JP2006337643A - 蛍光顕微鏡 - Google Patents

蛍光顕微鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP2006337643A
JP2006337643A JP2005161224A JP2005161224A JP2006337643A JP 2006337643 A JP2006337643 A JP 2006337643A JP 2005161224 A JP2005161224 A JP 2005161224A JP 2005161224 A JP2005161224 A JP 2005161224A JP 2006337643 A JP2006337643 A JP 2006337643A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
objective lens
support member
stage
objective
lens support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005161224A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasutaka Kawa
泰孝 川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Keyence Corp
Original Assignee
Keyence Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Keyence Corp filed Critical Keyence Corp
Priority to JP2005161224A priority Critical patent/JP2006337643A/ja
Publication of JP2006337643A publication Critical patent/JP2006337643A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)

Abstract

【課題】 対物レンズを設置する箇所のスペースが制限されている場合であっても、複数の対物レンズを搭載することができ且つ対物レンズの切り替え操作に伴う対物レンズとステージとの干渉を回避する。
【解決手段】 対物レンズ支持部材79を水平面内で回動させることにより2つの対物レンズ28A、28Bを選択的に切替えて使用することができる。高倍率の対物レンズ28Bはステージ13から離間した退避位置をとることができ、この退避位置でロックすることができる。これによりステージ13の下面とのクリアランスが僅かな対物レンズ28Bがステージ13と干渉するのを防止する。
【選択図】 図17

