JP2020202299A - コイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁性基体と外部電極との接合強度が改善されたコイル部品を提供する。【解決手段】コイル部品1の磁性積層体は、複数の導体パターンを有するコイル導体C11〜C16の間に設けられた複数の第1磁性層11〜16と、第1磁性層の間において複数の導体パターンを有するコイル導体の周囲に設けられた複数の第2磁性層31〜36と、コイル軸に沿う軸方向における磁性積層体の一端に設けられたカバー層18、19と、を有する。複数の第1磁性層は、第1平均粒径を有する第1軟磁性金属粒子を含み、複数の第2磁性層は、第1平均粒径よりも大きな第2平均粒径を有する第2軟磁性金属粒子を含み、カバー層は、第2平均粒径よりも大きな第3平均粒径を有する第3軟磁性金属粒子を含む。複数の第1磁性層は、コイル軸に垂直な平面方向において第2磁性層よりも外側に突出しており、第2磁性層は、平面方向においてカバー層よりも外側に突出している。【選択図】図3

Description

本発明は、コイル部品に関する。
従来から、磁性材料から形成された磁性基体と、当該磁性基体の表面に設けられた外部電極と、当該磁性基体内に設けられたコイル導体と、を備えるコイル部品が知られている。従来のコイル部品は、例えば特許文献1に記載されている。コイル部品の一つの例としてインダクタが挙げられる。インダクタは、電子回路において用いられる受動素子である。インダクタは、例えば、電源ラインや信号ラインにおいてノイズを除去するために用いられる。
特開2017−092505号公報
コイル部品は小型であることが望まれる。しかしながら、小型のコイル部品においては、磁性基体と外部電極との接触面積が小さいため、外部電極が磁性基体から脱落しやすいという問題がある。
本発明の目的の一つは、磁性基体と外部電極との接合強度が改善されたコイル部品を提供することである。本発明のこれ以外の目的は、明細書全体の記載を通じて明らかにされる。
本発明の一実施形態によるコイル部品は、複数の導体パターンを有するコイル導体と、前記複数の導体パターンの間に設けられており第1平均粒径を有する第1軟磁性金属粒子を含む複数の第1磁性層、及び、前記第1磁性層の間において前記複数の導体パターンの周囲に設けられており前記第1平均粒径よりも大きな第2平均粒径を有する第2軟磁性金属粒子を含む複数の第2磁性層が積層方向に積層された磁性積層体と、前記磁性積層体の第1端面に設けられており、前記コイル導体の一端と接続されている第1外部電極と、前記第1端面と対向する前記磁性積層体の第2端面に設けられており前記コイル導体の他端と接続されている第2外部電極と、を備える。当該実施形態において、前記複数の第1磁性層は、前記積層方向において前記第2磁性層よりも外側に突出している。
本発明の一実施態様によるコイル部品は、前記積層方向における前記磁性積層体の一端に設けられており前記第2平均粒径よりも大きな第3平均粒径を有する第3軟磁性金属粒子を含むカバー層を備える。当該実施形態において、前記第2磁性層は、前記平面方向において前記カバー層よりも外側に突出している。
本発明の一実施形態によるコイル部品は、前記積層方向における前記磁性積層体の他端に設けられており前記第2平均粒径よりも大きな第4平均粒径を有する第4軟磁性金属粒子を含む他のカバー層を備える。
本発明の一実施形態において、前記第2平均粒径は、前記第1平均粒径の2倍以上である。本発明の一実施形態において、前記第3平均粒径は、前記第2平均粒径の2倍以上である。本発明の一実施形態において、前記第3平均粒径は、6〜20μmの範囲にある。本発明の一実施形態において、前記第4平均粒径は、前記第2平均粒径の2倍以上である。本発明の一実施形態において、前記第4平均粒径は、6〜20μmの範囲にある。
本発明の一実施形態において、前記コイル導体は、前記複数の第2磁性体層のうちの一つの層を貫通して前記第1外部電極に接続される第1引出導体を有する。本発明の一実施形態において、前記第1引出導体は、前記カバー層に接している。
本発明の一実施形態において、前記コイル導体は、前記複数の第2磁性体層のうちの一つの層を貫通して前記第2外部電極に接続される第2引出導体を有する。本発明の一実施形態において、前記第2引出導体は、前記他のカバー層に接している。
本発明の一実施形態による回路基板は、上記のコイル部品を備える。
本発明の一実施形態による電子機器は、上記の回路基板を備える。
本発明の一実施形態によるコイル部品の製造方法は、第1平均粒径を有する第1軟磁性金属粒子を含む複数の磁性体シートを準備する工程と、前記複数の磁性体シートの各々に導体パターンを設ける工程と、前記複数の磁性体シートの各々に前記第1平均粒径よりも大きな第2平均粒径を有する第2軟磁性金属粒子を含む磁性膜を設けて複数の複合シートを得る工程と、前記複数の複合シートを積層方向に積層して本体積層体を得る工程と、前記積層体を焼成して焼成体を得る工程と、前記焼成体を個片化してチップ積層体を得る工程と、前記積層方向に沿って延びる前記チップ積層体の第1端面及び前記第1端面と対向する第2端面を研磨する工程と、研磨された前記第1端面に第1外部電極を設ける工程と、研磨された前記第2端面に第2外部電極を設ける工程と、を備える。
