JPH09841A - 濾材およびそれを用いた液体濾過用フィルター - Google Patents

濾材およびそれを用いた液体濾過用フィルター

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JPH09841A
JPH09841A JP7145930A JP14593095A JPH09841A JP H09841 A JPH09841 A JP H09841A JP 7145930 A JP7145930 A JP 7145930A JP 14593095 A JP14593095 A JP 14593095A JP H09841 A JPH09841 A JP H09841A
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fiber
filter
diameter
fibers
filter medium
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JP7145930A
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Inventor
Mitsuo Yoshida
光男 吉田
Takehiko Yasujima
岳彦 安島
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機繊維で構成され、捕集効率とライフのバ
ランスの取れた濾材およびそれを用いた液体濾過用フィ
ルターを提供する。 【構成】 濾水値が10秒以上にフィブリル化された有
機繊維、繊維径が1〜8μmの極細有機繊維、繊維径が
5μm以上の捲縮性を有する有機繊維または最大投影径
が5μm以上の異形断面を有する有機繊維、繊維径が5
μm以上の繊維状有機バインダーまたは液状バインダー
で構成された濾材、およびそれを用いた液体濾過用フィ
ルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気中の粉塵を捕集す
るエアフィルター、あるいは液体中に含有される粒子を
効率良く除去し清浄な液体を得るための液体濾過用フィ
ルターなどに用いられる濾材に関するものである。ま
た、自動車用エンジンオイルフィルター、燃料フィルタ
ー、油圧フィルターなどの液体濾過用フィルターに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用のフルフローエンジンオ
イルフィルター用濾材、土木・建築用大型機械の油圧フ
ィルター用濾材としては、カーボンミストを効率良く捕
集するために、繊維径が3μm以下のマイクロガラス繊
維を配合した該濾材が使用されている。しかし、該濾材
を構成するチタン酸カリウム繊維やマイクロガラス繊維
が、該濾材から脱落してベアリングなどの摺動部に入り
込んだ場合、該繊維が硬いために摩擦で摺動部を傷つけ
てしまう問題があった。
【0003】一方、木材パルプ、リンターパルプを主体
とする有機繊維を用いた濾材では、摺動部を傷つけると
いう心配は無いが、カーボンミストの捕集性能が悪いば
かりでなく、木材パルプ、リンターパルプの断面形状が
偏平で、濾材密度が高いために、短時間で目詰まりを起
し、濾材としてのライフが短いという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
や問題点を解決し、有機繊維のみから構成され、繊維の
脱落がなく、捕集効率が高く、且つライフの長い濾材お
よびそれを用いた液体濾過用フィルターを提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記に鑑み
鋭意研究した結果、本発明の濾材およびそれを用いた液
体濾過用フィルターを発明するに至った。即ち、本発明
の濾材は、濾水値が10秒以上にフィブリル化された有
機繊維、繊維径が1〜8μmの極細有機繊維、繊維径が
5μm以上の捲縮性を有する有機繊維または最大投影径
が5μm以上の異形断面を有する有機繊維、並びに繊維
径が5μm以上の繊維状有機バインダーまたは液状バイ
ンダーで構成されたものである。
