JP2006331767A - アルカリ電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 微細な亜鉛粒子または亜鉛合金粒子を含有するゲル状負極を有し、且つ生産性に優れたアルカリ電池を提供する。
【解決手段】 アルカリ電解液とゲル化剤を含有するゲル状電解液中に亜鉛粒子または亜鉛合金粒子を分散させてなるゲル状負極を有するアルカリ電池であって、上記亜鉛粒子または上記亜鉛合金粒子は、粒径が75μm以下の粒子を30質量%以上含有しており、且つ上記ゲル状負極において、上記亜鉛粒子または亜鉛合金粒子の占める割合が60〜70質量%であり、上記ゲル化剤として、平均粒径が40〜100μmで且つ球状の架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーと、該架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマー以外のゲル化剤を少なくとも1種含有していることを特徴とするアルカリ電池である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ゲル状負極を有するアルカリ電池に関するものである。
近年、高出力・重負荷放電が要求される機器の電源として、アルカリ電池が頻繁に用いられるようになっており、重負荷放電特性の向上が求められている。
アルカリ電池では、通常、活物質である粉末状の亜鉛や粉末状の亜鉛合金を含有するゲル状電極が負極に用いられているが、アルカリ電池の重負荷特性の向上を達成するために、この亜鉛や亜鉛合金の粒子径を小さくする検討がなされている(特許文献1)。これは、亜鉛や亜鉛合金の粒子径を小さくして比表面積を大きくすることにより、その反応性を高めて、重負荷放電特性の向上を図っているのである。
この他、アルカリ電池の重負荷放電特性を高める技術として、ゲル状負極に用いるゲル化剤として、特定の架橋ポリアクリル酸やその塩類と、それ以外のゲル化剤を組み合わせて用いる技術も提案されている(特許文献2)。
特表2001−512284号公報 特開2001−307746号公報
特許文献1に開示されているような微細な亜鉛粒子や亜鉛合金粒子を用いる技術は、負極の反応性を非常に高め得るため、アルカリ電池の重負荷放電特性を向上させる方法として、特に有効である。しかし、このような微細な亜鉛粒子や亜鉛合金粒子を有するゲル状負極では、従来程度の粒子径の亜鉛粒子や亜鉛合金粒子を有するゲル状負極に比べて、その流動性が大きく低下することが本発明者らの検討により明らかとなった。ゲル状負極の流動性が低下すると、ゲル状負極の生産性、延いてはアルカリ電池の生産性が損なわれてしまい、ゲル状負極の流動性が極めて低下するような場合には、アルカリ電池の生産自体が不可能になることもある。特許文献1に開示の技術は、上記の点に未だ改善の余地を残している。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、微細な亜鉛粒子または亜鉛合金粒子を含有するゲル状負極を有し、且つ生産性に優れたアルカリ電池を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明のアルカリ電池は、アルカリ電解液とゲル化剤を含有するゲル状電解液中に亜鉛粒子または亜鉛合金粒子を分散させてなるゲル状負極を有しており、上記亜鉛粒子または上記亜鉛合金粒子は、粒径が75μm以下の粒子を30質量%以上含有しており、上記ゲル状負極において、上記亜鉛粒子または亜鉛合金粒子の占める割合が60〜70質量%であり、上記ゲル化剤として、平均粒径が40〜100μmで且つ球状の架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーと、該架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマー以外のゲル化剤を少なくとも1種含有していることを特徴とするものである。
従来からアルカリ電池のゲル状負極には、ゲル化剤として無定形のポリアクリル酸類などが一般的に用いられているが、これらのゲル化剤は、アルカリ電解液中に分散させることで、アルカリ電解液中の水分を取り込んで膨潤し、顆粒ゲルとなる。こうして形成された顆粒ゲルを含有するゲル状電解液に、亜鉛粒子や亜鉛合金粒子(以下、纏めて「亜鉛系粒子」という)を分散させて構成したゲル状負極を有する電池では、振動や衝撃が加わった際の亜鉛系粒子の負極内での偏在が、顆粒ゲルによって抑制される。また、上記顆粒ゲルは、亜鉛系粒子同士の接触を減らし、亜鉛系粒子間での摩擦を抑えて、ゲル状負極の流動性を向上させる役割も果たしている。