本発明の一実施形態によるコイル部品の製造方法は、前記第2平均粒径よりも大きな第3平均粒径を有する第3軟磁性金属粒子を含むカバー層シートを準備する工程を備える。前記本体積層体を得る工程においては、前記複数の複合シートと前記カバー層シートとを前記カバー層シートが前記積層方向の一端に配置されるように前記積層方向において積層して前記本体積層体が得られてもよい。
本発明によれば、磁性基体と外部電極との接合強度を改善することができる。
本発明の一実施形態に係るコイル部品の斜視図である。 図1のコイル部品の分解斜視図である。 図1のI−I線に沿ったコイル部品の断面を模式的に示す図である。 図1のコイル部品の製造工程の一部を模式的に示す図である。具体的には、研磨前のチップ積層体の拡大した断面図を示す。 図1のコイル部品の製造工程の一部を模式的に示す図である。具体的には、研磨後のチップ積層体の拡大した断面図を示す。 本発明の他の実施形態に係るコイル部品の斜視図である。 図5のII−II線に沿ったコイル部品の断面を模式的に示す図である。
以下、適宜図面を参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
図1は、本発明の一実施形態に係るコイル部品1の斜視図であり、図2は、図1に示したコイル部品1の分解斜視図である。図2においては、図示の便宜上、後述する外部電極21及び外部電極22を省略している。図1及び図2には、コイル部品1の一例として、様々な回路で受動素子として用いられる積層インダクタが示されている。積層インダクタは、本発明を適用可能なコイル部品の一例である。本発明は、電源ラインに組み込まれるパワーインダクタ及びそれ以外の様々なコイル部品に適用することができる。
図示の実施形態におけるコイル部品1は、複数の軟磁性金属粒子を含む磁性基体10と、この磁性基体10内に設けられコイル軸Aの周りに延びるコイル導体25と、コイル導体25の一端と電気的に接続された外部電極21と、コイル導体25の他端と電気的に接続された外部電極22と、を備える。
コイル部品1は、回路基板2に実装されている。回路基板2には、ランド部3が設けられてもよい。コイル部品1は、外部電極21、22の各々と回路基板2の対応するランド部3とを接合することにより当該回路基板2に実装されてもよい。回路基板2は、様々な電子機器に実装され得る。コイル部品1が実装された回路基板2を備える電子機器には、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ゲームコンソール、及びこれら以外のコイル部品1が実装された回路基板2を備えることができる任意の電子機器が含まれる。
本発明の一実施形態において、磁性基体10はおおむね直方体状に形成される。磁性基体10は、第1の主面10e、第2の主面10f、第1の端面10a、第2の端面10c、第1の側面10b、及び第2の側面10dを有する。磁性基体10は、これらの6つの面によってその外面が画定される。第1の主面10eと第2の主面10fとは互いに対向し、第1の端面10aと第2の端面10cとは互いに対向し、第1の側面10bと第2の側面10dとは互いに対向している。第1の端面10a、第2の端面10c、第1の側面10b、及び第2の側面10dは、コイル軸Aに沿う軸方向に延びている。第1の端面10aと第2の端面10cとは、第1の主面10e、第2の主面10f、第1の側面10b、及び第2の側面10dにより接続されている。磁性基体10が直方体形状に形成される場合には、第1の主面10eと第2の主面10fとは平行であり、第1の端面10aと第2の端面10cとは平行であり、第1の側面10bと第2の側面10dとは平行である。
図1の実施形態において、第1の主面10eは磁性基体10の上側にあるため、本明細書において第1の主面10eを「上面」と呼ぶことがある。同様に、第2の主面10fを「下面」と呼ぶことがある。コイル部品1は、第2の主面10fが回路基板(不図示)と対向するように配置されるので、本明細書において第2の主面10fを「実装面」と呼ぶこともある。また、コイル部品1の上下方向に言及する際には、図1の上下方向を基準とする。
本明細書においては、文脈上別に理解される場合を除き、コイル部品1の「長さ」方向、「幅」方向、及び「厚さ」方向はそれぞれ、図1の「L軸」方向、「W軸」方向、及び「T軸」方向とする。L軸、W軸、及びT軸は互いに直交している。コイル軸Aは、T軸方向に沿って延びている。コイル部品1に含まれる様々な層(例えば、第1磁性層11〜第1磁性層16及び第2磁性層31〜36)は、コイル軸Aにおいて積層されている。本明細書においては、このコイル軸Aに沿う方向を「積層方向」と呼ぶことがある。コイル軸Aは、第1の主面10e及び第2の主面10fの各々と交差している。本明細書においては、コイル軸Aに直交する方向が「平面方向」とされる。つまり、W軸方向及びL軸方向を含む面が延伸する方向が平面方向にあたる。
本発明の一実施形態において、コイル部品1は、長さ寸法(L軸方向の寸法)が0.2〜6.0mm、幅寸法(W軸方向の寸法)が0.1〜4.5mm、厚さ寸法(T軸方向の寸法)が0.1〜4.0mmとなるように形成される。これらの寸法はあくまで例示であり、本発明を適用可能なコイル部品1は、本発明の趣旨に反しない限り、任意の寸法を取ることができる。一実施形態において、コイル部品1は、低背に形成される。例えば、コイル部品1は、その幅寸法が厚さ寸法よりも大きくなるように形成される。
