離する方向である。
また、この場合、ディスクD16に対しては、レーザ波長λ=405nm、対物レンズ52aの開口数NA=0.85により記録再生が行われる。
上記光ピックアップOP内のフォトディテクタPDによって検出された反射光情報は、IV変換回路53にて電気信号に変換された後、マトリクス回路54に供給される。マトリクス回路54は、IV変換回路53からの反射光情報に基づいて再生信号RF、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEを生成する。
サーボ回路55は、マトリクス回路54からのトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEに対し、それぞれ位相補償等のためのフィルタリングやループゲイン処理等の所定演算を行ってトラッキングサーボ信号TS、フォーカスサーボ信号FSを生成する。そして、これらトラッキングサーボ信号TS及びフォーカスサーボ信号FSを2軸駆動回路56に供給する。
2軸駆動回路56は、トラッキングサーボ信号TS、フォーカスサーボ信号FSに基づいてトラッキングドライブ信号TD及びフォーカスドライブ信号FDを生成し、これを2軸機構52のトラッキングコイル・フォーカスコイルに供給する。
この図に示すフォトディテクタPD、IV変換回路53、マトリクス回路54、及び上記したサーボ回路55、2軸駆動回路56、2軸機構52によっては、トラッキングサーボループ、及びフォーカスサーボループが形成される。これらトラッキングサーボループ、及びフォーカスサーボループが形成されることで、ディスクD16に照射されるレーザ光のビームスポットがディスクD16に形成されるピット列(記録トラック)をトレースし且つ適正なフォーカス状態で維持されるように制御が行われるようになっている。
また、上記マトリクス回路54にて生成された再生信号RFは2値化回路57に供給されて、ここで”0””1”の2値化データに変換される。この2値化データは同期検出回路58、PLL(Phase Locked Loop)回路59、アドレス検出回路60に対して供給される。
PLL回路59は、供給される2値化データに同期したクロックCLKを生成し、これを必要な各部の動作クロックとして供給する。特に、このクロックCLKは上記2値化回路57、及び次に説明する同期検出回路58、アドレス検出回路60、及び記録パルス発生回路61の動作クロックとしても供給される。
同期検出回路58は、供給される2値化データから先の図2に示したフレームごとに挿入されるsyncパターンを検出する。具体的には、この場合のsyncパターンとされる9T区間を検出してフレーム同期検出を行う。
フレーム同期信号はアドレス検出回路60を始めとした必要な各部に対して供給される。
アドレス検出回路60は、上記フレーム同期信号と供給される2値化データとに基づき、アドレス情報ADRの検出を行う。検出されたアドレス情報ADRはコントローラ65に供給される。また、このアドレス情報ADRは、記録パルス発生回路61における記録パルス生成回路63に対しても供給される。
記録パルス発生回路61は、図示するようにして記録パルス生成回路63、RAM(Randam Access Memory)62を備えている。
この記録パルス発生回路61には、ディスクD16に対し追記すべき識別情報(ID bit)と、各フレームのNRZIの極性を示す極性情報とが例えば外部から入力される。また、これと共に上記アドレス検出回路60からのアドレス情報ADRとPLL回路59からのクロックCLKとが供給される。
ここで、先に説明した本実施の形態としての識別情報の記録動作を実現するにあたっては、記録装置50に対し、上記のように追記を行うべき識別情報の値と、各フレームごとのNRZIの極性情報とが入力される必要がある。つまりは、識別情報の値が与えられることで、各フレーム内の各ビット書込領域において、エッジシフトを行うべきか否かを把握することができる。また、NRZIの極性情報は、先に説明したようにNRZIの極性が異なることでエッジシフトすべき位置がビット書込領域の先頭から8/7チャンネルビット目で異なることに対応させて、それぞれの極性に応じた正しい位置でエッジシフトが行われるようにするために必要な情報となる。
ここで確認のために述べておくと、この場合の記録装置50としては、主データ記録ディスクD16(ディスク100)の製造業者側で管理する装置である。従ってROMディスクであるディスクD16についてはそこに記録される記録データの値は予め把握しておくことができる。そして、このようにディスクD16に記録される記録データ値が把握できることで、上記のような各フレームごとでのNRZIの極性情報も製造業者側で求めておくことができる。
記録パルス発生回路61では、これら識別情報の値と極性情報とが、記録パルス生成回路63に入力される。記録パルス生成回路63は、これら識別情報の値と極性情報とをRAM62に対して各フレーム(アドレス)ごとに格納する。
図9は、このときRAM62内に格納されるデータの内容を示している。
図示するように入力された識別情報の値は、各アドレス(フレーム)の各ビット書込領域ごとに割り振られて格納される。さらに、各アドレスに対応づけてNRZIの極性を示す情報が格納される。
この場合、極性情報の”1”は、先に示したNRZI bit stream1の極性を示し、”0”はNRZI bit stream2の極性を示すものであるとする。
図8において、記録パルス生成回路63は、この図9に示されるようにしてRAM62内に格納された情報と、さらにクロックCLK及びアドレス情報ADRとに基づき、後述するようにしてエッジシフト位置でのみHとなる記録パルス信号Wrpを生成する。
レーザ制御部64は、記録パルス生成回路63から出力される記録パルス信号Wrpに基づき、光ピックアップOP内のレーザダイオードLDのレーザパワーを制御する。具体的にこの場合のレーザ制御部64は、記録パルス信号WrpがLレベルのときは再生パワーによるレーザ出力が得られるように制御する。また、記録パルス信号WrpがHレベルのときは記録パワーとなるように制御を行う。ここでは、ランドをピット化することでエッジシフトを行うものとし、上記記録パワーはこのようなランドのピット化が可能なレーザパワーが設定されるものとする。
コントローラ65は、例えばマイクロコンピュータにより構成され、当該記録装置50の全体制御を行う。
例えば、サーボ回路55に対して目標アドレスを指示することで、シーク動作制御を行う。すなわち、目標アドレスを指示することで、サーボ回路55によってこの目標アドレスをターゲットとした光ピックアップOPのアクセス動作を実行させる。
また、サーボ回路55に対してトラックジャンプ指令を行うことで、サーボ回路55によりトラッキングサーボループをオフとさせ、トラックジャンプ動作を実行させることもできる。
上記のような構成とされる記録装置50では、以下のような動作を行って主データ記録ディスクD16に対して識別情報を追記する。
なお、上記もしているようにここではランドをピット化することでエッジシフトを行う場合について例示する。
先ず、図8に示した記録パルス生成回路63では、RAM62内に格納したアドレス(フレーム)ごとの識別情報の値に基づいて、記録対象となるフレーム内のどのビット書込領域でエッジシフトを行うべきかを特定する。
そして、そのフレームに対応づけられて格納される”1””0”の情報から、当該フレームでのNRZIの極性を判別する。
その上で、特定したビット書込領域の情報と極性の情報とに基づき、ID bit書込領域内でのエッジシフト位置を認識する。
この場合、極性が”1”であることで、第1ビット書込領域・第2ビット書込領域で共に先頭から8チャンネルビット目のビット位置がエッジシフト位置であることがわかる。また、極性が”2”のであることで第1ビット書込領域・第2ビット書込領域で共に先頭から7チャンネルビット目がエッジシフト位置であることがわかる。
このような情報と、エッジシフトを行うとして特定されたビット書込領域の情報とに基づくことで、適正なエッジシフト位置を認識することができる。
このようにフレームに割り振られた値と極性情報とに応じた適正なエッジシフト位置を認識した上で、この場合の記録パルス生成回路63としては、各フレームごとに、この認識したエッジシフト位置のみが”1”、それ以外の他のデータがすべて”0”による1フレーム分のデータ列を生成する。
すなわち、例えばそのフレームにおいて全てのビット書込領域に識別情報の値として”1”を記録するとされ、且つそのフレームの極性が”1”であったと仮定すると、1フレームが1932チャンネルビットであるこの場合には、各ビット書込領域の先頭から8チャンネルビット目のみが”1”とされ、他の1930チャンネルビットがすべて”0”となる1フレーム分のデータ列を生成するといったものである。
記録パルス生成回路63では、このようなデータ列を識別情報の記録対象となる全てのフレームについて生成する。
そして、実際の記録時においては、主データ記録ディスクD16についての再生動作が行われる下で、このようなデータ列に基づいて値が”0”のときはL、値が”1”のときはHとなる記録パルス信号Wrpをレーザ制御部64に供給する。
先にも説明したようにレーザ制御部64としては記録パルス信号WrpがLのときは再生パワー、Hのときは記録パワーとなるようにレーザダイオードLDのレーザ出力を制御する。つまり、これにより主データ記録ディスクD16に対しては、エッジシフトを行うべきとされた部分についてのみ記録パワーによるレーザ光を照射することができ、これによって入力された識別情報の値をディスクD16に対して適正に記録することができる。
続いて、図10のフローチャートを参照して、この場合の記録装置50にて行われる識別情報の記録動作についてより詳細に説明する。
図10において、ステップS101では、先ずは主データ記録ディスクD16が装填される。
そして、ステップS102では、追記されるべき識別情報の値が入力される。
ステップS103では、記録パルス生成回路63が、入力された識別情報の値を各アドレスの各ビット書込領域ごとにに格納する。
例えばこの場合の識別情報の値は先頭のフレームから順に割り振るものとして、このステップS103では入力された値を、先の図9に示したRAM62内のフレームごとの各ビット書込領域ごとの格納領域に対し順に格納していくものとする。
ステップS104では、極性情報が入力される。そしてステップS105では、記録パルス生成回路63が、アドレスごとに極性情報を格納する。
この極性情報としては、アドレスごとにNRZIの極性を示す情報であるので、記録パルス生成回路63はその対応関係が保たれるように、極性を示す”0””1”の値を図9に示したRAM62内の格納領域に格納する。
なお、極性情報の入力及び格納を識別情報の入力及び格納よりも先に行うものとしてもよい。
また、ここでは識別情報の値と極性情報とが別々に入力される場合を例示したが、同時に入力された識別情報の値と極性情報とを別々の格納処理により格納するものとしてもよい。
また、ここでは識別情報と極性情報の入力がディスクD16の装填後に行われるものとしているがこれらが前後しても構わない。
ステップS106では、アドレス値Nを初期値N0に設定する。
このステップS106は、記録パルス生成回路63が、以下で説明するようにして各アドレスごとにデータ列を生成する動作を行うにあたり、内部のカウンタの値を初期値N0に設定する動作である。
ステップS107では、Nアドレス内において、識別情報の値(ID bit)として”1”を記録すべきビット書込領域を特定する動作を行う。つまり、このステップS107の動作として記録パルス生成回路63は、RAM62内においてNアドレスでの各ビット書込領域対応に格納される識別情報の値を参照し、このうち値が”1”であるビット書込領域を特定する。
続くステップS108では、Nアドレスの極性を判定する。つまり記録パルス生成回路63がRAM62内にてNアドレスに対応づけられて格納されている極性を示す値の”0””1”を判定する。
ステップS109では、特定したビット書込領域と極性とに応じたエッジシフト位置のみが”1”で他がすべて”0”による1フレーム分のデータ列を生成する。
先にも説明したようにエッジシフト対象部分sftとしてのランドのエッジ部分は、極性が”1”のとき第1ビット書込領域・第2ビット書込領域で共に先頭から8チャンネルビット目となり、一方の極性が”0”のときは第1ビット書込領域・第2ビット書込領域で共に先頭から7チャンネルビット目となる。
