JPH08206421A - 濾材およびその製造方法 - Google Patents

濾材およびその製造方法

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JPH08206421A
JPH08206421A JP2031595A JP2031595A JPH08206421A JP H08206421 A JPH08206421 A JP H08206421A JP 2031595 A JP2031595 A JP 2031595A JP 2031595 A JP2031595 A JP 2031595A JP H08206421 A JPH08206421 A JP H08206421A
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JP
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fiber
filter medium
weight
fibers
filter
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JP2031595A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Yoshida
光男 吉田
Eisuke Yamaya
英輔 山屋
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】環境問題に対応して焼却可能で、焼却後の重量
が焼却前の重量の20重量%以下にできると共に、捕集
効率に優れ、強度が良好で、且つ腰があって単独でフィ
ルターに組み込むことが可能である濾材およびその製造
方法を提供する。 【構成】特定の繊維径を有するガラス繊維、ポリプロピ
レン繊維、熱可塑性成分をその一部として含むポリオレ
フィン系複合繊維、ならびに65重量%以上ビニルアル
コール単位を含有する長鎖状合成高分子で、水中溶解温
度が50〜100℃であるビニロンバインダー繊維で構
成され、且つ濾材中のガラス繊維の配合比率が0.5〜
20重量%、ビニロンバインダー繊維の配合比率が0.
5〜10重量%であることを特徴とする濾材およびその
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、濾材およびその製造方
法に関するものであり、さらに詳しくはクリーンルーム
用エアフィルター、エアフィルター用濾材、液体濾過用
濾材などの用途として、フィルター加工性に優れ、今後
ますます問題視されつつある不燃ゴミ対策を配慮した濾
材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、クリーンルーム用エアフィル
ターは、チョップドストランドガラス繊維および極細ガ
ラス繊維を用いて湿式抄紙法によって製造されている。
湿式抄紙する場合、ガラス繊維は、離解、分散性が悪い
ため、ガラス繊維の分散には種々の分散方法がとられて
おり、例えば、第19回紙パルプシンポジウム要旨集、
9〜19頁(1984年)などに見られるように、硫酸
酸性水(pH3.2以下)を用いた方法があり、これに
よってガラス繊維を分散し、湿式抄紙してガラス繊維シ
ートを製造していた。
【0003】しかし、硫酸酸性でのガラス繊維シートの
製造方法では、作業の安全性、および各装置の腐蝕の問
題があると共に、酸によってガラス表面がリーチングさ
れ、ガラス繊維が脆くなってしまうという欠点があっ
た。また、ガラス繊維シートにした場合には、ガラス表
面のナトリウムと硫酸との中和反応によって生成したN
2SO4やNaClなどの強電解質がガラス繊維表面に
付着しているため、電導性物質の存在を嫌うエレクトロ
ニクス関連のエアフィルター用濾材として使用した時、
前記の硫酸、強電解質が飛散し、重大な問題に発展して
しまう。
【0004】さらに、ガラス繊維で構成された濾材は、
不燃物であることから焼却が不可能なために粗大ゴミと
なり、今後の環境対応が問題視されている。
【0005】そのために、ガラス繊維を一切使用せず
に、メルトブロー法で作製した濾材が開発されている
が、この方法では強度が弱いために破れを生じたり、軟
