JP2007279315A - 顕微鏡ステージ機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステージに新たな機構を加えることなく、省スペースで、安価に、落射照明及び透過照明を用いた際の観察範囲を拡大できる顕微鏡ステージ機構を提供すること。
【解決手段】標本ホルダ受け部36bを有する上板36と、上板36に設けられた開口部36aと、標本ホルダ受け部36bに載置される標本ホルダ50と、標本ホルダ50に設けられた開口部50a及び標本受け部50bと、を具備し、標本ホルダ50が標本ホルダ受け部36bと接触部50cを介して上板36上を移動することで、移動前には落射照明及び透過照明されない部位にも照射及び観察が可能となり、新たな機構を設ける必要が無く、省スペースで、安価且つ観察範囲を拡大可能な顕微鏡ステージ機構を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】標本ホルダ受け部36bを有する上板36と、上板36に設けられた開口部36aと、標本ホルダ受け部36bに載置される標本ホルダ50と、標本ホルダ50に設けられた開口部50a及び標本受け部50bと、を具備し、標本ホルダ50が標本ホルダ受け部36bと接触部50cを介して上板36上を移動することで、移動前には落射照明及び透過照明されない部位にも照射及び観察が可能となり、新たな機構を設ける必要が無く、省スペースで、安価且つ観察範囲を拡大可能な顕微鏡ステージ機構を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、標本を観察する際に、標本を載置する標本ホルダを移動させる顕微鏡ステージ機構に関する。
一般に観察者が顕微鏡を使用して標本を観察する場合、観察者は、観察する標本の大きさや観察方法に最適な標本ホルダを選択する。次に観察者は、選択した標本ホルダに標本を載置する。そして観察者は、標本を載置した標本ホルダをステージに載置する。通常標本ホルダは、ステージに着脱が可能である。観察者は、標本ホルダをステージに載置した後、ステージを光軸方向に対し垂直な平面上で移動させる。その際、観察者は光軸上に標本ホルダを配置するようにステージを移動させる。これにより観察者は、接眼レンズによる目視観察や、TVポートからCCDカメラ等によるモニタにより標本を観察することができる。
ここで、一般的な光学顕微鏡について図7を参照して説明する。図7は、落射照明及び透過照明に対応する落射型・透過型光学顕微鏡1の概略構成を示す図である。
落射照明観察において、例えばハロゲンランプ等の光源を有する落射光源ユニット2から出射された照明光は、照明レンズ3によって平行光束となる。この光束は、開口絞り4、視野絞り5、照明レンズ6を介して、観察キューブ7により下方に反射され、対物レンズ8に入射する。対物レンズ8を透過した光束は、集光されて標本11を照射する。この標本11は、標本ホルダ10に載置されている。この標本ホルダ10は、前述したようにステージ9に着脱可能に載置されている。
落射照明観察において、例えばハロゲンランプ等の光源を有する落射光源ユニット2から出射された照明光は、照明レンズ3によって平行光束となる。この光束は、開口絞り4、視野絞り5、照明レンズ6を介して、観察キューブ7により下方に反射され、対物レンズ8に入射する。対物レンズ8を透過した光束は、集光されて標本11を照射する。この標本11は、標本ホルダ10に載置されている。この標本ホルダ10は、前述したようにステージ9に着脱可能に載置されている。
標本11によって反射された反射光は、再び対物レンズ8を介して、観察キューブ7を通過する。観察キューブ7の上方には、鏡筒12が設けられている。反射光は、この鏡筒12に入射する。そして反射光は、鏡筒12内に設けられた結像レンズ13により結像される。観察者は、接眼レンズ14による目視観察や、TVポート15から図示しないCCDカメラ等の撮像装置及びモニタ等の表示装置によって標本11の観察を行う。なお観察者は、焦準ハンドル16を操作することで、ステージ9がZ軸方向に移動する。これにより観察者は、標本11へのピント合わせを行うことができる。
透過照明観察において、透過光源ユニット17から出射された照明は、照明レンズ18によって平行光束となる。この光束は、視野絞り19を介し、ミラー20によって上方に反射される。そして光束は、照明レンズ21、開口絞り22を介してコンデンサレンズ23で集光された後、標本11に照射される。