このことから記録パルス生成回路63は、先のステップS107にて特定したビット書込領域の情報とステップS109にて判定した極性の情報とに基づくことで、エッジシフト位置を特定することができる。
記録パルス生成回路63は、このようにして特定したビット書込領域と極性とに応じ特定することのできるエッジシフト位置のみが”1”で、それ以外が全て”0”となる1フレーム分のデータ列を生成する。
なお、このステップS109にて生成されるフレームごとのデータ列は、後の記録パルス信号Wrpの生成で用いるためRAM62等にアドレス対応に保持しておく。
そして、このように1フレーム分のデータ列を生成すると、記録パルス生成回路63は、アドレスが終了したか否かについて判別する(S110)。つまり、予め設定された、識別情報の記録に割り当てられた全てのフレームについて上記データ列の生成が完了したか否かを判別するものである。このステップS110の動作は、記録パルス生成回路63が先のステップS106にて初期値N0としたカウンタの値が予め設定された所定値に達したか否かについて判別することで行う。
カウンタの値が上記所定値に達していないとして否定結果が得られた場合は、アドレス値Nを1インクリメント(ステップS111)した後、先のステップS107に戻るようにされる。これによって識別情報の記録に割り当てられた全てのフレームについて上記データ列を生成する動作を行うようにされる。
そして、上記ステップS110において、カウンタの値が上記所定値に達してアドレスが終了したとされた場合は、ステップS112において、図8に示したコントローラ65に対してデータ生成終了通知を行う。つまり記録パルス生成回路63は、上記のようにして全てのアドレスについてデータ列の生成が終了したことに応じ、その旨を示すデータ生成終了通知をコントローラ65に対して行うものである。
これに応じコントローラ65は、装填された主データ記録ディスクD16上の、識別情報の記録に割り当てられた先頭のフレーム(アドレス)にシークするための制御動作を行う(ステップS113)。このシーク動作は、コントローラ65が、予め内部に記憶されたディスクD16上の上記先頭フレームのアドレス情報に基づき、サーボ回路55に対してターゲットアドレスを指示することで行うことができる。
そして、このように先頭アドレスへのシーク動作が行われたことに応じて、記録パルス生成回路63は、先のステップS109によってフレームごとに生成したデータ列に基づく記録パルス信号Wrpを、レーザ制御部64に対して出力する(ステップS114)。このデータ列に基づく記録パルス信号Wrpの出力は、再生されるデータとの同期がとられるようにクロックCLKのタイミングに基づいて行う。また、この記録パルス信号Wrpの出力は、アドレス検出回路60から供給されるアドレス情報ADRとして上記した先頭アドレスを示す情報が供給されたことに応じたタイミングで開始すればよい。
このステップS114において出力される記録パルス信号Wrpとしては、入力された識別情報の値と極性情報とに基づいた適正なエッジシフト位置でのみHとなる信号が得られる。すなわち、このような記録パルス信号Wrpに基づきレーザ制御部64によりレーザダイオードLDのレーザ出力が再生パワーから記録パワーに制御されることで、ディスクD16に対し、入力された識別情報の値を適正に記録することができる。
なお、図10においては、識別情報の値が外部から入力されるものとしたが、ディスクD16の装填ごとに新たなシリアル番号を生成する回路を設け、この回路が出力する識別情報の値をRAM62に順に格納する構成とすることもできる。
また、極性情報としては、記録データの内容が同一となる同一タイトルによるディスクD16については、フレームと極性との対応が同じとなるので、このような同一タイトルのディスクD16については、図10に示した例のようにディスク装填ごとに極性情報を入力・格納する処理(S104・S105)は省略できる。
<4.副データ評価値>

これまでで説明してきたようにして、本実施の形態の記録方法では、ROMディスクであるディスクD16の所定の複数位置にランドとピットとのエッジ部分が形成されるようにした所定パターンによるデータを記録しておき、そのエッジ部分を対象として高出力レーザを照射することでエッジシフトを行うことで、予めピット及びランドの組み合わせにより記録された主データとは別の副データを追記することができる。
そして、このような副データの追記が行われたディスク100については、再生装置側にてデータ再生を行い、この結果上記所定の複数位置でのデータパターンとして上記所定パターンが得られているか否かを判定することで、副データの値の”0””1”を判定することができる。すなわち、副データの再生を行うことができる。
なお、上記もしているように、以下では副データ(識別情報)の記録が行われた主データ記録ディスクD16のことを、ディスク100と称する。
ところで、再生装置側においては、ディスク100から読み出された信号について、再生クロックに従ったタイミングでその値の”0””1”を判定するようにされる。つまり、上記のようにエッジシフトにより追記が行われた部分を再生すると、この部分は再生クロックに従った1T単位のシフトとして検出されることとなる。
しかしながら、ディスク100から読み出された信号について、再生クロックよりも小さな時間単位で観測してみると、例えばディスクD16(ディスク100)ごとの特性や記録装置50側での記録精度のバラツキや揺らぎ等によって、エッジシフトが行われたそれぞれの部分でのシフト量には、或る程度の揺らぎが生じるものとなる。
図11は、このようにそれぞれのエッジシフト部分でシフト量に揺らぎが生じている様子を模式的に示している。
この図においては、各フレームでのID bit書込領域内の第1ビット書込領域及び第2ビット書込領域内に格納されるData bitsの値とそのRLL(1,7)PP変調後のModulation bitsの値とが示されている。この場合も各ビット書込領域内に格納されるデータ値はB43とされる。
なお、この図においては、エッジシフト量を1.5Tとした場合の例を示している。
そして、この図11において、図11(a)では、上記格納値B43に応じて得られるNRZI bit stream1の記録波形とRF信号波形(non wrt)、さらにその下段にエッジシフトが行われたときのRF信号波形と記録波形(written bit stream1)が示されている。
また、図11(b)では、上記格納値B43に応じて得られるNRZI bit stream2の記録波形とRF信号波形(non wrt)、さらにその下段にエッジシフトが行われたときのRF信号波形と記録波形(written bit stream2)が示されている。
なお、これら図11(a)図11(b)に示される各波形として、特にエッジシフトが行われたときのRF信号波形及び記録波形(written bit stream)については、ディスク100上の各フレームのID bit書込領域で得られる同じ条件での波形を重ね合わせて示しているものとする。具体的に、図11(a)に示される第1ビット書込領域の波形は、各フレームにおける第1ビット書込領域のうち、NRZI bit stream1の極性となる第1ビット書込領域での波形をすべて重ね合わせて示しており、また第2ビット書込領域の波形としても、各フレームにおける第2ビット書込領域のうちNRZI bit stream1の極性となる第2ビット書込領域での波形をすべて重ね合わせて示している。
同様に、図11(b)に示す第1ビット書込領域の波形は、各フレームにおける第1ビット書込領域のうちNRZI bit stream2の極性となる第1ビット書込領域での波形をすべて重ね合わせて示しており、また第2ビット書込領域の波形は、各フレームにおける第2ビット書込領域のうちNRZI bit stream2の極性となる第2ビット書込領域での波形をすべて重ね合わせて示しているものである。
そして、図11(c)では、このように第1ビット書込領域/第2ビット書込領域ごとと、さらにその中でNRZIの極性ごとに分けられた4つの条件ごとに、エッジシフト量の分布を示している。
この図11に示されるようにして、エッジシフトが行われた部分のRF信号波形を重ね合わせてみると、その部分の波形は一致するものとはならず、或る程度の揺らぎが生じるものとなる。
このような揺らぎは、信号通信技術や信号記録技術の分野において通信エラーや記録エラーの原因となることが知られており、その揺らぎを定量化して信号品質についての評価指標とするため、通信方式や記録方式ごとに評価手法が定められている。
そこで本実施の形態では、上記のようなエッジシフトにより記録が行われる副データ(識別情報)について、その信号記録品質についての評価指標を定めるものとする。
従来より、光ディスク記録媒体の分野では、記録信号品質について評価するための指標として、時間軸方向の揺らぎを基準としたジッタ(Jitter)と呼ばれる評価値を求めるようにされている。本実施の形態としても、このような時間軸方向の揺らぎを基準としたジッタに準拠したかたちで、エッジシフトによる記録が行われる副データの記録信号品質について評価するための評価指標を定めるものとする。
ここで、先の図11に戻り、エッジシフト部分での信号波形の揺らぎについて考察してみる。
先ず、この図11を参照してわかるように、これまでで説明してきた本実施の形態の記録方法によると、各ビット書込領域においては、NRZIの極性が異なることで、エッジシフト方向がそれぞれ逆方向の関係となる。つまり、この場合のエッジシフトはランド→ピット化により行われるので、例えば第1ビット書込領域でNRZI bit stream1の極性の場合は、エッジシフト対象部分sftを基準として正方向へのシフトが行われる。これに対し、第1ビット書込領域でNRZI bit stream2の極性の場合は、エッジシフト対象部分sftを基準として負方向へのシフトが行われることになり、それぞれのシフト方向は逆方向となるようにされる。これは、第2ビット書込領域についても同じことが言える。
このようにしてエッジシフトの方向が異なると、それぞれのシフト部分での信号波形の揺らぎの特性としても異なることがわかっている。このようにシフト方向によって揺らぎの特性が異なるは、図11(a)、図11(b)を比較してわかるように、シフト方向が異なる場合は、シフト後の部分がランドであるかピットであるかが異なることも影響していると考えられる。
また、エッジシフト部分での信号波形の揺らぎの特性は、第1ビット書込領域と第2ビット書込領域ごとに異なることも考えられる。従って各ビット書込領域でサンプルされたエッジシフト量については、第1ビット書込領域と第2ビット書込領域ごとに異なる分布となることが考えられる。
これらのことから、エッジシフト量の分布としては、上記のような第1ビット書込領域/第2ビット書込領域ごとと、さらにNRZIの極性ごととの4つ条件による、計4つの分布が存在することとなる(図11(c)参照)。
この際、NRZI bit stream1の極性のときの第1ビット書込領域でのエッジシフト量をΔTbit11、NRZI bit stream2の極性のときの第1ビット書込領域でのエッジシフト量をΔTbit12とする。また、NRZI bit stream1の極性のときの第2ビット書込領域でのエッジシフト量をΔTbit21、NRZI bit stream2の極性のときの第2ビット書込領域でのエッジシフト量をΔTbit22とする。
そして、これら4種のエッジシフト量の分布について、それぞれの平均値(ΔTbit11、ΔTbit12、ΔTbit21、ΔTbit22)と、それらの標準偏差の値(σ11、σ12、σ21、σ22)を計算する。
その上で、これら4種のエッジシフト量の分布ごとに、下記の[数1]による計算を行って、これら分布ごとのジッタ値であるジッタ要素値J11、J12、J21、J22を求める。

Figure 2006344338
さらに、これら各ジッタ要素値J11、J12、J21、J22に基づき、ディスク100にエッジシフトにより記録された副データの記録品質についての総合的な評価指標(総合ジッタ値JA)を、下記[数2]に基づき計算する。

Figure 2006344338
ここで、次の図12を参照し、上記のようにして求められる本実施の形態としてのジッタ値の概念について説明する。
