JP2006333689A - Dc−dcコンバータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 DC−DCコンバータ1は、制御回路2と、直流入力電源VDDとGNDとの間に設けられたPMOSトランジスタM31とNMOSトランジスタM32とで構成され、出力部から電圧(交流電圧)VMを出力するスイッチング回路3と、インダクタLと出力コンデンサCとで構成され、電圧VMを平滑して出力電圧(直流電圧)VOUTを出力する平滑回路4とコンパレータCMP1と補正電圧源VCC1とを有する逆電流防止回路5とを有している。逆電流防止回路5のコンパレータCMP1の非反転入力端子は、GNDよりも低い補正電圧VC1を出力する補正電圧源VCC1に接続され、反転入力端子はスイッチング回路3の出力部に接続されている。このコンパレータCMP1は、入力される補正電圧VC1と、電圧VMとを比較し、その結果の検出信号を制御回路2に出力する。
【選択図】 図1
Description
図7は、従来のDC−DCコンバータを示す回路図である。
このDC−DCコンバータ80において、インダクタL80に流れるインダクタ電流IL80(図8中(a)に示す波形)は、トランジスタM81のON期間(トランジスタM82はOFFしている)では、トランジスタM81に流れる電流IP80(図8中(b)に示す波形)と等しくなり、トランジスタM82のON期間(トランジスタM81はOFFしている)では、トランジスタM82に流れる電流IN80(図8中(c)に示す波形)と等しくなる。
定常状態において、インダクタ電流IL80の平均値は出力電流IOUT80と等しくなるが、そのリップル電流の大きさは、直流入力電源VDDからの入力電圧VIN80と出力電圧VOUT80とが同条件なら、出力電流IOUT80の値によらず略一定になるため、出力電流IOUT80が小さくなると、出力端子OUT側から節点Y81に向かって流れる電流(以下、「逆電流」という)、すなわちIL80<0となる期間が生じて、電力変換効率が低下する。
図9は、図7に示すDC−DCコンバータにコンパレータを付加したDC−DCコンバータを示す回路図である。
図9に示すDC−DCコンバータ90は、反転入力端子が節点Y81に接続され、非反転入力端子がGNDに接続されるコンパレータCMP91を有している。
DC−DCコンバータ90は、コンパレータCMP91により平滑回路84のインダクタL80を流れるインダクタ電流IL90の向きを、節点Y81の電位を検出することにより判断し、節点Y81の電位がGND電位よりも大きいとき、トランジスタM82をOFFすることにより、インダクタ電流IL90が出力端子OUT側から節点Y81に向かって流れ、GNDに流れ込むことを防止して効率の低下を防止している。
図1は、実施の形態のDC−DCコンバータを示す原理図である。
図1に示すDC−DCコンバータ1は、同期整流型のDC−DCコンバータであって、制御回路2と、直流入力電源VDDとGNDとの間に設けられたPMOSトランジスタM31(以下単に、トランジスタM31という)とNMOSトランジスタM32(以下単に、トランジスタM32という)とで構成され、出力部から電圧(交流電圧)VMを出力するスイッチング回路3と、インダクタLと出力コンデンサCとで構成され、電圧VMを平滑して出力電圧(直流電圧)VOUTを出力する平滑回路4とコンパレータCMP1と補正電圧源VCC1とを有する逆電流防止回路5とを有している。
ところで、トランジスタM32のON抵抗をRON、トランジスタM32に流れる電流をIN(図1中矢印の方向を負の方向)としたとき、インダクタに流れるインダクタ電流ILが、順方向(図1中矢印の方向)であれば、式(1)
VM=RON×(−IN)=−RON×IL・・・(1)
が成り立つため、トランジスタM32がONしているとき、コンパレータCMP1の反転入力端子に供給される電圧VMは負となる。
