JPH0748123A - 新規なセリウムiv化合物の水性ゾルおよびその製造方法 - Google Patents

新規なセリウムiv化合物の水性ゾルおよびその製造方法

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JPH0748123A
JPH0748123A JP6076339A JP7633994A JPH0748123A JP H0748123 A JPH0748123 A JP H0748123A JP 6076339 A JP6076339 A JP 6076339A JP 7633994 A JP7633994 A JP 7633994A JP H0748123 A JPH0748123 A JP H0748123A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規なセリウムIV化合物の水性ゾルおよびそ
の製造方法を提供する。 【構成】 この水性ゾルは、一般式(I) Ce(OH)x(NO3)y・pCeO2・nH2O (I) (式中、xはx=4−yとなるような数である。yは
0.35〜1.5である。pは0以上2.0以下であ
る。nは0以上約20以下である。)に相当するセリウ
ムIV化合物を水に直接分散させることによって製造され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、新規なセリウムIV化
合物の水性ゾルおよびその製造方法に関する。さらに詳
しくは、この発明は水に直接分散させることができるセ
リウムIV化合物からの水性ゾルの製造方法を提供するこ
とを目的としている。
【0002】
【従来技術】カーク・オスマー「エンサイクロペディア
・オブ・ケミカル・テクノロジー」(第二版)第4巻第
850頁から公知のように、第二セリウム塩の溶液に水
酸化ナトリウムまたは水酸化アンモニウムを添加するこ
とによって、式CeO2 ・xH2 O(式中、xは0.5
〜2の数)に相当しゼラチン状の沈澱の形を示す二酸化
セリウム水和塩を調製することができる。仏国特許第
2,482,075号によれば、風解剤、例えば硝酸、
の存在下に200〜450℃で熱処理した実質的に乾燥
した酸化セリウムIV水和塩を水性媒体に分散させること
からなる方法にしたがって、水に分散し得るセリウムIV
化合物を調製することが提案されている。このように、
風解剤の存在下で加熱すると酸化セリウムIV水和塩中に
集合している晶子の崩壊が起こり、分散し得る酸化セリ
ウム化合物を生成する。上記特許には酸化セリウム(I
V)水和塩の調製はセリウム塩から沈澱によって達成さ
れることが記載されている。例えば、高純度の炭酸第一
セリウムを硝酸または塩酸の溶液に溶解して第一セリウ
ムの中性の硝酸塩または塩酸塩を得て、これをNH4
H/H22 で酸化して酸化セリウム(IV)水和塩を得
ることができる。
【0003】この発明者らは直接分散させることができ
るとともに、別の経路によってコロイド分散液を得る前
に風解剤を使用した処理を介在させることなく得ること
ができるセリウムIV化合物を見いだした。
【0004】
【発明の具体的説明】この発明に従うセリウムIV化合物
は一般式(I) Ce(OH)x (NO3)y・pCeO2・nH2O (I) (式中、xはx=4−yとなるような数である。yは
0.35〜1.5である。pは0以上2.0以下であ
る。nは0以上約20以下である。)に相当する。一般
式(I)により定義されるセリウムIV化合物は直接水に
分散し得、セリウムIV化合物のコロイド分散液(以下に
「ゾル」という。)を得ることを可能にする。
【0005】その組成は、以下に詳しく説明するよう
に、この発明の別の対象である加水分解法により得られ
た水和したヒドロオキシ硝酸セリウムIVの多かれ少なか
れ促進された乾燥の条件に応じて式(I)に定義された
範囲内で変えることができる。したがって、本発明の式
(I)に相当する化合物は、セリウムIV塩水溶液を酸性
媒体中で加水分解し、得られた沈澱を分離し、場合によ
って熱処理することによって製造される。第一工程にお
いて、セリウムIV塩水溶液の加水分解が実施される。こ
のためにセリウムIV水溶液を出発材料として使用する
が、これは硝酸第二セリウム水溶液でもよい。この溶液
は第一セリウムの状態のセリウムを含有していても不都
合はないが、沈澱の収率をよくするためにはセリウムIV
を85%以上含有していることが望ましい。セリウム塩
溶液は最終生成物中に回収できる程の不純物を含有して
いないものを選ぶ。99%より高い純度を持つセリウム
塩溶液を使用するのが有利である。セリウム塩溶液の濃
度は臨界的意義を持つ因子ではない。セリウムIVで表す
とこの濃度は0.3モル/l、好ましくは0.5〜1.