コイル導体25は、導体パターンC11〜C16と、ビアV1〜V5と、を有する。導体パターンC11〜C16の各々は、コイル軸Aに直交する平面方向に沿ってコイル軸Aの周りに延びるとともに、コイル軸Aに沿う軸方向において互いに離間している。ビアV1〜V5は、コイル軸Aに沿う軸方向に延びている。導体パターンC11〜C16の各々は、ビアV1〜V5を介して隣接する導体パターンと電気的に接続され、このようにして接続された導体パターンC11〜C16がコイル導体25を構成する。導体パターンC11は第1の主面10eに対向するように設けられ、導体パターンC16は第2の主面10fに対向するように設けられている。
外部電極21及び外部電極22は、磁性基体10の表面に設けられている。一実施形態において、外部電極21は磁性基体10の少なくとも第1の端面10aに接しており、外部電極22は磁性基体10の少なくとも第2の端面10cに接している。外部電極21は、第1の端面10aの全体を覆っていてもよいし、第1の端面10aの一部のみを覆っていてもよい。同様に、外部電極22は、第2の端面10cの全体を覆っていてもよいし、第2の端面10cの一部のみを覆っていてもよい。外部電極21は、外部電極22との電気的絶縁を確保するために、L軸方向において外部電極22から離間した位置に設けられている。図示されている外部電極21及び外部電極22の形状は例示であり、本発明に適用可能な外部電極21及び外部電極22の形状は図示されたものには限られない。例えば、外部電極21及び外部電極22の少なくとも一方は、磁性基体10の第1の主面10eに沿って延びるフランジ部を有していなくてもよい。
図2に示すように、磁性基体10は、磁性積層体20と、この磁性積層体20の上面に設けられた上部カバー層18と、この磁性積層体20の下面に設けられた下部カバー層19と、を備える。磁性積層体20は、複数の第1磁性層11〜16を含む。図示のコイル部品1においては、コイル軸Aに沿った積層方向の図2の下から上に向かって、下部カバー層19、磁性積層体20、上部カバー層18の順に積層されている。
上部カバー層18は、4枚の磁性体層18a〜18dを含む。この上部カバー層18においては、図2の下から上に向かって、磁性体層18a、磁性体層18b、磁性体層18c、磁性体層18dの順に積層されている。
下部カバー層19は、4枚の磁性体層19a〜19dを含む。この下部カバー層19においては、図2の上から下に向かって、磁性体層19a、磁性体層19b、磁性体層19c、磁性体層19dの順に積層されている。
本発明の他の実施形態においては、第1磁性層11〜第1磁性層16をL軸方向に積層してもよい。この場合、第1磁性層11〜第1磁性層16の表面に導体パターンC11〜C16を形成することにより、コイル軸Aは、第1磁性層11〜第1磁性層16の積層方向と同じL軸方向を向く。本発明の他の実施形態においては、第1磁性層11〜第1磁性層16をW軸方向に積層してもよい。この場合、第1磁性層11〜第1磁性層16の表面に導体パターンC11〜C16を形成することにより、コイル軸Aは、第1磁性層11〜第1磁性層16の積層方向と同じW軸方向を向く。
一実施形態において、第1磁性層11〜第1磁性層16、磁性体層18a〜磁性体層18d、及び磁性体層19a〜磁性体層19dは、表面に絶縁被膜が形成された軟磁性金属粒子を多数結合させることによって形成される。この絶縁被膜は、例えば、軟磁性金属の表面が酸化することで形成される酸化被膜である。本発明に適用可能な軟磁性金属粒子には、例えば、合金系のFe−Si−Cr、Fe−Si−Al、もしくはFe−Ni、非晶質のFe―Si−Cr−B−C、もしくはFe−Si−B−Cr、Fe、またはこれらの混合材料の粒子が含まれる。第1磁性層11〜第1磁性層16のうち平面視において導体パターンC11〜C16と重複する領域については、非磁性材料から形成されてもよい。この場合、第1磁性層11〜第1磁性層16は、導体パターンC11〜C16の内側端部よりも平面方向において内側にあるコア領域及び導体パターンC11〜C16の内側端部よりも平面方向において外側にあるサイドマージン領域が磁性材料からなり、導体パターンC11〜C16と重複する領域(すなわち、平面方向においてコア領域とサイドマージン領域との間にある領域)が非磁性材料からなる混合層となる。第1磁性層11〜第1磁性層16用の非磁性材料としては、例えば、各種樹脂材料(例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、及びこれら以外の樹脂材料)、各種誘電体セラミックス(ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラスと結晶質シリカとの混合物、及びこれら以外の誘電体セラミックス)、又は非磁性の各種フェライト(例えば、Zn−Cu系フェライト)を用いることができる。第1磁性層11〜第1磁性層16のうち平面視において導体パターンC11〜C16と重複する領域を非磁性材料から形成することにより、導体パターンC11〜C16の間を通過する漏れ磁束の発生を抑制することができ、これによりコイル部品1の磁気的特性を向上させることができる。