ところが、本発明者らの検討によると、上記のような従来から汎用されているゲル化剤は、アルカリ電解液中において膨潤した際に、平均粒径が500〜2000μm程度の顆粒ゲルとなることが判明した。このような粗大な顆粒ゲルでは、亜鉛系粒子が非常に微細な場合には、亜鉛系粒子同士の接触を抑えることができないため、亜鉛系粒子間での摩擦によって、ゲル状負極の流動性が低下してしまうものと考えられる。
そこで、本発明では、ゲル状負極に係るゲル化剤として、アルカリ電解液中で上記のような粗大な顆粒ゲルとなり難い特定の平均粒径を有する球状の架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーと、該吸水性ポリマー以外のゲル化剤を併用することにより、ゲル状負極内における亜鉛系粒子同士の接触を抑えて、ゲル状負極の流動性の低下を防止している。
本発明のアルカリ電池に係るゲル状負極は、微細な亜鉛系粒子を含有しつつ、その流動性が優れていることから、生産性が良好である。よって、本発明のアルカリ電池も、生産性が良好である。また、本発明のアルカリ電池では、ゲル状負極に係る亜鉛系粒子が微細であることから、優れた放電特性(重負荷放電特性)を有している。
以下、本発明のアルカリ電池の構成を詳細に説明する。
本発明のアルカリ電池に係る負極は、アルカリ電解液とゲル化剤を含有するゲル状電解液中に、亜鉛系粒子を分散させてなるゲル状負極である。
亜鉛系粒子に係る亜鉛は、負極活物質として作用するものである。なお、亜鉛系粒子とアルカリ電解液との反応による水素ガス発生を抑制する観点からは、亜鉛系粒子が、インジウム、ビスマス、アルミニウム、カルシウム、またはストロンチウムなどの元素を合金成分として含有する亜鉛合金粒子であることが好ましい。亜鉛合金粒子に係る亜鉛合金中のこれら元素の含有量としては、例えば、インジウム:50〜500ppm、ビスマス:50〜500ppm、アルミニウム:3〜100ppm、カルシウム:3〜100ppm、ストロンチウム:3〜100ppmであることが好ましい。亜鉛合金は、これらの元素の1種のみを含有していてもよく、2種以上を含有していても構わない(その場合、亜鉛合金の残部は、例えば、亜鉛および不可避不純物である)。
亜鉛系粒子は、粒径が75μm以下の粒子を、30質量%以上、好ましくは50質量%以上含有している。このように微細な形態の亜鉛系粒子を用いることにより、アルカリ電池の放電特性(特に重負荷放電特性)を向上させることができる。ここで、本発明でいう亜鉛系粒子の粒径は、篩いによる分級によって求められる粒径を意味している。すなわち、上記の「粒径が75μm以下の粒子」とは、開き目の一辺が75μmの標準篩いを通過し得る粒子であることを意味している。よって、本発明に係る亜鉛系粒子は、開き目の一辺が75μmの標準篩いを通過し得る粒子の割合が30質量%以上(好ましくは50質量%以上)となるように調製すればよい。なお、負極が有する亜鉛系粒子の最大径は、400〜500μm程度であることが好ましく、また、最小径は、10μm程度であることが好ましい。
また、亜鉛系粒子として、上記の亜鉛合金粒子を用いる以外にも、負極からの水素ガスの発生量を低減するためには、例えば、水酸化インジウムなどのインジウム化合物を0.1〜0.5質量%程度添加したり、水酸化ビスマスなどのビスマス化合物を100〜500ppm(質量基準)程度添加したりすることが好ましい。また、負極に使用する電解液、正極に使用する電解液、または電池内に直接注入する電解液の、少なくとも一種に、水酸化インジウムなどのインジウム化合物や、水酸化ビスマスなどのビスマス化合物を、100〜5000ppm(質量基準)の濃度で溶解させることも、負極からの水素ガスの発生量を低減する観点から好ましい。
ゲル状負極において、亜鉛系粒子の占める割合は、60質量%以上であって、70質量%以下、好ましくは67質量%以下である。ゲル状負極における亜鉛系粒子の割合が多すぎると、ゲル状負極における固形分の割合が多くなりすぎて、ゲル状負極の流動性が低下する。また、ゲル状負極における亜鉛系粒子の割合が少なすぎると、負極活物質量が少なくなりすぎて、電池容量が低下する。
