JP2006328717A - 法枠施工法及びそれに用いる人工張芝 - Google Patents

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Shinya Inoue
新也 井上
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Abstract

【課題】 コンクリート又はモルタルの施工時におけるマスキングシートの施工作業を軽減し得る法枠施工法及びそれに用いる人工張芝本体を提供する。
【解決手段】 法面上に鉄筋を格子状に施工し、鉄筋で構成される各枠部の内側に、人工張芝本体2の一方の面にマスキングシート3を予め取付けた人工張芝本体1を、マスキングシート3が上面側に位置するように法面上に固定設置し、その後コンクリート又はモルタルを鉄筋に沿って吹き付けて格子状の法枠22を施工してから、マスキングシート3を除去して人工張芝本体2を露出させる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、法枠施工法及びそれに用いる人工張芝に関するものである。
法枠施工法として、法面上に鉄筋を格子状に施工し、コンクリート又はモルタルを鉄筋に沿って吹き付けて格子状の法枠を施工し、その後法枠の各枠部内に客土を充填して施工する方法が、短い工期で安価に施工できることから広く実施されている。
しかし、この法枠施工法では、コンクリート又はモルタルが枠部の内側の法面上にも吹き付けられて、施工後における植物の生育が阻害されることがある。そこで、最近では、コンクリート又はモルタルを吹き付ける前に、法面上にマスキングシートを敷設してからコンクリート又はモルタルを鉄筋に沿って吹き付けて法枠を施工し、法枠の施工後に、マスキングシートを除去して、法枠の各枠部内に客土を充填する法枠施工法が採用されている。
また、前述のようなコンクリート又はモルタルの吹き付けによる植物への悪影響を防止可能な施工法として、下記のような法枠施工法が提案されている。
特許文献1には、鉄筋で構成される各枠部の内側に客土を充填してから、客土の上にマスキングシートを敷設固定し、その後コンクリート又はモルタルを鉄筋に沿って吹き付けて格子状の法枠を施工し、最後にマスキングを除去して客土を露出させるように構成した法枠施工法が提案されている。
特許文献2には、底面を腐蝕性材により形成し側面がコンクリートの型枠となるように形成した収納ケース内に対し、わら等の植生基材及び/又は養生土等の養生材を充填した植生部材を用い、法面に鉄筋を格子状に施工し、鉄筋で構成される各枠部の内側に養生部材を設置した後、コンクリート又はモルタルを鉄筋に沿って吹き付けて格子状の法枠を施工し、その後養生部材の蓋をミシン目に沿って開封して、養生材を露出させるように構成した施工法が提案されている。
一方、人工張芝として、透水性を有する基材マットと、基材マット上に配置した客土と、客土を覆うように基材マットに固定した客土固定用のネット部材とを有し、基材マットとネット部材間に複数の収容部を並列状に形成して、これら複数の収容部内に客土を充填した植生マットも実用化されており、この植生マットを鉄筋で構成される各枠部の内側に設置した後、コンクリート又はモルタルを鉄筋に沿って吹き付けて格子状の法枠を施工する施工法も採用されつつある。
特開平7−138959号公報 特開昭56−125533号公報
ところが、前述のように、鉄筋で構成される枠部の内側において法面上にマスキングシートを敷設固定した状態で、コンクリート又はモルタルを吹き付ける場合や、特許文献1記載のように、客土上にマスキングシートを敷設固定した状態で、コンクリート又はモルタルを吹き付ける場合には、マスキングシートの施工作業が大変煩雑なものとなり、特に風の強い日には、マスキングシートが風で飛ばされるという不具合が発生する。また、コンクリート又はモルタルは鉄筋に沿って吹き付けるものの、コンクリート又はモルタルの吹き付け部分とそうでない部分とを綺麗に区画できず、法枠の美観が低下するという問題もある。更に、法枠の各枠部の内側に直接的に客土を充填するので、傾斜角度の大きい法面では、植物が十分に生育する前に風雨によって客土が流失するという問題もある。
