JP2006332107A - 半導体装置およびその製造方法ならびに画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 移動度を向上させ、かつ、電流劣化が抑制された半導体装置およびその製造方法ならびに画像表示装置を提供する。
【解決手段】 薄膜トランジスタは、透明基板10と、透明基板10上に形成され、チャネル領域210とソース/ドレイン領域211S,211D,221S,221Dとを含む多結晶シリコン膜20と、多結晶シリコン膜20上に形成され、シリコン酸化膜を含むゲート絶縁膜30と、ゲート絶縁膜30上に形成されたゲート電極40と、ゲート電極40を覆うように形成され、ゲート絶縁膜30におけるシリコン酸化膜よりも高い体積密度でSi−O−H結合を有するシリコン酸化膜を含む層間絶縁膜50と、層間絶縁膜50上に形成された保護膜90とを備える。
【選択図】 図4
【解決手段】 薄膜トランジスタは、透明基板10と、透明基板10上に形成され、チャネル領域210とソース/ドレイン領域211S,211D,221S,221Dとを含む多結晶シリコン膜20と、多結晶シリコン膜20上に形成され、シリコン酸化膜を含むゲート絶縁膜30と、ゲート絶縁膜30上に形成されたゲート電極40と、ゲート電極40を覆うように形成され、ゲート絶縁膜30におけるシリコン酸化膜よりも高い体積密度でSi−O−H結合を有するシリコン酸化膜を含む層間絶縁膜50と、層間絶縁膜50上に形成された保護膜90とを備える。
【選択図】 図4
Description
本発明は、半導体装置およびその製造方法ならびに画像表示装置に関し、特に、薄膜トランジスタなどの半導体装置およびその製造方法ならびに画像表示装置に関する。
低温多結晶シリコン薄膜トランジスタの移動度を増大させて閾値電圧を低減する技術として、欠陥の水素終端化処理が従来から知られている(たとえば特許文献1,2)。また、低温多結晶シリコン薄膜トランジスタの信頼性に関し、たとえば、キャリアが正孔である多結晶シリコン薄膜トランジスタのゲート電極にマイナス電圧を印加した場合に、経時的な電流減少が発生することが従来から知られている(たとえば非特許文献1)。
特開2002−170960号公報
特開2004−111618号公報
丹呉浩侑、外2名、「TFTの信頼性解析の現状」、電子情報通信学会論文誌、社団法人電子情報通信学会、2004年3月、第87巻、第3号、p283−295
薄膜トランジスタの移動度を増加させ、閾値電圧を低減したとしても、動作中のストレスによる電流低下の程度が高い場合には、この電流低下後の状態を加味した回路設計を行なう必要があり、回路設計の最適化および電源電圧の低減(消費電力低減)の双方を必ずしも十分に行なうことができない。すなわち、従来の薄膜トランジスタにおいては、閾値電圧低減と信頼性確保との両立が必ずしも十分ではない。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、移動度を向上させ、かつ、電流劣化が抑制された半導体装置およびその製造方法ならびに画像表示装置を提供することにある。
本発明に係る半導体装置は、基板と、基板上に形成され、チャネル領域とソース/ドレイン領域とを含む半導体膜と、半導体膜上に形成され、シリコン酸化膜を含むゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、ゲート電極を覆うように形成され、シリコン酸化膜を含む層間絶縁膜と、層間絶縁膜上に形成され、水素の透過を抑制する保護膜とを備える。ここで、ゲート絶縁膜におけるシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度は、層間絶縁膜におけるシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度よりも低い。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、基板上に半導体膜を形成する工程と、半導体膜上にシリコン酸化膜を含むゲート絶縁膜を形成する工程と、ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、半導体膜におけるゲート電極の両側にソース/ドレイン領域を形成する工程と、ゲート電極を覆うように、ゲート絶縁膜におけるシリコン酸化膜よりも高い体積密度でSi−O−H結合を有するシリコン酸化膜を含む層間絶縁膜を形成する工程と、層間絶縁膜上に水素の透過を抑制する保護膜を形成する工程と、保護膜を形成した後に熱処理を行なう工程とを備える。
本発明に係る画像表示装置は、上述した半導体装置、または、上述した半導体装置の製造方法により製造された半導体装置を備える。
本発明によれば、半導体装置において、閾値電圧を低減、移動度を向上させ、かつ、電流劣化を抑制することができる。
以下に、本発明に基づく半導体装置およびその製造方法ならびに画像表示装置の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