コイル部品1は、第1磁性層11〜第1磁性層16、磁性体層18a〜磁性体層18d、及び磁性体層19a〜磁性体層19d以外にも、必要に応じて、任意の数の磁性体層を含むことができる。第1磁性層11〜第1磁性層16、磁性体層18a〜磁性体層18d、及び磁性体層19a〜磁性体層19dの一部は、適宜省略することができる。
第1磁性層11〜第1磁性層16の上面には、導体パターンC11〜C16が設けられている。各導体パターンC11〜C16は、コイル軸Aの周りに延伸するように形成される。コイル軸Aは、第1磁性層11〜第1磁性層16の積層方向と一致する。導体パターンC11〜C16の周囲には、第2磁性層31〜36が設けられている。つまり、第2磁性層31〜36は、平面方向において導体パターンC11〜C16の外側の領域に(コイル軸Aから離れる方向にある領域に)設けられている。図示されているように、第2磁性層31〜36は、平面方向において導体パターンC11〜C16の内側にも設けられていてもよい。
第1磁性層11〜磁性体層15の所定の位置には、ビアV1〜V5がそれぞれ形成される。ビアV1〜V5は、第1磁性層11〜磁性体層15の所定の位置に、当該第1磁性層11〜磁性体層15をT軸方向に貫く貫通孔を形成し、当該貫通孔に金属材料を埋め込むことにより形成される。
導体パターンC11〜C16及びビアV1〜V5は、導電性に優れた金属材料、例えば、Ag、Pd、Cu、Al、又はこれらの合金から形成される。
本明細書で説明される具体的な材料は例示であり、本明細書で例示されない材料もコイル部品1の構成要素の材料として適宜用いることができる。
次に、図3及び図4を参照して、コイル部品1の積層構造についてさらに説明する。図3は、図1のI−I線に沿ったコイル部品の断面を模式的に示す図であり、図4は、コイル部品1の製造工程の一部を模式的に示す図である。図3においては、磁性基体10の断面全体を示す図に加えて、その一部の領域(すなわち、第1磁性層11、第2磁性層31、上部カバー層18、及び第2磁性層32の一部の領域)を拡大した図についても示されている。図3に示されているように、磁性基体10は、磁性積層体20と、コイル軸Aに沿う軸方向において磁性積層体20の上端に設けられている上部カバー層18と、軸方向において磁性積層体20の下端に設けられている下部カバー層19と、を有する。磁性積層体20は、軸方向において互いと離間して配置されている複数の導体パターンC11〜C16と、この複数の導体パターンC11〜C16の間に設けられている第1磁性層11〜16と、この第1磁性層11〜16の間に設けられている第2磁性層31〜36と、を有する。上記のように、第2磁性層31〜36は、コイル軸Aに直交する平面方向において導体パターンC11〜C16の周囲に設けられている。図示の実施形態では、第2磁性層31〜36は、導体パターンC11〜C16の内側にも設けられている。
磁性基体10には複数の軟磁性金属粒子が含まれる。磁性基体10のうち第1磁性層11〜16の各々は、第1平均粒径を有する複数の第1軟磁性金属粒子51を含み、第2磁性層31〜36は、第2平均粒径を有する複数の第2軟磁性金属粒子52を含み、上部カバー層18は、第3平均粒径を有する複数の第3軟磁性金属粒子53を含み、下部カバー層19は、第4平均粒径を有する第4磁性粒子を含む。第2平均粒径は、第1平均粒径よりも大きい。第3平均粒径は、第2平均粒径よりも大きい。第4平均粒径は、第2平均粒径よりも大きい。一実施形態において、第2平均粒径は、第1平均粒径の2倍以上である。一実施形態において、第3平均粒径は、第2平均粒径の2倍以上である。一実施形態において、第4平均粒径は、第2平均粒径の2倍以上である。図3及び図4における各磁性粒子は、平均粒径の相違を強調して表現するために、必ずしも正確な寸法比率で記載されていない点に留意されたい。
第1平均粒径、第2平均粒径、第3平均粒径、及び第4平均粒径はいずれも50μm以下とされる。磁性体本体の外表面に高さが50μmを超える凹凸が生じると、外部電極21、22と磁性基体10の第1の端面10a及び第2の端面10cとの間に隙間ができやすくなってしまうため、この隙間に水分などの侵入することにより外部電極の劣化が発生し外部電極が脱落しやすくなってしまう。第1磁性粒子の平均粒径が50μm以下であれば、当該磁性体本体と外部電極との間に水分やそれ以外の接合強度の劣化に繋がる異物が侵入する隙間が発生することなく、外表面を平滑にすることができるので外部電極の脱落を抑止できる。一例として、第1平均粒径は0.5〜4μmの範囲にある。例えば、第2平均粒径は2〜10μmの範囲にある。例えば、第3平均粒径は6〜20μmの範囲にある。例えば、第4平均粒径は6〜20μmの範囲にある。
本明細書において、軟磁性金属粒子の「平均粒径」は、それと別の意味に解すべき場合を除き、体積基準平均粒径を意味する。軟磁性金属粒子の体積基準平均粒径は、JIS Z 8825に従って、レーザ回折散乱法により測定される。レーザ回折・散乱装置としては、例えば、日本国京都府京都市の堀場製作所社製のレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(型番:LA−960)を用いることができる。
