JP2003151539A - アルカリ乾電池 - Google Patents

アルカリ乾電池

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JP2003151539A JP2002141002A JP2002141002A JP2003151539A JP 2003151539 A JP2003151539 A JP 2003151539A JP 2002141002 A JP2002141002 A JP 2002141002A JP 2002141002 A JP2002141002 A JP 2002141002A JP 2003151539 A JP2003151539 A JP 2003151539A
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教子 藤原
Shinichi Sumiyama
真一 住山
Takeshi Okubo
威 大窪
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康子 保科
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解液の漏洩の可能性が低く、かつ放電性能
に優れたアルカリ乾電池、ならびに薄いセパレータを用
いても内部短絡を起こしにくいアルカリ乾電池を得る。 【解決手段】 亜鉛粉末として、その粒径が75μmを
超え425μm以下の第1の亜鉛粒子を65〜75重量
%および粒径が75μm以下の第2の亜鉛粒子を25〜
35重量%含むものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電性能および安
全性に優れたアルカリ乾電池に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今の携帯電話およびデジタルカメラな
どの携帯情報機器の進歩および発展にともない、強負荷
放電が可能なアルカリ乾電池が望まれている。これに対
し、従来のアルカリ乾電池においては、強負荷放電特性
を向上させるためゲル負極に含ませる亜鉛粉末の粒径を
小さくすることが行われている。具体的には、亜鉛粉末
の粒度分布において粒度の小さい亜鉛粒子の量を増やす
ことが行われている。これは、粒径の小さい亜鉛粒子の
比表面積が大きいことに起因して、負極の反応効率が向
上するためである。
【0003】しかし、このようにむやみに亜鉛粉末の粒
径を小さくして反応効率を向上させると、電池をショー
トさせた場合に電池の表面温度が上昇し、電池内部で発
生するガスの量が多くなり、結果として電池外部に電解
液が漏洩する可能性が高くなってしまうという問題があ
る。すなわち、従来技術においては、亜鉛粉末の粒径を
小さくすることによる放電性能の向上と電池の安全性の
維持とをバランスよく実現させるのが比較的困難であっ
た。
【0004】また、従来のアルカリ乾電池においては、
負極活物質として粒径が75〜425μmの亜鉛粒子を
9割以上含む比較的粒径の大きい亜鉛粉末を用い、セパ
レータとしては300μm程度のある程度の厚さのもの
を用いてきた。ところが、上述のように、昨今の携帯電
話などの携帯情報機器の進歩および発展にともない、強
負荷放電が可能で寿命の長いアルカリ乾電池が望まれて
いる。
【0005】この要望に対して、強負荷放電特性を向上
させるために、セパレータの厚みを薄くして、セパレー
タの抵抗を小さくすることが検討されてきた。しかし、
従来の粒度の粗い亜鉛粉末を用いてセパレータの厚さを
薄くすると、例えば3.9Ω、5分/日の強負荷間欠放
電においては、電池の内部短絡が起きてしまうという問
題があった。これは電池反応に伴って亜鉛粉末が酸化さ
れ、亜鉛の結晶が針状に成長し、セパレータを貫通して
内部短絡が発生してしまうためである。
【0006】一方、強負荷放電特性を向上させるための
別の取り組みとして、負極活物質として用いる亜鉛粉末
において、粒径の小さい亜鉛粒子の比率を増加させると
いう取り組みが行われてきた。この取り組みの中で、亜
鉛粉末における粒径の小さい亜鉛粒子の比率を増加させ
ることにより電池の内部短絡を効果的に抑制し得ること
がわかってきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の第1
の目的は、電解液の漏洩の可能性が低く、かつ放電性能
に優れたアルカリ乾電池を提供することにある。また、
本発明の第2の目的は、亜鉛粉末の粒径とセパレータの
厚さとの好ましい関係を導き出すことにより、セパレー
タを薄くしても内部短絡を起こしにくいアルカリ乾電池
