JP2006339532A - 積層インダクタ及び回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フリンジングの問題を解決できて、渦電流損が増加せず、安定した磁気特性が得られる積層インダクタ、及び該積層インダクタを内蔵する回路基板を提供する。
【解決手段】 NiCuZnフェライトからなる磁性体1に挟まれて、Agからなるコイルパターン2と、磁気ギャップを形成するためのZrO2 からなる非磁性体3とが存在している。コイルパターン2及び非磁性体3を有する磁気ギャップ層11におけるコイルパターン2の幅が、コイルパターン2のみを有する磁性体層12におけるコイルパターン2の幅よりも狭い。磁気ギャップ層11のコイルパターン2の幅を狭めて、非磁性体3の幅を広げた構造にしているため、中央脚から磁束が漏洩しても、その漏洩磁束がコイルパターン2と鎖交することはなく(矢印)、渦電流損の発生が防止される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、積層した磁性体によって磁気回路を構成する積層インダクタ、及び、該積層インダクタを内蔵する回路基板に関し、特に、磁気回路の磁路の一部に非磁性体による磁気ギャップを設けた積層インダクタ、及び該積層インダクタを内蔵する回路基板に関する。
機器の小型/薄型化によって搭載されるモジュール、電子部品も省スペース、低背化が要求されている。DC/DCコンバータのチョークコイルには従来から巻線型インダクタを使用していたが、小型化を進めた場合に、磁芯、つばなどの肉厚が薄くなって、欠けなどの構造的な信頼性に問題が生じる。また、省スペース化を進めた場合に、閉磁路構造とすることが困難であり、漏れ磁束などの問題もある。
そこで、モノリシックで閉磁路構造となり得る積層インダクタが開発されている。積層インダクタは、磁性体(フェライト)と内部導体(コイルパターン)とをシート積層法、印刷法などにより一体成形した後、同時焼成して作製される。図11はこのような従来の積層インダクタ10の一例の断面図であり、磁性体1に挟まれて複数層のコイルパターン2が存在している。積層インダクタは、モノリシックで閉磁路構造なインダクタであるので、構造的に信頼性に優れ、漏れ磁束が少ないという利点がある。また、半導体、コンデンサ、抵抗などの電子部品を実装するためのランド、配線パターンを積層体の表層または内層に設けることにより、モジュール化が可能であり、DC/DCコンバータの省スペース化も図れる。しかしながら、一体構造であるため、バイアス電流を印加した際、容易に磁性体(フェライト)が部分的に飽和してインダクタンスが急激に低下するため、直流重畳特性が悪く、DC/DCコンバータに使用するためには充分なインダクタンスを得られないという問題がある。
この問題を解決するために、積層体の内部に磁気ギャップとなる非磁性体を挿入することにより、実効透磁率を下げて磁気飽和を起こしにくくして、直流重畳特性を改善する手法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
図12は、このような従来の積層インダクタ10の他の例の断面図であり、磁性体1に挟まれて、複数層のコイルパターン2と磁気ギャップ形成するための1層の非磁性体3とが存在している。また、図13は、このような従来の積層インダクタ10の更に他の例の断面図である。図12の例では、外側にまで非磁性体3が設けられているため、外部に磁束が漏洩して(図12の矢印)、積層インダクタの長所が得られない。これに対して、図13の例では、コイルパターン2に囲まれた領域(中央脚)にのみ非磁性体3が設けられており、外側は全て磁性体1で覆われているため、外部に磁束が漏洩しない構造であり、漏洩磁束による悪影響がない。
特公平1−35483号公報 特公平1−37842号公報
磁気ギャップとなる非磁性体を設ける積層インダクタでは、積層体の内部に異材質を挿入して同時焼結により作製されるため、磁性体と非磁性体との熱膨張係数の差に起因する応力によって、磁性体の透磁率(μ)が低下したり、コアロス(Pcv)が増加するという問題がある。しかも、コイルパターン2を通過する磁束の磁気抵抗と、非磁性体3(磁気ギャップ)を通過する磁束の磁気抵抗とが近いため、コイルパターン2と非磁性体3(磁気ギャップ)との境界近傍では、磁性体1の中央脚から磁束が外部に漏洩する現象(図13の矢印:フリンジング)が生じて、その漏洩磁束がコイルパターン2と鎖交して(図13の矢印)渦電流が生じ、インダクタンスのロス(渦電流損)が増加するという問題がある。よって、従来の積層インダクタをDC/DCコンバータに用いた場合に高い効率が得られないことになる。
