JP2006002268A - 起毛不織布及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軽く、各種用途に適用できる起毛不織布、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の起毛不織布は、熱融着性繊維が融着したベース層と、前記熱融着性繊維の繊維直径の2分の1以下の繊維直径を有する細繊維が、前記ベース層から起毛した起毛層とを備え、繊維のみから構成されている。本発明の起毛不織布は、熱融着性繊維と細繊維とを含むスラリーを抄造ネット上に抄き上げ、抄造ネットの開口部に細繊維が食い込んだ状態の繊維ウエブを形成し、繊維ウエブを抄造ネットから引き剥がした後に、熱融着性繊維を融着させて製造できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は起毛不織布及びその製造方法に関する。
起毛を有する不織布としてスエードタイプの人工皮革が知られている。このスエードタイプの人工皮革は、例えば、(1)海島型複合繊維などの特殊繊維を紡糸する工程、(2)この特殊繊維を用い、ニードルパンチや水流によって交絡シートを製造する工程、(3)この交絡シートの繊維間にウレタン樹脂などを含浸、凝固して繊維間を多孔体で充填した後に、特殊繊維の一成分を溶出し、極細繊維化する不織布を製造する工程、(4)不織布表面を起毛したり、染色するなどの表面仕上げの工程、により製造することができる。このように、不織布を製造する工程においてウレタン樹脂などを含浸することにより、耐摩耗性、耐屈曲性、引張り強さなどの諸性能を高めている(非特許文献1)。
松本健次,"不織布の基礎と応用",社団法人日本繊維機械学会,平成5年8月25日,p.439−p.448
上述のように、スエードタイプの人工皮革のような起毛を有する不織布においては、耐摩耗性、耐屈曲性、引張り強さなどの諸性能を高めるために、ウレタン樹脂などの高分子弾性体を含浸するのが一般的であった。そのため、重量が重く、用途が制限される場合があった。例えば、衣料用に使用した場合には重く、着用者が疲れる場合があり、車輌用の内装材に使用した場合には、車輌重量が重くなり、燃費が悪くなり、環境へ悪影響を及ぼしやすい、といった問題があった。
本発明は上述のような点を解決するためになされたもので、軽く、各種用途に適用できる起毛不織布、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「熱融着性繊維が融着したベース層と、前記熱融着性繊維の繊維直径の2分の1以下の繊維直径を有する細繊維が、前記ベース層から起毛した起毛層とを備え、繊維のみから構成されていることを特徴とする起毛不織布」である。このように、起毛不織布は繊維のみから構成されているため、軽量で各種用途に適用できるものである。
本発明の請求項2にかかる発明は、「細繊維の繊維直径が4μm以下であることを特徴とする、請求項1記載の起毛不織布」である。細繊維の繊維直径が4μm以下であると、手触り、光沢感及びライティング特性に優れている。
本発明の請求項3にかかる発明は、「目付が100g/m以下であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の起毛不織布」である。従来のスエードタイプの人工皮革の目付は200g/mを超えるものであったことを考慮すると、本発明の起毛不織布は非常に軽量で、各種用途に適用できる。
本発明の請求項4にかかる発明は、「ベース層と起毛層との間に、繊維直径が5μm以下の極細繊維を含む極細繊維シート層を備えていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の起毛不織布」である。極細繊維シート層を備えていることによって、単位面積当たりにおける細繊維の本数を多くすることができるためか、ライティング特性に優れている。
