JP2000336568A - 不織布及びそれを用いた濾過材 - Google Patents

不織布及びそれを用いた濾過材

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JP2000336568A
JP2000336568A JP32429399A JP32429399A JP2000336568A JP 2000336568 A JP2000336568 A JP 2000336568A JP 32429399 A JP32429399 A JP 32429399A JP 32429399 A JP32429399 A JP 32429399A JP 2000336568 A JP2000336568 A JP 2000336568A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不織布の孔径分布が狭く、地合いに優れ、所
望性能を有する不織布を提供すること、及び孔径分布が
狭く、地合いに優れ、所望性能を有する濾過材を提供す
ること。 【解決手段】 本発明の不織布は、実質的にフィブリル
化していない、繊維径20μm未満の繊維から製造され
た不織布であり、前記繊維として、繊維径が4μm以下
の極細繊維と、繊維径が8μm以上、20μm未満の接
着した接着性繊維とを含み、しかも前記不織布の最大孔
径が平均流量孔径の2倍以下のものである。本発明の濾
過材は、上記のような不織布を含むものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不織布及びそれを用
いた濾過材に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、濾過材として不織布からなるも
のが知られている。濾過材は不要な固形物を分離する働
きをするが、濾過できる固形物の大きさが一定であるの
が好ましいため、濾過材の孔径はできるだけ均一である
のが好ましい。そのため、不織布の中でも湿式法により
形成した不織布が好適である。
【0003】このような湿式不織布として、例えば、特開平
2−6651号公報、特開平3−14694号公報、特
開平4−222263号公報、特開平4−240253
号公報、特開平4−316653号公報などには、湿式
法により形成した繊維ウエブに水流を噴出して絡合させ
た不織布が開示されている。この水流の噴出は不織布に
強度を付与するために行っているが、この水流を噴出す
ることによって、均一であった繊維ウエブの地合いが乱
されるため、不織布の孔径分布が大きくなってしまい、
所望の濾過性能が得られない、という問題があった。
【0004】また、特開昭63−232814号公報や特開
平3−12208号公報には、フィブリル化した繊維を
含む湿式法により形成した不織布が開示されている。こ
のフィブリル化した繊維を使用することにより、繊維同
士を結合させて緻密性を向上させることができる、と期
待できる。しかしながら、フィブリル化した繊維は絡み
やすく、分散浴である水中で均一に分散させることが困
難であるため、地合いの優れる不織布を製造することは
困難であった。また、湿式法により繊維ウエブを形成す
る際に、繊維を抄き上げるワイヤーにフィブリル化した
繊維が絡んでしまい、ワイヤーから繊維ウエブを引き剥
がす際に地合いが悪くなったり、ワイヤーに繊維が残っ
てしまうため、所望の性能を有する不織布を製造するこ
とが困難であった。
【0005】更に、特開昭59−228918号公報には、
平均繊維径が0.1〜3μmの小径繊維と、繊維径5〜
15μmの中径繊維及び繊維径20〜50μmの大径繊
維を、それぞれ20重量%以上含む湿式不織布が開示さ
れている。しかしながら、この湿式不織布においては、
大径繊維を使用していることによって繊維の配列が乱さ
れるため、大径繊維の付近において大きな孔が形成され
るなど、不織布の孔径分布が大きくなってしまい、所望
の濾過性能が得られない、という問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、不織布の孔径分
布が狭く、地合いに優れ、所望性能を有する不織布を提
供することを目的とし、孔径分布が狭く、地合いに優
れ、所望性能を有する濾過材を提供することも目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の不織布は、実質
的にフィブリル化していない、繊維径20μm未満の繊
維から製造された不織布であり、前記繊維として、繊維
径が4μm以下の極細繊維と、繊維径が8μm以上、2
0μm未満の接着した接着性繊維とを含み、しかも前記
不織布の最大孔径が平均流量孔径の2倍以下のものであ
る。このように、本発明においては、実質的にフィブリ