このような問題を解決するために、非磁性体の熱膨張係数を磁性体のそれに近付ける手法、または磁性体として耐応力特性に優れた材料を使用する手法などが提案されているが、上記フリンジングの問題は解決されていない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、磁気ギャップの近傍における非磁性体及びコイルパターンの形状、設置パターンなどを規定することにより、フリンジングの問題を解決できて、渦電流損が増加せず、安定した磁気特性が得られる積層インダクタ、及び該積層インダクタを内蔵する回路基板を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、DC/DCコンバータに用いた場合に高い効率を得ることができる積層インダクタ、及び該積層インダクタを内蔵する回路基板を提供することにある。
本発明に係る積層インダクタは、磁性体にコイルパターンを形成した複数の磁性体層と、磁性体にコイルパターン及び非磁性体を形成した1または複数の磁気ギャップ層とを備えた積層インダクタにおいて、前記磁気ギャップ層の前記コイルパターンの幅が前記磁性体層の前記コイルパターンの幅より狭いことを特徴とする。
本発明の積層インダクタにあっては、従来例(図13)に比べて磁気ギャップ層におけるコイルパターンの幅を狭くして、非磁性体の幅を広くしている。よって、中央脚から磁束が漏洩しても、その漏洩磁束がコイルパターンと鎖交することはなく、渦電流損の発生が防止される。
本発明に係る積層インダクタは、磁性体にコイルパターンを形成した複数の磁性体層と、磁性体にコイルパターン及び非磁性体を形成した1または複数の磁気ギャップ層とを備えた積層インダクタにおいて、前記磁気ギャップ層における前記非磁性体の厚さが前記コイルパターンの厚さより薄いことを特徴とする。
本発明の積層インダクタにあっては、磁気ギャップ層における非磁性体をコイルパターンより薄くしている。よって、非磁性体から漏洩する磁束が少なくなり、渦電流損は減少する。
本発明に係る積層インダクタは、磁性体にコイルパターンを形成した複数の磁性体層と、磁性体にコイルパターン及び非磁性体を形成した1または複数の磁気ギャップ層とを備えた積層インダクタにおいて、前記磁気ギャップ層を挾む前記磁性体層の前記コイルパターンの近傍に非磁性体を設けていることを特徴とする。
本発明の積層インダクタにあっては、磁気ギャップ層を挾む上下の磁性体層のコイルパターン近傍に非磁性体を設けている。よって、この上下の磁性体層では、非磁性体が設けられているため、磁束は磁性体の中央脚の中心部を流れるようになり、磁気ギャップ層で中央脚の外側を流れる磁束が少なくなり、コイルパターンを鎖交する磁束が少なくなって、渦電流損は減少する。
本発明に係る積層インダクタは、磁性体に複数ターンのコイルパターンを形成した複数の磁性体層と、磁性体に1または複数ターンのコイルパターン及び非磁性体を形成した1または複数の磁気ギャップ層とを備えた積層インダクタにおいて、前記磁気ギャップ層の前記コイルパターンのターン数が前記磁性体層の前記コイルパターンのターン数より少ないことを特徴とする。
本発明の積層インダクタにあっては、磁気ギャップ層における内側(中央側)のコイルパターンを除去している。よって、中央脚から漏洩する磁束がコイルパターンに鎖交することが減って、渦電流損は減少する。
本発明に係る積層インダクタは、上記積層インダクタにおいて、前記磁性体は、NiCuZnフェライト、MgCuZnフェライト、MgNiCuZnフェライト、LiCuZnフェライト及びLiZnフェライトからなる群から選ばれたフェライトであることを特徴とする。
本発明の積層インダクタにあっては、磁性体を、NiCuZnフェライト、MgCuZnフェライト、MgNiCuZnフェライト、LiCuZnフェライト、LiZnフェライトの何れで構成しても、同様の作用を呈する。
本発明に係る回路基板は、上述したような構成の積層インダクタを内蔵することを特徴とする。