また、特許文献2記載のような養生部材を用いる場合には、養生部材の側面が型枠として機能するので、法枠を綺麗に施工できる。しかし、平坦に整地されていない法面、例えば起伏や凹凸を有する法面や、カーブ等で湾曲した法面に養生部材を設置すると、養生部材と法面間に空間が形成され、根が伸び難くなって植物の生育を阻害するという問題がある。また、収納ケース内には養生材が充填されているものの、圧縮状態で充填されている分けではないので、収納ケース内部に無駄スペースが多く、輸送性や保管性があまりよくないという問題もある。更に、特許文献1と同様に、風雨による客土の流失を防止できないという問題もある。
一方、鉄筋で構成される各枠部の内側に植生マットを設置した後、コンクリート又はモルタルを鉄筋に沿って吹き付けて格子状の法枠を施工する場合には、法面に沿って植生マットが変形することから、平坦に整地されていない法面に対しても隙間無く植生マットを設置でき、植物の生育を改善できること、植生マットをコンパクトに丸めることが可能なので、輸送性や保管性を改善できること、風雨による客土の流失を防止できること、植生マットの外縁がコンクリート又はモルタルの吹き付け時における型枠として機能するので、法枠を綺麗に施工できることなどの利点を有する。しかし、鉄筋で構成される各枠部の内側に植生マットを設置した後、植生マット上にマスキングシートを敷設する必要があり、特許文献1と同様に、マスキングシートの施工作業が大変煩雑なものとなり、特に風の強い日には、マスキングシートが風で飛ばされるという不具合が発生する。しかも、植生マットをロール状に丸めて輸送或いは保管する場合には、植生マットをロール状に巻いて紐で縛ったり、円筒状の袋に装填したりする必要があり、その作業が煩雑になるし、紐や袋などの余分な廃棄物が増えるという問題がある。
本発明の目的は、コンクリート又はモルタルの施工時におけるマスキングシートの施工作業を軽減し得る法枠施工法及びそれに用いる人工張芝を提供することである。
本発明に係る法枠施工法は、法面又は自然斜面からなる斜面上に鉄筋を格子状に施工し、前記鉄筋で構成される各枠部の内側に、張芝本体の一方の面にマスキングシートを予め取付けた人工張芝を、マスキングシートが上面側に位置するように前記斜面上に固定設置し、その後コンクリート又はモルタルを鉄筋に沿って吹き付けて格子状の法枠を施工してから、前記マスキングシートを除去して張芝本体を露出させるものである。
この法枠施工法では、マスキングシート側が上面側になるように人工張芝を固定設置し、この状態でコンクリート又はモルタルを鉄筋に沿って吹き付けるので、張芝本体へのコンクリート又はモルタルの付着をマスキングシートにより効果的に防止できる。しかも、張芝本体の一方の面にマスキングシートを予め取付けているので、マスキングシート側を上面側にして人工張芝を適正位置に固定設置することで、マスキングシートを張芝本体とともに施工することが可能となり、マスキングシートを別個に施工する場合と比較して施工作業を簡略にすることができる。しかも、マスキングシートが風で吹き飛ばされるなどの問題が発生しないので、安定して施工作業を行うことができる。
また、人工張芝として、斜面の起伏や凹凸に沿って変形可能なものを採用することで、人工張芝と斜面間に隙間が形成されることを防止して、植物の生育を促進できる。しかも、人工張芝を用いているので、風雨により客土が流失することを効果的に防止できる。
更に、鉄筋で構成される各枠部の内側の適正位置に人工張芝を固定設置することで、人工張芝の外縁部がコンクリート又はモルタルの吹き付け時における型枠として機能するので、コンクリート又はモルタルを綺麗に施工することができる。
前記人工張芝として、人工張芝の一側縁においてのみマスキングシートを張芝本体に固定したものを用い、人工張芝の輸送時又は保管時には、前記一側縁と平行な他側縁を中心に張芝本体をロール状に丸めて、この丸めた張芝本体にマスキングシートを巻き付けて輸送又は保管し、人工張芝の施工時には、マスキングシートを巻き戻して斜面に沿って張芝本体を展開し、展開した張芝本体にマスキングシートを被せて人工張芝を斜面上に固定設置することも、法枠施工法の好ましい実施の形態である。このようにロール状に丸めた張芝本体にマスキングシートを巻き付けると、紐や袋などを別途設けることなく、張芝本体をロール状にコンパクトに保管又は輸送できる。
