JP3305372B2 - 液体濾過用フィルター濾材 - Google Patents

液体濾過用フィルター濾材

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JP3305372B2 JP27647792A JP27647792A JP3305372B2 JP 3305372 B2 JP3305372 B2 JP 3305372B2 JP 27647792 A JP27647792 A JP 27647792A JP 27647792 A JP27647792 A JP 27647792A JP 3305372 B2 JP3305372 B2 JP 3305372B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体中に含有される粒
子を効率良く除去し、清浄な液体を得るための液体濾過
用フィルター濾材に関するものである。更に詳しくは、
金属の型彫、切断加工等に使用されている放電加工機の
加工液中に含まれる加工クズやIC生産における基板の
ウエハの切断、研磨、エッチング等の工程で使用される
超純水中に含まれる加工クズを効率良く除去し清浄な液
体を得るための濾材、及び自動車用エンジンオイル、燃
料等各種液体濾過用のフィルター濾材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、放電加工機やIC生産工程で使用
されている液体濾過用フィルターや自動車用エンジンオ
イル、燃料等各種液体濾過用のフィルターには、天然パ
ルプと有機繊維の混抄シートにフェノール樹脂等を含浸
処理したシート、ポリエステル不織布(スパンボンド)
等が使用されているが、濾過効率が低く、ライフが短い
等の問題がある。
【0003】即ち、従来の濾材は濾材内部で粒子を捕捉
する機能であり、ライフを延ばすために比較的粗い濾材
を使用しており、濾材内部に粒子が入り濾材の空隙をあ
る程度埋める迄は目標の濾過効率は得られない。濾材の
空隙が埋まると圧損が上昇し液の透過性が悪くなりライ
フが短くなるか、濾材内部の粒子が濾材内部から流出し
効率が悪くなる等の問題がある。
【0004】又、高性能のフィルターとしてフッ素樹脂
等の多孔質シートがあるが高価なため特殊用途に限定さ
れ、放電加工機やIC生産工程のように多量の液体を処
理する濾材としては不適である。
【0005】これらの問題を解決する方法として、フィ
ブリル化された有機繊維を用いた濾材が開発されている
(特開昭59−92011号公報)。しかしながら、こ
のような繊維を単独で用いて通常の湿式抄紙法により製
造しようとした場合には、ワイヤーから流失が大きく、
ワイヤーの目づまりを生じる等の製造上の問題が避けら
れない。たとえ濾材が得られたとしても、繊維が微細で
あるために得られる濾材は非常に緻密となり、その結果
高い濾過効率は得られるものの濾過抵抗が高く実用に適
さない。濾過抵抗を下げようとして比較的径の太いモノ
フィラメントの繊維を含有した場合には、抄造工程での
微細繊維の流失がより多くなり、濾過効率の低下が著し
く、十分な性能が得られない。
【0006】特開平3−12208号公報では、繊維径
が1μm以下にフィブリル化された有機繊維、繊維径1
〜5μmの極細有機繊維、及び繊維径5μm以上の有機
繊維を配合することによって、フィブリル化された有機
繊維の凝集を抑え、均質なネットワークを形成し、さら
に、カレンダー処理を施して、濾材表面の平滑性を向上
させ、表面濾過機構を有している。この濾材は表面濾過
機構であるために、濾過性能、ライフは非常に良好であ
る。しかし、濾材の厚みは非常に薄く、腰(硬さ)がな
いために、ひだ折加工ができない。さらに湿潤強度が非
常に弱いために、放電加工機用フィルター、自動車エン