一実施形態において、第1磁性層11〜16は、第2磁性層31〜36のうちの隣接する層よりも平面方向において外側に向けて(平面方向においてコイル軸Aから離れる方向に向けて)突出している。例えば、図3に示されている実施形態では、第1磁性層11は、コイル軸Aに垂直な平面方向において第2磁性層31及び第2磁性層32よりも平面方向の外側に突出している。つまり、第1磁性層11に含まれる複数の第1軟磁性金属粒子51のうち平面方向の最も外側に位置する粒子は、第2磁性層31に含まれる複数の第2軟磁性金属粒子52のうち平面方向の最も外側に位置する粒子及び第2磁性層32に含まれる複数の第2軟磁性金属粒子52のうち平面方向の最も外側に位置する粒子よりもさらに平面方向の外側に位置している。
一実施形態において、第2磁性層31は、上部カバー層18よりも平面方向において外側に突出している。つまり、第2磁性層31に含まれる複数の第2軟磁性金属粒子52のうち平面方向の最も外側に位置する粒子は、上部カバー層18に含まれる複数の第3軟磁性金属粒子53のうち平面方向の最も外側に位置する粒子よりもさらに平面方向の外側に位置している。
一実施形態においては、第1磁性層16が省略されてもよい。この場合、第2磁性層36及び導体パターンC16が下部カバー層19と接する。第2磁性層36は、下部カバー層19よりも平面方向において外側に突出していてもよい。
他の実施形態において、第2磁性層31は、上部カバー層18よりも平面方向において外側に突出していなくともよい。例えば、第2磁性層31の平面方向における外側の端は、上部カバー層18の平面方向における外側の端と同じ位置にあってもよい。第2磁性層31は、上部カバー層18よりも平面方向において内側に後退していてもよい。第2磁性層36は、下部カバー層19よりも平面方向において外側に突出していなくともよい。例えば、第2磁性層36の平面方向における外側の端は、下部カバー層19の平面方向における外側の端と同じ位置にあってもよい。第2磁性層36は、下部カバー層19よりも平面方向において内側に後退していてもよい。
図3に示されているように、導体パターンC11は、コイル軸Aの周りに延びる周回部C11aと、この周回部C11aの一端から外部電極21に向かって延びる引出導体C11bと、を有する。導体パターンC11は、引出導体C11bにおいて外部電極21と接続されている。引出導体C11bは、第2磁性層31を貫通して周回部C11aの一端から外部電極21まで延びている。引出導体C11bは、その上面において上部カバー層18に接している。
導体パターンC11と同様に、導体パターンC16は、コイル軸Aの周りに延びる周回部C16aと、この周回部C16aの一端から外部電極22に向かって延びる引出導体C16bと、を有する。導体パターンC16は、引出導体C16bにおいて外部電極22と接続されている。引出導体C16bは、第2磁性層36を貫通して周回部C16aの一端から外部電極22まで延びている。上記のように、第1磁性層16は省略されてもよい。この場合、引出導体16bは、その下面において下部カバー層19に接する。
次に、コイル部品1の製造方法の一例を説明する。まず、第1磁性層11〜16となる複数の磁性体シートを作成する。この磁性体シートは、例えば、プラスチック製のベースフィルムの表面にドクターブレード法などの公知の方法でスラリーを塗布して乾燥させ、乾燥後のスラリーを所定のサイズに切断することで得られる。スラリーは、上述した第1軟磁性金属粒子51をポリビニルブチラール(PVB)樹脂、エポキシ樹脂等の絶縁性に優れた樹脂材料及び溶剤とともに混練することにより得られる。
次に、上記の磁性体シートにビアを形成するための貫通孔を設ける。この貫通孔が形成された複数の磁性体シートに、Ag、Ag合金、Cu、Cu合金等の導体金属を含む導体ペーストをスクリーン印刷法等により印刷し、導体パターンC11〜C16となる未焼成導体パターンを形成する。このとき、各磁性体シートに形成された各貫通孔に導体ペーストが埋め込まれる。このようにして、第1磁性層11〜16に、導体パターンC11〜C16及びビアV1〜ビアV5となる未焼成の導体パターンが設けられる。各導体パターン及び各ビアは、スクリーン印刷法以外にも公知の様々な方法で形成され得る。次に、この磁性体シートのうち未焼成導体パターンが形成されていない領域にスラリーを塗布して第2磁性層31〜36となる磁性膜を形成する。このスラリーは、上述した第2軟磁性金属粒子52を樹脂材料及び溶剤とともに混練することで得られる。このように、磁性体シートに未焼成導体パターン及び磁性体部を形成することで複合シートが得られる。この複合シートを積層することで、積層磁性体20となる中間積層体が得られる。
次に、磁性体層18a〜18d及び磁性体層19a〜19dとなるカバー層シートを作成する。このカバー層シートは、磁性体シートと同様にして形成される。例えば、プラスチック製のベースフィルムの表面にドクターブレード法などの公知の方法でスラリーを塗布して乾燥させ、乾燥後のスラリーを所定のサイズに切断することで得られる。磁性体層18a〜18d用のスラリーは上述した第3軟磁性金属粒子53を含む。磁性体層19a〜19d用のスラリーは軟磁性金属粒子として上述した第4軟磁性金属粒子を含む。このようにして作成されたカバー層シートを積層して上部カバー層18となる上部積層体及び下部カバー層19となる下部積層体を作成する。第4軟磁性金属粒子は、第3軟磁性金属粒子53と同じものであってもよい。磁性体層18a〜18dとなる複数のカバー層シートを積層することにより上部積層体を作成する。磁性体層19a〜19dとなる複数のカバー層シートを積層することにより下部積層体を作成する。