ル化していない繊維を使用することによって、従来生じ
ていた、分散浴での分散性及びワイヤーへの絡みを解決
し、地合いに優れ、所望性能の不織布を得ることを可能
とした。なお、フィブリル化した繊維の使用や水流を噴
出することによる結合を、接着性繊維を接着させること
により解決した。また、繊維径20μm未満の比較的細
い繊維から構成し、また接着性繊維を接着させて固定す
ることにより、最大孔径が平均流量孔径の2倍以下とい
う、水流を噴出させた場合には得ることのできない、孔
径分布の狭い不織布とした。
【0008】本発明の濾過材は、上記のような不織布を含ん
だものである。そのため、孔径分布が狭く、濾過性能の
優れるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の不織布は製造時における
均一分散性及びワイヤーへの絡みつきがないように、実
質的にフィブリル化していない繊維から製造される。こ
の「フィブリル化していない繊維」とは、複数の繊維が
結合していない繊維を意味し、例えば、一本の繊維から
無数の繊維が枝分かれした状態の繊維(例えば、ビータ
ーなどによって叩解した繊維、パルプなど)や、複数の
繊維が既に結合してネットワーク状態にある繊維(例え
ば、フラッシュ紡糸法により得られる繊維)ではないこ
とを意味する。
【0010】本発明の不織布は、太い繊維が混在しているこ
とによって、繊維の配列が乱されることがないように、
繊維径20μm未満の繊維(より好ましくは、繊維径1
8μm以下の繊維)から製造されている。なお、本発明
における繊維径とは、繊維の断面形状が円形である場合
には、その直径をいい、繊維の断面形状が非円形である
場合には、円形断面に換算した際の直径をいう。
【0011】より具体的には、本発明の不織布は、繊維径が
4μm以下の極細繊維と、繊維径が8μm以上、20μ
m未満の接着性繊維とを含んでいる。前者の極細繊維は
均一に分散して、主として均一な孔径を形成する働きを
するため、繊維径は4μm以下である必要がある。な
お、繊維ウエブを製造する際に極細繊維が流出すること
なく、設計通りに不織布を製造できるように、繊維径は
0.1μm以上であるのが好ましい。極細繊維のより好
ましい繊維径は0.3μm以上、4μm以下であり、
0.5μm以上、3μm以下であるのが更に好ましく、
0.75μm以上、3μm以下であるのが最も好まし
い。
【0012】上記のように極細繊維には均一な孔径を形成す
る働きがあるため、極細繊維の繊維径はほぼ同じである
のが好ましい。つまり、極細繊維の繊維径分布の標準偏
差値を、極細繊維の繊維径の平均値で除した値が0.2
以下(好ましくは0.18以下)であるのが好ましい。
なお、極細繊維の繊維径が全て同じである場合は標準偏
差値が0になるため、極細繊維の繊維径分布の標準偏差
値を、極細繊維の繊維径の平均値で除した値の下限値は
0である。この極細繊維の繊維径の平均値は、不織布の
電子顕微鏡写真を撮影し、この電子顕微鏡写真における
100本以上(n本)の極細繊維の繊維径を計測した、
その平均値をいい、標準偏差値は計測した繊維径(χ)
を次の式から算出した値をいう。なお、前記繊維径の範
囲内(つまり、4μm以下)にある極細繊維が2種類以
上存在する場合には、各々の極細繊維について、上記の
関係が成立するのが好ましい。 標準偏差={(nΣχ2−(Σχ)2)/n(n−1)}
1/2 n:測定した極細繊維の本数、χ:それぞれの極細繊維
の繊維径
【0013】また、均一な孔径を有する不織布を形成できる
ように、極細繊維はその繊維軸方向において実質的に同
じ直径を有しているのが好ましい。
【0014】上記のような好適であるほぼ同じ繊維径を有す
る極細繊維は、例えば、紡糸口金部で海成分中に口金規
制して島成分を押出して複合する方法などの複合紡糸法
で得られる海島型繊維の海成分を溶解除去することによ
り得ることができる。なお、一般的に混合紡糸法といわ
れる、島成分を構成する樹脂と海成分を構成する樹脂と
を混合した後に紡糸する方法によって得られた海島型繊
維の海成分を溶解除去することによっては、ほぼ同じ繊
維径を有する極細繊維を得ることは困難である。
【0015】この極細繊維を構成する樹脂は特に限定される
ものではないが、例えば、ナイロン6、ナイロン66、
ナイロン系共重合体などのポリアミド、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレート系共重合
体、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート系共重合体などのポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテ
ン、オレフィン系共重合体などのポリオレフィン、ポリ