なお、この図12では、先の図11(c)に示したNRZI bit stream1の極性のときの第1ビット書込領域でのエッジシフト量(ΔTbit11)の分布と、NRZI bit stream2の極性のときの第1ビット書込領域でのエッジシフト量(ΔTbit12)の分布のみを抽出して示している。
先ず、この図に示されるように各分布の度数がピークとなるときのシフト量は、それぞれのシフト量(ΔTbit11、ΔTbit12)の平均値によって表される。つまり、NRZI bit stream1の極性のときの第1ビット書込領域でのエッジシフト量(ΔTbit11)の分布では、平均値ΔTbit11が度数がピークのときのシフト量を表す。同様に、NRZI bit stream2の極性のときの第1ビット書込領域でのエッジシフト量(ΔTbit12)の分布では、平均値ΔTbit12が度数がピークとなるときのシフト量を表す。
そして、各標準偏差σは、各分布の広がり具合を表す。
この図12を踏まえ、先の[数1]により計算されるジッタ要素値Jについて考察してみると、先ず、その基本的な計算式としては、従来の主データについてのジッタ値計算で行われているように、標準偏差σを平均値の2倍の数で除算したものとなっている。
このような従来のジッタ値の計算式によると、図12において、エッジシフト対象部分sftから平均値の2倍のエッジシフト量(図中A11とA12)までの範囲を基準として、その範囲内でどの程度分布の広がりが得られているかの指標を求めていることになる。
但し、このようにして従来の主データについてのジッタ値計算をそのまま行うと、エッジシフト対象部分sft、すなわちシフト量が「0」の部分を含む範囲が基準とされてしまうことから、本実施の形態のようにエッジシフトにより記録が行われる副データの記録品質について評価値を求めるとした場合には、正確な評価値を得ることができなくなる。
ここで、このようにエッジシフトにより記録が行われる副データについて考えてみると、再生時にエッジシフトが行われたと判定されるのは、エッジシフト量が1T相当であると認められる場合である。つまりは、再生側では再生クロックの単位で再生信号をスライスして2値判定を行う関係から、このような2値判定においてエッジシフトが行われたとして判定可能な最小限のシフト量(最小シフト量とする)以上であるときに、エッジシフトが行われたとして判定されることになる。
上記もしているように、従来のジッタ値の概念によると、基準となる範囲はエッジシフト対象部分sft、つまりシフト量0からの範囲を含むものとなってしまうので、実際にはシフトが行われていないと判定される部分についても、ジッタ値算出の上での基準範囲に含んでしまうものとなる。そしてこのことから、従来のジッタ値の計算式により算出されるジッタ値では、エッジシフトにより記録される副データの記録品質を正確に評価する指標を得ることができないものとなる。
ここで、一般的に2値判定では、判定の最小単位である1Tの半分である0.5T以上である場合に1Tのエッジシフトが判定される。このため、本実施の形態のようにエッジシフトで記録される副データの記録品質について評価する場合には、エッジシフトが判定される0.5T以上の範囲のみが基準範囲として含まれるようにすればよい。
このために、本実施の形態では、先の[数1]に示したように、各分布の平均値(ΔTbit11、ΔTbit12、ΔTbit21、ΔTbit22)について、2×(平均値−0.5T)を基準範囲として、その値により各分布の標準偏差の値(σ11、σ12、σ21、σ22)を除算することで、各ジッタ要素値J(J11、J12、J21、J22)を求めるものとしている。
このような本実施の形態のジッタ要素値Jによれば、エッジシフトが判定されない範囲までが基準範囲に含まれないようにすることができるので、エッジシフトにより記録が行われる副データの記録品質について正確に評価することのできる評価指標を得ることができる。
また、上記した本実施の形態によれば、各ジッタ要素値J(J11、J12、J21、J22)として、ビット書込領域ごとと、さらにエッジシフトの方向ごとに振り分けられた各分布について独立して求めたジッタ値を得た上で、先の[数2]のように、これらジッタ要素値Jの絶対値を平均化したものと等価となる値を総合ジッタ値JAとして求めるものとしている。
これによって、エッジシフトが行われた方向によってエッジシフト量の分布特性が異なる場合、及びビット書込領域ごとにエッジシフト量の分布特性が異なる場合に対応して、より正確な総合ジッタ値JAを求めることができる。
なお、ここでは上記最小シフト量として、一般的な0.5Tを設定したが、エッジシフトが行われたと判定される最小限のシフト量が設定されればよいものであり、0.5Tに限定されるものではない。
<5.評価装置>

図13は、上記により説明した本実施の形態としての評価値を、実際にディスク100からの再生信号に基づき計算する評価装置1の内部構成を示したブロック図である。
評価装置1において、ディスク100は、図示されないターンテーブルに載置された状態でスピンドルモータ2によって所定の回転駆動方式に従って回転駆動される。この回転駆動されるディスク100に対し、図示する光ピックアップOPが記録信号(主データ)の読み出しを行う。
この光ピックアップOPとしても、図示するようにしてレーザ光源となるレーザダイオードLDを備える。また、レーザ光をディスク100の記録面に集光・照射するための対物レンズ21、ディスク100からの上記レーザ光照射に基づく反射光を検出するフォトディテクタPD等が備えられている。
さらには、上記対物レンズ21をフォーカス方向及びトラッキング方向に移動可能に保持する2軸機構21が設けられている。この2軸機構21としても、後述する2軸駆動回路7からのフォーカスドライブ信号FD、トラッキングドライブ信号TDに基づいて対物レンズ21を上記フォーカス方向及びトラッキング方向に駆動する。
なお、確認のために述べておくと、評価装置1においてディスク100に照射するレーザ光は再生パワーによるものである。図示は省略したが、この場合のレーザダイオードLDによるレーザパワーは、例えば光ピックアップOP内に備えられたモニタ用ディテクタによりレーザ出力レベルが監視され、再生パワーとしてのレーザパワーで一定となるように制御される(いわゆるAPC制御)。
また、この場合としてもレーザ波長λ=405nmであり、また対物レンズ21の開口数NA=0.85である。
上記光ピックアップOP内のフォトディテクタPDによって検出された反射光情報は、IV変換回路3にて電気信号に変換された後、マトリクス回路4に供給される。マトリクス回路4は、IV変換回路3からの反射光情報に基づいて再生信号RF、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEを生成する。
サーボ回路6は、先の図8に示したサーボ回路55と同様の構成とされて、マトリクス回路4からのトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEに基づいてトラッキングサーボ信号TS、フォーカスサーボ信号FSを生成する。そして、これらトラッキングサーボ信号TS及びフォーカスサーボ信号FSを2軸駆動回路7に供給する。
2軸駆動回路7は、トラッキングサーボ信号TS、フォーカスサーボ信号FSに基づいてトラッキングドライブ信号TD及びフォーカスドライブ信号FDを生成し、これを2軸機構21のトラッキングコイル・フォーカスコイルに供給する。
この場合も、フォトディテクタPD、IV変換回路3、マトリクス回路4、サーボ回路6、2軸駆動回路7、2軸機構21によっては、トラッキングサーボループ、及びフォーカスサーボループが形成され、これによってディスク100に照射されるレーザ光のビームスポットがディスク100に形成されるピット列(記録トラック)をトレースし且つ適正なフォーカス状態で維持されるように制御が行われるようになっている。
マトリクス回路4にて生成された再生信号RFは、ハイパスフィルタ(HPF)8に供給されて低域成分が除去された後、プリローパスフィルタ(プリLPF)9に供給される。プリローパスフィルタ9は、後段のA/Dコンバータ10によるサンプリング時の折り返しを防止すべく、A/Dコンバータ10のサンプリング周波数の1/2以上の高域成分を再生信号RFから除去するようにされる。
A/Dコンバータ10は、上記プリローパスフィルタ9から供給される再生信号RFを後述するPLL回路16から供給されるクロックCLKのタイミングでサンプリングする。
プリイコライザ11は、A/Dコンバータ10から供給される再生信号RFのサンプリング値を入力し、ディスク100及び光学ピックアップOPから成る信号読出系の伝送特性に基づく符号間干渉を除去するための等化処理を行うようにされる。このプリイコライザ11は、例えば(k,1,1,k)などのタップ係数を有するトランスバーサルフィルタとされる。
リミットイコライザ12では、上記プリイコライザ11にて等化処理が施された再生信号RFのサンプリング値について、符号間干渉が増加されないように高域強調処理が施される。このリミットイコライザ12にて高域強調処理が施された再生信号RFのサンプリング値は、D/Aコンバータ13にてアナログ信号に変換されてポストローパスフィルタ(ポストLPF)14に供給される。
また、リミットイコライザ12にて高域強調処理が施された再生信号RFのサンプリング値は、分岐してPLL回路16に供給される。PLL回路16は、上記再生信号RFのサンプリング値に基づいてクロックCLKを生成する。このクロックCLKは、上記したA/Dコンバータ10、及びプリイコライザ11、リミットイコライザ12、D/Aコンバータ13に対して供給される。また、クロックCLKは、後述する主データジッタ測定回路17、アドレス検出回路18、同期検出回路19、副データジッタ測定回路20を始め、当該評価装置1内の必要な各部の動作クロックとして供給される。
ポストローパスフィルタ14は、上記D/Aコンバータ13でのD/A変換時に生じる折り返し成分を除去するため、供給される再生信号RFについて低域成分(ベースバンド成分)を抽出し、これを2値化回路15に供給する。
2値化回路15は、例えばコンパレータ等で構成されたスライサとして機能し、所定閾値に基づいてポストローパスフィルタ14から供給される再生信号RFをスライスし、その結果を2値化信号として出力する。
この2値化信号は、図示するようにして主データジッタ測定回路17、アドレス検出回路18、同期検出回路19、副データジッタ測定回路20に対して供給される。
なお、この図13にて破線により囲った部分の構成(ハイパスフィルタ8〜ポストローパスフィルタ14)は、主に符号間干渉を生じさせることなく再生信号RFの高域成分(すなわち再生信号RF中のマーク長の短い成分)を強調する波形成形を行うためのものであり、この構成が備えられることで、例えば本実施の形態のディスク100(ディスクD16)のように比較的高記録密度で信号が記録される場合においても、評価値測定に適した2値化信号を得ることができる。
これら破線により囲った構成については、特開2003−303474号公報にも記載されている。
同期検出回路19は、供給される2値化信号に基づき先の図2(図3)に示したフレームごとに挿入されるsync部分を検出する。
フレーム同期信号はアドレス検出回路18を始めとした必要な各部に供給される。また、特にこの場合、アドレス情報ADRは副データジッタ測定回路20に対しても供給される。
アドレス検出回路18は、上記フレーム同期信号と2値化信号とに基づきアドレス情報ADRの検出を行う。検出されたアドレス情報ADRは当該評価装置1の全体制御を行うコントローラ5に供給される。また、このアドレス情報ADRは、副データジッタ測定回路20に対しても供給される。
主データジッタ測定回路17は、2値化回路15からの2値化信号とクロックCLKとに基づき、主データについてのジッタ測定を行う。図示は省略しているが、その測定値はコントローラ5に対して供給される。
また、副データジッタ測定回路20は、2値化信号、クロックCLK、フレーム同期信号(sync)及びアドレス情報ADRに基づき、ディスク100上にエッジシフトにより記録される副データについて評価するためのジッタ値(総合ジッタ値JA)を測定する。この副データジッタ測定回路20により測定された総合ジッタ値JAとしても、図示は省略したがコントローラ5に対して供給される。
なお、この副データジッタ測定回路20によるジッタ測定動作については後述する。