【0006】好ましくは、濾水値が10秒以上にフィブ
リル化された有機繊維が、芳香族ポリアミド繊維であ
る。
【0007】また、本発明は、上記濾材を用いた液体濾
過用フィルターである。
【0008】以下、本発明の濾材およびそれを用いた液
体濾過用フィルターについて、詳細に説明する。
【0009】本発明の濾材は、ベアリングなどの摺動部
を傷つけないように、有機繊維のみで構成されたもので
ある。しかし、有機繊維であっても、繊維径が太く、偏
平な有機繊維のみから構成される濾材では、濾過性能お
よびライフを満足させることはできない。
【0010】そこで、カーボンミストの捕集性能を向上
させるために、各種有機繊維を種々検討した結果、濾水
値が10秒以上にフィブリル化された有機繊維を用いた
場合に優れた捕集性能を有することがわかった。
【0011】本発明でいう「濾水値」とは、本出願人に
よる特公平2−60799号公報に開示しているような
方法で測定した値である。この方法は、JIS P81
21で規定されるパルプの濾水度試験方法(カナダ標準
形)では、濾水度が低すぎて測定が不可能なスラリーに
対して適用することができるものである。
【0012】具体的には、濾水値は次の手順で測定す
る。 フィブリル化された有機繊維を0.3%の水分散液
(20℃)に調整する。 0.3%水分散液を1リットル採取する。 1リットルの水分散液を内径102mmφの円筒容器
(底に78メッシュの金網が張ってある)に移す。 円筒容器底部より、500mlの濾液が得られるまで
の時間(秒)を測定する。 得られた時間(秒)を濾水値とする。
【0013】濾水値が10秒以上にフィブリル化された
有機繊維としては、例えば、以下に示す方法で加工され
たものが挙げられる。 1.合成高分子溶液を該高分子の貧溶媒中にせん断力を
かけながら流下させ、繊維状フィブリルを沈澱させる方
法(フィブリッド法、特公昭35−11851号公
報)。
【0014】2.合成モノマーを重合させながらせん断
をかけ、フィブリルを析出させる方法(重合せん断法、
特公昭47−21898号公報)。
【0015】3.2種以上の非相溶性高分子を混合し、
溶融押し出しまたは紡糸し、切断後機械的な手段で繊維
状にフィブリル化する方法(スプリット法、特公昭35
−9651号公報)。
【0016】4.2種以上の非相溶性高分子を混合し、
溶融押し出しまたは紡糸し、切断後溶剤に侵漬して一方
の高分子を溶解し、繊維状にフィブリル化する方法(ポ
リマーブレンド溶解法、米国特許3、382、305
号)。
【0017】5.合成高分子をその溶媒の沸点以上で、
且つ高圧側から低圧側へ爆発的に噴出させた後、繊維状
にフィブリル化する方法(フィラシュ紡糸法、特公昭3
6−16460号公報)。
【0018】6.ポリエステル系高分子に該ポリエステ
ルに非相溶のアルカリ可溶成分をブレンドし、成形後ア
ルカリにより減量後叩解し、繊維状にフィブリル化する
方法(アルカリ減量叩解法、特開昭56−315号公
報)。
【0019】7.ケブラー繊維などの高結晶性、高配向
性繊維を適当な繊維長に切断後、水中に分散させ、ホモ
ジナイザー、叩解機などを用いてフィブリル化する方法
(特開昭56−100801号公報、特開昭59−92
011号公報)。
【0020】濾水値が10秒以上にフィブリル化された
有機繊維としては、例えば、木材パルプ繊維を均質化装
置でフィブリル化したKY−100S(ダイセル化学工
業社製)、リンター繊維を均質化装置でフィブリル化し
たKY−110S(ダイセル化学工業社製)、アクリル
繊維を均質化装置でフィブリル化したKY−410S
(ダイセル化学工業社製)、芳香族ポリアミド繊維であ
るポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維を均質化
装置でフィブリル化したKY−400S(ダイセル化学
工業社製)などが挙げられる。
【0021】濾水値が10秒以上にフィブリル化された
有機繊維の内でも、芳香族ポリアミド繊維は、非常に剛
直な分子構造を持ち、分子鎖が完全に伸びきっているこ
とから均質化装置(Gaulin社製、15M−8T
A)やディスクリファイナーで処理した場合、非常に繊