標本11を透過した後の透過光は、対物レンズ8を通過し、これ以降については、落射照明観察時の場合と同じである。よって詳細な説明は省略する。また、ピント合わせも上述した落射照明観察時と同様に焦準ハンドルを使用するため詳細な説明は省略する。
落射・透過照明観察ともに、観察者はステージ9を対物レンズ8の光軸方向に対し垂直なX−Y平面内で移動させ、標本上の観察位置を変更しながら観察を行う。
落射・透過照明観察ともに、観察者はステージ9を対物レンズ8の光軸方向に対し垂直なX−Y平面内で移動させ、標本上の観察位置を変更しながら観察を行う。
図8(a)は、図7に示したステージ9の上面図である。図8(b)は、図7に示すステージのX軸方向における側面断面図である。図8(c)は、図7に示すステージのY軸方向における側面断面図である。図8に記載されているA,B及び2点鎖線については後述する。
ステージ9は、主に下板30、中板32、上板36により構成されている。
下板30は、ステージ9の基盤である。下板30は、固定ビス31によりステージ支持部24に固定されている。この下板30上には、中板32が設けられている。
中板32の下方及び下板30の側面には、中板32をY軸方向に移動させるためのY軸ガイド34が設けられている。中板32とY軸ガイド34は、固定ビス33により固定されている。下板30とY軸ガイド34には、互いに向かい合う面にV溝30b,34aが設けられている。このV溝30b,34aには、コロ35が介挿されている。コロ35及びV溝30b,34aは、Y軸ガイド34を介して中板32をY軸方向に移動させるガイド機構である。
また、中板32上には、ステージ本体である上板36が設けられている。
上板36の下方及び中板32の側面には、上板36をX軸方向に移動させるためのX軸ガイド38が設けられている。上板36とX軸ガイド38は、固定ビス37により固定されている。中板32とX軸ガイド38には、互いに向かい合う面にV溝32b,38aが設けられている。このV溝32b,38aには、コロ39が介挿されている。コロ39は、X軸ガイド38を介して上板36をX軸方向に移動する移動機構である。
下板30、中板32、上板36には、それぞれ透過照明用の開口部30a,32a,36aが設けられている。上板36は、標本ホルダ受け部36bを有している。標本ホルダ受け部36bは、開口部36aの周囲に設けられている。この標本ホルダ受け部36bには、各種の標本ホルダ40が載置される。標本ホルダ40は、片側から固定ビス41により上板36に固定される。
ここで、上板の開口部36aの大きさが、透過照明観察を行える(標本を照明することができる)範囲となる。
ここでは、ガイド機構としてコロ35,39とV溝30b,34a,32b,38aの例を挙げたが、特に移動機構としての機能があれば限定されることはない。他の移動機構には、例えばジョイスティック等の操作装置及び電動モータがある。観察者は、ジョイスティックを操作することでステージ移動指令、あるいはコンピュータに予めプログラムされたステージ移動指令に従って電動モータが駆動する。ステージ9は、電動モータが駆動することで移動する。また、他の移動機構として、例えば、一般的にステージ9をX軸方向に移動させる図示しない第1のハンドルと、Y軸方向に移動させる図示しない第2のハンドルと、各ハンドルの回転量に連動するラックピニオンやベルトを設けてもよい。観察者は、ステージ9を移動させるためにハンドルを回転させる。ラックピニオンやベルトは、各ハンドルの回転量に連動して駆動する。これによりステージ9は、X軸方向、Y軸方向に移動する。
図9(a)は、ステージ9がY軸方向に移動した際の上板、中板、下板の位置関係を示している図、図9(b)は、図9(a)の状態からさらにX軸方向に移動した際の上板、中板、下板の位置関係を示している図である。
図9(a)及び図9(b)に示すようにY軸方向への最大移動可能距離をA、X軸方向への最大移動可能距離をBとする。このステージ9の観察光軸を中心とした時の観察可能範囲は、図8(a)に示す2点鎖線で示した範囲となる。
落射照明観察範囲は、図8(a)に示す2点鎖線で示す範囲である。上板36の内側に開口部36aが設けられていても、透過照明時の観察範囲は、この2点鎖線の内側斜線部で示す範囲である。そのため透過照明時の観察範囲は、落射照明時の観察範囲より狭くなってしまうという問題がある。
