JP2006326470A - 濾材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、濾材の均一性、固体粒子の捕集効率、圧力損失といった性能をバランス良く発現した、フィブリル化リヨセル繊維を含有して、生分解性である濾材を提供することにある。
【解決手段】フィブリル化リヨセル繊維、繊維径1〜30μmの1種以上の生分解性繊維、再生繊維または半合成繊維を含有することを特徴とする濾材。
【選択図】なし
【解決手段】フィブリル化リヨセル繊維、繊維径1〜30μmの1種以上の生分解性繊維、再生繊維または半合成繊維を含有することを特徴とする濾材。
【選択図】なし
Description
本発明は、濾材に関するものであり、さらに詳しくはクリーンルーム用エアフィルター、ビル空調用エアフィルターなどの用途として、フィルター加工性に優れ、今後ますます問題視されつつある不燃ゴミ対策を配慮した濾材に関するものである。
フィルターの環境負荷で大きな問題となっているのは使用済みのフィルターの廃棄である。ビル空調、産業空調のエアフィルターの廃棄量は年間3000〜4000トンといわれており、これらの使用済みフィルターは産業廃棄物として焼却処理、埋め立て処理されている。フィルターを使用しているユーザーにとって廃棄物の発生とその処理は深刻な問題であり、このためフィルターの環境対策は廃棄量の減少や環境に負荷を与えない処理法の適用に集中している。この問題を解決するために、使用後の廃棄の問題を考慮して生分解性繊維からなる不織布にて構成されるエアフィルター基材が出願されている(特許文献1参照)。
エアフィルターは、その集塵効率によって、粗塵フィルター、中性能フィルター、高性能フィルター、HEPAフィルター、ULPAフィルターに分類される。上記生分解性繊維からなる不織布にて構成されるエアフィルター機材は、使用する繊維の繊維径が0.5〜100デシテックスであり、捕集効率は低く、台所用換気扇やレンジ用、空気清浄機用の粗塵フィルターに限定され、ビル空調用やクリーンルーム用の中・高性能フィルターには適さないものであった。
特開2003−126628号公報
エアフィルターは、その集塵効率によって、粗塵フィルター、中性能フィルター、高性能フィルター、HEPAフィルター、ULPAフィルターに分類される。上記生分解性繊維からなる不織布にて構成されるエアフィルター機材は、使用する繊維の繊維径が0.5〜100デシテックスであり、捕集効率は低く、台所用換気扇やレンジ用、空気清浄機用の粗塵フィルターに限定され、ビル空調用やクリーンルーム用の中・高性能フィルターには適さないものであった。
本発明の課題は、ビル空調用やクリーンルーム用に使用可能であり、生分解性を有し、濾材の均一性、固体粒子の捕集効率、圧力損失といった性能をバランス良く発現し、湿式抄紙性を高める濾材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(1)(X)フィブリル化リヨセル繊維、及び(C)繊維径1〜30μmの1種以上の生分解性繊維、(D)再生繊維または半合成繊維を含有することを特徴とする濾材、
(2)(X)フィブリル化リヨセル繊維が、(A)剪断力を加えて幹部から離脱して繊維径1μm以下にフィブリル化したリヨセル繊維、(B)剪断力を加えて繊維径2μm以上の幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維の少なくとも一種類であることを特徴とする上記(1)に記載の濾材、
(3)濾材に対する(X)フィブリル化リヨセル繊維の含有量が1〜70質量%、濾材に対する(C)繊維径1〜30μmの1種以上の生分解性繊維と(D)再生繊維または半合成繊維の含有量が30〜99質量%である上記(1)または(2)に記載の濾材、
(4)濾材が、湿式抄紙法で製造されることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の濾材、
を見いだした。
(1)(X)フィブリル化リヨセル繊維、及び(C)繊維径1〜30μmの1種以上の生分解性繊維、(D)再生繊維または半合成繊維を含有することを特徴とする濾材、
(2)(X)フィブリル化リヨセル繊維が、(A)剪断力を加えて幹部から離脱して繊維径1μm以下にフィブリル化したリヨセル繊維、(B)剪断力を加えて繊維径2μm以上の幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維の少なくとも一種類であることを特徴とする上記(1)に記載の濾材、
(3)濾材に対する(X)フィブリル化リヨセル繊維の含有量が1〜70質量%、濾材に対する(C)繊維径1〜30μmの1種以上の生分解性繊維と(D)再生繊維または半合成繊維の含有量が30〜99質量%である上記(1)または(2)に記載の濾材、