ウレタン、ビニル重合体などの合成樹脂1種類以上から
構成することができる。
【0016】なお、極細繊維が接着に関与できる樹脂成分
(以下、「接着成分」ということがある)を含み、この
接着成分により接着していると、確実に極細繊維を固定
することができ、極細繊維の脱落や毛羽立ちが発生しに
くいため好適な実施態様である。この極細繊維を接着さ
せる場合、極細繊維は前述のような樹脂からなる接着成
分のみから構成されていることもできるし、接着成分
と、この接着成分の融点よりも高い融点を有する成分
(以下、「非接着成分」ということがある)の2種類以
上の成分から構成されていることもできる。これらの中
でも、後者のように接着成分と非接着成分の2種類以上
の成分から構成されていると、極細繊維を接着させても
繊維形態を維持して、極細繊維の本来の働きである、均
一な孔径の形成を妨げにくいため、より好適である。極
細繊維が2種類以上の成分から構成されている場合、接
着成分は接着に関与できるように、極細繊維表面の少な
くとも1部を占めている(極細繊維の断面形状として
は、例えば、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海
島型、オレンジ型、多重バイメタル型など)のが好まし
く、極細繊維表面の全体(極細繊維の断面形状が芯鞘
型、偏芯型、海島型など)を接着成分が占めているのが
より好ましい。他方、非接着成分は極細繊維形状を維持
できるように、接着成分の融点よりも10℃以上高いの
が好ましく、20℃以上高いのがより好ましい。なお、
後述の接着性繊維を接着する際の温度によっても極細繊
維形状を維持できるように、非接着成分は接着性繊維を
接着する際の温度よりも10℃以上高い融点を有するの
が好ましく、20℃以上高い融点を有するのがより好ま
しい。この好適である接着成分と非接着成分の少なくと
も2種類以上の樹脂成分からなる極細繊維は、常法の複
合紡糸法により紡糸する際に、島成分を押し出す口金と
して、前述のような断面形状(例えば、芯鞘型、偏芯
型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バ
イメタル型など)を形成できるものを使用して海島型繊
維を紡糸し、海成分を除去することにより得ることがで
きる。
【0017】本発明における「融点」は示差走査熱量計を用
い、昇温温度10℃/分で、室温から昇温して得られる
融解吸熱曲線の極大値を与える温度をいう。なお、極大
値が2つ以上ある場合には、最も高温の極大値を融点と
する。
【0018】また、極細繊維は前述のような接着性を有する
以外に、巻縮発現性、分割性などの性能を有するもので
あっても良い。前者の場合、極細繊維の断面形状が偏芯
型又はサイドバイサイド型であるように、2種類以上の
樹脂成分が配置しているものを使用でき、後者の場合、
極細繊維の断面形状が海島型、オレンジ型或いは多重バ
イメタル型であるように、2種類以上の樹脂成分が配置
しているものを使用できる。
【0019】なお、後述のように、極細繊維は均一分散しや
すいように、自由度の高い短繊維であるのが好ましい
が、極細繊維又は海島型繊維を紡糸した後に裁断する際
に極細繊維同士又は島成分同士が圧着してしまうと、フ
ィブリル化した繊維と同様の状態となり、孔径分布の狭
い、地合いの優れる不織布を得ることは困難であるた
め、裁断する際に極細繊維同士又は島成分同士が圧着し
にくい極細繊維又は海島型繊維を使用するのが好まし
い。このような圧着しにくい極細繊維又は海島型繊維と
しては、例えば、結晶性の高い極細繊維(海島型繊維の
場合には島成分)がある。より具体的には、極細繊維
(海島型繊維の場合には島成分)がポリメチルペンテン
を含んでいたり、ポリプロピレンを含んでいる場合に
は、そのポリプロピレンの融点は166℃以上(好まし
くは168℃以上)であるのが好ましい。
【0020】他方の接着性繊維は極細繊維と接着して極細繊
維を固定するとともに、主として不織布に強度を付与す
るため、極細繊維よりも太く、繊維径が8μm以上であ
る必要がある。また、繊維ウエブを形成する際に、接着
性繊維によって極細繊維の配列が乱されないように、繊
維径が20μm未満である必要がある。より好ましくは
8μm以上、18μm以下である。
【0021】この接着性繊維は単一成分からなるものであっ
ても良いが、接着後においても繊維形態を維持して強度
的に優れるように、2種類以上の樹脂からなるのが好ま
しい。この2種類以上の樹脂の配置状態としては、例え
ば、繊維断面形状が芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド
型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型などがあ