ジンオイル用フィルター、自動車燃料用フィルターに使
用した場合、液体の圧力で破れてしまう。
【0007】又、特開昭61−268321号公報、同
61−268325号公報、同61−275495号公
報等に密度勾配をつけた2層構成の濾材が例示されてい
るが、これらの濾材は、2層の濾材を組合せることによ
り濾過効率とライフのバランスをとっており、本発明の
濾材表面(濾材層のみ)で濾過性能を得る方法とは基本
的に異なったものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点や
問題点を解決し、濾過抵抗が小さく、濾過効率が高く、
且つひだ折加工性の良く、湿潤強度の強いフィルター濾
材を提供することを目的としている。
【0009】
【発明が解決するために手段】これらの問題点を解決す
る方法として、種々の繊維のフィルターへの応用を検討
した結果、今までに無い良好なフィルター特性が得られ
ることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】即ち、本発明の液体濾過用フィルター濾材
は、該フィルター濾材が、濾材と支持体とを抄合わせ一
体化してなるものであり、該濾材が、下記〜の有機
繊維からなり、の有機繊維の1部又は全部に繊維状有
機バインダーを用い、且つ1〜10μmの平均空隙径を
有し、5〜50g/m2の坪量からなるものであり、該
支持体が、繊維径7μm以上の有機繊維で、ポリオレフ
ィン系、ポリアミド系、ポリエステル系、アクリル系、
ビニロン系の合成繊維の少なくとも1種類からなり、こ
れにポリエステル系、ポリオレフィン系、塩ビ酢酸ビニ
ル系の繊維状有機バインダーの少なくとも1種類を10
〜70重量%含有し、且つ30〜150g/m2の坪量
からなる、上流側が濾材層、下流側が支持体層であるこ
とを特徴とするものである。 繊維径が1μm以下にフィブリル化された有機繊維5
〜40重量% 繊維径が1〜5μmの極細有機繊維5〜70重量% 繊維径が5μm以上の有機繊維20〜70重量%
【0011】本発明の液体濾過用フィルター濾材は、薄
くて表面濾過性能に優れた高性能の濾材と、液体の透過
性が良く高強度でひだ折り加工性の良い支持体とを抄合
わせ一体化することにより得られる液体濾過用フィルタ
ー濾材である。
【0012】本発明の濾材に用いられる繊維径が1μm
以下にフィブリル化された有機繊維としては、例えば、
以下に示す方法で加工されたものが挙げられる。 1)合成高分子溶液を該高分子の貧溶媒中にせん断力を
かけながら流下させ、繊維状フィブリルを沈澱させる方
法(フィブリッド法、特公昭35−11851号公
報)。 2)合成モノマーを重合させながらせん断をかけフィブ
リルを析出させる方法(重合せん断法、特公昭47−2
1898号公報)。 3)二種以上の非相溶性高分子を混合し、溶融押し出
し、又は紡糸し、切断後機械的な手段で繊維状にフィブ
リル化する方法(スプリット法、特公昭35−9651
号公報)。 4)二種以上の非相溶性高分子を混合し、溶融押し出
し、又は紡糸し、切断後溶剤に侵漬して一方の高分子を
溶解し、繊維状にフィブリル化する方法(ポリマーブレ
ンド溶解法、米国特許3、382、305号)。 5)合成高分子をその溶媒の沸点以上で、且高圧側から
低圧側へ爆発的に噴出させた後、繊維状にフィブリル化
する方法(フィラシュ紡糸法、特公昭36−16460
号公報)。 6)ポリエステル系高分子に該ポリエステルに非相溶の
アルカリ可溶成分をブレンドし、成形後アルカリにより
減量後叩解し、繊維状にフィブリル化する方法(アルカ
リ減量叩解法、特開昭56−315号公報)。 7)ケブラー繊維等の高結晶性、高配向性繊維を適当な
繊維長に切断後、水中に分散させ、ホモジナイザー、叩
