JP2006326974A - 金型装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、金型を分解することなく通気路の清掃を行え、生産性の高い金型装置の提供を目的とする。
【解決手段】金型装置(1)は、一対の金型(2, 3)と、これら金型(2, 3)の間に形成され、溶融した樹脂材料を充填することで成形品(8)を得る成形空間(5)とを備えている。一方の金型(2)には、成形空間(5)に向けて突出することにより、成形品(8)を一方の金型(2)から取り出す突き出しピン(4)が設けられている。突き出しピン(4)は、成形空間(5)と一方の金型(2)の外部とを結ぶ通気路(22)を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばポータブルコンピュータのような電子機器の筐体を成形する際に用いる金型装置に係り、特に溶融した樹脂材料が充填される成形空間から空気やガスを抜くための構造に関する。
ポータブルコンピュータ用の筐体は、製品の小型・軽量化を実現するため樹脂材料によって成形することが多い。この種の樹脂製品は、一般に金型装置を用いて大量生産される。金型装置は、開閉可能に組み合わされる一対の金型を備えており、これら金型の間に成形空間が形成されている。成形空間は、樹脂製品に対応する形状をなしており、この成形空間に溶融した樹脂材料を注入して硬化させることで、所望の形状を有する樹脂製品が得られるようになっている。
ところで、樹脂材料を成形空間に注入する以前の段階では、成形空間は空気で満たされている。そのため、樹脂材料を成形空間の隅々にまで満遍なく行き渡らせるためには、成形空間に残留する空気を速やかに排出する必要がある。
すなわち、成形空間に樹脂材料を注入した時に、この成形空間に空気が残っていると、この空気が樹脂材料の円滑な流動を妨げることになる。この結果、成形完了後の樹脂製品は、その形状の一部を欠損した不良品となってしまう。それとともに、成形空間に残った空気に樹脂材料が接触するので、この接触に伴う摩擦熱により樹脂製品の表面が焼けてしまうこともあり得る。
加えて、成形空間に注入する樹脂材料は、例えば難燃剤のような各種の添加物を含んでいる。そのため、樹脂材料の種類によっては、成形空間に注入した時に添加物が気化して大量のガスを発することがあり、このガスも成形空間内での樹脂材料の流動を妨げる一つの要因となる。
したがって、成形空間内での樹脂材料の流動性を確保するためには、成形空間内の空気およびガスの排出を促進させることが必要となる。
この対策として、従来の金型装置では、成形空間から空気やガスを排出するためのガス抜き入れ子を組み込んでいる。ガス抜き入れ子としては、極めて微細な通気孔を有する入れ子ピン、あるいはガス抜き溝を有する複数のプレートを重ね合わせて連結した入れ子ブロックが知られている。
入れ子ピンおよび入れ子ブロックは、いずれの場合も成形空間に露出する金型の内面に埋め込んで使用するようになっている。このため、入れ子ピンおよび入れ子ブロックは、金型の内面と同一面上に位置するベント面を有し、このベント面に通気孔およびガス抜き溝が開口している。
よって、成形空間に残る空気や樹脂材料の注入時に発生するガスは、通気孔およびガス抜き溝を介して金型の外に抜け出るようになっている(例えば、非特許文献1参照)。
株式会社ミスミ、プラ型用標準部品のカタログ、2003.5→2005.4、P.487−488、P.1015−1016
従来の金型装置によると、入れ子ピンおよび入れ子ブロックのベント面が成形空間に露出している。このため、金型装置を繰り返し使用した時に、入れ子ピンの微細な通気孔や入れ子ブロックのガス抜き溝に樹脂材料が入り込んだり、樹脂材料に含まれる添加剤がペースト状となって付着するのを避けられない。よって、入れ子ピンおよび入れ子ブロックは、定期的に清掃して目詰まりを防ぐことが必要となる。
しかしながら、入れ子ピンおよび入れ子ブロックは、金型とは独立した別部品であり、個々に金型に埋め込まれているので、入れ子ピンや入れ子ブロックを清掃するためには、その都度、金型を分解して金型から取り出さなくてはならない。
