JP4738579B2 - 液体濾過用フィルター濾材及びその製造方法 - Google Patents

液体濾過用フィルター濾材及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体中に含まれる微粒子を分離捕捉する液体濾過用フィルター濾材及び濾材の製造方法に関わるものである。更に詳しくは、金属の型彫り、切断加工等に使用されている放電加工機の加工液中に含まれる加工屑やIC生産における基盤のウェハの切断、研磨、エッチング等の工程で使用される超純水中に含まれる加工屑を効率よく除去し、清浄な液体を得るための濾材及び濾材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属の型彫りや切断加工等のために放電加工機が使用されている。放電加工機にて加工を行う場合、加工液の中に加工屑が浮遊しているが、この加工屑を除去し、清浄な液体と加工屑を分離する為に、ひだ折プリーツ加工した濾材を組み入れた濾材ユニットを設置している。この濾材ユニットには、圧力ゲージが設置されており、濾材ユニットを通過する加工液の圧力を管理している。この圧力ゲージは、加工液の濾材ユニットへ入る時の圧力が195kPa付近になると、放電加工機本体に信号を送り、作業を自動で中断させ、濾材ユニットを交換する。
【0003】
また、加工液の圧力が195kPaに満たない場合において、ユニットに組み込まれた濾材が圧力に耐え切れず、破裂して加工屑を濾過できない状態になると、自動的に作業が中断される。
【0004】
ユニットに組み込まれた濾材が、195kPa以下の圧力で破裂した場合、型彫りの精度の低下、放電加工機停止による作業時間の長期化等の不具合が生じ、作業効率の低下が著しくなる。このような問題を未然に防ぐ為、濾材の求められる物性として、30℃、30分以上水に湿潤させた状態のJIS L−8091記載の破裂強度が200kPa以上であることが一つの指標となる。
【0005】
現在、放電加工機等の加工液のフィルター濾材としては、ポリエステル不織布等が一般的に使用されている。しかしながら、これらのポリエステル不織布等は、坪量が高く、シートの厚みが厚い為、ひだ折プリーツ加工を行い、濾材をユニットに組み込んだ場合、全体の濾材面積が少ないという問題がある。
【0006】
一方市場では、濾材の坪量は110g/m〜300g/mが主流であるが、シートの厚みを薄くし、坪量を低くすることによって、濾材をひだ折プリーツ加工を行って、ユニットに組み込み、全体の濾材面積を多くすることにより、ライフを長くする方向に動いている。しかしながら、シートの厚さを薄くし、坪量を低くすることは、水湿潤による破裂強度を低下させてしまう。また、坪量をそのままで、シートの厚みを薄くすることは、濾材が非常に緻密になり、濾過抵抗が高くなり、ライフを短くしてしまう。
【0007】
また、ポリエステル不織布等は、通常、熱融着繊維と主体繊維から構成されている。この場合、熱融着繊維と接触している主体繊維との交絡点は接着されているが、それ以外の熱融着繊維の存在していない交絡点は接着されていない。このため、接着されていない部分の強度は非常に弱くなり、水に湿潤させたときの濾材全体の破裂強度が低くなるという問題がある。
【0008】
更に、ポリエステル不織布等に、乾燥後フェノール樹脂を塗布して、水湿潤時の破裂強度を高くすることも開発されている。しかしながら、フェノール樹脂を塗布する場合、基材に塗布乾燥を行うだけでは、水湿潤時の破裂強度は高くならない。水湿潤時の破裂強度を高くするには、フェノール樹脂を塗布乾燥後、別工程で100℃以上の熱を数分間かけることが通常必要とされる。このため、熱をかけるキュアリング加工工程を増設あるいは既設工程の改造をする必要が有り、非常に設備と手間がかかった。
【0009】