解機等を用いてフィブリル化する方法(特開昭56−1
00801号公報、特開昭59−92011号公報)等
の方法によって得られる繊維であり、具体的な例として
は、ケブラー繊維を均質化装置でフィブリル化したティ
アラー400S(ダイセル社製)、アルカリ減量叩解法
によって得られたポリエステルパルプ等が挙げられる。
【0013】これらフィブリル化された有機繊維の配合
量は5〜40重量%が適当であり、好ましくは5〜30
重量%である。5重量%未満では濾材の平均空隙径が大
きくなり十分な捕集効率が得られず、また40重量%を
越えると濾過抵抗が大きく実用に適さない。
【0014】本発明の濾材に用いられる繊維径が1〜5
μmの極細有機繊維とは、例えば、5μm以下のポリエ
ステル繊維、PVA繊維、アクリル繊維等が挙げられ
る。
【0015】これらの繊維の配合量は5〜70重量%が
適当であり、好ましくは10〜60重量%である。5重
量%未満では1μm以下の微細繊維のワイヤーからの流
失が多く十分な濾過効率が得られず、又、湿紙のワイヤ
ーからの剥がれが悪い等の製造上の問題を生じ、又、7
0重量%を超えると濾過抵抗が大きくなり実用に適さな
い。
【0016】本発明の濾材に用いられる繊維径5μm以
上の有機繊維とは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリ
エステル、ポリアクリルアミド、ビニロン等の合成繊維
のほか、パルプ、リンター、リント、又はその誘導体等
が挙げられる。
【0017】又、繊維状有機バインダーとは、皮膜を形
成し難い複合接着性繊維(例えば芯鞘タイプ)、即ち繊
維内部が高融点で、外皮が低融点のポリマーで構成され
る複合接着性繊維で、ポリエステル系、ポリオレフィン
系、塩ビ酢酸ビニル系等が挙げられる。
【0018】低融点のみで構成される繊維状バインダー
(全融タイプ)や、ポリビニルアルコール系のような熱
水性バインダーは、濾材の乾燥工程で皮膜を形成し易
く、濾過抵抗が大きくなり好ましくないが、特性を阻害
しない範囲で使用することはできる。
【0019】繊維径5μm以上の有機繊維の配合量は2
0〜70重量%であるが、これらのうち繊維状有機バイ
ンダーの配合量は全繊維量の20〜60重量%が適当で
あり、好ましくは30〜50重量%である。
【0020】ここで、20重量%未満では濾材の表面強
度が弱く、フィルターユニットの加工性の点で問題があ
り、60重量%を超えると濾過抵抗が大きくなり実用上
問題がある。又、繊維径5μm以上の有機繊維が70重
量%を超えるとシートの平均空隙径が大きくなり、濾過
性能が悪くなる。
【0021】本発明の濾材の坪量は5〜50g/m2
適当であり、好ましくは10〜30g/m2である。5
g/m2未満ではピンホール等により信頼性の点で問題
がある。50g/m2を越えると濾過抵抗が上昇し抄紙
性が悪くなり、又、表面濾過の点から坪量を増やしても
効果は期待できず、コスト面でも問題がある。
【0022】本発明の濾材の平均空隙径は表面濾過の点
で1〜10μmが適当であり、好ましくは2〜8μmで
ある。平均ポア径が1μm未満では濾過抵抗が大きくな
り、液の透過性が悪くなり実用上問題となる。平均空隙
径が10μmを超えると微細粒子が濾材内部に入り、目
詰まりを生じライフが短くなる。
【0023】最大空隙径については特に限定しないが、
濾材の均質性の点で最大空隙径は平均空隙径の3倍以下
が好ましい。
【0024】本発明の支持体に用いられる繊維径が7μ
m以上の有機繊維とは、ポリオレフィン、ポリアミド、
ポリエステル、ポリアクリルアミド、ビニロン等の合成
繊維が挙げられ、少なくとも1種類を含有する支持体で
ある。これらの有機繊維の特徴としては、シートに腰を
持たせる点で繊維強度が強く、剛直な繊維が好ましい。
