JP7251957B2 - 拡大観察装置 - Google Patents
拡大観察装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7251957B2 JP7251957B2 JP2018223952A JP2018223952A JP7251957B2 JP 7251957 B2 JP7251957 B2 JP 7251957B2 JP 2018223952 A JP2018223952 A JP 2018223952A JP 2018223952 A JP2018223952 A JP 2018223952A JP 7251957 B2 JP7251957 B2 JP 7251957B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- imaging lens
- objective lens
- image
- lens
- observation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Microscoopes, Condenser (AREA)
Description
第一結像レンズと、
第二結像レンズと、 前記第一結像レンズと、前記第二結像レンズとを観察光路に対して直交した方向にスライドさせるよう、第一フレームに対してスライド可能に前記第一結像レンズと前記第二結像レンズとを保持する第一スライド部材と、
前記第一結像レンズとともに前記観察光路に対して直列に配置可能な第三結像レンズと、
前記第三結像レンズを前記観察光路に対して直交した方向にスライドさせる第二スライド部材と、
前記第一結像レンズ、前記第二結像レンズおよび前記第三結像レンズのうち、前記第一結像レンズのみを前記観察光路に配置するか、前記第二結像レンズのみを前記観察光路に配置するか、または、前記第一結像レンズと前記第三結像レンズとを前記観察光路に配置するかのいずれかを選択して前記観察光路に配置する第一選択部と、 第一対物レンズと、
第二対物レンズと、
前記第一対物レンズと前記第二対物レンズとのいずれかを選択して前記観察光路に配置する第二選択部と、
前記第二選択部により選択された対物レンズを認識する認識部と、
光学系の倍率を選定する倍率選定部と、
前記観察光路に配置された絞りと、
前記倍率選定部により選定された光学系の倍率と、前記認識部により認識された対物レンズとに基づき結像レンズを決定する結像レンズ決定部と、
前記第一結像レンズ、前記第二結像レンズおよび前記第三結像レンズのうち、前記結像レンズ決定部により決定された前記第一結像レンズのみ、前記第二結像レンズのみ、または、前記第一結像レンズと前記第三結像レンズが前記観察光路に配置されるよう前記第一選択部を制御する制御部とを有し、
前記観察光路に対して直交した方向における前記第一スライド部材の第一端部が前記第一フレームに設けられた第一停止部材に接触して停止すると、前記第二結像レンズが前記観察光路に位置決めされ、
前記観察光路に対して直交した方向における前記第一スライド部材の第二端部が前記第一フレームに設けられた第二停止部材に接触して停止し、第二スライド部材の端部が第二フレームに設けられた停止部材に接触して停止すると、前記第一結像レンズと前記第三結像レンズとが前記観察光路に位置決めされる
ことを特徴とする拡大観察装置を提供する。
図1は、拡大観察装置100を示している。拡大観察装置100は、例えば微小物体等の試料や電子部品、被加工物等のワーク(以下、これらを観察対象物という。)を拡大して表示する装置である。使用者は拡大観察装置100を使用して観察対象物の外観を検査したり、寸法計測等を行ったりすることができる。拡大観察装置100は、顕微鏡やデジタルマイクロスコープと呼ばれてもよい。観察対象物は、上述した例に限定されるものではなく、各種物体が観察対象物となりうる。
図2が示すように、制御部60は、CPU61や画像プロセッサ66、記憶部67などを有している。CPU61は記憶部67のROM領域に記憶されているプログラムを実行することで様々な機能を実現する。撮像制御部62は、ヘッド部22に設けられたレボルバ21を回転させるためにレボルバ駆動部24を制御する。これにより、対物レンズ23の倍率が変更される。つまり、ある倍率の対物レンズ23から他の倍率の対物レンズ23に切り替わる。撮像制御部62は、対物レンズ23と通信することで対物レンズ23を識別する識別部(認識部)を有していてもよい。ヘッド部22は複数の結像レンズ41を有してもよい。撮像制御部62は、結像レンズ駆動部42(例:モータ)を駆動することで、結像レンズ41を切り換える。これにより、対物レンズ23と結像レンズ41とを含む光学系の倍率が変更される。なお、複数の対物レンズ23と複数の結像レンズ41を区別する際には参照符号の末尾に小文字のアルファベットが付与される。電動絞り37はヘッド部22の内部や対物レンズ23の内部に設けられた可変絞りである。電動絞り37も撮像制御部62によって制御される。