このため、入れ子ピンや入れ子ブロックの取り出しおよび組み込み作業に多大な手間と労力を要し、入れ子ピンおよび入れ子ブロックの清掃に費用と時間がかかる。しかも、入れ子ピンおよび入れ子ブロックの清掃時は、樹脂製品の生産活動が停止するので、生産性が悪化するといった不具合がある。
本発明の目的は、金型を分解することなく通気路の清掃を行え、生産性の高い金型装置を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る金型装置は、
一対の金型と、上記金型の間に形成され、溶融した樹脂材料を充填することで成形品を得る成形空間と、一方の金型に設けられ、上記成形空間に向けて突出することにより、上記成形品を上記一方の金型から取り出す突き出しピンと、を備えており、
上記突き出しピンは、上記成形空間と上記一方の金型の外部とを結ぶ通気路を有することを特徴としている。
本発明によれば、突き出しピンを一方の金型から突出させることで、成形空間に連なる通気路の端部を露出させることができる。このため、通気路の清掃作業を金型を分解することなく容易に行え、成形品の生産活動を長時間に亘って停止させる必要はない。よって、生産性に優れた金型装置を得ることができる。
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、樹脂成形用の金型装置1を開示している。この金型装置1は、第1の金型2、第2の金型3および複数の突き出しピン4を備えている。
第1の金型2と第2の金型3とは、上下方向に分離可能に組み合わされている。第1の金型2および第2の金型3は、これら両者を突き合わせた時に成形空間5を形成している。成形空間5は、第1の金型2と第2の金型3との間に位置している。
第2の金型3は、ゲート6を有している。ゲート6は、溶融した樹脂材料を所定の圧力で成形空間5に注入するためのものであり、導入口7を介して成形空間5の中央部に連なっている。図1は、成形空間5に樹脂材料を充填した状態を開示している。成形空間5に充填された樹脂材料は、成形空間5内で硬化することで所望の形状の成形品8を形成する。
本実施形態の場合、樹脂材料としてはポリーカーボネート樹脂あるいはABS樹脂を用いており、この樹脂材料は、例えば難燃剤のような各種の添加物を含んでいる。
突き出しピン4は、成形品8を第1の金型2から押し上げて取り出すためのものであって、第1の金型2に組み込まれている。突き出しピン4は、成形品8を傾くことなく押し上げることができるように、成形品8の広範囲に亘って分散して配置されている。
図2ないし図4に示すように、突き出しピン4は、円柱状をなすとともに、第1の金型2に設けた複数のガイド孔10に挿入されている。ガイド孔10は、樹脂材料が流入する導入口7と向かい合わない位置で成形空間5に開口している。
突き出しピン4は、本体11と頭部12とを備えている。本体11は、ガイド孔10に軸方向に摺動可能に支持されている。頭部12は、本体11の先端となる上端に同軸状に設けられ、成形空間5に露出する押圧面13を有している。
突き出しピン4は、第1の位置と第2の位置との間で昇降動可能に第1の金型2に支持されている。第1の位置では、図2に示すように突き出しピン4の押圧面13が第1の金型2の内面と同一面上において成形空間5に露出している。第2の位置では、図8に示すように突き出しピン4の押圧面13が第1の金型2の内面から成形空間5に向けて突出する。
このため、成形空間5に樹脂材料を充填する時点では、突き出しピン4は第1の位置に降下しており、その押圧面13が第1の金型2の内面としての機能を兼ねている。突き出しピン4が第1の位置から第2の位置に上昇すると、成形品8が第1の金型2の内面から押し上げられるようになっている。
図2ないし図5に示すように、突き出しピン4の頭部12は、本体11よりも径が小さく形成されている。この頭部12の外周面とガイド孔10の内面との間に第1の隙間14が形成されている。第1の隙間14は、頭部12の周方向に連続している。したがって、第1の隙間14は、頭部12の周方向に連続して成形空間5に開口するようなリング状の開口形状を有している。
第1の隙間14の大きさは、頭部12の外周面とガイド孔10の内面との間のクリアランスS1に比例している。このクリアランスS1の値は、例えば樹脂材料の材料特性、充填圧力、充填時間などに基づいて決定される。