次に、下部積層体、中間積層体、及び上部積層体をT軸方向の負方向側から正方向側に向かってこの順序で積層し、この積層された各積層体をプレス機により熱圧着することで本体積層体が得られる。
次に、ダイシング機やレーザ加工機等の切断機を用いて上記本体積層体を所望のサイズに個片化することで、チップ積層体が得られる。次に、このチップ積層体を脱脂し、脱脂されたチップ積層体を加熱処理する。
加熱処理されたチップ積層体のうち第1の端面10a及び第2の端面10cに対応する面に対してバレル研磨等の研磨処理を行う。図4a及び図4bに示されているように、この研磨処理は、チップ積層体の端から露出している軟磁性金属粒子が脱粒するように行われる。図4a及び図4bは、チップ積層体の断面の一部の領域(図3の拡大されている領域に)を拡大して示す模式的な断面図であり、図4aは研磨前のチップ積層体を示し、図4bは研磨後のチップ積層体を示している。研磨処理により、図4bに示されているように、第1磁性層11においては、第1磁性層11に含まれている第1金属磁性粒子51のうちチップ積層体から露出している第1金属磁性粒子51aが脱粒する。同様に、第2磁性層31及び第2磁性体32においては、第2磁性層31及び第2磁性体32に含まれている第2金属磁性粒子52のうちチップ積層体から露出している第2金属磁性粒子52aが脱粒する。上部カバー層18においては、上部カバー層18に含まれている第3金属磁性粒子53のうちチップ積層体から露出している第3金属磁性粒子53aが脱粒する。一つの層において、複数の金属磁性粒子が脱粒してもよい。
次に、このチップ積層体の研磨された面(第1の端面10aに対応する面及び第2の端面10cに対応する面)の各々に導体ペーストを塗布することにより、外部電極21及び外部電極22を形成する。外部電極21及び外部電極22には、必要に応じて、半田バリア層及び半田濡れ層の少なくとも一方が形成されてもよい。以上により、コイル部品1が得られる。
上記の製造方法に含まれる工程の一部は、適宜省略可能である。コイル部品1の製造方法においては、本明細書において明示的に説明されていない工程が必要に応じて実行され得る。上記のコイル部品1の製造方法に含まれる各工程の一部は、本発明の趣旨から逸脱しない限り、随時順番を入れ替えて実行され得る。上記のコイル部品1の製造方法に含まれる各工程の一部は、可能であれば、同時に又は並行して実行され得る。
次に、図5及び図6を参照して本発明の他の実施形態によるコイル部品101について説明する。図5は、コイル部品101の模式的な斜視図であり、図6は、コイル部品101をII−II線で切断した断面を模式的に示す模式図である。II−II線は、図5において、コイル部品101のW軸方向における中心よりもW軸方向の負方向にある位置でコイル部品101を切断している。
コイル部品101は、コイル導体25の代わりにコイル導体125を備えている点でコイル部品1と異なっている。コイル導体125は、複数の導体部を有する。図示の実施形態においては、コイル導体125は、導体部125a〜125fの6つの導体部を有する。図5及び図6に示されているように、コイル導体125の導体部125a〜125fは、平面視において外部電極21から第2外部電極22に向かって直線状に延びている。つまり、導体部125a〜125fの各々は、磁性基体10内で互いに対向して配置される部分を有していない。本明細書においては、導体部125a〜125fの各々が磁性基体10内において平面視で互いに対向する部分を有しないときに、当該導体部125a〜125fは、外部電極21から外部電極22に向かって直線状に延びるということができる。このため、コイル部品101においては、互いに対向する部分を有する内部導体を有するコイル部品(例えば、コイル部品1の導体パターンC11は、コイル軸Aの周りの周方向に延びているので、平面視において対向する部分を有する。)と比較して、磁性基体10に要求される絶縁信頼性(耐電圧)を低くすることができる。
次に、上記の実施形態による作用効果について説明する。上記の実施形態において、第1磁性層11〜16のうちの少なくとも一層はコイル軸Aに垂直な平面方向において第2磁性層31〜36よりも外側に突出しており、第2磁性層31〜36の少なくとも一層は前記平面方向において前記カバー層よりも外側に突出している。このため、磁性基体10には、外部電極21が取り付けられる第1の端面10a及び外部電極22が取り付けられる第2の端面10cにおいて凹凸が生じる。このため、アンカー効果により、磁性基体10の第1の端面10a及び第2の端面10cに対して外部電極21及び外部電極22をより強固に密着させることができる。