本発明に係るゲル化剤としては、上記の通り、平均粒径が40〜100μmで且つ球状の架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーと、該架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマー以外のゲル化剤が併用される。
上記架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーは、平均粒径が40〜100μmで、且つその形状が球状であることを要する。架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーの平均粒径が上記範囲外であるか、球状でない場合には、ゲル状負極において、亜鉛系粒子同士の接触を抑制する効果が発現されず、ゲル状負極の流動性の低下を招いてしまう。
なお、本発明において「球状」とは、真球のみを意味するものではなく、鶏卵状、かぼちゃ状、液滴状など、真球から多少ずれた形状のものも含む概念である。ここで、架橋ポリアクリル酸またはその塩類型ポリマーの平均粒径は、光学顕微鏡などを用いて求めることができ、例えば任意の粒子50個の粒径を調べ、その平均値を平均粒径とすればよい。
また、上記球状のポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーは、上記の平均粒径を有するものであるが、その粒度分布はできる限り狭い方が好ましい。ゲル状負極の流動性の点では、上記球状のポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーにおいて、粒径が30μm以下のものの割合が、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。また、同じく粒径が120μm以上のものの割合は、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。特に、負極の亜鉛粒子または亜鉛合金粒子に、75μm以下の粒子を50質量%以上含む場合には、ゲル状負極の流動性を確保することがより難しくなるため、球状の架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーの流動分布を上記のように調整して用いることが望ましい。粒度分布の調整は、所定の開き目を有する標準篩いを用いて分級することにより容易に行うことができる。
なお、上記球状の架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーには、架橋ポリアクリル酸の他、架橋ポリアクリル酸ソーダ、架橋ポリアクリル酸アンモニウムなどの塩類型吸水性ポリマーが含まれる。
上記球状の架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマー(以下、「球状の架橋ポリアクリル酸など」という場合がある)は、主鎖であるポリアクリル酸またはその塩同士が架橋された構造を有している。このような球状の架橋ポリアクリル酸などは、例えば、主鎖となるポリアクリル酸またはその塩(ソーダ塩、アンモニウム塩など)を溶解させた水溶液(A)と、架橋構造を形成するための架橋剤を溶解させた有機溶媒溶液(B)とを調製し、有機溶媒溶液(B)中に水溶液(A)を分散させた懸濁液としつつ架橋反応を進めることにより、合成することができる。
上記球状の架橋ポリアクリル酸などの架橋構造形成に用い得る架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレンジアミンなどの多価アミン類、またはこれらの塩(無機塩または有機塩);エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテルなどの多価エポキシ化合物;2,4−トリレンジイソシアネートなどの多価イソシアネート類;などが挙げられる。
また、有機溶媒溶液(B)に使用し得る有機溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類;ベンゼン、エチルベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などが挙げられる。