(4)濾材が、湿式抄紙法で製造されることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の濾材、
を見いだした。
本発明の濾材は、(A)剪断力を加えて幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化リヨセル繊維、(B)剪断力を加えて、繊維径2μm以上の幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維の、二つの状態のリヨセル繊維が存在し、また、(C)繊維径1〜30μmの1種以上の生分解性繊維により繊維径の大きい生分解性繊維を適当に配合しているため、濾材の均一性、固体粒子の捕捉能、圧力損失といった性能をバランス良く発現し、強度の高い濾材と成りうる。(D)再生繊維または半合成繊維により濾材製造時の湿式抄紙性が高まり、ビル空調用やクリーンルームの中性能エアフィルター用として好適である。また、濾材に配合される(A)、(B)、(C)、(D)全ての繊維が素材が天然繊維又は生分解性繊維にて形成されるため、使用後のコンポスト処理や埋めたてにより最終的には炭酸ガスと水まで分解でき、良好に廃棄処理することができる。
以下、本発明を詳説する。本発明において、「リヨセル」とは、ISO規格及び日本のJIS規格に定める繊維用語で「セルロース誘導体を経ずに、直接、有機溶剤に溶解させて紡糸して得られるセルロース繊維」とされている。リヨセル繊維の特徴としては、湿潤強度に優れていること、フィブリル化し易いこと、およびセルロース繊維由来の水素結合によりシート化したときの強度が得やすいこと、等が挙げられる。
リヨセル繊維は、通常のパルプ繊維と同様に、ビーター、PFIミル、シングルディスクリファイナー(SDR)、ダブルディスクリファイナー(DDR)、また、顔料等の分散や粉砕に使用するボールミル、ダイノミル等の叩解、分散設備でフィブリル化可能である。リヨセル繊維はセルロース繊維が原料であることから、フィブリル化した後も水素結合による強度向上が望めるという特徴を有している。
リヨセル繊維の特徴を最大限に発揮させ、濾材の均一性、固体粒子の捕捉能、圧力損失等の性能をバランス良く発現させるためには、最適なフィブリル化条件を見出すことが重要である。(X)フィブリル化リヨセル繊維は、(A)剪断力を加えて幹部から離脱して繊維径1μm以下のフィブリル化リヨセル繊維、(B)剪断力を加えて、繊維径2μm以上の幹部から、繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維の2つのフィブリル化状態のリヨセル繊維の少なくとも1種類を含有する必要がある。
リヨセル繊維は、叩解することでフィブリル化が進行し濾材に適した素材となりうるが、最適な叩解条件の見極めが重要となる。(A)および(B)が適正に存在するフィブリル化状態を確認するためには、フィブリル化した繊維を水等で十分希釈した後に乾燥させて顕微鏡か好ましくは電子顕微鏡で観察することができる。しかし、最適フィブリル化条件が決定した後はその都度観察しなくても良い。
本発明の濾材において、固体粒子捕捉能、圧力損失をバランス良く発現するためには、(A)幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化繊維は、アスペクト比(繊維長/繊維径)が10〜100000、好ましくは、100〜50000である。また、(B)幹部から枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維において、幹部のアスペクト比は、10〜50000、好ましくは50〜30000である。また、枝部のアスペクト比は、10〜100000、好ましくは100〜50000である。これらのフィブリル化状態は、上述の顕微鏡観察によって、確認することができる。
本発明の濾材において、フィブリル化リヨセル繊維は、(A)剪断力を加えて幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化リヨセル繊維、(B)剪断力を加えて、繊維径2μm以上の幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維がそれぞれ単独、又は二つのフィブリル化状態として存在している。フィブリル化リヨセル繊維が(B)幹部から枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維のみで濾材を形成させる場合、湿式抄造中に水中に分散する際に均一に分散されずに、該繊維の幹部がモコモコ状に重なり合う部分が存在したり、全く存在しない部分が生じたりして、結果として通気性は高いが濾材としての捕集効率は低下してしまう事があるが、繊維径1〜30μmの1種以上の生分解性繊維と再生繊維または半合成繊維を併用することにより均一なネットワークを形成して、均一性を高め捕集効率を高めることが出来る。