5モル/lである。
【0006】原料としては、従来の方法に従って第一セ
リウム塩、例えば炭酸第一セリウム、の溶液とアンモニ
ア溶液を反応させて調製された酸化第二セリウム水和塩
に硝酸を作用させることによって得られた硝酸第二セリ
ウムの溶液が挙げられる。硝酸第一セリウム溶液の電解
酸化法[仏国特許出願公開第2,570,087号公報
(仏国特許出願第8413.641号)]によって得ら
れた硝酸第二セリウム溶液は好ましい原料である。
【0007】加水分解媒体は水からなり、その性質は重
要ではないが、蒸留水または交換水が好ましい。酸度は
鉱酸を添加することにより与えられる。好ましくは硝酸
が選ばれる。濃縮または例えば10-2Nまで希釈した酸
を使用することができる。また、酸度は硝酸第二セリウ
ム溶液に由来していてもよく、この溶液は弱酸性であっ
てもよく、規定度は0.01〜5N、好ましくは0.1
〜1Nであってよい。加水分解反応のために導入される
+ イオンの量はモル比[H+ ]/[CeIV当量]が0
以上3以下となるような量である。モル比[H+ ]/
[CeIV当量]は好ましくは0.4〜2.5が選択され
る。セリウムIV塩水溶液と加水分解媒体(本質的に水)
の割合はセリウムIVの最終当量濃度が0.1〜1.0モ
ル/l、好ましくは0.2〜0.6モル/lとなるよう
に決められる。
【0008】セリウムIVの最終当量濃度は次の式によっ
て定義される。 [CeIV 当量] =([CeIV]×V')/(V+V') 式中、[CeIV]はセリウムIV塩溶液のモル/l濃度を
表す。Vは、場合によって酸を添加した水の体積を表
す。V′はセリウムIV塩溶液の体積を表す。上記の条件
下でおこなわれたセリウムIV塩の加水分解は好ましくは
70〜120℃の温度で、さらに好ましくは反応媒体の
還流温度(100℃程度)でおこなわれる。調節および
再現の容易な還流温度で操作するのがより容易である。
【0009】上記の製造方法は種々の変形例に従って実
施することができる。例えば、セリウムIV塩溶液を一度
に、徐々にまたは連続的に反応温度に昇温された、場合
によって酸を含有する、水に添加することができるし、
あるいは、この逆に添加することができる。好適な実施
態様に従えば、セリウムIV塩溶液と加水分解媒体を混合
し、次いでこの混合液を撹はん下に反応温度に昇温す
る。この方法は連続的に操作することができる。そのた
めにセリウムIV塩溶液と加水分解媒体を同時にかつ連続
的に混合し、この混合物を連続的に選ばれた反応温度に
加熱する。加水分解の反応時間は2〜8時間、好ましく
は3〜6時間である。操作終了時に沈澱が形成される。
加水分解反応の収率はセリウムIVの最終当量濃度とモル
比[H+ ]/[CeIV当量]によって決まる。すなわ
ち、反応媒体が希釈されているほど、かつ、モル比[H
+ ]/[CeIV当量]が小さいほど収率が高い。例え
ば、セリウムIVの最終当量濃度が0.35モル/lに等
しくモル比[H+ ]/[CeIV当量]が0〜2.5に達
するときは収率は100〜25%である。
【0010】この方法の第二工程は懸濁液の形をした温
度が90〜100℃の反応混合物を従来公知の方法に従
って分離することからなる。この操作は反応混合物を室
温(たいていの場合10〜25℃の温度)に冷却する前
にまたは冷却した後に行われる。この沈澱は従来公知の
分離技術、すなわち、ろ過、デカンテーション、脱水お
よび遠心分離に従って分離される。
【0011】この方法の第三工程は分離された沈澱を熱
処理することからなる。この操作は、第一工程の加水分
解に次いで分離された沈澱が水に直接分散し得ること、
および分離された沈澱を乾燥することなく水に懸濁して
水性ゾルを直接得ることができることが見いだされてい
るので、任意である。実際、乾燥工程は必須ではなく、
自由水をすべて除去することは必要ではない。
【0012】この場合、得られる生成物は一般式(I
a) Ce(OH)x(NO3)y・nH2 O (Ia) (式中、xはx=4−yとなるような数である。yは
0.35〜0.7である。nは0以上約20以下であ
る。)に相当する。一般式(Ia)により定義されるセ
リウムIV化合物は一般式(I)においてpが0に等し
く、nが0以上約20以下の化合物に相当する。
【0013】分離された沈澱を時間と温度のパラメータ
を調節しつつ乾燥工程に付する際に、それらのパラメー
タの増加するに従って、一般式(I)においてnが0以
上約20以下の場合に相当する一般式(Ia)のセリウ
ムIV化合物、一般式(I)においてnおよびpがともに
0に等しい場合に相当する一般式(Ib)のセリウムIV
化合物、および一般式(I)においてnが0に等しく、
pが0より大きい場合に相当する一般式(Ic)のセリ
ウムIV化合物が得られる。さらに詳しくいうと、セリウ
ムIV化合物は下記の一般式(Ib)で表わされる。 Ce(OH)x(NO3)y (Ib) (式中、xはx=4−yとなるような数である。yは
0.35〜0.7である。CeO2 の%で表わされるセ
リウム含有量は77〜72%である。)乾燥条件がもっ
と強く、かつ、CeO2 含有量がy=0.7に対して7
2%を超え、y=0.35に対して77%を超え、y=
0.35〜0.7に対して77〜72%であるならば、
得られた化合物は酸化第二セリウムの存在を証明する下
記一般式(Ic)により表わされる。 Ce(OH)x(NO3)y・pCeO2 (Ic) (式中、xはx=4−yとなるような数を表す。yは
0.35〜1.5である。pは0以上2.0以下であ
る。)
【0014】乾燥条件は広い範囲で変えられる。すなわ
ち、温度は15〜100℃、好ましくは室温〜50℃で
ある。乾燥時間は乾燥生成物(n=0)を得るために、
好ましくは5〜48時間から選ばれる。乾燥操作は風乾
によりまたは例えば1〜100mmHg(133.3322
