JP2006328600A - 再生ポリエステル複合繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】 再生ポリエステルの使用時の品質上の問題点を解決するものであり、安価な手段で操業性よく得ることができ、リサイクルポリエステルを使用していても、物性値のバラツキが少なく、安定した色調が得られ、かつ隠蔽性にも優れ、衣料用途に好適に使用できる再生ポリエステル複合繊維を提供する。
【解決手段】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステルAと、リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体を用いて再重合してなるポリエステルを含有するポリエステルBとからなる複合繊維であって、ポリエステルAが鞘部、ポリエステルBが芯部を構成し、ポリエステルBには酸化チタンが3.0質量%以上含有されていることを特徴とする再生ポリエステル複合繊維。
【選択図】 図1

Description

本発明は、使用後回収されたポリエステル(以下、リサイクルポリエステルという)を解重合し、再重合してなるポリエステルを含有するポリエステルを芯部に配した再生ポリエステル複合繊維に関するものである。
ポリエチレンテレフタレート(PET)を始めとするポリエステルは、高融点で耐薬品性があり、また、低コストであるために、繊維はもちろんのこと、フィルム成型品等に幅広く用いられている。
これらのポリエステル製品は使用後に廃棄処分されているが、燃焼させる場合には高熱が発生し、焼却炉の傷みが大きく、焼却炉の寿命が短くなるという問題がある。また、焼却しない場合は腐敗分解しないため半永久的に残ることになり、環境の面からも問題となっている。
資源の再利用、環境問題等の面から、様々の分野や素材でリサイクルの試みが行われている。使用量が多く、今後も使用量の大幅な増加が予想されるポリエステルにおいても、液体飲用品用PETボトル等に一度成形使用されたポリエステルを回収し、再度使用することは、資源の再利用に貢献するものであり、地球環境にやさしい企業活動の一環として重要である。そして、このようなリサイクルポリエステルを使用した製品の一つとして、ポリエステルフィラメントがあり、これらのフィラメントは衣料用途あるいは産業資材用途に使用される。
リサイクルポリエステルは、様々な製品に加工され、使用された後に回収されたものであるため、リサイクルポリエステルから得られた再生ポリエステル繊維は、着色や変色が生じやすい。また、リサイクルポリエステルは、溶融粘度、分子量、結晶化度等の物性に大きなバラツキを有しており、ロット間の物性もあまり安定したものではないことにより、得られたフィラメントの性能も均一性に劣るものであり、フィラメント及びこのフィラメントより得られた布帛に染色を行った場合、製品内で色斑を生じたり、梱包単位間で色差を生じるという問題がある。
そこで、リサイクルポリエステルのみではなく、通常の重合法により得られた未使用のポリエステル(以下、バージンポリエステルという)とリサイクルポリエステルを併用することが提案されている。
そのひとつとして、両ポリエステルを混合して得られたフィラメントがある。例えば、溶融前のチップの段階でバージンポリエステルとリサイクルポリエステルを混合して、溶融紡糸したり、各々別々に溶融押し出しされたバージンポリエステルとリサイクルポリエステルをノズルパック内で混練する方法により得られた混合フィラメントが提案されている。
しかし、この混合フィラメントでは、リサイクルポリエステルの特性は変化していないため、リサイクルポリエステル部分の品質が変動したり、染色斑等の色斑が発生するという問題は十分に解決できなかった。
そこで、これらの問題を解決するものとして、特許文献1に記載されているような芯鞘構造の複合繊維とし、リサイクルポリエステルを繊維表面に露出させないようにすることで、着色や色斑の問題の解決を図ることも行われている。
このような芯鞘型の複合繊維とすれば、リサイクルポリエステルの欠点を通常のポリエステルである程度はカバーすることができた。
また、一般に、繊維の隠蔽性を向上させるために、ポリマー中に酸化チタンを含有させることが行われている。このようなリサイクルポリエステルを使用した複合繊維においても、繊維の隠蔽性を向上させるためには、酸化チタンを含有させることが有効である。