る。これらの中でも、接着に関与できる樹脂、つまり接
着成分の多い芯鞘型、偏芯型、又は海島型であるのが好
ましい。このような接着性繊維は常法の複合紡糸法又は
混合紡糸法により容易に紡糸できるし、市販もされてい
るため容易に入手できる。
【0022】この接着性繊維は極細繊維と同様の樹脂から構
成することができるが、極細繊維を接着させない場合に
は、接着性繊維を接着させる際の熱によって極細繊維ま
でも溶融させることがないように、接着性繊維の接着成
分の融点は極細繊維のいずれの樹脂成分の融点よりも1
0℃以上低いのが好ましく、20℃以上低いのがより好
ましい。他方、極細繊維の接着成分も接着させる場合に
は、接着性繊維の接着と極細繊維の接着とを両方とも実
施できるように、接着性繊維の接着成分と極細繊維の接
着成分の融点差が35℃以内であるのが好ましく、30
℃以内であるのがより好ましい。なお、接着性繊維の接
着成分の融点と極細繊維の融点(複数の極細繊維が存在
する場合には、接着性繊維の接着成分の融点に最も近い
融点)との差が10℃以上、35℃以内である場合に
は、極細繊維を接着させないこともできるし、極細繊維
を接着させることもできる。また、極細繊維が接着成分
と非接着成分とを含む場合には、極細繊維が形状を維持
できるように、接着性繊維の接着成分の融点は極細繊維
の非接着成分の融点よりも10℃以上低いのが好まし
く、20℃以上低いのがより好ましい。更に、接着性繊
維が2種類以上の樹脂成分からなる場合には、接着性繊
維を接着させる際の熱によっても接着性繊維が繊維形状
を維持できるように、接着成分以外の樹脂成分の融点は
接着成分の融点よりも10℃以上高いのが好ましく、2
0℃以上高いのがより好ましい。
【0023】本発明の不織布は前述のような極細繊維及び接
着性繊維を含んでおり、これらの繊維の質量比率は不織
布の目的、用途、要求物性などによって適宜変化する
が、(極細繊維):(接着性繊維)=30〜70:70
〜30であるのが好ましい。極細繊維量が30mass
%以上であれば、孔径分布の狭い不織布を得るのが容易
であり、他方、接着性繊維量が30mass%以上であ
れば、十分に極細繊維を固定することができるため極細
繊維の脱落が生じず、しかも不織布に強度を付与するこ
とができるためで、(極細繊維):(接着性繊維)=3
5〜65:65〜35であるのがより好ましい。なお、
これらの質量比率は不織布質量全体に対する比率をい
う。
【0024】なお、本発明の不織布は極細繊維及び接着性繊
維以外に、繊維径が4μmを越え、8μm未満の繊維を
含んでいることもできる。この繊維径が4μmを越え、
8μm未満の繊維の含有量は極細繊維及び接着性繊維と
の関係から、40mass%以下であるのが好ましく、
30mass%以下であるのがより好ましい。つまり、
(極細繊維):(接着性繊維):(4μmを越え、8μ
m未満の繊維)=30〜70:70〜30:0〜40で
あるのが好ましく、(極細繊維):(接着性繊維):
(4μmを越え、8μm未満の繊維)=35〜65:6
5〜35:0〜30であるのがより好ましい。
【0025】なお、本発明の不織布を構成する繊維(例え
ば、極細繊維、接着性繊維など)は、未延伸状態にある
こともできるが、不織布の強度などの点から延伸状態に
あるのが好ましい。また、本発明の不織布を構成する繊
維(例えば、極細繊維、接着性繊維など)の繊維長は特
に限定するものではないが、繊維長が短いほど繊維の自
由度が高く、均一に分散させることが可能であること、
及び繊維を均一に分散させやすい湿式法により繊維ウエ
ブを形成する場合には、繊維長が短い方が好適であるこ
とから、繊維長は0.5〜30mmであるのが好まし
い。より好ましくは、不織布を構成する繊維(例えば、
極細繊維、接着性繊維など)は繊維長が0.5〜30m
mに裁断されている。なお、繊維長はJIS L 10
15(化学繊維ステープル試験法)B法(補正ステープ
ルダイヤグラム法)により得られる長さをいう。
【0026】本発明の不織布は前述のような繊維から構成さ
れた、最大孔径が平均流量孔径の2倍以下(より好まし
くは1.9倍以下)の、孔径分布の狭いものである。な
お、理想的には最大孔径が平均流量孔径の1倍、つまり
全孔径が同じ大きさである。この平均流量孔径はAST
M−F316に規定されており、ポロメータ(コールタ
ー社製)を用いてミーンフローポイント法により測定さ
れる値であり、最大孔径はポロメータ(コールター社
製)を用いてバブルポイント法により測定される値であ
る。
【0027】また、この不織布を構成する繊維(極細繊維や
接着性繊維など)が実質的に二次元的に配置している
と、繊維の配置が規則的であることによって、より一層
孔径分布を狭くすることができるため好適な態様であ
る。なお、「繊維が実質的に二次元的に配置している」