また、フィブリル化された有機繊維を用いた濾材が提案されているが、このような繊維を使用すると、水中での強度を維持する為には、濾材が非常に緻密になり、濾過抵抗が高くなり、ライフを短くする。この問題を解決する為に、特開平4−313313号公報に記載されている濾材は、貼り合わせの2層構造になっており、密な部分の厚さを薄くし、問題を解決しようとしているが、貼り合わせを行う為、加工工程等の増設あるいは改造が必要となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の欠点や問題点を解決し、水湿潤時の破裂強度の低下が小さく、フィルター特性の優れた液体濾過用フィルター濾材を提供することを目的とする。さらに濾材製造時の後加工工程が簡便である液体濾過用フィルター濾材を提供すること、並びに製造設備の増設あるいは改造等も低廉な費用で済ますことが出来る液体濾過用フィルター濾材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、水湿潤時の破裂強度の低下が小さく、かつフィルター特性が優れるという相反する濾材特性を両立させるために鋭意研究を重ねた結果、繊維径5μm未満の極細有機繊維及び極細無機繊維と、繊維径5μm以上の有機繊維とから基材を構成し、かつ、繊維径5μm以上の有機繊維の一部を繊維状有機バインダーで構成させ、さらに合成樹脂系バインダー、あるいは合成樹脂系バインダー及び架橋剤を含浸あるいは塗布することで、水湿潤時の破裂強度の低下が小さく、かつフィルター特性が優れるという濾材特性を有する液体濾過用フィルター濾材を作製することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
すなわち本発明は、坪量が100g/m以下の不織布からなる液体濾過用フィルター濾材であって、該不織布の基材を、繊維径5μm未満の極細有機繊維(但し、フィブリル化している極細有機繊維を除く。)及び極細無機繊維を20〜80重量%と、繊維径5μm以上の有機繊維を80〜20重量%とにより構成し、さらに上記繊維径5μm以上の有機繊維の一部を繊維状有機バインダーで構成し、かつ、上記繊維径5μm以上の有機繊維の一部を天然有機繊維として未叩解NBKPパルプで構成し、かつ上記基材100重量%に対し合成樹脂系バインダーを5〜20重量%含浸あるいは塗布したことを特徴とする液体濾過用フィルター濾材である。
【0013】
本発明に係る液体濾過用フィルター濾材では、前記基材に対し、前記合成樹脂系バインダーと共に架橋剤を含浸あるいは塗布したことが好ましい。
【0015】
本発明に係る液体濾過用フィルター濾材では、前記繊維状有機バインダーの配合比率を基材中3〜30重量%としたことが好ましい。
【0016】
本発明は、繊維径5μm未満の極細有機繊維(但し、フィブリル化している極細有機繊維を除く。)及び極細無機繊維を20〜80重量%と、繊維径5μm以上の有機繊維を80〜20重量%とにより原料繊維を構成し、さらに上記繊維径5μm以上の有機繊維の一部を繊維状有機バインダーで構成し、かつ、上記繊維径5μm以上の有機繊維の一部を天然有機繊維として未叩解NBKPパルプで構成した原料繊維を坪量が100g/m以下となるように湿式抄紙してシート形成した後、合成樹脂系バインダー、あるいは合成樹脂系バインダー及び架橋剤を上記抄紙に含浸あるいは塗布し、次いで乾燥させることを特徴とする液体濾過用フィルター濾材の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる繊維径5μm未満の極細有機繊維(但し、フィブリル化している極細有機繊維を除く。以下、同じ。)とは、たとえば5μm未満のポリエステル繊維、PVA繊維、アクリル繊維等が挙げられる。
【0018】
本発明で用いられる繊維径5μm未満の極細無機繊維とは、たとえばガラス繊維、炭素繊維、ロックファイバー、ステンレスファイバーなどが挙げられるが、ガラス繊維が好ましい。
【0019】
基材に配合される5μm未満の極細有機繊維及び極細無機繊維は、20〜80重量%であることが必要であり、好ましくは30〜70重量%である。20重量%未満では、水湿潤時の破裂強度は低い。また、80重量%を超えると、水湿潤時の破裂強度は非常に高いが、圧力損失が高くなる為、濾材の空隙が小さくなり、加工屑が詰まりやすくなってフィルターのライフを短くする。
【0020】
また、本発明に用いられる繊維径5μm未満の極細有機繊維及び極細無機繊維は、平均繊維径の異なる2種類以上の繊維を使用しても何ら差し支えない。
【0021】
本発明に用いられる5μm以上の有機繊維とは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリルアミド、ビニロン等の合成繊維のほか、パルプ、麻、リンター、綿、わら等の天然有機繊維及びその誘導体等が挙げられるが、天然繊維のうちパルプ、麻がより好ましく、特にパルプについては、平均繊維径が30〜70μmである針葉樹パルプが好ましく、天然有機繊維を配合することが、30℃、30分以上水に湿潤させた時の破裂強度の維持に特に効果がある。
