JP2006343631A - 固体撮像素子用近赤外線吸収組成物およびこれを用いた固体撮像素子 - Google Patents

固体撮像素子用近赤外線吸収組成物およびこれを用いた固体撮像素子 Download PDF

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Abstract

【課題】固体撮像素子を製造する工程における熱で赤外線吸収能を失うことがなく、650〜750nmの領域の光を充分に吸収する固体撮像素子用近赤外線吸収組成物、および色再現性を損なうことなくカメラの光学系を小型にすることができる固体撮像素子の提供。
【解決手段】透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる担体と、オキシチタニウムフタロシアニン、好ましくはY型またはβ型のオキシチタニウムフタロシアニンとを含有する固体撮像素子用近赤外線吸収組成物、複数の光電変換素子上にカラーフィルター層およびマイクロレンズを備えた固体撮像素子において、前記カラーフィルター層がオキシチタニウムフタロシアニンを含有する固体撮像素子、および複数の光電変換素子上にカラーフィルター層、マイクロレンズおよび透明樹脂層を備えた固体撮像素子において、前記透明樹脂層がオキシチタニウムフタロシアニンを含有する固体撮像素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、C−MOSやCCDに代表される固体撮像素子の製造に用いられる近赤外線吸収組成物、および色再現性を損なうことなくカメラの光学系を小型にすることができる固体撮像素子に関する。
カメラに装着されたC−MOSやCCD等の光電変換素子を有する固体撮像素子は、人間の視感度域(400nm〜700nm)外、とくに長波長の赤外域(700nm〜1000nm)にも高い感度を有している。こうした光電変換素子には、色分離を行うために赤/緑/青(RGB)系あるいはシアン/マゼンタ/イエロー(CMY)系の三原色のカラーフィルター層が設けられている。しかしながら、従来のカラーフィルター層は、赤外領域の光をカットする機能がないため、700nmより長波長の光が光電変換素子に入ってしまい、色分離を難しくしていた。
この不正確な色分離を避けるため、一般の光電変換素子では、カメラの光学系に、無機多層膜による反射型の赤外線カットフィルターと、金属イオンを含む無機ガラスや有機染料系色素を含む吸収型の赤外線カットフィルターを併用しているのが現状である。このうち、吸収型の赤外カットフィルターは、赤外領域の光の斜め入射や再入射の影響をなくす目的で用いられている。
これらの赤外線カットフィルターは、カメラやスキャナーの部材としてレンズ系に組み込むが、厚みがそれぞれ1〜3mmあり、カメラの小型化およびコストの観点から問題を有している。
以上の問題を解決するために、固体撮像素子の構成要素に赤外線吸収剤を含有させて赤外線吸収機能をもたせることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、赤外線吸収剤として染料を用いる場合には、固体撮像素子を構成するカラーフィルター層、平坦化層、アンダーコート層、マイクロレンズ等の形成工程における硬膜化温度である180〜250℃程度で赤外線吸収剤が分解して赤外線吸収能を失ってしまう。また、アントラキノン系化合物、アゾ系化合物、銅フタロシアニン系化合物等の一般的な有機顔料を赤外線吸収剤として用いる場合には、650〜750nmの領域の吸収特性が不充分である。
特開2003−60176号公報
本発明は、固体撮像素子を製造する工程における熱で赤外線吸収能を失うことがなく、650〜750nmの領域の光を充分に吸収する固体撮像素子用近赤外線吸収組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、650〜750nmの領域の光を充分に吸収し、色再現性を損なうことなくカメラの光学系を小型にすることができる固体撮像素子を提供することを目的とする。
本発明の固体撮像素子用近赤外線吸収組成物は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる担体と、オキシチタニウムフタロシアニンとを含有することを特徴とする。
また、本発明の固体撮像素子は、複数の光電変換素子上に、カラーフィルター層およびマイクロレンズを備えた固体撮像素子において、前記カラーフィルター層がオキシチタニウムフタロシアニンを含有することを特徴とする。
また、本発明の固体撮像素子は、複数の光電変換素子上に、カラーフィルター層、マイクロレンズ、および透明樹脂層を備えた固体撮像素子において、前記透明樹脂層がオキシチタニウムフタロシアニンとを含有することを特徴とする。
本発明の近赤外線吸収組成物は、耐熱性や耐光性に優れ、従来の近赤外線吸収剤では不足していた650〜750nmの領域の光を充分に吸収するため、固体撮像素子を構成するカラーフィルター層または透明樹脂層に赤外線吸収機能を持たせることができる。
また、本発明の固体撮像素子は、650〜750nmの領域の光を充分に吸収するカラーフィルター層または透明樹脂層を備えるため、従来はカメラの光学系に設けていた吸収型の赤外線カットフィルターを設ける必要がなく、カメラを小型化できるという利点がある。
まず、本発明の固体撮像素子用近赤外線吸収組成物について説明する。
本発明の固体撮像素子用近赤外線吸収組成物は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる担体と、オキシチタニウムフタロシアニンとを含有する。