上記の実施形態では、チップ積層体に対する研磨処理により、チップ積層体の端から露出している軟磁性金属粒子を脱粒させている。第1磁性層11〜16に含まれる第1金属磁性粒子51の第1平均粒径は、第2磁性層31〜36に含まれる第2金属磁性粒子52の第2平均粒径よりも小さく、また、この第2平均粒径は、上部カバー層18に含まれる第3金属磁性粒子53の第3平均粒径よりも小さいので、研磨処理によってこれらの軟磁性金属粒子を脱粒させることにより、チップ積層体の表面(したがって、磁性基体10の第1の端面10a及び第2の端面10c)に軟磁性金属粒子の直径程度の高さの凹凸を形成することができる。また、このような各層の粒径の関係から、チップ積層体の最も外側に突出している第1磁性層11〜16の凹凸を小さくすることができるので、チップ積層体の外形寸法の安定化を図ることができる。さらにこのような各層の粒径の関係からは、軟磁性金属粒子の脱粒により形成される磁性基体10の第1の端面10a及び第2の端面10cの凹凸の高さは、最も大きな直径を有する第3軟磁性金属粒子53の直径以下となる。一実施形態において、第3平均粒径は6〜20μmの範囲にあるから、研磨処理により磁性基体10の第1の端面10a及び第2の端面10cに形成される凹凸の高さは、概ね20μm以下となる。このような20μm以下の凹凸によりアンカー効果が発揮され、しかも、磁性基体10と外部電極21、22との間に接合強度の劣化に繋がる隙間が生じないため、磁性基体10の第1の端面10a及び第2の端面10cに対して外部電極21及び外部電極22をより強固に密着させることができる。
上記の実施形態によれば、引出導体C11bは、その上面において上部カバー層18に接している。上部カバー層18は、第1磁性層11よりも平面方向において内側に(コイル軸Aに近い方向に)後退しているので、外部電極21と引出導体C11bの上面との接触面積を大きくすることができる。これにより、コイル導体25の直流抵抗(Rdc)を低減することができる。第1磁性層16が省略されていて引出導体C16bの下面が下部カバー層19に接している場合には、下部カバー層19は、第1磁性層15よりも平面方向において内側に後退しているので、外部電極22と引出導体C16bの下面との接触面積を大きくすることができる。これにより、コイル導体25の直流抵抗(Rdc)を低減することができる。
上記の実施形態によれば、コイル部品1において磁性基体10と外部電極21、22との接合強度が向上しているので、回路基板2からのコイル部品1の脱落を抑制することができる。このような回路基板2を備える電子機器においては、コイル部品1の脱落による故障が抑制される。
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれ得る任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
1、101 コイル部品
2 回路基板
10 磁性基体
21、22 外部電極
25 コイル導体
C11〜C16 導体パターン
11〜16 第1磁性層
18 上部カバー層
19 下部カバー層
20 磁性積層体
25、125 コイル導体
31〜36 第2磁性層
51 第1軟磁性金属粒子
52 第2軟磁性金属粒子
53 第3軟磁性金属粒子
本発明の一実施形態によるコイル部品は、複数の導体パターンを有するコイル導体と、前記複数の導体パターンの間に設けられており第1平均粒径を有する第1軟磁性金属粒子を含む複数の第1磁性層、及び、前記第1磁性層の間において前記複数の導体パターンの周囲に設けられており前記第1平均粒径よりも大きな第2平均粒径を有する第2軟磁性金属粒子を含む複数の第2磁性層が積層方向に積層された磁性積層体と、前記磁性積層体の第1端面に設けられており、前記コイル導体の一端と接続されている第1外部電極と、前記第1端面と対向する前記磁性積層体の第2端面に設けられており前記コイル導体の他端と接続されている第2外部電極と、を備える。当該実施形態において、前記複数の第1磁性層は、前記積層方向に垂直な平面方向において前記第2磁性層よりも外側に突出している。
一実施形態において、第1磁性層11〜第1磁性層16、磁性体層18a〜磁性体層18d、及び磁性体層19a〜磁性体層19dは、表面に絶縁被膜が形成された軟磁性金属粒子を多数結合させることによって形成される。この絶縁被膜は、例えば、軟磁性金属の表面が酸化することで形成される酸化被膜である。本発明に適用可能な軟磁性金属粒子には、例えば、合金系のFe−Si−Cr、Fe−Si−Al、もしくはFe−Ni、非晶質のFe―Si−Cr−B−C、もしくはFe−Si−B−Cr、Fe、またはこれらの混合材料の粒子が含まれる。第1磁性層11〜第1磁性層16のうち平面視において導体パターンC11〜C16と重複する領域については、非磁性材料から形成されてもよい。この場合、第1磁性層11〜第1磁性層16は、導体パターンC11〜C16の内側端部よりも平面方向において内側にあるコア領域及び導体パターンC11〜C16の外側端部よりも平面方向において外側にあるサイドマージン領域が磁性材料からなり、導体パターンC11〜C16と重複する領域(すなわち、平面方向においてコア領域とサイドマージン領域との間にある領域)が非磁性材料からなる混合層となる。第1磁性層11〜第1磁性層16用の非磁性材料としては、例えば、各種樹脂材料(例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、及びこれら以外の樹脂材料)、各種誘電体セラミックス(ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラスと結晶質シリカとの混合物、及びこれら以外の誘電体セラミックス)、又は非磁性の各種フェライト(例えば、Zn−Cu系フェライト)を用いることができる。第1磁性層11〜第1磁性層16のうち平面視において導体パターンC11〜C16と重複する領域を非磁性材料から形成することにより、導体パターンC11〜C16の間を通過する漏れ磁束の発生を抑制することができ、これによりコイル部品1の磁気的特性を向上させることができる。