【0022】
本発明の基材は、湿式抄紙後乾燥した時点では、水湿潤時の破裂強度が弱い。バインダー付与方法としては、シート形成前に原料中に添加する方法、シート形成後に含浸あるいは塗布する方法等が有るが、本発明では、水湿潤時の破裂強度を更に向上させる為、湿式抄紙し、シート形成後、合成樹脂系バインダーを含浸あるいは塗布する。以下、「含浸あるいは塗布」を単に「付与」ということもある。
【0023】
合成樹脂系バインダーは、湿式抄紙したシート内に浸透する為に、繊維の各交絡点を結合させる特徴を持つ。特に5μm未満の極細有機繊維及び極細無機繊維を配合した際、繊維交絡点数は急激に多くなる為、湿潤時の破裂強度は相乗的に高くなる。
【0024】
合成樹脂系バインダーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル系ラテックス、酢ビ系ラテックス、ウレタン系ラテックス、エポキシ系ラテックス、SBR系ラテックス、NBR系ラテックス、オレフィン系ラテックス等を単独、又は2種類以上併用できるが、基材との接着性が良く、水に湿潤させた時のバインダー皮膜の劣化が少ないものを選択すべきである。
【0025】
基材に付与する合成樹脂系バインダー量は、5〜20重量%が好ましく、より好ましくは、7〜15重量%である。5重量%未満では、圧力損失は低いが、水に湿潤させた時の破裂強度の向上は望めない。また、20重量%を超えると、水に湿潤させた時の破裂強度は非常に向上するが、圧力損失が高くなってしまい、濾材の空隙が小さくなり、加工屑が詰まりやすくなってフィルターのライフを短くする。
【0026】
本発明で用いられる5μm以上繊維状有機バインダーとは、ポリオレフィン系複合繊維、ビニロンバインダー繊維などが挙げられる。繊維状有機バインダーは、バインダーとして単独使用では湿潤時の破裂強度に対し効果は低いが、合成樹脂系バインダーと併用すると、繊維状有機バインダーが骨材の働きをし、湿潤時の破裂強度の向上効果が一層高くなる。
【0027】
本発明に用いられるポリオレフィン系複合繊維の形態としては、芯鞘タイプ(コアシェルタイプ)、並列タイプ(サイドバイサイドタイプ)が挙げられるが、これに限定されるものではない。代表的な複合繊維としては、例えば、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ(商品名:ダイワボウNBF−H:大和紡績製)、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ(商品名:ダイワボウNBF−E:大和紡績製)、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ(商品名:チッソESC:チッソ製)、ポリエステル(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ(商品名:メルティー4080:ユニチカ製)などが挙げられる。
【0028】
本発明で用いられるビニロンバインダー繊維は、他の繊維と混合抄紙したのち、シートが乾燥工程に入り、シートが保持する水の温度がビニロンバインダー繊維の溶解温度に達すると、混合したほかの繊維との交絡点に付着し、シートの水分が蒸発するとともに固化し、強度を発揮する。
【0029】
繊維状有機バインダーの繊維径は特に限定されないが、6〜25μmが好ましい。繊維径が6μm未満では、濾材の圧力損失が高くなり、フィルターのライフが短くなる。また、25μmを超えると、他の繊維との交絡点数が減少する為、湿潤時の破裂強度の向上は望めない。
【0030】
また、本発明で用いられる繊維状有機バインダーの基材中の配合比率は、3〜30重量%が好ましく、より好ましくは7〜20重量%である。3重量%以下では、水に湿潤させた時の破裂強度の向上が望めない。また、30重量%を超えると、水に湿潤させた時の破裂強度は非常に向上するが、圧力損失が高くなり、濾材の空隙が小さくなり、加工屑が詰まりやすくなって濾材の寿命が短くなってしまう。
【0031】
本発明の基材は、一般紙や湿式不織布を製造する為の抄紙機、例えば、長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜ワイヤー式抄紙機などの湿式抄紙機で製造できる。乾燥にはシリンダードライヤー、スルードライヤー、赤外線ドライヤーなどの乾燥機を用いることができる。また、2種類以上の乾燥機を使用し、本発明の濾材を乾燥することは何ら差し支えない。