しかしながら、リサイクルポリエステル中に高濃度の酸化チタンを含有させると、リサイクルポリエステルの品質(粘度等)が均一でないため、分散性が悪く、操業性が非常に悪化し、ほとんど繊維を得ることができなかった。仮に得られたとしても、酸化チタンの分散性の悪さ及びリサイクルポリエステルの品質の不均一さに起因して品位の低い繊維しか得ることができなかった。
一方、特許文献2、3に記載されているように、リサイクルポリエステルを解重合した後、種々の処理や反応を行うケミカルリサイクルにより、原料であるテレフタル酸やビス-β-ヒドロキシエチルテレフタレートとして回収する方法が提案されている。この方法によると高純度の原料が得られるので、この原料を用いて通常の重合法を行って得られるポリエステルも品位、物性値ともに優れたものとなる。しかしながら、非常にコストがかかるという問題があった。
特開2000-328369号公報 特開2002-060369号公報 特開2002-060543号公報
本発明は、上記のような問題点を解決するものであり、安価な手段で操業性よく得ることができ、リサイクルポリエステルを使用していても、物性値のバラツキが少なく、安定した色調が得られ、かつ酸化チタンを多く含有させることが可能であり、隠蔽性にも優れ、衣料用途に好適に使用できる再生ポリエステル複合繊維を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、リサイクルポリエステルを解重合して低分子量体とし、この低分子量体を再重合することにより、リサイクルポリエステルの着色や性能のバラツキを減少させることが可能となり、酸化チタンを高濃度含有させても均一に分散させることができ、操業性よく、隠蔽性及び品位に優れた繊維を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステルAと、リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体を用いて再重合してなるポリエステルを含有するポリエステルBとからなる複合繊維であって、ポリエステルAが鞘部、ポリエステルBが芯部を構成し、ポリエステルBには酸化チタンが3.0質量%以上含有されていることを特徴とする再生ポリエステル複合繊維を要旨とするものである。
本発明の再生ポリエステル複合繊維は、リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体を用いて再重合してなるポリエステルを使用しているので、リサイクルポリエステルを使用していても白度に優れ、物性値のバラツキが少なく、布帛とし、染色を行った際にも染色斑が生じにくい。さらに、リサイクルポリエステル中に酸化チタンを3.0質量%以上含有しても分散性よく含有されるので、隠蔽性にも優れた繊維とすることができ、衣料用途として好適に使用することが可能である。また、操業性も非常に良好である。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の複合繊維の形状について図面を用いて説明する。図1、2は本発明の複合繊維の形状の実施態様を示す繊維の横断面模式図である。
本発明の複合繊維は、ポリエステルAが鞘部、ポリエステルBが芯部を構成する芯鞘型複合繊維である。図1に示すような芯部と鞘部の中心点がほぼ同一である同心円型の芯鞘型複合繊維であっても、図2に示すような芯部と鞘部の中心点の位置が異なる偏心型の芯鞘型複合繊維であってもよい。
本発明の再生ポリエステル複合繊維は、原料としてリサイクルポリエステルを使用するものであるが、リサイクルポリエステルとは、液体飲食品用PETボトルやフィルム、繊維などのペレット以外の形に成形された後、低分子に戻されずに再び成形するために回収された樹脂のことをいう。リサイクルポリエステルとしては、中でもPETボトルを回収したものが比較的品質がよいため好ましい。
そして、本発明の複合繊維は、リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体を用いて再重合してなるポリエステルを含有するポリエステルBを芯成分に用いる芯鞘型複合繊維である。本発明の複合繊維を構成するこのようなポリエステルBについて説明する。
リサイクルポリエステルを解重合する際には、リサイクルポリエステルにグリコール成分を添加することにより重合体を低分子量化し、得られた低分子量体を単量体として一旦回収することなく、低分子量体の状態とする。そして、この低分子量体を続いて再重合するものである。再重合としては、通常の重合方法と同様に、溶融重合や固相重合する方法等が挙げられ、解重合したポリエステルの低分子量体を再重合することにより重合体(ポリエステル)とする。