本発明の回路基板にあっては、直流重畳特性に優れて、しかも渦電流損が少ない積層インダクタを内蔵する。
本発明の積層インダクタでは、磁気ギャップ層のコイルパターンの幅を磁性体層のコイルパターンの幅より狭くするようにしたので、中央脚から磁束が漏洩しても、その漏洩磁束がコイルパターンと鎖交することを防止できて、渦電流損の発生を防止でき、DC/DCコンバータに用いた場合に高い効率を得ることができる。
本発明の積層インダクタでは、磁気ギャップ層における非磁性体の厚さをコイルパターンの厚さより薄くするようにしたので、非磁性体から漏洩する磁束を減らすことができて、渦電流損を減少でき、DC/DCコンバータに用いた場合に高い効率を得ることができる。
本発明の積層インダクタでは、磁気ギャップ層を挾む磁性体層のコイルパターンの近傍に非磁性体を設けるようにしたので、磁気ギャップ層で中央脚の外側を流れる磁束を少なくすることができるため、渦電流損を減少でき、DC/DCコンバータに用いた場合に高い効率を得ることができる。
本発明の積層インダクタでは、磁気ギャップ層のコイルパターンのターン数を磁性体層のコイルパターンのターン数より少なくするようにしたので、中央脚から漏洩する磁束がコイルパターンに鎖交することを減らすことができて、渦電流損を減少でき、DC/DCコンバータに用いた場合に高い効率を得ることができる。
本発明の積層インダクタでは、磁性体が、NiCuZnフェライト、MgCuZnフェライト、MgNiCuZnフェライト、LiCuZnフェライト及びLiZnフェライトからなる群から選ばれたフェライトであるようにしたので、磁性体として上記のどの材料を用いても同様の効果を得ることができる。
本発明の回路基板では、上述したような良好な磁気特性を有する積層インダクタを内蔵することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(第1実施の形態)
図1は、第1実施の形態に係る積層インダクタ10の断面図である。図1において、1は例えばNiCuZnフェライトからなる磁性体であり、磁性体1に挟まれて、例えばAgからなるコイルパターン2と、磁気ギャップを形成するための例えばZrO2 からなる非磁性体3とが存在している。第1実施の形態では、コイルパターン2及び非磁性体3を有する磁気ギャップ層11におけるコイルパターン2の幅が、コイルパターン2のみを有する磁性体層12におけるコイルパターン2の幅よりも狭い。
第1実施の形態の積層インダクタ10は、次のようにして作製される。磁気ギャップ層11となる図2(a)に示される1枚の磁性体シート(ZrO2 からなる非磁性体ペースト及びAgペーストを塗布して非磁性体3及びコイルパターン2を印刷したNiCuZnフェライトからなる磁性体シート)と、磁性体層12となる図2(b)に示される複数枚の磁性体シート(Agペーストを塗布してコイルパターン2を印刷したNiCuZnフェライトからなる磁性体シート)と、無地層13となる図2(c)に示される複数枚の磁性体シート(何も印刷しないNiCuZnフェライトからなる磁性体シート)とを適宜積層圧着させてシート積層体を得る。シート積層体を素子寸法に切断して積層体を得た後、この積層体を焼結する。ここで、図2(a)における磁気ギャップ層11のコイルパターン2の幅は、図2(b)における磁性体層12のコイルパターン2の幅よりも狭くしている。
磁気ギャップを設けない構造である場合(図11に示した従来例)には、磁性体のみに磁束が流れるので、磁束がコイルパターンと鎖交することはない。一方、磁気ギャップを設けた構造では、コイルパターンも磁性体であり、非磁性体とコイルパターンとの境界近傍で磁束が漏洩し、磁束がコイルパターンと鎖交して渦電流損が生じる(図13に示した従来例)。第1実施の形態では、磁気ギャップ層11のコイルパターン2の幅を狭めて、非磁性体3の幅を広げた構造にしている。この構造では、中央脚から磁束が漏洩しても、その漏洩磁束がコイルパターン2と鎖交することはなく(図1の矢印)、渦電流損の発生を防止することができる。この結果、DC/DCコンバータに用いた場合に高い効率を得ることができる。
(第2実施の形態)