とは、不織布の厚さ方向に向いた繊維が実質的に配置し
ていない状態をいい、例えば、湿式法により形成した繊
維ウエブに対して、水流などの流体流を作用させること
なく、接着性繊維によって接着した場合に得ることので
きる状態である。
【0028】本発明の不織布は例えば次のようにして製造す
ることができる。まず、少なくとも極細繊維と接着性繊
維とを用意する。この極細繊維として、繊維径がほぼ同
じもの、つまり、極細繊維の繊維径分布の標準偏差値
を、極細繊維の繊維径の平均値で除した値が0.2以下
(好ましくは0.18以下、0以上)の極細繊維を使用
することにより、孔径分布の狭い分離性能などに優れる
不織布を製造しやすくなる。なお、湿式法により繊維ウ
エブを形成するのが好ましいため、繊維長0.5〜30
mmの繊維(極細繊維、接着性繊維など)を用意する。
また、裁断する際に圧着しにくい繊維(極細繊維、接着
性繊維など)を使用すると、繊維の分散性が向上して、
孔径分布の狭い分離性能などに優れる不織布を製造しや
すくなる。
【0029】次いで、これらの繊維を使用して、常法の湿式
法により繊維ウエブを形成する。本発明において使用す
る繊維は実質的にフィブリル化していないため、分散浴
である水中に均一に分散させることができ、また繊維を
抄き上げるワイヤーに繊維が絡みつくということもない
ため、地合いの優れる、所望の不織布を製造することが
できる。この繊維ウエブを形成する際、繊維の均一な分
散状態を維持するために増粘剤を加えたり、水と繊維と
の親和性を高めるために界面活性剤を加えたり(特に、
水との親和性の低い樹脂成分からなる繊維(極細繊維、
接着性繊維など)を用いる場合)、攪拌等によって生じ
る気泡を取り除くために消泡剤を加えると、繊維の分散
性が向上して、孔径分布の狭い分離性能などに優れる不
織布を製造しやすくなる。
【0030】次いで、この繊維ウエブを乾燥すると同時、又
は乾燥した後に、接着性繊維の接着成分が接着可能(場
合により極細繊維の接着成分も接着可能)な熱(必要に
より圧力も)を作用させることにより、接着性繊維の接
着成分(場合により極細繊維の接着成分も)を接着し
て、本発明の不織布を得ることができる。このように繊
維ウエブに水流などの流体流を作用させることなく、接
着性繊維の接着成分(場合により極細繊維の接着成分
も)を接着させて不織布を製造すると、繊維が三次元的
に配置しておらず二次元的に配置した状態にあるため、
孔径分布の狭い分離性能などに優れる不織布を製造しや
すくなる。
【0031】本発明の不織布は上述のように、地合いが優
れ、孔径分布が狭いものであるため、濾過材として好適
に使用することができる。この濾過材は気体中から固形
物を分離する気体フィルタの濾過材として、又は液体中
から固形物を分離する液体フィルタの濾過材として使用
することができる。これらの中でも、特に液体フィルタ
の濾過材として使用するのが好ましい。なお、濾過材と
して使用する場合には、濾過材の密度を高めたり、表面
を平滑化させるために、カレンダー処理を行ったり、親
水性を付与又は高めるための物理的又は化学的処理を行
ったり、或いは界面活性剤(例えば、アセチレングリコ
ールなど)の付着処理などの後処理を行うのが好まし
い。また、濾過材の面密度は5〜200g/m2程度で
あるのが好ましく、厚さは0.005〜2mm程度であ
るのが好ましく、見掛密度は0.2〜0.7g/cm3
程度であるのが好ましい。
【0032】なお、濾過材はどのような態様で使用しても良
く、例えば、平板状のまま使用することもできるし、ジ
グザグ状に折り加工して使用することもできる。また、
上述のような濾過材単独ではなく、粗密差を設けるな
ど、他の濾過材やスペーサー材と組み合わせて使用する
こともできる。更に、カートリッジフィルタの濾過材と
して使用する場合には、多孔筒の周囲に巻回しても良い
し、ジグザグ状に折り加工したものを多孔筒の周囲に配
置しても良いし、これらを併用しても良い。
【0033】本発明の不織布は上述のような濾過材用途以外
にも、孔径分布が狭く、地合いも優れているため、電池
用セパレータ(例えば、リチウムイオン二次電池、ニッ
ケル水素二次電池、ニッケルカドミウム二次電池な
ど)、清掃布、医療用覆布、透湿防水布、芯地、衣料用
表地、合成皮革用基布、銀面調人工皮革用基布などの各
種用途に好適に使用することができる。なお、本発明の
不織布を染色処理、顔料による着色処理、起毛処理、ラ
ミネート処理、成形加工、エンボス処理、撥水処理、親
水化処理、エレクトレット化処理、機能性物質の付着処
理(例えば、界面活性剤、親水化剤、撥水剤など)、或
いは化学的又は物理的表面処理を実施することによっ
て、各種機能を付加して、各種用途に適合させることが
できる。
【0034】以下に、本発明の実施例を記載するが、以下の
実施例に限定されるものではない。