図3が示すように、画像プロセッサ66において、輝度画像生成部31は、撮像制御部62を通じて撮像部25により取得された画像信号から輝度画像を作成する。HDR処理部32は、撮像制御部62を通じて撮像部25を制御することで、それぞれ露光時間が異なる複数のサブ輝度画像を取得し、複数のサブ輝度画像をHDR処理することで輝度画像を生成する。HDRはハイダイナミックレンジの略称である。深度合成部33は、撮像制御部62を通じて撮像部25を制御することで、それぞれ合焦位置の異なる複数のサブ輝度画像を取得し、複数のサブ輝度画像を深度合成することで深度合成画像を生成する。なお、サブ輝度画像はHDR処理された輝度画像であってもよい。凹凸強調部34は、第一照明方向から照明された観察対象物Wの第一輝度画像と、第二照明方向から照明された観察対象物Wの第二輝度画像とを合成することで、観察対象物Wの表面の凹凸が強調された凹凸強調画像を作成する。第一照明方向と第二照明方向は相互に光軸A1を挟んで対称となっている。なお、第一輝度画像と第二輝度画像はそれぞれ深度合成された深度合成画像であってもよい。たとえば、凹凸強調部34は、第一深度合成画像と第二深度合成画像との輝度の差分に基づき凹凸強調画像を生成してもよい。第一深度合成画像における画素(座標x、y)の輝度値i1と、第二深度合成画像における画素(座標x、y)の輝度値i2とから凹凸強調画像における画素(座標x、y)の画素値Ixyは、次式から求められてもよい。
Ixy=(i1-i2)/(i1+i2) ・・・(1)
凹凸強調画像の画素値は、一対の画素値の差分を、一対の画素値を足した合計で割ることで得られる。画素値の差分が正規化されるのであれば、(1)の式とは異なる式が採用されてもよい。
図4(A)はリング照明26の一部を点灯させることで第一照明方向から観察対象物Wに照明光を照射していることを示している。リング照明26は、四つの光源領域140A、140B、140C、140Dを有している。つまり、リング照明26は、四つの光源領域140A、140B、140C、140Dを選択的に点灯および消灯することで、四つの照明方向から照明光を観察対象物Wに照射できる。光源領域140Aの照明方向と光源領域140Cの照明方向とは光軸A1に対して対称となっている。光源領域140Bの照明方向と光源領域140Dの照明方向とは光軸A1に対して対称となっている。図4(A)では光源領域140Aだけが点灯している。
UI部65は、凹凸強調部34により生成された凹凸強調画像を表示部2に表示する。ユーザは観察対象物Wの一部を拡大観察するために凹凸強調画像を利用する。ここで、観察対象物Wの複数の箇所が拡大観察の対象となる場合がある。この場合に、ユーザはコンソール部3を操作することで、載置台30をX方向やY方向に移動させたり、θ方向に回転させたりする。CPU61はコンソール部3からX方向への移動指示が入力されると、載置台駆動部29により載置台30をX方向へ移動させ、CPU61はコンソール部3からY方向への移動指示が入力されると、載置台駆動部29により載置台30をY方向へ移動させる。このような移動指示が入力されている限り、CPU61は移動指示にしたがって連続的に載置台30を移動する。ユーザによる移動指示の入力が停止すると、CPU61は載置台駆動部29による載置台30の移動を停止させる。
凹凸強調画像を構成する各画素は、観察対象物Wの表面の凹凸を示しており、表面の色情報を含まない。そのため、ユーザは、観察部位の色と凹凸の位置との関係を把握しにくい。そこで、着色部36は、リング照明26の光源領域140A~140Dをすべて点灯させ、撮像部25に観察対象物Wを撮像させる。こにより、輝度画像生成部31は観察対象物Wのカラー画像(輝度画像)を生成する。着色部36は、カラー画像から色情報を取得し、凹凸強調画像に色情報をマッピングして凹凸強調画像をカラー化し、表示部2に表示する。これによりユーザは、観察部位の色と凹凸の位置との関係を把握しやすくなる。