近赤外線吸収組成物に用いられるオキシチタニウムフタロシアニンとしては、下記一般式で示されるものが挙げられる。
Figure 2006343631
(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは0〜1までの数を表す。)
オキシチタニウムフタロシアニンの吸光度特性は、図1に示すように、結晶型により異なる。いずれの結晶型のものも近赤外領域、特に750〜900nmの領域で吸収極大を示すことから、本発明での使用が可能である。また、近赤外域の光をカットする目的からは、700nm〜吸収極大を示す波長域に至るまでに吸収が鈍らない、即ちなるべく極小を示さないものの方がより好ましく、このことからβ型およびY型の結晶構造のものが特に好ましい。β型、Y型の結晶構造の特定はX線回折スペクトルで行われる。
β型のオキシチタニウムフタロシアニンは、X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2゜)9.3゜および27.2゜に主たる明瞭な回折ピークを示す。また、Y型のオキシチタニウムフタロシアニンは、X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2゜)27.3゜に主たる明瞭な回折ピークを示す。
オキシチタニウムフタロシアニンの含有量は、近赤外線吸収組成物の固形分(溶剤以外の成分)の全重量を基準(100重量%)として、0.01〜20重量%であることが好ましく、0.1〜10重量%であることがより好ましい。オキシチタニウムフタロシアニンの含有量が0.01重量%より少なくなると、近赤外線吸収組成物から形成される層を極端に厚くする必要が生じるため、固体撮像素子への入射光の光路が長くなりすぎマイクロレンズを通った光が素子に正しく入らなくなる。また、20重量%より多いと、400〜600nm領域の光の透過率を著しく低下させてしまい、カラーフィルターの色分解能に影響を与えてしまう。
本発明の近赤外線吸収組成物には、赤外線吸収領域を調整するために、近赤または赤外領域の光を吸収する他の赤外線吸収剤を併用することができる。固体撮像素子には、主にスキャナーに用いられる一次元用と静止画または動画の撮影用カメラに用いられる二次元用があり、それぞれに要求される近赤〜赤外の吸収域が異なる。これは、一次元が人工光、二次元が自然光とそれぞれで光源が異なることによる。このため、吸収波長の異なる複数の赤外線吸収剤を併用することにより、固体撮像素子の用途に応じて赤外線吸収性能を無理なく、任意に設定できる。
他の赤外線吸収剤としては、有機、無機いずれも使用可能であるが、有機系の赤外線吸収剤としては、アントラキノン系化合物、フタロシアニン系化合物、シアニン系化合物、ポリメチレン系化合物、アルミニウム系化合物、(ジ)イモニウム系化合物、アゾ系化合物などが使用可能である。また、無機系の赤外線吸収剤としては、ランタン化合物、錫ドープ酸化インジウム、ジルコニア酸化物、酸化チタン、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が使用可能である。他の赤外線吸収剤は、600〜800nm付近のオキシチタニウムフタロシアニンの透過率特性をできる限り損なわないようにするために、オキシチタニウムフタロシアニン100重量部に対して、30重量部以下の範囲内で用いることが好ましい。
近赤外線吸収組成物に用いられる担体は、上述したように、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物から構成される。透明樹脂とは、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、その前駆体には、放射線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独または2種以上混合して用いることができる。担体は、オキシチタニウムフタロシアニン100重量部に対して、好ましくは合計して20〜400重量部、より好ましくは合計して50〜250重量部の量で用いることができる。
本発明の近赤外線吸収組成物には、該組成物を紫外線等の光照射により硬化するときには、光重合開始剤等が添加される。
熱可塑性樹脂としては、例えば, ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。なかでも、耐熱性、透明性等の点から、アクリル系樹脂が好ましい。
アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)ペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートアシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等の単独重合体および共重合体が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合体やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
透明樹脂の前駆体であるモノマーおよびオリゴマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられ、これらを単独または2種類以上混合して用いることができる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。光重合開始剤は、オキシチタニウムフタロシアニン100重量部に対して、好ましくは5〜200重量部、より好ましくは10〜150重量部の量で用いることができる。