このように、リサイクルポリエステルを解重合により一旦低分子量体に分解し、この低分子量体を再度重合したポリエステルを用いているため、従来のように、リサイクルポリエステルをそのまま溶融し、再利用することにより得られたポリエステル繊維と異なり、溶融粘度、分子量、結晶化度等の物性値が均一化、安定化し、色調も向上する。
また、ケミカルリサイクルのように、解重合して得られた低分子量体をさらに単量体として一旦精製して回収することもないので、コスト的にも有利である。
本発明における解重合して低分子量化した低分子量体としては、分子量(数平均分子量)が1000〜4000程度のものとすることが好ましい。分子量が4000を超えるものであると、解重合が十分でないため、上記のような物性値の均一化、安定化、色調の向上の効果が不十分となる。一方、分子量を1000未満とするにはコスト的に不利となる。なお、前記したような分子量の低分子量体とするには、リサイクルポリエステルに対するグリコール成分の添加量、反応温度、圧力等を調整することによって可能である。
リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体のみを用いて再重合すると、リサイクルポリエステル100%のポリエステル(以下、ポリエステルMとする)を得ることができる。また、リサイクルポリエステルを解重合した後、再重合時にバージンポリエステルのオリゴマーを添加し、リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体とバージンポリエステルの単量体とを再重合させたポリエステル(以下、ポリエステルNとする)としてもよい。この場合、再重合時に添加するバージンポリエステルのオリゴマー量によりリサイクルポリエステル由来の成分の含有量を調整することができる。
なお、ポリエステルの各種の物性値をより均一化、安定化させるためには、後者の再重合時に添加、再重合させて得られたポリエステル(ポリエステルN)とすることが好ましい。
つまり、本発明の複合繊維を構成するポリエステルBは、リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体を用いて再重合してなる上記のようなポリエステルを含有するものであり、以下に示すような態様のものが挙げられる。
(a)ポリエステルMのみからなるポリエステルB。
(b)ポリエステルMにバージンポリエステルをブレンドしたポリエステルB。
(c)ポリエステルNのみからなるポリエステルB。
(d)ポリエステルNとバージンポリエステルをブレンドしたポリエステルB。
また、ポリエステルBは(a)〜(d)のポリエステルを複数種ブレンドして用いてもよい。
さらに、本発明の再生ポリエステル複合繊維は、リサイクルポリエステル由来の成分の含有量が繊維全体の30質量%以上のものであることが好ましい。本発明の再生ポリエステル複合繊維においては、地球環境保全に貢献する観点から、リサイクルポリエステルをできるだけ多く含むことが好ましいため、リサイクルポリエステル由来の成分の含有量を30質量%以上、中でも40質量%、さらには60質量%以上とすることが好ましい。
一方、リサイクルポリエステル由来の成分の含有量は90質量%以下とすることが好ましい。90質量%を超えると得られる繊維の物性値の均一性や色調が低下しやすくなる。
繊維中のリサイクルポリエステル由来の成分の含有量を30〜90質量%とするには、上記したポリエステルBの(a)〜(d)態様やポリエステルAとの複合割合等を適宜選択することにより調整することができる。
本発明の複合繊維を構成するポリエステルBにおいては、リサイクルポリエステル、バージンポリエステルともに種々のポリエステルを用いることが可能である。しかしながら両ポリエステルをブレンドすることを考慮すると、同種のポリエステルからなるものとすることが好ましく、リサイクルポリエステルは上記したようにPETボトル由来のものが好ましいため、バージンポリエステルもPETとすることが好ましい。
さらに、本発明の複合繊維においては、鞘部を構成するポリエステルAとして、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるPETを用いる。そして、リサイクルポリエステルでないバージンポリエステルを用いることが好ましい。
そしてポリエステルA、Bのリサイクルポリエステル、バージンポリエステルともに、本発明の効果を損なわない範囲であれば共重合成分が含有されていてもよい。共重合成分としては、3 ,3'-ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸などの脂肪族ジカルボン酸、ジエチレングリコール、1 ,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジオールなどの脂肪族、脂環式ジオール、P-ヒドロキシ安息香酸などが挙げられる。