【0035】
【実施例】(実施例1)海島型繊維として、ポリ−L−
乳酸(以下、「PLLA」と表記する)からなる海成分
中に、ポリプロピレンからなる島成分が25個存在す
る、複合紡糸法により得た繊維(繊度1.5デニール、
繊維長3mm)を用意した。次いで、この海島型繊維
を、温度80℃、10mass%水酸化ナトリウム水溶
液からなる浴中に30分間浸漬し、海島型繊維の海成分
であるPLLAを抽出除去して、ポリプロピレン極細繊
維(平均繊維径1.8μm、繊維径分布の標準偏差値
0.15、融点:172℃、繊維長3mm、フィブリル
化していない、延伸されている)を得た。
【0036】他方、接着性繊維として、芯成分がポリプロピ
レン(融点:158℃)からなり、鞘成分(接着成分)
が高密度ポリエチレン(融点:131℃)からなる芯鞘
型複合繊維(繊維径11.8μm、繊維長10mm、フ
ィブリル化していない、延伸されている)を用意した。
【0037】次いで、前記ポリプロピレン極細繊維と接着性
繊維とを、質量比50:50で水からなる分散浴に分散
させ、角型手抄き抄紙機により抄造した後、温度140
℃で乾燥すると同時に接着性繊維の接着成分のみを接着
して、繊維が実質的に二次元的に配置している不織布を
製造した。この不織布の最大孔径及び平均流量孔径は表
1に示す通りであった。
【0038】
【表1】
【0039】(実施例2)海島型繊維として、PLLAから
なる海成分中に、ポリプロピレンからなる島成分が25
個存在する、複合紡糸法により得た繊維(繊度4.9デ
ニール、繊維長5mm)を用意した。次いで、この海島
型繊維を、温度80℃、10mass%水酸化ナトリウ
ム水溶液からなる浴中に30分間浸漬して、海島型繊維
の海成分であるPLLAを抽出除去して、ポリプロピレ
ン極細繊維(平均繊維径3.8μm、繊維径分布の標準
偏差値0.21、融点:167℃、繊維長5mm、フィ
ブリル化していない、延伸されている)を得た。
【0040】このポリプロピレン極細繊維を50mass%
使用したこと以外は実施例1と全く同様に、繊維ウエブ
の抄造及び接着性繊維の接着成分のみを接着して、繊維
が実質的に二次元的に配置した不織布を製造した。この
不織布の最大孔径及び平均流量孔径は表1に示す通りで
あった。
【0041】(実施例3)海島型繊維として、5−スルホイ
ソフタル酸を共重合成分とするポリエチレンテレフタレ
ートからなる海成分中に、ポリメチルペンテンからなる
島成分が61個存在する、複合紡糸法により得た繊維
(繊度1.5デニール、繊維長3mm)を用意した。次
いで、この海島型繊維を、温度80℃、10mass%
水酸化ナトリウム水溶液からなる浴中に40分間浸漬し
て、海島型繊維の海成分である共重合ポリエステルを抽
出除去して、ポリメチルペンテン極細繊維(平均繊維径
1μm、繊維径分布の標準偏差値0.15、融点:23
4℃、繊維長3mm、フィブリル化していない、延伸さ
れている)を製造した。
【0042】このポリメチルペンテン極細繊維を50mas
s%使用したこと以外は実施例1と全く同様に、繊維ウ
エブの抄造及び接着性繊維の接着成分のみを接着して、
繊維が実質的に二次元的に配置した不織布を製造した。
この不織布の最大孔径及び平均流量孔径は表1に示す通
りであった。
【0043】(実施例4)海島型繊維として、PLLAから
なる海成分中に、ポリプロピレンからなる島成分が25
個存在する、複合紡糸法により得た繊維(繊度1.3デ
ニール、繊維長3mm)を用意した。次いで、この海島
型繊維を、温度80℃、10mass%水酸化ナトリウ
ム水溶液からなる浴中に30分間浸漬して、海島型繊維
の海成分であるPLLAを抽出除去して、ポリプロピレ
ン極細繊維(平均繊維径1.4μm、繊維径分布の標準
偏差値0.12、融点:172℃、繊維長3mm、フィ
ブリル化していない、延伸されている)を製造した。
【0044】他方、接着性繊維として、芯成分がポリプロピ
レン(融点:164℃)からなり、鞘成分(接着成分)
が低密度ポリエチレン(融点:105℃)からなる芯鞘
型複合繊維(繊維径17.5μm、繊維長10mm、フ
ィブリル化していない、延伸されている)を用意した。
【0045】次いで、前記ポリプロピレン極細繊維と接着性
繊維とを、質量比5:5で水からなる分散浴に分散さ
せ、角型手抄き抄紙機により抄造した後、温度140℃
で乾燥すると同時に接着性繊維の接着成分のみを接着し
て、繊維が実質的に二次元的に配置している不織布を製
造した。この不織布の最大孔径及び平均流量孔径は表1
に示す通りであった。
【0046】(実施例5)海島型繊維として、5−スルホイ
ソフタル酸を共重合成分とするポリエチレンテレフタレ
ートからなる海成分中に、ポリメチルペンテンが高密度
ポリエチレン中に混在してなる島成分が25個存在す