本発明の請求項5にかかる発明は、「(1)熱融着性繊維と、前記熱融着性繊維の繊維直径の2分の1以下の繊維直径を有する細繊維とを含むスラリーを形成するスラリー形成工程、(2)前記スラリーを抄造ネット上に抄き上げ、抄造ネットの開口部に前記細繊維が食い込んだ状態の繊維ウエブを形成する抄造工程、(3)前記繊維ウエブを抄造ネットから引き剥がし、細繊維が起毛した前駆起毛層と、前記細繊維と繋がっており、しかも熱融着性繊維を含む前駆ベース層とを有する起毛繊維ウエブ形成工程、(4)前記起毛繊維ウエブに熱を作用させることにより、前記熱融着性繊維を融着させて、熱融着性繊維が融着したベース層と、細繊維が前記ベース層から起毛した起毛層とを備え、繊維のみから構成される起毛不織布を形成する起毛不織布形成工程、とを備えていることを特徴とする、起毛不織布の製造方法」である。この製造方法によれば、請求項1に記載の軽量な起毛不織布を製造することができる。
本発明の請求項6にかかる発明は、「(1)繊維直径が5μm以下の極細繊維を含む極細繊維シートを形成する極細繊維シート形成工程、(2)熱融着性繊維と、前記熱融着性繊維の繊維直径の2分の1以下の繊維直径を有する細繊維とを含むスラリーを形成するスラリー形成工程、(3)抄造ネット上に位置する前記極細繊維シート上に前記スラリーを抄き上げ、前記極細繊維シートの開口部を通じて抄造ネットの開口部に前記細繊維が食い込んだ状態の繊維ウエブを形成する抄造工程、(4)前記繊維ウエブを前記抄造ネットから引き剥がし、細繊維が起毛した前駆起毛層と、前記細繊維と繋がっており、しかも熱融着性繊維を含む前駆ベース層と、前記前駆起毛層と前記前駆ベース層との間に極細繊維シート層とを有する起毛繊維ウエブ形成工程、(5)前記起毛繊維ウエブに熱を作用させることにより、前記熱融着性繊維を融着させて、熱融着性繊維が融着したベース層と、細繊維が前記ベース層から起毛した起毛層と、前記起毛層と前記ベース層との間に極細繊維シート層とを備え、繊維のみから構成される起毛不織布を形成する起毛不織布形成工程、とを備えていることを特徴とする、起毛不織布の製造方法」である。この製造方法によれば、請求項4に記載の軽量かつライティング特性に優れる起毛不織布を製造することができる。
本発明の起毛不織布は軽く、各種用途に適用できるものである。本発明の製造方法によれば、軽く、各種用途に適用できる起毛不織布を製造できる。
(起毛不織布の第1の具体例)
本発明の起毛不織布について、起毛不織布の模式断面図である図1をもとに説明する。本発明の起毛不織布N1は図1に示すように、熱融着性繊維が融着したベース層Bと、ベース層Bから細繊維が起毛した起毛層Pとを備えている。ベース層Bは熱融着性繊維が融着していることによって、ベース層B自体の形態安定性を付与するとともに、細繊維を融着固定し、細繊維の脱落を防止している。他方、起毛層Pは細繊維が起毛していることによって、手触り、光沢感及びライティング特性等を向上させ、起毛不織布N1の意匠性を高めている。
ベース層Bを構成する熱融着性繊維は細繊維を融着させることなく融着できる樹脂成分を備えていれば良く、特に限定するものではないが、細繊維の融点よりも10℃以上低い融点をもつ樹脂成分を備えているのが好ましい。なお、熱融着性繊維は単一樹脂成分からなる単一型熱融着性繊維であっても良いし、融点の異なる2種類以上の樹脂成分からなる、サイドバイサイド型、芯鞘型、或いは海島型などの複合型熱融着性繊維であっても良い。後者のように複合型熱融着性繊維であると、融着しない樹脂成分によって繊維形態を維持でき、強度的に優れているため好適である。前者の単一型熱融着性繊維として、例えば、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリエステル系繊維、ナイロン系繊維、塩化ビニル系繊維を挙げることができ、後者の複合型熱融着性繊維として、6ナイロン/ポリエチレン、ポリエステル/ナイロン6、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリプロピレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル/ポリプロピレン、ポリエステル/ポリエチレン、ナイロン66/ナイロン6、ポリエステル/低融点ポリエステル、高密度ポリエチレン/低密度ポリエチレンなどの組み合わせを挙げることができる。
本発明における「融点」は、示差走査熱量計を用い、昇温温度10℃/分で、室温から昇温して得られる融解吸熱曲線の極大値を与える温度をいう。なお、極大値が2つ以上存在する場合には、最も高温の極大値を融点とする。