図4および図6に示すように、本体11は、その外周面の一部を平坦にカットした切欠部16を有している。切欠部16は、本体11の上端から下端に向けて軸方向に延びている。切欠部16は、突き出しピン4が第1の位置にある限り、ガイド孔10の内側に位置している。この切欠部16とガイド孔10の内周面との間に第2の隙間17が形成されている。第2の隙間17の下部は、第1の金型2に形成した空気逃し孔18に連なっている。空気逃し孔18は、第1の金型2の外部に開口している。
突き出しピン4は、本体11と頭部12との間に溝部20を有している。溝部20は、突き出しピン4の周方向に連続している。溝部20は、突き出しピン4が第1の位置にある限り、ガイド孔10の内側に位置している。溝部20の底とガイド孔10の内面との間のクリアランスG2は、頭部12の外周面とガイド孔10の内面との間のクリアランスG1よりも大きくなっている。
このため、溝部20は、突き出しピン4の本体11と頭部12との間にくびれた部分21を形成しており、第1の隙間14および第2の隙間17は、くびれた部分21に連なっている。言い換えると、第1および第2の隙間14,17は、溝部20を介して互いに連通している。
この結果、第1の隙間14、溝部20および第2の隙間17は、突き出しピン4の外周面とガイド孔10の内面との間に通気路22を形成している。この通気路22は、成形空間5と空気逃し孔18との間に介在されて、成形空間5と第1の金型2の外部との間を結んでいる。
図8に示すように、突き出しピン4の頭部12、溝部20および溝部20に連なる切欠部16の上端部は、突き出しピン4が第2の位置に上昇した時に、第1の金型2の内面から成形空間5に向って突出する。そのため、突き出しピン4のうち、通気路22の上流側を構成する部分は、成形品8を第1の金型2から押し上げる毎に、第1の金型2の外に露出される。
突き出しピン4の本体11は、溝部20に露出する端面11aと、この端面11aと本体11の外周面とで規定される直角な角部23とを有している。角部23は、突き出しピン4の周方向に連続する尖った縁23aを含んでいる。縁23aは、ガイド孔10の内面に摺動可能に接している。
図9は、上記金型装置1を用いて成形した成形品の一例であるポータブルコンピュータ用の筐体30を開示している。筐体30は、底壁31と、この底壁31の周縁から立ち上がる複数の周壁32と、底壁32の内面から立ち上がる複数の起立壁33と、底壁32に開口する複数の孔34およびボス35とを有している。この筐体30の主要部分は、肉厚が例えば1mm未満に定められている。そのため、筐体30そのものが薄肉で、かつ複雑な形状を有している。
このような筐体30を成形する金型装置1では、例えば径が異なる100本以上の突き出しピン4が第1の金型2に組み込まれている。これら突き出しピン4は、成形完了後の筐体30を第1の筐体2から傾くことなく押し上げることができるように、図10に示すように成形品8の広範囲に亘るように分散して配置されている。
本実施の形態の場合、例えば全体数の60%にあたる突き出しピン4に上記のような通気路22が設けられている。この通気路22を設ける突き出しピン4は、成形空間5内での樹脂材料の流動方向、充填圧力、材料特性および長年の経験則を基に決定される。
このような構成の金型装置1では、突き出しピン4とガイド孔10との間に成形空間5から第1の金型2の外部に至る通気路22が形成されている。そのため、成形空間5にゲート6から樹脂材料を注入すると、図2に矢印で示すように、成形空間5に残留する空気は、樹脂材料の流動に応じて第1の隙間14から溝部20に流入するとともに、ここから第2の隙間17および空気逃し孔18を通って第1の金型2の外部に抜け出る。
さらに、樹脂材料を成形空間5に注入した時に、添加物の気化に伴って発するガスは、上記空気と同様に第1の隙間14、溝部20、第2の隙間17および空気逃し孔18を通って第1の金型2の外部に抜け出る。
言い換えると、成形空間5に注入された樹脂材料は、成形空間5に残留する空気や樹脂材料の充填時に発生するガスを通気路22から押し出しながら、成形空間5の隅々にまで満遍なく行き渡る。この結果、成形空間5での樹脂材料の流動性が良好となり、成形空間5の全てを樹脂材料によって満たすことができる。よって、所望の形状の成形品8が得られる。