観察対象物Wの表面が金属である場合、輝度画像において白飛びした画素や黒つぶれした画素が発生することがある。このような場合に、最終的に生成される凹凸強調画像において凹凸を確認しにくくなる。そこで、HDR処理部32が採用されてもよい。HDR処理部32は、一つの合焦位置について、露光時間が異なる複数のサブ輝度画像を取得し、当該複数のサブ輝度画像をHDR処理することで一つの輝度画像を生成する。HDR処理部32は、合焦位置が変更されるたびに、露光時間が異なる複数のサブ輝度画像を取得し、当該複数のサブ輝度画像をHDR処理することで一つの輝度画像を生成する。これにより、第一輝度画像I11~I1nと第二輝度画像I21~I2nはいずれもHDR処理された画像となる。よって、深度合成部33は、HDR処理された第一輝度画像I11~I1nを深度合成して、第一深度画像I1aを生成し、HDR処理された第二輝度画像I21~I2nを深度合成して、第二深度画像I2aを生成する。さらに、凹凸強調部34は、HDR処理された第一深度画像I1aおよびHDR処理された第二深度画像I2aを合成することで、HDR処理された凹凸強調画像を生成する。これにより、白飛びや黒つぶれが発生しにくくなるため、ユーザは、凹凸強調画像を確認することで、観察対象物Wにおける凹凸をより正確に把握しやすくなろう。
上述された凹凸強調画像は観察対象物Wの表面の高さ情報を含まない。そのため、クレーター錯視が発生する。クレーター錯視とは、画像として凹形状と凸形状とが区別できないために、観察者が凹部と凸部とを誤って認識してしまう現象である。そこで、高さ画像生成部35は、凹凸強調画像の各画素を積分することで各画素ごとに観察対象物Wの表面の高さを求め、当該高さを各画素とする高さ画像を生成し、表示部2に表示してもよい。さらに、高さ画像生成部35は、高さ画像の各画素の高さデータを色情報に変換し、凹凸強調画像に対して色情報をマッピングすることで、高さに応じて異なる色で着色された凹凸強調画像を生成し、表示部2に表示してもよい。これにより、ユーザは、色情報に基づき観察対象物Wの表面における凹形状と凸形状とを区別しやすくなろう。
図4においては光源領域140A、140Cについて説明されたが、この説明は光源領域140B、140Dにも適用可能である。つまり、画像プロセッサ66は、光源領域140A、140Cとのペアを用いて凹凸強調画像を生成してもよいし、光源領域140B、140Dとのペアを用いて凹凸強調画像を生成してもよい。光源領域140Bの照明方向は第三照明方向と呼ばれてもよい。光源領域140Dの照明方向は第四照明方向と呼ばれてもよい。第三照明方向と第四照明方向とは光軸A1を挟んで対称(線対称)となっている。
上述した実施形態では深度合成が実行された後で凹凸強調が実行されている。しかし、凹凸強調が先に実行され、その後に深度合成が実行されてもよい。
図5はUI部65が表示部2に表示するユーザーインタフェース70を示している。画像表示領域71aは、画像プロセッサ66から表示制御部63を通じて出力される画像を表示する。この画像は、観察対象物Wのライブ画像、深度合成された凹凸強調画像、観察対象物Wの表面の色に応じて着色された凹凸強調画像、高さデータに基づき着色されたか凹凸強調画像(カラー高さ画像)などである。載置台30が移動していたり、対物レンズ23の切り替えが指示されたりしたことを検知部68が検知すると、UI部65は、観察対象物Wのライブ画像を画像表示領域71aに表示する。倍率の変更が完了し、かつ、載置台30が静止したことを検知部68が検知すると、UI部65は、深度合成された凹凸強調画像を画像表示領域71aに表示する。凹凸強調画像が表示されているときに載置台30が移動することが検知されると、UI部65は、ライブ画像を画像表示領域71aに表示する。照明方向選択部72は、光源領域140A~140Dに対応した四つのボタンを有している。上述したように、光源領域140Aと光源領域140Cとがペアを形成しているため、光源領域140Aに対応したボタンがポインタ74により選択されると、光源領域140Aの照明方向が第一照明方向に決定され、光源領域140Cの照明方向が第二照明方向に決定される。同様に、光源領域140Dに対応したボタンがポインタ74により選択されると、光源領域140Dの照明方向が第一照明方向に決定され、光源領域140Bの照明方向が第二照明方向に決定される。倍率選択部73は、レボルバ21に装着された複数の対物レンズ23のうち、いずれか一つの対物レンズ23を選択するためのプルダウンリストである。たとえば、UI部65は、レボルバ21に取り付けられた複数の対物レンズ23のそれぞれの倍率を対物レンズ23の設定情報から取得し、プルダウンリストを作成する。ユーザがポインタ74を操作していずれかの倍率を選択すると、UI部65は選択された倍率(対物レンズ23)をレボルバ駆動部24に通知する。レボルバ駆動部24は、通知された倍率の対物レンズ23が撮影光軸A1上に位置するようにレボルバ21を回転させる。レボルバ駆動部24は回転が終了すると、回転終了信号をCPU61に出力する。検知部68は、回転終了信号を受信すると、倍率変更が完了したと判定する。通常、倍率変更が完了すると、視野範囲内で観察部位の位置を調整することが必要となる。ユーザは、載置台30が移動することで、視野範囲内の所望の位置に観察部位を位置づける。載置台30が静止すると、UI部65は、画像プロセッサ66に凹凸強調画像の生成を指示する。UI部65は、ライブ画像に代えて深度合成された凹凸強調画像を画像表示領域71aに表示する。