上記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。増感剤は、光重合開始剤100重量部に対して、0.1〜30重量部の量で用いることができる。
本発明の近赤外線吸収組成物は、オキシチタニウムフタロシアニンを必要に応じて他の赤外線吸収剤と混合した後、必要に応じて上記光重合開始剤と共に、担体中に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。
近赤外線吸収組成物には、オキシチタニウムフタロシアニンの担体に対する分散性を向上させることを目的として、顔料誘導体を含有させることが好ましい。
顔料誘導体とは、有機顔料の母骨格、すなわち有機顔料骨格から水素原子を適当な数除いて得られる基にスルホン酸やアミン、スルホンアミド等が結合した化合物であり、オキシチタニウムフタロシアニン表面に吸着することにより、近赤外線吸収組成物中のオキシチタニウムフタロシアニンの分散安定性を向上することができる。顔料誘導体は、オキシチタニウムフタロシアニン100重量部に対して、1〜10重量部の量で用いることができる。
また、近赤外線吸収組成物には、上記顔料誘導体等の他に、アルキレンオキサイド重合体等の顔料分散剤を含有させることもできる。
アルキレンオキサイド重合体とは、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド単位を有する重合体であり、親水基と疎水基とに起因する両親媒性の性質を有することから、オキシチタニウムフタロシアニンおよび顔料誘導体の表面に吸着することにより、得られる近赤外線吸収組成物中のオキシチタニウムフタロシアニンの分散安定性を向上させるとともに流動特性を改善する。顔料分散剤は、オキシチタニウムフタロシアニン100重量部に対して、1〜30重量部の量で用いることができる。
さらに、近赤外線吸収組成物には、オキシチタニウムフタロシアニンの熱や光に対する安定化を図るため、ヒンダードアミン系光安定化剤やクエンチャーを添加しても良い。
また、近赤外線吸収組成物には、該組成物を熱で硬化させる場合には、メラミン類、ベンゾグアナミン類、アミン類、酸無水物等の硬化剤を添加することができる。
さらに、近赤外線吸収組成物には、オキシチタニウムフタロシアニンを充分に担体中に分散させ、近赤外線吸収組成物を均一に塗布してカラーフィルター層または透明樹脂層を形成することを容易にするために、有機溶剤や水を含有させることができる。有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。溶剤は、オキシチタニウムフタロシアニン100重量部に対して、400から5000重量部、好ましくは500〜2000重量部で用いることができる。
本発明の近赤外線吸収組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
次に、本発明の固体撮像素子について説明する。
本発明の固体撮像素子は、複数の光電変換素子上に、カラーフィルター層およびマイクロレンズを備えた固体撮像素子において、前記カラーフィルター層がオキシチタニウムフタロシアニンを含有するものである。カラーフィルター層は、本発明の近赤外線吸収組成物を用いて形成することができる。
また、本発明の固体撮像素子は、複数の光電変換素子上に、カラーフィルター層、マイクロレンズ、および透明樹脂層を備えた固体撮像素子において、前記透明樹脂層がオキシチタニウムフタロシアニンを含有するものである。透明樹脂層は、本発明の近赤外線吸収組成物を用いて形成することができる。
オキシチタニウムフタロシアニンを含有するカラーフィルター層および透明樹脂層は、素子基板上、またはカラーフィルター層やそのオーバーコート層、マイクロレンズ上にスプレーコートやスピンコート、ロールコート等の塗布方法により本発明の近赤外線吸収組成物を均一に塗布した後、紫外線、電子線などの活性エネルギー線や熱等により乾燥または硬化することにより形成することができる。
カラーフィルター層は、赤/緑/青(RGB)系あるいはシアン/マゼンタ/イエロー(CMY)系の三原色のフィルタセグメントから構成される。
本発明の近赤外線吸収組成物には、該組成物を用いてカラーフィルター層を形成する場合には、フィルタセグメントの色に応じた着色剤を含有させる。
本発明の近赤外線吸収組成物を用いて赤色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I. Pigment Red 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、81:4、146、168、177、178、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272、C.I. Pigment Orange 43、71、73等の赤色または橙色顔料を着色剤として用いることができる。また、黄色顔料を併用することができる。
緑色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I. Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を着色剤として用いることができる。また、黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、60等の青色顔料を着色剤として用いることができる。また、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、32、42等の紫色顔料を併用することができる。
