JP2006335635A - セリアゾルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 セラミックス材料、研磨剤、紫外線吸収剤、薄膜材料、塗料等の用途で利用される平均粒子径が5〜15nmであり、単分散である事を特徴とするセリアゾルを高収率、高純度で効率的に製造する方法を提供する
【解決手段】
水酸化セリウム又は水和酸化セリウムと硝酸及び純水とをセリウム濃度がCeO換算で20〜50%、硝酸量がHNO/Ceモル比で0.1〜0.8となるように混合・調製した反応分散液を80〜150℃で保持し、生成したセリアゾル粒子の可逆的凝集体の沈殿物を水で希釈することにより解膠させること特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、セリアゾルの製造方法に関する。
セリアゾルは触媒、焼結体、焼結助剤、固溶体、セラミックス材料、研磨剤、紫外線吸収剤、薄膜材料、塗料、吸着剤等の用途で利用されている。これらの用途では水酸化セリウム、酸化セリウムの粉体も使用されている。セリアゾルはその優位性のためにそれら粉体に代わり上記用途に使用される。
セリアゾルと水酸化セリウム、酸化セリウムの粉体との大きな違いは、それらに含まれるセリアゾル粒子と水酸化セリウム、酸化セリウムの粉体の平均粒子径が大きく異なることである。一般的にセリアゾル粒子の平均粒子径は10〜100nmであり、水酸化セリウム、酸化セリウムの粉体の平均粒子径はミクロンオーダーである。
一般的に金属酸化物ゾル粒子や金属酸化物の粉体の平均粒子径は粒子自体の反応活性の指標となる。平均粒子径が小さい場合、粒子はより大きい比表面積を持つため、反応活性が高い。上記の反応活性の意図する反応とは触媒、凝集、焼結、固溶、吸着等の粒子表面が関与するあらゆる反応である。
セリアゾル中のセリアゾル粒子はゾル中のイオン濃度の制御によって適当な表面電位を与えられており、セリアゾル粒子同士はこの表面電位のために互いに凝集しない。したがって、セリアゾル中では上記反応活性が高い状態、即ちセリアゾル粒子の平均粒子径が水酸化セリウム、酸化セリウムの粉体が決して成しえないようなナノオーダーのサイズを保った状態でセリアゾル粒子は存在し得る。これがセリアゾルの最大の特長であり、この水酸化セリウム、酸化セリウムの粉体に対する優位性のためにセリアゾルは上記用途において好適に使用される。上記用途においてセリアゾルの平均粒子径や単分散等の特性は特に重要である。
焼結体、固溶体などの原料としてセリアゾルは好適である。これらの用途においてセリアゾルは他の材料と混合され使用されるが、セリアゾルは流動性を持ち他の材料と容易に混合できるため、焼結体においては低温での焼結やミクロレベルの均一性を達成でき、固溶体であれば酸化セリウムの粉体を用いたときより低温での単一固溶相の生成を促進する。焼結、固溶反応は全てセリアゾル粒子の表面活性の強さに依存するため、セリアゾル粒子の平均粒子径が小さいほどセリアゾルの粒子の比表面積は大きくなり、表面活性が増大するため焼結、固溶反応はより低温で起こりやすくなる。
また、セリアゾルを含んだ他材料とのスラリー状物質においてはセリアゾル粒子が微細であるが故の強い粒子界面の相互作用によってスラリー状物質に適度な粘性を与え、成型体の加工を容易にすることができる。セリアゾルを原料として得られた焼結体中ではセリアゾル粒子は焼結前の構造を比較的維持しており、微粒子のまま焼結体となるため焼結体の強度を高める効果を発揮する。
セリアゾルが単分散であることは個々のセリアゾル粒子レベルで物理的、化学的安定性が同等であることを意味する。焼結体、固溶体の生成で重要なのはそれらがミクロレベルで均一な組成を持つことであるが、セリアゾルが単分散ならば個々のゾル粒子の焼結、固溶反応がある特定の温度で一斉に起こり、均一な組成の焼結体、固溶体を得ることができる。