図7は拡大観察処理を示すフローチャートである。マウス4またはコンソール部3により開始が指示されると、CPU61は以下の処理を実行する。
図8はヘッド部22の内部構成を示している。レボルバ21は少なくとも三つのマウント50a、50b、50cを有している。マウント50a、50b、50cにはそれぞれ対物レンズ23a、23b、23cが接続されている。対物レンズ23aは、たとえば、低倍率の対物レンズである。対物レンズ23aの瞳位置には電動絞り37aが設けられている。電動絞り37aはモータなどにより駆動されて絞り量が変化する可変絞りである。この例では、対物レンズ23aが観察光軸A1に配置されている。対物レンズ23aの鏡筒の周囲にはリング照明26が設けられている。対物レンズ23bも電動絞り37bを有しているが、リング照明26を有していない。対物レンズ23cの瞳位置は鏡筒の外部に存在するため、鏡筒内には絞りが設けられていない。電動絞り37cは、対物レンズ23とハーフミラー38との間に配置された絞りである。この例では、電動絞り37cは対物レンズ23cの瞳位置に設けられている。ハーフミラー38は観察光軸A1に配置されており、同軸落射照明27からの照明光を対物レンズ23に導く。ハーフミラー38は、対物レンズ23からの入射光を、結像レンズ41などを介して撮像部25へ導く。同軸落射照明27とハーフミラー38との間には集光レンズ39が配置されている。同軸落射照明27と集光レンズ39との間には電動絞り37dが配置されている。電動絞り37a~37dはCPU61の撮像制御部62により制御される。
図14、15は対物レンズ23とマウント50との関係を示している。対物レンズ23は接続部59を有している。接続部59はマウント50に対して嵌合または螺合することで、対物レンズ23をレボルバ21に固定する。接続部59とマウント50の固定方式としては、たとえば、螺合式とバヨネット式とがある。螺合式では、接続部59に設けられた内ねじと、マウント50に設けられた外ねじとが螺合する。図15が示すように、接続部59はフランジ75を有している。フランジ75のフランジ面は光軸に対して垂直である。これにより、観察光軸A1に対して対物レンズ23の光軸を位置決めしやすくなる。フランジ75は位置決め穴45と電子接点46とを有している。図14が示すように、レボルバ21に設けられた位置決めピン51が位置決め穴45に挿入されることで、対物レンズ23がレボルバ21に対して位置決めされる。電子接点46aはレボルバ21側の電子接点46bと電気的に接続する。電子接点46a、46bは電力供給用の接点や通信用の接点などを含む。制御基板47は、電子接点46a、46bを介してCPU61から制御信号を受信し、制御信号にしたがって電動絞り37aを駆動するモータ48やリング照明26を制御する。制御基板47は、CPU、通信回路、メモリ、光源を駆動する駆動回路、モータ48を駆動する駆動回路などを有していてもよい。制御基板47の通信回路はCPU61から識別情報の要求を受信すると、メモリから識別情報を読み出して、CPU61に送信する。このように、メモリは対物レンズ23の識別情報などを記憶している。電動絞り37aはモータ48と絞り羽とを含む。
図16は同軸落射照明27における光源の配置を示している。光源群54aは第一照明方向から照明光を観察対象物Wに照射するための複数のLED53a、53e、53f、53i、53j、53k、53qを有している。光源群54cは第二照明方向から照明光を観察対象物Wに照射するための複数のLED53c、53e、53g、53h、53m、53n、53oを有している。光源群54bは第三照明方向から照明光を観察対象物Wに照射するための複数のLED53b、53e、53g、53l、53k、53mを有している。光源群54dは第四照明方向から照明光を観察対象物Wに照射するための複数のLED53d、53e、53h、53i、53o、53p、53qを有している。
図17は、低倍率の対物レンズ23に採用されるリング照明26の構造を示している。複数のLED55はリング状の基板上に取り付けられている。LED55から出力された照明光は集光レンズ56により集光され、照明レンズ57を介して観察対象物Wに照射される。集光レンズ56と照明レンズ57との間には拡散板58が採用されてもよい。LED55は一次光源として機能するが、拡散板58は二次光源として機能する。照明レンズ57は二次光源からの照明光をリレーするリレーレンズとして機能している。これらにより、リング照明26はケーラー照明に近い照明を実現している。照明レンズ57は径方向にのみ曲率を有するため、光量ロスが発生しうる。そこで、半径方向に曲率を持たせるために、集光レンズ56としてトロイダルレンズが採用されてもよい。これにより光量ロスが軽減される。