Description

この発明は蛍光顕微鏡に関し、より詳しくは、蛍光顕微鏡に含まれる全ての構成要素がケースで包囲された形式のものに関する。
顕微鏡の一種として、標本が発する蛍光を観察する蛍光顕微鏡が知られている。蛍光顕微鏡は、対物レンズをステージの上方に配置した正立型と、対物レンズをステージの下方に配置した倒立型とが存在している。蛍光顕微鏡の基本構成は、励起光を標本に照射する落射照明部と、標本が発した蛍光を結像させて観察する蛍光観察部とを含み、蛍光観察部は、人間の目で観察するための接眼光学系及び/又はCCDカメラなどの撮像部とからなり、落射照明部からの励起光はフィルタを介して標本に照射される。
ところで、蛍光顕微鏡は、これまで暗室に設置して暗室内で蛍光観察を行うのが一般的であったが、近年は、蛍光顕微鏡に付設した撮像部の画像をCRTやLCDなどの画像表示装置に表示させて観察したりパーソナルコンピュータで画像データを処理することが多くなっている。
このような使用形態では、暗室でのパーソナルコンピュータの操作は何かと不便である等の問題があるのに加えて、CRTなどが発する光が蛍光顕微鏡のステージ回りに侵入して蛍光像の質を低下させる原因になる可能性がある。このような問題点を解消するために、特許文献1は、標本を載置するステージ及び対物レンズの回りを遮光する壁を設けることを提案している。この提案によれば、蛍光観察するために暗室内で作業する必要が無くなるという利点がある。
暗室無しで使用できる蛍光顕微鏡として、株式会社キーエンスが販売するオールインワン形式の蛍光顕微鏡(BZー8000)が知られている。このオールインワン蛍光顕微鏡は、パーソナルコンピュータに連結することでモニタを通じて蛍光観察することができるものであるが、蛍光顕微鏡に含まれる構成要素がケースで包囲されており、また、ステージ回りを遮光する標本カバーによってステージ回りが暗室状態になる。このオールインワン蛍光顕微鏡では、ステージの下方且つこれに隣接して配置された対物レンズは一つである。
オールインワン形式の蛍光顕微鏡は、蛍光顕微鏡の構成要素がケースで包囲されており、単にケーブルでパーソナルコンピュータに接続するだけで暗室無しに蛍光観察できるという、これまでにない形式であるため業界から注目されている。この公知のオールインワン蛍光顕微鏡に組み込むことのできる対物レンズは一つであることから、ユーザ側のニーズとして、倍率が異なる複数の対物レンズを搭載して倍率を変えて観察するときの利便性を高めて欲しいという要請がある。
特許文献2には、対物レンズの切替機構としてリボルバ方式が開示されている。図示の対物レンズ・リボルバはZ軸から傾斜して配置され、リボルバを回転させることで対物レンズの切替えが可能である。
他の対物レンズ切替機構として、特許文献3に開示の対物レンズ切替機構は、Z軸方向に延びる軸線を中心として回転可能なホルダを有し、このホルダに2本の対物レンズが搭載され、ホルダを回転させることにより所望の対物レンズを観察位置にセットすることができるようになっている。
また、特許文献3は、対物レンズをZ軸方向に微調整するための機構を開示しており、この特許文献3の微調整機構は、対物レンズの下端に形成されたネジ部と螺合する中間リングを介して対物レンズをホルダに固定し、中間リングをホルダに対してZ軸方向に変位させることにより、対物レンズをZ軸方向に微調整するようになっている。
特開2002−207177号公報 特開平6−167654号公報 特開2004−13162号公報
公知のオールインワン蛍光顕微鏡のようにケースの内部に構成部品を高密度に収容した場合、特許文献2に開示のようなリボルバ式の対物レンズ切替機構を組み込むことはスペースの観点から無理がある。また、特許文献3のようなZ軸方向に延びる軸線を中心に回転可能なホルダは、これを搭載するために必要なスペースが小さいため好ましいと言えるが、特許文献3に添付の図1からも理解できるように、高さ寸法が大きい対物レンズの頂部とステージと間の隙間が僅かであるため対物レンズの切り替え操作に伴って対物レンズがステージと干渉してしまう虞がある。
本発明の目的は、公知のオールインワン蛍光顕微鏡のように構成要素がケースで覆われ、また、対物レンズを設置する箇所のスペースが制限されている場合であっても、複数の対物レンズを搭載することができ且つ対物レンズの切り替え操作に伴う対物レンズとステージとの干渉を回避することのできる蛍光顕微鏡を提供することにある。
上記の技術的課題は、本発明によれば、
蛍光顕微鏡に含まれる要素を包囲するケースと、
標本を載置するステージ回りを遮光する開閉可能な標本カバーと、
前記ステージに隣接して配置された倍率の異なる複数の対物レンズとを備え、該複数の対物レンズから所望の対物レンズを選択的に観察位置に位置決めすることのできる蛍光顕微鏡であって、
前記複数の対物レンズが取り付け可能な対物レンズ支持部を先端に備えた対物レンズ支持部材と、
該対物レンズ支持部材の基端部を片持ち状に支持し且つ該対物レンズ支持部材を前記ステージと平行な平面内で回動可能に支持する、Z軸方向に微調整可能なベースブロックとを有し、
前記複数の対物レンズのうち、少なくとも相対的に高倍率の対物レンズが、その観察位置から前記ステージからZ軸方向に離間した退避位置に変位可能であることを特徴とする蛍光顕微鏡を提供することにより達成される。
本発明によれば、少なくとも相対的に高倍率の対物レンズがZ軸方向に離間した退避位置をとることができるようにしてあるため、対物レンズの切り替え操作としてステージと平行な平面内で回転する方式を採用したとしても、ステージと干渉しやすい高倍率の対物レンズをステージから離間した退避位置に変位させることでステージとの干渉の問題を解消することができる。また、本発明にあっては、観察位置にある対物レンズのZ軸方向の微調整はベースブロックをZ軸方向に変位させることにより行うようにしてあるため、特許文献3のように対物レンズやその周辺の中間リングなどを操作するのに比べて空間的な制約が比較的小さく、したがってベースブロックのZ軸方向の微調整をステッピングモータなどの動力源により行う機構を採用することが可能になる。
公知のオールインワン蛍光顕微鏡のように、極めてコンパクトな製品の場合には、ステージ回りに空間的な余裕が殆ど無く、したがって対物レンズを退却させるのに、これを電動化することは難しく、手動に委ねざるを得ない。このような場合の好適な構成としては、前記対物レンズを前記観察位置に向けて付勢するバネ手段を更に有すると共に、
前記対物レンズ支持部材の胴部に一体的に設けられるホルダと、
該ホルダに形成されたガイド溝と、
前記ガイド溝に受け入れられた案内ピンであって、前記対物レンズ支持部材に設けられた案内ピンとを有し、
前記ガイド溝が上下方向に延びる縦溝部分と、該縦溝部分の上端及び/又は下端から横方向に延びる横溝とを有し、前記案内ピンが前記縦溝部分で案内されることにより前記相対的に高倍率の対物レンズの前記観察位置と前記退避位置との間で変位し、前記案内ピンが前記横溝部分に位置することにより前記相対的に高倍率の対物レンズが該観察位置又は前記退避位置でロックされる構成を採用するのが好ましい。
図1は、倒立型蛍光顕微鏡の外観を示す斜視図である。図1において、倒立型蛍光顕微鏡1は、ケース2の前面に標本カバー3を有する。標本カバー3は、図1の位置つまり閉じた状態で標本の回りを暗室状態にすることができ、暗室無しであっても遮光した状態で蛍光観察を行うことができる。そして、標本カバー3を、その下のケース2の一部を実質的に構成する脱着可能な下部カバー4に沿って下方に変位させることで標本の出し入れを行うことができる。図1の参照符号5はケース2の側壁に形成された通気口を示す。
倒立型蛍光顕微鏡1は、ケース2の内部に、明視野透過照明系、落射照明系、撮像系の他に、電源ユニット、電源基板、コントローラなどが搭載されている。倒立型蛍光顕微鏡1は、図2に示すように、パーソナルコンピュータPCを介してモニタ6に接続することで、このモニタ6を使って観察することができ、また、キーボード7、マウス8を用いてユーザが各種の操作や設定を行うことができる。
図3は、蛍光顕微鏡1に含まれる明視野透過照明系、落射照明系、撮像系の全体構成を示す。図3において、参照符号10は明視野透過照明系を示し、11は落射照明系を示し、12は撮像系を示す。明視野透過照明系10は、ステージ13の高さ位置よりも上レベルに配置され、落射照明系11及び撮像系12は、ステージ13の高さ位置よりも下レベルに配置されている。