又、濾材を通過した微細粒子の付着によるライフの低下
を抑える点で、皮膜を形成しない棒状(断面の形状が円
形、楕円形、繭形等)の形態をした繊維が好ましい。他
の使用できる繊維としては、皮膜の少ない未叩解の天然
パルプ、麻パルプ、コットンリンター、リント、再生セ
ルロース等が挙げられ、湿潤強度等の性能を阻害しない
範囲で配合できる。
【0025】本発明の支持体に用いられる繊維状有機バ
インダーとは、皮膜を形成しにくい複合接着性繊維(例
えば芯鞘タイプ)、即ち繊維内部が高融点で、外皮が低
融点のポリマーで構成される複合接着性繊維で、ポリエ
ステル系、ポリオレフィン系、塩ビ酢酸ビニル系等の繊
維状有機バインダーを少なくとも1種、10〜70重量
%の範囲で含有する液体濾過用フィルター濾材である。
【0026】低融点のみで構成される繊維状バインダー
(全融タイプ)や、ポリビニルアルコール系のような熱
水性バインダーは、濾材の乾燥工程で皮膜を形成し易
く、濾過抵抗が大きくなり好ましくないが、特性を阻害
しない範囲で使用することはできる。
【0027】支持体の繊維状有機バインダーの配合量は
10〜70重量%の範囲が適当であり、10重量%未満
では抄紙後樹脂バインダーを含浸する工程で必要な耐水
強度が得られない。又、70重量%を超えると低融点の
バインダーの皮膜が多くなり、フィルター濾材全体の圧
力損失が高くなり、ライフが短くなる。
【0028】支持体に用いる繊維の繊維径は7μm以上
が適当であり、繊維径が7μm未満では支持体の濾過抵
抗が大きくなり、液体の透過性が悪くなる。繊維径の上
限は特に限定しないが、抄紙性等を考慮すると繊維径は
50μm以下が好ましい。
【0029】本発明の支持体の坪量は30〜150g/
2が適当であり、好ましくは40〜100g/m2であ
る。30g/m2未満ではひだ折り加工性が悪く、15
0g/m2を超えると厚みが増し、ユニットに納まる濾
材面積が小さくなり、又濾過抵抗が大きくなり実用上問
題があると共にコスト面からも好ましくない。
【0030】本発明の支持体に使用する繊維は、水、及
び油等による膨潤の少ない合成繊維を主体としているた
めに、湿潤引張強度が強く、液体の圧力によるフィルタ
ー濾材の破れが無い。
【0031】本発明のフィルター濾材は、一般紙や湿式
不織布を製造するための抄紙機、例えば長網抄紙機、円
網抄紙機、傾斜ワイヤー式抄紙機等を2機組合せたコン
ビネーションマシンによる抄合わせにより製造される。
組合せは同一タイプの抄紙機の組合せ、異種の抄紙機の
組合せどちらでも可能である。
【0032】本発明のフィルター濾材の強度、腰(硬
さ)を上げる目的で各種バインダーを付与することが可
能である。用いられるバインダーは、アクリル系、酢酸
ビニル系、エポキシ系、合成ゴム系、塩化ビニリデン系
等のラテックス、PVA、澱粉、フェノール樹脂等を単
独、又は2種類以上を併用できる。
【0033】又、必要に応じ濾材の特性を阻害しない範
囲で撥水剤、分散剤、歩留り向上剤、染料等の添加剤を
配合することができる。
【0034】本発明の液体濾過用フィルター濾材に付与
されるバインダーの量は、該フィルター濾材に対して3
0重量%以下が適当であり、好ましくは20重量%以下
である。30重量%を超えるとフィルター濾材の濾過抵
抗が大きくなり、実用上問題がある。
【0035】該フィルター濾材にバインダーを付与する
方法としては、特に限定はしないが、サイズプレス、タ
ブサイズ、スプレー含浸、内添等が挙げられる。
【0036】
【作用】本発明のフィルター濾材が高い濾過効率と高ラ
イフの両方を同時に満足するのは、濾材に繊維径1μm
以下の微細繊維と繊維径1〜5μmの極細有機繊維、及
び繊維径5μm以上の有機繊維を組み合わせることで、
繊維径1μm以下の繊維の凝集が抑えられ、また繊維径