逆に、(A)リヨセル繊維の幹から離脱したフィブリル化繊維のみで濾材を形成させる場合、リヨセル繊維が脱落したり、水素結合で結合したフィブリル化リヨセル繊維が空隙を埋めてしまったりして、圧力損失を高めてしまうという問題が生じるが、(C)繊維径1〜30μmの1種以上の生分解性繊維、(D)再生繊維または半合成繊維を併用することによりリヨセル繊維と均一なネットワークを形成し、抄紙ワイヤーからの脱落を防止するばかりでなく、空隙を形成することにより圧力損失を低く抑えることが可能となる。(D)再生繊維または半合成繊維を併用することにより、湿式抄紙機で製造する際に湿紙状態での保水率が高まり、フェルトからの剥離性が向上する。
本発明の濾材は、さらに(A)剪断力を加えて幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化リヨセル繊維、(B)剪断力を加えて、繊維径2μm以上の幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維、(C)繊維径1〜30μmの1種以上の生分解性繊維、(D)再生繊維又は半合成繊維を含有させることで、濾材の均一性、固体粒子の捕捉能、圧力損失をバランス良く発現させた濾材となる。
本発明の濾材において、リヨセル繊維の配合比率は特に限定しないが、(A)および(B)の濾材に対する含有量が、1〜70質量%、(C)及び(D)の含有量が30〜99質量%であることが好ましい。(A)および(B)の含有量が1質量%未満では、フィブリル化したリヨセル繊維が濾材に均一に分布されない場合があり、捕集効率を高めることが困難となる。一方、70質量%を超えると捕集効率は十分得られるものの圧力損失、通気抵抗、通液抵抗が高くなりすぎる場合があり、濾材の寿命が短くなる傾向がある。
本発明の濾材において、(C)繊維径が1〜30μmの生分解性繊維とは、脂肪族ポリエステルからなる繊維が好適に使用できる。脂肪族ポリエステルとしては、ポリグリコール酸やポリ乳酸のようなポリ(α−ヒドロキシ酸)、またはこれらを主たる繰り返し単位とする共重合体が挙げられる。また、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(β−プロピオラクトン)のようなポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)や、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシカプロネート、ポリ−3−ヒドロキシヘプタノエート、ポリ−3−ヒドロキシオクタノエートのようなポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)や、これらの繰り返し単位とポリ−3−ヒドロキシバリレートまたはポリ−4−ヒドロキシブチレートの繰り返し単位との共重合体などが挙げられる。
また、グリコールとジカルボン酸の縮重合体からなるポリアルキレンアルカノエートの例として、ポリエチレンオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリブチレンオキサレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリネオペンチルオキサレートまたはこれらを主繰り返し単位とするポリアルキレンアルカノエート共重合体が挙げられる。
これらの中でもポリ乳酸系重合体は、機械的特性や剛性に優れるだけでなく難燃性をも有するものである。具体的には、45°ミクロバーナ法による区分3程度の難燃性を有するため、リン系難燃剤を使用することなくエアフィルター基材にリン系難燃剤が配合された従来品と同等の難燃性を付与できる。
また、ポリ乳酸系重合体は、芳香族ポリエステル繊維に比べて発熱量が低いため焼却炉を傷める恐れが少なく、また、有害ガスを発生することもないため、埋め立て処理だけでなく焼却処理も好適に行える。さらに、ポリ乳酸系重合体は、他の脂肪族ポリエステルと比較して剛性が高く、使用時の変形量を少なくできるためより好ましい。