透過光による観察を行うのに用いられる明視野透過照明系10は、光源として典型的にはハロゲンランプからなる透過照明用ランプ15を有し、ハロゲンランプ15は水平方向に向けて配置されている。このハロゲンランプ15から出射された光は、傾斜ミラー17によって垂直方向下方に差し向けられ、コンデンサレンズ(図示せず)を通ってステージ13上の標本Sを照射する。
蛍光による観察を行うのに用いられる落射照明系11は、典型的には水銀ランプからなる落射照明用ランプ20を有し、水銀ランプ20は水平方向に向けて配置されている。この水銀ランプ20から出射された光は、熱吸収フィルタ部21、コレクタレンズを通り、次いで励起フィルタを透過して特定の短い波長帯域の励起光とされた後に、傾斜したダイクロイックミラーによって標本Sに向けて垂直方向上方に差し向けられ、対物レンズ28を通って標本Sを下方から照射する。
上記の励起フィルタ及びダイクロイックミラーはフィルタカセット22に組み込まれており、撮像系12は、フィルタカセット22の真下に配置された撮像用ミラー30と、この撮像用ミラー30に臨んで水平方向に延びる撮像筒の端に取り付けられた撮像装置32(例えばCCDカメラ)とを含む。
透過照明系10と落射照明系11とは選択的に用いられる。透過照明系10が選択されたときには、水平方向に向けて配置されたハロゲンランプ15が出射した透過照明光は傾斜ミラー17で反射されて標本Sを上方から照明し、この透過照明光16によって得られた標本Sの像は、対物レンズ28、フィルタカセット22のダイクロイックミラー、吸収フィルタ、撮像用ミラー30などを通って、水平方向に向けて配置されたCCDカメラ32に取り込まれる。
他方、落射照明系11が選択されたときには、水平方向に向けて配置された水銀ランプ20が出射した光は、熱吸収フィルタ、コレクタレンズ、フィルタカセット22の励起フィルタ及びダイクロイックミラーを通り、対物レンズ28を通って標本Sを下方から励起光を照射する。前処理により標本Sに含ませた蛍光物質は励起光を受けて蛍光を放射する。この蛍光による像は、対物レンズ28、ダイクロイックミラー、吸収フィルタなどを経てCCDカメラ32に取り込まれる。
図1の蛍光顕微鏡1は、その骨格として、図4に示すシャーシ35を有し、シャーシ35は上側シャーシ36と下側シャーシ37との2分割構造を有する。上側シャーシ36及び下側シャーシ37は共に軽量且つ熱膨張率が比較的小さいアルミニウム合金のダイキャスト品又は鋳物品ある。上側シャーシ36には透過照明系10が配設され(図4では透過照明系10が搭載される前の状態を図示してある。)、下側シャーシ37には、落射照明系11及び撮像系12が配設される。また、シャーシ35の内部には、コントローラ、電源基板などの各種の基板の他に、透過照明系10の側部と、透過照明系10と落射照明系11との間に各種の電源ユニットが搭載される(図3参照)。例えば、上側シャーシ36の一側部には電源ユニット42が設けられ、この電源ユニット42によって透過照明系10のハロゲンランプ15に電源が供給される。シャーシ35の後面には、図3に示すように、3つの電動ファンユニット38が上下に間隔を隔てて取り付けられている。シャーシ35の内部で発生する熱、例えば、大量の熱を発生するハロゲンランプ15、水銀ランプ20、各種の電源ユニット、モータ等から出る熱は、シャーシ35の後方から外部に強制的に排出される。
図4に見られるように、シャーシ35の側壁には数多くの開口35aが形成されている。これらの開口35aは、軽量化のため、部品の組み付けのためであり、また、前述した通気項5に対応して外気導入のために設けられている。
図4には、対物レンズ28の下方且つ隣接して配置された回転式の電動フィルタカセット切替機構が図示されている。この電動フィルタカセット切替機構は、4つの特性の異なるフィルタカセット22を脱着可能に搭載する水平円板26を有し、この水平円板26には、フィルタカセット22が互いに等間隔(90°間隔)に配置される。水平円板26は、これに関連した電動モータにより回転駆動され、これにより所望の特性のフィルタカセット22が選択的に観察位置にセットされる。
上側シャーシ36の上端部には、幅方向中央部分に、透過照明系10のユニット50が搭載される。図5は透過照明ユニット50の斜視図である。透過照明ユニット50は、水平方向に延びる透過照明ハウジング51を有し、透過照明ハウジング51には先に説明したハロゲンランプ15、このハロゲンランプ15の前方に隣接して配置された熱吸収フィルタが内蔵される。透過照明ハウジング51の前端部の上部には、ハウジング51を横断する方向に延びるピボット軸52が回転自在に設けられ、このピボット軸52には、透過照明用光学ユニット54が取り付られている。透過照明光学ユニット54は、ピボット軸52を中心に上方に回動することができる(図6)。透過照明光学ユニット54は、傾斜ミラー17、コンデンサレンズ56等を含む。透過照明光学ユニット54は、また、横方向にスライド可能なプレート57を有し、ユーザが手動でプレート57を操作することにより、位相観察と明視野観察の各観察用のユニットが選択可能である。
ピボット軸52の一端にはリンク58を介してダンパ59が取り付けられ、このダンパ59の基端は透過照明ハウジング51の後端に回動可能に取り付けられている。ユーザが指で透過照明光学ユニット54を上方に持ち上げる力を加えるとダンパ59によって静かに上方に向けて回動動作を行い、ほぼ45度傾斜した跳ね上げ位置(図6、図7)を取ることができる。逆に、図6、図7に図示の跳ね上げ位置の透過照明光学ユニット54を下方に押し下げる力を加えるとダンパ59によって静かに下方に向けて回動動作を行い、図5及びこれに対応する図1の正規位置に戻る。図5、図6に示す参照符号60は近接スイッチである。近接スイッチ60は透過照明光学ユニット54の跳ね上がり位置と正規位置とを検出するセンサとして機能し、透過照明光学ユニット54の跳ね上げ位置(図6、図7)を検出すると、この近接スイッチ60の出力信号によりハロゲンランプ15を強制的に消灯し、又は、最小光量まで下げる制御が行われる。
このように、透過照明系10の光源15を横向きに配置したことに蛍光顕微鏡1の高さ寸法を大幅に小さくすることが可能になるだけでなく、跳ね上げよる透過照明光学ユニット54の退避動作を採用することが可能になる。透過照明光学ユニット54が正規位置から約45度上方に回動した跳ね上げ位置(図7)をとることにより、透過照明光学ユニット54をステージ13や対物レンズ28から遠ざけることができる。ユーザは、透過照明光学ユニット54を跳ね上げ位置に変位させると共に、標本カバー3を下方に変位させてステージ13を露出させることにより、標本Sの出し入れ、具体的には、標本Sを入れたシャーレやプレパラートを出し入れする作業を楽に行うことができる。ステージ13は、対物レンズ28が下方から臨む光通過開口を備えたリングプレート13a(図4)が脱着可能になっているが、標本Sを収容したシャーレの位置決めのために、シャーレと一緒にリングプレート13aをステージ13に載置するとき等では、透過照明光学ユニット54を跳ね上げ位置に位置させておくのが都合がよい。
また、透過照明光学ユニット54を跳ね上げ位置に変位させて透過照明光学ユニット54を対物レンズ28から遠ざけることで、ステージ13回りを掃除するときの作業を楽に行うことができる。また、透過照明光学ユニット54を正規位置から跳ね上げ位置に変位させるときに、これに連動して、透過照明用光源(ハロゲンランプ)15を強制的に消灯させたり、最小光量まで下げることにより、ユーザがハロゲンランプ15からの光を直接受けてまぶしい思いをしてしまうのを防止することができる。
標本カバー3及び下部カバー4に関し、好ましくは、図1等から分かるように、手前側の幅を奥側の幅よりも小さな平面視で台形の横断面を備えている。すなわち、標本カバー3及び下部カバー4は、前方に向けて先細りのテーパ側面を備えており、これにより、例えば平行リンク構造により、標本カバー3を一旦前方且つ下方に移動させ、次いで、下部カバー4の前で、この下部カバー4の外表面に沿って下方移動させることで、標本カバー3を下部カバー4に干渉させることなく、下部カバー4の前面に沿って標本カバー3を下降させることができる。これにより、標本カバー3と下部カバー4とが同じ外形形状であることから外観上の見栄えを向上することができる。
標本カバー3は上方位置、つまり標本カバー3でステージ13の回りを覆った状態となる。また、標本カバー3の上方域が庇プレート62によって覆われた状態となり、これにより、ステージ13の回りは暗室状態となる。水平に延びる庇プレート62は、実施例では透過照明用光学ユニット54の下端に固設されているが、変形例として、ケース2に脱着可能に取り付けるようにしてもよい。