一方、紫外線吸収剤用途においてもセリアゾルの平均粒子径や単分散等の特性は重要である。例えば、紫外線吸収膜を基材に形成させるとき、平均粒子径が小さいことで膜にセリアゾル粒子が密に充填されるため、丈夫で紫外線吸収作用の強い膜を作ることができる。また、平均粒子径が大きいと可視光の散乱が起こるため可視光透過性が低下し、透明紫外線吸収薄膜としては適さないため、平均粒子径が小さい方が有利である。このときセリアゾルが単分散であると、局所的な紫外線吸収や可視光透過が均一な透明紫外線吸収薄膜を得ることができる。
特に平均粒子径が小さく単分散なセリアゾルが求めらる背景は、上記用途に用いられる機能性を発揮するセリア粒子そのものの活性の向上に加えて、従来の粒子径を持つ粉末やゾルとの複合化を可能にすることにある。無機複合酸化物の一次粒子単位での材料設計を行なうためには、よりハンドリングに優れ、複合化しやすいセリアゾルが必要となる。
又、このようなセリアゾルを高収率、高純度で効率的に製造出来ることが望まれている。
ところで、セリアゾルに関して以下のような開示がある。
特許文献1には、
(1)一般式(Ia) Ce(OH)(NO・nHO (Ia)(式中、xはx=4−yとなるような数である。yは0.35〜0.7である。nは0以上約20以下である。)の化合物、または
(2)一般式(Ib) Ce(OH)(NO (Ib)(式中、xはx=4−yとなるような数である。yは0.35〜0.7である。CeO%で表されるセリウムの含有量は77〜72%である。)の化合物、または
(3)一般式(Ic) Ce(OH)(NO・pCeO (Ic)(式中、xはx=4−yとなるような数である。yは0.35〜1.5である。pは0以上2.0以下である。CeO%で表されるセリウムの含有量は、yが0.35〜0.7であるときは77〜72%の値よりも大きい。)の化合物に相当するセリウムIV化合物を水に縣濁させることからなるセリウムIV化合物の水性ゾルの製造方法、が記載されている。
又、特許文献2には、セリウム(IV)化合物のコロイド水性分散体を2.5〜5.0のpKaを示す水溶性の1価酸の塩によって不安定化し、得られた沈殿を分離し、次いでこの沈殿を水性媒体に再分散させることからなることを特徴とする、弱酸性を示す水性媒体中のセリウム(IV)化合物のコロイド分散体の製造方法、が記載されている。
更に、特許文献3には、硝酸第二セリウム(IV)水溶液と反応媒体のpHが4.0〜9.0であるような量の塩基とを反応させて式(I)Ce(OH)(NO・nHO(I)(式中、yは0.25〜0.35であり、xはx=4−yとなるような数であり、nは0〜20である。)に相当するヒドロオキシ硝酸セリウムを調製し、得られた沈殿を分離し、洗浄し、得られた生成物を酸性水性媒体に分散させることを特徴とする、セリウム濃度の高いセリウムIV化合物の水性コロイド分散液の製造方法、が記載されている。
一方、特許文献4には、セリウム塩化合物とアルカリ金属の水酸化物またはアンモニアと反応させゲルを生成させた後、これを水熱処理することを特徴とする結晶質酸化第二セリウムゾルの製造方法、が記載されている。
しかしながら、上記特許文献1記載の製造方法では、得られるセリアゾルの平均粒子径は、上記一般式(Ia)または(Ib)または(Ic)で示された化合物に相当するセリウムIV化合物の性質に依存するため、又、上記特許文献2記載の製造方法では、コロイド水性分散体を塩にて凝集させ再び分散させるといった煩雑な工程を経るため、又、上記特許文献3記載の製造方法においては、ヒドロオキシ硝酸セリウムの調製が必要であるために精度よく一定な平均粒子径のセリアゾルを得難く、製造効率面においても不利である。
一方、上記特許文献4記載の方法では、セリウム塩化合物とアルカリ金属の水酸化物またはアンモニアと反応させて生成させたゲルのセリウム濃度が低いため製造効率が悪く、また、水熱処理にはオートクレーブを必要とするため工業化が容易ではない。
更に、上記特許文献1〜3の製造方法では、硝酸、塩などの不純物を多く含むため、高純度のセリアゾルの製造方法としては不適である。従って、上記特許文献1〜3記載の製造方法では、高収率、高純度で効率的な製造によって平均粒子径が小さくかつ単分散である透明なセリアゾルを供給する事が難しく、上記用途に適さない。
特公平8−11690号 特許第2537671号 特許第2517265号 特公平6−2582号