前記張芝本体として、透水性を有する基材マットと、基材マット上に配置した客土と、客土を覆うように基材マットに固定した客土固定用のネット部材とを有し、基材マットとネット部材間に複数の収容部を並列状に形成して、これら複数の収容部内に客土を充填した張芝本体を用い、人工張芝の施工時には、ネット部材が上面側に位置し、収容部の長手方向が山の傾斜方向と直交するように、斜面上に張芝本体を設置して、人工張芝を斜面上に固定設置することも、法枠施工法の好ましい実施の形態である。このように構成すると、風雨による客土の流失を防止できることは云うまでもなく、客土の偏りを極力少なくして、傾斜角度の大きな斜面であっても、人工張芝を利用して効果的に植物を栽培することが可能となる。
前記人工張芝として、透水性を有する基材マットと、基材マット上に配置した客土と、客土を覆うように基材マットに固定した客土固定用のネット部材とを有し、基材マットとネット部材間に複数の収容部を並列状に形成して、これら複数の収容部内に客土を充填した張芝本体と、前記収容部の長手方向と略平行な人工張芝の一側縁においてのみ張芝本体に固定したマスキングシートとからなるものを用い、人工張芝の輸送時又は保管時には、前記一側縁と平行な他側縁を中心に張芝本体をロール状に丸めて、この丸めた張芝本体にマスキングシートを巻き付けて人工張芝を輸送又は保管し、人工張芝の施工時には、マスキングシートを巻き戻してから、前記鉄筋で構成される各枠部の内側の上縁部に沿って前記一側縁を位置決めして、斜面に沿って張芝本体をその自重により巻き戻して展開し、展開した張芝本体にマスキングシートを被せて人工張芝を斜面に固定設置することも、法枠施工法の好ましい実施の形態でる。この場合には、自重を利用して張芝本体を斜面上に容易に展開することができる。
本発明に係る人工張芝は、前記法枠施工法で用いる人工張芝であって、植生用の張芝本体と、前記張芝本体の一方の面を覆うように張芝本体に取付けたマスキングシートとを備えたものである。
ここで、前記張芝本体として、透水性を有する基材マットと、基材マット上に配置した客土と、客土を覆うように配置した客土固定用のネット部材とを有するものを用い、ネット部材を覆うようにマスキングシートを張芝本体に取付けること、前記人工張芝の一側縁においてのみマスキングシートを張芝本体に固定して、マスキングシートを張芝本体に取付けること、前記張芝本体として、透水性を有する基材マットと、基材マット上に配置した客土と、客土を覆うように基材マットに固定した客土固定用のネット部材とを有し、基材マットとネット部材間に複数の収容部を並列状に形成して、これら複数の収容部内に客土を充填したものを用い、収容部と略平行な人工張芝の一側縁においてのみマスキングシートを張芝本体に固定して、マスキングシートを張芝本体に取付けること、などが好ましい実施の形態である。
本発明に係る法枠施工法及びそれに用いる人工張芝によれば、張芝本体に対してコンクリート又はモルタルが付着することをマスキングシートにより防止して、コンクリート又はモルタルにより植物の生育が阻害されることを効果的に防止できること、張芝本体の一方の面にマスキングシートを取付けた人工張芝を用いているので、マスキングシートを別個に施工する必要がなく、施工作業を簡略にできること、斜面に沿って変形可能な人工張芝を用いることで、人工張芝と斜面間に隙間が形成されることを防止して、植物の生育を促進できること、人工張芝を用いているので、風雨による客土の流失を防止して、植物の生育を促進できること、人工張芝がコンクリート又はモルタルの吹き付け時における型枠として機能するので、法枠を綺麗に施工できること、などの効果が得られる。
ここで、前記人工張芝として、人工張芝の一側縁においてのみマスキングシートを張芝本体に固定したものを用いると、人工張芝の輸送時又は保管時には、前記一側縁と平行な他側縁を中心に張芝本体をロール状に丸めて、この丸めた張芝本体にマスキングシートを巻き付けて輸送又は保管し、人工張芝の施工時には、マスキングシートを巻き戻して斜面に沿って張芝本体を展開し、展開した張芝本体にマスキングシートを被せて人工張芝を斜面上に固定設置できるので、人工張芝の輸送性や保管性を向上できるとともに、人工張芝をロール状に巻き止めるための紐や袋が不要となり、廃棄物を極力少なくできる。