このとき、コンパレータCMP1の非反転入力端子に供給される補正電圧VC1が、負電圧、すなわちGNDよりも低い電圧に設定されているため、コンパレータCMP1から出力される検出信号は、インダクタ電流ILの向きが変化する近傍の動作範囲における電圧VMで、インダクタ電流ILが実質的に0となる値よりも高いインダクタ電流の状態で変化する。すなわちコンパレータCMP1の検出信号は、インダクタ電流ILが実質的に0となる前に変化する。よって、コンパレータCMP1や制御回路2で生じる信号の遅延の影響を抑制または無視することができ、その結果、逆電流を容易に防止することができる。
図2に示すDC−DCコンバータ10は、2つの非反転入力端子と2つの反転入力端子とを備えたコンパレータCMP1aと、補正電圧源VCC2とを有する逆電流防止回路5aを備えている。
コンパレータCMP1aは、2つのPMOSトランジスタM5,M6および2つのPMOSトランジスタM7,M8で構成される差動入力部、この差動入力部に定電流Ibに比例する電流を供給するPMOSトランジスタM1,M2,M3からなるカレントミラー回路および差動入力部の2つのPMOSトランジスタM5,M6および2つのPMOSトランジスタM7,M8にそれぞれ等しい電流を流す2つのNMOSトランジスタM9,M10からなるカレントミラー回路で構成される差動入力段、並びにNMOSトランジスタM11およびこのNMOSトランジスタM11に定電流Ibに比例する電流を供給するPMOSトランジスタM4と、NMOSトランジスタM11からの出力をバッファするPMOSトランジスタM12およびNMOSトランジスタM14並びにPMOSトランジスタM13およびNMOSトランジスタM15で構成されるバッファ回路で構成される増幅段とを備えている。
トランジスタM5およびトランジスタM7のゲートに接続されている入力端子は、それぞれ(コンパレータCMP1aの)非反転入力端子を構成し、トランジスタM6およびトランジスタM8のゲートに接続されている入力端子は、それぞれ(コンパレータCMP1aの)反転入力端子を構成している。
トランジスタM11のドレインおよびソースはそれぞれトランジスタM4のドレインおよびGNDに接続され、トランジスタM11のゲートは差動入力段の出力部となるトランジスタM5およびトランジスタM7のドレインとトランジスタM10のドレインとの接続部に接続されている。
Id5−Id6=−gm(Vg5−Vg6)・・・(2)
Id7−Id8=−gm(Vg7−Vg8)・・・(3)
が成り立つ。ここで、コンパレータCMP1aの出力電圧VOが入力電圧VINに略等しくなる条件は、式(4)で表される。
式(2)〜(4)を考慮すると、式(5)が得られる。
(Vg5+Vg7)−(Vg6+Vg8)>0・・・(5)
コンパレータCMP1aの非反転入力端子はGNDに接続されているため(Vg5+Vg7)=0であり、コンパレータCMP1aから出力される信号の論理は、(Vg6+Vg8)すなわち電圧VMの絶対値と補正電圧VC2との大小によって決定され、電圧VMが負かつその絶対値が補正電圧VC2以上のとき、制御回路2に入力電圧VINに略等しい電圧(以下「Hi信号」という。またその状態を「Hi状態」という)を出力し、電圧VMが正または負かつその絶対値が補正電圧VC2未満のとき、制御回路2にGND電位に略等しい電圧(以下「Lo信号」という。またその状態を「Lo状態」という)を出力する。
図4は、NMOSトランジスタがONしている期間におけるドレイン電圧の変化を示した図である。
トランジスタM32がONしているときのインダクタ電流ILは、トランジスタM32に流れる電流INに等しく、電流の初期値をIo、経過時間をtとすると、式(6)で表される。
この電流INの傾きに対応する電圧VMの傾きVMa(=dVM/dt)は、トランジスタM32のON抵抗をRONとすると、式(7)で表される。