上記金型装置1によれば、突き出しピン4の箇所から成形空間5内の空気やガスを抜くことができ、ガス抜き用の専用の入れ子ピンおよび入れ子ブロックが不要となる。したがって、従来に比べて金型装置1の構成を簡略化して部品点数を削減することができ、金型装置1のコストを低減できる。
それとともに、突き出しピン4は、成形品8の広範囲に亘って分散するようにバランスよく配置されるので、成形空間5内の空気やガスを抜く位置が制約を受けることもない。このため、成形空間5内の空気やガスを成形空間5の多くの箇所から効率よく抜くことができ、成形空間5内での樹脂材料の流動性を高めることができる。
一方、上記金型装置1において、流通路22の上流端に位置する第1の隙間14は、成形空間5に開口しているので、この第1の隙間17に樹脂材料の一部およびガスの一部が流入することがあり得る。特にガスは、ペースト状又はタール状の異物となってガイド孔10の内面や突き出しピン4の頭部12の外周面に付着する。
このような場合は、突き出しピン4やガイド孔10に付着した樹脂材料や異物を取り除く清掃作業を実行する。具体的には、第1の金型2および第2の金型3を開いて成形品8を突き出しピン4で押し上げて取り出した状態では、突き出しピン4は第2の位置に上昇した状態にある。この時、突き出しピン4の少なくとも頭部12、溝部20および本体11の上部は、第1の金型2の内面から成形空間5の方向に突出しており、第1の金型2の外に露出している。
そのため、頭部12、溝部20および本体11の上部に付着した樹脂材料や異物を容易に取り除くことができる。
加えて、上記金型装置1によると、突き出しピン4の本体11の角部23は、ガイド孔10の周方向に連続する尖った縁23aを有している。この縁23aは、突き出しピン4が第1の位置から第2の位置に上昇する時に、ガイド孔10の内面に摺動可能に接触する。このため、ガイド孔10の内面に付着した樹脂材料や異物は、突き出しピン4の上昇時に本体11の縁23aによってガイド孔10の内面から自動的に掻き取られる。この掻き取られた樹脂材料および異物は、溝部20に導かれるとともに、この溝部20に保持された状態で第1の金型2の外に取り出される。
以上のことから、たとえ樹脂材料やタール状の異物が通気路22の第1の隙間14に入り込んだとしても、金型装置1を分解することなく通気路22の清掃作業を実行することができる。よって、従来のように成形品8の生産活動を長時間に亘って停止させる必要はなく、生産性が格段に向上するといった利点がある。
さらに、第1の隙間14は、ガイド孔10の周方向に連続しているので、突き出しピン4の頭部12は、単に円柱状に形成すればよい。このため、頭部12に複雑な機械加工を施す必要はなく、突き出しピン4のコストを低減することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に特定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施可能である。
上記実施の形態では、成形空間に向けて突出する突き出しピンに対応する位置に通気路を設けている。しかしながら、本発明はこれに限らず、例えば第1の金型が突き出し動作を伴わないピンや成形空間に突出するピンを有する場合、これらピンに対応する部分に通気路を設けてもよい。
本発明の実施の形態に係る金型装置の断面図。 本発明の実施の形態において、第1の金型のガイド孔と突き出しピンとの位置関係を示す断面図。 本発明の実施の形態に係る突き出しピンの側面図。 (A)は、本発明の実施の形態に係る突き出しピンの平面図。(B)は、本発明の実施の形態に係る突き出しピンの本体の断面図。 図1のF5−F5線に沿う断面図。 図1のF6−F6線に沿う断面図。 本発明の実施の形態において、突き出しピンが成形品を押し上げた状態を示す断面図。 本発明の実施の形態において、突き出しピンの頭部、溝部および本体の上端が第1の金型の外に露出した状態を示す断面図。 本発明の実施の形態において、金型装置によって成形される成形品の一例であるポータブルコンピュータ用の筐体を示す斜視図。 本発明の実施の形態において、成形品と、この成形品を押し出す突き出しピンとの位置関係を示す平面図。
符号の説明
2,3…金型(第1の金型、第2の金型)、4…突き出しピン、5…成形空間、8…成形品、22…通気路。

Claims (12)

  1. 一対の金型と、