〜13332.2Pa)の減圧下で行われる。乾燥生成
物が得られる場合、すなわち、得られた化合物が式
(I)においてnが0に等しい場合に相当する場合は結
晶化した生成物が得られる。
【0015】X線回折分析によればこのものは大きさの
パラメータが5.41〜5.44オングストローム結晶
度が40%以上、たいていは40〜70%であるCeO
2 型の結晶相を持つ結晶化生成物であることが示されて
いる。結晶化した部分では晶子の大きさは一般に60オ
ングストローム未満、好ましくは30〜50オングスト
ローム、と小さい。式(Ia)、(Ib)または(I
c)のどれに相当するものでも、全体として式(I)に
よって表わされるこの発明の化合物は水に直接に分散し
得る。
【0016】従って、この発明の主題は式(I)に相当
するセリウムIV化合物から得られる水性ゾルである。ま
た、この発明はセリウムIV化合物の水性ゾルの調製法、
すなわち、水に式(I)に相当するセリウムIV化合物を
懸濁させる方法を提案する。この化合物は水性媒体また
は弱酸性媒体にpH1〜2.5のゾルがもたらされるよ
うに分散される。水の場合はその性質は臨界的意義を持
たず、温度は一般に室温である。好ましくは、撹はん下
にこのゾルの調製を行う。
【0017】この発明に従って得られたゾルはセリウム
IV化合物が本質的に水にコロイド状分散液の形をしてい
るが、イオン状態のCeIVの存在を排除していない。コ
ロイド状態のセリウムIVの割合は一般に95%を超え、
好ましくは99〜100%である。この発明に従って、
CeO2 で表わした濃度が2モル/l以下、好ましくは
0.5〜1.0モル/lのセリウムIV化合物の水性ゾル
を調製することができる。コロイド粒子の大きさが広い
範囲で変わりうるゾルが得られる。コロイド粒子の大き
さはマイケル・エル・マッコンネルにより記載された方
法に従う準弾性光散乱し[アナリティカル・ケミストリ
ー、第53巻、第8号1007A(1981年)]によ
り測定されたコロイドの流体動力学的平均粒径大きさに
よって定義される。コロイド粒子の分布は次のようにし
て認められる。すなわち、コロイド粒子の大きさは粒子
の併進の拡散係数の大きさと相関関係を持ち、次の比に
より定義される偏差値を測定することにより分布の均一
性が証明される。
【化1】 式中、Dτは併進の拡散係数を表わし、大きさは準弾性
光散乱により実験的に入手できる。偏差値は一般に0.
1〜0.4、しばしば0.2近傍であることが確かめら
れている。
【0018】セリウムIV塩溶液と加水分解媒体を混合
し、この混合物を反応温度まで昇温するこの発明の好適
な実施態様によれば、セリウムIVの濃度と、加水分解媒
体について定義されるモル比、[H+ ]/[CeIV
量]、を変えることによってゾル中に存在するコロイド
粒子の大きさを調節することができる。得られたコロイ
ド粒子の大きさはセリウムIVの濃度とモル比[H+ ]/
[CeIV当量]が大きい程小さい。コロイドは一次晶子
の集合からなり、X線回折により測定されたその大きさ
は60オングストローム未満、好ましくは30〜50オ
ングストロームである。
【0019】この発明によれば、一次晶子の集合状態
は、セリウムIVの濃度および加水分解媒体について定義
されたモル比[H+ ]/[CeIV当量]を変えることに
より調節することができる。晶子の集合はセリウムIVの
濃度とモル比[H+ ]/[CeIV当量]が増加するほど
成長する。セリウムIVの最終当量濃度が0.4モル/l
未満であり、モル比[H+ ]/[CeIV当量]が0.7
5以下のときは、コロイドが一次晶子の緊密さに乏しい
配列によって構成されたゾルが得られる。セリウムIVの
最終当量濃度が0.4モル/l以上であって、モル比
[H+ ]/[CeIV当量]が0以上0.75以下のと
き、たはセリウムIVの最終当量濃度が任意の値であっ
て、モル比[H+ ]/[CeIV当量]が0.75を超え
3以下のときは一次晶子のより緊密な配列によって構成
されたゾルが得られる。この加水分解の第一工程で得ら
れた沈澱は、次いで分離され、場合によって熱処理に付
される。
【0020】晶子の集合状態を透過型電子顕微鏡写真で
調査したが、下記の加水分解条件で実施例1の操作態様
に従って調製したセリウムIV化合物から調製したゾルの
集合状態はち密であった。 [Ce IV]=0.23モル/l、 [H+ ]/[CeIV当量]=0.5、 80℃で乾燥 また、セリウムIVの濃度を0.46モル/lにした以外
は上記と同じ条件で調製したゾルの集合状態は晶子の配
列が緩んでいた。したがって、セリウムIVの濃度が低下
すると晶子の配列が緩むことが分かる。
【0021】コロイドが一次晶子の緊密な配列によって
構成されているゾルの別の実施態様は、セリウムIV塩溶
液を一度に、徐々にまたは連続的に、反応温度に昇温さ
れた場合によって酸を含有する水に添加するか、あるい
はその逆に添加する方法である。また別の実施態様は、
この方法を連続的に操作することである。このために、
セリウムIV塩溶液と加水分解媒体の混合を同時に、か
つ、連続的に行い、この混合物を選ばれた反応温度に連
続的に加熱する。二つの出発溶液を上記の実施態様に従
って使用するときはモル比[H+ ]/[CeIV当量]が
0以上3以下、好ましくは0〜2に選ばれる。
【0022】この発明に従って得られたゾルは貯蔵安定
性を示す。すなわち、数カ月貯蔵後もデカンテーション
が起きない。好ましくはアンモニア水溶液の添加により
行われるpH3.0程度になるまで塩基性化により同様
に流体動力学的平均粒径が300〜2,000オングス
トロームのより大きいコロイドを得ることができる。こ
の発明のセリウムIV化合物並びに対応するゾルは合成中
間体、例えば比表面積の大きい酸化第二セリウムを調製
するための中間体である。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げてこの発明をさらに詳し