庇プレート62を脱着可能にすることにより、標本Sの種類によっては、厳格な遮光が必要でない場合があることから、このような場合には庇プレート62を取り除いた状態で標本カバー3だけを上方位置つまり閉じ位置に位置させて半暗室状態で標本Sの画像を取り込むようにしてもよい。
図4を参照して、対物レンズ28の上方に隣接して配設されたステージ13は、光軸を横切るX、Y軸方向に個別に移動することができる。また、上下方向(Z軸方向)に関しては、ステージ13を定置した状態で対物レンズ28をZ軸方向に上下方向に移動させることによりステージ13と対物レンズ28との相対的な位置の調整が可能である。なお、図4では、線図の錯綜を避けるために対物レンズ28は一つだけ図示してあるが、後に説明するように対物レンズ28は2つ隣接して配置され、この2つの対物レンズ28A、28Bから所望の対物レンズが選択的に観察位置にセットされる。
図8は、対物レンズ28に関する駆動機構及び2つの対物レンズ28A、28Bを選択的に観察位置にセットするための機構を示す斜視図であり、図9はその平面図である。図8、図9に示す参照符号70は垂直方向に延びるガイドを示す。ガイド70はその2本のガイド溝70a(図9)をZ軸方向に向けて前述したシャーシ35に固定されている。図8に示すように、ガイド70の下端には機構部品を収容したボックス71が配設され、このボックス71の下端にステッピングモータ72が配設され、このステッピングモータ72によって対物レンズ28のZ軸方向の微調整が行われる。
ガイド70のガイド溝70aに沿って垂直方向(Z軸方向)に上下動するスライダ74には、ベースブロック75がボルトBによって固定されている(図10)。ベースブロック75はベアリング部77を有し、このベアリング部77は、ボールベアリングによって垂直軸76を中心に水平面内(ステージ13と平行な平面内)で時計方向及び反時計方向に自在に回転可能である。このベアリング部77に対して3本のボルト78を使って対物レンズ支持部材79が片持ち状に固定される。すなわち、対物レンズ支持部材79には、その先端部分に後に説明するように倍率の異なる2本の対物レンズ28A、28Bが搭載されるが、この対物レンズ支持部材79の基端部分を水平面内で回転自在に支持する取付座として、上記のベースブロック75のベアリング部77が機能する。これにより、対物レンズ支持部材79は垂直軸76を中心にして水平面内で回動可能である。なお、図10は対物レンズ支持部材79を取り付ける前の状態を示している。
対物レンズ支持部材79には、第1、第2の2つの対物レンズ28A、28Bが螺着される。図11は第1対物レンズ28Aを示し、図12は第2対物レンズ28Bを示す。図11、図12において、参照符号80は第1、第2対物レンズ28A、28Bの基端に形成された雄ネジ部を示し、この雄ネジ部80を使って対物レンズ支持部材79に固定される。図11と図12を対比すると理解できるように、図11に図示の第1対物レンズ28Aの高さ寸法H1は図12の第2対物レンズ28Bの高さ寸法H2に比べて小さい。当業者であれば理解できるように、高さ寸法の小さい第1対物レンズ28A(図11)は相対的に低倍率であり、逆に、大きな高さ寸法の対物レンズ28B(図12)は相対的に高倍率である。ちなみに、図示の第1対物レンズ28Aは例えば20倍長作動距離レンズである、第2対物レンズ28Bは例えば60倍油浸レンズである。このような対物レンズ28にあっては、例えば第1対物レンズ28Aでは、観察位置にあるときに、第1対物レンズ28Aの頂部とステージ13との間のクリアランスは7〜8mmであり、第2対物レンズ28Bでは、観察位置にあるときに、第2対物レンズ28Bの頂部とステージ13との間のクリアランスは約0.2mmである。
対物レンズ支持部材79は、その先端部分つまりベースブロック75から離れる方向の端部に、横並びに第1、第2対物レンズ28A、28Bが配列した状態で支持するレンズ支持部79aが形成されており(図8)、そして、対物レンズ支持部材79は、ベースブロック75との間に設けられた引っ張りバネ83によって付勢される。より詳しく説明すると、対物レンズ支持部材79の回動中心である垂直軸76を挟んで互いに対向して配置された第1、第2の支持ピン84、85に引っ張りバネ83の各端が係止されており、第1支持ピン84が対物レンズ支持部材79に立設され、第2支持ピン85がベースブロック75に立設されている。これにより、対物レンズ支持部材79が垂直軸76を中心に回動して引っ張りバネ83の中心線が垂直軸76を通過すると、引っ張りバネ83は、対物レンズ支持部材79が回動した方向に付勢することができる。すなわち、対物レンズ支持部材79とベースブロック75との間に張設された引っ張りバネ83に対して垂直軸76は安息点であり、対物レンズ支持部材79の回動に伴って引っ張りバネ83の中心線が垂直軸76を超えると、この垂直軸76を超えた側で引っ張り力を発揮するように設定されている。
図9は、対物レンズ支持部材79を図面に向かって左側に回動させたときの状態を示している。この図9から分かるように、引っ張りバネ83の中心線が垂直軸76よりも左側に変位しており、これにより対物レンズ支持部材79は反時計(左回転)方向に付勢された状態にある。図13は対物レンズ支持部材79を右側に回動させたときの状態を示している。この図13から分かるように、引っ張りバネ83の中心線が垂直軸76よりも右側に変位しており、これにより対物レンズ支持部材79は時計(右回転)方向に付勢された状態にある。
対物レンズ支持部材79は、第1、第2対物レンズ28A、28Bを搭載したレンズ支持部79aとは反対側の端部79bに第1、第2の突起86、87が形成されている(図9)。第1突起86は、ベースブロック75の一側面75a(図10)の下部と衝合する高さ位置に形成され、他方、第2突起87は、ベースブロックの一側面75aに沿って上方に延びる起立壁88の反対面88a(図9)に対応した高さ位置に形成されている。
第1突起86及びベースブロック75の一側面75aは、対物レンズ支持部材79が反時計方向に回動して第1対物レンズ28Aを観察位置にセット(図9、図14)するための第1ストッパー手段及び位置決め手段を構成するものであり、第1突起86には、好ましくは、第1微調整ボルト90がナット91によって固定される。第1微調整ボルト90は、その金属製の拡大ヘッド90aをベースブロック75の一側面75a側に向けて配設され(図10)、ナット91を回転させることにより拡大ヘッド90aの突出量を調整することができる。
第2突起87及び起立壁88は、対物レンズ支持部材79が時計方向に回動して第2対物レンズ28Bを観察位置にセット(図13、図15)するための第2ストッパー手段及び位置決め手段を構成するものであり、起立壁88には、好ましくは、第2微調整ボルト93がナット94によって固定される。第2微調整ボルト93は、その金属製の拡大ヘッド93aを第2突起87側に向けて配設され、ナット94を回転させることにより拡大ヘッド93aの突出量を調整することができる。
第1微調整ボルト90の拡大ヘッド90aが衝合する、ベースブロック75の一側面75aの部位には第1永久磁石96が固設されている(図10、図15)。同様に、第2微調整ボルト93の拡大ヘッド93aが衝合する、第2突起87の側面の部位には第2永久磁石97が固設されている(図9、図13)。
図9、図14を参照して、この図9、図14は、先に説明したように、対物レンズ支持部材79を図面に向かって左側に回動させたときの状態を示しており、この状態は第1対物レンズ28Aを観察位置にセットした状態にある。このときには、図面から分かるように、第1突起86がベースブロック75の一側面75aによって受け止められた状態にあり、この状態で第1対物レンズ28Aが観察位置に位置決めされるように、ナット91を使って第1微調整ボルト90の突出量を調整することができる。この第1対物レンズ28Aを観察位置にセットした状態では、ベースブロック75に設けられた第1永久磁石96によって第1微調整ボルト90の拡大ヘッド90aが吸着された状態にあり、好ましくは、第1永久磁石96が第1微調整ボルト90の拡大ヘッド90aを吸着した状態を電気信号に変換して、これにより第1対物レンズ28Aが観察位置に位置決めされたことを確認するようにしてもよい。