前記張芝本体として、基材マットと客土とネット部材とを有し、基材マットとネット部材間に複数の収容部を並列状に形成して、これら複数の収容部内に客土を充填した張芝本体を用いると、人工張芝の施工時には、ネット部材が上面側に位置し、収容部の長手方向が山の傾斜方向と直交するように、網状部材を挟んで斜面上に張芝本体を設置して、人工張芝を斜面上に固定設置できるので、風雨による客土の流失を防止できることは云うまでもなく、客土の偏りを極力少なくして、傾斜角度の大きな斜面であっても無理なく植物を栽培することが可能となる。
前記人工張芝として、基材マットと客土とネット部材とを有し、基材マットとネット部材間に複数の収容部を並列状に形成して、これら複数の収容部内に客土を充填した張芝本体と、前記収容部の長手方向と略平行な人工張芝の一側縁においてのみ張芝本体に固定したマスキングシートとからなるものを用いると、人工張芝の輸送時又は保管時には、前記一側縁と平行な他側縁を中心に張芝本体をロール状に丸めて、この丸めた張芝本体にマスキングシートを巻き付けて人工張芝を輸送又は保管し、人工張芝の施工時には、マスキングシートを巻き戻してから、前記鉄筋で構成される各枠部の内側の上縁部に沿って前記一側縁を位置決めして、斜面に沿って張芝本体をその自重により巻き戻して展開し、展開した張芝本体にマスキングシートを被せて人工張芝を斜面に固定設置することができ、人工張芝の施工作業を効率的に行える。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
先ず、本発明に係る法枠施工法に好適に採用可能な人工張芝としての植生マットについて説明する。
図1、図2に示すように、植生マット1は、植生のためのマット本体(これが張芝本体に相当する)2と、マット本体2の一方の面に取付けたマスキングシート3とを備えている。植生マット1の平面形状は、正方形や長方形以外に丸形や楕円形など任意の形状のものを採用できる。植生マット1のサイズは、施工する法枠22(図8参照)に枠部22Aの平面サイズに応じて任意に設定できる。
マスキングシート3は、法枠施工時にコンクリート又はモルタルがマット本体2に付着するのを防止するためのもので、破り捨て可能な合成樹脂シートや紙などで構成され、予め工場等において、外縁部を一定間隔おきにマット本体2の外縁部に固定具4で固定することで、植生マット1に取付けられている。マスキングシート3の平面サイズは、マット本体2と略同じサイズ、或いはやや小さいサイズに設定され、コンクリート又はモルタルの吹き付け後に、マスキングシート3の端部や側縁を手で持ってマット本体2から容易に除去できるように構成されている。尚、固定具4付近においてマスキングシート3にミシン目などからなる切取線を形成し、コンクリート又はモルタルの施工後に、切取線に沿ってマスキングシート3を切り取ることで、マスキングシート3を除去できるように構成してもよい。
固定具4としては、マスキングシート3をマット本体2に固定できるものであれば、任意の構成のものを採用できる。本実施例では、図2に示すように、C字状のリング部材をマスキングシート3とマット本体2とにわたって貫通状に装着することで固定している。但し、マスキングシート3をマット本体2に縫い付けて固定することも可能である。
マット本体2に対するマスキングシート3の固定箇所は、外縁部を全面的に固定することも可能であるが、コンクリート又はモルタルの施工後にマスキングシート3を除去する必要があるので、設定間隔おきに固定することが好ましい。また、植生マット1の一側縁でのみマスキングシート3をマット本体2に固定し、残り3つの側縁は固定しないように構成することも可能である。この場合には、植生マット1の輸送時や保管時におけるカバー部材としてマスキングシート3を兼用することができる。具体的には、図3に示すように、マスキングシート3の固定側とは反対側の他側縁を中心にマット本体2をロール状に丸め、このロール状に丸めた仮想線で図示のマット本体2にマスキングシート3を巻き付けることで、図4に示すように、マスキングシート3をカバー部材として兼用することができる。
マット本体2は、図1、図2に示すように、透水性を有する基材マット10と、基材マット10上に配置した客土11と、客土11を覆うように基材マット10に固定した客土固定用のネット部材12とを有し、基材マット10とネット部材12とを適当間隔おきに接着、融着、あるいは縫製などにより直線状に結合することで、基材マット10とネット部材12間に複数の収容部13を並列状に形成して、これら複数の収容部13内に客土11を充填したものである。