シアン色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I. Pigment Blue 15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、24、27、36、56、60、61、81等の青色顔料を着色剤として用いることができる。また、黄色顔料を併用することができる。
マゼンタ色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I. Pigment Red 5、23、31、48:1、48:2、48:3、48:4、49:2、52:1、52:2、57:1、67、81:1、81:2、81:3、81:4、88、83、90、122、144、146、169、176、178、184、185、187、200、202、208、209、210、246、C.I. Pigment Violet 5:1、19、32、42、47、48等赤色顔料および紫色顔料を用いることができる。また、黄色顔料を併用することができる。
イエロー色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214等の黄色顔料を用いることができる。
カラーフィルター層の上または下に、本発明の近赤外線吸収組成物を用いて透明樹脂層を形成する場合、透明樹脂層の分光特性はカラーフィルターの画素のうち青または、緑、シアンの透過率にはほとんど影響を与えないことが好ましい。また、近赤外域の光はカットする必要があることから650nm以上の波長においては序々に透過率が低下させることが必要である。透明樹脂層の分光特性は、一次元用と二次元用とでそれぞれ異なるが、固体撮像素子の設計上、400nmの透過率が50%〜60%の時にピーク透過率が90%以上、700nmの透過率が45%以下、750nmの透過率が35%以下である分光特性であることが好ましい。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、「部」とは「重量部」を意味する。
(オキシチタニウムフタロシアニンの合成)
チッソ気流下、1−オクチルアルコール31.5部、フタロニトリル12.8部、尿素5.8部、テトラブトキシチタン8.96部を反応容器中で、ブタノールを留去しながら160℃で6時間反応した。1−メチル−2−ピロリドン、メタノール、1重量%塩酸水溶液、1重量%NaOH水溶液、イオン交換水で洗浄後、乾燥して、11部のチタニルフタロシアニンを得た。
(β型オキシチタニウムフタロシアニンの製造)
先に得られたオキシチタニウムフタロシアニン20部を、塩化ナトリウム24部、ジエチレングリコール40部と共に混練(ソルベントソルトミリング)して、β型オキシチタニウムフタロシアニンを得た。
得られたβ型オキシチタニウムフタロシアニンについて、X線回折装置(Philips Analytical社製「X‘pert−PRO」)でCuKα線を用いて、θ―2θの測定を室温で行ったところ、明確なピークがブラッグ角(2θ±0.2゜)9.3°と27.2°に見られた。
(Y型オキシチタニウムフタロシアニンの製造)
先に得られたオキシチタニウムフタロシアニンを23重量倍の98%硫酸に5℃で溶解した。硫酸溶液を440重量倍の冷水にゆっくり注入した。得られたスラリーを上澄み液の比伝導度が10μS-1になるまでデカント法で精製し、最後にろ過して含水ケーキとした。
含水ケーキ100部、イオン交換水100部、トリクロロエチレン50部をハイスピードミキサーで1時間混合した。メタノールで希釈してろ過、乾燥してY型チタニルフタロシアニンを得た。
得られたY型オキシチタニウムフタロシアニンについて、X線回折装置(Philips Analytical社製「X‘pert−PRO」)でCuKα線を用いて、θ―2θの測定を室温で行ったところ、明確なピークがブラッグ角(2θ±0.2゜)27.3°に見られた。
(アクリル樹脂溶液の調製)
反応容器にシクロヘキサノン450部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
メタクリル酸 20.0部
メチルメタクリレート 10.0部
ブチルメタクリレート 55.0部
ヒドロキシエチルメタクリレート 15.0部
アゾビスイソブチロニトリル 4.0部
滴下後さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けてアクリル樹脂溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約40000であった。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
[実施例1]
下記組成の混合物を均一に分散撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して近赤外線吸収組成物を作製した。
製造例で得られたβ型オキシチタニウムフタロシアニン 5.0部
分散剤(ゼネカ社製「ソルスパーズ20000」) 1.00部
アクリル樹脂溶液 45.00部
トリメチロールプロパントリアクリレート 7.30部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」) 0.10部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.10部
シクロヘキサノン 41.50部
[実施例2]
β型オキシチタニウムフタロシアニンをY型オキシチタニウムフタロシアニンに変えた以外は、実施例1と同様にして近赤外線吸収組成物を得た。
[比較例1]
β型オキシチタニウムフタロシアニンをジチオールニッケル錯体(ミドリ化学製「M103」)に変えた以外は、実施例1と同様にして近赤外線吸収組成物を得た。