図13、図15を参照して、この図13、図15は、対物レンズ支持部材79を図面に向かって右側に回動させたときの状態を示しており、この状態は第2対物レンズ28Bを観察位置にセットした状態にある。このときには、図面から分かるように、第2突起87が起立壁88によって受け止められた状態にあり、この状態で第2対物レンズ28Bが観察位置に位置決めされるように、ナット94を使って第2微調整ボルト93の突出量を調整することができる。この第2対物レンズ28Bを観察位置にセットした状態では、第2突起87に設けられた第2永久磁石97によって第2微調整ボルト93の拡大ヘッド93aが吸着された状態にあり、好ましくは、第2永久磁石97が第2微調整ボルト93の拡大ヘッド93aを吸着した状態を電気信号に変換して、これにより第2対物レンズ28Bが観察位置に位置決めされたことを確認するようにしてもよい。
このように第1又は第2の対物レンズ28A、28Bが観察位置にセットされたときには第1又は第2の永久磁石96、97によって固定される。また、第1又は第2の対物レンズ28A、28Bの観察位置での光軸に関する微調整は、第1又は第2の微調整ボルト90、93の突出量を調整することにより行うことができる。
対物レンズ支持部材79の先端に形成されたレンズ支持部79aに対する第1対物レンズ28Aの取り付けに関しては、対物レンズ支持部材79に固定されるリング部材に第1対物レンズ28Aを挿入し、該リング部材に形成されたネジ部に対して第1対物レンズ29Aの雄ネジ部80を螺合させることで第1対物レンズ29Aを対物レンズ支持部材79に装着することができる。
図16はレンズ支持部79aの外側ケース部分を取り除いて図示するものであり、第2対物レンズ28Bの取付構造を示すものである。この図16に示すように、第2対物レンズ28Bはレンズ胴部100の底部には図12に図示の雄ネジ部80が形成されており、このレンズ胴部100を受け入れる有底の円筒状ホルダ101の内周面に形成された雌ネジ部に螺着させることにより第2対物レンズ28Bが円筒状ホルダ101に脱着自在に固定される。このホルダ101は第2対物レンズ28Bに限らず第1対物レンズ28Aなど各種の倍率の対物レンズを受け入れることができるようになっている。したがって、ホルダ101には、任意の倍率の対物レンズを装着することができる。
ホルダ101は、圧縮スプリング102を介してリング103にフローティング支持され、リング103は対物レンズ支持部材79のレンジ支持部79aに固定される。円筒状ホルダ101はガイド溝104を有し、ガイド溝104は、垂直方向に延びる縦溝部分104aと、この縦溝部分104aの上端から横方向に延びる横溝部分104bとからなり、このガイド溝104には、対物レンズ支持部材79に螺着された案内ピン106が挿通される。案内ピン106の先端は第2対物レンズ28Bのレンズ胴部100に強く圧接される。
上記の構成により、対物レンズ支持部材79に固定された案内ピン106は第2対物レンズ28Bと一体化され、人為的に対物レンズ28Bを圧縮スプリング102のバネ力に抗して押し下げると、対物レンズ28Bと実質的に一体化された円筒状ホルダ101が下降し、この円筒状ホルダ101に形成されたガイド溝104に挿通された案内ピン106によって対物レンズ28Bの下降動が規定されて、案内ピン106は相対的にZ軸方向にガイド溝104の上端まで変位し、更に第2対物レンズ28Bを軸回転させることにより案内ピン106が相対的にガイド溝104の横溝部分104bに沿って移動する。これにより第2対物レンズ28Bを押し下げた退避位置でロックすることができる(図16)。このようにして第2対物レンズ28Bを押し下げた退避位置では、縦溝部分104aの長さ寸法を例えば7mmに設定したときには、第2対物レンズ28Bがステージ13の下面と干渉する虞の無い、ステージ13の下面から十分に離れた位置まで下降した高さ位置、つまり第2対物レンズ28Bの頂部の高さ位置を7mm下げた、第1対物レンズ28Aの頂部の高さ位置と略一致した状態となる(図17)。この縦溝部分104aの長さ寸法つまり第2対物レンズ28BをZ軸方向に押し下げるストローク長は任意であり、少なくとも、第2対物レンズ28Bを下方位置つまり退避位置に変位させたときに、この第2対物レンズ28Bなどの任意の対物レンズの頂部がステージ13と干渉しない状態になればよい。
第2対物レンズ28Bの頂部を退避位置から正規の高さ位置まで上昇させるには、第2対物レンズ28Bを軸回転させて案内ピン106を相対的に横溝部分104bから縦溝部分104aに脱却させることにより、第2対物レンズ28Bは圧縮スプリング102のバネ力によってZ軸方向に上昇移動する。この第2対物レンズ28Bの上昇動作は案内ピン106が相対的に縦溝部分104aに沿って下降して、この縦溝部分104aの下端に係止することで終わる。この状態では、第2対物レンズ28Bの長さ寸法が第1対物レンズ28Aよりも高い分だけ、第2対物レンズ28Bの頂部の高さ位置が第1対物レンズ28Aの頂部よりも高くなり、この高さ位置は、第2対物レンズ28Bの本来的な観察高さ位置である。このような対物レンズ28A、28Bの切り替え作業は、図7に示す標本カバー3を一旦前方に移動させた後に、下部カバー4の前面に沿って下方に移動させることによりステージ13回りを外部に対して開放した状態で行うことができる。
上述したように、対物レンズの頂部の高さ位置がステージ13に隣接して配置される第2対物レンズ28Bは、その頂部の高さ位置をZ軸方向に下降させて退避位置をとることにより対物レンズ28A、28Bの切り替え操作に伴って第2対物レンズ13Bなどの長尺の対物レンズがステージ13の下面と干渉するのを的確に防止することができる。すなわち、第2対物レンズ28Bを退避位置まで下降させることで、対物レンズ支持部材79を水平面内(ステージ13と平行な平面内)で回動させて、第2対物レンズ28Bから第1対物レンズ28Aに切り替える、又は第1対物レンズ28Aから第2対物レンズ28Bに切り替えるときに、ステージ13との間で僅かなクリアランスしかない第2対物レンズ28Bの頂部がステージ13と干渉するのを防止することができる。図14に示すように第1対物レンズ28Aが選択されたときには、ガイド溝104の横溝部分104bと案内ピン106とが係合した、第2対物レンズ28Bを退避位置にロックした状態が維持される(図16、図17)。他方、図18に示すように第2対物レンズ28Bが選択されたときには、第2対物レンズ28Bの頂部を上昇させた観察位置にセットされる(図18)。このような操作は、実施例では作業者の手動操作に委ねるようにしてあるが、これを電動で行うようにしてもよい。
上記第2対物レンズ28Bのように、その頂部の高さ位置を必要に応じてZ軸方向に下降させることができるようにしたことから、複数の対物レンズ28を水平移動させることにより所望の対物レンズを観察位置にセットする方式を採用したとしてもステージ13と対物レンズの頂部との干渉を的確に防止することができる。また、所望の対物レンズ28A、28Bを選択する操作が複数の対物レンズ28A、28Bを水平移動させる方式で行われるため、全ての要素を高密度でケース2の内部に収容したオールインワン形式の実施例の蛍光顕微鏡1のようにステージ13の回りに空間的な余裕が無い場合であっても複数の対物レンズ28A、28Bを予め組み込んでおいて必要に応じて対物レンズ28A、28Bを切替えて使用できる顕微鏡を提供することができる。
特に、実施例のように、対物レンズ28の下方且つこれに隣接して、複数のフィルタカセット22を回転させることにより所望のフィルタカセット22を選択する電動のフィルタカセット切替機構が配設されている場合には、その回りに空間的な余裕が無いため、実施例のように手動で第1、第2の対物レンズ28A、28Bを切り替え操作する方式を採用するのが現実的な観点から好ましく、特に、蛍光顕微鏡1のケース2を拡大するのを避けるために、第2対物レンズ28Bを回転させた後にZ軸方向に下降させる操作を手動にするのが好ましい。
上述した実施例において、対物レンズ支持部材79の先端のレンズ支持部79aに設けられた2つの対物レンズ受け入れ構造として、上述した第2対物レンズ28Bの受け入れ構造つまり上下に変位可能な構造を採用して第1、第2の対物レンズ28A、28Bを共に下降させて退避位置を取り得るようにしてもよい。また、上述した第2対物レンズ28Bの動きを規定する案内ピン106とガイド溝104の組み合わせに関し、ガイド溝104の変形例として、図19に展開図で図示したガイド溝108のように、上端と下端とに水平方向に延びる横溝部分108a、108bと、これら上下の横溝部分108aと108bとを連結する傾斜して上下方向に延びる傾斜溝部分108cとで構成してもよい。これによれば、第2対物レンズ28Bを回転させる操作を行うことで、第2対物レンズ28Bを上下に変位させた観察位置と退避位置とをとらせることができる。