らかいために加工性が悪いという欠点がある。そのた
め、メルトブロー法で作製した濾材単独で使用されるこ
とは極めて少なく、一般的には、スパンボンド法で作製
した不織布などのような強度の強い不織布、または織編
物などと貼り合わせて用いられており、コスト面、性能
面で問題があった。
【0006】この問題を解決するために、特開平2−9
1262号公報に開示されているように、極細繊維と極
細繊維より融点が10〜200℃低い融点の熱可塑性成
分を含んだ複合繊維とをランダムに混在させることによ
り、極細繊維の性能を有したまま強度を強くしている例
がある。しかし、この発明においての極細繊維不織布を
得る方法としては、特にメルトブロー法が好ましい。仮
に湿式抄紙法で得ようとした場合、不織布を乾燥する工
程で複合繊維が溶融し冷却されるまで強度が発現され
ず、シリンダードライヤーの表面に不織布が貼り付いて
しまい、不織布の層間剥離、または表面剥離を起こして
しまう。また、不織布を製造することができても、不織
布に腰がなく、単独でフィルターに組み込むことは困難
である。
【0007】また、特開平3−249249号公報の開
示されているように、重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比をコントロールすることによっ
て、強度を向上させているが、これもメルトブロー法に
限られていることから地合いは決して良くない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明の目的は、今後の環境問題に対応するために焼却可
能で、焼却後の重量が焼却前の重量の20重量%以下に
できると共に、捕集効率に優れ、強度が良好で、且つ腰
があって単独でフィルターに組み込むことが可能である
濾材およびその製造方法を提供することである。
【0009】
【問題を解決するための手段】上記問題点を解決すべく
鋭意検討した結果、捕集効率に優れ、強度が良好で、湿
式抄紙の際、シリンダードライヤーの表面への濾材の貼
り付きがなく、層間剥離や表面剥離がなく、且つ腰があ
って単独でフィルターに組み込むことが可能である濾材
が得られることを見出し、本発明の濾材およびその製造
方法を発明するに至った。
【0010】即ち、本発明の濾材は、繊維径0.1〜1
μmのガラス繊維、ポリプロピレン繊維、熱可塑性成分
をその一部として含有するポリオレフィン系複合繊維、
ならびに65重量%以上ビニルアルコール単位を含有す
る長鎖状合成高分子で、水中溶解温度が50〜100℃
であるビニロンバインダー繊維で構成され、且つ濾材中
におけるガラス繊維およびビニロンバインダー繊維の配
合比率が、それぞれ0.5〜20重量%、0.5〜10
重量%であることを特徴とする。
【0011】また、本発明の濾材の製造方法は、繊維径
0.1〜1μmのガラス繊維、ポリプロピレン繊維、熱
可塑性成分をその一部として含有するポリオレフィン系
複合繊維、ならびに65重量%以上ビニルアルコール単
位を含有する長鎖状合成高分子で、水中溶解温度が50
〜100℃であるビニロンバインダー繊維を水と共に混
合して抄紙スラリーとし、該抄紙スラリーを用いて湿式
抄紙した後、シリンダードライヤーで乾燥することを特
徴とするものである。
【0012】以下、本発明の濾材およびその製造方法に
ついて、詳細に説明する。
【0013】本発明に用いられる平均繊維径0.1〜1
μmのガラス繊維は、濾過効率を決定づける繊維であ
る。平均繊維径が1μmを超えて大きい場合、濾過効率
を向上させる効果が少ない。また、平均繊維径が0.1
μm未満の場合、湿式抄紙の際、ワイヤーからのガラス
繊維の流出が多く、非常に歩留まりが悪くなってしま
う。
【0014】ガラス繊維の濾材全体に対する配合比率
は、目的とする捕集効率になるように配合比率を変更で
き、低い捕集効率を付与させるには、配合率0.5重量
%である。一方、高い捕集効率を付与させるには、配合
率20重量%である。
【0015】ガラス繊維は、平均繊維径が0.1〜1μ
mの範囲内であることが必須であり、全配合比率が20
重量%以下であれば、平均繊維径の異なる2種以上のガ
ラス繊維を併用しても何等差し支えない。
【0016】本発明に用いられるポリプロピレン繊維
は、抄紙ワイヤー上で繊維径0.1〜1μmのガラス繊