く説明するが、この発明はこれらに限定されない。実施
例中、百分率は重量に基づいている。
【0024】実施例 1 a) 一般式(Ic)(y=0.71、p=0.58およ
びn=0)に相当するセリウムIV化合物のゾルの調製 温度計、撹はん装置、反応体導入系、還流冷却器および
加熱装置を備えた2リットル容の三首球形フラスコに室
温で下記のものを導入した。 蒸留水……1220cm3 仏国特許出願公開第2,570,087号公報に従
う電解酸化によって調製された硝酸第二セリウムでセリ
ウムIVを1.25モル/l、セリウムIII を0.05モ
ル/l含有し、遊離酸度0.5Nの硝酸第二セリウム溶
液……279cm3 加水分解媒体はCeO2 で表わされたセリウムIVの濃度
が40g/lであり、かつ、モル比[H+ ]/[CeIV
当量]が0.4に等しい。反応媒体を撹はん・還流下に
4時間維持した。フリットしたガラス(多孔度3)上で
ろ過した。得られた生成物を乾燥40℃の乾燥室で48
時間乾燥した。黄色の沈澱73.5gを収得した。得ら
れた生成物の化学分析により次の組成を持つことが示さ
れた。 燃焼損失 =20% CeO2 =80% モル比NO3 -/CeIV =0.45 加水分解反応の収率は98%と測定された。X線回折分
析はこの発明の生成物はCeO2 型の結晶相を有する結
晶化生成物であることを示している。これはふっ素型、
すなわち、面心構造である。格子定数5.42オングス
トロームおよび結晶度約55%が測定された。 b) セリウムIV化合物の水性ゾルの調製 a)において調製された化合物43gを十分量の蒸留水に
添加し200cm3 とした。CeO2 で表わして172g
/l(1M)のセリウムIV濃度を持ちpHが1近傍のゾ
ルを得た。準弾性光散乱試験により流体動力学的平均粒
径が900オングストローム程度であり偏差値が0.3
のコロイド粒径分布を持つコロイドの存在が示された。
得られたゾルは貯蔵安定性がよく6カ月以上デカンテー
ションを起こさない。透過型電子顕微鏡写真で晶子の集
合状態はち密であることが確認された。
【0025】実施例 2 a) 一般式(Ic)(n=0)に相当するセリウムIV化
合物のゾルの調製 下記のものを使用した以外は実施例1を繰り返した。 0.315N硝酸溶液……1,220cm3 セリウムIVを1.25モル/l、セリウムIII を
0.05モル/l含有し、遊離酸度0.5Nの硝酸第二
セリウム溶液……279cm3 加水分解媒体はCeO2 で表わされたセリウムIVの濃度
が40g/lであり、かつ、モル比[H+ ]/[CeIV
当量]が0.4に等しい。反応媒体を撹はん・還流下に
4時間維持した。得られた生成物のろ過および乾燥は実
施例1と同様に行った。黄色の沈澱76gを収得した。
得られた生成物の化学分析により次の化学組成を持つこ
とが示された。 燃焼損失 22.5% CeO2 77.5% 加水分解反応の収率は98.1%と測定された。X線回
折分析により結晶度が65%の割合であった。 b) セリウムIV化合物の水性ゾルの調製 a)において調製された化合物44.4gを十分な量の蒸
留水に添加し200cm3 とした。準弾性光散乱試験によ
り流体動力学的平均粒径が600オングストローム程度
であり偏差値が0.15のコロイド粒径分布を持つコロ
イドの存在が示された。
【0026】実施例 3 a) 一般式(Ic)(y=1.37、p=1.85およ
びn=0)に相当するセリウムIV化合物のゾルの調製 下記のものを使用した以外は実施例1を繰り返した。 0.6N硝酸溶液……1,220cm3 セリウムIVを1.25モル/l、セリウムIII を
0.05モル/l含有し、遊離酸度0.5Nの硝酸第二
セリウム溶液……279cm3 加水分解媒体はCeO2 で表わされたセリウムIVの濃度
が40g/lであり、かつ、モル比[H+ ]/[CeIV
当量]が2.5に等しい。反応媒体を撹はん・還流下に
4時間維持した。得られた生成物のろ過および乾燥は実
施例1と同様に行った。黄色の沈澱68.2gを収得し
た。得られた生成物の化学分析により次の化学組成を持
つことが示された。 燃焼損失 =16.6% CeO2 =83.4% モル比NO3 -/CeIV =0.48 加水分解反応の収率は95%と測定された。 b) セリウムIV化合物の水性ゾルの調製 a)において調製された化合物42.75gを十分な量の
蒸留水に添加し200cm3 とした。CeO2 で表わした
セリウムIVの濃度をもつゾルを得た。準弾性光散乱試験
により流体動力学的平均粒径が500オングストローム
程度であるコロイドの存在が示された。得られたゾルは
貯蔵安定性がよく6カ月以上デカンテーションを起こさ
ない。
【0027】実施例 4 a) 一般式(Ic)(y=0.84、p=0.96およ
びn=0)に相当するセリウムIV化合物のゾルの調製 下記の反応体から出発した。 蒸留水 ……942cm3 セリウムIVを1.25モル/l、セリウムIII を
0.05モル/l含有し、遊離酸度0.5Nの硝酸第二
セリウム溶液……558cm3 加水分解媒体はCeO2 で表わされたセリウムIVの濃度
が80g/lであり、かつ、モル比[H+ ]/[CeIV
当量]が0.4に等しい。反応媒体を撹はん・還流下に
4時間維持した。得られた生成物のろ過および乾燥は実
施例1と同様に行った。黄色の沈澱114gを収得し
た。得られた生成物の化学分析により次の化学組成を持
つことが示された。 燃焼損失 =18% CeO2 =82% モル比NO3 -/CeIV =0.43 加水分解反応の収率は78%と測定された。 b) セリウムIV化合物の水性ゾルの調製 a)において調製された化合物41.9gを十分な量の蒸
留水に添加し200cm3 とした。CeO2 で表わして1
72g/l(1M)のセリウムIV濃度をもちpHが1.