図20〜図22は第2実施例を示す。図20は、前述した図14に対応した図であり、対物レンズ支持部材79を図面に向かって左側に回動させたときの状態を示しており、この状態は第1対物レンズ28Aを観察位置にセットした状態にある。この図20と図14とを対比すると良く理解できるように、第2対物レンズ28Bの上端部に操作部材110が配設され、この操作部材110を指で操作することにより第2対物レンズ28Bを観察位置と、この観察位置から下方に変位させた退避位置とをとらせることができる。
図21、図22は、第1、第2の対物レンズ28A、28Bの取付構造を示すものであり、例えば、図21は、前述した第1実施例の図16に対応した図である。すなわち、図21、図22は、図16などと同様に、図20から外部ケースを取り除いた状態で図示してある。
図21と図22を参照して、図21は第2対物レンズ28Bを一方側から見た図であり、図22はこれを反対側から見た図である。第2対物レンズ28Bを収容する前記円筒状ホルダ101は、図16の第1実施例に比べて上方に延びて、第2対物レンズ28Bの胴部100の上半分を包囲する延長部分101aを備えた形状を有している。円筒状ホルダ101の延長部分101aには、横長の窓111が横並びに複数形成されており、この窓102を通じて、第2対物レンズ28Bの胴部100に付されている補正環目盛り112を読み取ることができる。このように、補正環目盛り112を窓111を通じて読み取ることができるため、ホルダ101に装着した状態であっても第2対物レンズ28Bの収差を調整することができる。
円筒状ホルダ101には、図19を参照して説明したガイド溝108が2つ形成され、図21、図22から理解できるように、この2つのガイド溝108は互いに対抗した位置に形成されており、各ガイド溝108、108に、夫々、案内ピン106が挿通されている。
上述した操作部材110は、ホルダ101の延長部分101aの上端部に後付けされている。操作部材110は、円筒状ホルダの延長部分101aに装着可能な環状部分110aと、この環状部分110aから径方向外方に延びる操作レバー110bとを有する。操作部材110は、環状部分110aに設けられたボルト孔を通じてネジ113を使ってホルダ延長部分101aに固定される。
図21は、退避位置の第2対物レンズ28Bを示す。この図21から分かるように、退避位置では、ガイド溝108の上端に連なる上側横溝108aに案内ピン106が位置して、これにより第2対物レンズ28Bは下方に変位した、ステージ13から離間した状態の退避位置でロックされる。
図22は、退避位置から上昇した位置である観察位置の第2対物レンズ28Bを示す。この図22から分かるように、観察位置では、ガイド溝108の下端に連なる下側横溝108bに案内ピン106が位置して、これにより第2対物レンズ28Bは上方に変位した、ステージ13に接近した状態の観察位置でロックされる。
図21、図22を対比すると理解できるように、ガイド溝108の傾斜部分108cの傾斜が、時計方向に下り勾配となるように設定されているため、図示のように操作レバー110bを反時計方向に押すことで、圧縮スプリング102のバネ力の助勢を得ながら第2対物レンズ28Bを退避位置から観察位置(図22)に上昇動させ且つこの観察位置でロックさせることができる。逆に、操作レバー110aを時計方向に引寄せることで、圧縮スプリング102のバネ力に抗して第2対物レンズ28Bを観察位置から退避位置(図21)まで下降動させ且つこの退避位置でロックさせることができる。したがって、操作レバー110bに対して時計方向又は反時計方向に回転させる操作を加えるだけで、第2対物レンズ28Bを観察位置まで上昇又は退避位置まで下降させ且つ観察位置又は退避位置でロックさせることできる。
第2対物レンズ28Bを観察位置から退避位置、退避位置から観察位置にZ軸方向に変位させる操作は、対物レンズ支持部材79を時計方向に回転させて、この時計方向の回転が、ベースブロック75の一方のストッパー手段である第2突起87及び起立壁88(図15)によって停止された状態で行われる。したがって、圧縮スプリング102のバネ力に抗して第2対物レンズ28Bを退避位置に下降させるために操作レバー110aを時計方向に回転させる操作力は、対物レンズ支持部材79の第2突起87が起立壁88に更に圧接する方向に作用するため、操作力のロスを招くことなく、第2対物レンズ28Bを退避位置までバネ力に抗しながら下方に変位させることができる。
第2実施例においても、前述した第1実施例と同様に、第1対物レンズ28Aについてもこれをステージ13からZ軸方向に下降させて退避位置をとらせるようにしてもよい。
実施例の倒立型蛍光顕微鏡の外観図であり、標本カバーを閉じた状態を示す斜視図である。 実施例の蛍光顕微鏡の使用形態を説明するための図である。 実施例の蛍光顕微鏡のケースの内部に収容される透過照明系、落射照明系、撮像系、各種電源ユニットの配置を説明するための図である。 実施例の蛍光顕微鏡の骨格を構成する2分割型シャーシの分解斜視図である。 透過照明系に含まれる光学ユニットの跳ね上げ機構を組み込んだ透過照明ユニットの斜視図であり、光学ユニットが正規位置にある状態の図である。 図5に対応した斜視図であり、光学ユニットが跳ね上がった状態を示す図である。 実施例の蛍光顕微鏡の外観を示す図1に対応した斜視図であり、透過照明光学ユニットが跳ね上がった状態を示す図である。 ステージの下方且つこれに隣接して配置された対物レンズの切替機構及び対物レンズの微調整機構の概要を示す斜視図である。 図8の機構の平面図である。 図8の機構から対物レンズ支持部材を取り除いて、該対物レンズ支持部材の取付座を構成するベースブロック及びこれに組み込まれたベアリング部を示す斜視図である。 実施例の蛍光顕微鏡に組み込まれる2本の対物レンズのうち比較的低倍率の第1対物レンズの側面図である。 実施例の蛍光顕微鏡に組み込まれる2本の対物レンズのうち比較的高倍率の第2対物レンズの側面図である。 対物レンズ支持部材を時計方向に回転させることにより高倍率の第2対物レンズが観察位置にセットされた状態を説明するための平面図である。 対物レンズ支持部材を反時計方向に回転させることにより低倍率の第1対物レンズが観察位置にセットされた状態を説明するための斜視図である。 図13に対応して、高倍率の第2対物レンズを観察位置にセットした状態を示す斜視図である。 第2対物レンズの頂部の高さ位置を上げ下げするための主要な構成要素を説明するための図である。 対物レンズを切り替えるために第2対物レンズの頂部の高さ位置を下げた状態を示す説明図である。 第2対物レンズの頂部の高さ位置を上げて、この第2対物レンズを観察位置にセットした状態を示す説明図である。 第2対物レンズの上下変位を案内するガイド溝の変形例を説明するための図である。 第2実施例の構成の概要を説明するための、図14に対応した斜視図である。 第2実施例に関する第2対物レンズを上下に変位させる機構を説明するための図16に対応した図であり、第2対物レンズが退避位置にセットされた状態を示す図である。 第2対物レンズが観察位置にセットされた状態を示す図である。
符号の説明
1 倒立型蛍光顕微鏡
2 ケース
3 標本カバー
4 下部カバー
10 明視野透過照明系
11 落射照明系
12 撮像系
13 ステージ
13a ステージから脱着可能なリングプレート
22 フィルタカセット
28 対物レンズ
28A 低倍率の第1対物レンズ
28B 高倍率の第2対物レンズ
72 対物レンズの高さ位置を微調整するためのステッピングモータ
74 スライダ
75 ベースブロック
77 ベアリング部
79 対物レンズ支持部材
79a レンズ支持部
83 引っ張りバネ
84 対物レンズ支持部材側の第1支持ピン
85 ベースブロック側の第2支持ピン
86 第1対物レンズを観察位置に位置決めするための第1突起
87 第2対物レンズを観察位置に位置決めするための第2突起
88 ベースブロックの起立壁
90 第1調整ボルト
93 第2調整ボルト
96 第1永久磁石
97 第2永久磁石
100 可動側の受容器
100a 受容器の下端の円周フランジ
101 固定側の円筒状ホルダ
102 圧縮スプリング
104 ガイド溝
104a ガイド溝の縦溝部分
104b ガイド溝の横溝部分
106 案内ピン
110a 操作レバー