複数の種類の照明装置を有している拡大観察装置100ではユーザが点灯すべき照明装置を選択する作業が必要となる。しかし、対物レンズ23の倍率ごとに適切な照明装置は異なるため、ユーザにとって適切な照明装置を選択することは困難な場合があった。
金属顕微鏡や生物顕微鏡は無限遠補正光学系を採用している。無限遠補正光学系は、固定焦点距離の結像レンズ(焦点距離ft)と、レボルバによって切り替え可能な複数の固定焦点距離の対物レンズ(焦点距離fo)とを有している。倍率Mは、焦点距離ftを焦点距離foで除算することで算出される。複数の対物レンズは、その取付部から焦点位置までの距離が同一(同焦点距離)となるように設計されている。これにより、対物レンズが切り替えられてもピントずれが発生しない。
NAi=NAo/M・・・(1)
ここでNAoは対物レンズ側のNAである。Mは観察倍率である。この場合に絞り量φは次式により求められる。
φ=NAi/ft・・・(2)
これは焦点距離が2倍になったら瞳径も2倍にするように絞り量を制御することで、像側NAiが一定になることを意味している。
ここで像側NAiは次のようにして決定されうる。
(i)ユーザが分解能(像側NAi)を直接指定する。
(ii)撮像部25の画素数に基づいて像側NAiを計算する。
(iii)解像度と被写界深度とについてのユーザの要求に基づき像側NAiを決定する。
(iv)各対物レンズと各観察倍率に応じて求められる光学特性を考慮して予め作成されたテーブルに基づき観察倍率を像側NAiに変換する。
図20は観察倍率Mを像側NAiに変換するテーブルの一例を示している。テーブルC1は、観察倍率Mに依存することなく一定の像側NAiを出力するテーブルである。テーブルC2は低倍率側で深度を優先して像側NAiを小さくし、高倍率側で解像度を優先して像側NAiを大きくするテーブルである。テーブルC3は、ある倍率までは一定の像側NAiを出力するが、ある倍率を超えると徐々に像側NAiを減少させるテーブルである。高倍率の対物レンズ23においては、理論上、NAoが0.95以下となる。これは、倍率が大きくなると瞳径を大きく取ることができなくなることを意味する。対物レンズ23の特性に依存してテーブルC3が採用されてもよい。
図21は撮像制御部62を説明する図である。対物レンズ認識部81は、対物レンズ23と通信することで対物レンズ23の識別情報を取得し、識別情報に基づき対物レンズ23を認識する。UI部65は、倍率選択部73を通じて観察倍率Mを受け付けたり、テーブル選択部78を通じて深度優先テーブル84と解像度優先テーブル85とのうちのどちらかの選択を受け付けたりする。なお、UI部65は、像側NAiの入力を受け付けたり、解像度と被写界深度とについてのユーザの要求を受け付けたりしてもよい。
撮像部25と画像プロセッサ66を採用しているため、デジタルズームが容易に実現可能である。撮像部25の画素数(例:10メガピクセル)と比較して、表示部2の画素数(例:2メガピクセル)は少ない。表示部2に全視野を表示することがユーザにより指示されると、画像プロセッサ66は画像をデジタル縮小して表示部2に表示してもよい。この場合、観察視野が変わるため、絞り量決定部83は、視野が狭くなるにつれて連続的に絞り量を小さくしてもよい。これにより、ズームレンズの倍率切替のような連続的な視野の切替と解像度の変更が実現されてもよい。
観察倍率Mは、結像レンズ41の焦点距離と対物レンズ23の焦点距離との組み合わせにより実現される。しかし、結像レンズ41の数と対物レンズ23のとは有限であることから、結像レンズ41の焦点距離と対物レンズ23の焦点距離との組み合わせにより実現不可能な観察倍率Mもある。この場合、画像プロセッサ66は、ユーザにより指定された観察倍率Mの画像が表示部2に表示されるよう、撮像部25により取得された画像をデジタル拡大/縮小してもよい。これによりシームレスな倍率変更が実現されてもよい。
射出瞳径の小さい対物レンズ23を使用するケースや、広視野観察および深度優先観察のために対物レンズ23の電動絞りを絞るケースでは、同軸落射照明27で照明を行うことがある。この場合、同軸落射照明27は瞳径の外部に照明光を照射することになるため、対物レンズ23の電動絞りなどで反射した光により不必要な迷光が発生する。このような迷光は画像のコントラストを低下させる。