2近傍のゾルを得た。準弾性光散乱試験により流体動力
学的平均粒径が650オングストローム程度であり偏差
値が0.2のコロイド粒径分布を持つコロイドの存在が
示された。晶子の集合状態は第二図に示されているもの
と比較しうる。第一図および第二図の比較からこの実施
例の場合は晶子の配列がずっと緊密である。1.3Nア
ンモニア溶液を20cm3 /時間の流量で徐々に上記のよ
うに合成されセリウム濃度が0.5Mとなるように水で
希釈したゾルに添加することによりpHのより高い(p
H3まで)ゾルが得られる。1/100に希釈した後、
準弾性光散乱試験によりゾルを検査したところ流体動力
学的平均粒径が2,000オングストローム程度のコロ
イドの存在が示された。
【0028】実施例 5 a) 一般式(Ic)(n=0)に相当するセリウムIV化
合物のゾルの調製 下記のものを使用した以外は実施例1を繰り返した。 0.53N硝酸溶液……1,081cm3 セリウムIVを1.25モル/l、セリウムIII を
0.05モル/l含有し、遊離酸度0.5Nの硝酸第二
セリウム溶液……418cm3 加水分解媒体はCeO2 で表わされたセリウムIVの濃度
が60g/lであり、かつ、モル比[H+ ]/[CeIV
当量]が1.5に等しい。反応媒体を撹はん・還流下に
4時間維持した。得られた生成物のろ過および乾燥は実
施例1と同様に行った。燃焼損失17.4%の黄色の沈
澱90gを収得した。加水分解反応の収率は82%と測
定された。X線回折分析により結晶度が65%の割合で
あった。 b) セリウムIV化合物の水性ゾルの調製 a)において調製された化合物41.6gを十分な量の蒸
留水に添加し200cm3 とした。CeO2 で表わして1
72g/l(1M)のセリウムIV濃度を持ちpHが1近
傍のゾルを得た。準弾性光散乱試験により流体動力学的
平均粒径が500オングストローム程度であり偏差値が
0.1のコロイド粒径分布を持つコロイドの存在が示さ
れた。得られたゾルは貯蔵安定性がよく6カ月以上デカ
ンテーションを起こさない。
【0029】実施例 6 a) 一般式(Ic)(n=0)に相当するセリウムIV化
合物のゾルの調製 温度計、撹はん装置、反応体導入系、還流冷却器および
加熱装置を備えた反応器に室温で蒸留水1.89リット
ルを導入した。この溶液の温度を撹はん下100℃に上
げ、3時間でセリウムIVを1.25モル/l、セリウム
III を0.05モル/l含有し、遊離酸度0.52Nの
硝酸第二セリウム溶液1.11リットルを添加した。加
水分解媒体はCeO2 で表わされたセリウムIVの濃度が
80g/lであり、かつ、モル比[H+ ]/[CeIV
量]が0.4に等しい。反応媒体を撹はん・還流下に3
時間維持した。フリットしたガラス(多孔度3)上でろ
過した。得られた生成物を乾燥40℃の乾燥室で48時
間乾燥した。CeO2 を80%含有する式(Ic)に相
当する化合物250gを収得した。加水分解反応の収率
は84%と測定された。 b) セリウムIV化合物の水性ゾルの調製 a)において調製された化合物53.75gを十分な量の
蒸留水に添加し250cm3 とした。CeO2 で表わして
172g/l(1M)のセリウムIV濃度のゾルを得た。
準弾性光散乱試験により流体動力学的平均粒径が450
オングストローム程度のコロイドの存在が示された。
【0030】実施例 7 a) 式(Ic)(n=0)に相当するセリウムIV化合物
のゾルの調製 実施例6に記載の装置に室温で0.518N硝酸2.1
82リットルを導入した。この溶液の温度を撹はん下に
100℃まで上げ、3時間の間に、セリウムIVを1.2
8モル/lおよびセリウムIII を0.06モル/l含有
し、遊離酸度0.53Nの硝酸第二セリウム溶液81
7.6cm3 を添加した。加水分解媒体はCeO2 で表わ
されたセリウムIVの濃度が60g/lであり、かつ、モ
ル比[H+ ]/[CeIV当量]が1.5に等しい。反応
媒体を撹はん・還流下に3時間維持した。フリットした
ガラス(多孔度3)上でろ過した。得られた生成物を4
0℃の乾燥室で48時間乾燥した。CeO2 82.6%
含有する一般式(Ic)に相当するセリウムIV化合物1
80gを収得した。加水分解反応の収率は84%であっ
た。 b) セリウムIV化合物の水性ゾルの調製 a)において調製された化合物52gを十分量の蒸留水に
添加して250cm3 とした。CeO2 で表わされたCe
IVの濃度が172g/l(1M)のゾルを得た。準弾性
光散乱試験により流体動力学的平均粒径が470オング
ストローム程度のコロイドの存在が示された。
【0031】実施例 8 a) 一般式(Ic)(n=0)に相当するセリウムIV化
合物の調製 実施例6に記載の装置に室温で0.59N硝酸2.45
5リットルを導入した。この溶液の温度を撹はん下に1
00℃まで上げ、3時間の間に、セリウムIVを1.28
モル/lおよびセリウムIII を0.06モル/l含有
し、遊離酸度0.53Nの硝酸第二セリウム溶液545
cm3 を添加した。加水分解媒体はCeO2 で表わされた
セリウムIVの濃度が40g/lであり、かつ、モル比
[H+ ]/[CeIV当量]が2.5に等しい。反応媒体
を撹はん・還流下に3時間維持した。フリットしたガラ
ス(多孔度3)上でろ過した。得られた生成物を40℃
の乾燥室で48時間乾燥した。CeO2 83%を含有す
る一般式(Ic)に相当するセリウムIV化合物133.