また、後述する実施の形態1,2においては、「半導体装置」の一例としての薄膜トランジスタについて主に説明するが、同様の思想をSOI(Silicon On Insulator)構造上に適用することも当然に可能である。
(実施の形態1)
図1〜図4は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造工程における各ステップを示す断面図である。
図1〜図4は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造工程における各ステップを示す断面図である。
本実施の形態に係る半導体装置は、絶縁基板上に形成された半導体膜を有する薄膜トランジスタであって、その製造方法は、「絶縁基板」である透明基板10上に「半導体膜」としての多結晶シリコン膜20を形成する工程と、多結晶シリコン膜20上にシリコン酸化膜を含むゲート絶縁膜30を形成する工程と、ゲート絶縁膜30上にゲート電極40を形成する工程(以上、図1)と、多結晶シリコン膜20におけるゲート電極40の両側にソース/ドレイン領域211S,211D,221S,221Dを形成する工程(図2)と、ゲート電極40を覆うようにシリコン酸化膜を含む層間絶縁膜50を形成する工程(図3)と、層間絶縁膜50上に水素の透過を抑制する保護膜90を形成する工程(図4)と、保護膜90を形成した後に熱処理を行なう工程とを備える。
上記製造方法により得られる「半導体装置」としての薄膜トランジスタは、透明基板10と、透明基板10上に形成され、チャネル領域210,220とソース/ドレイン領域211S,211D,221S,221DとLDD領域212S,212Dとを含む多結晶シリコン膜20と、多結晶シリコン膜20上に形成され、シリコン酸化膜を含むゲート絶縁膜30と、ゲート絶縁膜30上に形成されたゲート電極40と、ゲート電極40を覆うように形成され、シリコン酸化膜を含む層間絶縁膜50と、層間絶縁膜50上に形成された保護膜90とを備える。
以下、上記の内容について詳細に説明する。
図1を参照して、まず、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜とをコートした透明基板10上に、プラズマCVD法などによって非晶質シリコン膜(たとえば、膜厚:50nm)が形成される。その後、XeClエキシマーレーザ照射などによって非晶質シリコン膜が結晶化され、所定の形状に加工される。これにより、多結晶シリコン膜20(p型半導体膜21およびn型半導体膜22)が形成される。多結晶シリコン膜20上に、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)と酸素とを原料として、50〜100nm程度(たとえば、75nm程度)の膜厚を有するシリコン酸化膜であるゲート絶縁膜30が、プラズマCVD法によって形成される。この際、ゲート絶縁膜30として使用するシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度は、約2×1017cm-3とした。その後、ゲート絶縁膜30上に、スパッタ法によってたとえば200nmの膜厚を有するクロム膜(Cr膜)が形成され、該Cr膜が所定の形状に加工される。これにより、ゲート電極40が形成される。
図1を参照して、まず、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜とをコートした透明基板10上に、プラズマCVD法などによって非晶質シリコン膜(たとえば、膜厚:50nm)が形成される。その後、XeClエキシマーレーザ照射などによって非晶質シリコン膜が結晶化され、所定の形状に加工される。これにより、多結晶シリコン膜20(p型半導体膜21およびn型半導体膜22)が形成される。多結晶シリコン膜20上に、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)と酸素とを原料として、50〜100nm程度(たとえば、75nm程度)の膜厚を有するシリコン酸化膜であるゲート絶縁膜30が、プラズマCVD法によって形成される。この際、ゲート絶縁膜30として使用するシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度は、約2×1017cm-3とした。その後、ゲート絶縁膜30上に、スパッタ法によってたとえば200nmの膜厚を有するクロム膜(Cr膜)が形成され、該Cr膜が所定の形状に加工される。これにより、ゲート電極40が形成される。