1μm以下の微細繊維と繊維径1〜5μmの極細繊維が
良く絡み合い、より均一なネットワークを形成し、均質
で微細な空隙径を有し、粒子を濾材表面で濾過するとい
う表面濾過機能を有するためである。即ち、使用初期か
ら高効率の濾過性能が得られ、濾材の内部の空隙を粒子
で埋めないためライフが長くなると推測される。
【0037】又、この濾材に濾過抵抗の少ない繊維から
成る支持体を抄合わせすることにより、濾材のみでは得
られないひだ折り加工性の良く、湿潤引張強度の強いフ
ィルター濾材が得られた。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに何等限定されるものではない。なお、実
施例及び比較例における空隙径、坪量、濾過抵抗(濾過
速度で評価した)、濾過効率、及び湿潤引張強度は以下
の方法で測定した。
【0039】濾材の空隙径は、ASTM−F−316記
載のバブルポイント法及びミーンフロー法により最大空
隙径、平均空隙径を求めた。
【0040】濾過効率、濾過速度の測定にはJIS第8
種粉体を0.05%濃度になるように水に希釈したもの
を試験用液体として用い、以下の方法で測定した。
【0041】初期濾過効率:濾材を水で湿潤した後、試
験用液体100mlを瀘過面積14cm2 、差圧△P=
320mmHgで瀘過し、濾過前後液の3〜10μm粒
子数をリオン(株)製の液中微粒子計数器(KL−0
1)で測定した。
【0042】初期濾過速度:上記濾過性能試験時の濾過
時間から濾過速度を得た。
【0043】ライフ試験:上記試験液を用いて10回繰
り返し濾過した後、上記試験と同様の方法で濾過効率、
濾過速度を測定した。 湿潤引張強度:湿潤引張強度は、JIS−8135、及
びJIS−8113に則り、フィルター濾材を巾15m
m、長さ200mmに裁断し、20℃の純水に5分間浸
した後、テンシロン測定機(オリエンテック社製、HT
M−100)を用いて、フルスケール10kg(タテ測
定時)、及び4kg(ヨコ測定時)で、破断時の荷重を
おのおの10回測定し、その平均値を示した。 ひだ折り加工性試験:サンプルをひだ状に加工し、加工
性の非常に良いものを◎、良いものを○、やや悪いもの
を△、悪いものを×の4段階で評価した。
【0044】実施例1〜5 ケブラー微細繊維(ティアラー400S、ダイセル化学
社製)と極細ポリエステル繊維(旭化成社製、0.1デ
ニール×3mm、直径約3μm)とポリエステル繊維
(帝人社製、0.5デニール×5mm、直径約7μm)
と熱接着性(芯鞘タイプ)ポリエステル繊維(ユニチカ
社製4080、2デニール×5mm、直径約15μm)
を表1に示す濾材の繊維配合なるように混合して水性ス
ラリーを作製し、これらのスラリーから標準角形手抄き
抄紙機を用いて坪量20g/m2の濾材を形成した。
【0045】ポリエステル繊維(帝人社製、0.5デニ
ール×5mm、直径約7μm)、ビニロン繊維(クラレ
社製、1デニール×6mm、直径約10μm)、ポリエ
ステル繊維(帝人社製、2デニール×5mm、直径約1
5μm)、NBKP未叩解パルプ(三菱製紙社製)、及
び熱接着性(芯鞘タイプ)ポリエステル繊維(ユニチカ
社製4080、2デニール×5mm、直径約15μm)
を表−1に示す支持体の繊維配合なるように混合して水
性スラリーを作製し、これらのスラリーから標準角形手
抄き抄紙機を用いて支持体を形成した。
【0046】湿紙の状態の濾材と支持体とを抄き合わせ
一体化させた後、プレス、乾燥してシートを得た。その
後、このシートに5g/m2 になるようにアニオン性ア
クリルラテックス(日本アクリル社製、プライマールH
A−16)をサイズプレスで含浸し、エアドライヤーで
乾燥させ、実施例1〜5の液体濾過用フィルター濾材を
得た。測定結果を表1に示す。