    上記金型の間に形成され、溶融した樹脂材料を充填することで成形品を得る成形空間と、
    一方の金型に設けられ、上記成形空間に向けて突出することにより、上記成形品を上記一方の金型から取り出す突き出しピンと、を具備し、
    上記突き出しピンは、上記成形空間と上記一方の金型の外部とを結ぶ通気路を有することを特徴とする金型装置。
  2. 請求項1の記載において、上記一方の金型は、上記突き出しピンが軸方向に摺動可能に嵌合するガイド孔を有し、上記通気路は、上記突き出しピンの外周面と上記ガイド孔の内面との間に形成されることを特徴とする金型装置。
  3. 請求項2の記載において、上記突き出しピンは、上記ガイド孔に摺動可能に嵌合する本体と、この本体の先端に設けられ、上記成形品を押し出す押圧面を有する頭部とを備え、上記通気路は、上記頭部の外周面と上記ガイド孔の内面との間に形成される第1の隙間と、上記本体の外周面の一部と上記ガイド孔の内面との間に形成される第2の隙間とを含み、上記第1の隙間は、上記頭部の周方向に連続して上記成形空間に開口する開口形状を有し、上記第2の隙間は、上記第1の隙間に連続するとともに上記本体の軸方向に延びていることを特徴とする金型装置。
  4. 請求項3の記載において、上記突き出しピンは、上記頭部と上記本体との間に上記突き出しピンの周方向に連続する溝部を有し、上記第1および第2の隙間は、上記溝部を介して互いに連通することを特徴とする金型装置。
  5. 請求項4の記載において、上記溝部の底と上記ガイド孔の内面との間のクリアランスは、上記頭部の外周面と上記ガイド孔の内面との間のクリアランスよりも大きいことを特徴とする金型装置。
  6. 請求項4又は請求項5の記載において、上記突き出しピンの本体は、上記溝部に露出する端面と、この端面と上記本体の外周面とで規定される角部とを有し、この角部は、上記ガイド孔の内面に摺動可能に接触する尖った縁を含むことを特徴とする金型装置。
  7. 請求項4の記載において、上記頭部の外周面および上記溝部は、上記突き出しピンが上記成形品を一方の金型から押し出す位置まで移動した時に、上記一方の金型から上記成形空間の方向に突出することを特徴とする金型装置。
  8. 一対の金型と、
    上記金型の間に形成され、溶融した樹脂材料を充填することで成形品を得る成形空間と、
    一方の金型に設けられ、上記成形空間に向けて突出することにより、上記成形品を上記一方の金型から取り出す複数の突き出しピンと、を具備し、
    少なくとも一部の突き出しピンと上記一方の金型との間に、上記成形空間から上記金型の外部に至る通気路を形成し、この通気路のうち上記成形空間に開口する上流端は、上記突き出しピンの周方向に連続する開口形状を有することを特徴とする金型装置。
  9. 請求項8の記載において、上記一方の金型は、上記突き出しピンが軸方向に摺動可能に嵌合するガイド孔を有し、上記通気路は、上記突き出しピンの外周面と上記ガイド孔の内面との間に形成されることを特徴とする金型装置。
  10. 請求項9の記載において、上記突き出しピンは、上記ガイド孔に摺動可能に嵌合する本体と、この本体の先端に設けられ、上記成形品を押し出す押圧面を有する頭部と、上記本体と上記頭部との間に設けられ、上記突き出しピンの周方向に連続する溝部とを備え、上記通気路は、上記頭部の外周面と上記ガイド孔の内面との間に形成される環状の第1の隙間と、上記本体の外周面の一部と上記ガイド孔の内面との間に形成され、上記本体の軸方向に延びる第2の隙間とを有し、上記第1および第2の隙間は、上記溝部を介して互いに連通することを特徴とする金型装置。
  11. 一対の金型と、
    上記金型の間に形成され、溶融した樹脂材料が充填される成形空間と、
    一方の金型に設けられ、上記成形空間に露出するピンと、
    上記ピンと上記一方の金型との間に設けられ、上記成形空間から上記一方の金型の外部に至る通気路と、を具備したことを特徴とする金型装置。
  12. 請求項11の記載において、上記通気路は、上記成形空間に開口する上流端を有し、この上流端は、上記ピンの周方向に連続する開口形状を有することを特徴とする金型装置。
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