6gを収得した。 b) セリウムIV化合物の水性ゾルの調製 a)において調製された化合物51.8gを十分量の蒸留
水に添加して250cm3 とした。CeO2 で表わされた
CeIVの濃度が172g/l(1M)のゾルを得た。準
弾性光散乱試験により流体動力学的平均粒径が570オ
ングストローム程度のコロイドの存在が示された。
【0032】実施例 9 a) 一般式(Ic)(n=0)に相当するセリウムIV化
合物の調製 撹はん装置、反応体導入系、還流冷却器、および100
℃に調整された加熱装置ならびに溢れ排出系を備え、9
00cm3 の有効容量を持つ反応器に、同時にかつ連続的
に、蒸留水溶液を430cm3 /時間の流量でセリウムIV
を1.23モル/l、セリウムIII を0.07モル/l
含有し、自由酸度が0.49Nである硝酸第二セリウム
水溶液を170cm3 /lの流量で導入する。上記反応器
と同様の第二の反応器を第一の反応器から出る反応混合
物を重力により回収できるように配置する。恒常的運転
の達成のために要した9時間の経過後、1時間30分第
二反応器からサンプル採取した。ろ過はフリットしたガ
ラス上で行った。得られた生成物を40℃の乾燥室で4
8時間乾燥した。CeO2 を82重量%含有する黄色の
沈澱60gを収得した。 b) セリウムIV化合物の水性ゾルの調製 a)において調製した化合物52.4gを十分量の蒸留水
に添加し、250cm3とした。CeO2 で表わして17
2g/l(1M)の濃度のセリウムIVを含有するゾルを
得た。準弾性光散乱試験により流体動力学的平均粒径が
600オングストローム程度のコロイドの存在が示され
た。
【0033】実施例 10 a) 一般式(Ic)(n=0)に相当するセリウムIV化
合物の調製 実施例9と同様の装置系に、同時にかつ連続的に、0.
53N硝酸水溶液を430cm3 /時間の流量でセリウム
IVを1.23モル/l、セリウムIII を0.07モル/
l含有し、遊離酸度が0.49である硝酸第二セリウム
水溶液を170cm3 /lの流量で導入する。上記反応器
と同様の第二の反応器を第一の反応器から出る反応混合
物を重力により回収できるように配置する。加水分解媒
体はCeO2 で表わされたセリウムIVの濃度が60g/
lであり、かつ、モル比[H+ ]/[CeIV当量]が
1.5に等しい。反応混合液は重力の作用で第二の反応
器に入る。ろ過はフリットしたガラス上で行った。得ら
れた生成物を乾燥40℃の乾燥室で48時間乾燥した。
CeO2 を83重量%含有する黄色い沈澱を得た。 b) セリウムIV化合物の水性ゾルの調製 a)において調製した化合物51.8gを十分量の蒸留水
に添加し、250cm3とした。CeO2 で表わして17
2g/l(1M)の濃度のセリウムIVを含有するゾルを
得た。準弾性光散乱試験により流体動力学的平均粒径が
550オングストローム程度のコロイドの存在が示され
た。
【0034】実施例 11 a) 一般式(Ic)(n=0)に相当するセリウムIV化
合物の調製 (1) 硝酸第二セリウム溶液の調製 この実施例では出発原料として下記のように調製した硝
酸第二セリウム溶液を使用した。撹はん装置を備えたガ
ラス製反応器に15Nの濃硝酸溶液1.17リットルと
蒸留水0.61リットルを導入し、沸騰するまで加熱し
た。熱硝酸にCeO2 を495g含有する酸化第二セリ
ウム水和塩670gを導入した。CeO2 はアンモニア
溶液と過酸化水素を用いて硝酸第一セリウム溶液を沈澱
させる従来公知の方法により得られる[仏国特許出願公
開第2,416,867号公報]が、これは水に分散し
ない。撹はん下に半時間加熱して1.43モル/lのセ
リウムIV、0.03モル/lのセリウムIII および遊離
酸度が2.9Nである硝酸第二セリウム溶液2.02リ
ットルが得られた。 (2) 一般式(Ic)に相当するセリウムIV化合物の調製 温度計、撹はん装置、反応体導入系、還流冷却器および
加熱装置を備えた反応器に室温で蒸留水2.52 lを
導入した。この溶液の温度を撹はん下100℃に上げ、
3時間で上記のように調製されたセリウムIVを1.43
モル/l含有する硝酸第二セリウム溶液0.485リッ
トルを添加した。加水分解媒体はCeO2 で表わされた
セリウムIVの濃度が40g/lであり、かつ、モル比
[H+ ]/[CeIV当量]が2に等しい。反応媒体を撹
はん・還流下に3時間維持した。フリットしたガラス
(多孔度3)上でろ過した。得られた生成物を乾燥40
℃の乾燥室で48時間乾燥した。黄色い沈澱130gを
収得した。得られた生成物の化学分析により次の組成を
持つことが示された。 CeO2 =83.9% モル比NO3 -/CeIV =0.35 加水分解反応の収率は92%と測定された。 b) セリウムIV化合物の水性ゾルの調製 a)において調製された化合物51gを十分量の蒸留水に
添加し250cm3 とした。CeO2 で表わして1モル/
lセリウムIV濃度のゾルを得た。準弾性光散乱試験によ
り流体動力学的平均粒径が3606オングストローム程
度のコロイドの存在が示された。
【0035】実施例 12 a) 一般式(Ia)(y=0.4、p=0およびn=
3.86)に相当するセリウムIV化合物のゾルの調製 乾燥を行わなかったこと以外は実施例4と同様に操作し
てセリウムIV化合物を調製した。得られた生成物の化学