本発明は上記の問題に鑑みて成されたものであって、その目的は触媒、セラミックス材料、研磨剤、紫外線吸収剤、薄膜材料、塗料等の用途で利用される平均粒子径が5〜15nmであり、単分散である事を特徴とするセリアゾルを高収率、高純度で効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、セリアゾルの製造に際し、水酸化セリウム又は水和酸化セリウムと硝酸及び純水とを特定の比率で混合し、特定の温度で加熱処理することにより上記目的を達成する事を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1)水酸化セリウム又は水和酸化セリウムと硝酸及び純水とをセリウム濃度がCeO換算で20〜50%、硝酸量がHNO/Ceモル比で0.1〜0.8となるように混合・調製した反応分散液を80〜150℃で保持し、生成したセリアゾル粒子の可逆的凝集体の沈殿物を水で希釈することにより解膠させること特徴とするセリアゾルの製造方法、
(2)得られたセリアゾルの平均粒子径が5〜15nmであることを特徴とする前記(1)記載のセリアゾルの製造方法、
を提供する。
本発明により、セリアゾルを高収率、高純度で製造することができ、又、製造されるセリアゾルは平均粒子径が5〜15nmで単分散であることから、触媒、セラミックス材料、研磨剤、紫外線吸収剤、薄膜材料、塗料等の用途で好適に用いることができる。
以下、本発明のセリアゾルの製造方法について詳細に説明する。
なお、本発明において、平均粒子径とは粒子径分布の累積頻度が50%となる粒子径を言う。
セリアゾル
本発明で製造されるセリアゾルは平均粒子径が5〜15nmであり、単分散であることを特徴とする。
図1に本発明で製造されたセリアゾルの粒子径分布を示す。これより、該セリアゾルは5〜15nmの範囲に粒子径分布を持ち、平均粒子径が約10nmで、粒子径分布の累積頻度が10%となる粒子径が7nmであり、90%となる粒子径が13nmであることがわかる。
セリアゾルの製造方法
先ず、本発明において用いる水酸化セリウム又は水和酸化セリウムは特に限定されるものではなく、通常工業的に入手できるものであれば良い。
なお、水和酸化セリウムとは、組成式CeO・nHO(n=0.1〜2.5)で示される化合物で、X線回折測定でホタル石型構造の回折パターンを示すものを意味する。
そして、水酸化セリウム又は水和酸化セリウムをセリウム濃度がCeO換算で20〜50%、好ましくは30〜40%となるように水(好ましくは、純水、以下同様)に分散し、適当な攪拌を加える。このとき、セリウム濃度が20%未満ではセリアゾルの製造効率が低下し、又、50%を超えると攪拌が困難となるため好ましくない。
次に、水酸化セリウム又は水和酸化セリウムを水に分散した系へHNO/Ceモル比が0.1〜0.8、好ましくは0.1〜0.6、さらに好ましくは0.1〜0.4相当の硝酸を添加し、反応分散液を調製する。
水酸化セリウム又は水和酸化セリウムと硝酸との反応において、セリアゾルがどのように生成するか明らかではないが、硝酸によって水酸化セリウム又は水和酸化セリウムの粒子は平均粒子径5〜15nmのセリアゾル粒子にまで解体され、次に、生成したセリアゾル粒子と反応分散液の溶媒との界面近傍において、硝酸から供給されるプロトンの吸着によって正電荷に帯電したセリアゾル粒子表面と、対イオンのNO によって電気二重層が形成され、この電気二重層の斥力によって、生成したセリアゾル粒子は再び強く凝集することなく存在できると考えられる。
従って、反応分散液の調製において硝酸が少なすぎる場合は、水酸化セリウム又は水和酸化セリウムは十分に解体しないか上記の電気二重層が十分に形成されないために、セリアゾルが高収率で得られず、又、セリアゾルの粒子径の制御が困難となり多分散となる恐れがあるため好ましくない。
一方、硝酸の量が多すぎる場合には、水酸化セリウム又は水和酸化セリウムが反応分散液の溶媒中へイオンとして溶解するためセリアゾル粒子の生成量が減少しセリアゾルの収率の著しい低下をまねき、さらに、後述するセリアゾル粒子の可逆凝集体の沈殿物が解膠し難くなり、不純物を増加させるため好ましくない。