維とネットワークをつくることにより、均一な空隙を構
成すると共にガラス繊維のワイヤーからの脱落を防止す
るために配合される。
【0017】ここで用いられるポリプロピレン繊維の繊
維径は、ガラス繊維のワイヤーからの脱落防止を考慮す
ると10μm以下であることが好ましく、より好ましく
は8μm以下である。10μmを超えるとガラス繊維の
繊維径と差が大きくなり、両者の有効なネットワークを
形成できず、ガラス繊維のワイヤーからの脱落を多くし
てしまい歩留まりを落としてしまう。
【0018】本発明に用いられるポリプロピレン繊維の
濾材中の配合比率は20〜60重量%であることが好ま
しく、より好ましくは、30〜50重量%である。
【0019】本発明に用いられる熱可塑性成分をその一
部として含むポリオレフィン系複合繊維(以下、複合繊
維と称す)は、乾燥後の強度を向上させるために配合さ
れる。複合繊維の形態としては、芯鞘タイプ(コアシェ
ルタイプ)、並列タイプ(サイドバイサイドタイプ)が
挙げられるが、これに限定されない。代表的な複合繊維
としては、例えば、ポリプロピレン(芯)とポリエチレ
ン(鞘)の組み合わせ(商品名:ダイワボウNBF−
H:大和紡績製)、ポリプロピレン(芯)とエチレンビ
ニルアルコール(鞘)の組み合わせ(商品名:ダイワボ
ウNBF−E:大和紡績製)、ポリプロピレン(芯)と
ポリエチレン(鞘)の組み合わせ(商品名:チッソES
C:チッソ製)などが挙げられる。
【0020】複合繊維の繊維径は特に限定されないが3
〜40μmが好ましく、より好ましくは7〜25μmで
ある。繊維径が3μm未満では濾材の圧力損失が高くな
り、フィルターのライフが短くなってしまう。また、3
0μmを超えると濾材の圧力損失は低くなるものの、そ
の他の繊維との融着面積が少なくなり濾材の強度が低下
してしまう。
【0021】本発明に用いられる複合繊維の濾材中の配
合比率は20〜60重量%であることが好ましく、より
好ましくは、30〜50重量%である。
【0022】本発明に用いられるビニロンバインダー繊
維は、水中に分散し、抄紙網でシート化されるまでは繊
維の形態を維持している。その後、シートが乾燥工程に
入り、シートが保持する水の温度がビニロンバインダー
繊維の溶解温度に達すると、混合したポリプロピレン繊
維と複合繊維の表面、および繊維同志の交点に付着し、
シートの水分が蒸発すると共に強度を発現する。これ
は、乾燥工程で複合繊維の鞘部の融点以上の温度で乾燥
された後、複合繊維のみでは溶融した後融点未満に冷却
されるまで強度を発現しないため、紙切れを起こした
り、シリンダードライヤーへの貼り付きを起こすため、
複合繊維が融点未満に冷却されるまでの強度を補う働き
をする。さらに、驚くべきことに、ビニロンバインダー
繊維を配合することにより濾材の腰が向上する。
【0023】濾材中のビニロンバインダー繊維の配合比
率は、0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは
1〜6重量%ある。0.5重量%未満では乾燥工程中の
強度を補うことができず、濾材の腰の向上も望めない。
また、10重量%を超えると乾燥工程中の強度、濾材の
腰は非常に向上し、加工性の優れた濾材となるが、圧力
損失が高くなり濾材の寿命が短くなってしまうと共に、
濾過効率も低下してしまう。
【0024】本発明の濾材を湿式抄紙法で製造する際、
地合を良好にするためには、ガラス繊維、ポリプロピレ
ン繊維と、複合繊維、ビニロンバインダー繊維をパルパ
ーなどの分散タンク内で分散水に均一に分散する必要が
あり、そのために界面活性剤を用いることが望ましい。
【0025】界面活性剤は、アニオン系、カチオン系、
ノニオン系、両性に分類される。アニオン系界面活性剤
としては、例えば、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、ス
ルホン酸塩、リン酸エステル塩などが挙げられる。カチ
オン系界面活性剤としては、アミン塩、アンモニウム塩
などが挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、エ
ーテル型、エステル型、アミノエーテル型などが挙げら
れる。両性界面活性剤としては、ベタイン型などが挙げ