ポリ乳酸系重合体としては、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、D−乳酸とL−乳酸との共重合体、D−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、L−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、D−乳酸とL−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体とから選ばれるいずれかの重合体、あるいはこれらのブレンド体が挙げられる。ポリ乳酸のホモポリマーであるポリ(L−乳酸)やポリ(D−乳酸)の融点は約180℃であるが、ポリ乳酸系重合体として前記コポリマーを用いる場合には、実用性と融点等を考慮してポリマー成分の共重合量比を決定することが好ましく、L−乳酸とD−乳酸との共重合比が、モル比で、(L−乳酸)/(D−乳酸)=100/0〜90/10、あるいは(L−乳酸)/(D−乳酸)=10/90〜100/0であることが好ましい。
乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体である場合におけるヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸等が挙げられ、中でも特に、ヒドロキシカプロン酸またはグリコール酸を用いることが生分解性および低コストの点から好ましい。
具体的には、ポリ乳酸からなる生分解性繊維(ラクトロン カネボウ社製)、ポリヒドロキシブチレートとバリレートの共重合体組成からなる生分解性繊維(バイオポール 米モンサント社製)、ポリカプロラクトンからなる生分解性繊維(セルグリーン ダイセル化学工業社製)、脂肪族ポリエステルからなる生分解性繊維(ビオノーレ 昭和高分子社製)、でんぷんと変性ポリビニルアルコール組成からなる生分解性繊維(マタービー 伊ノバモント社製)等が挙げられる。また、これら生分解性繊維は1種類の使用に限られず、それぞれ分解挙動に特徴を持った生分解性繊維を2種類以上混合して用いてもよい。
本発明において(D)再生繊維または半合成繊維とは、レーヨン繊維、キュプラ、アセテート等が挙げられる。その繊度は、特に限定されないが0.1〜30デシテックスが好ましく、より好ましくは0.3〜15デシテックスである。
また、併用出来るその他の繊維としては、皮膜の少ない麻パルプ、コットンリンター、リント、針葉樹パルプ、広葉樹パルプなどの木材パルプや藁パルプ、竹パルプ、ケナフパルプなどの木本類、草本類を含むものとする。これらの繊維はフィブリル化されていても通液性、通気性を阻害しない範囲であればなんら差し支えない。さらに、古紙、損紙などから得られるパルプ繊維等も含まれる。また、フィブリル化していないリヨセル繊維を併用することも可能である。
本発明の濾材のように、(A)および(B)のフィブリル化リヨセル繊維と、(C)繊維径1〜30μmで1種以上の生分解性繊維、(D)再生繊維または半合成繊維を含有したシートは、該リヨセル繊維が再生繊維または半合成繊維と繊維径1μm以上の生分解性繊維に程良く絡み合い、良好な三次元ネットワークを形成することにより、緻密さによる捕集性能を保持しつつ、適当な空間によって通気性、通液性を確保することができる。好ましくは、再生繊維または半合成繊維が繊維径の異なる2種類以上の繊維等を含んだ場合、ネットワークにさらなる空間が生まれ通気性、通液性が向上する。
また、用途上支障がなければ繊維径0.1〜20μmの無機繊維、好ましくはガラス繊維を併用することにより、更なるネットワークと空間が確保され、通気性、通液性が良好な濾材が得られる。
本発明の濾材において、(C)繊維径が1〜30μmの生分解性繊維は、生分解性熱融着繊維であっても良い。生分解性熱融着繊維を含有させて、該熱融着繊維の溶融温度以上に濾材の温度を上げる工程を濾材の製造工程に組み入れることで、濾材の機械的強度が向上する。例えば、濾材を湿式抄造法で製造し、その後の乾燥工程で、該熱融着繊維を溶融させることができる。
本発明の濾材に係わる生分解性熱融着繊維としては、単繊維のほか、芯鞘繊維(コアシェルタイプ)、並列繊維(サイドバイサイドタイプ)、放射状分割繊維などの複合繊維が挙げられる。複合繊維は、皮膜を形成しにくいので、濾材の空間を保持したまま、機械的強度を向上させることができる。
本発明の濾材において、生分解性熱融着繊維の繊度は特に限定されないが、0.3〜10デシテックスであることが好ましく、より好ましくは1〜5デシテックスである。
本発明の濾材の坪量は特に限定しないが、フィルターに加工する際の強度や必要濾材面積を考慮すると、20〜150g/m2が好ましく、より好ましくは、50〜100g/m2である。
本発明の濾材には、必要に応じて濾材の特性を阻害しない範囲で、架橋剤、撥水剤、分散剤、歩留り向上剤、紙力剤、染料などの添加剤を適宜配合することができる。
本発明の濾材および液体濾過用フィルター濾材は、一般紙や湿式不織布を製造するための抄紙機、例えば、長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜ワイヤー式抄紙機が単独、またはこれらの抄紙機が同種または異種の2機以上がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機などにより製造される。抄紙機で製造された湿紙は、ドライヤーで乾燥させる。乾燥させた後、熱可塑性樹脂を含有させ、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥する。