維径の細い繊維にまでフィブリル化することができるた
めに特に好ましい。
【0022】芳香族ポリアミド繊維としては、ポリ−p
−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−p−ベンズアミ
ド、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ
−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリアミド
ヒドラジン、ポリヒドラジン、ポリ−p−フェニレンテ
レフタルアミド−3、4−ジフェニルエーテルテレフタ
ルアミドなどが挙げられ、この中の1種または2種以上
を混合して用いることができる。
【0023】本発明の濾材において、繊維径が1〜8μ
mの極細有機繊維としては、ポリエステル繊維、ポリビ
ニルアルコール繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊
維、アクリル繊維などが挙げられる。
【0024】繊維径が1〜8μmの極細有機繊維の配合
量としては、5〜60重量%が適当であり、好ましくは
10〜50重量%である。ここで、5重量%未満ではフ
ィブリル化された有機繊維との十分なネットワークが得
られず、フィブリル化された有機繊維のワイヤーからの
流失が多く十分な濾過効率が得られない。また、湿紙の
ワイヤーからの剥がれを起しやすいという問題も生じる
ことがある。
【0025】濾水値が10秒以上にフィブリル化された
有機繊維および繊維径が1〜8μmの極細有機繊維のみ
で濾材を構成した場合には、捕集効率は高いものの、濾
材の密度が高くなってしまい、すぐに目詰まりを起こ
し、その結果、ライフが短くなってしまう。
【0026】本発明の濾材において、繊維径5μm以上
の捲縮性を有する有機繊維または最大投影径が5μm以
上の異形断面を有する有機繊維は、濾水値が10秒以上
にフィブリル化された有機繊維と繊維径が1〜8μmの
極細有機繊維からなるネットワークを保持しつつ、且つ
濾材の密度を下げ、濾材内部の空間体積を広くして、平
均ポア径をコントロールすることができ、捕集効率とラ
イフのバランスをとる役割を果たすものである。
【0027】捕集効率とライフのバランスを保つには、
平均ポア径を2〜30μmに調整する必要があることか
ら、繊維径5μm以上の捲縮性を有する有機繊維または
最大投影径が5μm以上の異形断面を有する有機繊維の
配合量としては10〜60重量%が適当であり、好まし
くは20〜50重量%である。
【0028】繊維径5μm以上の捲縮性を有する有機繊
維としては、高収縮繊維、潜在捲縮繊維、捲縮且つ異型
断面形状を有する繊維、クリンプ繊維などが挙げられ
る。
【0029】また、最大投影径が5μm以上の異形断面
を有する有機繊維とは、例えば、T型、X型、Y型、星
型などの異形断面を有する繊維で、その最大投影径が5
μm以上のものである。
【0030】具体例としては、2デニールまたは4デニ
ールのY型断面を有するビニロン繊維(クラレ社製;V
PY203)、2デニールのT型断面を有するポリエス
テル繊維(クラレ社製;EPTC203)などが挙げら
れる。これらの繊維の径の上限は特に限定されないが、
平均ポア径をコントロールするには40μm以下が好ま
しい。
【0031】また、繊維径5μm以上の繊維状有機バイ
ンダーとしては、濾材の強度を上げる目的で配合するも
のであり、皮膜を形成し難い複合接着性繊維(例えば、
芯鞘タイプ)があり、これは繊維内部が高融点で、外皮
が低融点のポリマーで構成されるものであり、例えば、
ポリエステル系、ポリオレフィン系、塩ビ酢酸ビニル系
などが挙げられる。
【0032】低融点のみで構成される繊維状バインダー
(全融タイプ)や、ポリビニルアルコール系のような熱
水溶融性バインダーは、濾材の乾燥工程で皮膜を形成し
易く、濾過抵抗が大きくなる傾向があるが、特性を阻害
しない範囲で使用できる。
【0033】液状バインダーは、濾材の強度、耐水性を
付与するために配合するものである。液状バインダーと
しては、例えば、アクリル系、酢酸ビニル系、エポキシ