透過照明時の観察範囲を大きくする場合は、より広い開口部が必要になる。そのためより大型なステージが必要になる。ステージが大型化した場合、顕微鏡の設置スペースや顕微鏡の製造コストが増大してしまう。加えて前述した落射型・透過型顕微鏡観察と同様に、このようなステージ移動型の顕微鏡の場合、特にステージがY軸方向に移動すると、顕微鏡本体との干渉(接触)が生じてしまう。よってステージの大型化は困難である。
そのためにステージを大型化せず観察範囲を拡大する機構が、特許文献1に開示されている。この機構は、ステージの移動領域に加え、落射照明時の光学系内の平行光束部の距離を変更することで観察範囲の拡大を行っている。
特開平05−127088号公報
しかしながら前述した特許文献1に開示されている観察方法において、観察範囲を拡大できるのは落射照明観察時の観察範囲のみであり、透過照明時の観察範囲を拡大することはできない。透過照明観察では、標本を介して観察光学系と透過照明光学系が対向して位置するため、2つの光学系を移動して観察範囲を拡大することは非常に困難である。
本発明は目的を達成するために、標本に対向配置された対物レンズの光軸方向に対して垂直な平面内で、互いに直行する2方向に移動可能なステージと、ステージ上に保持され、標本を載置するための標本ホルダと、ステージに対して標本ホルダを移動方向の少なくとも一方に移動可能に保持する移動機構と、を具備することを特徴とする顕微鏡ステージ機構を提供する。
本発明によれば、以上のような従来の問題点を考慮してなされたものであり、従来のステージに変更を加えることなく、省スペースで、安価に、透過照明時の観察範囲及び落射照明時の観察範囲を拡大できる顕微鏡ステージ機構を提供することができる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図2を参照して第1の実施形態について説明する。
図1(a)は、本実施形態におけるステージの概略上面図、図1(b)は、図1(a)に示すステージの側面断面図である。図2(a)、図2(b)は、ステージの概略上面図及び移動したステージの位置を示す図である。
前述した図7及び図8と同一部分には同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図1及び図2を参照して第1の実施形態について説明する。
図1(a)は、本実施形態におけるステージの概略上面図、図1(b)は、図1(a)に示すステージの側面断面図である。図2(a)、図2(b)は、ステージの概略上面図及び移動したステージの位置を示す図である。
前述した図7及び図8と同一部分には同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
中板32には、上板36が載置されている。この上板36には、透過照明光を通過させる開口部36aと、標本ホルダ受け部36b,36c,36dと、が設けられている。標本ホルダ受け部36bは、開口部36aの周囲に設けられている。この標本ホルダ受け部36bには、標本ホルダ50が載置される。
標本ホルダ50は、側面から位置決め部材である固定ビス41により、上板36に固定される。また標本ホルダ50には、標本に透過照明光を導くための開口部50aと、標本が載置される標本受け部50bと、接触部50cが設けられている。
標本ホルダ50は、接触部50cを介して標本ホルダ受け部36bに載置される。開口部50aは、標本ホルダ50の中央部に設けられている。標本受け部50bは、開口部50aの周辺に設けられている。
接触部50cが、標本ホルダ受け部36bに載置嵌合すると、標本ホルダ50は、上板36に対して着脱可能に保持される。
また標本ホルダ50は、接触部50cと標本ホルダ受け部36bを介して距離Cだけ摺動移動可能である。なお標本ホルダ50は、標本ホルダ受け部36bに沿って一方にのみ移動する。
また標本ホルダ50が距離Cだけスライド移動した際に、標本ホルダ50は、標本ホルダ受け部36c,36dに当接する。これにより標本ホルダ50の移動は、制限される。
このように第1の摺動部である接触部50c及び第2の摺動部である標本ホルダ受け部36bは、標本ホルダ50を上板36に対してY軸方向(一方)に摺動移動させる移動機構である。
また、標本ホルダ受け部36c,36d(移動制限部)は、標本ホルダ50が移動した際に、移動を制限する移動制限機構でもある。
この移動機構及び移動制限機構により標本ホルダ50は、移動方向且つ移動範囲が制限される。これにより標本ホルダ50が上板36から不用意に逸脱することは無い。