る、複合紡糸法により得た繊維(繊度2デニール、繊維
長3mm)を用意した。次いで、この海島型繊維を、温
度80℃、10mass%水酸化ナトリウム水溶液から
なる浴中に45分間浸漬して、海島型繊維の海成分であ
る共重合ポリエチレンテレフタレートを抽出除去して、
高密度ポリエチレン(海成分、融点:126.7℃)中
にポリメチルペンテン(島成分、融点:232.3℃)
が混在した海島型極細繊維(平均繊維径1.3μm、繊
維径分布の標準偏差値0.11、繊維長3mm、フィブ
リル化していない、延伸されている)を得た。
【0047】この海島型極細繊維を50mass%使用した
こと以外は実施例1と全く同様に、繊維ウエブの抄造、
次いで接着性繊維の接着成分及び海島型極細繊維の接着
成分(高密度ポリエチレン)を接着して、繊維が実質的
に二次元的に配置した不織布を製造した。この不織布の
最大孔径及び平均流量孔径は表1に示す通りであった。
なお、この不織布の表面を電子顕微鏡写真により観察す
ると、いずれの繊維(接着性繊維及び海島型極細繊維)
の交点も接着されており、この不織布の表面を手で擦っ
ても毛羽立ちが発生しないものであった。
【0048】(比較例1)実施例4と同じポリプロピレン極
細繊維と接着性繊維とを、7:3の質量比で使用したこ
と以外は、実施例4と全く同様にして不織布を製造し
た。次いで、この不織布に対して、径0.3mm、ピッ
チ0.6mmで一列に配列したノズルプレートから、
0.3MPaの圧力で水流を噴出し、不織布の両面を交
互に2回づつ処理して、繊維が実質的に三次元的に絡合
した不織布を製造した。この不織布の最大孔径及び平均
流量孔径は表1に示す通りであった。
【0049】(比較例2)接着性繊維として、芯成分がポリ
プロピレン(融点:162℃)からなり、鞘成分(接着
成分)が高密度ポリエチレン(融点:132℃)からな
る芯鞘型複合繊維(繊維径23.3μm、繊維長10m
m、フィブリル化していない、延伸されている)を50
mass%使用したこと以外は、実施例1と全く同様
に、繊維ウエブの抄造及び接着性繊維の接着成分のみを
接着して、繊維が実質的に二次元的に配置している不織
布を製造した。この不織布の最大孔径及び平均流量孔径
は表1に示す通りであった。
【0050】(比較例3)海島型繊維として、PLLAから
なる海成分中に、ポリプロピレンからなる島成分が25
個存在する、複合紡糸法により得た繊維(繊度3.4デ
ニール、繊維長3mm)を用意した。次いで、この海島
型繊維を、温度80℃、10mass%水酸化ナトリウ
ム水溶液からなる浴中に30分間浸漬して、海島型繊維
の海成分であるPLLAを抽出除去して、ポリプロピレ
ン極細繊維(平均繊維径3μm、繊維径分布の標準偏差
値0.19、融点:168℃、繊維長3mm、フィブリ
ル化していない、延伸されている)を得た。
【0051】他方、接着性繊維として、芯成分がポリプロピ
レン(融点:158℃)からなり、鞘成分(接着成分)
が高密度ポリエチレン(融点:131℃)からなる芯鞘
型複合繊維(繊維径11.8μm、繊維長10mm、フ
ィブリル化していない、延伸されている)を用意した。
【0052】更に、フィブリル化した微細繊維として、アラ
ミド微細繊維(KY400S、ダイセル化学製)を用意
した。
【0053】次いで、前記ポリプロピレン極細繊維、接着性
繊維及びアラミド微細繊維とを、質量比3:5:2で水
からなる分散浴に分散させ、角型手抄き抄紙機により抄
造した後、温度140℃で乾燥すると同時に接着性繊維
の接着成分のみを接着して、繊維が実質的に二次元的に
配置している不織布を製造した。しかしながら、この不
織布は抄紙ワイヤーに繊維が絡み付くなどして、投入し
た繊維質量に対して抄き上げられた質量の少ないもので
あり、しかも繊維の分布も斑になった地合いの悪いもの
であった。
【0054】表1から明らかなように、本発明の不織布は最
大孔径が平均流量孔径の2倍以下の孔径分布の狭い、地
合いの優れるものである。
【0055】(実施例6)実施例1で製造した不織布を金属
ロールと樹脂ロールとからなるカレンダーにより、温度
80℃、線圧力1764N/cmの条件下で加圧して、
濾過材を製造した。この濾過材の最大孔径及び平均流量
孔径は表2に示す通りであった。
【0056】
【表2】
【0057】(実施例7)実施例3で製造した不織布を金属
ロールと樹脂ロールとからなるカレンダーにより、温度
80℃、線圧力1764N/cmの条件下で加圧して、
濾過材を製造した。この濾過材の最大孔径及び平均流量
孔径は表2に示す通りであった。
【0058】(実施例8)実施例4で製造した不織布を金属
ロールと樹脂ロールとからなるカレンダーにより、温度
80℃、線圧力1764N/cmの条件下で加圧して、
濾過材を製造した。この濾過材の最大孔径及び平均流量
孔径は表2に示す通りであった。
【0059】(実施例9)実施例5で製造した不織布を金属
ロールと樹脂ロールとからなるカレンダーにより、温度
80℃、線圧力1764N/cmの条件下で加圧して、
濾過材を製造した。この濾過材の最大孔径及び平均流量
孔径は表2に示す通りであった。
【0060】(比較例4)比較例1で製造した不織布を金属
ロールと樹脂ロールとからなるカレンダーにより、温度
80℃、線圧力1764N/cmの条件下で加圧して、
濾過材を製造した。この濾過材の最大孔径及び平均流量
孔径は表2に示す通りであった。
【0061】(通水抵抗の測定)実施例6〜9及び比較例4
の各々の濾過材(有効面積51.5cm2)に対して、
流量1.5L/分で通水した時の圧力損失を測定し、通
水抵抗とした。この通水抵抗は表2に示す通りであっ
た。
【0062】(除去粒子径の測定)JIS11種の塵埃を水
に分散させた濃度10ppmの試験液を均一に攪拌し
た。そして、この試験液に含まれる粒子数を粒度分布測
定器(コールターカウンター MultisizerI
I)を用いて各粒径毎に計測した(A)。次いで、この
試験液を攪拌しながら、実施例6〜9及び比較例4の各
々の濾過材(有効面積:51.5cm2)に対して、流
量1.5L/分で通水させた。そして、通水1分後にお
ける濾液を採取し、この濾液に含まれる粒子数を粒度分
布測定器(コールターカウンター Multisize
rII)を用いて各粒径毎に計測した(B)。その後、そ
れぞれの粒径における捕集効率を次式により算出し、よ
り粒径の大きい塵埃に対して100%の捕集効率を示
し、かつ100%の捕集効率を示す最も小さな粒子径を
その濾過材の除去粒子径とした。この結果も表2に示す
通りであった。 捕集効率(%)={(A−B)/A}×100 A:試験液の粒子数、B:濾液の粒子数
【0063】(濾過寿命の測定)JIS11種の塵埃を水に
分散させた濃度10ppmの試験液を均一に攪拌しなが
ら、実施例6〜9及び比較例4の各々の濾過材(有効面
積:51.5cm2)に対して、流量1.5L/分で通
水させ、初期の圧力損失との差圧が2kg/cm2にな
るまでに処理された総通水量を濾過寿命とした。この結
果も表2に示す通りであった。
【0064】表2から明らかなように、本発明の濾過材は通
水抵抗が低いにもかかわらず、除去粒子径の小さい濾過
性能に優れるばかりでなく、濾過寿命も長いものであっ
た。また、通水抵抗がやや高い場合であっても、除去粒
子径の小さい濾過性能に優れるのは勿論のこと、濾過寿
命も長いものであった。
【0065】
【発明の効果】本発明の不織布は孔径分布が狭く、地合
いも優れたものである。そのため、濾過材として好適に
使用することができる。
フロントページの続き (72)発明者 小林 均 滋賀県守山市勝部四丁目1番11号 日本バ イリーン株式会社内 Fターム(参考) 4D019 AA01 AA03 BA13 BB03 BB05 BD01 DA03 DA06 4L047 AA14 AB02 AB08 BA09 BA21 BB02 CC12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にフィブリル化していない、繊維
    径20μm未満の繊維から製造された不織布であり、前
    記繊維として、繊維径が4μm以下の極細繊維と、繊維
    径が8μm以上、20μm未満の接着した接着性繊維と
    を含み、しかも前記不織布の最大孔径が平均流量孔径の
    2倍以下であることを特徴とする不織布。
  2. 【請求項2】 極細繊維の繊維径分布の標準偏差値を、
    極細繊維の繊維径の平均値で除した値が0.2以下であ
    ることを特徴とする、請求項1記載の不織布。
  3. 【請求項3】 不織布を構成する繊維が実質的に二次元
    的に配置していることを特徴とする、請求項1又は請求
    項2記載の不織布。
  4. 【請求項4】 極細繊維が接着成分を含み、この接着成
    分により接着していることを特徴とする、請求項1〜請
    求項3のいずれかに記載の不織布。
  5. 【請求項5】 極細繊維が接着成分と、この接着成分の
    融点よりも高い融点を有する成分とを含んでおり、この
    接着成分により接着していることを特徴とする、請求項
    1〜請求項3のいずれかに記載の不織布。
  6. 【請求項6】 不織布を構成する繊維の繊維長が0.5
    〜30mmであることを特徴とする、請求項1〜請求項
    5のいずれかに記載の不織布。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
    不織布を含むことを特徴とする濾過材。
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