られる。これらの中から、繊維の分散性の良好なものを
適宜選択して用いればよい。また、これら例示したもの
から外れるものであっても、繊維の分散性の良好なもの
であれば問題ない。
【0026】均一に混合分散した繊維の分散安定性を向
上させるためにアニオン性のポリアクリルアミド系粘剤
を繊維分散液、または抄紙白水中に添加することによ
り、湿式抄造後の濾材の地合はさらに向上する。
【0027】本発明の濾材は、一般紙や湿式不織布を製
造するための抄紙機、例えば、長網抄紙機、円網抄紙
機、傾斜ワイヤー式抄紙機などの湿式抄紙機で製造でき
る。乾燥には、シリンダードライヤー、スルードライヤ
ー、赤外線ドライヤーなどの乾燥機を用いることができ
るが、特にシリンダードライヤーを使用することが好ま
しい。いずれの場合でも、乾燥温度は複合繊維の融点以
上にする必要がある。
【0028】本発明の濾材は、湿式抄紙後乾燥した時点
で、強度および腰が良好であるが、用途によりさらに強
度、腰を向上させるために、湿式抄紙し、乾燥した後、
各種バインダーを付与することが可能である。
【0029】バインダーとしては、例えば、アクリル系
ラテックス、酢ビ系ラテックス、ウレタン系ラテック
ス、エポキシ系ラテックス、SBR系ラテックス、フェ
ノール樹脂、およびカチオン基を有する水溶性紙力剤の
カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミ
ド、カチオン性アクリルアミド、両性アクリルアミド、
カチオン性ポリアミド、両性ポリアミド、ポリアミドポ
リアミン、カチオン化澱粉、カチオン化グアーガム、両
性グアーガム、ポリアミドエピクロヒドリン、カチオン
化PVAなどが挙げられ、これらを単独、もしくは2種
以上を併用して使用できる。
【0030】湿式抄紙、乾燥した後、付与するバインダ
ー量は、濾材の坪量に対して20重量%未満である。2
0重量%を超えると、強度、腰は強くなるものの捕集性
能が低下するばかりでなく、圧力損失が高くなってしま
いフィルターのライフを短くしてしまう。
【0031】また、用途に応じてさらにシートに撥水
性、難燃性を付与させるために、撥水剤、難燃剤を添加
しても良い。
【0032】
【作用】本発明の濾材およびその製造方法により、使用
後の濾材を焼却することができ、且つその重量を焼却前
の重量の20重量%以下にすることができ、不燃ゴミ量
を減少できるため環境問題に対応することができる。ま
た、湿式抄紙法の特徴である均一な地合をもって、複合
繊維とビニロンバインダー繊維を併用することにより、
乾燥工程におけるシリンダードライヤーの表面への濾材
の貼り付き、濾材の層間剥離、表面剥離などのトラブル
を抑え、強度が良好となり、ビニロンバインダー繊維に
起因して腰があって単独でフィルターに組み込むことが
可能である。
【0033】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の「部」および「%」は、それぞれ「重
量部」および「重量%」を示す。
【0034】実施例1 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約
0.65μmのガラス繊維(#106、シュラー社
製)、ポリプロピレン繊維(繊維径約7μm)(PZ
0.5デニール、5mm:大和紡績製)、複合繊維のN
BF−E(芯:ポリプロピレン、鞘:エチレンビニルア
ルコール:大和紡績製)、水中溶解温度が70℃のビニ
ロンバインダー繊維(VPB107×1:クラレ製)を
各々1:50:39:10の比率で配合し、分散濃度
0.2%で30分間分散した後、乾燥重量で60g/m2
なるように円網抄紙機で抄紙後、表面温度130℃のシ
リンダードライヤーで乾燥し、濾材を得た。
【0035】実施例2 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約
0.65μmのガラス繊維(#106、シュラー社
製)、ポリプロピレン繊維(繊維径約7μm)(PZ
0.5デニール、5mm:大和紡績製)、複合繊維のN
BF−E(芯:ポリプロピレン、鞘:エチレンビニルア
ルコール:大和紡績製)、水中溶解温度が70℃のビニ
ロンバインダー繊維(VPB107×1:クラレ製)を
各々1:50:47:2の比率で配合し、分散濃度0.