以下、本発明を実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
フィブリル化していないリヨセル単繊維(1.7デシテックス×4mm、コートルズ社製)をダブルディスクリファイナーを用いて40回繰り返し処理し、幹部から離脱した平均繊維径0.9μmのフィブリル化リヨセル繊維を調製した。
上記フィブリル化リヨセル繊維を1質量%、レーヨン繊維(繊維径0.6デシテックス、繊維長が5mm ダイワボウレーヨン社製)を49質量%、生分解性熱融着繊維として融点が170℃であるポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=2/98)が芯部に、融点が130℃のポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=8/92)が鞘部となるように質量比1:1で芯鞘型に複合された繊維径2.2デシテックス、繊維長が5mmの芯鞘型熱融着短繊維を50質量%の比率で水に分散し、乾燥重量60g/m2になる量の分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機を用いて抄紙した後、表面温度140℃のシリンダードライヤーで乾燥して、実施例1の濾材を作製した。
上記フィブリル化リヨセル繊維を1質量%、レーヨン繊維(繊維径0.6デシテックス、繊維長が5mm ダイワボウレーヨン社製)を49質量%、生分解性熱融着繊維として融点が170℃であるポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=2/98)が芯部に、融点が130℃のポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=8/92)が鞘部となるように質量比1:1で芯鞘型に複合された繊維径2.2デシテックス、繊維長が5mmの芯鞘型熱融着短繊維を50質量%の比率で水に分散し、乾燥重量60g/m2になる量の分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機を用いて抄紙した後、表面温度140℃のシリンダードライヤーで乾燥して、実施例1の濾材を作製した。
フィブリル化していないリヨセル単繊維(1.7デシテックス×4mm、コートルズ社製)をシングルディスクリファイナーを用いて30回繰り返し処理し、平均繊維径4μmの幹部から平均繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維の混合繊維を調製した。
上記フィブリル化リヨセル繊維10質量%、レーヨン繊維(繊維径0.6デシテックス、繊維長が5mm ダイワボウレーヨン社製)を40質量%、生分解性熱融着繊維として融点が170℃であるポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=2/98)が芯部に、融点が130℃のポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=8/92)が鞘部となるように質量比1:1で芯鞘型に複合された繊維径2.2デシテックス、繊維長が5mmの芯鞘型熱融着短繊維を50質量%の比率で水に分散し、乾燥重量60g/m2になる量の分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機を用いて抄紙した後、表面温度140℃のシリンダードライヤーで乾燥して、実施例2の濾材を作製した。
上記フィブリル化リヨセル繊維10質量%、レーヨン繊維(繊維径0.6デシテックス、繊維長が5mm ダイワボウレーヨン社製)を40質量%、生分解性熱融着繊維として融点が170℃であるポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=2/98)が芯部に、融点が130℃のポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=8/92)が鞘部となるように質量比1:1で芯鞘型に複合された繊維径2.2デシテックス、繊維長が5mmの芯鞘型熱融着短繊維を50質量%の比率で水に分散し、乾燥重量60g/m2になる量の分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機を用いて抄紙した後、表面温度140℃のシリンダードライヤーで乾燥して、実施例2の濾材を作製した。