反応分散液に対する硝酸の量は、後述の工程でセリアゾル粒子の可逆的凝集体の沈殿物を適当量の水で希釈し解膠させることで得られるセリアゾルに含まれる硝酸量に影響する。このとき該沈殿物を水で希釈し調製されるセリアゾル粒子を含む分散液はpH1以上となるように調製される。
反応分散液の調製において硝酸の量が多いほど、pH1以上のセリアゾル粒子を含む分散液を調製するためにより多くの水が必要となり、そのとき得られるセリアゾルのセリウム濃度は低下する。
又、後述する限外ろ過による硝酸濃度の希釈にもより多くの時間を要し、限外ろ過の排水にはより多くの硝酸が含まれるため、環境負荷を増大する。従って、硝酸の量は必要最小限にとどめるべきである。
この硝酸の添加量が本発明の最大のポイントであり、これは、本発明者がセリアゾル粒子の生成が反応分散液の溶媒中の硝酸濃度に依存し、硝酸濃度が一定であれば反応分散液中のセリウム濃度によらずセリアゾル粒子が生成されることを見出し、この事実に基づき、反応分散液の溶媒量を減少させることで、反応分散液の調製に使用する硝酸の量を減らすことを考案し、硝酸の使用量の低減による高収率かつ不純物の少ないセリアゾルの製造を可能としたことによる。
又、反応分散液の溶媒量の減少は反応分散液のセリウム濃度の上昇と等価であるためセリアゾルの製造効率が高まる利点がある。本発明のセリアゾルの製造方法は少量の硝酸で高純度なセリアゾルを高収率、高効率に製造できる利点を持つ。
上記のごとく調製された水酸化セリウム又は水和酸化セリウムと硝酸および水で構成される反応分散液を適度に攪拌しながら、反応温度80〜150℃で保持する。反応温度は水酸化セリウム又は水和酸化セリウムと硝酸との反応によってセリアゾル粒子が生成する速度に影響し、反応温度が高いほど反応は速く進行するため効率がよい。
したがって、反応温度が低すぎる場合はセリアゾル粒子の生成する速度が遅くなり非効率であることや、安全性や温度制御の容易さから鑑みて80〜150℃で反応することが望ましい。反応温度を反応分散液の溶媒の沸点(100〜105℃)〜150℃とする場合、溶媒の蒸発を抑制するため反応容器にはオートクレーブを用いることが好ましく、反応分散液の溶媒の沸点(100〜105℃)未満で保持する場合は、反応温度の保持が可能な容器であれば特に限定されず工業化が容易である。
一方、反応温度を保持する時間は、セリアゾル粒子の生成反応を完結させ収率を高めるために、反応温度にもよるが6時間以上保持することが好ましい。セリアゾル粒子の生成が完結すれば、それ以上の保持時間は無意味である。
なお、反応の終了は、反応分散液の溶媒中のセリウム濃度がほぼ恒量となることにより判断することができる。反応が進行する間は溶媒中のセリウム濃度は減少していく。
そして、反応分散液の反応温度での保持が終了した後、反応分散液中に生成したセリアゾル粒子は可逆的凝集体の沈殿物を形成しており、該沈殿物をデカンテーション又はろ過にて分離する。
次に、該沈殿物を水で希釈し、セリウム濃度がCeO換算で5〜15%、pH1以上となるようセリアゾル粒子を含む分散液を調製し、該分散液中のセリアゾル粒子を解膠させることで本発明のセリアゾルを得る。
このとき、該沈殿物は水での希釈によって該沈殿物に含まれるセリアゾル粒子に付着した溶媒の硝酸濃度の低下が起こるため、硝酸濃度に依存するセリアゾル粒子界面近傍での電気二重層の厚さが広がり、それに伴いセリアゾル粒子間に働く斥力の有効粒子間距離が増大することでセリアゾル粒子は解膠する。
従って、セリアゾル粒子を解膠させ本発明のセリアゾルを得るためには、セリアゾル粒子を含む分散液のpH1が以上となるように硝酸濃度を調節するため水で希釈する必要があり、このときのセリウム濃度はpH1以上となるように希釈した結果としてCeO換算で5〜15%となる。
該沈殿物を希釈する水量が少なく、該分散液のpHが1未満である場合、硝酸濃度が高すぎるために凝集したままのセリアゾル粒子が存在し、その結果セリアゾルの平均粒子径は5〜15nmよりも大きくなり、セリアゾルの透明性も失われるため好ましくない。
又、セリアゾル粒子の解膠によって得た本発明のセリアゾルを限外ろ過を用いて精製し、主に硝酸濃度を希釈し、必要に応じて濃縮することでセリウム濃度をCeO換算で5〜40%の任意の濃度とすることもできる。