コントローラ5は、例えばマイクロコンピュータにより構成され、当該評価装置1の全体制御を行う。
例えば、コントローラ5は、図示されない操作部を介した操作入力に応じて、指定されたアドレスをターゲットとした読み出し動作が行われるように必要な各部を制御する。つまり、サーボ回路6に対して目標アドレスを指示することで、サーボ回路6によってこの目標アドレスをターゲットとした光ピックアップOPのアクセス動作を実行させる。
また、図示は省略したが、コントローラ5に対しては、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスを備えた表示部が備えられている。コントローラ5は、この表示部を介して各種の情報表示を行うことができる。
なお、ここでは、比較的高記録密度とされるディスク100に記録された信号についてジッタ値を求めるとして、破線により囲った波形成形のための構成を付加するものとしたが、例えばCD(Compact Disc)方式等の高記録密度でないディスクに対応してジッタ値を求めるようにされる場合等、特に波形成形が必要とされない場合には、これらの構成を全て具備する必要はない。
また、2値化信号に基づいて、ディスク100に記録される主データについてのジッタ値を測定するための主データジッタ測定回路17を備える場合を例示したが、これを省略した構成とすることもできる。
<6.評価値測定動作>

図14は、図13に示した副データジッタ測定回路20にて行われる動作の概要について説明するための図である。
先ず、副データジッタ測定回路20においては、図14(a)に示されるようにして、ビット書込領域ごとにエッジシフト量を測定するようにされる。つまり、第1ビット書込領域で測定されたエッジシフト量については、第1ビット書込領域での測定値として保持し、第2ビット書込領域で測定されたエッジシフト量については第2ビット書込領域での測定値として保持するようにすることで、各ビット書込領域ごとのエッジシフト量の測定が行われる。
ここで、上記のようにしてビット書込領域ごとに測定されたエッジシフト量の分布は、図14(a)中の分布例として示されるように、各ビット書込領域ごとに「+1」付近をピークとした分布、「−1」付近をピークとした分布、さらに「0」付近をピークとした分布の3つに分かれる。
「+1」付近をピークとした分布と「−1」付近をピークとした分布とに分かれるのは、先の図11において説明したように、同じビット書込領域であってもNRZIの極性が異なることで、エッジシフトの正/負方向が異なるからである。また、「0」付近をピークとした分布が得られるのは、ビット書込領域において識別情報の値”0”が記録される、すなわちエッジシフトが行われないビット書込領域も存在するからである。
続いて、上記のようにして各ビット書込領域ごとにエッジシフト量を測定すると、次の図14(b)に示されるように、第1ビット書込領域について測定されたエッジシフト量ΔTbit1、第2ビット書込領域について測定されたエッジシフト量ΔTbit2のそれぞれについて、予め定められた所定の閾値th1、閾値th2に基づき、測定値の振り分けを行う。
上記もしているように、この場合は同じビット書込領域であってもNRZIの極性が異なることで正方向のシフトと負方向のシフトとの2態様が存在し、これらの態様によって分布特性が異なるものとなる。このため、これら正方向のシフトと負方向のシフトごとに、測定値を振り分けるものである。
このような正方向のシフトと負方向のシフトとの振り分けにあたり、この場合は測定値を、図示する閾値th1=−0.5T、閾値th2=+0.5Tに基づき振り分けるものとしてる。すなわち、負方向のエッジシフト量であれば−0.5Tよりも小さな値が得られるものとして、測定値ΔTbit(ΔTbit1、ΔTbit2)が上記閾値th1よりも小であれば、負方向のエッジシフト(この場合は−1Tのシフト)のサンプル値として保持するようにする。
同様に、正方向のエッジシフト量であれば+0.5Tよりも大きな値が得られるものとして、測定値ΔTbitが上記閾値th2よりも大であれば、正方向のエッジシフト(+1Tのシフト)のサンプル値として保持するようにする。
また、測定値ΔTbitが、閾値th1より大で且つ閾値th2より小である場合、この測定値ΔTbitは0Tのシフト、すなわち識別情報の値「0」の記録によるエッジシフトなしのときのサンプル値として、以下のジッタ値測定の対象からは除外する。
この場合、第1ビット書込領域でのそれぞれの測定値ΔTbit1について、閾値th1より小とされて負方向のシフトであるとされたそれぞれの測定値ΔTbit1は、図示するようにサンプル値ΔTbit11-1〜nとする。
また、閾値th2より大とされて正方向のシフトであるとされたそれぞれの測定値ΔTbit1についてはサンプル値ΔTbit12-1〜nとする。
さらに、第2ビット書込領域でのそれぞれの測定値ΔTbit2についても、閾値th1より小とされて負方向のシフトであるとされたそれぞれの測定値ΔTbit2は、サンプル値ΔTbit21-1〜n、また、閾値th2より大とされて正方向のシフトであるとされたそれぞれの測定値ΔTbit2は、サンプル値ΔTbit22-1〜nとする。
なお、それぞれのサンプル値の数は同じ「1〜n」で示しているが、この場合の「n」は単なる変数を表しているもので全てのサンプル値の数が同数となることを意味するものではない。
ここで、これまでの図14(a)、図14(b)の動作説明では、便宜上、各ビット書込領域ごとにエッジシフト量を測定した後に、改めてそれぞれの測定値ΔTbitを閾値th1、th2に基づき振り分ける(シフト方向ごとの振り分け及びエッジシフトなしの振り分け)ものとしたが、実際の動作としては、1カ所のエッジシフト量の測定順次で、これら閾値th1と閾値th2とに基づく振り分けを行った方が、作業効率が向上し測定時間の短縮化が図られて好ましい。
上記のようにして、第1及び第2ビット書込領域ごとと、さらにシフト方向ごとに測定値ΔTbitを振り分けると、図14(c)に示されるようにして、振り分けられたそれぞれの測定値ΔTbitごとに、それらの平均値と標準偏差の値とを計算する。
つまり、第1ビット書込領域での負方向のシフトとして振り分けられたサンプル値ΔTbit11-1〜nについては、平均値ΔTbit11、標準偏差σ11を計算する。
また、第1ビット書込領域での正方向のシフトとして振り分けられたサンプル値ΔTbit12-1〜nについては、平均値ΔTbit12、標準偏差σ12を計算する。
同様に、第2ビット書込領域での負方向のシフトとして振り分けられたサンプル値ΔTbit21-1〜nについては、平均値ΔTbit21、標準偏差σ21を計算し、さらに、第2ビット書込領域での正方向のシフトとして振り分けられたサンプル値ΔTbit22-1〜nについては平均値ΔTbit22、標準偏差σ22を計算する。
その上で、図14(d)に示されるように、計算されたこれらΔTbit11、ΔTbit12、ΔTbit21、ΔTbit22と、標準偏差σ11、σ12、σ21、σ22と、さらに予め定められた最小シフト量の値(0.5T)とに基づき、先の[数1]による演算を行ってジッタ要素値J11、J12、J21、J22を計算する。
そして、これら各ジッタ要素値J11、J12、J21、J22を計算すると、先の[数2]により、これらJ11、J12、J21、J22の絶対値を平均値化したものに相当する総合ジッタ値JAを計算する。
続いて、図15のフローチャートを参照して、上記のようなジッタ測定動作に対応して評価装置1内で行われる動作について説明する。
なお、この図15においては、既に評価装置1に対してディスク100が装填された状態にあるものとする。
先ず、ステップS201では、図13に示したコントローラ5によって測定開始アドレスの設定が為される。この測定開始アドレスは、予め識別情報の記録に割り当てれたディスク100上の領域の先頭のフレームのアドレスであり、コントローラ5は、例えばディスク100の装填に応じてこの測定開始アドレスをサーボ回路6に指示する。これに応じこの測定開始アドレスを目標アドレスとしたシーク動作が実行される。
ステップS202では、アドレス値Nを初期値N0に設定する。
このステップS202は、副データジッタ測定回路20が、以下で説明するエッジシフト量の測定を何フレーム分行ったかをカウントするための内部のカウンタの値を初期値N0に設定する動作である。
ステップS203では、先頭フレームの再生開始を待機する。すなわち、副データジッタ測定回路20は、先のステップS201の測定開始アドレスの設定に応じたシーク動作後、ディスク100上の識別情報の記録領域の先頭のフレームの再生が開始されるのを待機する。この際、上記先頭フレームの再生開始は、同期検出回路19からのフレーム同期信号が供給されたことで知ることができる。
ステップS204では、第1ビット書込領域でのエッジシフト量を測定する。つまり、副データジッタ測定回路20は、2値化回路15から供給される2値化信号とクロックCLKとに基づき、第1ビット書込領域でのエッジシフト量を測定する。
この際、エッジシフト量の測定は、例えばエッジシフト対象部分sftのエッジ位置がどれだけ動いたかを測定することで行うことができる。
ここで、本実施の形態の記録方法では、これまでの説明から理解されるように予めエッジシフト対象部分sftとなる位置がフォーマットで定められており、例えばフレームsyncから何クロック目が第1ビット書込領域でのエッジシフト対象部分sftとなるかがわかっている。そこで、フレームsyncからクロックのカウントを開始し、このように予め定められた第1ビット書込領域でのエッジシフト対象部分sftの前後数クロックの間で得られる2値化信号のエッジタイミングを検出する。この場合、記録時においてエッジシフトは1T分行うものとされるので、例えばこれに応じてエッジシフト対象部分sftの前後2〜3クロックの間を有効区間として上記エッジタイミングを検出するようにする。
その上で、このように検出されたエッジタイミングと、フォーマットで定められているエッジシフト対象部分sftのタイミングとの差を求めることで、エッジシフト量を測定することができる。
なお、この場合、クロックCLKの単位でエッジ位置を検出してしまうと、測定されるエッジシフト量の値としてもクロックCLKの単位となってしまい、ジッタ測定に適さないサンプル値とされてしまうことから、エッジ位置の検出はクロックCLKよりも充分に小さな周期のクロックに基づき行うようにする。
また、ステップS204では、第2ビット書込領域でのエッジシフト量を測定する。
第2ビット書込領域としても、エッジシフト対象部分sftとなる位置はフレームsyncから何クロック目かがわかっている。このため、同様に予め定められたエッジシフト対象部分sftの前後数クロックの間で得られる2値化信号のエッジタイミングを検出し、このエッジタイミングと、フォーマットで定められているエッジシフト対象部分sftのタイミングとの差を求めることで、エッジシフト量を測定することができる。
ステップS206では、測定対象フレームが終了したか否かを判別する。
つまり、副データジッタ測定回路20は、ディスク100上の識別情報の記録に割り当てられた全てのフレームについて測定が終了したか否かについて判別を行う。この判別は、副データジッタ測定回路20が先のステップS202にて初期値N0としたカウンタの値が予め設定された所定値に達したか否かについて判別することで行われる。
カウンタの値が上記所定値に達していないとして否定結果が得られた場合は、ステップS207に進み、次のフレームのフレームシンクが検出されるのを待機する。すなわち、副データジッタ測定回路20は、同期検出回路19から新たなフレーム同期信号が供給されるのを待機する。そして、次のフレームのフレームシンクが検出された場合は、ステップS208において、アドレス値Nを1インクリメント(ステップS111)した後、先のステップS204に戻るようにされる。これによって、識別情報の記録に割り当てられた全てのフレームについて各ビット書込領域ごとのエッジシフト量の測定が行われる。
そして、上記ステップS206において、カウンタの値が上記所定値に達して測定対象フレームが終了したとされた場合は、ステップS209において、閾値th1、閾値th2に基づき、第1ビット書込領域について測定されたエッジシフト量(測定値)ΔTbit1、第2ビット書込領域について測定されたエッジシフト量(測定値)ΔTbit2のそれぞれを、サンプル値ΔTbit11-1〜n/ΔTbit12-1〜n、サンプル値ΔTbit21-1〜n/ΔTbit22-1〜nに振り分ける。