図2を参照して、ゲート電極40をマスクとして、イオンドーピング法を用いて半導体膜21の一部にリンイオンが注入される。これにより、LDD(Lightly Doped Drain)領域212S,212Dが形成される。この時のイオン注入量を1×1013cm-2〜5×1013cm-2程度(たとえば、3×1013cm-2程度)とし、加速電圧を40KeV〜80KeV程度(たとえば、50KeV程度)とする。次に、所定の位置がレジストで覆われ、イオンドーピング法によって、半導体膜21/22に、それぞれ、リンイオン/ボロンイオンが注入される。これにより、n−chの薄膜トランジスタのソース/ドレイン領域211S,211Dと、p−chの薄膜トランジスタのソース/ドレイン領域221S,221Dが形成される。この時のリンイオン注入量を0.5×1015cm-2〜2×1015cm-2程度(たとえば、1×1015cm-2程度)とし、その加速電圧を40KeV〜80KeV程度(たとえば、50KeV程度)とする。また、この時のボロンイオン注入量を例えば1×1015cm-2〜5×1015cm-2程度(たとえば、3×1015cm-2程度)とし、その加速電圧を30KeV〜70KeV程度(たとえば、50KeV程度)とした。
図3を参照して、イオン注入用のレジストが除去された後、プラズマCVD法によって、シリコン酸化膜からなり、500〜1000nm程度(たとえば、600nm程度)の膜厚を有する層間絶縁膜50が形成される。層間絶縁膜50は、TEOSと酸素とを原料として用いて、プラズマCVD法により形成される。この時、層間絶縁膜50として使用するシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度は、15×1017cm-3程度とした。その後、先に注入したリンイオンおよびボロンイオンを活性化するための大気圧アニール処理が施される。該アニール処理は、たとえば窒素ガス中において、350〜450℃程度(たとえば400℃程度)の温度で、1時間程度行なわれる。そして、アニール処理は、バッチ式のアニール装置を用いて行なわれる。なお、上記アニール処理は、水蒸気中で行なわれてもよい。また、アニール処理時の圧力は、大気圧より高くてもよい。
なお、水蒸気中でアニール処理を行なう場合、該アニール処理は、好ましくは、0.5MPa以上程度(より好ましくは、20MPa以上程度)の圧力下において行なわれる。これにより、層間絶縁膜50のシリコン酸化膜中のダングリングボンドを効果的に低減し、該酸化膜中のSi−O−H結合を効果的に増加させることができる。結果として、後述する終端化処理をより効果的に行なうことができる。
その後、ドライエッチング法により、層間絶縁膜50に、ソース/ドレイン領域およびゲート電極に達するコンタクト部61,71,81が形成される。そして、ソース電極60、ドレイン電極70およびゲート取出し電極80がスパッタ法により形成される。ここで、ソース電極60、ドレイン電極70およびゲート電極取出し80は、Cr/Al/Crの積層構造を有する。
図4を参照して、プラズマCVD法により、シリコン窒化膜からなる難水素透過性の保護膜90(たとえば、膜厚:500nm程度)が形成される。なお、保護膜90の膜厚は、100〜1000nm程度(好ましくは300nm以上1000nm以下程度)の範囲で適宜変更が可能である。シリコン窒化膜の膜厚を300nm以上1000nm以下にすることで、難水素透過膜としての保護膜90の機能がより向上する。保護膜90に電極取り出しのための開口部100が設けられた後、300〜450℃程度の温度で、1時間程度の窒素ガス中大気圧アニール処理が行なわれる。該アニール処理は、バッチ式のアニール装置を用いて行なわれる。この「熱処理」としてのアニール処理は、水蒸気中で行なわれてもよい。
上記のように、難水素透過性の保護膜90の形成後に熱処理を行なうことで、層間絶縁膜50およびゲート絶縁膜30から多結晶シリコン膜20に向けて水素が導入される。これにより、多結晶シリコン膜20内や、多結晶シリコン膜20とゲート絶縁膜30との界面における欠陥が終端化される。結果として、薄膜トランジスタの移動度が向上する。
上記の終端化を促進する観点からは、ゲート絶縁膜30にも多くの水素が存在することが好ましい。しかしながら、最終的に、ゲート絶縁膜30に過度に多くの水素が残留した場合、ゲート絶縁膜30の質が低下し、ストレス時間の経過に伴なう電流劣化率が増大することが懸念される。
これに対し、本実施の形態においては、ゲート絶縁膜30におけるシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度を、層間絶縁膜50におけるシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度よりも低く設定している。具体的には、ゲート絶縁膜30におけるシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度を2×1017(1/cm3)以下程度とし、層間絶縁膜50におけるシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度を2×1017(1/cm3)よりも高くしている。このようにすることで、熱処理時には層間絶縁膜50から供給される水素によりポリシリコン膜20の欠陥を終端化する一方で、最終的にゲート絶縁膜30に含まれる水素の量を低減することができる。したがって、薄膜トランジスタの移動度を増加させて閾値電圧を低減し、かつ、ストレス電圧印加後の電流低下を抑制することができる。電流低下が抑制された結果、一定時間動作後の半導体装置の電流が初期電流に近い値となり、回路設計マージンを増大させることができる。以上のように、本実施の形態に係る半導体装置によれば、駆動電圧低減とこれに伴なう低消費電力化と、回路動作の高速化とが可能になる。