また標本ホルダ50の開口部50aに対して、中板32の開口部32aは、Y軸方向に短い。つまり、位置Eよりも図面下方(−Y軸方向)の距離C部分における中板32は開口していない。そのためこの部分は、標本上には透過照明光が照射されない範囲である。
次に顕微鏡ステージの移動交換機構について説明する。
観察者が標本ホルダ50を交換する場合、固定ビス41を取り外す。次に観察者は、標本ホルダ受け部36bに載置されている標本ホルダ50を他の標本ホルダと交換する。交換後、観察者は固定ビス41により標本ホルダ50を上板36に固定する。
図2(a)は、上述した標本ホルダ50の初期状態を示す。この状態では、上述したように標本に透過照明光が照射されない部位がある。そのため、その部位を対物レンズ8の光軸上に配置し、より広範囲で標本の観察部位を観察する場合、まず観察者は、固定ビス41を取り外す。これにより標本ホルダ50が移動可能になる。
次に図2(b)に示すように観察者は、標本ホルダ50をY軸方向に手動にて突き当たるまで(標本ホルダ50が標本ホルダ受け部36cに当接するまで(距離C分))移動させる。そして観察者は、固定ビス41により標本ホルダ50を固定する。
このように標本ホルダ50がY軸方向に距離Cを移動することにより、移動前には透過照明されなかった標本の部位にも透過照明光が照射される。これにより観察者は、標本ホルダ50を移動するだけで標本に対する広範囲な透過照明観察が可能となる。
このように本実施形態は、標本ホルダ50の移動により、移動前では透過照明されなかった標本の部位にも透過照明光が照射される。これにより観察者は、標本ホルダ50を移動するだけで、対物レンズ8の光軸上に標本をより広範囲で配置できる透過照明観察が可能となる。
また観察者が、標本ホルダ50をY軸方向に移動させた際、標本ホルダ50は、移動機構により移動し、移動制限機構により移動が制限される。このように移動範囲が制限されているため、標本ホルダ50は上板36から不用意に逸脱することは無い。
このように本実施形態は、従来のステージに大きな変更を加える必要が無く、またステージの移動領域にも影響を与えないので、標本に対する観察範囲を拡大可能な顕微鏡ステージ機構を、省スペースで、安価に提供することができる。
次に図3を参照して第2の実施形態について説明する。
図3(a)は、本実施形態におけるステージの概略上面図及び図3(b)は、図3(b)に示すステージの側面断面図である。
前述した第1の実施形態と同一部分には同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図3(a)は、本実施形態におけるステージの概略上面図及び図3(b)は、図3(b)に示すステージの側面断面図である。
前述した第1の実施形態と同一部分には同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態における標本ホルダ受け部36bには、標本ホルダ固定部60が載置される。
この標本ホルダ固定部60は、側面から固定ビス41により上板36に固定され、着脱可能である。標本ホルダ固定部60には、開口部60aと、接触部60cが設けられている。この開口部60aを介して標本に透過照明光が導かれる。また、開口部60aは、標本ホルダ固定部60の中央部に設けられている。
また、標本ホルダ固定部60には、穴65が2箇所に設けられている。この穴65には、それぞれ例えばネジ等の螺合によって位置決めピン61が挿入される。
また標本ホルダ固定部60には、標本ホルダ62が載置される。この標本ホルダ62には、穴66が設けられる。この穴66は、標本ホルダ固定部60に固定された位置決めピン61に対応する位置に設けられている。この穴66の径は、位置決めピン61の径と同一である。この穴66には、前述した位置決めピン61が挿入される。これにより標本ホルダ62は、標本ホルダ固定部60に対して着脱可能に保持される。
この標本ホルダ62には、開口部62aと、標本受け部62bが設けられている。開口部62aは、標本ホルダ62の中央部に設けられている。開口部62aの周辺には、標本受け部62bが設けられている。標本受け部62bには、標本が載置される。標本は、開口部62aの上方に載置される。この開口部62aを介して標本に透過照明光が照射される。
標本ホルダ固定部60は、接触部60cを介して標本ホルダ受け部36bに載置される。また標本ホルダ固定部60は、接触部60cと標本ホルダ受け部36bを介して距離Cだけ摺動移動可能である。なお標本ホルダ固定部60は、標本ホルダ受け部36bに沿って一方にのみ移動する。