ここで、コンパレータCMP1aで生じる遅延時間をTdとすると、補正電圧VC2は、式(8)で表される。
このように、コンパレータCMP1aに供給すべき補正電圧VC2は、抵抗RON、出力電圧VOUT、遅延時間Td、インダクタLの大きさによる。よって、各条件、特に、抵抗RON(トランジスタM32のゲート・ソース間電圧により変化する)および出力電圧VOUTの条件が大きく変化する場合には、補正電圧VC2もそれに応じて変化させるのが好ましい。
図5は、実施の形態のDC−DCコンバータを示す回路図である。
DC−DCコンバータ100は、制御回路2と、スイッチング回路3と、平滑回路4と逆電流防止回路5aとを有している。
コンパレータCMP1aの非反転入力端子は、それぞれ、インバータ521を介してトランジスタM32のゲートに接続される。これにより、トランジスタM32がONしているとき、コンパレータCMP1aの非反転入力端子はLo状態となり、トランジスタM32がOFFしているとき、コンパレータCMP1aの非反転入力端子はHi状態となる。
抵抗Rrは、後述するトランジスタM53aを介してトランジスタM51aと、出力電圧VOUTの出力部との間に設けられており、出力電圧VOUTより所定値だけ電圧降下した電圧をトランジスタM53aを介してトランジスタM51aのドレインに供給する。トランジスタM51aのドレイン(ドレイン端子)は、補正電圧生成回路51aの出力部を構成しており、トランジスタM51aのドレインから出力される電圧が、補正電圧VC2となる。
トランジスタM52aおよびトランジスタM53aのゲートは、それぞれトランジスタM32のゲートに接続されており、トランジスタM52aおよびトランジスタM53aは、トランジスタM32と同時にON/OFFする。また、トランジスタM52aのドレインは、スイッチング回路3の出力部に接続されており、ソースは、ノードN2および抵抗RSに接続されている。
トランジスタM52aおよびトランジスタM53aはスイッチであり、トランジスタM32がOFFしているときは、ノードN1,N2をそれぞれスイッチング回路3の出力部および抵抗Rrから切り離すとともに、それぞれ抵抗RSおよびトランジスタM51aによりプルダウンして、コンパレータCMP1aの反転入力端子にLo信号が入力されるようにするものである。
電圧VMおよび補正電圧VC2が十分に小さい値、すなわち、トランジスタM32およびトランジスタM51aが非飽和特性の領域であるとすると、トランジスタM51aのON抵抗RONaは、RONa≒αRONとみなすことができる。
VC2=VOUT・RONa/(RONa+Rr)・・・(9)
が成り立つ。
VC2=VOUT・RONa/Rr・・・(10)
ここで、式(8)と式(10)との右辺が等しいとすると、
VOUT・RONa/Rr=VOUT・RON・Td/L・・・(11)
式(11)をRrについて解くと、式(12)が得られる。
よって、Rr=αL/Tdとなるように抵抗Rrの値を定めて式(10)により補正電圧VC2を設定することにより、出力電圧VOUTおよび抵抗RONの変動に影響されることなく、電流IN=略0でトランジスタM32をOFFさせることができる。
次に、DC−DCコンバータ100の動作について説明する。
なお、図6の<1>は、PWMジェネレータ22の正相PWM信号、<2>は、PWMジェネレータ22の逆相PWM信号、<3>は、トランジスタM31のゲート電圧、<4>は、トランジスタM32のゲート電圧、<5>は、インダクタ電流IL、<6>は、ノードN1の電圧、<7>は、ノードN2の電圧、<8>は、インバータ521の出力電圧、<9>は、コンパレータCMP1aの出力電圧を示している。
まず、エラーアンプ21は、基準電圧VREFと出力電圧VOUTとを入力し、その差分の電圧を出力する。
次に、ドライバ24は、PWMジェネレータ22およびRSフリップフロップ23からの出力に基づいて、トランジスタM31およびトランジスタM32の各ゲートに所定の電圧を供給する(図6の<3>,<4>)。