【0032】
本発明の濾材は、基材に合成樹脂系バインダーを付与することで、水での湿潤時の破裂強度は良好であるが、用途により更に向上させる為に、合成樹脂系バインダーと併用して架橋剤を使用することが望ましい。
【0033】
本発明の基材に付与する架橋剤としては、例えば、メラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤などが挙げられる。
【0034】
各種バインダーと併用して使用する架橋剤は、通常合成樹脂系バインダー固形分に対して1〜10重量%添加することが好ましく、より好ましくは3〜7重量%である。10重量%以上で添加しても、それ以上の効果を発揮しない。
【0035】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における坪量、シートの厚さ、破裂強度、及び水での湿潤時の破裂強度は以下の方法で測定した。
【0036】
本発明で測定を行った坪量、シートの厚さ、破裂強度は、JIS L−8091に準拠して行った。なお、水での湿潤時の破裂強度については、JIS L−8091に準拠して行ったが、水への湿潤は、30℃、30分で行い、測定を行った。圧力損失は(Pa)、JIS B9908に準じて測定され、濾材に空気を風速5.3cm/秒で通気させた時の通気抵抗を測定した。
【0037】
(実施例1)
繊維径5μm未満の極細繊維として、ポリエステル繊維(帝人社製 TK04N 0.1デニール×3mm、繊維径約3.2μm)と、繊維径約0.65μmのガラス繊維(#106 マンビル社製)を、繊維径5μm以上の繊維として、繊維径約40μmの未叩解NBKPパルプと、ビニロンバインダー繊維(クラレ製 フィブリボンド343 1.0デニール×5mm 繊維径約10.5μm)と、繊維径約10μmのポリエステル繊維(ユニチカ社製 〈131〉 1.0デニール×5mm)を重量比で各々40:25:20:10:5の繊維配合になるように混合し、水性スラリーを作成して、これらのスラリーから標準角型手抄き抄紙機を用いて、坪量70g/mになるようにシートを形成した。
【0038】
この湿紙の状態のシート状基材100重量%に対し、11重量%になるようにバインダーを付与し、130℃にて乾燥させ、実施例1の液体濾過用フィルター濾材を得た。測定結果を表1に示す。
【0039】
湿紙に塗布するバインダーとして、アクリル系ラテックス(ボンコートSFA−33 大日本インキ製)を用いた。
【0040】
(実施例2)
湿紙状態のシート状基材に塗布するバインダーをアクリル系ラテックス(ボンコートSFA−33 大日本インキ製)とイソシアネート系架橋剤(CR−60N 大日本インキ製 ラテックス固形分に対し5重量%)を混合したものを用いた以外は、実施例1とまったく同じ方法で液体濾過用フィルターを得た。
【0041】
(実施例3)
繊維径5μm未満の極細繊維として、ポリエステル繊維(帝人社製 TK04N 0.1デニール×3mm 繊維径約3.2μm)と、繊維径約2.7μmのガラス繊維(#110 マンビル社製)を、繊維径5μm以上の繊維として、繊維径約40μmの未叩解NBKPと、ビニロンバインダー繊維(クラレ製 フィブリボンド343)と、繊維径約10μmのポリエステル繊維(ユニチカ社製 〈131〉 1.0デニール×5mm)を重量比で各々25:15:30:20:10の繊維配合になるように混合した以外は、実施例2とまったく同じ方法で液体濾過用フィルター濾材を得た。
【0042】
(実施例4)
繊維径5μm未満の極細繊維として、ポリエステル繊維(帝人社製 TK04N 0.1デニール×3mm 繊維径約3.2μm)と、繊維径約0.65μmのガラス繊維(#106 マンビル社製)を、繊維径5μm以上の繊維として、繊維径約40μmの未叩解NBKPと、複合繊維のメルティー4080(芯 ポリエステル 鞘 ポリエチレン 1.5デニール×5mm ユニチカ製)と、繊維径約10μm(ユニチカ社製 〈131〉 1.0デニール×5mm)を重量比で各々20:10:40:20:10の繊維配合になるように混合した以外は、実施例2とまったく同じ方法で液体濾過用フィルター濾材を得た。
【0043】
(実施例5)