また標本ホルダ固定部60が距離Cだけスライド移動した際に、標本ホルダ固定部60は、標本ホルダ受け部36c,36dに当接することによって移動が制限される。
このように第1の摺動部である接触部60c及び第2の摺動部である標本ホルダ受け部36bは、標本ホルダ固定部60を上板36に対してY軸方向(一方)に摺動移動させる移動機構である。
また、標本ホルダ受け部36c,36d(移動制限部)は、標本ホルダ固定部60が移動した際に、移動を制限する移動制限機構でもある。
この移動機構及び移動制限機構により標本ホルダ固定部60は、移動方向且つ移動範囲が制限される。
また、位置Eより下方(−Y軸方向)の距離Cにおける標本上に透過照明光が照射されない範囲は、上述した第1の実施形態と同様である。
次に顕微鏡ステージの移動交換機構について説明する。
観察者が標本ホルダ固定部60を交換する場合、固定ビス41を取り外す。次に観察者は、標本ホルダ受け部36bに載置されている標本ホルダ固定部60を他の標本ホルダ固定部と交換する。
標本ホルダ固定部60を交換する際に、観察者は標本ホルダ62を取り替えることも可能である。観察者は、位置決めピン61によって嵌合された標本ホルダ62を持ち上げて、標本ホルダ固定部60から標本ホルダ62を取り外す。次に観察者は、標本ホルダ62を他の標本ホルダに取り替える。そして観察者は、取り替えた標本ホルダに設けられた2箇所の穴に再び位置決めピン61を嵌合させて標本ホルダ62を標本ホルダ固定部60に載置する。
観察者は、位置Eより下方に載置された標本を透過照明にて観察する場合、観察者は、標本ホルダ固定部60を上述した標本ホルダ50と同様に手動にてY軸方向に突き当たるまで(標本ホルダ固定部60が標本ホルダ受け部36cに当接するまで(距離C分))移動させる。そして観察者は、固定ビス41により標本ホルダ固定部60を上板36に固定する。これにより上述の透過照明されない標本の部位にも透過照明光が照射される。よって観察者は、標本ホルダ固定部60を移動するだけで標本に対して広範囲な透過照明観察が可能となる。
このように本実施形態は、前述した第1の実施形態と同様に標本ホルダ固定部60をY軸方向に移動させることにより、移動前には透過照明されなかった標本の部位にも透過照明光が照射される。これにより観察者は、標本ホルダ固定部60を移動するだけで、対物レンズ8の光軸上に標本をより広範囲で配置できる透過照明観察が可能となる。また観察者が、標本ホルダ固定部60をY軸方向に移動させた際、標本ホルダ固定部60は、移動機構により移動し、移動制限機構により移動が制限される。このように標本ホルダ固定部60は、移動範囲が制限されているために、標本ホルダ固定部60は、上板36から不用意に逸脱することは無い。
また観察者が、複数の標本を観察する場合、それぞれ標本に対応した標本ホルダ62を用意することにより、標本ホルダ62を交換するのみでより素早い観察が可能となる。また、例えば径の異なるウエハにそれぞれ対応する標本ホルダを用意することにより、形状の異なる複数の標本にも柔軟に対応することが可能である。
このように本実施形態は、従来のステージに新たな機構を設ける必要が無く、またステージの移動領域にも影響を与えないので、観察範囲を拡大可能な顕微鏡ステージ機構を、省スペースで、安価に提供することができる。
次に図4を参照して第2の実施形態の変形例について説明する。
図4(a)は、本変形例におけるステージの概略上面図、図4(b)は、図4(a)に示したステージの側面断面図である。
前述した第1及び第2の実施形態と同一部分には同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図4(a)は、本変形例におけるステージの概略上面図、図4(b)は、図4(a)に示したステージの側面断面図である。
前述した第1及び第2の実施形態と同一部分には同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
標本ホルダ受け部36bには、標本ホルダ固定部70が載置される。
この標本ホルダ固定部70は、側面から固定ビス41により上板36に固定され、着脱可能である。標本ホルダ固定部70には、円形状の開口部70aと、この開口部70aの周縁部に凸形状の取り付け部70bと、接触部70cが設けられている。この開口部70aを介して標本に透過照明光が導かれる。