【0047】比較例1〜4 ケブラー微細繊維(ティアラー400S、ダイセル化学
社製)と極細ポリエステル繊維(旭化成社製、0.1デ
ニール×3mm、直径約3μm)と極細アクリル繊維
(三菱レイヨン社製、0.1デニール×3mm、直径約
3μm)と熱接着性(芯鞘タイプ)ポリエステル繊維
(ユニチカ社製4080、2デニール×5mm、直径約
15μm)を表2に示す濾材の繊維配合なるように混合
して水性スラリーを作製し、これらのスラリーから標準
角形手抄き抄紙機を用いて坪量20g/m2となる様に
シートを形成した。湿紙の状態の濾材をプレス、乾燥し
た後、このシートを温度120℃で熱カレンダー処理
し、密度0.5g/cm3の液体濾過用フィルター濾材
を得た。測定結果を表2に示す。
【0048】比較例5 阿波製紙社製液体濾過用フィルター濾材OA−800E
(単層構造品)の性能表2に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】表1の実施例1〜5に示すように、本発明
の液体濾過用フィルター濾材は、使用初期から濾過効率
が良好で、濾材内部の空隙を粒子で埋めないためにライ
フが長くなる。また、支持体は液体中での膨潤が少ない
合成繊維を主体として構成されているために湿潤引張強
度が強く、液体の圧力による破れが無いと共に、ひだ折
加工性が良好である。
【0052】表2の比較例1〜4に示すように、熱カレ
ンダー処理した濾材のみからなる液体濾過用フィルター
濾材は、使用初期から濾過効率が良好で、濾材内部の空
隙を粒子で埋めないためにライフが長くなる。しかし、
密度が0.5g/cm3であり、厚みが0.04mmで
あるために腰(硬さ)がなく、ひだ折加工性が非常に悪
いばかりでなく、湿潤引張強度が弱いために、液体の圧
力によって破れてしまう。
【0053】表2の比較例5に示すように、阿波製紙製
フィルター濾材OA−800Eは、湿潤引張強度が強
く、ひだ折加工性が良好であるが、平均空隙径が大きく
濾材内部で粒子を捕捉する内部濾過方式であるために、
濾材内部を粒子で埋める迄は、濾液はきれいにならな
い。また、濾材内部が粒子で埋まるため、濾材全体の濾
過抵抗が大きくなり、ライフが短くなる。
【0054】
【発明の効果】本発明の液体濾過用フィルター濾材は、
使用初期から濾過効率が良好で、濾材内部の空隙を粒子
で埋めないためにライフが長いため、研磨屑等による機
械の損傷が少なくなり、フィルターの交換回数を減少さ
せることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体濾過用フィルター濾材において、該
    フィルター濾材が、濾材と支持体とを抄合わせ一体化し
    てなるものであり、該濾材が、下記〜の有機繊維か
    らなり、の有機繊維の1部又は全部に繊維状有機バイ
    ンダーを用い、且つ1〜10μmの平均空隙径を有し、
    5〜50g/m2の坪量からなるものであり、該支持体
    が、繊維径7μm以上の有機繊維で、ポリオレフィン
    系、ポリアミド系、ポリエステル系、アクリル系、ビニ
    ロン系の合成繊維の少なくとも1種類からなり、これに
    ポリエステル系、ポリオレフィン系、塩ビ酢酸ビニル系
    の繊維状有機バインダーの少なくとも1種類を10〜7
    0重量%含有し、且つ30〜150g/m2の坪量から
    なる、上流側が濾材層、下流側が支持体層であることを
    特徴とする液体濾過用フィルタ ー濾材。 繊維径が1μm以下にフィブリル化された有機繊維5
    〜40重量% 繊維径が1〜5μmの極細有機繊維5〜70重量% 繊維径が5μm以上の有機繊維20〜70重量%
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