分析により次の組成を持つことが示された。 燃焼損失 =41.8% CeO2 =58.2% モル比NO3 -/CeIV =0.4 b) セリウムIV化合物の水性ゾルの調製 a)において調製された化合物60.3gを十分量の蒸留
水に添加し200cm3とした。CeO2 で表わして17
2g/l(1M)のセリウムIV濃度を持ちpHが1.2
近傍のゾルを得た。得られたゾルの準弾性光散乱試験に
より流体動力学的平均粒径が630オングストローム程
度であり偏差値が0.21のコロイド粒径分布を持つコ
ロイドの存在が示された。
【0036】実施例 13 a) 一般式(Ia)(y=0.45、p=0およびn=
0.4)に相当するセリウムIV化合物の調製 温度計、撹はん装置、反応体導入系、還流冷却器および
加熱装置を備えた三首球形フラスコに室温で下記のもの
を導入した。 蒸留水……1425cm3 セリウムIVを1.24モル/l、セリウムIII を
0.06モル/l含有し、遊離酸度0.8Nの硝酸第二
セリウム溶液……558cm3 加水分解媒体はCeO2 で表わされたセリウムIVの濃度
が60g/lであり、かつ、モル比[H+ ]/[CeIV
当量]が0.64に等しい。反応媒体を撹はん・還流下
に4時間維持した。フリットしたガラス(多孔度3)の
薄層(<5mm)上で減圧(160mmHg)ろ過し、ケーキ
を最大限圧縮して圧力脱水を確実にした。黄色の沈澱1
57gを収得した。得られた生成物の化学分析は次の組
成を示した。 燃焼損失 =17.5% CeO2 =72.5% モル比NO3 -/CeIV =0.45 加水分解反応の収率は96%であった。 b) セリウムIV化合物の水性ゾルの調製 a)において調製した化合物56gを十分量の蒸留水に添
加し250cm3 とした。CeO2 で表わされたCeIV
濃度が200g/l(1.16M)でありpHが1.2
のゾルを得た。得られたゾルの準弾性光散乱試験により
流体動力学的平均粒径が600オングストローム程度の
コロイドの存在が示された。
【0037】実施例 14 a) 一般式(Ib)(n=0)に相当するセリウムIV化
合物のゾルの調製 3時間で硝酸第二セリウム溶液558cm3 をあらかじめ
100℃に昇温した水1425cm3 に導入した以外は実
施例13を繰り返した。加水分解媒体はCeO2 で表わ
されたセリウムIVの濃度が60g/lであり、かつ、モ
ル比[H+ ]/[CeIV当量]が0.64に等しい。反
応媒体を撹はん・還流下に3時間維持した。フリットし
たガラス(多孔度3)の薄層(<5mm)上で減圧(16
0mmHg)ろ過し、ケーキを最大限圧縮して圧力脱水を確
実にした。得られた生成物を20℃で15時間乾燥す
る。黄色い沈澱146gを収得した。得られた生成物の
化学分析は次の組成を示した。 燃焼損失 =23.4% CeO2 =76.6% モル比NO3 -/CeIV =0.37 加水分解反応の収率は94%であった。 b) セリウムIV化合物の水性ゾルの調製 a)において調製した化合物45gを十分量の蒸留水に添
加して200cm3 とした。CeO2 で表わされたCeIV
の濃度が172g/lのゾルを得た。得られたゾルの準
弾性光散乱試験により流体動力学的平均粒径が200オ
ングストローム程度のpHが1.2のコロイドの存在が
示された。透過型電子顕微鏡写真で晶子の集合状態が緩
んでいることが確認された。得られたゾルは貯蔵安定性
が良好で有り、6カ月以上経過してもデカンテーション
を起こさない。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) Ce(OH)x(NO3)y・pCeO2・nH2O (I) (式中、xはx=4−yとなるような数である。yは
    0.35〜1.5である。pは0以上2.0以下であ
    る。nは0以上約20以下である。)に相当するセリウ
    ムIV化合物を水に懸濁させることからなるセリウムIV化
    合物の水性ゾルの製造方法。
  2. 【請求項2】 セリウムIV化合物が一般式(Ia) Ce(OH)x(NO3)y・nH2 O (Ia) (式中、xはx=4−yとなるような数である。yは
    0.35〜0.7である。nは0以上約20以下であ
    る。)に相当する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 セリウムIV化合物が一般式(Ib) Ce(OH)x(NO3)y (Ib) (式中、xはx=4−yとなるような数である。yは
    0.35〜0.7である。CeO2 %で表わされるセリ
    ウムの含有量は77〜72%である。)に相当する請求
    項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 セリウムIV化合物が一般式(Ic) Ce(OH)x(NO3)y・pCeO2 (Ic) (式中、xはx=4−yとなるような数である。yは
    0.35〜1.5である。pは0以上2.0以下であ
    る。CeO2 %で表わされるセリウムの含有量はyが
    0.35〜0.7であるときは、77〜72%の値より
    も大きい。)に相当する請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 セリウムIV化合物が一般式(I)におい
    てnが0に等しく、格子定数が5.41〜5.44オン
    グストロームであり、結晶度が40%以上であるCeO