また標本ホルダ固定部70には、円形状の標本ホルダ71が載置される。この標本ホルダ71には、円形状の開口部71aと、2つの回動操作用のツマミ72と、が設けられている。この標本ホルダ71の上面に標本が載置され、この開口部71aを介して標本に透過照明光が照射される。
開口部71aの周縁部には、取り付け部71bが設けられている。この凹形状の取り付け部71bと、標本ホルダ固定部70に設けられる凸形状の取り付け部70bは、嵌合する。これにより標本ホルダ71は、標本ホルダ固定部70に着脱自在に固定される。
標本ホルダ71は、標本ホルダ固定部70に対して摺動回転可能である。観察者は、ツマミ72を回動操作することで、標本ホルダ固定部70に対して標本ホルダ71を回動移動させることができる。
標本ホルダ固定部70は、接触部70cを介して標本ホルダ受け部36bに載置される。また標本ホルダ固定部70は、接触部70cと標本ホルダ受け部36bを介して距離Cだけ摺動移動可能である。なお標本ホルダ固定部70は、標本ホルダ受け部36bに沿って一方にのみ移動する。
また標本ホルダ固定部70が距離Cだけスライド移動した際に、標本ホルダ固定部70は、標本ホルダ受け部36c,36dに当接することによって移動が制限される。
このように第1の摺動部である接触部70c及び第2の摺動部である標本ホルダ受け部36bは、標本ホルダ固定部70を上板36に対してY軸方向(一方)に摺動移動させる移動機構である。
また、標本ホルダ受け部36c,36d(移動制限部)は、標本ホルダ固定部60が移動した際に、移動を制限する移動制限機構でもある。
この移動機構及び移動制限機構により標本ホルダ固定部70は、移動方向且つ移動範囲が制限される。これにより標本ホルダ固定部70が上板36から不用意に逸脱することは無い。
位置Eより下方(−Y軸方向)の距離Cにおける標本上に透過照明光が照射されない範囲は、上述した第1の実施形態と同様である。
また標本ホルダ固定部70を交換する際の動作は、標本ホルダ固定部60を交換する操作と同様なためにここでは省略する。
また、標本ホルダ固定部70を摺動移動させる動作は、標本ホルダ固定部60を摺動移動させる操作と同様なためにここでは省略する。
次に標本ホルダの回動操作について説明する。
観察者は、位置Eより下方に載置された標本を透過照明にて観察する場合、観察者は、ツマミ72を使用して手動にて標本ホルダ71を回動させる。回動によって標本ホルダ71に載置された標本の観察位置は、変更する。よって透過照明光は、標本をより広範囲に照射することができる。もちろん観察者は、前述した第2の実施形態のように移動機構により標本ホルダ固定部70をY軸方向に手動にて突き当たるまで(距離C)移動させることにより、標本のさらに広範囲な部位を観察可能である。
このように本変形例は、第2の実施形態におけるステージにおいて省スペースで安価な構成で、標本を回動させる回動機構を備えたことにより、標本の観察位置を回動移動でき、且つより広範囲な部位を観察することが可能である。
次に図5を参照して第3の実施形態について説明する。
図5(a)は、本変形形態におけるステージの概略上面図、図5(b)は、図5(a)に示したステージの側面断面図である。
前述した第1及び第2の実施形態と同一部分には同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図5(a)は、本変形形態におけるステージの概略上面図、図5(b)は、図5(a)に示したステージの側面断面図である。
前述した第1及び第2の実施形態と同一部分には同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態における標本ホルダ受け部36bには、標本ホルダ固定部80が載置される。
この標本ホルダ固定部80は、側面から上板36に固定ビス41により固定され、着脱可能である。標本ホルダ固定部80には、開口部80aと、接触部80cと、位置決めピン81が挿入されるため2箇所に設けられた穴85と、が設けられている。
この開口部80aを介して標本に透過照明光が導かれる。また開口部80aは、標本ホルダ固定部80の中央部に設けられている。穴85には、それぞれ位置決めピン81に設けられるネジ部81aが螺装される。これによって位置決めピン81は、標本ホルダ固定部80と一体的に固定される。 標本ホルダ82は、標本ホルダ固定部80に載置される。この標本ホルダ82には、長穴82cが設けられる。この長穴82cは、標本ホルダ82がX軸方向(標本ホルダ固定部80の移動方向(Y軸方向)に対して直行する方向)に移動する際のガイド部材である。また標本ホルダ82は、長穴82cのX軸方向の長さ分(距離D)だけX軸方向に移動可能である。よって長穴82cは、標本ホルダ82の移動を制限する。この長穴82cは、固定された位置決めピン81と対応する位置に設けられる。この長穴82cの幅(Y軸方向)は、位置決めピン81の径と同一であり、摺動穴である。