図3は、第2実施の形態に係る積層インダクタ10の断面図である。例えばNiCuZnフェライトからなる磁性体1に挟まれて、例えばAgからなるコイルパターン2と、磁気ギャップを形成するための例えばZrO2 からなる非磁性体3とが存在している。第2実施の形態では、コイルパターン2及び非磁性体3を有する磁気ギャップ層11における非磁性体3の厚さがコイルパターン2の厚さより薄い。
第2実施の形態の積層インダクタ10は、次のようにして作製される。磁気ギャップ層11となる図4(a)に示される1枚の磁性体シート(ZrO2 からなる非磁性体ペースト及びAgペーストを塗布して非磁性体3及びコイルパターン2を、前者の厚さを後者より薄くして印刷したNiCuZnフェライトからなる磁性体シート)と、磁性体層12となる図4(b)に示される複数枚の磁性体シート(Agペーストを塗布してコイルパターン2を印刷したNiCuZnフェライトからなる磁性体シート)と、無地層13となる図4(c)に示される複数枚の磁性体シート(何も印刷しないNiCuZnフェライトからなる磁性体シート)とを適宜積層圧着させてシート積層体を得る。シート積層体を素子寸法に切断して積層体を得た後、この積層体を焼結する。
コイルパターンと磁気ギャップとは非磁性であるので、磁気ギャップを通過する磁気抵抗とコイルパターンを通過する磁気抵抗との差が小さく、中央脚から漏洩した磁束がコイルパターンを通過する(図13に示した従来例)。第2実施の形態では、磁気ギャップ(非磁性体3)の厚さをコイルパターン2の厚さよりも薄くした構造にしている。この構造では、非磁性体3から漏洩する磁束を減らすことができて、渦電流損を低減することができる。この結果、DC/DCコンバータに用いた場合に高い効率を得ることができる。
(第3実施の形態)
図5は、第3実施の形態に係る積層インダクタ10の断面図である。例えばNiCuZnフェライトからなる磁性体1に挟まれて、例えばAgからなるコイルパターン2と、磁気ギャップを形成するための例えばZrO2 からなる非磁性体3とが存在している。第3実施の形態では、コイルパターン2及び非磁性体3を有する磁気ギャップ層11を挾む上下の磁性体層12a,12aのコイルパターン2の近傍に非磁性体14を設けている。
第3実施の形態の積層インダクタ10は、次のようにして作製される。磁気ギャップ層11となる図6(a)に示される1枚の磁性体シート(ZrO2 からなる非磁性体ペースト及びAgペーストを塗布して非磁性体3及びコイルパターン2を印刷したNiCuZnフェライトからなる磁性体シート)と、磁性体層12a,12aとなる図6(b)に示される2枚の磁性体シート(ZrO2 からなる非磁性体ペースト及びAgペーストを塗布して非磁性体14及びコイルパターン2を印刷したNiCuZnフェライトからなる磁性体シート)と、磁性体層12となる図6(c)に示される複数枚の磁性体シート(Agペーストを塗布してコイルパターン2を印刷したNiCuZnフェライトからなる磁性体シート)と、無地層13となる図6(d)に示される複数枚の磁性体シート(何も印刷しないNiCuZnフェライトからなる磁性体シート)とを適宜積層圧着させてシート積層体を得る。シート積層体を素子寸法に切断して積層体を得た後、この積層体を焼結する。
コイルパターンと鎖交して渦電流損となる磁束は、中央脚の外側(コイルパターン近傍)を流れる磁束である。第3実施の形態では、磁気ギャップ層11の上下の磁性体層12a,12aの中央脚の外周に非磁性体14を設けた構造にしている。この構造では、磁性体層12a,12aにおいて、非磁性体14に遮られて磁束は中央脚の中心部を流れる(図5の矢印)。このため、磁気ギャップ層11では中央脚外側に磁束が流れなくなり、磁気ギャップ層11から漏洩する磁束を減らすことができて、渦電流損を低減することができる。この結果、DC/DCコンバータに用いた場合に高い効率を得ることができる。
(第4実施の形態)
図7は、第4実施の形態に係る積層インダクタ10の断面図である。例えばNiCuZnフェライトからなる磁性体1に挟まれて、例えばAgからなるコイルパターン2と、磁気ギャップを形成するための例えばZrO2 からなる非磁性体3とが存在している。第4実施の形態では、磁気ギャップ層11のコイルパターン2のターン数は1回であり、磁性体層12のコイルパターン2のターン数は2回である。つまり、磁気ギャップ層11では内側(中央側)のコイルパターン2が欠損しており、この欠損領域まで非磁性体3が延在している。