図1などを用いて説明したように、ヘッド部22は対物レンズと結像レンズとを含む光学系として機能する。載置台30は少なくともX方向とY方向とに光学系に対して相対的に移動可能なXYステージの一例である。検知部68は光学系に対するXYステージの相対的な移動を検知する検知部として機能する。リング照明26は光学系の視野に載置された観察対象物Wに対してそれぞれ異なる方向から照明光を照射する照明部として機能する。撮像部25は光学系を介して観察対象物Wからの光を受光して観察対象物Wの輝度画像を生成する。Z方向駆動部28は、光学系の光軸A1に沿って光学系の合焦位置を変化させる変化部として機能する。制御部60は照明部、撮像部および変化部を制御する制御部として機能する。表示部2は観察対象物Wの画像である観察画像を表示する表示部として機能する。画像プロセッサ66は、(i)照明部を制御することで観察対象物に対して第一照明方向から照明光を観察対象物に対して照射し、変化部と撮像部を制御してそれぞれ異なる複数の合焦位置のそれぞれで観察対象物を撮像することで複数の第一輝度画像を取得し、(ii)照明部を制御することで観察対象物に対して第一照明方向に対して光軸を挟んで対称となる第二照明方向から照明光を観察対象物に対して照射し、変化部と撮像部を制御してそれぞれ異なる複数の合焦位置のそれぞれで観察対象物を撮像することで複数の第二輝度画像を取得し、(iii)複数の第一輝度画像と複数の第二輝度画像とについて深度合成および凹凸強調することで観察対象物の表面の凹凸が強調され、かつ、撮像部により取得可能な単一の輝度画像と比較して被写界深度の広い凹凸強調画像を生成する画像生成部として機能する。表示部2は、観察画像として、凹凸強調画像を表示する。これにより、深度合成された凹凸強調画像が提供される。
深度優先テーブル84は深度を優先する第一テーブルの一例であり、解像度優先テーブル85は解像度を優先する第二テーブルの一例である。絞り量決定部83は、第一テーブルと第二テーブルとのうちユーザにより選択されたテーブルを使用してもよい。図5に示したように、ユーザはテーブル選択部78を通じていずれかのテーブルを選択してもよい。このようにユーザの好みに応じてテーブルが選択され、選択されたテーブルに基づき絞り用が適切に決定される。
Claims (11)
- 第一結像レンズと、
第二結像レンズと、
前記第一結像レンズと、前記第二結像レンズとを観察光路に対して直交した方向にスライドさせるよう、第一フレームに対してスライド可能に前記第一結像レンズと前記第二結像レンズとを保持する第一スライド部材と、
前記第一結像レンズとともに前記観察光路に対して直列に配置可能な第三結像レンズと、
前記第三結像レンズを前記観察光路に対して直交した方向にスライドさせる第二スライド部材と、
前記第一結像レンズ、前記第二結像レンズおよび前記第三結像レンズのうち、前記第一結像レンズのみを前記観察光路に配置するか、前記第二結像レンズのみを前記観察光路に配置するか、または、前記第一結像レンズと前記第三結像レンズとを前記観察光路に配置するかのいずれかを選択して前記観察光路に配置する第一選択部と、
第一対物レンズと、
第二対物レンズと、
前記第一対物レンズと前記第二対物レンズとのいずれかを選択して前記観察光路に配置する第二選択部と、
前記第二選択部により選択された対物レンズを認識する認識部と、
光学系の倍率を選定する倍率選定部と、
前記観察光路に配置された絞りと、
前記倍率選定部により選定された光学系の倍率と、前記認識部により認識された対物レンズとに基づき結像レンズを決定する結像レンズ決定部と、
前記第一結像レンズ、前記第二結像レンズおよび前記第三結像レンズのうち、前記結像レンズ決定部により決定された前記第一結像レンズのみ、前記第二結像レンズのみ、または、前記第一結像レンズと前記第三結像レンズが前記観察光路に配置されるよう前記第一選択部を制御する制御部とを有し、
前記観察光路に対して直交した方向における前記第一スライド部材の第一端部が前記第一フレームに設けられた第一停止部材に接触して停止すると、前記第二結像レンズが前記観察光路に位置決めされ、
前記観察光路に対して直交した方向における前記第一スライド部材の第二端部が前記第一フレームに設けられた第二停止部材に接触して停止し、第二スライド部材の端部が第二フレームに設けられた停止部材に接触して停止すると、前記第一結像レンズと前記第三結像レンズとが前記観察光路に位置決めされる
ことを特徴とする拡大観察装置。 - 前記絞りは、
前記第一対物レンズの瞳位置に配置された第一可変絞りと、
前記第二対物レンズの瞳位置に配置された第二可変絞りと、
を有し、
前記制御部は、
前記認識部により認識された対物レンズが前記第一対物レンズである場合、前記第一可変絞りを制御し、前記認識部により認識された対物レンズが前記第二対物レンズである場合、前記第二可変絞りを制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の拡大観察装置。 - 前記第一対物レンズは、前記第一可変絞りを内蔵していることを特徴とする請求項2に記載の拡大観察装置。
- 前記第二可変絞りは、前記第二対物レンズの外側にある観察光路に配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の拡大観察装置。