系、合成ゴム系、塩化ビニリデン系などのラテックス、
ポリビニルアルコール、澱粉、フェノール樹脂などが挙
げられ、これらを単独または2種類以上を併用できる。
【0034】液状バインダーを付与する方法としては、
特に限定はしないが、サイズプレス、タブサイズ、スプ
レー含浸、内添などの方法が挙げられる。
【0035】本発明の濾材には、その他の繊維として、
例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、
アクリル、ビニロンなどの合成繊維、皮膜の少ない天然
パルプ、麻パルプ、コットンリンター、リント、再生セ
ルロースなどが挙げられ、通気性や通液性などの特性を
阻害しない範囲で配合できる。
【0036】また、必要に応じて濾材の特性を阻害しな
い範囲で撥水剤、分散剤、歩留り向上剤、紙力剤、染料
などの添加剤を適宜配合することができる。
【0037】本発明の濾材は、一般紙や湿式不織布を製
造するための抄紙機、例えば、長網抄紙機、円網抄紙
機、傾斜ワイヤー式抄紙機などにより製造される。
【0038】
【作用】本発明の濾材は、有機繊維のみで構成されてい
るために、繊維の脱落がなく、ベアリングなどの摺動部
を傷つける心配がないばかりでなく、使用後の焼却が可
能であることから、今後益々問題視されている不燃ゴミ
問題に対応できる。また、本発明の濾材は、濾材中の濾
水値が10秒以上のフィブリル化有機繊維と繊維径1〜
8μmの極細有機繊維がバランス良く絡み合い、より均
一なネットワークを形成し、均質で微細な空隙径を有す
ることによって高い捕集効率が実現する。その上、捲縮
性を有する有機繊維または最大投影径が5μm以上の異
形断面を有する有機繊維が加わることで濾材の密度が下
がり、濾材内部の空間体積も広くでき、ライフと捕集効
率のバランスの取れた平均ポア径が調整可能となる。さ
らに、バインダーによって強度も付与できることから、
特性面でバランスのとれた濾材を得ることができる。本
発明の濾材は、これを液体濾過用フィルターに用いた場
合には、上記の特長が十分に発揮されるため、捕集効率
が高く、ライフの長いという両性能に優れた液体濾過用
フィルターとすることができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに何等限定されるものではない。
【0040】実施例1 濾水値が900秒のフィブリル化リンター繊維(ダイセ
ル化学社製;KY−110S)、極細ポリエステル繊維
(帝人社製;0.1デニール×3mm、直径約3μ
m)、T型捲縮ポリエステル繊維(クラレ社製;2デニ
ール×5mm、直径約15μm)、熱接着性(芯鞘タイ
プ)ポリエステル繊維(ユニチカ社製;4080、2デ
ニール×5mm、直径約15μm)をそれぞれ10:3
0:30:30の比率で水に分散し、乾燥重量100g/
m2になるように分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機
を用いて抄紙した後、シリンダードライヤーで乾燥して
実施例1の濾材を作製した。
【0041】実施例2 濾水値が5000秒のフィブリル化木材繊維(ダイセル
化学社製;KY−100S)、極細ポリエステル繊維
(帝人社製;0.5デニール×5mm、直径約7μ
m)、T型捲縮ポリエステル繊維(クラレ社製;2デニ
ール×5mm、直径約15μm)、熱接着性(芯鞘タイ
プ)ポリエステル繊維(ユニチカ社製;4080、2デ
ニール×5mm、直径約15μm)をそれぞれ10:3
0:40:20の比率で水に分散さし、乾燥重量100
g/m2になるように分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙
機を用いて抄紙した後、シリンダードライヤーで乾燥し
て実施例2の濾材を作製した。
【0042】実施例3 濾水値が21秒のポリプロピレンフィブリル化繊維(ダ
イセル化学社製;KY−430S)、極細ポリエステル
繊維(旭化成社製;0.15デニール×3mm、直径約
4μm)、Y型ビニロン繊維(クラレ社製;2デニール
×5mm、直径約15μm)、熱接着性(芯鞘タイプ)
ポリオレフィン繊維(大和紡社製;NBF−E、2デニ