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、亜鉛粉末を含む負極と、電解液と、セ
パレータと、正極とを具備するアルカリ乾電池におい
て、前記亜鉛粉末として、粒径が75μmを超え425
μm以下の第1の亜鉛粒子を60〜80重量%および粒
径が75μm以下の第2の亜鉛粒子を40〜20重量%
含むものを用いる点に最大の特徴を有する。
【0009】前記亜鉛粉末が、粒径が75μmを超え4
25μm以下の第1の亜鉛粒子を65〜75重量%およ
び粒径が75μm以下の第2の亜鉛粒子を35〜25重
量%含む場合は、前記電解液が37.5〜38.5重量
%のKOHを含むのが好ましい。
【0010】また、前記セパレータの厚さが190〜3
20μmであるのが好ましい。ここでいうセパレータの
厚さは、電池内における電解液吸収前のセパレータの総
厚さである。通常は、より薄いセパレータを重ねて円筒
状にし、一方の開口端を折り曲げて、最終的に筒型構成
を有するセパレータを用いる。
【0011】すなわち、本発明におけるセパレータの厚
さとは、そのように構成されて電池内に収容されている
電解液吸収前のセパレータの総厚さである。例えば、厚
さX(μm)のセパレータを2重にし円筒状にして電池
内に収容している場合、セパレータの厚さは2X(μ
m)となる。
【0012】また、前記亜鉛粉末が、粒径が75μmを
超え425μm以下の第1の亜鉛粒子を65〜75重量
%および粒径が75μm以下の第2の亜鉛粒子を35〜
25重量%含む場合、前記電解液が37.5〜38.5
重量%でKOHを含み、前記セパレータの厚さが190
〜320μmであるのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係るアルカリ乾電池は、
負極の亜鉛粉末として、その粒径が75μmを超え42
5μm以下の第1の亜鉛粒子を65〜75重量%および
粒径が75μm以下を25〜35重量%の第2の亜鉛粒
子を含む亜鉛粉末を用いることを最大の特徴とする。以
下に、かかる本発明における2つの好ましい実施の形態
について説明する。
【0014】実施の形態1 上述のように、従来の技術においては、電池の放電性能
を向上させるという観点から、負極に添加する亜鉛粉末
の粒径を小さくすることが行われていた。具体的には、
75〜425μmの粒径を有する亜鉛粒子を95重量
%、75μm未満の粒径を有する亜鉛粒子を5重量%含
む亜鉛粉末が用いられていた。また、電解液に用いられ
ていたKOH水溶液の濃度は40重量%であった。
【0015】これに対し、本発明の実施の形態1に係る
アルカリ乾電池は、亜鉛粉末を含む負極と、KOHを含
む電解液と、二酸化マンガンおよび黒鉛粉末を含む正極
とを具備し、前記亜鉛粉末は、その粒径が75μmを超
え425μm以下の第1の亜鉛粒子を65〜75重量%
および粒径が75μm以下を25〜35重量%の第2の
亜鉛粒子を含み、前記電解液中のKOH濃度が37.5
〜38.5%である。
【0016】本発明者らは、粒度の小さい亜鉛粉末の量
をむやみに増やすと放電性能は向上するが電池外への電
解液の漏洩の可能性が比較的高くなってしまうため、さ
らに電解液の濃度を低くすることにより、放電性能の向
上を維持しつつ安全性にも優れる本発明の実施の形態1
に係るアルカリ乾電池を完成するに至った。
【0017】すなわち、電解液中のKOH濃度を薄くす
ることで、電池のショート時における亜鉛の反応生成物
の拡散を阻止し、ショート時の電池反応を抑制すること
で電池温度の上昇を抑え漏液の危険性を低減することが
できる。なお、KOH濃度を薄くし過ぎると、特に定電
流の連続放電の保存性能が劣化するため、電解液中のK
OH濃度が37.5〜38.5重量%の範囲であるのが
好ましい。
【0018】本発明の実施の形態1に係るアルカリ乾電
池は、ゲル状負極に用いる亜鉛粉末および電解液として
上述のものを用いるほかは、常法により作製すればよ
い。例えば正極は、二酸化マンガン、黒鉛粉末およびK
OH溶液などのアルカリ溶液を混合して正極合剤を得、
常法により作製することができる。
【0019】実施の形態2 上述のように、従来の亜鉛粉末を用いつつセパレータの
厚さを薄くすると、電池反応に伴って亜鉛粉末が酸化さ
れ、針状の結晶を形成し、この針状結晶がセパレータを
貫通してしまうという問題があった。これに対し、本発
明者らは、亜鉛粉末の粒度分布およびセパレータの厚さ
について鋭意検討した。特に、従来の負極活物質として
の亜鉛粉末には、粒径が75〜425μmの亜鉛粒子を
9割以上含む亜鉛粉末が用いられていた。
【0020】これに対し、本発明の実施の形態2におい
ては、粒径が75〜425μmの第1の亜鉛粒子を60