第4実施の形態の積層インダクタ10は、次のようにして作製される。磁気ギャップ層11となる図8(a)に示される1枚の磁性体シート(ZrO2 からなる非磁性体ペースト及びAgペーストを塗布して非磁性体3及び1ターンのコイルパターン2を印刷したNiCuZnフェライトからなる磁性体シート)と、磁性体層12となる図8(b)に示される複数枚の磁性体シート(Agペーストを塗布して2ターンのコイルパターン2を印刷したNiCuZnフェライトからなる磁性体シート)と、無地層13となる図8(c)に示される複数枚の磁性体シート(何も印刷しないNiCuZnフェライトからなる磁性体シート)とを適宜積層圧着させてシート積層体を得る。シート積層体を素子寸法に切断して積層体を得た後、この積層体を焼結する。
1層あたりに複数ターンのコイルパターン2を形成するような第4実施の形態にあっては、磁気ギャップ層11における内側(中央側)のコイルパターン2を除去した構造にしている。この構造では、中央脚から漏洩する磁束がコイルパターン2に鎖交することを減らすことができて、渦電流損を低減することができる。この結果、DC/DCコンバータに用いた場合に高い効率を得ることができる。
(第5実施の形態)
図9は、第5実施の形態に係る積層インダクタ10の断面図である。第1実施の形態にあっては、磁気ギャップ層11のコイルパターン2の幅が狭くなるので、磁気ギャップ層11での導体抵抗が磁性体層12と比較して高くなることが懸念される。第5実施の形態は、この懸念をなくすための例であり、磁気ギャップ層11のコイルパターン2の厚さを磁性体層12のコイルパターン2の厚さより厚くしている。磁気ギャプ層11のコイルパターン2では、その幅は狭いが厚さは厚くなっているので、磁気ギャプ層11及び磁性待層12は同程度の導体抵抗となり得る。
ところで、上述した各実施の形態では、磁性体としてNiCuZnフェライトを用いる場合について説明したが、これ以外に、MgCuZnフェライト、MgNiCuZnフェライト、LiCuZnフェライト、LiZnフェライトなどを磁性体として使用しても本発明を同様に適用できて同様の効果を奏することは勿論である。Li系フェライトは、Ni系フェライトと比べて応力に対する耐性が強いという利点を有しているが、その磁気特性から直流重畳特性を改善するためには大きな磁気ギャップを設ける必要がある。よって、本発明の技術は特に磁性体としてLi系フェライトを用いる積層インダクタに必要不可欠な技術であると言える。
また、上述した各実施の形態では、非磁性体3を有する磁気ギャップ層11を1層だけ設ける場合について説明したが、2層以上の磁気ギャップ層11を設けるようにしても良く、同様の効果が得られる。
また、積層シート法を用いて積層インダクタを作製する場合について説明したが、印刷法によって本発明の積層インダクタを作製することも可能である。
本発明の実施例及び比較すべき従来例による積層インダクタの各種の試料(試料1〜10)を作製し、その特性及び性能(インダクタンス、コアロス、DC/DCコンバータの効率)を測定した。各種の試料は、積層シート法を用いて、長辺4.5mm×短辺3.2mm×厚さ0.6mmの矩形状に作製した。また、3.6V→13.5Vの昇圧回路でのコアロス及び効率を測定した。コアロスはB−Hアナライザを用いて測定し、効率は入出力電力から求めた。各試料の測定結果を下記表1に示す。
Figure 2006339532
試料1は、磁気ギャップを設けない図11に示したような従来例の積層インダクタであり、試料2は、磁気ギャップを設けた図13に示したような従来例の積層インダクタである。磁気ギャップを挿入することによりインダクタンスは低下したが、コアロスが増えてコンバータの効率は低減している。
試料3は、実施の形態1(図1)による積層インダクタであり、インダクタンスは試料2と同等であるが、コイルパターンと鎖交する磁束が低減されたため、渦電流損が減って、コアロスは改善してコンバータの高い効率を実現できている。試料4は、実施の形態2(図3)による積層インダクタであり、試料2に比べて磁気ギャップが小さいので、インダクタンスは高くなっている。しかしながら、コイルパターンと鎖交する磁束は減るため、試料2に比べてコアロスは改善してコンバータの効率も向上している。