その後、コンパレータCMP1aは、前述した式(5)に基づいて、非反転入力端子に入力される信号(図6の<8>)と、反転入力端子に入力される信号(図6の<6>,<7>)との演算を行い、電圧VMと補正電圧VC2との加算結果が0になったとき、RSフリップフロップ23にLo信号を出力する(図6の<9>)。
AND回路242は、RSフリップフロップ23からのLo信号を入力し、トランジスタM32にLo信号を供給する。
以降、トランジスタM32がONしたとき、同様の動作を繰り返す。
2 制御回路
3 スイッチング回路
5,5a 逆電流防止回路
CMP1,CMP1a コンパレータ
M31 トランジスタ(PMOSトランジスタ)
M32 トランジスタ(NMOSトランジスタ)
M51a トランジスタ(NMOSトランジスタ)
RON オン抵抗
Rr 抵抗
GND グランド
VIN 入力電圧
VC,VC2 補正電圧
VOUT 出力電圧
Claims (9)
- 整流された直流電圧を出力する同期整流方式のDC−DCコンバータにおいて、
第1の電位と、前記第1の電位より低い第2の電位との間に直列に設けられ、前記第1の電位および前記第2の電位の電位差の直流電圧を交流電圧に変換する一対のパワートランジスタと、
前記交流電圧が前記第2の電位よりも所定値だけ低いとき、検出信号を出力する検出手段と、
前記一対のパワートランジスタを制御するために設けられ、前記検出信号に基づいて前記第2の電位側の前記パワートランジスタをオフする制御回路と、
を有することを特徴とするDC−DCコンバータ。 - 前記検出手段は、前記交流電圧と、前記第2の電位よりも実質的に低い値に設定された補正電圧とを比較する比較器を有することを特徴とする請求項1記載のDC−DCコンバータ。
- 前記第2の電位側の前記パワートランジスタのオン抵抗と、前記整流された直流電圧とに基づいて前記補正電圧を出力する補正電圧出力手段を有することを特徴とする請求項2記載のDC−DCコンバータ。
- 前記補正電圧出力手段は、そのゲートおよびソースの電圧がそれぞれ前記第2の電位側の前記パワートランジスタのゲートおよびソースの電圧に等しい検出用MOSトランジスタのドレインと前記整流された直流電圧の出力部との間に設けられた抵抗とを有し、
前記検出用MOSトランジスタのドレインの電圧を前記補正電圧として出力するよう構成されていることを特徴とする請求項3記載のDC−DCコンバータ。 - 前記検出手段は、前記第2の電位が供給される少なくとも1つの非反転入力端子と前記第2の電位よりも所定値だけ高い値に設定された補正電圧と前記交流電圧とが供給される複数の反転入力端子とを有する多入力比較器を有することを特徴とする請求項1記載のDC−DCコンバータ。
- 前記検出手段は、前記第2の電位側の前記パワートランジスタのオン抵抗と、前記整流された直流電圧とに基づいて前記補正電圧を出力する補正電圧出力手段を有することを特徴とする請求項5記載のDC−DCコンバータ。
- 前記補正電圧出力手段は、そのゲートおよびソースの電圧がそれぞれ前記第2の電位側の前記パワートランジスタのゲートおよびソースの電圧に等しい検出用MOSトランジスタのドレインと前記整流された直流電圧の出力部との間に設けられた抵抗とを有し、
前記検出用MOSトランジスタのドレインの電圧を前記補正電圧として出力するよう構成されていることを特徴とする請求項6記載のDC−DCコンバータ。 - 前記第1の電位側の前記パワートランジスタは、PMOSトランジスタであり、前記第2の電位側の前記パワートランジスタは、NMOSトランジスタであることを特徴とする請求項1記載のDC−DCコンバータ。
- 前記第2の電位は、GND電位であることを特徴とする請求項1記載のDC−DCコンバータ。
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