〜80重量%および75μm以下の第2の亜鉛粒子を2
0〜40重量%含む亜鉛粉末を用いる。亜鉛粒子の平均
粒径を従来のものよりも大きくすると、電池反応に寄与
する亜鉛粒子の面積が低減し、放電性能が低下してしま
う。また、亜鉛粉末における粒径が75μm以下の粒度
の細かい第2の亜鉛粒子の量を40重量%を超えて増加
させると、得られる電池の短絡時の安全性が低下してし
まう。
【0021】上述のような亜鉛粉末を用いることによ
り、内部短絡を誘発することなく電池内における前記セ
パレータの総厚さを190〜320μmとすることがで
き、正極または負極の活物質量を増大させることがで
き、放電性能を向上させることができる。
【0022】ここで、セパレータの厚さが320μmを
超える場合、電池内部を占めるセパレータの容積が増大
し、結果として電池に含むことのできる活物質の量が減
り、放電性能が低下してしまう。また、190μm未満
の場合、間欠放電における内部短絡の発生頻度が高くな
る。
【0023】なお、本発明の実施の形態2においていう
セパレータの厚さは、電池内における電解液吸収前のセ
パレータの総厚さである。通常は、より薄いセパレータ
を重ねて円筒状にし、一方の開口端を折り曲げて、最終
的に筒型構成を有するセパレータを用いる。
【0024】すなわち、本発明の実施の形態2における
セパレータの厚さとは、そのように構成されて電池内に
収容されている電解液吸収前のセパレータの総厚さであ
る。例えば、厚さX(μm)のセパレータを2重にし円
筒状にして電池内に収容している場合、セパレータの厚
さは2X(μm)となる。
【0025】また、前記セパレータの密度は、0.35
g/cm3を超える密度のセパレータにおいては、電解
液吸液後の膨潤が大きくなり、電池内のセパレータ占有
体積が増大し、所望の活物質を充填することができなく
なり、電池の容量が小さくなる。また、0.25g/c
3未満の密度のセパレータにおいては空隙部が増大
し、電池反応に伴い生成される酸化亜鉛がセパレータを
貫通して起こる内部短絡が発生しやすいという理由か
ら、0.25〜0.35g/cm3であるのが好まし
い。
【0026】加えて、前記セパレータを構成する繊維の
繊度は、0.5デニールよりも大きいと抄紙されたセパ
レータの空隙が大きく、電池反応に伴い生成される酸化
亜鉛がセパレータを貫通して起こる内部短絡が発生しや
すいという理由から、0.5デニール以下であるのが好
ましい。なお、繊維とはセパレータを構成する主な繊維
でありバインダーとしての繊維を除くものである。
【0027】なお、本発明の実施の形態2におけるセパ
レータを構成する材料としては、従来から用いられてい
る種々のものを利用することができるが、耐アルカリ
性、吸液性、保液性という理由から、ポリビニルアルコ
ール繊維(ビニロン)およびレーヨン繊維を主とする不
織布セパレータを用いるのが好ましい。
【0028】本発明の実施の形態2における正極は、例
えば二酸化マンガン、黒鉛粉末およびKOH水溶液など
のアルカリ水溶液を混合して正極合剤を得、常法により
作製することができる。また、電解質についても従来か
らのものを用いることができる。
【0029】ここで、本発明に係るアルカリ乾電池の一
部を断面にした正面図を図1に示す。図1において、電
池ケース1の内部には、短筒状のペレット形状に成形さ
れた正極合剤2、セパレータ4およびゲル状負極3が収
容されている。電池ケース1としては、内面にニッケル
メッキが施された鋼のケースなどを用いることができ
る。電池ケース1の内面には、複数個の正極合剤2が密
着した状態で収容されている。正極合剤2のさらに内側
にはセパレータ4が配され、さらにその内側にゲル状負
極3が充填されている。
【0030】以下に、実施例を用いて本発明をより具体
的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるもの
ではない。
【0031】
【実施例】《実施例1〜6および比較例1〜6》図1に
示す構造を有する上記実施の形態1に係るアルカリ乾電
池を作製すべく、正極合剤2はつぎのようにして作製し
た。まず、二酸化マンガンと黒鉛とアルカリ電解液と
を、90:6:1の重量割合で混合し、得られた混合物
を充分に攪拌した後にフレーク状に圧縮成形した。つい
で、フレーク状の正極合剤を粉砕して顆粒状の正極合剤
とし、顆粒状の正極合剤を篩によって分級し、10〜1
00メッシュの顆粒を中空円筒形に加圧成形してペレッ
ト状の正極合剤2を得た。
【0032】4個の正極合剤2を電池ケース1内に挿入
し、加圧治具によって正極合剤2を再成形して電池ケー
ス1の内壁に密着させた。上記のようにして電池ケース