さらに、本発明の複合繊維を構成するポリエステルBには、酸化チタンが含有されており、その含有量はポリエステルBの質量に対して、3.0質量%以上であることが必要である。酸化チタンが3.0質量%未満であると、得られる布帛の隠蔽性が不十分となる。
上記したように、本発明においては、ポリエステルBのリサイクルポリエステルとして、リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体を用いて再重合してなるポリエステルを用いているため、リサイクルポリエステルの物性値が均一化、安定化している。このため、酸化チタンを多く含有させても、酸化チタンの分散性が悪化せず、均一に分散されるので、バージンポリエステルに含有させる場合と同じように酸化チタンを含有させることが可能となる。
ポリエステルBに酸化チタンを含有させる方法としては、酸化チタンの分散性を考慮すると、リサイクルポリエステルを解重合した後、再重合する前に添加することが好ましい。
ポリエステルB中の酸化チタンの含有量の上限としては、溶融紡糸時のフィルター昇圧速度や糸切れ等の操業性を考慮すると、ポリエステルBの質量に対して、10.0質量%以下とすることが好ましい。
なお、ポリエステルA中にも酸化チタンを含有していてもよいが、溶融紡糸時のフィルター昇圧速度や糸切れ等の問題に加えて、ポリエステルAは鞘部を構成する成分であることから、ガイドの摩耗や延伸時のトラベラー摩耗等の問題及びこれらによる品位の悪化の問題を考慮すると、ポリエステルAの質量に対して、2.0質量%以下とすることが好ましい。
さらに、本発明の再生ポリエステル複合繊維中には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、ヒンダードフェノール系化合物等の酸化防止剤、その他顔料、添加剤等が配合されていてもよい。
また、ポリエステルBとポリエステルAの複合比(質量比、芯/鞘)は、50/50〜90/10とすることが好ましく、中でも55/45〜80/20であることが好ましい。芯の比率が50未満であると、得られる布帛の隠蔽性が不十分となりやすい。一方、芯の比率が90を超えると、得られる複合繊維の色調が悪くなったり、芯成分の一部が鞘部に露出する場合があり、得られる布帛の品位や操業性が悪化しやすくなる。
そして、本発明の再生ポリエステル複合繊維が色調に優れている指標として、繊維の色調を示すL値が85以上、b値が5.0以下であることが好ましく、中でもL値が90以上、b値が4.5以下であることが好ましい。さらには、L値が93以上、b値が4.2以下であることが好ましい。
L値は色の白度を示す指標となり、b値は色の黄度を示す指標となるものであり、L値が85未満であると黒味がかった色となる。b値は低いほど青味がかった色となり、5.0を超えると黄味色が強くなりすぎる。したがって、L値が85未満であったり、b値が5.0を超えると、フィラメント糸を原糸の状態、あるいは布帛として使用した場合ともに、外観的な色調が悪く、品位の悪いものとなる。
なお、本発明におけるL値、b値は、得られた繊維を筒編したもの(染色せず)を重ねて、MINOLTA社製色彩色差計 CR-300にてL値及びb値を測定したものである。
また、本発明の再生ポリエステル複合繊維の断面形状は特に限定するものではなく、図1〜2に示したような丸断面形状のもののみならず、芯鞘形状を呈していれば、多角形状や多葉形状のものであってもよく、また中空部を有するものであってもよい。
次に、本発明の再生ポリエステル複合繊維の製造方法について一例を用いて説明する。リサイクルポリエステルとしてPETボトル由来のものを用いた場合、リサイクルポリエステルに対してエチレングリコール(EG)を5〜30質量%添加し、微加圧下で240〜260℃で解重合反応を行ない、低分子量化させる。そして、解重合後にはフィルターで異物を除去することが好ましい。これにより紡糸時の操業性も良好となるばかりでなく、物性、品位も安定する。続いて、バージンポリエステルとして、テレフタル酸とEGを常法によってエステル化し、バージンポリエステルのオリゴマーを得る。得られたオリゴマーを低分子量化させたリサイクルポリエステルに添加し、溶融重合(再重合)を行う。このとき、アンチモン化合物等の重縮合触媒を添加し、常法により重縮合反応を行なうことが好ましい。