またこの位置決めピン81は、長穴82cに沿って摺動移動可能となる。これにより標本ホルダ82が長穴82cに沿って(図面X軸方向)に標本ホルダ固定部80に対して摺動移動可能となる。
また、位置決めピン81の上面には、固定ビス83が設けられる。固定ビス83は、図示しない例えばネジによる螺装などによる固定手段によって、位置決めピン81と一体的に設けられる。この固定ビス83の上部の径は、長穴82cの幅よりも大きな径を有する。標本ホルダ82は、長穴82cに位置決めピン81を嵌合させ、さらに位置決めピン81に固定ビス83を螺装することで、標本ホルダ固定部80に固定される。
なお標本ホルダ固定部80と標本ホルダ82は、固定ビス83を取り外すことで着脱自在である。
標本ホルダ固定部80は、接触部80cを介して標本ホルダ受け部36bに載置される。また標本ホルダ固定部80は、接触部80cと標本ホルダ受け部36bを介して距離Cだけ摺動移動可能である。なお標本ホルダ固定部80は、標本ホルダ受け部36bに沿って一方(Y軸方向)にのみ移動する。
また標本ホルダ82は、位置決めピン81によって長穴82cに沿って距離Dだけ他方(X軸方向)に摺動移動可能である。
また標本ホルダ固定部80が距離Cだけ摺動移動した際に、標本ホルダ固定部80は、標本ホルダ受け部36c,36dに当接することによって標本ホルダ固定部80の移動が制限される。
また標本ホルダ82が距離Dだけ摺動移動した際に、標本ホルダ82は長穴82cによって移動が規定される。
このように第1の摺動部である接触部80c及び第2の摺動部である標本ホルダ受け部36bは、標本ホルダ固定部80を上板36に対してY軸方向(一方)に摺動移動させる移動機構である。また長穴82cも、標本ホルダ82をX軸方向(他方)に摺動移動させる移動機構である。
また、標本ホルダ受け部36c,36d(移動制限部)は、標本ホルダ固定部80が移動した際に、移動を制限する移動制限機構でもある。また長穴82cも、標本ホルダ82の移動制限する移動制限機構である。
この移動機構及び移動制限機構により標本ホルダ固定部80は、移動方向且つ移動範囲が制限される。これにより標本ホルダ固定部80が上板36から不用意に逸脱することは無い。同様に標本ホルダ82も標本ホルダ固定部80から不用意に逸脱することは無い。
また、位置Eより下方(−Y軸方向)の距離Cにおける標本上の透過照明光が照射されない範囲は、上述した第1の実施形態と同様である。
次に顕微鏡ステージの移動交換機構について説明する。
前述した第1の実施形態と同様に透過照明光が照射されない範囲を観察する場合、観察者は、固定ビス41を取り外す。次に観察者は、標本ホルダ固定部80を手動にてY軸方向に突き当たるまで(標本ホルダ固定部80が標本ホルダ受け部36cに当接するまで(距離C分))移動させる。そして観察者は、固定ビス41により標本ホルダ固定部80を固定する。標本ホルダ固定部80がY軸方向に距離C移動することにより、移動前には透過照明されない標本の部位に透過照明光が照射される。これにより観察者は、標本ホルダ固定部80を移動するだけで標本に対するより広範囲の透過照明観察が可能となる。
また前述した第2の実施形態と同様に、観察者が標本ホルダ固定部80交換する場合、固定ビス41を取り外し、標本ホルダ受け部36bに載置されている標本ホルダ固定部80を他の標本ホルダ固定部と交換する。標本ホルダ固定部80を交換する際に、観察者は標本ホルダ82を取り替えることも可能である。
観察者は、標本ホルダ固定部80から位置決めピン81を取り出し、標本ホルダ82を他の標本を載せた標本ホルダに取り替える。そして観察者は、再び位置決めピン81にて標本ホルダ82を標本ホルダ固定部80に固定する。これにより観察者が、形状の異なる複数の標本を観察する場合、標本の数に対応した標本ホルダ82を用意し、それぞれに標本を載置すれば、標本ホルダ82を交換するのみでより素早い観察が可能である。