つまり、副データジッタ測定回路20は、設定された閾値th1、閾値th2に基づき、各第1ビット書込領域で測定されたそれぞれの測定値ΔTbit1を、ΔTbit1<閾値th1、閾値th1<ΔTbit1<閾値th2、閾値th2<ΔTbit1の条件ごとに振り分ける。
このうち、ΔTbit1<閾値th1となる測定値ΔTbit1と、閾値th2<ΔTbit1となる測定値ΔTbit1とを、それぞれ負方向のエッジシフトでのサンプル値ΔTbit11-1〜n、正方向のエッジシフトでのサンプル値ΔTbit12-1〜nとして保持する。
そして、閾値th1<ΔTbit1<閾値th2となるΔTbit1については、エッジシフト量≒0よりジッタ測定対象外として除外する。
同様に、各第2ビット書込領域で測定されたそれぞれの測定値ΔTbit2としても、ΔTbit2<閾値th1、閾値th1<ΔTbit2<閾値th2、閾値th2<ΔTbit2の条件ごとに振り分け、このうちΔTbit2<閾値th1となる測定値ΔTbit2と、閾値th2<ΔTbit2となる測定値ΔTbit2を、それぞれ負方向のエッジシフトでのサンプル値ΔTbit21-1〜n、正方向のエッジシフトでのサンプル値ΔTbit22-1〜nとして保持する。また、この場合も閾値th1<ΔTbit2<閾値th2となるΔTbit2についてはジッタ測定対象外として除外する。
なお、先にも述べたが、測定値ΔTbitの振り分けは、ここでの説明のように各ビット書込領域ごとにエッジシフト量を測定した後に、改めて閾値th1、th2に基づき行うのではなく、実際の動作としては、1カ所のエッジシフト量の測定順次で、これら閾値th1と閾値th2とに基づく振り分けを行った方が、作業効率が向上し測定時間の短縮化が図られて好ましい。
つまり、このステップS209における閾値th1、閾値th2に基づく正負シフト方向ごとの振り分けは、実際には先のS204、S205での各ビット書込領域ごとの測定時において同時に行われた方がよい。
続くステップS210では、平均値ΔTbit11、ΔTbit12、ΔTbit21、ΔTbit22と、標準偏差σ11、σ12、σ21、σ22とを計算する。
つまり、副データジッタ測定回路20は、第1ビット書込領域での負方向のシフトとして振り分けられたサンプル値ΔTbit11-1〜nについて、その平均値ΔTbit11と標準偏差σ11を計算する。また、第1ビット書込領域での正方向のシフトとして振り分けられたサンプル値ΔTbit12-1〜nについては、平均値ΔTbit12、標準偏差σ12を計算する。
同様に、第2ビット書込領域での負方向のシフトとして振り分けられたサンプル値ΔTbit21-1〜nについては、平均値ΔTbit21、標準偏差σ21を計算し、さらに、第2ビット書込領域での正方向のシフトとして振り分けられたサンプル値ΔTbit22-1〜nについては平均値ΔTbit22、標準偏差σ22を計算する。
その上で、ステップS211においては、計算された上記平均値ΔTbit11、ΔTbit12、ΔTbit21、ΔTbit22と、標準偏差σ11、σ12、σ21、σ22と、さらに予め定められた最小シフト量の値(0.5T)とに基づき、先の[数1]による演算を行ってジッタ要素値J11、J12、J21、J22を計算する。
さらに、ステップS212においては、これら各ジッタ要素値J11、J12、J21、J22に基づき、先の[数2]による演算を行うことで総合ジッタ値JAを計算する。
なお、図示による説明は省略したが、このようにして副データジッタ測定回路20により計算された総合ジッタ値JAの情報は、実際にはコントローラ5に供給されて表示部上に表示出力するようにされる。
<7.評価装置を用いた光ディスク製造方法>

続いては、図16を参照して、本実施の形態としての評価装置1を用いたディスク100の製造方法について説明する。
先ず、この図16において、図中ディスク形成工程S15までの工程は、ピット及びランドの組み合わせにより主データのみが記録された、主データ記録ディスクD16を製造するための工程となる。
先ず、フォーマット化工程S11は、主データ記録ディスクD16に対して記録されるべきコンテンツデータ(ユーザデータ)について、所定の規格に応じたフォーマットデータ列が得られるように変換動作を行う。すなわち、実施の形態の場合は、先の図2及び図3に示したようなブルーレイディスクの規格に応じたデータ列が得られるように変換動作を行う。また、実際には、ユーザデータに対する誤り検出符号及び誤り訂正符号の付加、インターリーブ処理等も行うようにされる。このフォーマット化工程は、例えばコンピュータ等を用いて行うことになる。
可変長変調工程S12では、フォーマット化工程S11により生成されたデータ列に対して可変長変調処理を施す。実施の形態の場合では、RLL(1,7)PP変調処理及びNRZI変調処理を施すことになる。この可変長変調工程S12により得られたデータ列の”0””1”パターンが、実際に主データ記録ディスクD16(ディスク100)に対してピットとランドの組み合わせにより記録される主データとなる。
続いて、原盤生成工程S13を行う。原盤生成工程S13は、マスタリング装置を用いて行う。
原盤生成工程S13では、先ずガラス原盤に対してフォトレジストを塗布する。そして、このようにフォトレジストが塗布されたガラス原盤を回転駆動した状態で上記可変長変調工程S12にて生成した主データに応じたレーザ光を照射することで、記録トラックに沿った凹凸のパターンを形成する。つまり、ピットとランドを形成していく。
次いで、ピットとランドが形成されたレジストを現像処理することでガラス原盤上に定着させ、さらに原盤表面に対して電解メッキを施すことで、図示する金属原盤D14を生成する。
このように生成した金属原盤D14を用いて、ディスク形成工程S15を行う。
ディスク形成工程S15では、先ず上記金属原盤D14をもとにスタンパを作成する。そして、このスタンパを成形金型内に配置して、射出成形機を用いてポリカーボネートやアクリル等の透明樹脂により基板101を形成する。この基板101には、先の変調工程S12にて生成された主データに応じたピットとランドのパターンが記録トラックに沿って形成されることになる。
そして、この基板101に対して、先ずは反射膜102を蒸着等により積層し、さらにこの反射膜102上にカバー層103を接着する。これによって先ずはピットとランドの組合せによるデータ(主データ)のみが記録された主データ記録ディスクD16が形成されることになる。
このようにして製造された主データ記録ディスクD16について、以下の工程により副データとしての識別情報を追記して、実施の形態としてのディスク100を製造する。
先ずは、副データ追記工程S17を実行する。
この副データ追記工程は、先に説明した記録装置50を用いて行う。なお、副データの追記動作については既に説明済みであるのでここでの説明は省略する。
また、ここでの副データ追記工程S17では、ディスク100として試験用の数枚のみを生成する(第1の副データ記録工程)。
このとき、上記のように副データの追記が行われた試験用のディスク100を用いて、図示する評価工程Ss1を行う。すなわち、先に説明した評価装置1に対してこの試験用のディスク100を装填し、このディスク100についての総合ジッタ値JAを測定させる。なお、この評価装置1によるジッタ値JAの測定動作についても説明済みであるのでここでの説明は省略する。
さらに、このように測定された総合ジッタ値JAに基づき、パラメータ調整工程Ss2を行う。すなわち、測定された総合ジッタ値JAを元に、副データの記録品質が改善傾向となるように、記録装置50における副データの記録に係る各種のパラメータ(例えば記録パルス幅やレーザパワーなど)の調整を行う。
このようにして各種パラメータの調整が行われた記録装置50により、再度、上述した副データ追記工程S17を実行し、これによって大量のディスク100を製造する(第2の副データ記録工程)。
このような本実施の形態としてのディスク製造方法によれば、評価装置1により測定された、副データの記録品質についての正確な評価指標となる総合ジッタ値JAの情報に基づいて記録装置50の記録パラメータを調整することができる。つまり、これによって記録装置50を、副データの記録品質が改善される傾向により確実に調整することができ、この結果副データの記録品質が良好なディスク100を製造することができる。
<8.変形例>

以下では、本実施の形態の変形例について説明する。
図17は、本実施の形態の第1の変形例としての記録方法について説明するための図である。
この第1の変形例での記録方法としては、第1ビット書込領域、第2ビット書込領域に対して格納するデータ値をB43としていたものを、B47に変更したものである。
このB47によるデータ値によると、図示するように各ビット書込領域でのModulation bitsとしては「001000010000100101」となり、この場合もB43の場合と同様に各ビット書込領域の先頭から7クロック目が、所定長(この場合は5T)のランドとピットのエッジ部分としての、エッジシフト対象部分sftとなる。
但し、この場合のNRZI変調後の記録波形を参照してみると、先の図4に示したB43の場合では、第1及び第2ビット書込領域での記録波形は同じ波形が得られていたものが、このB47の場合では、第1ビット書込領域と第2ビット書込領域とで、異なる極性の記録波形が得られることになる。
このため、第1の変形例の記録方法の場合において、例えばこれまでと同様にランドのピット化によりエッジシフトを行うとした場合には、図中のNRZI bit stream1の極性のとき、第1ビット書込領域でのエッジシフト位置は先頭から8チャンネルビット目、第2ビット書込領域では先頭から7チャンネルビット目となる。
また、NRZI bit stream2の極性のとき、第1ビット書込領域でのエッジシフト位置は先頭から7チャンネルビット目、第2ビット書込領域では先頭から8チャンネルビット目となる。
なお、確認のために述べておくと、この第1の変形例の場合は、先の図16に示したフォーマット化工程S11として、この図17に示したID bit書込領域内のデータ構造が得られるようにしてフォーマット化が行われることになる。
図18は、このような第1の変形例の記録方法においてエッジシフトが行われたときの様子を記録波形のタイプ別に示している。なお、この図ではランドのピット化により1T分のエッジシフトを行う場合の例を示している。
図18において、図中Type1は、図17を参照してわかるようにNRZI bit stream1の極性のときの第1ビット書込領域での記録波形と、NRZI bit stream2の極性のときの第2ビット書込領域での記録波形を示すものである。また、Type2は、NRZI bit stream2の極性のときの第1ビット書込領域での記録波形と、NRZI bit stream1の極性のときの第2ビット書込領域での記録波形を示すものである。つまり、第1の変形例の記録方法において、各ビット書込領域であり得る記録波形のタイプはこれらType1、Type2だけとなる。
図示するように、Type1の記録波形の場合、ランドのピット化により1T分のエッジシフトが行われることにより、Modulation bitsの値は「001000001000100101」となり、この値はその下段に示されるData bitsのように、B87(101110000111)にRLL(1,7)PP復調することができる。
また、Type2の記録波形の場合、ランドのピット化により1T分のエッジシフトが行われることにより、Modulation bitsの値は「001000100000100101」となり、これは下段のData bitsに示されるように847(100001000111)にRLL(1,7)PP復調することができる。
このようにして第1の変形例の記録方法としても、ランドのピット化により1T分のエッジシフトが行われる場合に対応して、シフト後のModulation bitsとしてRLL(1,7)PP変調ルールに従った値が得られるようになっている。
また、図19は、同じく第1の変形例の記録方法においてエッジシフトが行われたときの様子を記録波形のタイプ別に示す図として、ピットのランド化により1T分のエッジシフトを行う場合の例を示している。