    2 型結晶層を有するものである請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 結晶度が40〜70%である請求項5に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 結晶の大きさが60オングストローム未
    満である請求項5または6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 結晶の大きさが30〜50オングストロ
    ームである請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 セリウムIV化合物がセリウムIV塩水溶液
    を酸性媒体で加水分解し、得られた沈澱を分離し、場合
    によって熱処理することからなる方法によって得られた
    ものである請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の方法
    により得られた水性ゾル。
  11. 【請求項11】 CeO2 で表わしてセリウムIV化合物
    の濃度が2モル/l以下である請求項10に記載の水性
    ゾル。
  12. 【請求項12】 該濃度が0.5〜1.0モル/lであ
    る請求項11に記載の水性ゾル。
  13. 【請求項13】 コロイドの形のセリウムの量が95%
    より多い請求項10〜12のいずれか一つに記載の水性
    ゾル。
  14. 【請求項14】 コロイドの流体動力学的平均粒径が1
    00〜1,000オングストロームである請求項10〜
    13のいずれか一つに記載の水性ゾル。
  15. 【請求項15】 コロイドの流体動力学的平均粒径が3
    00〜2,000オングストロームである請求項10〜
    14のいずれか一つに記載の水性ゾルをpH約3.0ま
    で塩基性化することによって得られる水性ゾル。
  16. 【請求項16】 一次晶子のち密さに乏しい配列により
    構成されているコロイドを有する請求項10に記載のセ
    リウムIV化合物の水性ゾル。
  17. 【請求項17】 第一工程において撹はん下にセリウム
    塩溶液と加水分解媒体を混合し、次いでこの混合物を反
    応温度に昇温し、その際、モル比[H+ ]/[CeIV
    量]は0.75以下であり、セリウムIVの最終当量濃度
    は0.4モル/lより小さくなるようにし、第二工程に
    おいて得られた沈澱を分離し、場合によって第三工程に
    おいて熱処理することからなる方法により得られるセリ
    ウムIV化合物を水に懸濁させることにより得られた請求
    項16に記載の水性ゾル。
  18. 【請求項18】 乾燥工程を行う請求項17に記載の水
    性ゾル。
  19. 【請求項19】 一次晶子のよりち密な配列により構成
    されているコロイドを有する請求項10に記載のセリウ
    ムIV化合物の水性ゾル。
  20. 【請求項20】 第一工程において撹はん下にセリウム
    塩溶液と加水分解媒体を混合し、次いでこの混合物を反
    応温度に昇温し、その際、モル比[H+ ]/[CeIV
    量]は、セリウムIVの最終当量濃度が0.4以上のとき
    は0以上0.75以下であり、または該モル比はセリウ
    ムIVの最終当量濃度に拘わらず0.75より大きく3以
    下となるようにし、第二工程において得られた沈澱を分
    離し、場合によって第三工程において熱処理することか
    らなる方法により得られるセリウムIV化合物を水に懸濁
    させることにより得られた請求項19に記載の水性ゾ
    ル。
  21. 【請求項21】 第一工程において、セリウム塩溶液を
    場合によって酸を含有する反応温度に昇温された水に、
    またはその逆に、一度に、徐々に、または連続的に添加
    し、かつ、その際にモル比[H+ ]/[CeIV当量]が
    0以上3以下となるようにしてセリウムIV塩水溶液を酸
    性媒体で加水分解し、第二工程において得られた沈澱を
    分離し、場合によって第三工程において熱処理すること
    からなる方法により得られるセリウムIV化合物を水に懸
    濁させることにより得られる請求項19に記載の水性ゾ
    ル。
  22. 【請求項22】 第一工程において、セリウムIV塩溶液
    と加水分解媒体の混合を同時に、かつ、連続的に行い、
    この混合物を連続的に選ばれた反応温度に昇温し、その
    際、モル比[H+ ]/[CeIV当量]が0以上3以下と
    なるようにし、第二工程において、得られた沈澱を分離
    し、場合によって、第三工程において、熱処理すること
    からなる方法により得られるセリウムIV化合物を水に懸
    濁させることにより得られる請求項19に記載の水性ゾ
    ル。
  23. 【請求項23】 モル比[H+ ]/[CeIV当量]が0
    〜2.0である請求項21〜22のいずれか一つに記載
    の水性ゾル。
  24. 【請求項24】 乾燥工程を行う請求項19〜23のい
    ずれか一つに記載の水性ゾル。
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