繊維径5μm未満の極細繊維として、ポリエステル繊維(帝人社製 TK04N 0.1デニール×3mm 繊維径約3.2μm)と、繊維径約2.7μmのガラス繊維(#110 マンビル社製)を、繊維径5μm以上の繊維として、繊維径約40μmの未叩解NBKPと、ビニロンバインダー繊維(クラレ製 フィブリボンド343)と、繊維径約10μmのポリエステル繊維(ユニチカ社製 〈131〉 1.0デニール×5mm)を重量比で各々20:10:40:20:10の繊維配合になるように混合した以外は、実施例2とまったく同じ方法で液体濾過用フィルター濾材を得た。
【0044】
(比較例1)
繊維径5μm未満の極細繊維として、ポリエステル繊維(帝人社製 TK04N 0.1デニール×3mm、繊維径約3.2μm)と、繊維径約0.65μmのガラス繊維(#106 マンビル社製)を、繊維径5μm以上の繊維として、繊維径約40μmの未叩解NBKPパルプと、ビニロンバインダー繊維(クラレ製 フィブリボンド343)と、繊維径約10μmのポリエステル繊維(ユニチカ社製 〈131〉 1.0デニール×5mm)を重量比で各々60:15:10:10:5の繊維配合になるように混合し、水性スラリーを作成して、これらのスラリーから標準角型手抄き抄紙機を用いて、坪量78g/mになるようにシートを形成し、130℃にて乾燥を行い液体濾過用フィルター濾材を得た。
【0045】
(比較例2)
繊維径5μm未満の極細繊維として、繊維径約0.65μmのガラス繊維(#106
マンビル社製)を、繊維径5μm以上の繊維として、繊維径約40μmの未叩解NBKPパルプと、ビニロンバインダー繊維(クラレ製 フィブリボンド343)と、ポリエステル繊維(ユニチカ社製 〈131〉 1.0デニール×5mm、繊維径約10μm)を重量比で各々15:20:10:55の繊維配合になるように混合し、水性スラリーを作成して、これらのスラリーから標準角型手抄き抄紙機を用いて、坪量70g/mになるようにシートを形成した。
【0046】
この湿紙の状態のシート状基材100重量%に対し、11重量%になるようにバインダーを付与し、130℃にて乾燥させ、液体濾過用フィルター濾材を得た。
【0047】
湿紙に付与するバインダーとして、アクリル系ラテックス(ボンコートSFA−33 大日本インキ製)とイソシアネート系架橋剤(CR−60N 大日本インキ製 ラテックス固形分に対し5%)を混合したものを用いた。
【0048】
(比較例3)
繊維径5μm未満の極細繊維として、ポリエステル繊維(帝人社製 TK04N 0.1デニール×3mm、繊維径約3.2μm)と、繊維径約0.65μmのガラス繊維(#106 マンビル社製)を、繊維径5μm以上の繊維として、ビニロンバインダー繊維(クラレ製 フィブリボンド343)を重量比で各々:50:40:10の繊維配合になるように混合し、水性スラリーを作成して、これらのスラリーから標準角型手抄き抄紙機を用いて、坪量70g/mになるようにシートを形成した以外は、比較例2とまったく同じ方法で液体濾過用フィルター濾材を得た。
【0049】
(比較例4)
繊維径5μm未満の極細繊維として、ポリエステル繊維(帝人社製 TK04N 0.1デニール×3mm、繊維径約3.2μm)と、繊維径約0.65μmのガラス繊維(#106 マンビル社製)を、繊維径5μm以上の繊維として、ビニロンバインダー繊維(クラレ製 フィブリボンド343)と、繊維径約10μmのポリエステル繊維(ユニチカ社製 〈131〉 1.0デニール×5mm)を重量比で各々40:25:10:25の繊維配合になるように混合し、水性スラリーを作成して、これらのスラリーから標準角型手抄き抄紙機を用いて、坪量70g/mになるようにシートを形成した以外は、比較例2とまったく同じ方法で液体濾過用フィルター濾材を得た。
【0050】
(比較例5)
繊維径5μm未満の極細繊維として、ポリエステル繊維(帝人社製 TK04N 0.1デニール×3mm、繊維径約3.2μm)と、繊維径約0.65μmのガラス繊維(#106 マンビル社製)を、繊維径5μm以上の繊維として、繊維径約40μmの未叩解NBKPパルプと、ビニロンバインダー繊維(クラレ製 フィブリボンド343)と、繊維径約12.4μmのポリエステル繊維(ユニチカ社製 〈131〉 1.0デニール×5mm)を重量比で各々20:10:20:40:10の繊維配合になるように混合し、水性スラリーを作成して、これらのスラリーから標準角型手抄き抄紙機を用いて、坪量70g/mになるようにシートを形成した以外は、比較例2とまったく同じ方法で液体濾過用フィルター濾材を得た。
【0051】