図5〜図7を用いて、本実施の形態に係る半導体装置の効果をより詳細に説明する。ここで、図5は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ(サンプル1)と、層間絶縁膜50中のSi−O−H結合の体積密度が相対的に低い薄膜トランジスタ(サンプル2)とのサブスレショールド・スロープ値を比較したものである。サブスレショールド・スロープ値とは、ドレイン電流を一桁増加させるのに必要な最小の電圧値であり、値が小さい程薄膜トランジスタのスイッチング特性が良いことになる。図6は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ(サンプル1)に使用した層間絶縁膜50と、Si−O−H結合の体積密度が相対的に低い薄膜トランジスタ(サンプル2)に使用した層間絶縁膜50からの水分放出量の温度依存性の比較である。図7は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ(サンプル1)と、ゲート絶縁膜30中のSi−O−H結合の体積密度が相対的に高い薄膜トランジスタ(サンプル3)とのストレス印加時の電流劣化率の比較を示す。この場合のストレスとは、200℃の環境下で、薄膜トランジスタのゲート電極に、薄膜トランジスタのソース電極およびドレイン電極に対して−20Vの電圧を印加するものとした。そして、サンプル1,2,3に係る薄膜トランジスタのサイズは、ほぼ同一である。
なお、サンプル2に係る薄膜トランジスタにおいては、SiH4ガスとN2Oガスとを原料として層間絶縁膜を形成している。この場合、該層間絶縁膜中のSi−O−H結合の体積密度は2×1017cm-3以下であった。また、サンプル3に係る薄膜トランジスタにおいては、ゲート絶縁膜中のSi−O−H結合の体積密度は15×1017cm-3程度であった。
図5を参照して、サンプル1に係る薄膜トランジスタは、サンプル2に係る薄膜トランジスタと比較して、サブスレショールド・スロープ値が低減されている。すなわち、サンプル1に係る薄膜トランジスタは、スイッチング特性に優れている。また、図6を参照して、サンプル1に係る薄膜トランジスタの層間絶縁膜50は、サンプル2に係る薄膜トランジスタの層間絶縁膜50と比較して、膜からの水分放出量が多い。この結果、層間絶縁膜50と直接接しない多結晶シリコン膜20にも比較的多くの水素原子が供給され、多結晶シリコン膜20の欠陥終端がより有効になされる。結果として、サブスレショールド・スロープ値を低下させることができる。
図7を参照して、サンプル1に係る薄膜トランジスタは、サンプル3に係る薄膜トランジスタと比較して、ストレス時間の経過に伴なう電流減少率が低い。すなわち、サンプル1に係る薄膜トランジスタは、サンプル3に係る薄膜トランジスタと比較して、信頼性の高いゲート絶縁膜を有していると言える。
本実施の形態によれば、上述したように、薄膜トランジスタの移動度を向上させ、かつ、電流劣化を抑制することができる。
(実施の形態2)
図8〜図13は、実施の形態2に係る半導体装置の製造工程における各ステップを示す断面図である。
図8〜図13は、実施の形態2に係る半導体装置の製造工程における各ステップを示す断面図である。
本実施の形態に係る薄膜トランジスタは、実施の形態1に係る薄膜トランジスタの変形例であって、その製造方法は、実施の形態1と同様に、「絶縁基板」である透明基板10上に「半導体膜」としての多結晶シリコン膜20を形成する工程と、多結晶シリコン膜20上にシリコン酸化膜を含むゲート絶縁膜30を形成する工程と、ゲート絶縁膜30上にゲート電極40を形成する工程(以上、図8)と、多結晶シリコン膜20におけるゲート電極40の両側にソース/ドレイン領域211S,211Dを形成する工程(図9)と、ゲート電極40を覆うようにシリコン酸化膜を含む層間絶縁膜50を形成する工程(図10)と、層間絶縁膜50上に水素の透過を抑制する保護膜90を形成する工程(図11)と、保護膜90を形成した後に熱処理を行なう工程とを備える。
そして、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法は、保護膜90上に画素電極110Aを設ける工程(図12)と、画素電極110Aを覆うように配向膜120Aを設ける工程と、液晶130を介装しながら画素電極110Aおよび配向膜120Aと対向するように配向膜120B、画素電極110Bおよび対向基板140を設ける工程(以上、図13)とをさらに備える。
以下、上記の内容について詳細に説明する。