フィブリル化していないリヨセル単繊維(1.7デシテックス×4mm、コートルズ社製)をPFIミルを用いて40000回転処理し、幹部から離脱した繊維径1μm以下のフィブリル化リヨセル繊維と、平均繊維径4μmの幹部から平均繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維の混合繊維を調製した。
上記フィブリル化リヨセル繊維20質量%、レーヨン繊維(繊維径0.6デシテックス、繊維長が5mm ダイワボウレーヨン社製)を30質量%、生分解性熱融着繊維として融点が170℃であるポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=2/98)が芯部に、融点が130℃のポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=8/92)が鞘部となるように質量比1:1で芯鞘型に複合された繊維径2.2デシテックス、繊維長が5mmの芯鞘型熱融着短繊維を50質量%の比率で水に分散し、乾燥重量60g/m2になる量の分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機を用いて抄紙した後、表面温度140℃のシリンダードライヤーで乾燥して、実施例3の濾材を作製した。
上記フィブリル化リヨセル繊維20質量%、レーヨン繊維(繊維径0.6デシテックス、繊維長が5mm ダイワボウレーヨン社製)を30質量%、生分解性熱融着繊維として融点が170℃であるポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=2/98)が芯部に、融点が130℃のポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=8/92)が鞘部となるように質量比1:1で芯鞘型に複合された繊維径2.2デシテックス、繊維長が5mmの芯鞘型熱融着短繊維を50質量%の比率で水に分散し、乾燥重量60g/m2になる量の分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機を用いて抄紙した後、表面温度140℃のシリンダードライヤーで乾燥して、実施例3の濾材を作製した。
(比較例1)
生分解性繊維としてポリ乳酸(融点170℃、共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=2/98)からなる繊維径1.1デシテックス、繊維長が5mmの繊維を50質量%、生分解性熱融着繊維として融点が170℃であるポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=2/98)が芯部に、融点が130℃のポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=8/92)が鞘部となるように質量比1:1で芯鞘型に複合された繊維径2.2デシテックス、繊維長が5mmの芯鞘型熱融着短繊維を50質量%の比率で水に分散し、乾燥重量60g/m2になる量の分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機を用いて抄紙した後、表面温度140℃のシリンダードライヤーで乾燥して、比較例1の濾材を作製した。
生分解性繊維としてポリ乳酸(融点170℃、共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=2/98)からなる繊維径1.1デシテックス、繊維長が5mmの繊維を50質量%、生分解性熱融着繊維として融点が170℃であるポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=2/98)が芯部に、融点が130℃のポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=8/92)が鞘部となるように質量比1:1で芯鞘型に複合された繊維径2.2デシテックス、繊維長が5mmの芯鞘型熱融着短繊維を50質量%の比率で水に分散し、乾燥重量60g/m2になる量の分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機を用いて抄紙した後、表面温度140℃のシリンダードライヤーで乾燥して、比較例1の濾材を作製した。
(比較例2)