先ず、図示するようにピットのランド化により1T分のエッジシフトを行う場合は、Type1の記録波形のとき(つまりNRZI bit stream1の極性のときの第1ビット書込領域、及びNRZI bit stream2の極性のときの第2ビット書込領域)は、ランド→ピット化の場合とは逆にビット書込領域先頭から7チャンネルビット目がエッジシフト位置となり、Type2の記録波形のとき(NRZI bit stream2の極性のときの第1ビット書込領域、及びNRZI bit stream1の極性のときの第2ビット書込領域)としても、ランド→ピット化の場合とは逆にビット書込領域先頭から8チャンネルビット目がエッジシフト位置となる。
そして、シフト後のModulation bitsの値としては、先の図18とこの図19とを比較してわかるように、Type1とType2とでその関係が逆となるだけである。すなわち、Type1の場合は、Modulation bitsの値「001000100000100101」より、これは下段のData bitsに示されるように847(100001000111)にRLL(1,7)PP復調することができる。
また、Type2の場合は、Modulation bitsの値「001000001000100101」より、これはその下段に示されるData bitsのようにB87(101110000111)にRLL(1,7)PP復調することができる。
このようにして第1の変形例の記録方法で格納するデータ値B47によれば、ピットのランド化により1T分のエッジシフトが行われる場合にも対応して、シフト後のModulation bitsがRLL(1,7)PP変調ルールに従った値となるようにすることができる。
ここで、参考として次の図20には、第1の変形例で各ビット書込領域に格納されるデータ値B47によって対応可能な全てのエッジシフト態様を示しておく。
なお、この図としても先の図7と同様に、対応可能な全てのエッジシフト態様を正負のエッジシフト量により示している。つまり、エッジシフト量の「+」はエッジシフト対象部分sftの位置を正方向にシフトさせるエッジシフト態様であり、Type1の場合においてランドをピット化する場合(図18のType1のケース)と、Type2の場合においてピットをランド化する場合(図19のType2のケース)とが該当する。
逆にエッジシフト量が「−」は、エッジシフト対象部分sftを負方向にシフトさせるエッジシフト態様であり、Type2の場合にランドをピット化する場合(図18のType2のケース)と、Type1の場合にピットをランド化する場合(図19のType1のケース)とが該当する。
この図20を参照してわかるように、この場合のB47によれば、ランドをピット化する場合とピットをランド化する場合との双方で、共に3T分のエッジシフトまで対応可能となる。
すなわち、ランドをピット化する場合、Type1の記録波形とされる場合においては、エッジシフト量の+1T→+2T→+3Tの増加に対し、シフト後のModulation bitsの値は「001000001000100101」→「001000000100100101」→「001000000010100101」となり、これらはそれぞれB87(101110000111)、B0F(101100001111)、DCF(110111001111)のデータビット値にRLL(1,7)PP復調することができる。また、Type2の記録波形とされる場合においては、エッジシフト量の−1T→−2T→−3Tの増加に対し、シフト後のModulation bitsの値は「001000100000100101」→「001001000000100101」→「001010000000100101」となり、これらはそれぞれ847(100001000111)、AC7(101011000111)、887(100010000111)のデータビット値にRLL(1,7)PP復調することができる。
これらのことからランドをピット化する場合には、Type1・Type2双方の記録波形の場合で1Tから3Tまでのシフト量の範囲で変調ルールに従ったModulation bitsを得ることができる。すなわち、1T〜3Tの範囲までに対応可能となる。
また、ピットをランド化するとした場合、Type1の記録波形とされる場合においては、エッジシフト量の−1T→−2T→−3Tの増加に対し、シフト後のModulation bitsの値は、上記したランドをピット化する場合でのType2の記録波形とされる場合と同様となり、従ってこの場合も3Tまでのエッジシフトに対応できるものとなる。
また、ピットをランド化する場合でのType2の記録波形とされる場合において、エッジシフト量の+1T→+2T→+3Tの増加に対するシフト後のModulation bitsの値は、ランドをピット化するとした場合でのType1の記録波形とされる場合と同様となるので、この場合としても3Tまでのエッジシフトに対応できるものとなる。
つまりこれらより、ピットをランド化する場合としても1T〜3Tのエッジシフトまで対応可能となることがわかる。
このような第1の変形例の記録方法とされた場合としても、評価装置1としては、先に説明したものと同様の動作を行うことで、同様に総合ジッタ値JAを測定することができる。
つまり、第1及び第2ビット書込領域ごとにエッジシフト量の測定を行い、さらに、このように各ビット書込領域ごとに測定したエッジシフト量を正/負のシフト方向ごとに振り分け、振り分けられた測定値(ΔTbit11-1〜n、ΔTbit12-1〜n、ΔTbit21-1〜n、ΔTbit22-1〜n)ごとにそれらの平均値(ΔTbit11、ΔTbit12、ΔTbit21、ΔTbit22)及び標準偏差(σ11、σ12、σ21、σ22)を計算する。
その上で、先の[数1]により各ジッタ要素値J11、J12、J21、J22を計算し、さらに[数2]により総合ジッタ値JAを計算する。
これにより、エッジシフトにより記録が行われる副データの記録品質について正確に評価することのできる評価指標を得ることができる。
また、この場合も、各ジッタ要素値J(J11、J12、J21、J22)として、エッジシフトの方向ごと及びビット書込領域ごとに各分布について独立してジッタ値を求めた上で、これらジッタ要素値Jの絶対値を平均化したものとなる総合ジッタ値JAを求めるものとしているので、エッジシフトが行われる方向によってエッジシフト量の分布特性が異なる場合、及びビット書込領域ごとにエッジシフト量の分布特性が異なる場合に対応して、より正確な総合ジッタ値JAを求めることができる。
続いて、図21は、第2の変形例としての記録方法について示している。
第2の変形例の記録方法としては、図示するようにして合計24データビットによるID bit書込領域において、第1〜第3までの3つのビット書込領域を設けるようにしたものである。
この場合も、第1〜第3ビット書込領域のそれぞれには、シフト後のModulation bitsの値がRLL(1,7)PP変調ルールに従った値となるようにして定められた所定パターンによるデータ値を格納する。但し、この場合は24ビットの領域を3つに分割しているので、上記所定パターンとしては8ビットの値となる。具体的には、図示するようにして46h(01000110)を格納する。
このような46hのデータ値によれば、Modulation bitsの値は図示するように「010000100001」となり、これにより図中のNRZI bit stream1、NRZI bit stream2にも示されるように、この場合としても所定長(5T)によるランドとピットとのエッジ部分が形成され、このエッジ部分をエッジシフト対象部分sftとすることができる。
但し、この場合も、先の第1の変形例と同様に、同じNRZI bit streamのときに記録波形の異なるビット書込領域がでてきてしまう。つまり、この場合は第1ビット書込領域と第3ビット書込領域では記録波形の極性が同じとなるが、第2ビット書込領域のみ記録波形の極性が異なっている。
図22は、このような第2の変形例の記録方法においてエッジシフトが行われたときの様子を記録波形のタイプ別に示している。なお、この図ではランドのピット化により1T分のエッジシフトを行う場合の例を示している。
この場合も、記録波形のタイプとしてあり得るのは、図中のType1とType2との2つのみである。Type1は、図21を参照してわかるようにNRZI bit stream1の極性のときの第1ビット書込領域と第3ビット書込領域、及びNRZI bit stream2の極性のときの第2ビット書込領域での記録波形である。また、Type2は、NRZI bit stream2の極性のときの第1ビット書込領域及び第3ビット書込領域、及びNRZI bit stream1の極性のときの第2ビット書込領域での記録波形である。
図示するように、ランドのピット化により1T分のエッジシフトを行う場合は、Type1の記録波形のとき、ビット書込領域先頭から7チャンネルビット目がエッジシフト位置となる。一方、Type2の記録波形のときは、ビット書込領域先頭から6チャンネルビット目がエッジシフト位置となる。
そして、Type1の記録波形の場合、ランドのピット化により1T分のエッジシフトが行われることにより、Modulation bitsの値は「010000010001」となり、この値はその下段に示されるData bitsのように26h(00100110)にRLL(1,7)PP復調することができる。
また、Type2の記録波形の場合、ランドのピット化により1T分のエッジシフトが行われることにより、Modulation bitsの値は「010001000001」となり、これは下段のData bitsに示されるように6Eh(01101110)にRLL(1,7)PP復調することができる。
このようにして第2の変形例の記録方法としても、ランドのピット化により1T分のエッジシフトが行われる場合に対応して、シフト後のModulation bitsとしてRLL(1,7)PP変調ルールに従った値が得られるようになっている。
なお、図示は省略するが、同様にランドのピット化によりエッジシフトを行う場合として、2Tのシフトを行った場合、Modulation bitsの値は、Type1の場合で「010000001001」、Type2の場合で「010010000001」となる。これらは、それぞれ2Ah(00101010)、4Ah(01001010)にRLL(1,7)PP復調することができる。
ここで、先の図7、図20の説明からも明らかなように、ランドをピット化するエッジシフトを行う場合と、ピットをランド化するエッジシフトを行う場合とでは、シフト後に得られるModulation bitsの値は、Type1の記録波形についてシフトを行ったのか、又はType2の記録波形についてシフトを行ったのかで逆の値となるだけで、それぞれの値自体は同値となる。つまりは、上記のようにしてランドのピット化により2Tのシフトまで変調ルールに従った値が得られるということは、ピットのランド化を行った場合としても、同様に2Tのシフトまではシフト後のModulation bitsの値として変調ルールに従った値が得られることを意味する。
このようにして第2の変形例によるデータ値46hによれば、ランドのピット化、ピットのランド化の双方による2Tまでのエッジシフトに対応可能となる。
なお、この第2の変形例の場合は、先の図16に示したフォーマット化工程S11として、先の図21に示したフレーム内のデータ構造が得られるようにしてフォーマット化を行う。
図23は、第2の変形例の記録方法が採られた場合に、各ビット書込領域でのエッジシフト部分でシフト量に揺らぎが生じる様子を模式的に示している。
この図としても、先の図11と同様に、各フレームでのID bit書込領域内の第1〜第3ビット書込領域に格納されるData bitsの値(46h)とそのRLL(1,7)PP変調後のModulation bitsの値を示している。また、この図としても、エッジシフト量は1.5T分を行った場合を例示している。
そして、図23(a)では、上記格納値(46h)に応じて得られるNRZI bit stream1の記録波形とRF信号波形(non wrt)、さらにその下段にエッジシフトが行われたときのRF信号波形と記録波形(written bit stream1)を示している。
また、図23(b)では、上記格納値46hに応じて得られるNRZI bit stream2の記録波形とRF信号波形(non wrt)、さらにその下段にエッジシフトが行われたときのRF信号波形と記録波形(written bit stream2)が示されている。