試料5は、実施の形態3(図5)による積層インダクタであり、中央脚の中央部に磁束が集中するので、コアロスは改善してコンバータの高い効率を実現できている。試料6は、実施の形態4(図7)による積層インダクタであり、コイルパターンのターン数を減らしたので、インダクタンスは低下しているが、コンバータの効率は改善している。
試料7,試料8はそれぞれ、試料2,試料3における磁性体としてLiCuZnフェライトを用いた積層インダクタであり、試料9,試料10はそれぞれ、試料2,試料3における磁性体としてMgCuZnフェライトを用いた積層インダクタである。磁性体をNiCuZnフェライトとした場合と同様に、コアロス及びコンバータの効率の点で本発明の有意性を立証できている。
図10は、本発明の回路基板を利用した複合積層部品を示しており、図10(a)はその斜視図、図10(b)はその断面図である。本発明の回路基板20は、上述したような構成を有する積層インダクタ10を内蔵している。回路基板20の表面には表面電極21が形成され、その底面には底面電極22が形成され、その側面には側面電極23が形成されている。表面電極21は、制御IC、ダイオード、コンデンサ及び抵抗などの電子部品25を実装するための電極であり、配線24を介してまたは直接接合によって、これらの電子部品25が表面電極21と接続される。
第1実施の形態に係る積層インダクタの断面図である。 第1実施の形態の積層インダクタに使用する複数種の磁性体シートの平面図である。 第2実施の形態に係る積層インダクタの断面図である。 第2実施の形態の積層インダクタに使用する複数種の磁性体シートの平面図である。 第3実施の形態に係る積層インダクタの断面図である。 第3実施の形態の積層インダクタに使用する複数種の磁性体シートの平面図である。 第4実施の形態に係る積層インダクタの断面図である。 第4実施の形態の積層インダクタに使用する複数種の磁性体シートの平面図である。 第5実施の形態に係る積層インダクタの断面図である。 本発明の回路基板を利用した複合積層部品を示す図である。 従来の積層インダクタの一例の断面図である。 従来の積層インダクタの他の例の断面図である。 従来の積層インダクタの更に他の例の断面図である。
符号の説明
1 磁性体
2 コイルパターン
3 非磁性体(磁気ギャップ)
10 積層インダクタ
11 磁気ギャップ層
12 磁性体層
12a 磁性体層
13 無地層
14 非磁性体
20 回路基板

Claims (6)

  1. 磁性体にコイルパターンを形成した複数の磁性体層と、磁性体にコイルパターン及び非磁性体を形成した1または複数の磁気ギャップ層とを備えた積層インダクタにおいて、前記磁気ギャップ層の前記コイルパターンの幅が前記磁性体層の前記コイルパターンの幅より狭いことを特徴とする積層インダクタ。
  2. 磁性体にコイルパターンを形成した複数の磁性体層と、磁性体にコイルパターン及び非磁性体を形成した1または複数の磁気ギャップ層とを備えた積層インダクタにおいて、前記磁気ギャップ層における前記非磁性体の厚さが前記コイルパターンの厚さより薄いことを特徴とする積層インダクタ。
  3. 磁性体にコイルパターンを形成した複数の磁性体層と、磁性体にコイルパターン及び非磁性体を形成した1または複数の磁気ギャップ層とを備えた積層インダクタにおいて、前記磁気ギャップ層を挾む前記磁性体層の前記コイルパターンの近傍に非磁性体を設けていることを特徴とする積層インダクタ。
  4. 磁性体に複数ターンのコイルパターンを形成した複数の磁性体層と、磁性体に1または複数ターンのコイルパターン及び非磁性体を形成した1または複数の磁気ギャップ層とを備えた積層インダクタにおいて、前記磁気ギャップ層の前記コイルパターンのターン数が前記磁性体層の前記コイルパターンのターン数より少ないことを特徴とする積層インダクタ。
  5. 前記磁性体は、NiCuZnフェライト、MgCuZnフェライト、MgNiCuZnフェライト、LiCuZnフェライト及びLiZnフェライトからなる群から選ばれたフェライトであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の積層インダクタ。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の積層インダクタを内蔵することを特徴とする回路基板。
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