図8を参照して、まず、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜とをコートした透明基板10上に、多結晶シリコン膜20(p型半導体膜21およびn型半導体膜22)が形成される。次に、多結晶シリコン膜20上に、シリコン酸化膜であるゲート絶縁膜30が形成される。その後、ゲート絶縁膜30上に、たとえば厚み300nmのCr膜からなるゲート電極40が形成される。
図8を参照して、まず、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜とをコートした透明基板10上に、多結晶シリコン膜20(p型半導体膜21およびn型半導体膜22)が形成される。次に、多結晶シリコン膜20上に、シリコン酸化膜であるゲート絶縁膜30が形成される。その後、ゲート絶縁膜30上に、たとえば厚み300nmのCr膜からなるゲート電極40が形成される。
本実施の形態においては、絶縁基板10上に、p型半導体膜21とゲート電極40Cとを電極とする保持容量Cが形成される。ドレイン領域211Dにおけるゲート電極40Cの下部に位置する部分は、ゲート電極40Cの形成前に形成されている。
図9を参照して、半導体膜21に、LDD領域212S,212Dが形成される。次に、半導体膜21/22に、それぞれ、n−chの薄膜トランジスタのソース/ドレイン領域211S,211Dと、p−chの薄膜トランジスタのソース/ドレイン領域221S,221Dが形成される。
図10を参照して、ゲート絶縁膜30およびゲート電極40上に、シリコン酸化膜である層間絶縁膜50が形成される。その後、ソース/ドレイン領域中のリンイオンおよびボロンイオンを活性化するためのアニール処理が施される。
その後、ドライエッチング法により、層間絶縁膜50に、ソース/ドレイン領域およびゲート電極に達するコンタクト部61,71,81が形成される。そして、ソース電極60、ドレイン電極70およびゲート取出し電極80が形成される。
図11を参照して、層間絶縁膜50上に難水素透過性の保護膜90が形成される。保護膜90に電極取り出しのための開口部100が設けられた後、アニール処理が行なわれる。これにより、層間絶縁膜50およびゲート絶縁膜30から多結晶シリコン膜20に向けて水素が導入され、多結晶シリコン膜20内や、多結晶シリコン膜20とゲート絶縁膜30との界面における欠陥が終端化される。結果として、薄膜トランジスタの移動度が向上する。
図12を参照して、スパッタ法により、ITO(Indium Tin Oxide)などの導電性ガラスからなり、たとえば100nm程度の膜厚を有する画素電極110Aが形成される。
図13を参照して、画素電極110A上に配向膜120Aが設けられる。その後、配向膜120Aが形成された透明基板10が、対向基板140と貼り合わせられる。なお、対向基板140上には、画素電極110Bおよび配向膜120Bが設けられている。そして、配向膜120A,120B間の空隙に、液晶130が注入される。
以上の工程により得られる本実施の形態に係る薄膜トランジスタにおいても、実施の形態1に係る薄膜トランジスタと同様に、ゲート絶縁膜30におけるシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度を、層間絶縁膜50におけるシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度よりも低く設定している。具体的には、ゲート絶縁膜30におけるシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度を2×1017(1/cm3)以下程度とし、層間絶縁膜50におけるシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度を2×1017(1/cm3)よりも高くしている。このようにすることで、薄膜トランジスタの移動度を増加させて閾値電圧を低減し、かつ、ストレス電圧印加後の電流低下を抑制することができる。
図14は、本実施の形態に係る画像表示装置の構成を示す回路図である。
図14を参照して、本実施の形態に係る「画像表示装置」としての液晶表示装置300は、上述した薄膜トランジスタを有する表示装置であって、ソース回路301と、ゲート回路302と、ソース配線303と、ゲート配線304と、保持容量配線305と、画素トランジスタ306と、保持容量307と、液晶容量308と、対向基板電極309とを有する。
図14を参照して、本実施の形態に係る「画像表示装置」としての液晶表示装置300は、上述した薄膜トランジスタを有する表示装置であって、ソース回路301と、ゲート回路302と、ソース配線303と、ゲート配線304と、保持容量配線305と、画素トランジスタ306と、保持容量307と、液晶容量308と、対向基板電極309とを有する。
なお、上記の画素トランジスタ306は、図8〜図13におけるゲート電極40をゲートとするトランジスタに対応し、保持容量307は、図8〜図13における保持容量Cに対応する。また、液晶容量308は、図8〜図13における画素電極110A,110Bを電極とする容量である。