ール×5mm、直径約15μm)をそれぞれ10:3
0:40:20の比率で水に分散し、乾燥重量100g/
m2になるように分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機
を用いて抄紙した後、シリンダードライヤーで乾燥して
実施例3の濾材を作製した。
【0043】実施例4 芳香族ポリアミド繊維としてポリ−p−フェニレンテレ
フタルアミド繊維を均質化装置によりフィブリル化した
フィブリル化有機繊維(濾水値:220秒)、極細ポリ
エステル繊維(帝人社製;0.1デニール×3mm、直
径約3μm)、クリンプ繊維としてポリエステル繊維
(帝人社製;2デニール×5mm、直径約15μm)、
熱接着性(芯鞘タイプ)ポリエステル繊維(ユニチカ社
製;4080、2デニール×5mm、直径約15μm)
をそれぞれ5:30:45:20の比率で水に分散し、
乾燥重量100g/m2になるように分散液を採取し、標準
角形手抄き抄紙機を用いて抄紙した後、シリンダードラ
イヤーで乾燥して実施例4の濾材を作製した。
【0044】実施例5 芳香族ポリアミド繊維としてポリ−p−フェニレンテレ
フタルアミド繊維を均質化装置によりフィブリル化した
フィブリル化有機繊維(濾水値:420秒)、極細ポリ
エステル繊維(帝人社製;0.1デニール×3mm、直
径約3μm)、クリンプ繊維としてポリエステル繊維
(帝人社製;2デニール×5mm、直径約15μm)を
それぞれ2:43:55の比率で水に分散し、乾燥重量
95g/m2になるように分散液を採取し、標準角形手抄き
抄紙機を用いて抄紙した後、シリンダードライヤーで乾
燥した。続いて、サイズプレス装置を用いて液状アクリ
ルバインダーを固形分として5g/m2含浸させ、トータル
坪量100g/m2からなる実施例5の濾材を作製した。
【0045】比較例1 濾水値が9秒のリンター繊維、極細ポリエステル繊維
(帝人社製;0.1デニール×3mm、直径約3μ
m)、T型捲縮ポリエステル繊維(クラレ社製;2デニ
ール×5mm、直径約15μm)、熱接着性(芯鞘タイ
プ)ポリエステル繊維(ユニチカ社製4080;2デニ
ール×5mm、直径約15μm)をそれぞれ10:3
0:30:30の比率で水に分散し、乾燥重量100g/
m2になるように分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機
を用いて抄紙した後、シリンダードライヤーで乾燥して
比較例1の濾材を作製した。
【0046】比較例2 ポリエステル繊維(帝人社製;0.5デニール×5m
m、直径約7μm)、クリンプ繊維としてポリエステル
繊維(帝人社製;2デニール×5mm、直径約15μ
m)、熱接着性(芯鞘タイプ)ポリエステル繊維(ユニ
チカ社製;4080、2デニール×5mm、直径約15
μm)をそれぞれ10:50:40の比率で水に分散
し、乾燥重量100g/m2になるように分散液を採取し、
標準角形手抄き抄紙機を用いて抄紙した後、シリンダー
ドライヤーで乾燥して比較例2の濾材を作製した。
【0047】比較例3 ケブラー微細繊維(ダイセル化学社製;KY−400
S)、極細ポリエステル繊維(旭化成社製;0.1デニ
ール×3mm、直径約3μm)、熱接着性(芯鞘タイ
プ)ポリエステル繊維(ユニチカ社製;4080、2デ
ニール×5mm、直径約15μm)をそれぞれ20:7
0:10の比率で水に分散し、乾燥重量100g/m2にな
るように分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機を用い
て抄紙した後、シリンダードライヤーで乾燥して比較例
3の濾材を作製した。
【0048】比較例4 市販の坪量70g/m2のマイクロガラス繊維とチョップド
ストランドガラス繊維からなるエアフィルター用濾材
(空気中の0.3μm粒子を54%捕集する)の上下
に、坪量40g/m2の市販のスパンボンドによるポリエス
テルシートを各々重ねて濾材とした。
【0049】上記の実施例1〜5および比較例1〜4で
作製した濾材について、液体濾過の用途に使用した。評
価に当っては、上記濾材をコンタミ濾過試験機に供し、