2%で30分間分散した後、乾燥重量で60g/m2になる
ように円網抄紙機で抄紙後、表面温度130℃のシリン
ダードライヤーで乾燥し、濾材を得た。
【0036】実施例3 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約
0.65μmのガラス繊維(#106、シュラー社
製)、ポリプロピレン繊維(繊維径約7μm)(PZ
0.5デニール、5mm:大和紡績製)、複合繊維のN
BF−E(芯:ポリプロピレン、鞘:エチレンビニルア
ルコール:大和紡績製)、水中溶解温度が70℃のビニ
ロンバインダー繊維(VPB107×1:クラレ製)を
各々1:50:48.5:0.5の比率で配合し、分散
濃度0.2%で30分間分散した後、乾燥重量で60g/
m2になるように円網抄紙機で抄紙後、表面温度130℃
のシリンダードライヤーで乾燥し、濾材を得た。
【0037】比較例1 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約
0.65μmのガラス繊維(#106、シュラー社
製)、ポリプロピレン繊維(繊維径約7μm)(PZ
0.5デニール、5mm:大和紡績製)、複合繊維のN
BF−E(芯:ポリプロピレン、鞘:エチレンビニルア
ルコール:大和紡績製)を各々1:50:49の比率で
配合し、分散濃度0.2%で30分間分散した後、乾燥
重量で60g/m2になるように円網抄紙機で抄紙後、表面
温度130℃のシリンダードライヤーで乾燥し、濾材を
得た。
【0038】実施例4 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約
0.65μmのガラス繊維(#106、シュラー社
製)、ポリプロピレン繊維(繊維径約7μm)(PZ
0.5デニール、5mm:大和紡績製)、複合繊維のN
BF−E(芯:ポリプロピレン、鞘:エチレンビニルア
ルコール:大和紡績製)、水中溶解温度が70℃のビニ
ロンバインダー繊維(VPB107×1:クラレ製)を
各々5:45:44:6の比率で配合し、分散濃度0.
2%で30分間分散した後、乾燥重量で60g/m2になる
ように円網抄紙機で抄紙後、表面温度130℃のシリン
ダードライヤーで乾燥し、濾材を得た。
【0039】実施例5 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約
0.9μmのガラス繊維(#108A、シュラー社
製)、ポリプロピレン繊維(繊維径約7μm)(PZ
0.5デニール、5mm:大和紡績製)、複合繊維のN
BF−E(芯:ポリプロピレン、鞘:エチレンビニルア
ルコール:大和紡績製)、水中溶解温度が70℃のビニ
ロンバインダー繊維(VPB107×1:クラレ製)を
各々10:40:44:6の比率で配合し、分散濃度
0.2%で30分間分散した後、乾燥重量で60g/m2
なるように円網抄紙機で抄紙後、表面温度130℃のシ
リンダードライヤーで乾燥し、濾材を得た。
【0040】実施例6 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約
0.3μmのガラス繊維(#100、シュラー社製)、
ポリプロピレン繊維(繊維径約7μm)(PZ0.5デ
ニール、5mm:大和紡績製)、複合繊維のNBF−E
(芯:ポリプロピレン、鞘:エチレンビニルアルコー
ル:大和紡績製)、水中溶解温度が70℃のビニロンバ
インダー繊維(VPB107×1:クラレ製)を各々2
0:40:35:6の比率で配合し、分散濃度0.2%
で30分間分散した後、乾燥重量で60g/m2になるよう
に円網抄紙機で抄紙後、表面温度130℃のシリンダー
ドライヤーで乾燥し、濾材を得た。
【0041】実施例7 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約
0.3μmのガラス繊維(#100、シュラー社製)、
ポリプロピレン繊維(繊維径約7μm)(PZ0.5デ