上記救助の架橋ポリアクリル酸などの合成に際しては、例えば、上記の有機溶媒溶液(B)を撹拌しながら、この中に上記の水溶液(A)を添加する方法などが採用できる。合成の際の温度は特に制限は無いが、例えば、室温以上で有機溶媒溶液(B)に用いた溶媒の沸点以下の温度が好ましい。合成の際の反応時間は、例えば、1〜48時間程度が好適である。水溶液(A)と有機溶媒溶液(B)の配合比は、特に制限は無く、合成される架橋ポリアクリル酸などが、40〜100μmの平均粒径で且つ球状の形態をとり得るように、配合比を適宜調整すればよい。
ゲル状電解液における上記球状の架橋ポリアクリル酸などの含有量は、例えば、0.5質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上であって、2.0質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下であることが望ましい。ゲル状電解液における上記球状の架橋ポリアクリル酸などの含有量が少なすぎると、ゲル状負極における亜鉛系粒子の均一分散状態を保持できなくなることがあり、電池に衝撃が加わったときに負極内で亜鉛系粒子の偏在が生じて電池特性が劣化することがある。また、ゲル状電解液における上記球状の架橋ポリアクリル酸などの含有量が多すぎると、ゲル状電解液において、ゲル化剤に保持されていないフリーな水分の量が不十分となることがあるため、放電の際の負極での反応が十分に進行し難くなり、電池特性が損なわれることがある。
なお、ゲル化剤として、上記球状の架橋ポリアクリル酸などのみを用いたゲル状負極では、亜鉛系粒子を均一に分散させ、更にこれを保持することが困難となる。よって、ゲル状負極中でのアルカリ電解液の粘度をある程度高めて、亜鉛系粒子の均一分散性とその保持性を向上させる観点から、本発明の電池に係るゲル状負極では、ゲル化剤として、上記球状の架橋ポリアクリル酸などと共に、該球状の架橋ポリアクリル酸など以外のゲル化剤を併用する。このようなゲル化剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類またはその塩類(アルカリ塩など);従来公知の無定形のポリアクリル酸、例えば、架橋分岐型ポリアクリル酸またはその塩類(ソーダ塩、アンモニウム塩など);などが挙げられる。これらのゲル化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、架橋分岐型ポリアクリル酸またはその塩類が好ましい。
ゲル状電解液における上記球状の架橋ポリアクリル酸など以外のゲル化剤の含有量は、例えば、0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であって、1.8質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下であることが望ましい。ゲル状電解液における上記球状の架橋ポリアクリル酸など以外のゲル化剤の含有量が少なすぎると、ゲル状負極の粘性が低下し、電解液がゲルから分離して、電池特性が損なわれることがある。また、ゲル状電解液における上記球状の架橋ポリアクリル酸など以外のゲル化剤の含有量が多すぎると、ゲル化剤に保持されていないフリーな水分の量が不十分となり、電池特性が損なわれることがある。
更に、ゲル状電解液における上記球状の架橋ポリアクリル酸などの含有量と、該球状の架橋ポリアクリル酸など以外のゲル化剤の含有量の総和が、例えば、1.5質量%以上、より好ましくは1.7質量%以上であって、3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下であることが望ましい。ゲル状電解液におけるゲル化剤の含有量の総和が少なすぎると、ゲル状負極の粘性が低下し、電解液がゲルから分離して、電池特性が損なわれることがある。また、ゲル状電解液におけるゲル化剤の含有量の総和が多すぎると、ゲル化剤に保持されていないフリーな水分の量が不十分となり、電池特性が損なわれることがある。
ゲル状負極に用いるアルカリ電解液としては、特に制限は無く、従来公知のゲル状負極を有するアルカリ電池に使用されているアルカリ電解液と同様のもの(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物の水溶液)が使用できる。そのアルカリ濃度も特に制限は無く、従来公知のアルカリ電池と同程度とすればよい。
また、本発明のアルカリ電池では、上述のゲル状負極を有していればよく、その他の構成については、特に制限は無く、従来公知のアルカリ電池で採用されている各構成を用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