Claims (9)

  1. 蛍光顕微鏡に含まれる要素を包囲するケースと、
    標本を載置するステージ回りを遮光する開閉可能な標本カバーと、
    前記ステージに隣接して配置された倍率の異なる複数の対物レンズとを備え、該複数の対物レンズから所望の対物レンズを選択的に観察位置に位置決めすることのできる蛍光顕微鏡であって、
    前記複数の対物レンズが取り付け可能な対物レンズ支持部を先端に備えた対物レンズ支持部材と、
    該対物レンズ支持部材の基端部を片持ち状に支持し且つ該対物レンズ支持部材を前記ステージと平行な平面内で回動可能に支持する、Z軸方向に微調整可能なベースブロックとを有し、
    前記複数の対物レンズのうち、少なくとも相対的に高倍率の対物レンズが、前記ステージに接近した観察位置と前記ステージからZ軸方向に離間した退避位置とに変位可能であることを特徴とする蛍光顕微鏡。
  2. 前記対物レンズを前記観察位置に向けて付勢するバネ手段を更に有する、請求項1に記載の蛍光顕微鏡。
  3. 前記対物レンズ支持部材の胴部に一体的に設けられるホルダと、
    該ホルダに形成されたガイド溝と、
    前記ガイド溝に受け入れられた案内ピンであって、前記対物レンズ支持部材に設けられた案内ピンとを有し、
    前記ガイド溝が上下方向に延びる縦溝部分と、該縦溝部分の上端及び/又は下端から横方向に延びる横溝とを有し、前記案内ピンが前記縦溝部分で案内されることにより前記相対的に高倍率の対物レンズの前記観察位置と前記退避位置との間で変位し、前記案内ピンが前記横溝部分に位置することにより前記相対的に高倍率の対物レンズが該観察位置又は前記退避位置でロックされる、請求項2に記載の蛍光顕微鏡。
  4. 前記ホルダに設けられ且つ径方向外方に突出する操作レバーを更に有し、
    該操作レバーをマニュアル操作することにより、前記相対的に高倍率の対物レンズを前記観察位置又は前記退避位置まで上昇又は下降させることができる、請求項3に記載の蛍光顕微鏡。
  5. 蛍光顕微鏡に含まれる要素を包囲するケースと、
    標本を載置するステージ回りを遮光する開閉可能な標本カバーと、
    前記ステージに隣接して配置された倍率の異なる2つの対物レンズとを備え、該2つの対物レンズを切り替えて使用することのできる蛍光顕微鏡であって、
    前記2つの対物レンズを搭載可能な対物レンズ支持部を先端に備えた対物レンズ支持部材と、
    該対物レンズ支持部材の基端部を片持ち状に支持し且つ該対物レンズ支持部材を前記ステージと平行な平面内で回動可能に支持する、Z軸方向に微調整可能なベースブロックと、
    前記対物レンズ支持部材が前記ステージと平行な平面内で回動することにより第1、第2の2つの位置に位置決め可能であり、第1の位置で前記第1の対物レンズが観察位置をとり、第2の位置で前記第2の対物レンズが観察位置をとり、
    前記複数の対物レンズのうち、少なくとも相対的に高倍率の対物レンズが、前記ステージに接近した観察位置と前記ステージからZ軸方向に離間した退避位置とに変位可能であることを特徴とする蛍光顕微鏡。
  6. 前記第1、第2の位置で対物レンズ支持部材が位置決めされる位置が微調整可能である、請求項5に記載の蛍光顕微鏡。
  7. 前記対物レンズ支持部材の回動中心を挟んで、前記対物レンズ支持部材と前記ベースブロックとの間に張設された引っ張りバネを更に有し、
    前記対物レンズ支持部材が回動して前記引っ張りバネが前記対物レンズ支持部材の回動中心を通過することにより前記対物レンズ支持部材を前記第1又は前記第2の位置の方向に付勢する、請求項5に記載の蛍光顕微鏡。
  8. 該対物レンズ支持部材が、前記ベースブロックの縦壁と衝合することにより前記ステージと平行な平面内で第1、第2の2つの位置に位置決めされて、第1の位置で前記第1の対物レンズが観察位置をとり、第2の位置で前記第2の対物レンズが観察位置をとる、請求項5〜7のいずれか一項に記載の蛍光顕微鏡。
  9. 前記蛍光顕微鏡が倒立型顕微鏡であり、
    前記対物レンズの下方且つ隣接して配置され、複数のフィルタカセットから所望のフィルタカセットに切り替る電動フィルタ切替機構を更に有する、請求項8に記載の蛍光顕微鏡。
JP2005161224A 2005-06-01 2005-06-01 蛍光顕微鏡 Pending JP2006337643A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005161224A JP2006337643A (ja) 2005-06-01 2005-06-01 蛍光顕微鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005161224A JP2006337643A (ja) 2005-06-01 2005-06-01 蛍光顕微鏡