(赤色レジスト材)
下記組成の混合物を均一に分散撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過してアルカリ現像型赤色着色組成物を作製した。
DPP系顔料(C.I.Pigment RED254) 4.90部
(チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガジンDPP RED BO」)
イソインドリン系黄色顔料(C.I.pigment yellow 139)
(東洋インキ製造社製「リオノールエロー 1313」 0.10部
分散剤(ゼネカ社製「ソルスパーズ20000」) 1.00部
アクリル樹脂溶液 45.00部
トリメチロールプロパントリアクリレート 7.30部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)0.10部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.10部
シクロヘキサノン 41.50部
(緑色レジスト材)
下記組成の混合物を均一に分散撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過してアルカリ現像型緑色着色組成物を作製した。
フタロシアニン系緑色顔料(C.I.pigment green 36 )
(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン 6Y−501」)4.83部
分散剤(ゼネカ社製「ソルスパーズ20000」) 1.00部
アクリル樹脂溶液 32.06部
トリメチロールプロパントリアクリレート 7.58部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」) 0.10部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.10部
シクロヘキサノン 54.33部
(青色レジスト材)
下記組成の混合物を均一に分散撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過してアルカリ現像型青色着色組成物を作製した。
ε型銅フタロシアニン系青色顔料(C.I.pigment blue 15:6)
(BASF社製「ヘリオゲンブルーL―6700F」) 3.77部
分散剤(ゼネカ社製「ソルスパーズ20000」) 1.00部
アクリル樹脂溶液 32.89部
トリメチロールプロパントリアクリレート 4.58部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」) 0.10部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.10部
シクロヘキサノン 57.56部
得られたアルカリ現像型赤色着色組成物をスピンコート法により10cm×10cmのガラ
ス基板にポストベーク後の膜厚が、1.2μmになるように塗布し、クリーンオーブン中で、60℃で20分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。その後、クリーンオーブン中で、180℃で12分間ポストベークを行い、基板上にストライプ状のフィルタセグメントを形成した。同様にして、アルカリ現像型緑色着色組成物およびアルカリ現像型青色着色組成物を用いて、ストライプ状の赤色フィルタセグメントと隣接させて、ストライプ状の緑色フィルタセグメントおよび青色フィルタセグメントを形成し、3色のフィルタセグメントからなるカラーフィルター層を作成した。
作成されたカラーフィルター層の上に、実施例1、2または比較例1で作製した近赤外線吸収組成物を、それぞれ400nmの透過率が60%になるような膜厚で塗布し60℃で20分間プリベークをした。この膜厚で塗布すると、これらの組成物はピーク透過率が90%以上、700nmの透過率が45%以下、750nmの透過率が35%以下となりこれらは請求項7に規定する分光特性の要件を満たす。その後それぞれを180℃で12分間ポストベークし、透明樹脂層を形成した。カラーフィルター層/透明樹脂層からなる積層体の、プリベーク後とポストベーク後における赤色部と緑色部の光線透過率を、分光光度計(日立製作所製「U−3300」)を用いて測定した。750nmの透過率を表1に示す。
[実施例3]
下記組成の混合物を均一に分散撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過してアルカリ現像型赤色着色組成物を作製した。
製造例で得られたβ型オキシチタニウムフタロシアニン 0.10部
DPP系顔料C.I.Pigment RED254) 4.80部
(チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガジンDPP RED BO」)
イソインドリン系黄色顔料(C.I.pigment yellow 139)
(東洋インキ製造社製「リオノールエロー 1313」) 0.10部
分散剤(ゼネカ社製「ソルスパーズ20000」) 1.00部
アクリル樹脂溶液 45.00部
トリメチロールプロパントリアクリレート 7.30部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」) 0.10部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.10部
シクロヘキサノン 41.50部
[実施例4]