そして、ポリエステル中のリサイクルポリエステルの量を所望の量とするために、バージンポリエステルのオリゴマーの添加量を調整する。
このようにして得られたポリエステルBのチップとポリエステルAのチップとを用い、これらを通常の複合型溶融紡糸装置に供給して溶融紡糸を行う。このとき、2000m/min以上の高速紡糸により、半未延伸糸として巻き取るPOY法、あるいは一旦2000m/min以上の高速紡糸又は2000m/min未満の低速紡糸で溶融紡糸し、一旦巻き取った糸条を別工程で延伸熱処理する方法、さらには、一旦巻き取ることなく、紡糸に連続して延伸を行う紡糸延伸法のいずれの方法を採用してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例における各種の値の測定及び評価は次の通りに行った。
(1)極限粘度
フェノールと四塩化エタンの質量比1/1の混合物を溶媒とし、20℃で測定した。
(2)操業性
16錘で24時間紡糸を行った時の切糸回数で評価し、○と△を合格基準とした。
0回:○、1〜2回: △、3回以上:×
(3)繊維の色調
前記の方法で測定した。
(4)染色斑
(3)の測定の際に得た筒編地を染色し、染色斑を目視で判定し、3段階で評価した。 ○:良好
△:やや斑がある
×:斑の発生大
染色条件は、Terasil Nevy Blue SGL (Ciba specialty chemicals社製原糸用染料)の2.0%omf浴比1:50の染液を用いて99℃で60分間、常法により染色した。
(5) 隠蔽性の評価
(3)の測定の際に得た筒編地(染色前)の隠蔽性を目視で判定し、4段階で評価した。
◎:非常に良好
○:良好
△:やや透ける
×:透ける
実施例1
リサイクルポリエステルとしてPETボトル屑(低分子に戻されずに再び成形するために回収されたフレーク状の樹脂)を用い、エチレングリコール(EG)をリサイクルポリエステルに対して15質量%添加して、温度250℃で2時間、微加圧下で解重合反応を行った。そして、解重合後には目開き20μmのフィルターで異物の除去を行った。解重合により分子量(数平均分子量)が約2000の低分子量体とした。
続いて、バージンポリエステルとして、テレフタル酸とEGのモル比を1:1.6として常法により温度250℃にてエステル化反応を行い、オリゴマーを得た。
そして得られたオリゴマーを、解重合により低分子量化したリサイクルポリエステルに添加し、溶融重合(再重合)を行った。このとき、低分子量化したリサイクルポリエステルとバージンポリエステルオリゴマーとを質量比80:20の比率で重縮合反応釜に投入した後、酸化チタンを含有量が5.0質量%となるように添加し、三酸化アンチモンを重縮合触媒として285℃にて常法により重縮合反応を行い、常法によりチップ化してポリエステルBを得た。
得られたポリエステルBは、極限粘度が0.64、リサイクルポリエステルの割合が80質量%のものであった。
ポリエステルAとしては、極限粘度が0.64、酸化チタン含有量が0.4質量%のPET(バージンポリエステル)を用いた。
ポリエステルAとポリエステルBのチップを常法により乾燥した後、複合繊維紡糸装置に供給し、295℃で溶融し、孔径0.25mmの紡糸孔24個が穿設された紡糸口金より両成分の複合比(質量比 芯/鞘)を80/20とし、同心円状の芯鞘型複合繊維となるようにして複合紡糸を行った。紡糸された糸条束を空気流により冷却し、オイリング装置を通過させて0.5質量%の付着量となるように油剤を付与し、集束ガイドで集束し、交絡付与後、紡糸速度3500m/minのローラで引き取り、捲取機にて巻き取った。
得られた繊維(半未延伸糸)は140dtex/24fであり、毛羽、単糸切れによる欠点はなかった。次にこれを通常の延伸装置を用い、700 m/minの速度で倍率1.45倍、温度180℃で延伸し、図1に示すような断面形状を呈する78dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
実施例2
リサイクルポリエステルを解重合後、バージンオリゴマーを添加せずに再重合を行った以外は実施例1と同様に行い、リサイクルポリエステル由来の成分のみ(100%)からなるポリエステルB(極限粘度0.64)を得た。そして、芯鞘複合比率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に紡糸、延伸を行い、78dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
実施例3