平均粒径が60μmで、30μm以下の粒子の割合が4質量%、120μm以上の粒子の割合が6質量%である球状の架橋ポリアクリル酸ソーダと、架橋分岐型ポリアクリル酸をゲル化剤に用い、アルカリ電解液に、酸化亜鉛を飽和させた30質量%水酸化カリウム水溶液を用いて、ゲル状電解液を調製した。ゲル状電解液の調製は、アルカリ電解液100g中に、上記球状の架橋ポリアクリル酸ソーダ0.8g、および上記架橋分岐型ポリアクリル酸0.85gを添加し、ホモジナイザーで混合することにより行った。
調製したゲル状電解液を万能混練釜に投入し、ガス抑制剤であるビスマス酸化物12.5mgとインジウム酸化物41.6mgを添加し、撹拌した。ここに、ガスアトマイズ法により作製し、75μm以下の粒径のものを75質量%含有する亜鉛粒子(ただし、平均粒径は125μmであり、最大粒径は425μm)を加え、撹拌を行ってゲル状負極を得た。なお。亜鉛粒子は、ゲル状負極に占める割合が65.5質量%となるように添加した。ゲル状負極の調製は複数回行い、後記の流動性評価と、アルカリ電池作製に使用できるだけの量を確保した。
上記のゲル状負極を用いた以外は、従来と同様の構成で図1に示す構造の単3形円筒形アルカリ電池(LR6)を作製した。すなわち、図1は、実施例1で作製した円筒形アルカリ電池の構造を示す部分縦断面図である。図1の電池では、正極1は端子付きの正極缶2内に挿入されており、この正極1の内側にはセパレータ3を介して上記のゲル状負極4が充填されている。そして、5は負極集電体、6は封口体、7は金属ワッシャ、8は樹脂ワッシャ、9は絶縁キャップ、10は負極端子板、11は樹脂外装体である。
正極は、以下のようにして作製した。二酸化マンガン(平均粒径35μm)100質量部と、黒鉛6.7質量部を加えて撹拌混合し、得られた混合物に電解液(酸化亜鉛を飽和させた35質量%水酸化カリウム水溶液)を添加し、更に撹拌混合を行って粉末状の正極合剤を調製した。得られた正極合剤粉末を造粒した後、分級により成形して顆粒状正極合剤を得た。その顆粒状正極合剤を正極缶内で加圧成形して、円筒形の正極とした。
次に、ビニロンとレーヨンを主体とし、厚みが100μmの不織布で構成されている公知のアルカリ電池用セパレータを筒形に巻いて上記の円筒形正極の内部に接触するように収納した。その後、アルカリ電解液として、30質量%水酸化カリウム水溶液と2質量%酸化亜鉛水溶液の混合溶液を、セパレータの繊維の隙間に完全に染み渡るように注入した。その後、この円筒形セパレータの内側に、上記のゲル状負極を充填し、負極集電体、封口体、金属ワッシャ、樹脂ワッシャ、絶縁キャップ、負極端子板、および樹脂外装体を、図1に示すように配置して正極缶の開口端部を封口し、図1に示す構造の円筒形アルカリ電池とした。
実施例2
75μm以下の粒子の割合が100質量%である亜鉛粒子を用いてゲル状負極を調製した他は、実施例1と同様にして円筒形アルカリ電池を作製した。
実施例3
ゲル状負極中に占める亜鉛粒子の割合を64質量%に変更してゲル状負極を調製した他は、実施例1と同様にして円筒形アルカリ電池を作製した。
比較例1
上記球状の架橋ポリアクリル酸ソーダに代えて、無定形の架橋ポリアクリル酸を用いてゲル状負極を調整した他は、実施例1と同様にして円筒形アルカリ電池を作製した。
実施例1〜3および比較例1で調製したゲル状負極について、下記の流動性評価を行うと共に、実施例1〜3および比較例1で作製したアルカリ電池について、下記の放電特性評価を行った。
<ゲル状負極の流動性評価>
吐出口の直径が15mmであるテフロン(登録商標)製の筒状容器を用意し、この吐出口を閉じた状態で、ゲル状負極を500g投入した。その後、吐出口を開き、120秒間に自重落下するゲル状負極の質量を量り取ることで、その流動性を評価した。結果を図2のグラフに示す。なお、図2では、横軸に筒状容器の吐出口を開いてからの経過時間を、縦軸に、吐出口を開いてからのゲル状負極の落下質量を示している。
図2は、ゲル状負極の流動性評価試験の結果を示すグラフであり、図2から分かるように、特定の平均粒径を有する球状の架橋ポリアクリル酸などと、該球状の架橋ポリアクリル酸など以外のゲル化剤である上記の架橋分岐型ポリアクリル酸をゲル化剤として用いたゲル状負極であって、且つ該ゲル状負極中に亜鉛粒子が特定割合で含有されている実施例1〜3におけるゲル状負極では、筒形容器の吐出口の開口から時間が経過するに従って落下が進んでおり、良好な流動性を有している。これに対し、ゲル化剤として、上記球状の架橋ポリアクリル酸などの代わりに、無定形の架橋ポリアクリル酸を、上記の架橋分岐型ポリアクリル酸と併用した比較例1におけるゲル状負極では、筒形容器の吐出口から落下せず、流動性が劣るため、電池の量産工程で問題が生じることが判明した。