また、この場合も、図23(a)図23(b)に示される各波形として、特にエッジシフトが行われたときのRF信号波形及び記録波形(written bit stream)については、ディスク100上の各フレームのID bit書込領域で得られる同じ条件での波形を重ね合わせて示しているものとする。つまり、図23(a)に示される各ビット書込領域の波形は、NRZI bit stream1の極性のときの各ビット書込領域での波形をすべて重ね合わせて示しており、同様に、図23(b)に示す各ビット書込領域の波形は、NRZI bit stream2の極性のときの各ビット書込領域での波形をすべて重ね合わせて示しているものである。
そして、図23(c)では、このように第1ビット書込領域/第2ビット書込領域/第3ビット書込領域ごとと、さらにその中でNRZIの極性ごとに分けられた計6つの条件ごとに、エッジシフト量の分布を示している。
この図23を参照してわかるように、第2の変形例の記録方法が採られる場合としても、NRZIの極性が異なることで、各ビット書込領域でのエッジシフト方向は異なるものとなる。
そして、この第2の変形例の場合は、ID bit書込領域が3つのビット書込領域に分割されるので、上記のようにNRZIの極性の違いによりシフト方向が異なるものとなることで、図23(c)にも示されるように、この場合は各ビット書込領域ごとに2つの分布が存在し、合計で6つのエッジシフト量の分布が存在することになる。
この場合としても、エッジシフト方向が異なれば分布特性は異なるものとなるので、エッジシフト量の測定値については、このようなエッジシフト方向ごとに取り扱うことが正確なジッタ値を求める上で必要となる。
また、この場合としても、ビット書込領域ごとにエッジシフト量の分布特性が異なる可能性があるので、エッジシフト量の測定値はビット書込領域ごとにわけて取り扱うことが好ましい。
このことから、第2の変形例の評価装置1としても、エッジシフト量の測定は各ビット書込領域ごとに分けて行うものとし、さらに各ビット書込領域ごとのエッジシフト量の測定値は、さらに正/負何れのエッジシフトによるものであるかの別ごとに振り分け、その上で振り分けられた各測定値ごとに平均値と標準偏差の値を求める。
すなわち、図23(c)に示されるように、第1ビット書込領域での負方向のエッジシフトであるとされた測定値については、平均値ΔTbit11、及び標準偏差σ11を計算し、第1ビット書込領域での正方向のエッジシフトであるとされた測定値については平均値ΔTbit12及び標準偏差σ12を計算する。
同様に、第2ビット書込領域についても、それぞれ負方向のエッジシフト、正方向のエッジシフトごとに、平均値(ΔTbit21、ΔTbit22)及び標準偏差(σ21、σ22)を計算し、さらに第3ビット書込領域についても平均値(ΔTbit31、ΔTbit32)及び標準偏差(σ31、σ32)を計算するものである。
なお、この場合としても、評価装置1において各ビット書込領域ごとでの測定値の振り分けは、閾値th1、閾値th2の設定に基づいて行えばよい。
また、第2の変形例では、これまでの実施の形態で説明したものとはエッジシフト対象部分sftのフレームsyncからの位置が異なるので、このように異なる位置とされたエッジシフト対象部分sftに応じた範囲を有効区間として2値化信号のエッジ位置を検出することで、シフト後のエッジシフト対象部分sftのエッジ位置を正しく検出することができる。
そして、この場合としては、上記のように計6つのエッジシフト量の分布についての平均値(ΔTbit11、ΔTbit12、ΔTbit21、ΔTbit22、ΔTbit31、ΔTbit32)及び標準偏差(σ11、σ12、σ21、σ22、σ31、σ32)を計算した上で、次の[数3]に示す式に従ってそれぞれの分布に基づく6つのジッタ要素値J11、J12、J21、J22、J31、J32を計算する。

Figure 2006344338
その上で、これら6つのジッタ要素値Jについて、以下の[数4]による式に従って総合ジッタ値JAを計算する。

Figure 2006344338
この場合としても、上記[数3]に示されるようにして各ジッタ要素値Jとしては、各分布の平均値と標準偏差と、さらに最小シフト量とに基づき計算するようにされていることで、エッジシフトが判定される範囲のみを基準としたジッタ値を得ることができる。すなわち、エッジシフトにより記録が行われる副データの記録品質について評価するのに適したジッタ要素値Jを得ることができる。
そして、このことから、上記[数4]に示されるように、これら各ジッタ要素値J(絶対値)を平均化したことに相当する総合ジッタ値JAによれば、エッジシフトにより記録が行われる副データの記録品質について正確に評価することのできる評価指標を得ることができる。
また、この場合も、各ジッタ要素値J(J11、J12、J21、J22、J31、J32)として、エッジシフトの方向ごと及びビット書込領域ごとに各分布について独立して求められたジッタ値を得た上で、これらジッタ要素値Jの絶対値を平均化したのと等価な総合ジッタ値JAを求めるものとしているので、エッジシフトが行われる方向によってエッジシフト量の分布特性が異なる場合、及びビット書込領域ごとにエッジシフト量の分布特性が異なる場合に対応して、より正確な総合ジッタ値JAを求めることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した実施の形態に限定されるべきものではない。
例えば、実施の形態では、評価装置1がランドのピット化によりエッジシフトが行われるディスク100に対応する場合を例示したが、ピットのランド化によりエッジシフトが行われる場合としても、同様の動作により同様の効果を得ることができる。つまりは、ピットのランド化に変更したことによっては、シフト方向が逆になるだけであるので、評価装置1としては同様の動作を行うことで、同様に総合ジッタ値JAを測定することができる。
また、本実施の形態では、エッジシフトが行われた方向によってエッジシフト量の分布特性が異なること、及びビット書込領域ごとにエッジシフト量の分布特性が異なることの双方を考慮して、これらビット書込領域ごととさらにエッジシフトが行われた方向ごとに測定値を振り分けて、振り分けられた各分布ごとに各ジッタ要素値Jを計算した上でそれらの総合ジッタ値JAを求めるものとした。
しかしながら、例えばどちらか一方のみについて考慮するものとして、ビット書込領域ごと、又はエッジシフトが行われた方向ごとの何れかで測定値を振り分け、振り分けられた各分布ごとに各ジッタ要素値Jを計算した上でそれらの総合ジッタ値JAを求めるようにしてもよい。
また、実施の形態では、シフト方向ごとの振り分けについて、測定値を閾値th1、閾値th2に基づいて行うものとしたが、その手法は他にも多様に考えられる。
例えば、格納するデータ値がB43の場合の例において、ランドのピット化によりエッジシフトを行う場合では、図11を参照してわかるようにNRZI bit stream1の極性のとき、第1ビット書込領域・第2ビット書込領域で共に正方向のシフトとなる。また、NRZI bit stream2の極性のときには、第1ビット書込領域・第2ビット書込領域で共に負方向のエッジシフトとなる。そこで、フレームごとの極性の情報を評価装置1に入力しておき、エッジシフト量の測定時には、このようなフレームごとの極性情報に基づき測定値を振り分けるように構成することもできる。
このようにすれば、より確実に正/負のシフト方向ごとに測定値を振り分けることができる。なお、この場合もシフトなしに該当する測定値については、同様に閾値th1、閾値th2に基づいて除外するものとすればよい。
また、ピットをランド化する場合では、極性とシフト方向の関係が逆になるだけであるので、上記とは逆の振り分けを行うことで正しく正/負のシフト方向ごとの振り分けを行うことができる。
また、将来的には、1枚のディスク100内で、ランドのピット化、ピットのランド化の双方のエッジシフトにより副データを追記することも考えられる。
このような副データの追記を行った場合、ランドのピット化によりシフトを行った部分と、ピットのランド化によりシフトを行った部分とで、エッジシフト量の分布特性が異なることが予想される。従ってこの場合、ランドのピット化によるエッジシフト部分と、ピットのランド化によるエッジシフト部分とで、シフト量をそれぞれ分けてサンプリングし、それぞれについて別々にジッタ要素値Jを計算することが要求される可能性がある。
しかし、このようなランドのピット化によるエッジシフト部分と、ピットのランド化によるエッジシフト部分との判別は、実施の形態で例示したような閾値th1、閾値th2を用いた手法では行うことができない。
そこで、両者の判定を可能とする手法として、上述したようなフレームごとの極性情報に基づく振り分けの手法が有効である。
ここで、例えば先の図5、図6を参照してB43を格納する例について考えてみると、ランド→ピット化、ピット→ランド化で、シフト後のエッジ位置が異なっていることがわかる。つまり、図5のランド→ピット化の場合、Type1のとき(つまりこの場合はNRZI bit stream1の極性のとき)は、ランド→ピット化では先頭から8クロック目(7+1Tのシフトより)がシフト後のエッジ位置となり、Type2のとき(NRZI bit stream2の極性のとき)は、先頭から6クロック目(7−1Tのシフトより)がシフト後のエッジ位置となる。また、図6のピット→ランド化では、逆にType1のときは先頭から6クロック目となり、Type2のときは先頭から8クロック目となる。
そこで、このようなフレームの極性によって決定付けられるランド→ピット化のときのエッジ位置の情報と、ピット→ランド化のときのエッジ位置の情報とを、予め評価装置1に対し設定しておく。さらに、エッジシフト量の測定を行っているフレームの極性がわかるように、フレームごとの極性の情報を与えておく。
これにより評価装置1では、先ずは上記のように与えられたフレームごとの極性の情報に基づき、測定を行っているフレームの極性の情報を知ることができる。そして、この極性の情報に基づき、そのフレームにおけるランド→ピット化のときのエッジ位置とピット→ランド化のときのエッジ位置の情報を得ることができる。その後は、測定されたエッジ位置が、何れのエッジ位置と一致したとみなされるかを判別することで、検出値がランドのピット化によるものか、ピットのランド化によるものかを判別でき、この情報に基づき、測定されたエッジシフト量を振り分けることで、測定値をランド→ピット化、ピット→ランド化ごとに振り分けることができる。
この場合、評価装置1においては、ビット書込領域ごとにエッジ位置を検出してシフト量を測定する過程で、上記ように判定したランド→ピット化、ピット→ランド化の別に応じて各ビット書込領域ごとでの測定値を振り分け、さらにその中で同様に正/負のシフト方向の別ごとに測定値を振り分ける。その上で、振り分けられた各サンプル値ごとにジッタ要素値Jを求めた上で、それらの絶対値を平均化した値を総合ジッタ値JAとして求める。
このようにすることで、正/負のシフト方向の別と、さらにランド→ピット化、ピット→ランド化の別で分布特性が異なることを考慮した適正な総合ジッタ値JAを求めることができる。
また、このようにランドのピット化、ピットのランド化により振り分けを行うとした場合として、第1の変形例、第2の変形例のように同じフレーム内でもビット書込領域によっては記録波形の極性が異なる場合は、上記のB43の場合のように、フレームごとの極性の情報、及び極性ごとのシフト後のエッジ位置の情報のみでは適正にランド→ピット化、ピット→ランド化を判定することができない。
つまり、この場合はさらに、ビット書込領域ごとでのランド→ピット化、ピット→ランド化によるシフト後のエッジ位置の情報が必要となる。
すなわち、この場合は、上述したように測定を行っているフレームでの極性を知るために必要なフレームごとのNRZIの極性の情報と共に、フレームの極性がNRZI bit stream1のときの各ビット書込領域でのランド→ピット化/ピット→ランド化でのシフト後のエッジ位置の情報と、フレームの極性がNRZI bit stream2のときの各ビット書込領域でのランド→ビット化/ピット→ランド化でのシフト後のエッジ位置の情報とが、評価装置1に与えられればよい。