基材マット10は、合成樹脂、天然繊維、再生繊維、生分解性繊維などからなるマット状の部材である。合成繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維及びポリオレフィン繊維などを採用でき、天然繊維としては、綿、亜麻、大麻等の麻、セルロース、ジュート、羊毛、絹などを採用でき、再生繊維としては、レーヨン、アセテートなどを採用でき、生分解性繊維としては、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂、ポリ乳酸系生分解性樹脂、ポリビニルアルコール系生分解性樹脂、ポリウレタン系生分解性樹脂などからなる繊維を採用できる。本実施の形態では、基材マット10としてジュートフェルトからなるものを採用した。
ネット部材12は、合成樹脂、天然繊維、再生繊維、生分解性繊維などからなる種々の太さのフィラメント、マルチフィラメント、フラットヤーン、スプリットヤーン、テープ等の糸を製織したものである。このネット部材12の目の大きさは、発芽した植物が容易に外部に延びることができ、しかも客土11が漏れ出さないようなサイズに設定されている。ネット部材12を構成する糸としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、アクリルなどの合成樹脂材料からなるものが好ましい。また、植生マット1に要求される性能に応じて、腐食しやすい材料、例えば、綿、麻などの植物繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維も使用できる。生分解性糸も適用できる。
客土11は、植物の種子、肥料、保水剤、人工土壌を配合したものである。植生させる植物は、緑化する場所の状況及び環境等によって適宜選択することができる。例えば、トールフェスク、クリーピンググレッドフェスク、オーチャードグラス、レッドトップ、バミューダグラス、ヨモギ、メドハギ、ヤマハギ、ペレニアルライグラス、チモシー等が挙げられる。植物は2種以上を組み合わせて生育することができる。保水剤としては、ケイ酸化合物、ピートモス鋸屑、籾殻、バガス、間伐採、水苔粉末、ヤシ髄粉末、パルプ繊維、種子リンター、層状粘土鉱物、ゼオライト等の沸石類、シリカ、アルミナ、珪藻土等の多孔質鉱物が挙げられる。肥料としては、植物の種類等及び施肥の目的等により適宜のものを採用できる。
次に、法枠施工法について説明する。尚、本実施の形態では、上記植生マット1を用いた法枠施工法について説明するが、植生マットとしては、マット本体の一方の面にマスキングシートを予め工場等で取付けたものであれば、任意の構成の植生マットを用いることができる。
先ず、図5に示すように、法面20を整地してその上に網状部材21を敷設固定する。この網状部材21としては、金属製や合成樹脂製、金網に合成樹脂材料の被覆を施しものなど、周知の構成の網状部材を採用でき、特に植生の根が法面20に根付き易くするため、例えば5cm〜10cm角の開き目の網状部材を好適に採用できる。尚、この網状部材21は必須の構成ではなく、省略することも可能である。
次に、図5に示すように、網状部材21の上側に法枠22(図8参照)の施工位置に沿ってスペーサ部材23を設定間隔おきにセットして、このスペーサ部材23に上下2本の鉄筋24をそれぞれ支持させ、網状部材21の上側に鉄筋24を格子状に配置する。鉄筋24で構成される各枠部24Aの平面形状は、正方形状又は長方形状に設定できる。本実施例では、縦横1.5mの正方形の枠部24Aが形成されるように鉄筋24を配置したが、縦1.5m、横2.5mの長方形状の枠部が形成されるように配置するなど、任意のサイズに設定することができる。スペーサ部材23としては、図9に示すように、上部と下部とに鉄筋24を保持する保持孔25を有し、2本の鉄筋24を上方より装着可能なもので、合成樹脂製の射出成形品で構成されている。但し、スペーサ部材23としては、1本又は3本以上の鉄筋24を保持可能なスペーサ部材を採用することも可能であり、その形状や構成、素材等は特に限定はしない。