フィブリル化していないリヨセル単繊維(1.7デシテックス×5mm、コートルズ社製)を顔料等の分散装置であるボールミル(ペイントコンディショナー)に直径2mmのビーズを水と共に投入し、11時間処理した。その結果、リヨセル繊維はフィブリル化の過程を超えて、粒子状になっていた。このリヨセル処理品を10質量%、生分解性繊維としてポリ乳酸(融点170℃、共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=2/98)からなる繊維径1.1デシテックス、繊維長が5mmの繊維を40質量%、生分解性熱融着繊維として融点が170℃であるポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=2/98)が芯部に、融点が130℃のポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=8/92)が鞘部となるように質量比1:1で芯鞘型に複合された繊維径2.2デシテックス、繊維長が5mmの芯鞘型熱融着短繊維を50質量%の比率で水に分散し、乾燥重量60g/m2になる量の分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機を用いて抄紙した後、表面温度140℃のシリンダードライヤーで乾燥して、比較例2の濾材を作製した。
フィブリル化していないリヨセル単繊維(1.7デシテックス×5mm、コートルズ社製)を顔料等の分散装置であるボールミル(ペイントコンディショナー)に直径2mmのビーズを水と共に投入し、11時間処理した。その結果、リヨセル繊維はフィブリル化の過程を超えて、粒子状になっていた。このリヨセル処理品を10質量%、生分解性繊維としてポリ乳酸(融点170℃、共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=2/98)からなる繊維径1.1デシテックス、繊維長が5mmの繊維を40質量%、生分解性熱融着繊維として融点が170℃であるポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=2/98)が芯部に、融点が130℃のポリ乳酸(共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=8/92)が鞘部となるように質量比1:1で芯鞘型に複合された繊維径2.2デシテックス、繊維長が5mmの芯鞘型熱融着短繊維を50質量%の比率で水に分散し、乾燥重量60g/m2になる量の分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機を用いて抄紙した後、表面温度140℃のシリンダードライヤーで乾燥して、比較例2の濾材を作製した。
(比較例3)
フィブリル化していないリヨセル単繊維(1.7デシテックス×4mm、コートルズ社製)をダブルディスクリファイナーを用いて40回繰り返し処理し、幹部から離脱した平均繊維径0.9μmのフィブリル化リヨセル繊維を調製した。
上記フィブリル化リヨセル繊維を1質量%、生分解性繊維としてポリ乳酸(融点170℃、共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=2/98)からなる繊維径1.1デシテックス、繊維長が5mmの繊維を49質量%、ユニチカファイバー社製のポリエステルバインダー繊維「メルティ4080」2.2デシテックス、繊維長5mmの芯鞘型熱融着短繊維を50質量%の比率で水に分散し、乾燥重量60g/m2になる量の分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機を用いて抄紙した後、表面温度140℃のシリンダードライヤーで乾燥して、比較例3の濾材を作製した。
フィブリル化していないリヨセル単繊維(1.7デシテックス×4mm、コートルズ社製)をダブルディスクリファイナーを用いて40回繰り返し処理し、幹部から離脱した平均繊維径0.9μmのフィブリル化リヨセル繊維を調製した。
上記フィブリル化リヨセル繊維を1質量%、生分解性繊維としてポリ乳酸(融点170℃、共重合モル比:D−乳酸/L−乳酸=2/98)からなる繊維径1.1デシテックス、繊維長が5mmの繊維を49質量%、ユニチカファイバー社製のポリエステルバインダー繊維「メルティ4080」2.2デシテックス、繊維長5mmの芯鞘型熱融着短繊維を50質量%の比率で水に分散し、乾燥重量60g/m2になる量の分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機を用いて抄紙した後、表面温度140℃のシリンダードライヤーで乾燥して、比較例3の濾材を作製した。
<濾材の評価>
上記実施例1〜3及び比較例1〜3で作製した濾材について、坪量、圧力損失、粒子捕集効率、引張強度、生分解性、プリーツ加工性を以下の方法で評価した(表1)。
上記実施例1〜3及び比較例1〜3で作製した濾材について、坪量、圧力損失、粒子捕集効率、引張強度、生分解性、プリーツ加工性を以下の方法で評価した(表1)。
<圧力損失(単位:Pa)>