1内に配置された正極合剤2の中央に有底円筒形のセパ
レータ4を配置し、セパレータ4内へ所定量のアルカリ
電解液を注入した。所定時間経過後、アルカリ電解液と
ゲル化剤と亜鉛合金粉末とを含むゲル状負極3をセパレ
ータ4内へ充填した。ゲル状負極3には、ゲル化剤であ
るポリアクリル酸ナトリウム1重量部、表1に示す濃度
の水酸化カリウム水溶液33重量部、ならびに66重量
部の亜鉛粉末を含むものを用いた。亜鉛粉末としては、
表1に示すX重量%の75μm以下の第2の亜鉛粒子お
よび(100−X)重量%の粒径が75μmを超え42
5μm以下の第1の亜鉛粒子の混合物を用いた。
【0033】また、セパレータ4は、ポリビニルアルコ
ール繊維とレーヨン繊維を重量比率7:10で混抄した
不織布(厚さ220μm)を用いた。なお、用いたセパ
レータの密度は0.30g/cm3、前記セパレータを
構成する繊維の繊度は0.3デニールであった。なお、
繊維の比率はこれに限られず、また、バインダーとして
他の繊維を加えてもよい。続いて、負極集電子6をゲル
状負極3の中央に差し込んだ。なお、負極集電子6に
は、ガスケット5および負極端子を兼ねる底板7を一体
化させた。そして、電池ケース1の開口端部を、ガスケ
ット5の端部を介して、底板7の周縁部にかしめつけ、
電池ケース1の開口部を封口した。最後に、外装ラベル
8で電池ケース1の外表面を被覆して、本発明のアルカ
リ乾電池1〜6および比較アルカリ乾電池1〜6を得
た。
【0034】[評価]上記アルカリ乾電池1〜6および比
較アルカリ乾電池1〜6のぞれぞれについて、複数個の
電池を用意し、以下のようにして評価を行った。 漏液数 アルカリ乾電池を4本用意し、4本の電池を直列につな
いで常温でショートさせて閉回路を形成して24時間放
置した。その後回路を開いて3日間放置して漏液した電
池の数を数え、漏液率[(漏液した電池/漏液しなかった
電池)×100]を表1に示した。
【0035】放電性能 まず、初度(製造直後)および60℃で7日間保存後の
アルカリ乾電池について、1000mA、10秒間onお
よび50秒間offのパルス放電を1日1時間行い、終止
電圧0.9Vまでの放電時間を測定した。各電池につい
て、10個の電池の放電時間の平均値を求め、従来例で
ある比較例5の初度の結果を100として指数で表し
た。結果は表1に示した。つぎに、初度(製造直後)お
よび60℃で7日間保存後のアルカリ乾電池について、
1000mAの定電流で終止電圧0.9Vまで連続放電
し、10個のアルカリ乾電池の放電時間の平均値を求
め、従来例である比較例5の初度の結果を100として
指数で表した。結果を表1に示した。また、500m
A、250mAまたは100mAの定電流で同様にして
評価を行ったところ、1000mAの場合と同様の結果
が得られた。
【0036】
【表1】
【0037】表1から、濃度が37.5〜38.5重量
%のKOH水溶液を用い、かつ粒径75μm以下の第2
の亜鉛粒子を含む亜鉛粉末を用いた場合に、漏液率が低
く放電性能に優れるアルカリ乾電池が得られることがわ
かる。
【0038】《実施例7〜26および比較例7〜17》
ここでは、図1に示す構造を有する本発明の実施の形態
2に係るアルカリ乾電池を作製した。正極合剤2はつぎ
のようにして作製した。まず、二酸化マンガンと黒鉛と
アルカリ電解液とを、90:6:1の比で混合し、得ら
れた混合物を充分攪拌した後にフレーク状に圧縮成形し
た。ついで、フレーク状の正極合剤を粉砕して顆粒状の
正極合剤とし、顆粒状の正極合剤を篩によって分級し、
10〜100メッシュの顆粒を中空円筒形に加圧成形し
てペレット状の正極合剤2を得た。この正極合剤4個を
電池ケース1内に挿入し、加圧治具によって正極合剤2
を再成形して電池ケース1の内壁に密着させた。
【0039】上記のようにして電池ケース1内に配置さ
れた正極合剤2の中央に有底円筒形のセパレータ4を配
置し、セパレータ4内へ所定量のアルカリ電解液を注入
した。所定時間経過後、アルカリ電解液とゲル化剤と亜
鉛合金粉末とを含むゲル状負極3をセパレータ4内へ充
填した。ゲル状負極3としては、ゲル化剤であるポリア
クリル酸ナトリウム1重量部、38重量%の水酸化カリ
ウム水溶液33重量部および亜鉛粉末66重量部を含む
ゲル状負極を用いた。亜鉛粉末としては、その粒径が4
25μm以下の粒度を有し、かつ表2に示す量(Y重量
%)の75μm以下の第2の亜鉛粒子を含むものを用い
た。
【0040】また、セパレータ4としては、ポリビニル
アルコール繊維とレーヨン繊維を重量比率7:10で混
抄した不織布であって、表2に示すトータル厚さを有す
るものを用いた。なお、用いたセパレータの密度は0.