下記組成の混合物を均一に分散撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過してアルカリ現像型緑色着色組成物を作製した。
製造例で得られたβ型オキシムチタニルフタロシアニン 0.06部
フタロシアニン系緑色顔料(C.I.pigment green 36 )
(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン 6Y−501」)4.77部
分散剤(ゼネカ社製「ソルスパーズ20000」) 1.00部
アクリル樹脂溶液 32.06部
トリメチロールプロパントリアクリレート 7.58部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」) 0.10部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.10部
シクロヘキサノン 54.33部
[実施例5]
β型オキシチタニウムフタロシアニンをY型オキシチタニウムフタロシアニンに変えた以外は、実施例3と同様にしてアルカリ現像型赤色着色組成物を得た。
[実施例6]
β型オキシチタニウムフタロシアニンをY型オキシチタニウムフタロシアニンに変えた以外は、実施例4と同様にしてアルカリ現像型緑色着色組成物を得た。
[比較例2]
β型オキシチタニウムフタロシアニンをジチオールニッケル錯体(ミドリ化学製「M103」)に変えた以外は、実施例3と同様にしてアルカリ現像型赤色着色組成物を得た。
[比較例3]
β型オキシチタニウムフタロシアニンをジチオールニッケル錯体(ミドリ化学製「M103」)に変えた以外は、実施例4と同様にしてアルカリ現像型緑色着色組成物を得た。
得られた着色組成物をスピンコート法により10cm×10cmのガラス基板にポストベー
ク後の膜厚が、1.2μmになるように塗布し、クリーンオーブン中で、60℃で20分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。その後、クリーンオーブン中で、180℃で12分間ポストベークを行い、基板上にストライプ状のフィルタセグメントを形成した。
フィルタセグメントの、プリベーク後とポストベーク後における光線透過率を、分光光度計(日立製作所製「U−3300」)を用いて測定した。750nmの透過率を表1に示す。
Figure 2006343631
比較例1で得られた近赤外線吸収組成物を用いて作成された積層体は、60℃で20分間プリベークしたものと180℃で12分間ポストベークを行ったものとの750nmにおける透過率の差(Δ%)が、赤色部では14.49%、緑色部では5.62%となった。また、比較例2で得られた着色組成物を用いて作成された塗膜は、Δ%が11.90%、比較例3で得られた着色組成物を用いて作成された塗膜では、Δ%が4.63%となり、変化率としては10%を超える。これは、180℃で加熱している間に染料部が昇華していることを示唆しており、このような昇華による分光の変化は制御が難しく、また、昇華物が周囲の部品に付着してしまうことがある。
これに対し、実施例1、2で得られた近赤外線吸収組成物を用いて作成された積層体および実施例3〜6で得られた着色組成物を用いて作成された塗膜は、Δ%が1%以内を保っており、180℃での耐熱性は良好である。
Y型およびβ型のオキシチタニウムフタロシアニンの吸光度特性を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる担体と、オキシチタニウムフタロシアニンとを含有することを特徴とする固体撮像素子用近赤外線吸収組成物。
  2. オキシチタニウムフタロシアニンが、X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2゜)9.3゜および27.2゜に主たる明瞭な回折ピークを示すことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子用近赤外線吸収組成物。
  3. オキシチタニウムフタロシアニンが、X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2゜)27.3゜に主たる明瞭な回折ピークを示すことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子用近赤外線吸収組成物。
  4. 複数の光電変換素子上に、カラーフィルター層およびマイクロレンズを備えた固体撮像素子において、前記カラーフィルター層がオキシチタニウムフタロシアニンを含有することを特徴とする固体撮像素子。
  5. 複数の光電変換素子上に、カラーフィルター層およびマイクロレンズを備えた固体撮像素子において、前記カラーフィルター層が、請求項1ないし3のいずれかに記載の固体撮像素子用近赤外線吸収組成物から形成されていることを特徴とする固体撮像素子。
  6. 複数の光電変換素子上に、カラーフィルター層、マイクロレンズ、および透明樹脂層を備えた固体撮像素子において、前記透明樹脂層がオキシチタニウムフタロシアニンを含有することを特徴とする固体撮像素子。
  7. 透明樹脂層が、400nmの透過率が50%〜60%の時にピーク透過率が90%以上、700nmの透過率が45%以下、750nmの透過率が35%以下である分光特性を有することを特徴とする請求項6記載の固体撮像素子。
  8. 透明樹脂層が、請求項1ないし3のいずれかに記載の固体撮像素子用近赤外線吸収組成物から形成されていることを特徴とする請求項6または7記載の固体撮像素子。

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