Claims (16)

  1. 複数の導体パターンを有するコイル導体と、
    前記複数の導体パターンの間に設けられており第1平均粒径を有する第1軟磁性金属粒子を含む複数の第1磁性層、及び、前記第1磁性層の間において前記複数の導体パターンの周囲に設けられており前記第1平均粒径よりも大きな第2平均粒径を有する第2軟磁性金属粒子を含む複数の第2磁性層が積層方向に積層された磁性積層体と、
    前記磁性積層体の第1端面に設けられており、前記コイル導体の一端と接続されている第1外部電極と、
    前記第1端面と対向する前記磁性積層体の第2端面に設けられており前記コイル導体の他端と接続されている第2外部電極と、
    を備え、
    前記複数の第1磁性層は、前記積層方向に垂直な平面方向において前記第2磁性層よりも外側に突出している、
    コイル部品。
  2. 前記第2平均粒径は、前記第1平均粒径の2倍以上である、
    請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記積層方向における前記磁性積層体の一端に設けられており前記第2平均粒径よりも大きな第3平均粒径を有する第3軟磁性金属粒子を含むカバー層を備え、
    前記第2磁性層は、前記平面方向において前記カバー層よりも外側に突出している、
    請求項1又は請求項2に記載のコイル部品
  4. 前記第3平均粒径は、前記第2平均粒径の2倍以上である、
    請求項3に記載のコイル部品。
  5. 前記第3平均粒径は、6〜20μmの範囲にある、
    請求項3又は請求項4に記載のコイル部品。
  6. 前記積層方向における前記磁性積層体の他端に設けられており前記第2平均粒径よりも大きな第4平均粒径を有する第4軟磁性金属粒子を含む他のカバー層を備える、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコイル部品。
  7. 前記第4平均粒径は、前記第2平均粒径の2倍以上である、
    請求項6に記載のコイル部品。
  8. 前記第4平均粒径は、6〜20μmの範囲にある、
    請求項6又は請求項7に記載のコイル部品。
  9. 前記コイル導体は、前記複数の第2磁性体層のうちの一つの層を貫通して前記第1外部電極に接続される第1引出導体を有する、
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のコイル部品。
  10. 前記第1引出導体は、前記カバー層に接している、
    請求項9に記載のコイル部品。
  11. 前記コイル導体は、前記複数の第2磁性体層のうちの一つの層を貫通して前記第2外部電極に接続される第2引出導体を有する、
    請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のコイル部品。
  12. 前記磁性積層体の前記積層方向における他端に設けられており前記第2平均粒径よりも大きな第4平均粒径を有する第4軟磁性金属粒子を含む他のカバー層を備え、
    前記第2引出導体は、前記他のカバー層に接している、
    請求項11に記載のコイル部品。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のコイル部品を含む回路基板。
  14. 請求項132に記載の回路基板を含む電子機器。
  15. 第1平均粒径を有する第1軟磁性金属粒子を含む複数の磁性体シートを準備する工程と、
    前記複数の磁性体シートの各々に導体パターンを設ける工程と、
    前記複数の磁性体シートの各々に前記第1平均粒径よりも大きな第2平均粒径を有する第2軟磁性金属粒子を含む磁性膜を設けて複数の複合シートを得る工程と、
    前記複数の複合シートを積層方向に積層して本体積層体を得る工程と、
    前記積層体を焼成して焼成体を得る工程と、
    前記焼成体を個片化してチップ積層体を得る工程と、
    前記積層方向に沿って延びる前記チップ積層体の第1端面及び前記第1端面と対向する第2端面を研磨する工程と、
    研磨された前記第1端面に第1外部電極を設ける工程と、
    研磨された前記第2端面に第2外部電極を設ける工程と、
    を備えるコイル部品の製造方法。
  16. 前記第2平均粒径よりも大きな第3平均粒径を有する第3軟磁性金属粒子を含むカバー層シートを準備する工程を備え、
    前記本体積層体を得る工程においては、前記複数の複合シートと前記カバー層シートとを前記カバー層シートが前記積層方向の一端に配置されるように前記積層方向において積層して前記本体積層体が得られる、請求項15に記載のコイル部品の製造方法。
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