液体濾過用フィルター濾材のシート物性をまとめて表1に示す。
【表1】
【0052】
上記実施例1〜5で作成した濾材は、坪量100g/m以下で、水に湿潤させた時の破裂強度が、全て200KPa以上となった。
【0053】
比較例1は、バインダーをまったく使用しない為に、水に湿潤させた時の破裂強度が低かった。
【0054】
比較例2は、バインダーを使用しているものの、使用している繊維径が太い為に、水に湿潤させた時の破裂強度が低かった。
【0055】
比較例3は、繊維径が細かいものが多く配合されている為、水に湿潤させた時の破裂強度は非常に高いが、圧力損失が高くなった。
【0056】
比較例4は、未叩解NBKPを配合していない為、水に湿潤させた時の破裂強度が低くなった。
【0057】
比較例5は、ビニロンバインダー繊維を多く配合した為に、水に湿潤させた時の破裂強度は高いが、圧力損失が高くなった。
【0058】
【発明の効果】
本発明では、5μm未満の極細有機繊維及び無機繊維を最適に配合することにより、濾材の空隙を適度に保持しつつ、繊維交絡点数を急激に増加させ、その繊維交絡点を全て結合させることにより湿潤時の破裂強度を高くできる。また、繊維状有機バインダーは、バインダーとして単独使用では湿潤時の破裂強度に対し効果は低いが、合成樹脂系バインダーと併用すると、繊維状有機バインダーが骨材の働きをし、湿潤時の破裂強度の向上効果が一層高くなる。これらの作用等により、坪量100g/m以下という低坪量ながら、30℃、30分以上水に湿潤させた時のJIS L−8091に記載される破裂強度が200kPa以上とすることができ、かつフィルター特性の優れた液体濾過フィルター濾材を提供することができた。本発明では低坪量の濾材であるため濾材をひだ折りプリーツ加工してフィルターに加工することが容易であり、濾材の折り込み数を増加させ、濾材面積を多くすることでフィルターのライフを長くすることが容易である。
【0059】
本発明では、合成樹脂系バインダーと併用して架橋剤を使用することにより、水での湿潤時の破裂強度を更に向上させることができた。
【0060】
基材が湿式抄紙後乾燥した時点では、水湿潤時の破裂強度が弱いことからバインダー付与が必須となるが、本発明に係る液体濾過用フィルター濾材の製造方法は、湿式抄紙し、シート形成した後で、合成樹脂系バインダー、あるいは合成樹脂系バインダー及び架橋剤を含浸あるいは塗布するので、水湿潤時の破裂強度を向上させることができる。さらに、フィルター濾材製造時の後加工の簡略化ができ、製造工程の増設、改造等にかかるコストを、著しく低減できる液体濾過フィルター濾材を提供することができるものである。

Claims (4)

  1. 坪量が100g/m以下の不織布からなる液体濾過用フィルター濾材であって、該不織布の基材を、繊維径5μm未満の極細有機繊維(但し、フィブリル化している極細有機繊維を除く。)及び極細無機繊維を20〜80重量%と、繊維径5μm以上の有機繊維を80〜20重量%とにより構成し、さらに上記繊維径5μm以上の有機繊維の一部を繊維状有機バインダーで構成し、かつ、上記繊維径5μm以上の有機繊維の一部を天然有機繊維として未叩解NBKPパルプで構成し、かつ上記基材100重量%に対し合成樹脂系バインダーを5〜20重量%含浸あるいは塗布したことを特徴とする液体濾過用フィルター濾材。
  2. 前記基材に対し、前記合成樹脂系バインダーと共に架橋剤を含浸あるいは塗布したことを特徴とする請求項1記載の液体濾過用フィルター濾材。
  3. 前記繊維状有機バインダーの配合比率を基材中3〜30重量%としたことを特徴とする請求項1又は2記載の液体濾過用フィルター濾材。
  4. 繊維径5μm未満の極細有機繊維(但し、フィブリル化している極細有機繊維を除く。)及び極細無機繊維を20〜80重量%と、繊維径5μm以上の有機繊維を80〜20重量%とにより原料繊維を構成し、さらに上記繊維径5μm以上の有機繊維の一部を繊維状有機バインダーで構成し、かつ、上記繊維径5μm以上の有機繊維の一部を天然有機繊維として未叩解NBKPパルプで構成した原料繊維を坪量が100g/m以下となるように湿式抄紙してシート形成した後、合成樹脂系バインダー、あるいは合成樹脂系バインダー及び架橋剤を上記抄紙に含浸あるいは塗布し、次いで乾燥させることを特徴とする液体濾過用フィルター濾材の製造方法。
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