ニール、5mm:大和紡績製)、複合繊維のNBF−E
(芯:ポリプロピレン、鞘:エチレンビニルアルコー
ル:大和紡績製)、水中溶解温度が70℃のビニロンバ
インダー繊維(VPB107×1:クラレ製)を各々
0.5:47:46.5:6の比率で配合し、分散濃度
0.2%で30分間分散した後、乾燥重量で60g/m2
なるように円網抄紙機で抄紙後、表面温度130℃のシ
リンダードライヤーで乾燥し、濾材を得た。
【0042】比較例2 2m3 の分散タンクにベタイン型両性界面活性剤(デイ
スグランB、大和化学社製)を全ガラス繊維に対して
0.5%になるように添加した後、平均繊維径約0.6
5μmの極細ガラス繊維(シュラー社製、#106)と
平均繊維径約6μmのガラス繊維(ユニチカ社製)を1
5:85の比率で配合し、分散濃度0.2%で5分間分
散した後、さらにアクリル酸ソーダ系アニオン性界面活
性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)をベ
タイン型両性界面活性剤と同量添加し25分間攪拌し
た。その後、アニオン性のポリアクリルアミド系粘剤を
ガラス繊維に対して1%になるように添加し、乾燥重量
で66.7g/m2になるように円網抄紙機で抄紙後、得ら
れた湿紙の状態のガラス繊維シートに対して固形分で5
%になるように水溶性ポリアクリルアミド紙力剤(ポリ
ストロンPS677、荒川化学社製)をサイズプレスで
塗布し、エアドライヤーで乾燥させ濾材を得た。
【0043】比較例3 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、ポリプロピ
レン繊維(繊維径約7μm)(PZ0.5デニール、5
mm:大和紡績製)、複合繊維のNBF−E(芯:ポリ
プロピレン、鞘:エチレンビニルアルコール:大和紡績
製)、水中溶解温度が70℃のビニロンバインダー繊維
(VPB107×1:クラレ製)を各々50:44:6
の比率で配合し、分散濃度0.2%で30分間分散した
後、乾燥重量で60g/m2になるように円網抄紙機で抄紙
後、表面温度130℃のシリンダードライヤーで乾燥
し、濾材を得た。
【0044】比較例4 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約
0.3μmのガラス繊維(#100、シュラー社製)、
ポリプロピレン繊維(繊維径約7μm)(PZ0.5デ
ニール、5mm:大和紡績製)、複合繊維のNBF−E
(芯:ポリプロピレン、鞘:エチレンビニルアルコー
ル:大和紡績製)、水中溶解温度が70℃のビニロンバ
インダー繊維(VPB107×1:クラレ製)を各々2
2:40:32:6の比率で配合し、分散濃度0.2%
で30分間分散した後、乾燥重量で60g/m2になるよう
に円網抄紙機で抄紙後、表面温度130℃のシリンダー
ドライヤーで乾燥し、濾材を得た。
【0045】上記の実施例1〜7および比較例1〜4で
作製した濾材について、下記の評価方法により評価し、
その結果を下記表1に示した。
【0046】[圧力損失]圧力損失(mmH2O)は、
JIS B9908に準じて測定され、濾材に空気を風
速5.3cm/秒で通気させた時の通気抵抗を測定し
た。
【0047】[捕集効率]捕集効率(%)は、DOPエ
アロゾル(フタル酸ジオクチル、粒径0.3μm)粒子
を発生させ、この粒子を含有する空気を風速5.3cm
/秒で通気させ、濾材の前後で空気をサンプリングし、
それぞれの粒子濃度をマルチダストカウンターで測定し
下記数1より算出した。
【0048】
【数1】捕集効率={(濾過前の粒子数−濾過後の粒子
数)/濾過前の粒子数}×100
【0049】[引張強度]引張強度(kg/25mm)
は、濾材を縦方向に巾25mm、長さ160mmに裁断
し、テンシロン測定機(オリエンテック社製、HTM−
100)を用いて測定し、6回の測定値の平均値を示し
た。
【0050】[シリンダードライヤーからの剥離状態]