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006337643A true JP2006337643A (ja) 2006-12-14

Family

ID=37558259

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005161224A Pending JP2006337643A (ja) 2005-06-01 2005-06-01 蛍光顕微鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006337643A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009030757A1 (de) * 2007-09-06 2009-03-12 Leica Microsystems Cms Gmbh Objektivwechsler und ein mikroskop
CN118011618A (zh) * 2024-04-08 2024-05-10 杭州海康威视数字技术股份有限公司 显微镜

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2596275Y2 (ja) * 1992-06-26 1999-06-07 オリンパス光学工業株式会社 光学顕微鏡
JP2002196218A (ja) * 2000-12-11 2002-07-12 Leica Microsystems Wetzler Gmbh 顕微鏡

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2596275Y2 (ja) * 1992-06-26 1999-06-07 オリンパス光学工業株式会社 光学顕微鏡
JP2002196218A (ja) * 2000-12-11 2002-07-12 Leica Microsystems Wetzler Gmbh 顕微鏡

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009030757A1 (de) * 2007-09-06 2009-03-12 Leica Microsystems Cms Gmbh Objektivwechsler und ein mikroskop
DE102007042260B4 (de) * 2007-09-06 2012-09-27 Leica Microsystems Cms Gmbh Objektivwechsler und ein Mikroskop
US8493656B2 (en) 2007-09-06 2013-07-23 Leica Microsystems Cms Gmbh Objective changer and a microscope
CN118011618A (zh) * 2024-04-08 2024-05-10 杭州海康威视数字技术股份有限公司 显微镜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4789454B2 (ja) 蛍光顕微鏡
JP5309173B2 (ja) 光学顕微鏡装置
US20050270640A1 (en) Fluorescence microscope
JP2002148526A (ja) 顕微鏡装置
JP2008164642A (ja) 光学顕微鏡
JP2006337643A (ja) 蛍光顕微鏡
JP2020129149A (ja) 遮光装置、顕微鏡、及び観察方法
US7630129B2 (en) Examination apparatus
JP2015127769A (ja) 拡大観察装置、拡大画像観察方法、拡大画像観察プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体
JP3365803B2 (ja) 顕微鏡焦準装置
JP7251957B2 (ja) 拡大観察装置
JP2006162765A (ja) 倒立型蛍光顕微鏡
JPH11183805A (ja) 手術用顕微鏡
JP2020086296A (ja) 拡大観察装置
JP2004185005A (ja) 顕微鏡の透過光照明装置
JPH07333507A (ja) 顕微鏡システム
JP4717185B2 (ja) 顕微鏡の焦準装置
JP4043991B2 (ja) 顕微鏡観察装置及びプローブ型顕微鏡
JP3869087B2 (ja) 顕微鏡用照明光学系
JP2001255465A (ja) 顕微鏡のシャッタ装置
JP2008197357A (ja) 照明装置
JP2010156847A (ja) 顕微鏡
JP2009098229A (ja) 顕微鏡用照明制御装置、顕微鏡用照明装置、顕微鏡、および、プログラム
JP2011008032A (ja) 顕微鏡
JP2007279315A (ja) 顕微鏡ステージ機構

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20080520

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20110406

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110928