- 前記光学系の倍率と絞り量との関係を示すテーブルと、
前記テーブルを参照することで前記倍率選定部により選定された光学系の倍率に対応する絞り量を決定する絞り決定部と、をさらに有し、
前記制御部は、前記絞り決定部により決定された絞り量となるように前記絞りを制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の拡大観察装置。 - 前記テーブルは、深度を優先する第一テーブルと、解像度を優先する第二テーブルとを有し、
前記絞り決定部は、前記第一テーブルと前記第二テーブルとのうちユーザにより選択されたテーブルを使用することを特徴とする請求項5に記載の拡大観察装置。 - 前記観察光路に対して直交した方向は、前記拡大観察装置のチルト軸と平行であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の拡大観察装置。
- 前記第一選択部により選択された対物レンズを介して照明光を観察対象物に照射する光源と、
前記光源から出力された出力光を前記対物レンズへ導くハーフミラーと、
前記光源と前記ハーフミラーとの間に配置された第三可変絞りと
をさらに有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の拡大観察装置。 - 前記第二選択部は、レボルバであり、
前記レボルバは、
前記第一対物レンズが取り付けられる第一マウントと、
前記第二対物レンズが取り付けられる第二マウントと、
を有し、
前記第一マウントおよび前記第二マウントは前記認識部と通信するための複数の接点を有し、
前記認識部は、前記第一マウントの前記複数の接点を介して前記第一対物レンズに設けられ通信部と通信することで前記第一対物レンズの識別情報を取得し、当該識別情報に基づき前記第一対物レンズを認識し、前記第二マウントの前記複数の接点を介して前記第二対物レンズに設けられ通信部と通信することで前記第二対物レンズの識別情報を取得し、当該識別情報に基づき前記第二対物レンズを認識することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の拡大観察装置。 - 前記第二選択部は、レボルバであり、
前記レボルバは、
前記第一対物レンズが取り付けられる第一マウントと、
前記第二対物レンズが取り付けられる第二マウントと、
を有し、
前記第一マウントおよび前記第二マウントは前記認識部と通信するための回転可能な複数の接点を介して接続されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の拡大観察装置。 - 前記第一結像レンズは狭視野の結像レンズであり、
前記第二結像レンズは広視野の結像レンズであり、
前記第二結像レンズのみ、第一結像レンズのみ、第一結像レンズと第三結像レンズの組み合わせの順に倍率が高くなるよう構成されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載の拡大観察装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018223952A JP7251957B2 (ja) | 2018-11-29 | 2018-11-29 | 拡大観察装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018223952A JP7251957B2 (ja) | 2018-11-29 | 2018-11-29 | 拡大観察装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020086298A JP2020086298A (ja) | 2020-06-04 |
JP7251957B2 true JP7251957B2 (ja) | 2023-04-04 |
Family
ID=70907920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018223952A Active JP7251957B2 (ja) | 2018-11-29 | 2018-11-29 | 拡大観察装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7251957B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005316362A (ja) | 2004-03-31 | 2005-11-10 | Olympus Corp | 観察装置および蛍光観察装置 |