シリンダードライヤーからの剥離状態は、濾材がシリン
ダードライヤーから離れる際の濾材の表面剥離、層間剥
離を観察した。
【0051】[フィルター加工性]フィルター加工性
は、濾材を蛇腹状にひだ折りしてユニットに組み込む際
の作業性を示す。
【0052】[焼却後の灰分]焼却後の灰分(%)は、
濾材を900℃の電気炉で2時間加熱焼却させる前後の
重量から下記数2より算出した。
【0053】
【数2】灰分=(焼却後の濾材の重量/焼却前の濾材の
重量)×100
【0054】
【表1】
【0055】上記実施例1〜7で作製した濾材は、シリ
ンダードライヤーから離れる際に表面剥離、層間剥離を
起こさず、かつ腰があるために剛直な不織布などと貼り
合わせることなくフィルターに加工できた。
【0056】比較例1の濾材は、シリンダードライヤー
から離れる際に濾材表面の繊維がシリンダードライヤー
に貼り付き、表面剥離を起こし目標とした坪量に合わせ
ることが困難であった。また、シリンダードライヤーへ
の濾材の貼り付きによって紙切れが多発し、連続操業が
困難であった。また、目標の坪量に合った濾材でフィル
ターに加工したが、腰がなく隣接した濾材同志がくっつ
いてしまった。
【0057】比較例2の濾材は、シリンダードライヤー
を使用しないでエアドライヤーを使用しているため、濾
材の貼り付きなどの問題はないものの、ガラス繊維を主
体としているために、焼却後の灰分が約95%であり焼
却してもほとんど減容しないことから今後の環境への問
題を残す。
【0058】比較例3の濾材は、ガラス繊維を全く使用
していないために捕集効率が低かった。また、比較例4
の濾材は、ガラス繊維の配合量が22重量%と多く、灰
分が20重量%を超え、また圧力損失も高かった。
【0059】
【発明の効果】特定のガラス繊維、ポリプロピレン繊
維、複合繊維、ならびにビニロンバインダー繊維で構成
された本発明の濾材は、製造時における乾燥工程でシリ
ンダードライヤーの表面への濾材の貼り付き、濾材の層
間剥離、表面剥離などのトラブルを抑えることができ、
作製した濾材は、捕集効率に優れ、引張強度が良好であ
り、ビニロンバインダー繊維に起因して腰があって単独
でフィルターに組み込むことができる。さらに、ガラス
繊維の配合比率を20重量%以下にしているため、濾材
を焼却した後の重量が20重量%以下となり、不燃ゴミ
を減量できるために今後の環境問題に対応できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 13/16 13/40 15/10 D21H 5/20 C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維径0.1〜1μmのガラス繊維、ポ
    リプロピレン繊維、熱可塑性成分をその一部として含有
    するポリオレフィン系複合繊維、ならびに65重量%以
    上ビニルアルコール単位を含有する長鎖状合成高分子
    で、水中溶解温度が50〜100℃であるビニロンバイ
    ンダー繊維で構成され、且つ濾材中におけるガラス繊維
    およびビニロンバインダー繊維の配合比率が、それぞれ
    0.5〜20重量%、0.5〜10重量%であることを
    特徴とする濾材。
  2. 【請求項2】 繊維径0.1〜1μmのガラス繊維、ポ
    リプロピレン繊維、熱可塑性成分をその一部として含有
    するポリオレフィン系複合繊維、ならびに65重量%以
    上ビニルアルコール単位を含有する長鎖状合成高分子
    で、水中溶解温度が50〜100℃であるビニロンバイ
    ンダー繊維を水と共に混合して抄紙スラリーとし、該抄
    紙スラリーを用いて湿式抄紙した後、シリンダードライ
    ヤーで乾燥することを特徴とする濾材の製造方法。
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