ポリエステルA中の酸化チタンの含有量を表1に示すように変更し、芯鞘複合比率を表1に示すように変更した以外は、実施例2と同様に紡糸、延伸を行い、78dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
実施例4
芯鞘複合比率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に紡糸、延伸を行い、78dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
実施例5
ポリエステルB中の酸化チタンの含有量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に紡糸、延伸を行い、78dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
実施例6
ポリエステルA、B中の酸化チタンの含有量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に紡糸、延伸を行い、78dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
実施例7
ポリエステルA中の酸化チタンの含有量と芯鞘複合比率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に紡糸、延伸を行い、78dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
比較例1
再重合時のリサイクルポリエステルの低分子量体とバージンポリエステルオリゴマーの添加量を変更し、ポリエステルB中のリサイクルポリエステル由来の成分の含有量を60質量%とし、ポリエステルB中の酸化チタンの含有量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に紡糸、延伸を行い、78dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
比較例2
実施例1で用いたPETボトル屑をそのまま溶融し、酸化チタンを1.0質量%となるように添加し、フィルターで異物を除去した後、チップ化した極限粘度0.64のリサイクルポリエステル(PETボトル屑100%のもの)を芯成分とした以外は、実施例1と同様に紡糸、延伸を行い、78dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
比較例3
酸化チタンの含有量が3.0質量%となるように添加した以外は、比較例2と同様に行った。
実施例1〜7、比較例1〜3で得られた再生ポリエステル複合繊維の特性値及び評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜7で得られた繊維は、染色斑の発生がなく、色調、隠蔽性ともに優れた繊維であり、操業性よく得ることができた。
一方、比較例1の繊維は、ポリエステルB中の酸化チタンの含有量が少なすぎたため、隠蔽性に劣るものであった。比較例2の繊維は、芯成分にリサイクルポリエステルを単に溶融混合したポリエステルを用いたものであったため、染色斑が悪く、色調、隠蔽性にも劣るものであった。さらに、操業性も悪かった。比較例3では、芯成分にリサイクルポリエステルを単に溶融混合したポリエステルを用いたものであったため、酸化チタンの分散性が非常に悪く、繊維を得ることができなかった。
本発明の再生ポリエステル複合繊維の一実施態様を示す断面模式図である。 本発明の再生ポリエステル複合繊維の他の実施態様を示す断面模式図である。

Claims (3)

  1. 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステルAと、リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体を用いて再重合してなるポリエステルを含有するポリエステルBとからなる複合繊維であって、ポリエステルAが鞘部、ポリエステルBが芯部を構成し、ポリエステルBには酸化チタンが3.0質量%以上含有されていることを特徴とする再生ポリエステル複合繊維。
  2. 繊維の色相を示すL値が85以上、b値が5.0以下である請求項1記載の再生ポリエステル複合繊維。
  3. リサイクルポリエステル由来の成分の含有量が繊維全体の30質量%以上である請求項1又は2記載の再生ポリエステル複合繊維。
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