なお、円筒形アルカリ電池の作製は行わなかったものの、実施例1で用いた球状の架橋ポリアクリル酸ソーダを分級することにより、平均粒径が40μm未満となる球状のポリアクリル酸ソーダ、または平均粒径が100μmを超える球状のポリアクリル酸ソーダを用意し、これを用いたゲル状負極に関する検討を行ったが、平均粒径が本発明の範囲から外れるために、上記比較例1におけるゲル状負極と同様に、流動性に問題を生じる結果となった。
更に、実施例1のゲル状負極について、亜鉛粒子の割合を73質量%に変更してゲル状負極を調製したが、亜鉛粒子の割合が本発明の範囲から外れるために、やはり流動性に問題を生じる結果となった。
<アルカリ電池の放電特性評価>
実施例1〜3および比較例1のアルカリ電池を、1Aで放電させ、電池電圧が1Vに低下するまでの放電時間を測定して、放電特性の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2006331767
表1から分かるように、球状のポリアクリル酸ソーダを用いた実施例1および3のアルカリ電池は、従来のゲル化剤を用いた比較例1と同等の放電特性が得られており、また、負極の亜鉛粒子の粒径をより小さくした実施例2のアルカリ電池では、より優れた放電特性を実現することができた。
以上に示す通り、本発明により、電池の放電特性を低下させることなく、負極の亜鉛粒子または亜鉛合金粒子の微粒子化における生産性低下の問題を解決することが可能となる。
本発明のアルカリ電池の一例(実施例で作製したアルカリ電池)の構造を示す部分縦断面図である。 実施例および比較例におけるゲル状負極の流動性評価結果を示すグラフである。
符号の説明
1 正極
3 セパレータ
4 ゲル状負極

Claims (4)

  1. アルカリ電解液とゲル化剤を含有するゲル状電解液中に亜鉛粒子または亜鉛合金粒子を分散させてなるゲル状負極を有するアルカリ電池であって、
    上記亜鉛粒子または上記亜鉛合金粒子は、粒径が75μm以下の粒子を30質量%以上含有しており、
    上記ゲル状負極において、上記亜鉛粒子または亜鉛合金粒子の占める割合が60〜70質量%であり、
    上記ゲル化剤として、平均粒径が40〜100μmで且つ球状の架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーと、該架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマー以外のゲル化剤を少なくとも1種含有していることを特徴とするアルカリ電池。
  2. 上記ゲル状電解液中における上記架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーの含有量が0.5〜2質量%であり、
    上記ゲル状電解液中における上記架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマー以外のゲル化剤の含有量が0.1〜1.8質量%であり、且つ
    上記ゲル状電解液中における上記架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーの含有量と、該架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマー以外のゲル化剤の含有量の総和が、1.5〜3質量%である請求項1に記載のアルカリ電池。
  3. 上記球状の架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーは、粒径が30μm以下のものの割合が30質量%以下である請求項1または2に記載のアルカリ電池。
  4. 上記球状の架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーは、粒径が120μm以上のものの割合が30質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のアルカリ電池。
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