これによって評価装置1では、測定時、先ずは与えられたフレームごとのNRZIの極性の情報により、そのフレームの極性を知ることができ、このようにフレームの極性がわかることで、そのフレームでの各ビット書込領域のランド→ピット化/ピット→ランド化でのシフト位置を知ることができる。
そして、各ビット書込領域において、検出されたエッジ位置が、このようにして認識されたランド→ピット化によるエッジ位置、ピット→ランド化によるエッジ位置の何れと一致するとみなされるかを判別することで、当該ビット書込領域でのエッジシフトがランド→ピット化によるシフトか、ピット→ランド化によるシフトかを判定することができる。すなわち、この判別情報に基づき、測定されたエッジシフト量を振り分けることで、測定値をランド→ピット化、ピット→ランド化ごとに振り分けることができる。
また、実施の形態では、本発明の評価装置が、光ディスク記録媒体についての再生を行う構成と共に内蔵されて構成される場合を例示したが、例えば図13に示した副データジッタ測定回路20を、光ディスク記録媒体についての再生装置の外付けで使用する形態も可能である。この場合、評価装置としては、少なくとも副データジッタ測定回路20としての構成を含むものとされればよい。
本発明の実施の形態で用いる光ディスク記録媒体(主データ記録ディスク)の断面構図である。 図1に示す光ディスク記録媒体に対して記録されるデータのデータ構造について説明するためのデータ構造図である。 上記光ディスク記録媒体に対して記録されるデータのフレーム内のデータ構造について説明するためのデータ構造図である。 実施の形態の記録方法について説明するための図である。 ランドのピット化によるエッジシフトが行われた場合のディスク上の様子とエッジシフト後の記録波形、及びそれに伴い得られるModulation bitsとData bitsの値について示した図である。 ピットのランド化によりエッジシフトが行われた場合のディスク上の様子とエッジシフト後の記録波形、及びそれに伴い得られるModulation bitsとData bitsの値について示した図である。 実施の形態の記録方法を採る場合において可能とされる全てのエッジシフト態様を示した図である。 実施の形態としての記録方法を実現するための記録装置の内部構成を示すブロック図である。 上記記録装置内に格納されるべきデータ内容を示したデータ構造図である。 実施の形態としての記録方法を実現するために記録装置において行われるべき動作を示したフローチャートである。 それぞれのエッジシフト部分でシフト量に揺らぎが生じている様子を模式的に示した図である。 実施の形態としてのジッタ値の概念について説明するための図である。 本実施の形態としての評価装置の内部構成について示したブロック図である。 本実施の形態としての評価値測定動作について説明するための図である。 実施の形態としての評価値測定動作を実現するために評価装置において行われるべき動作を示したフローチャートである。 実施の形態の評価装置を用いた光ディスク記録媒体の製造方法について説明するための図である。 第1の変形例としての記録方法について説明するための図である。 第1の変形例において、ランドのピット化によるエッジシフトが行われた場合のディスク上の様子とエッジシフト後の記録波形、及びそれに伴い得られるModulation bitsとData bitsの値について示した図である。 第1の変形例において、ピットのランド化によるエッジシフトが行われた場合のディスク上の様子とエッジシフト後の記録波形、及びそれに伴い得られるModulation bitsとData bitsの値について示した図である。 第1の変形例の記録方法を採る場合において可能とされる全てのエッジシフト態様を示した図である。 第2の変形例の記録方法について説明するための図である。 第2の変形例において、ランドのピット化によるエッジシフトが行われた場合のディスク上の様子とエッジシフト後の記録波形、及びそれに伴い得られるModulation bitsとData bitsの値について示した図である。 第2の変形例の記録方法を採る場合において、それぞれのエッジシフト部分でシフト量に揺らぎが生じている様子を模式的に示した図である。
符号の説明
1 評価装置、2 スピンドルモータ、3 IV変換回路、4 マトリクス回路、5 コントローラ、6 サーボ回路、7 2軸駆動回路、8 ハイパスフィルタ、9 プリローパスフィルタ、10 A/Dコンバータ、11 プリイコライザ、12 リミットイコライザ、13 D/Aコンバータ、14 ポストローパスフィルタ、15 2値化回路、16 PLL回路、17 主データジッタ測定回路、18 アドレス検出回路、19 同期検出回路、20 副データジッタ測定回路、21 2軸機構、21a 対物レンズ、OP 光ピックアップ、PD フォトディテクタ、LD レーザダイオード、D16 主データ記録ディスク、100 ディスク、101 基板、102 反射膜、103 カバー層

Claims (8)

  1. ピット及びランドの組み合わせによって主データが記録される光ディスク記録媒体であって、所定の複数位置に形成されたピットとランドとのエッジ部分を対象として、所定の記録パワーによるレーザ光が照射されてエッジシフトが行われることで、上記主データとは別の副データの記録が行われる光ディスク記録媒体について、上記副データの記録品質を評価するための評価装置であって、
    上記光ディスク記録媒体に対し再生パワーにより照射したレーザ光の反射光情報に基づいて信号の読み出しを行う読出手段と、
    上記読出手段による読出信号を所定レベルでスライスした結果を2値化信号として出力する2値化手段と、
    上記2値化手段により得られる2値化信号に基づき測定した、上記所定の複数位置に形成されたピットとランドとのエッジ部分のうちエッジシフトが行われた部分でのエッジシフト量について、その標準偏差値と平均値と、さらに2値判定においてエッジシフトが行われたとして判定可能な最小限のシフト量として予め定められた最小シフト量の情報とに基づき、上記エッジシフト量についてのジッタ値を計算するジッタ値算計算手段と、
    を備えることを特徴とする評価装置。
  2. 上記ジッタ値計算手段は、
    上記標準偏差値を、上記平均値から上記最小シフト量を減算した値の2倍の数で除算して上記ジッタ値を計算する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の評価装置。
  3. 上記主データは、RLL(1,7)PP変調後にNRZI変調されて記録されたものであり、
    上記ジッタ値計算手段は、
    測定されたエッジシフト量の値をそのエッジシフトの方向ごとに振り分け、それらのエッジシフト量の値ごとに上記ジッタ値を計算するように構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の評価装置。
  4. 上記主データは、RLL(1,7)PP変調後にNRZI変調されて記録されたものであり、上記主データ中の所定長のフレーム単位ごとに、それぞれエッジシフト対象部分としてのピットとランドとのエッジ部分が形成され且つシフト後の主データがRLL(1,7)PP変調ルールに従ったものとなるようにされた所定の同一パターンデータが格納されたビット書込領域が所定数連続する副データ書込領域が設けられており、
    上記ジッタ値算出手段は、
    測定されたエッジシフト量の値を各フレームの同じビット書込領域ごとにを振り分け、それらのエッジシフト量の値ごとに上記ジッタ値を計算するように構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の評価装置。
  5. 上記主データは、RLL(1,7)PP変調後にNRZI変調されて記録されたものであり、上記主データ中の所定長のフレーム単位ごとに、それぞれエッジシフト対象部分としてのピットとランドとのエッジ部分が形成され且つシフト後の主データがRLL(1,7)PP変調ルールに従ったものとなるようにされた所定の同一パターンデータが格納されたビット書込領域が所定数連続する副データ書込領域が設けられており、
    上記ジッタ値算出手段は、
    測定されたエッジシフト量の値を各フレームの同じビット書込領域ごとに振り分け、さらにそれらのエッジシフト量の値をそのエッジシフトの方向ごとに振り分けた上で、これら振り分けられらエッジシフト量の値ごとに上記ジッタ値を計算するように構成されると共に、
    さらに、それらのジッタ値の絶対値を平均化した値を総合ジッタ値として計算するようにされる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の評価装置。
  6. ピット及びランドの組み合わせによって主データが記録される光ディスク記録媒体であって、所定の複数位置に形成されたピットとランドとのエッジ部分を対象として、所定の記録パワーによるレーザ光が照射されてエッジシフトが行われることで、上記主データとは別の副データの記録が行われる光ディスク記録媒体について、上記副データの記録品質を評価するための評価装置であって、
    上記光ディスク記録媒体を再生して得られる2値化信号に基づき測定した、上記所定の複数位置に形成されたピットとランドとのエッジ部分のうちエッジシフトが行われた部分でのエッジシフト量について、その標準偏差値と平均値と、さらに2値判定においてエッジシフトが行われたとして判定可能な最小限のシフト量として予め定められた最小シフト量の情報とに基づき、上記エッジシフト量についてのジッタ値を計算するジッタ値算計算手段を備える、
    ことを特徴とする評価装置。
  7. ピット及びランドの組み合わせによって主データが記録される光ディスク記録媒体であって、所定の複数位置に形成されたピットとランドとのエッジ部分を対象として、所定の記録パワーによるレーザ光が照射されてエッジシフトが行われることで、上記主データとは別の副データの記録が行われる光ディスク記録媒体について、上記副データの記録品質を評価するための評価方法であって、
    上記所定の複数位置に形成されたピットとランドとのエッジ部分のうちエッジシフトが行われた部分で測定されたエッジシフト量について、その標準偏差値と平均値と、さらに2値判定においてエッジシフトが行われたとして判定可能な最小限のシフト量として予め定められた最小シフト量の情報とに基づき、上記エッジシフト量についてのジッタ値を計算するようにした、
    ことを特徴とする評価方法。
  8. ピット及びランドの組み合わせによって主データが記録される光ディスク記録媒体であって、所定の複数位置に形成されたピットとランドとのエッジ部分を対象として、所定の記録パワーによるレーザ光が照射されてエッジシフトが行われることで、上記主データとは別の副データの記録が行われる光ディスク記録媒体を製造するためのディスク製造方法として、
    上記所定の複数位置にピットとランドとのエッジ部分が形成されるようにされた上記主データを記録したディスク原盤を生成する原盤生成工程と、
    上記ディスク原盤をもとに作成したスタンパによってディスク基板を生成すると共に、このディスク基板に対して少なくとも反射膜とカバー層を積層することで、上記主データが記録された主データ記録ディスクを製造するディスク形成工程と、
    記録装置により、上記主データ記録ディスクの上記所定の複数位置に形成されたピットとランドとのエッジ部分を対象として、所定の記録パワーによるレーザ光を照射してエッジシフトさせることで、上記主データとは別の副データを記録する第1の副データ記録工程と、
    上記副データが記録された上記光ディスク記録媒体の上記所定の複数位置に形成されたピットとランドとのエッジ部分のうちエッジシフトが行われた部分で測定されたエッジシフト量について、その標準偏差値と平均値と、さらに2値判定においてエッジシフトが行われたとして判定可能な最小限のシフト量として予め定められた最小シフト量の情報とに基づき、上記エッジシフト量についてのジッタ値を計算する評価工程と、
    上記評価工程により得られた上記ジッタ値に基づいて、上記記録装置における上記副データ記録のためのパラメータを調整する調整工程と、
    上記調整工程による調整が行われた上記記録装置により、上記主データ記録ディスクに対する上記副データの記録を行う第2の副データ記録工程と、
    を備えることを特徴とする光ディスク製造方法。
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