JIS B9908に準じて、面風速5.3cm/秒の条件で測定した。
JIS B9908に準じて、面風速5.3cm/秒の条件で測定した。
<粒子捕集効率(単位:%)>
JIS B9908に準じて面風速5.3cm/秒の条件で測定した。測定対象粒子は、大気塵を使用して、粒子径0.3〜0.5μmの粒子についての捕集効率をパーティクルカウンター(商品名「KC−11」、リオン社製)を使用して測定した。
捕集効率が15%以上であれば、ビル空調用エアフィルターやクリーンルーム用中・高性能エアフィルターに使用可能となる。
JIS B9908に準じて面風速5.3cm/秒の条件で測定した。測定対象粒子は、大気塵を使用して、粒子径0.3〜0.5μmの粒子についての捕集効率をパーティクルカウンター(商品名「KC−11」、リオン社製)を使用して測定した。
捕集効率が15%以上であれば、ビル空調用エアフィルターやクリーンルーム用中・高性能エアフィルターに使用可能となる。
<引張強度(単位:kN/m)>
JIS P8113に則り、濾材を幅15mm、長さ200mmに裁断し、テンシロン測定機(オリエンテック社製、HTM−100)を用いて、フルスケール4kgで、破断時の荷重を各々10回測定し、その平均値を示した。
JIS P8113に則り、濾材を幅15mm、長さ200mmに裁断し、テンシロン測定機(オリエンテック社製、HTM−100)を用いて、フルスケール4kgで、破断時の荷重を各々10回測定し、その平均値を示した。
<生分解性>
濾材を6ヶ月間土中に埋設し、その後フィルターの形状が維持されているか観察した。そして、6ヶ月経過後に原型をとどめていないものを○、ほぼそのままの形状であったものを×で表した。
濾材を6ヶ月間土中に埋設し、その後フィルターの形状が維持されているか観察した。そして、6ヶ月経過後に原型をとどめていないものを○、ほぼそのままの形状であったものを×で表した。
<プリーツ(ひだ折り)加工性試験>
サンプルをひだ状に加工し、加工性の良いものを○、悪いものを×で評価した。
サンプルをひだ状に加工し、加工性の良いものを○、悪いものを×で評価した。
表1の結果より、リヨセル繊維を最適にフィブリル化した繊維を使用した実施例1〜3の濾材は、圧力損失、捕集効率のバランスが良く、エアフィルターの濾材に適していることが分かる。
比較例1の濾材はフィブリル化したリヨセル繊維を使用していないため、捕集効率が極めて低く、ビル空調やクリーンルームの中性能エアフィルターには適さない。
比較例2の濾材は、リヨセル繊維をフィブリル化したものの、その後過剰に叩解を進めているために粒子状になってしまっていた。そのため、抄造時に粒子状のリヨセルが抄紙網から抜け落ち、所定の坪量が得られなかった。また、その濾材は他の繊維と有効にネットワークを形成できないことから捕集効率が低かった。
比較例3は、生分解性ではないポリエステル繊維を使用したため、生分解性が悪かった。
比較例2の濾材は、リヨセル繊維をフィブリル化したものの、その後過剰に叩解を進めているために粒子状になってしまっていた。そのため、抄造時に粒子状のリヨセルが抄紙網から抜け落ち、所定の坪量が得られなかった。また、その濾材は他の繊維と有効にネットワークを形成できないことから捕集効率が低かった。
比較例3は、生分解性ではないポリエステル繊維を使用したため、生分解性が悪かった。
本発明の濾材は、エアフィルター等に有効に用いる事が出来る。
Claims (4)
- (X)フィブリル化リヨセル繊維、(C)繊維径1〜30μmの生分解性繊維、及び(D)再生繊維または半合成繊維を含有することを特徴とする濾材。
- (X)フィブリル化リヨセル繊維が、(A)剪断力を加えて幹部から離脱して繊維径1μm以下にフィブリル化したリヨセル繊維、(B)剪断力を加えて繊維径2μm以上の幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化リヨセル繊維の少なくとも一種類である請求項1記載の濾材。
- 濾材に対する(X)フィブリル化リヨセル繊維の含有量が1〜70質量%、濾材に対する(C)繊維径1〜30μmの生分解性繊維と(D)再生繊維または半合成繊維の含有量が30〜99質量%である請求項1または2に記載の濾材。
- 濾材が湿式抄紙法で製造されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の濾材。
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-
2005
- 2005-05-25 JP JP2005152701A patent/JP2006326470A/ja not_active Abandoned
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