次に、図6に示すように、鉄筋24で構成される各枠部24Aの内側の網状部材21上に、マスキングシート3が上面側に位置するように植生マット1をセットし、植生マット1の四隅を固定ピン26で法面20に固定設置する。このとき、植生マット1の収容部13の長さ方向が法面20の傾斜方向と直交するように植生マット1を固定設置し、客土11が法枠22の下側へ偏ることを防止することになる。また、隣接する植生マット1間に法枠22(図8参照)における縦横の直線状の堤部22aと同じ幅の間隔が形成されるように、鉄筋24で構成される各枠部24Aの内側の略中央部に植生マット1を位置決めセットするとともに、植生の根が法面20側の土壌にも容易に延びるように、マット本体2が法面20に極力密着するように植生マット1を固定設置することになる。植生マット1のサイズは、施工後における法枠22の各枠部22Aの内縁サイズと略同じサイズに設定され、本実施の形態では縦横1mの正方形状に設定されている。固定ピン26としては、ステンレス鋼等の金属材料、合成樹脂材料、木材等からなるものを採用できる。固定ピン26の長さは、法面20に対して植生マット1を固定できるように、例えば10cm〜20cmの長さのものを好適に採用できる。
尚、植生マット1として、一側縁においてのみマスキングシート3をマット本体2に固定したものを用いると、植生マット1の輸送時又は保管時には、図4に示すように、一側縁と平行な他側縁を中心にマット本体2をロール状に丸め、この丸めたマット本体2にマスキングシート3を巻き付けて輸送又は保管し、植生マット1の施工時には、マスキングシート3を巻き戻してから、鉄筋24で構成される各枠部24Aの内側の上縁部又は側縁部に沿って植生マット1の一側縁を位置決めし、法面20に沿ってマット本体2を巻き戻して展開し、展開したマット本体2にマスキングシート3を被せて植生マット1を法面20に固定設置することも可能である。また、植生マット1の他側縁を鉄筋24で構成される各枠部24Aの内側の上縁部に沿って配置した状態で、自重によりマット本体2を巻き戻して展開し、展開したマット本体2にマスキングシート3を被せて植生マット1を法面20に固定設置することも可能である。
次に、図7に示すように、コンクリート又はモルタルをノズル27で鉄筋24に沿って吹き付けて格子状の法枠22を施工する。このとき、スペーサ部材23の外周に沿って一定厚さのコンクリート又はモルタルが施工され、法枠22における縦横の直線状の堤部22aがその全長にわたって断面略半円形の一様な断面形状となるように、コンクリート又はモルタルを吹き付け施工することになる。
次に、図8に示すように、コンクリート又はモルタルの硬化後或いは半硬化後にマスキングシート3を除去し、マット本体2を露出させて法枠22の施工を完了することになる。
この法枠施工法では、植生マット1として、マット本体2の一方の面にマスキングシート3を取付けたものを用いるので、マスキングシート3を別個に施工する必要がなく、施工作業を簡略にできる。また、柔軟なマット本体2を用いることで、マット本体2と法面20間に隙間が形成されることを防止して、植物の生育を促進でき、しかも植生マット1を用いることで、風雨による客土11の流失を防止して、植物の生育を促進できる。また、コンクリート又はモルタルを吹き付けにより施工することになるが、マスキングシート3によりマット本体2に対して吹き付けられることが防止されるので、植物の生育がコンクリート又はモルタルにより阻害されることを防止できる。しかも、植生マット1の外縁部が型枠や目印として機能して、幅方向に対して一様にコンクリート又はモルタルを吹き付けることができ、またコンクリート又はモルタルの一部は、植生マット1のマスキングシート3上にも吹き付けられることになることになるが、植生マット1上のコンクリート又はモルタルは、法枠22の施工後にマスキングシート3とともに除去するので、法枠22の堤部22aの幅が一様になるように法枠22を整然と綺麗に施工することができる。
尚、本実施の形態では、人工張芝として植生マット1を用いたが、例えば客土を備えていない薄手の植生シートの一側面にマスキングシート3を取付けたものを採用することも可能である。また、本実施の形態では、法面20に対して法枠22を施工する場合について説明したが、自然斜面などの斜面に対しても、直接的或いは網状部材21を敷設した状態で、前記法枠施工法と同様の施工法で法枠22を施工することができる。
植生マットの一部を切り欠いた要部の斜視図 法枠への施工後の植生マットの縦断面図 植生マットの収納方法の説明図 ロール状に丸めた植生マットの斜視図 鉄筋施工時における(a)は法面要部の斜視図、(b)はその要部拡大図 植生マット施工時における(a)は法面要部の斜視図、(b)はその要部拡大図 コンクリート又はモルタル吹き付け時における(a)は法面要部の斜視図、(b)はその要部拡大図 マスキングシート除去時における(a)は法面要部の斜視図、(b)はその要部拡大図 スペーサ部材の斜視図