30g/cm3、前記セパレータを構成する繊維の繊度
は0.3デニールであった。なお、繊維の比率はこれに
限られず、また、バインダーとして他の繊維を加えても
よい。続いて、負極集電子6をゲル状負極3の中央に差
し込んだ。なお、負極集電子6には、ガスケット5およ
び負極端子を兼ねる底板7を一体化させた。そして、電
池ケース1の開口端部を、ガスケット5の端部を介し
て、底板7の周縁部にかしめつけ、電池ケース1の開口
部を封口した。最後に、外装ラベル8で電池ケース1の
外表面を被覆して、アルカリ乾電池LR6を得た。
【0041】[評価] 異常放電の有無 上記のアルカリ電池をそれぞれ10個用意し、3.9Ω
の負荷、5分/日および終止電圧1.0Vの条件で間欠
放電を行った。そして、放電の途中で内部短絡によって
電圧が急降下して異常放電したものの個数を数えた。こ
こで、終止電圧1.0V以上で異常放電を生じたものを
×、終止電圧0.75V以上1.0V未満で異常放電を
生じたものを△、終止放電0.75V未満まで異常放電
が生じないものを○とした。結果を表2および3に示し
た。
【0042】寿命 つぎに、上記初度(製造直後)のアルカリ乾電池につい
て、1000mAの定電流で連続放電させ、終止電圧
0.9Vまでの時間(分)を計測した。表1の比較例5
の時間を100として、結果を表2および3に示した。 安全性 上記アルカリ乾電池4個をリード線で直列に接続して短
絡させ、破裂した電池の個数を数えた。結果を表2およ
び3に示した。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】表2および3から、セパレータの厚さが1
90〜320μmであり、亜鉛粉末に粒径が75μm以
下の第2の亜鉛粒子が20〜40重量%含まれていれ
ば、電池性能に優れるアルカリ乾電池が得られることが
わかった。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、電解液
の漏洩の可能性が低く、かつ放電性能に優れたアルカリ
乾電池が得られる。また、本発明によれば、亜鉛粉末の
粒径およびセパレータの厚さをコントロールすることに
より、薄いセパレータを用いても内部短絡を起こしにく
いアルカリ乾電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルカリ乾電池の一例の一部を断面に
した正面図。
【符号の説明】 1 電池ケース 2 正極合剤 3 ゲル状負極 4 セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向井 保雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 藤原 教子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 住山 真一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大窪 威 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 保科 康子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H021 CC01 EE05 HH03 HH05 5H024 AA03 AA14 FF09 HH01 HH02 HH08 HH13 5H050 AA02 AA20 BA03 BA04 CA05 CB13 DA03 HA01 HA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛粉末を含む負極と、電解液と、セパ
    レータと、正極とを具備し、前記亜鉛粉末が、粒径が7
    5μmを超え425μm以下の第1の亜鉛粒子を60〜
    80重量%および粒径が75μm以下の第2の亜鉛粒子
    を40〜20重量%含むアルカリ乾電池。
  2. 【請求項2】 前記亜鉛粉末が、粒径が75μmを超え
    425μm以下の第1の亜鉛粒子を65〜75重量%お
    よび粒径が75μm以下の第2の亜鉛粒子を35〜25
    重量%含み、前記電解液が37.5〜38.5重量%で
    KOHを含む請求項1記載のアルカリ乾電池。
  3. 【請求項3】 前記セパレータの厚さが190〜320
    μmである請求項1記載のアルカリ乾電池。
  4. 【請求項4】 前記セパレータの密度が0.25〜0.
    35g/cm3である請求項3記載のアルカリ乾電池。
  5. 【請求項5】 前記セパレータが、0.5デニール以下
    の繊度を有する繊維で構成されている請求項3記載のア
    ルカリ乾電池。
  6. 【請求項6】 前記亜鉛粉末が、粒径が75μmを超え
    425μm以下の第1の亜鉛粒子を65〜75重量%お
    よび粒径が75μm以下の第2の亜鉛粒子を35〜25
    重量%含み、前記電解液が37.5〜38.5重量%で
    KOHを含み、前記セパレータの厚さが190〜320
    μmである請求項1記載のアルカリ乾電池。
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