以下の試験条件で初期濾過効率およびライフを測定し、
評価した。評価結果は、下記表1に示した。
【0050】コンタミ濾過試験条件は、以下のとおりで
ある。 1.使用液体:パワーフルード18 2.コンタミ:SOFTC−2A 3.流量:0.5リットル/分 4.油温:40℃ 5.有効濾過面積:50cm2 6.油量:300g 7.コンタミ量:15.17mg/分
【0051】<初期濾過効率>初期濾過効率(%)は、
コンタミ濾過試験の30分経過後における濾材の上流の
粒子数と濾材の下流の粒子数を測定し、下記数1により
算出した。
【0052】
【数1】 初期濾過効率(%)={(A−B)/A}×100 A:濾材の上流の粒子数 B:濾材の下流の粒子数
【0053】<ライフ>ライフ(分)は、コンタミ濾過
試験における差圧が1.5Kg/cm2になるまでの時間を測
定したものである。
【0054】<平均ポア径>平均ポア径(μm)は、A
STM−F−316記載のバブルポイント法およびミー
ンフロー法により求めた。
【0055】
【表1】
【0056】上記表1の結果の説明に当って、比較例4
の濾材は、液体濾過用として実用化されている濾材であ
り、初期濾過効率およびライフの測定値が評価のための
基準値に相当するものである。
【0057】実施例1〜5の濾材は、表1に示すよう
に、有機繊維のみで設計しているにも拘らず、液体濾過
用に使用した場合、初期濾過効率とライフが良好であ
る。特に、実施例4および実施例5の濾材は、フィブリ
ル化した芳香族ポリアミド繊維を配合した場合であり、
初期濾過効率とライフが共に標準より優れている。
【0058】比較例1および比較例2の濾材は、濾水値
が10秒以上のフィブリル化有機繊維が未配合のもの
で、初期濾過効率が共に悪い結果であった。
【0059】比較例3の濾材は、捲縮性を有する有機繊
維が未配合のもので、濾材の密度が高いものとなり、そ
の結果、ライフが非常に短く、初期濾過効率の測定がで
きなかった。
【0060】比較例4の濾材は、実用化されている濾材
であり、初期濾過効率が良好で、ライフが長く、標準的
濾材であるが、平均ポア径が15.7μmと大きい。ま
た、ガラス繊維を使用した濾材であることから、別途設
けた液体の循環系では、濾材からガラス繊維が脱落し、
ベアリングなどの摺動部に入り込み、摩擦によって摺動
部を傷つけてしまうという欠点があった。
【0061】実施例6 芳香族ポリアミド繊維であるポリ−p−フェニレンテレ
フタルアミド繊維を均質化装置でフィブリル化したフィ
ブリル化有機繊維(濾水値:150秒)と極細ポリエス
テル繊維(帝人社製;0.5デニール×5mm、直径約
7μm)とT型捲縮ポリエステル繊維(クラレ社製;2
デニール×5mm、直径約15μm)と熱接着性(芯鞘
タイプ)ポリエステル繊維(ユニチカ社製;4080、
2デニール×5mm、直径約15μm)を5:50:3
5:20の比率で水に分散させ、乾燥重量70g/m2にな
るように分散液を採取し、標準角形手抄き抄紙機を用い
て抄紙した後、シリンダードライヤーで乾燥させて実施
例6の濾材を得た。
【0062】比較例5 ライドール社のエアフィルター用濾材であるASHRA
E1475を比較例5の濾材とした。
【0063】実施例6および比較例5の濾材をエアフィ
ルター用に供した。エアーフィルター用濾材としての性
能について、下記の評価方法により評価し、その結果を
下記表2に示した。
【0064】<圧力損失>圧力損失(Pa)は、濾材に
空気を風速5.3cm/秒で通気させた時の通気抵抗を
水中マノメーターで測定した。
【0065】<捕集効率>捕集効率(%)は、DOPエ
アロゾル(フタル酸ジオクチル、粒径0.15μm)粒
子を発生させ、この粒子を含有する空気を風速5.3c
m/秒で通気させ、濾材の前後で粒子を含有する空気を
サンプリングし、それぞれの粒子濃度をマルチダストカ
ウンターで測定し、下記数2より算出した。
【0066】
【数2】捕集効率={(A−B)/A}×100 A:濾過前の粒子数 B:濾過後の粒子数
【0067】<繊維の脱落>フィルター加工時における
繊維の脱落は、濾材を蛇腹状にひだ折りしてユニットに
組み込む際に濾材から脱落した繊維の量により、脱落し