符号の説明
1 植生マット 2 マット本体
3 マスキングシート 4 固定具
10 基材マット 11 客土
12 ネット部材 13 収容部
20 法面 21 網状部材
22 法枠 22A 枠部
22a 堤部 23 スペーサ部材
24 鉄筋 24A 枠部
25 保持孔 26 固定ピン
27 ノズル

Claims (8)

  1. 法面又は自然斜面からなる斜面上に鉄筋を格子状に施工し、前記鉄筋で構成される各枠部の内側に、張芝本体の一方の面にマスキングシートを予め取付けた人工張芝を、マスキングシートが上面側に位置するように前記斜面上に固定設置し、その後コンクリート又はモルタルを鉄筋に沿って吹き付けて格子状の法枠を施工してから、前記マスキングシートを除去して張芝本体を露出させることを特徴とする法枠施工法。
  2. 前記人工張芝として、人工張芝の一側縁においてのみマスキングシートを張芝本体に固定したものを用い、人工張芝の輸送時又は保管時には、前記一側縁と平行な他側縁を中心に張芝本体をロール状に丸めて、この丸めた張芝本体にマスキングシートを巻き付けて輸送又は保管し、人工張芝の施工時には、マスキングシートを巻き戻して斜面に沿って張芝本体を展開し、展開した張芝本体にマスキングシートを被せて人工張芝を斜面上に固定設置する請求項1記載の法枠施工法。
  3. 前記張芝本体として、透水性を有する基材マットと、基材マット上に配置した客土と、客土を覆うように基材マットに固定した客土固定用のネット部材とを有し、基材マットとネット部材間に複数の収容部を並列状に形成して、これら複数の収容部内に客土を充填した張芝本体を用い、人工張芝の施工時には、ネット部材が上面側に位置し、収容部の長手方向が山の傾斜方向と直交するように、斜面上に張芝本体を設置して、人工張芝を斜面上に固定設置する請求項1又は2記載の法枠施工法。
  4. 前記人工張芝として、透水性を有する基材マットと、基材マット上に配置した客土と、客土を覆うように基材マットに固定した客土固定用のネット部材とを有し、基材マットとネット部材間に複数の収容部を並列状に形成して、これら複数の収容部内に客土を充填した張芝本体と、前記収容部の長手方向と略平行な人工張芝の一側縁においてのみ張芝本体に固定したマスキングシートとからなるものを用い、人工張芝の輸送時又は保管時には、前記一側縁と平行な他側縁を中心に張芝本体をロール状に丸めて、この丸めた張芝本体にマスキングシートを巻き付けて人工張芝を輸送又は保管し、人工張芝の施工時には、マスキングシートを巻き戻してから、前記鉄筋で構成される各枠部の内側の上縁部に沿って前記一側縁を位置決めして、斜面に沿って張芝本体をその自重により巻き戻して展開し、展開した張芝本体にマスキングシートを被せて人工張芝を斜面に固定設置する請求項1記載の法枠施工法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の法枠施工法で用いる人工張芝であって、
    植生用の張芝本体と、
    前記張芝本体の一方の面を覆うように張芝本体に取付けたマスキングシートと、
    を備えたことを特徴とする人工張芝。
  6. 前記張芝本体として、透水性を有する基材マットと、基材マット上に配置した客土と、客土を覆うように配置した客土固定用のネット部材とを有するものを用い、ネット部材を覆うようにマスキングシートを張芝本体に取付けた請求項5記載の人工張芝。
  7. 前記人工張芝の一側縁においてのみマスキングシートを張芝本体に固定して、マスキングシートを張芝本体に取付けた請求項5又は6記載の人工張芝。
  8. 前記張芝本体として、透水性を有する基材マットと、基材マット上に配置した客土と、客土を覆うように基材マットに固定した客土固定用のネット部材とを有し、基材マットとネット部材間に複数の収容部を並列状に形成して、これら複数の収容部内に客土を充填したものを用い、収容部と略平行な人工張芝の一側縁においてのみマスキングシートを張芝本体に固定して、マスキングシートを張芝本体に取付けた請求項5〜7のいずれか1記載の人工張芝。
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