また本実施形態は、図6(a)に示すようにX軸方向における透過照明光及び落射照明光を照明できない範囲を観察する(観察範囲をX方向へ拡大する)場合、観察者は固定ビス83を取り外す。次に図2(b)に示すように観察者は、標本ホルダ82を手動にてX軸方向に(距離D)移動させる。そして観察者は、固定ビス83により標本ホルダ82を標本ホルダ固定部80に固定する。
標本ホルダ82がX軸方向に距離Dを移動することにより、移動前には透過照明光及び落射照明光を照明できない標本の部位にも透過照明光及び落射照明光が照射される。これにより観察者は、標本ホルダ82を移動するだけで標本に対するより広範囲の透過及び落射観察が可能となる。
このように本実施形態は、前述した第1及び第2の実施形態と同様に標本ホルダ固定部80をY軸方向に移動することができるだけでなく、標本ホルダをX軸方向にも移動できる。よって標本は、2方向に移動でき、より拡大した観察範囲を得ることができる。
このように本実施形態は、ステージの移動領域にも影響を与えずに標本観察部位がより広範囲な顕微鏡ステージ機構を、省スペースで、安価に提供することができる。
上述した各実施形態及び変形例においては、透過型光学顕微鏡における実施形態について記載したが、落射型光学顕微鏡においてもそのまま適用可能であることはいうまでもない。また本発明から逸脱しない趣旨と範囲で各構成部を適宜組み合わせることも可能である。
24…ステージ支持部、30…下板、30a…開口部、30b…V溝、31…固定ビス、32…中板、32a…開口部、32b…V溝、33…固定ビス、34…Y軸ガイド、35,39…コロ、36…上板、36a…開口部、36b…標本ホルダ受け部、37…固定ビス、38…X軸ガイド、41…固定ビス、50…標本ホルダ、50a…開口部、50b…標本受け部、50c…接触部、60…標本ホルダ固定部、60a…開口部、60c…接触部、61…ピン、62…標本ホルダ、62a…開口部、62b…標本受け部、65,66…穴、70…標本ホルダ固定部、70a…開口部、70b…取り付け部、70c…接触部、71…標本ホルダ、71a…開口部、71b…取り付け部、72…ツマミ、80…標本ホルダ固定部、80a…開口部、80c…接触部、81…ピン、81a…ネジ部、82…標本ホルダ、82a…開口部、82b…標本受け部、82c…長穴、83…固定ビス、85…穴。
Claims (4)
- 標本に対向配置された対物レンズの光軸方向に対して垂直な平面内で、互いに直行する2方向に移動可能なステージと、
前記ステージ上に保持され、前記標本を載置するための標本ホルダと、
前記ステージに対して前記標本ホルダを前記移動方向の少なくとも一方に移動可能に保持する移動機構と、
を具備することを特徴とする顕微鏡ステージ機構。 - 前記移動機構は、
前記標本ホルダに設けられる第1の摺動部と、
前記第1の摺動部に対向し、前記ステージに設けられている第2の摺動部と、
を有し、
前記移動機構は、前記第1の摺動部及び前記第2の摺動部によって前記標本ホルダを前記移動方向の少なくとも一方に摺動移動させることを特徴とする請求項1記載の顕微鏡ステージ機構。 - さらに前記ステージに対して前記標本ホルダが前記移動方向の少なくとも一方に移動した際に、移動を制限する移動制限機構と、
を具備することを特徴とする請求項1記載の顕微鏡ステージ機構。 - 前記標本ホルダは、前記ステージに対して着脱可能に載置されることを特徴とする請求項1記載の顕微鏡ステージ機構。
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---|---|---|---|
JP2006104432A JP2007279315A (ja) | 2006-04-05 | 2006-04-05 | 顕微鏡ステージ機構 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010116912A1 (ja) * | 2009-04-08 | 2010-10-14 | 国立大学法人東京大学 | トラッキング装置およびこのトラッキング装置を備えたトラッキング顕微鏡並びにトラッキング方法 |
-
2006
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JP2010243868A (ja) * | 2009-04-08 | 2010-10-28 | Univ Of Tokyo | トラッキング装置およびこのトラッキング装置を備えたトラッキング顕微鏡並びにトラッキング方法 |
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