ないものを○とし、脱落の激しいものを×として示し
た。
【0068】<焼却後の灰分>焼却後の灰分(%)は、
濾材を900℃の電気炉で2時間加熱焼却させ、焼却前
後の重量を測定し、下記数3より算出した。
【0069】
【数3】灰分=(焼却後の濾材の重量/焼却前の濾材の
重量)×100
【0070】
【表2】
【0071】上記実施例6で作製した濾材は、捕集効
率、圧力損失が良好であり、繊維の脱落もなく、使用後
の濾材を焼却することができ、且つその重量を焼却前の
重量の1%以下にすることができ、不燃ゴミ量を減少で
きるため環境問題に対応することができる。
【0072】比較例5の濾材は、捕集効率、圧力損失が
実施例6の濾材と比較して劣った。また、ガラス繊維を
主体とした比較例5の濾材は、フィルター加工時にガラ
ス繊維が多量に脱落し、エアフィルター用濾材として好
ましくなかった。また、焼却後の灰分が約90%であ
り、焼却処理してもほとんど減容しないことから今後の
環境への問題を残した。
【0073】実施例7 実施例5の濾材と同一の濾材を用いてひだ折り加工し、
これを液体濾過用フィルターとし、連続液体濾過試験装
置に組み込んだ。
【0074】比較例6 比較例4の濾材と同一の濾材を用いてひだ折り加工し、
これを液体濾過用フィルターとし、連続液体濾過試験装
置に組み込んだ。
【0075】実施例7および比較例6で作製した液体濾
過用フィルターについて、下記評価方法によって評価
し、その結果を表3に示した。
【0076】<捕集効率>捕集効率(%)は、液体濾過
用フィルターを連続液体濾過試験装置に組み込み、液体
濾過用フィルターを通過する前後のオイル(パワーフル
ード18)中に分散した試験用ダスト8種粉体(日本粉
体工業技術協会製)の粒子径15μmの粒子数を測定
し、下記数4より算出した。
【0077】
【数4】捕集効率={(A−B/A}×100 A:液体濾過用フィルターの上流の粒子数 B:液体濾過用フィルターの下流の粒子数
【0078】<ライフ>ライフ(g)は、液体濾過用フ
ィルターを連続液体濾過試験装置に組み込み、オイル中
に試験用ダスト8種粉体を投入し、液体濾過用フィルタ
ーのフィルターの抵抗値が1Kg/cm2増加するまでに投入
した試験用ダスト8種粉体の量をgでした。
【0079】<摺動部の損傷>上記の捕集効率およびラ
イフの評価に供した後、液体濾過用フィルターの連続液
体濾過試験装置を解体し、摺動部の磨耗状態を目視によ
り損傷の程度を観察した。
【0080】
【表3】
【0081】上記表3のとおり、実施例7の液体濾過用
フィルターは、捕集効率が高いばかりでなく、ライフも
長く、両性能のバランスが取れていることがわかる。さ
らに、摺動部の損傷もなかった。一方、比較例6の液体
濾過用フィルターは、捕集効率、ライフ共に劣り、ガラ
ス繊維の脱落により、摺動部の損傷が大であった。
【0082】
【発明の効果】本発明の濾材は、無機繊維を使用してい
ないために、ベアリングなどの摺動部を傷つける心配が
ないばかりでなく、使用後の焼却が容易であることか
ら、今後益々問題視されている不燃ゴミ問題に対応で
き、捕集効率とライフのバランスに優れた特徴を有する
濾材である。特に、この濾材を用いた液体濾過用フィル
ターは、ライフと捕集効率のバランスが取れたものとし
て実用性大である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾水値が10秒以上にフィブリル化され
    た有機繊維、繊維径が1〜8μmの極細有機繊維、繊維
    径が5μm以上の捲縮性を有する有機繊維または最大投
    影径が5μm以上の異形断面を有する有機繊維、並びに
    繊維径が5μm以上の繊維状有機バインダーまたは液状
    バインダーで構成された濾材。
  2. 【請求項2】 濾水値が10秒以上にフィブリル化され
    た有機繊維が、芳香族ポリアミド繊維であることを特徴
    とする請求項1記載の濾材。
  3. 【請求項3】 前記請求項1または2記載の濾材を用い
    た液体濾過用フィルター。
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