JP2011008000A (ja) | 2009-06-25 | 2011-01-13 | Olympus Corp | 蛍光観察装置および蛍光観察方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3563800B2 (ja) * | 1995-01-09 | 2004-09-08 | オリンパス株式会社 | 観察光学装置 |
JP3861372B2 (ja) * | 1997-04-17 | 2006-12-20 | 株式会社ニコン | 顕微鏡 |
-
2018
- 2018-11-29 JP JP2018223952A patent/JP7251957B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005316362A (ja) | 2004-03-31 | 2005-11-10 | Olympus Corp | 観察装置および蛍光観察装置 |
JP2011008000A (ja) | 2009-06-25 | 2011-01-13 | Olympus Corp | 蛍光観察装置および蛍光観察方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020086298A (ja) | 2020-06-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5875812B2 (ja) | 顕微鏡システムおよび照明強度調整方法 | |
US9690089B2 (en) | Magnifying observation apparatus, magnified image observing method and computer-readable recording medium | |
JP5863357B2 (ja) | 拡大観察装置、並びに、拡大観察装置の画像表示方法及び検鏡法切換方法 | |
JP4267030B2 (ja) | 顕微鏡装置、コントローラ、及びプログラム | |
JP2005157340A (ja) | 立体顕微鏡 | |
JP7268991B2 (ja) | 拡大観察装置 | |
KR20200052157A (ko) | 고배율 이미지가 저배율 이미지에 의해 가이드되는 디지털 현미경 및 디지털 현미경 시스템 | |
JP6818616B2 (ja) | 顕微鏡装置 | |
JPH10339845A (ja) | モニタ観察型顕微鏡 | |
JP5893314B2 (ja) | 表示装置および顕微鏡システム | |
JP2017156207A (ja) | 撮像装置および撮像方法 | |
EP2253984A1 (en) | Microscope | |
JP7268992B2 (ja) | 拡大観察装置 | |
CN113039470B (zh) | 显微镜装置 | |
JP7251957B2 (ja) | 拡大観察装置 | |
US10816783B2 (en) | Magnifying observation apparatus | |
US20170013186A1 (en) | Autofocus for imaging system | |
JP2005148584A (ja) | 共焦点レーザ顕微鏡 | |
JP2020086296A (ja) | 拡大観察装置 | |
JP5532318B2 (ja) | 顕微鏡装置および記録媒体 | |
JP2015082099A (ja) | 顕微鏡を制御する制御装置、顕微鏡システム、制御方法およびプログラム | |
JP6062028B2 (ja) | 拡大観察装置、及び、拡大観察方法 | |
JP6971770B2 (ja) | 拡大観察装置 | |
JP3125124U (ja) | 赤外顕微鏡 | |
JP6362435B2 (ja) | 顕微鏡システム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20210113 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210908 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221031 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221216 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230313 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230323 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7251957 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |