JP3063074B2 - 混繊不織布 - Google Patents

混繊不織布

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メルトブロー法で
紡糸された極細繊維よりなる混繊不織布に関し、さらに
詳しくは疎水性繊維と親水性繊維より構成された混繊不
織布であって、異なった素材が有する特性を利用するこ
とにより、アルカリ水溶液を中心とした水系薬剤に対す
る耐薬品性と親水性のバランスが優れたアルカリ2次電
池セパレータや、透湿性にすぐれ、ドライ感のある衣料
芯地などに好適な混繊不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】メルトブロー法で得られる不織布は、繊
維の極細特性により得られる表面積の大きさ、嵩高性、
遮蔽性などの特徴を生かしてフィルター、マスク、ワイ
ピングクロス、電池セパレータ、衣料芯地、保温材など
種々の用途に利用されている。ポリアミドからなるメル
トブローン不織布を電池セパレータとして用いる例につ
いては特公平5−64418号公報に[CONH/CH
2 の比]が1/9〜1/12の繊維径が3μm〜10μ
mの不織布が開示されている。
【0003】また、混繊型のメルトブロー法としては特
開昭60−99057号公報に、2種類の熱可塑性樹脂
を並列型に複合してメルトブロー法で紡糸する極細繊維
不織布の製造方法が開示されている。また特開昭7−8
2649号公報には10℃以上の融点差がある高融点成
分と低融点成分からなる極細混合繊維製品及び製造方法
が開示されている。さらに特開平7−102408号公
報には製造方法としてメルトブロー紡糸口金装置が開示
されている。これらの混繊型の不織布は繊維相互の接着
強度が低く、カレンダー加工などの後加工により融着処
理して不織布の寸法安定性を改善している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の極細繊維からな
る不織布は、主として繊維同士の絡合と融着により構造
が安定化されていないので強度が弱いとか毛羽立ちが多
いという欠点があり、そのために工程通過性に問題があ
ったり、耐摩耗性や耐洗濯性が必要な衣料芯地には不適
当であった。このような不織布の低い構造安定性を高め
るための方法としては加熱プレスローラーや超音波ウェ
ルダー等を用いて熱処理するなどの方策が採られてき
た。しかしながら、工程数が増えコストアップしたり、
接着部分の繊維が融解して不織布はフイルム状となって
風合いが低下するなどの問題を生じることがあった。
【0005】従来、メルトブロー不織布に供されるポリ
マーとしては、生産性の高さや極細化の容易さ、そして
耐薬品性等の理由からほとんどの素材がポリプロピレン
であった。しかし親水性の必要な電池セパレータ用途な
どでは後加工が必要であり、効果の持続性も十分でなか
った。
【0006】また、ナイロンのメルトブローン不織布
は、親水性に優れるが、毛羽立ちやすくシートのハンド
リングに問題を生じやすかった。特にアルカリ水溶液中
での耐久性が重要なアルカリ2次電池等では、不織布が
酸化されて形態が保持できなくなるという問題を生じ
た。
【0007】これらの問題の解決手段として異なった繊
維特性を有する繊維を混合することも考えられるが、表
面張力差の大きい繊維は相互に融着しにくく、寸法安定
性が良くないという問題があった。また、異種繊維を均
一に混合する方法は知られていない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ね、電池セパレータ、衣料芯
地、保温材などに好適な疎水性繊維と親水性繊維からな
る、実質的に繊維の脱落がほとんどないリントフリー性
に優れた混繊不織布であって繊維が均一に分散され、工
程通過性に優れた混繊不織布の発明に至った。以下に本
発明を詳しく説明する。
【0009】第1の発明は、メルトブロー法で紡糸され
た疎水性繊維と親水性繊維とが相互に混合されており、
それぞれの繊維を構成するポリマーの表面張力が45d
yne/cm未満、45dyne/cm以上であり、該
疎水性繊維が10〜80重量%、該親水性繊維が90〜
20重量%含有され毛羽立ちの少ない混繊不織布であ
る。
【0010】また、第2の発明は、第1の発明の少なく
ともいずれか一方の繊維が平均繊維径0.5μm以上1
0μm以下であり、不織布全体の目付が5g/m2 以上
100g/m2 以下であり、かつ不織布の厚みが0.1
mm以上1.5mm以下である混繊不織布である。
【0011】そして、第3の発明は、疎水性繊維はポリ
オレフィンまたはフッ素系ポリマーよりなり、親水性繊
維はポリアミドよりなる請求項1または2に記載の混繊
不織布である。
【0012】第4の発明は、疎水性繊維がポリエステル
よりなり、親水性繊維がポリアミドよりなる請求項1ま
たは2に記載の混繊不織布である。
【0013】第5の発明は、0.1〜3%親水化処理し
た混繊不織布の保水率が200%以上であり、吸水速度
が30mm/30分以上であり、耐アルカリ性が5%以
下、10分間の水浸漬後の吸水速度が20mm/30分
以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の混繊不
織布である。
【0014】以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明で適用する不織布の製造方法であるメルトブロー
法とは、紡糸孔より押し出された溶融した熱可塑性樹脂
を、紡糸孔の周囲より吹き出された高温高速の気体によ
り繊維化し、捕集コンベアネットまたは回転ドラム上に
吹き付け、繊維ウェブを得る方法であり、米国特許第
3,532,800号に開示されている。
【0015】本発明の混繊不織布の製造法は、例えば疎
水性樹脂と親水性樹脂がそれぞれ別の押出機により紡糸
口金に送り込まれ、疎水性樹脂用吐出孔が親水性樹脂用
吐出孔が交互に並んだ紡糸口金より押し出された溶融ポ
リマーが高温高速流体により細化されるメルトブロー法
で製造される。その結果、疎水性樹脂と親水性樹脂は繊
維径10μm以下まで細化され、繊維が固化するまでに
コンベアに引き取られることにより自己融着した寸法安
定性のよい不織布として引き取られる。繊維を自己融着
させて寸法安定化させるためには、オリフィス間の距離
が1.5mm以下0.4mm以上であり、コンベア上で
の繊維の温度が構成樹脂の少なくとも片方のガラス転移
温度より高いことが必要である。また、自己融着可能な
条件でシートを引き取った際には隣接する繊維相互での
融着が生じるために繊維移動が抑制され、繊維の遍在が
起こりにくく、均質に繊維を分散させることができる。
繊維が均一に分散されているかどうかの判断は不織布を
染色して、素材差による染色性の差から分散状況が把握
できる。本発明の混繊不織布は繊維が細く、均一に繊維
が分散されているため斑を目視で確認することはできな
かった。
【0016】また疎水性樹脂と親水性樹脂をそれぞれ独
立した押出機により紡糸口金に送り込む際には、それぞ
れのポリマーの粘度を調整したり吐出量をそれぞれ別個
に制御可能であり、その結果、疎水性繊維と親水性繊維
の個々の繊維径や構成比率を制御できる。それによって
混繊不織布のシート特性を制御することができる。その
結果、ドライ感や吸水性などの相反する特性のバランス
が制御できる。
【0017】本発明の混繊不織布の製造に使用する疎水
性繊維のポリマーの表面張力は45dyne/cm未満
であり、親水性繊維のポリマーの表面張力は45dyn
e/cm以上である。臨界値が45dyne/cmにな
る理由については明らかではないが、種々の実験により
特性の差がこの値で変化することが明らかとなった。す
なわち、表面張力が45dyne/cmより小さい繊維
が存在すると防水性や水系の薬剤に対する耐薬品性、例
えば電池セパレーター用途で重要なKOH水溶液などに
対する耐アルカリ性が良くなる。これは、繊維が水溶液
に濡れないため侵食を受けにくいものと推定される。他
方、表面張力が45dyne/cm以上の繊維が存在す
ると、不織布シートの透湿性や吸水性などの特性が良く
なる。表面張力の測定は、JIS K6768に準じ表
面張力45dyne/cmの標準溶液(ホルムアミド8
0.3体積%、エチレングリコールモノエチルエーテル
19.7体積%の混合溶液)に綿棒を浸し、各ポリマー
よりなるフイルム上に標準溶液を塗布し、2秒後の液膜
状態より判断する。液膜が破れず、2秒以上塗布された
状態を保つポリマーの表面張力を45dyne/cm以
上、液膜が破れ、液滴を生じるポリマーを45dyne
/cm未満とした。
【0018】本発明の混繊不織布に用いる熱可塑性繊維
の樹脂として、疎水性樹脂の場合はポリエチレン、ポリ
プロピレン、共重合ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン系樹脂およびポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂及びフッ
素系樹脂であり、また親水性樹脂の場合はナイロン6、
ナイロン66、ナイロン4、ナイロン610などのポリ
アミド系樹脂である。
【0019】本発明の混繊不織布は、混合繊維中に疎水
性繊維を10〜80重量%、好ましくは20〜70重量
%、さらに好ましくは40〜60重量%含有する。混繊
不織布中の疎水性繊維が10重量%未満の場合、疎水性
繊維の持つ特性と親水性繊維の持つ特性のバランスをと
ることが難しくなる。例えば、防水性と吸湿性のバラン
スを例に考えると、防水性の乏しい不織布となってしま
う。一方、混繊不織布中の疎水性繊維が80重量%を超
えると吸湿性の乏しい不織布となる。
【0020】本発明の混繊不織布は、疎水性繊維および
親水性繊維の少なくともいずれか一方の繊維径が0.5
μm以上10μm以下、好ましくは1μm以上5μm以
下、さらに好ましくは1.5μm以上3μm以下であ
る。少なくともいずれか一方の繊維径が0.5μm未満
である場合、単糸強度が小さいため毛羽立ちやすく、工
程通過性が悪い。また両者の繊維径が10μmを超える
と繊維間の空隙が大きくなり、例えば電池セパレータと
して使用した場合に電解質の遮蔽性に問題が生じるし、
衣料芯地として使用した場合に接着剤の通り抜けである
耐ストライクバック性に問題が生じる。他方、両者の繊
維径が0.5μmより小さくなるとシートが毛羽立ちや
すくなりハンドリングに問題を生じる。
【0021】本発明の混繊不織布は、目付が5g/m2
以上100g/m2 以下、好ましくは10g/m2 以上
50g/m2 以下である。目付がこの領域をはずれる
と、複合化した機能を実現できなくなる。すなわち、目
付が小さくシート厚みが薄いと厚み方向での繊維積層本
数が少なくなり、双方の繊維特性を発現させるのが難し
い。また、目付が大きすぎても機能の向上を期待できな
い。例を挙げて説明すると、セパレータとして使用する
場合、目付が5g/m2 未満であると電解質の遮蔽性に
問題を生じる。衣料芯地として使用する場合、目付は小
さいほど表地とのなじみが良く、風合いが良くなり、婦
人物の薄物軽量衣料芯地として好適である。しかし目付
が5g/m2 未満であると抗ストライクバック性に問題
を生じる。
【0022】本発明の混繊不織布は、厚みが0.1mm
以上1.5mm以下、好ましくは0.2mm以上1.0
mm以下である。例えば、電池セパレータとして本発明
の混繊不織布を使用する場合、厚みが0.1mm未満で
あると繊維充填率が大きくなりすぎて保水率が悪くなる
ばかりでなく、電解液の遮蔽性にも問題を生じる。また
厚みが1.5mmを超えると電池の小型化が困難となる
ために不適当である。また、衣料芯地に本発明の混繊不
織布を使用する場合には、厚みが小さくなりすぎると繊
維充填率が大きくなって吸水性や通気性が悪くなる。他
方、厚みが大きすぎると風合いが硬くなるという問題が
ある。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の混繊不織布を電池セパレ
ータとして用いる際には、親水化処理による親水性の改
善が好ましい。親水化剤としては一般にポリオキシエチ
レン系の親水化剤が用いられることが多いが、必ずしも
それに限定されるものではない。しかし、電池セパレー
タとして用いられる際にはポリオキシエチレン系の親水
化剤が特に有用である。付与する親水化剤の量は不織布
の重量に対して0.1重量%〜3重量%であることが好
ましい。付与量が0.1重量%未満であると親水化剤が
不織布に均一に付かなかったり、親水性が不足するとい
う問題を生じる。他方、親水化剤の付与量が3重量%を
超えると、過剰の親水化剤が液中に溶出し、セパレータ
として用いる際には電解液の性能を悪化させるため好ま
しくない。
【0024】本発明の混繊不織布をアルカリ2次電池な
どの電池セパレータとして使用する場合には親水化処理
されることが多いが、保水率は200%以上が好まし
い。保水率が200%未満であると十分に電解液を保持
できず、電池セパレータの性能を悪化させる。保水率に
ついてはその上限は特にないが1000%程度までが望
ましい。
【0025】本発明の親水化処理した混繊不織布は、吸
水速度が30mm/30分以上、好ましくは50mm/
30分以上である。吸水速度が30mm/分未満である
発明の混繊不織布を電池セパレータに使用すると、本発
明の混繊不織布が電解液となじまず、電池の性能を悪化
させる。
【0026】本発明の親水化処理した混繊不織布を電池
セパレータとして使用する場合、耐アルカリ性は不織布
重量に対して5%以下であり、好ましくは3%以下であ
る。耐アルカリ性が5%を超える場合、電池セパレータ
としての形態保持が困難となり長時間使用時にはシート
が液中に溶け出して形態を保てなくなることがある。ま
た溶出した樹脂による電解液の悪化によって電池の性能
を悪化させるという問題がある。本発明の混繊不織布は
例えばポリプロピレンがその耐酸化性の良さから形態保
持を改良し、ポリアミドが親水性の低下を抑制するとい
う機能分担することにより電池セパレータとして好適で
ある。
【0027】本発明の混繊不織布を親水化処理して電池
セパレータとして用いる際には、10分間の水浸漬後の
吸水速度が20mm/30分以上であることが好まし
い。10分間の水浸漬後の吸水速度が20mm/30分
未満である場合、電池セパレータの親水化剤が溶出して
おり、電池の性能を悪化させる原因となる。
【0028】また、混繊不織布を構成する素材がフッ素
系ポリマーとポリアミドである場合には、不織布をニー
ドルパンチ機などを用いて摩擦帯電させた際に、電荷の
減衰が小さくエレクトレットフィルターとしての性能が
長期に保持できるという利点もある。また、ポリマー表
面特性の異なる繊維が存在することから、表面電位の異
なる浮遊物を濾過する液体フィルターとして用いる際に
性能が良くなるという利点がある。
【0029】
【実施例】以下に本発明の効果を実施例を用いて具体的
に説明する。なお実施例中に示した物性値は以下の方法
で測定した。
【0030】イ.繊維径の測定 繊維の走査型顕微鏡写真を倍率1000倍で写し、その
写真より任意に抽出した500本の繊維側面の幅を測定
し、算術平均により決定した。
【0031】ロ.目付の測定 一定面積でシートを5枚切り出し、精密天秤で秤量す
る。測定値を算術平均して、それを1m2 当たりに換算
して目付とした。
【0032】ハ.厚みの測定 試料を幅2cm、長さ10cmに切り出し、厚みをJI
S L1096(一般織物物性試験方法)に準じ、7g
/cm2 の荷重で測定し平均値を求めた。
【0033】ニ.保水率 試料を幅10cm、長さ10cmに切り出し、前処理と
して20℃、相対湿度65%の状態で24時間以上放置
する。試料を精密天秤で秤量し、蒸留水に1時間浸漬さ
せた後、10分間液滴を切り、既知重量容器に入れて秤
量する。試験前後の重量差より、保水率を求めた。
【0034】ホ.吸水速度 試料を幅2cm、長さ30cmの短形に切り出し、試料
が垂直となるように保持する。蒸留水にシート下端が5
mm浸漬させ、30分後の吸い上げ高さを求めた。
【0035】ヘ.耐アルカリ性 試料を一定大きさに切り出し、前処理として20℃、相
対湿度65%の状態で24時間以上放置する。試料を精
密天秤で秤量し、煮沸31%KOH水溶液に1時間浸漬
させる。浸漬後、試料を蒸留水で洗浄し乾燥後、20
℃、相対湿度65%の状態で24時間以上放置し、試料
の重量を秤量する。処理前後の重量変化より耐アルカリ
性を評価する。
【0036】実施例1 孔径が0.3mmのMIが60のポリプロピレンの吐出
孔とナイロン6の吐出孔が交互に一列に並んだ、メルト
ブロー用紡糸口金を用い、紡糸温度275℃とし、MI
が60のポリプロピレンの単孔吐出量を0.10g/
分、相対粘度2.2のナイロン6の単孔吐出量を0.1
0g/分とし、牽引空気温度420℃、牽引空気圧力
0.7kg/cm2 の条件で紡糸し、吸引装置付きのコ
ンベアネット上に吹き付けて、ポリプロピレン繊維とナ
イロン6繊維との混合比が50/50(重量)で目付3
0.8g/m2 の混繊不織布を得た。得られた混繊不織
布は毛羽立ちのない工程通過性の良い不織布であった。
この混繊不織布を親水性改善のため、ポリオキシエチレ
ン系の親水剤であるペレックスRP(花王製)の0.5
%水溶液に浸漬させ、親水化剤を付与させた。この不織
布特性を表1に示す。該不織布は電池セパレータとして
の要求特性をすべて満足した。また、衣料芯地として用
いた際にはストライクバックも問題がなく、かつ吸水性
とドライ感が優れた風合となった。
【0037】実施例 2 実施例1で用いたメルトブロー用紡糸口金を用い、紡糸
温度275℃とし、MIが300のポリプロピレンの単
孔吐出量を0.15g/分、相対粘度2.2のナイロン
6の単孔吐出量を0.10g/分とし、牽引空気温度4
20℃、牽引空気圧力0.7kg/cm2 の条件で紡糸
し、吸引装置付きのコンベアネット上に吹き付けて、ポ
リプロピレン繊維とナイロン6繊維との混合比が60/
40(重量)で目付31.4g/m2 の混繊不織布を得
た。得られた混繊不織布は毛羽立ちのない工程通過性の
良い不織布であった。この混繊不織布を親水性改善のた
め、実施例と同様の親水化処理を行った。この不織布特
性も表1に示す。該不織布も電池セパレーターとしての
要求特性をすべて満足した。また、衣料芯地として用い
た際にストライクバックの問題がなく、吸水性とドライ
感が優れた風合いとなった。
【0038】比較例 1 孔径0.3mmの吐出孔が一列に並んだメルトブロー用
紡糸口金を用い、紡糸温度275℃とし、相対粘度2.
2のナイロン6の単孔吐出量を0.15g/分とし、牽
引空気温度420℃、牽引空気圧力1.1kg/cm2
の条件で紡糸し、吸引装置付きのコンベアネット上に吹
き付けて、目付31.0g/m2 の極細ナイロン6不織
布を得た。この不織布は繊維同士が互いに融着してお
り、毛羽立ちのないものであった。この不織布を親水性
改善のため、実施例と同様の親水化処理を行った。この
不織布の特性を表1に示す。この不織布は親水化後の耐
アルカリ性が7%であり、アルカリ2次電池セパレータ
としての使用に問題を生じた。
【0039】比較例2 孔径0.3mmの吐出孔が一列に並んだメルトブロー用
紡糸口金を用い、紡糸温度260℃とし、MIが500
のポリプロピレンの単孔吐出量を0.15g/分とし、
牽引空気温度450℃、牽引空気圧力0.9kg/cm
2 の条件で紡糸し、吸引装置付きのコンベアネット上に
吹き付けて、目付30.2g/m2 の極細ポリプロピレ
ン不織布を得た。この不織布は繊維同士が互いに融着し
ており、毛羽立ちのないものであった。この不織布の特
性を表1に示す。この不織布は吸い上げ高さ、保液性が
悪く、電池セパレータとしての要求特性を満足できなか
った。
【0040】比較例3 実施例1で用いたメルトブロー用紡糸口金を用い、紡糸
温度275℃とし、MIが1000のポリプロピレンの
単孔吐出量を0.05g/分、相対粘度2.2のナイロ
ン6の単孔吐出量を0.2g/分とし、牽引空気温度4
50℃、牽引空気圧力1.5kg/cm2 の条件で紡糸
し、吸引装置付きのコンベアネット上に吹き付けて、ポ
リプロピレン繊維とナイロン6繊維との混合比が20/
80(重量)で目付30.4g/m2 の混繊不織布を得
た。この混繊不織布の製造中は繊維飛散が多発し、その
飛散した繊維が不織布中に混入し、毛羽立ちの多い不織
布となった。不織布特性を表1に示す。この混繊不織布
は上述したように毛羽立ちの多い不織布であり、後加工
時の工程通過性が悪く、親水化やカレンダー加工などの
処理が困難であった。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明は、疎水性繊維と親水性繊維より
なる混繊不織布であって、その素材に由来する疎水性と
親水性とのバランスの優れた電池セパレータやドライ感
と吸水性のバランスの優れた衣料芯地などに利用可能で
ある。また、3種類以上のポリマーを組み合わせて使用
することも好ましい。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトブロー法により紡糸された疎水性
    繊維と親水性繊維とが相互に混合されており、それぞれ
    の繊維を構成するポリマーの表面張力が45dyne/
    cm未満、45dyne/cm以上であり、該疎水性繊
    維が10〜80重量%、該親水性繊維が90〜20重量
    %含有され毛羽立ちの少ない混繊不織布。
  2. 【請求項2】 請求項1において、少なくともいずれか
    一方の繊維が平均繊維径0.5μm以上10μm以下で
    あり、不織布全体の目付が5g/m2 以上100g/m
    2 以下であり、かつ不織布の厚みが0.1mm以上1.
    5mm以下である混繊不織布。
  3. 【請求項3】 疎水性繊維はポリオレフィンまたはフッ
    素系ポリマーよりなり、親水性繊維はポリアミドよりな
    る請求項1または請求項2に記載の混繊不織布。
  4. 【請求項4】 疎水性繊維はポリエステルよりなり、親
    水性繊維はポリアミドよりなる請求項1または請求項2
    に記載の混繊不織布。
  5. 【請求項5】 0.1〜3%親水化処理した混繊不織布
    の保水率が200%以上であり、吸水速度が30mm/
    30分以上であり、耐アルカリ性が5%以下であり、1
    0分間の水浸漬後の吸水速度が20mm/30分以上で
    ある請求項1、2、3、4のいずれか1項に記載の混繊
    不織布。
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