又、本発明のセリアゾルは水およびメチルアルコール、エチルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン等の親水性有機溶媒において任意のセリウム濃度に希釈し用いることができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
先ず、水和酸化セリウム1000gを純水875gに分散し、適度に攪拌しながら、そこへ67.5%硝酸を125g添加し反応分散液を調製した。
該反応分散液のセリウム濃度はCeO換算で30%、HNO/Ceモル比は0.38、pHは1未満であった。
次に、該反応分散液を攪拌しながら加熱し反応温度100℃で48時間保持した。保持が終了後一昼夜静置し、反応分散液中から生成したセリアゾル粒子の可逆的凝集体の沈殿物1200gをデカンテーションにて分離した。
そして、該沈殿物を10.8リットルの純水で希釈しセリウム濃度がCeO換算で5%、pH1.5である黄色透明なセリアゾルを得た。該セリアゾルの粒子径分布を図1に示す。
図1より、平均粒子径が10nm、粒子径分布の累積頻度が10%となる粒子径が7nm、90%となる粒子径が13nmであった。
更に、該セリアゾルを限外ろ過することで、該セリアゾルのセリウム濃度を濃縮及び硝酸濃度を希釈しセリウム濃度がCeO換算で20%、pH2.5である黄色透明なセリアゾルを得た。このときのセリアゾルの収率は99%であった。
比較例1
HNO/Ceモル比が1.0となるように67.5%硝酸を330g添加した以外は、実施例と同様にしてセリアゾル粒子の可逆的凝集体の沈殿物1200gを得た。
該沈殿物を20リットルの純水で希釈しセリウム濃度がCeO換算で2.3%、pH1.1である黄色透明なセリアゾルを得た。
該セリアゾルのセリウム濃度は実施例の半分以下にもかかわらず、pHは1.1と実施例より低く該セリアゾル中のHNO/Ceモル比が実施例よりも圧倒的に大きいことが確認された。
更に、該セリアゾル対し実施例と同様に限外ろ過を行った。実施例と同じセリウム濃度、pHのセリアゾルを得るためには実施例よりも長時間の限外ろ過が必要であった。このときの収率は約80%と実施例と比較して大幅に低下した。
比較例2
反応温度を70℃とした以外は、実施例と同様にしてセリアゾルを製造した。
このときの収率は約80%と実施例と比較して大幅に低下した。該セリアゾルの平均粒子径は15nmと実施例よりも大きく、僅かに乳白色のコロイド濁が見られた。
比較例3
先ず、水和酸化セリウム167gを純水1833gに分散し、適度に攪拌しながら、そこへ67.5%硝酸を21g添加し反応分散液を調製した。
該反応分散液のセリウム濃度はCeO換算で5%、HNO/Ceモル比は0.38、pHは1未満であった。
次に、該反応分散液を攪拌しながら加熱し反応温度100℃で48時間保持した。保持が終了後一昼夜静置し、反応分散液中から生成した沈殿物200gをデカンテーションにて分離した。
そして、該沈殿物を3リットルの純水で希釈しpH1以上としたが、未反応の水酸化セリウムが残っており静置すると底部に沈殿が堆積した。このときゾルの収率は約70%であった。
実施例と比較してHNO/Ceモル比で同量の硝酸を使用しているにもかかわらずセリアゾルが十分に生成しておらず、セリアゾルの製造方法として非効率であることが確認された。
実施例1で製造されたセリアゾルの粒子径分布を示す。

Claims (2)

  1. 水酸化セリウム又は水和酸化セリウムと硝酸及び純水とをセリウム濃度がCeO換算で20〜50%、硝酸量がHNO/Ceモル比で0.1〜0.8となるように混合・調製した反応分散液を80〜150℃で保持し、生成したセリアゾル粒子の可逆的凝集体の沈殿物を水で希釈することにより解膠させること特徴とするセリアゾルの製造方法。
  2. 得られたセリアゾルの平均粒子径が5〜15nmであることを特徴とする請求項1記載のセリアゾルの製造方法。
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