ソース回路301から供給される電圧は、ソース配線303を通り、画素トランジスタ306に伝達される。ゲート回路302で発生するスイッチング電圧は、ゲート配線304を通り画素トランジスタ306に伝達される。個々の画素に対応したソース回路301で発生した電圧が、ゲート回路302で形成されるスイッチング電圧により画素トランジスタ306がオンするタイミングで、画素電極に書き込まれる。
上記のように、液晶表示装置300が優れたスイッチング特性を有する薄膜トランジスタを有することで、低電圧で安定して動作し、かつ、動作速度の速い画像表示装置を得ることができる。
なお、上述した薄膜トランジスタは、エレクトロルミネッセンス表示装置に使用されてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上述した各実施の形態の特徴部分を適宜組合わせることは、当初から予定されている。また、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
10 透明基板、20 多結晶シリコン膜、30 ゲート絶縁膜、40,40C ゲート電極、50 層間絶縁膜、60 ソース電極、70 ドレイン電極、80 ゲート取出し電極、61,71,81 コンタクト部、90 保護膜、100 開口部、110A,110B 画素電極、120A,120B 配向膜、130 液晶、140 対向基板、210,220 チャネル領域、211S,221S ソース領域、221D,222D ドレイン領域、212S,212D LDD領域。
Claims (7)
- 基板と、
前記基板上に形成され、チャネル領域とソース/ドレイン領域とを含む半導体膜と、
前記半導体膜上に形成され、シリコン酸化膜を含むゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極を覆うように形成され、シリコン酸化膜を含む層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜上に形成され、水素の透過を抑制する保護膜とを備え、
前記ゲート絶縁膜におけるシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度は、前記層間絶縁膜におけるシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度よりも低い、半導体装置。 - 前記ゲート絶縁膜におけるシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度は2×1017(1/cm3)以下であり、前記層間絶縁膜におけるシリコン酸化膜中のSi−O−H結合の体積密度は2×1017(1/cm3)よりも大きい、請求項1に記載の半導体装置。
- 前記保護膜はシリコン窒化膜を含む、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
- 前記シリコン窒化膜の膜厚は300nm以上1000nm以下である、請求項3に記載の半導体装置。
- 基板上に半導体膜を形成する工程と、
前記半導体膜上にシリコン酸化膜を含むゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
前記半導体膜における前記ゲート電極の両側にソース/ドレイン領域を形成する工程と、
前記ゲート電極を覆うように、前記ゲート絶縁膜におけるシリコン酸化膜よりも高い体積密度でSi−O−H結合を有するシリコン酸化膜を含む層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜上に水素の透過を抑制する保護膜を形成する工程と、
前記保護膜を形成した後に熱処理を行なう工程とを備えた、半導体装置の製造方法。 - 前記層間絶縁膜を形成した後に、0.5MPa以上の圧力の水蒸気中において該層間絶縁膜にアニール処理が施される、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の半導体装置、または、請求項5もしくは請求項6に記載の半導体装置の製造方法により製造された半導体装置を備えた、画像表示装置。
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JP2005149523A JP2006332107A (ja) | 2005-05-23 | 2005-05-23 | 半導体装置およびその製造方法ならびに画像表示装置 |
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JP2008227368A (ja) * | 2007-03-15 | 2008-09-25 | Mitsubishi Electric Corp | 薄膜トランジスタ、それを用いた表示装置、及びそれらの製造方法 |
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