このような熱融着性繊維の繊維直径は特に限定するものではないが、2〜20μmであるのが好ましく、2〜15μmであるのがより好ましい。また、熱融着性繊維の繊維長は細繊維が脱落しにくいように、緻密な構造を有するベース層Bであるのが好ましいため、1〜15mmであるのが好ましく、3〜10mmであるのがより好ましい。なお、ベース層Bは形態安定性及び細繊維の脱落防止性に優れているように、上述のような熱融着性繊維を主体として構成されているのが好ましいが、熱融着性繊維及び細繊維以外の繊維が含まれていても良い。
本発明における「繊維直径」は、電子顕微鏡写真により計測して得られる値をいい、「繊維長」は、JIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)B法(補正ステープルダイヤグラム法)により得られる長さをいう。
起毛層Pを構成する細繊維は手触り、光沢感及びライティング特性等に優れているように、前述のような熱融着性繊維の繊維直径の2分の1以下の繊維直径を有する。より好ましい細繊維の繊維直径は、熱融着性繊維の繊維直径の3分の1以下であり、更に好ましくは4分の1以下であり、更に好ましく5分の1以下であり、更に好ましくは6分の1以下であり、更に好ましくは7分の1以下であり、更に好ましくは8分の1以下である。他方、細繊維と熱融着性繊維との繊維直径の差が大きすぎると、熱融着性繊維により細繊維を融着固定しにくくなるため、熱融着性繊維の繊維直径の20分の1以上であるのが好ましい。具体的には細繊維の繊維直径が4μm以下であると、特に手触り、光沢感及びライティング特性に優れているため好適である。より好ましい繊維直径は3μm以下であり、更に好ましくは2μm以下である。他方で、細繊維の繊維直径が小さすぎると、熱融着性繊維により細繊維を融着固定しにくくなるため、0.1μm以上であるのが好ましい。
このような起毛層Pを構成する細繊維は、熱融着性繊維を融着させる際の熱によっても融着しない樹脂成分(熱融着性繊維の融着する樹脂成分の融点よりも10℃以上高い融点をもつ樹脂成分)を含んでいるのが好ましく、手触り等が悪くならないように、熱融着性繊維を融着させる際の熱によっても融着しない樹脂成分のみからなるのが好ましい。なお、細繊維も単一樹脂成分からなる単一型細繊維であっても良いし、融点の異なる2種類以上の樹脂成分からなる、サイドバイサイド型、芯鞘型、或いは海島型などの複合型細繊維であっても良い。場合によっては、細繊維は熱融着性繊維の融着する樹脂成分と同程度の融点をもつ樹脂成分を備え、融着していることもできるが、手触り等が悪くならないように、細繊維は熱融着性繊維の融着する樹脂成分の融点よりも10℃以上高い融点をもつ樹脂成分のみから構成されているのが好ましい。例えば、熱融着性繊維がポリエステル/低融点ポリエステル又はポリプロピレン/ポリエチレンからなる場合には、細繊維はポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、塩化ビニル系樹脂など1種類以上から構成するのが好ましい。
このような細繊維の繊維長はベース層Bから脱落しにくく、意匠性に優れているように、2〜10mmであるのが好ましく、2〜5mmであるのがより好ましい。
本発明の起毛不織布N1は前述のようなベース層Bとベース層Bで融着固定され、ベース層Bから起毛した起毛層Pとを備え、しかも上述のような繊維のみから構成されている。そのため、従来のスエードタイプの人工皮革のようにウレタン樹脂等の高分子弾性体を含浸していないため、軽量で、各種用途へ適用できるものである。具体的には目付が100g/m以下(好ましくは50g/m以下、より好ましくは30g/m以下、更に好ましくは20g/m以下)の軽量な起毛不織布N1である。従来のスエードタイプの人工皮革の目付が200g/mを超えていたことを考えると、本発明の起毛不織布N1は非常に軽量である。なお、本発明における「目付」は、JIS P 8124(紙及び板紙−坪量測定法)に規定されている方法に基づいて得られる坪量をいう。
このような図1に示すような起毛不織布N1は、例えば、(1)熱融着性繊維と、前記熱融着性繊維の繊維直径の2分の1以下の繊維直径を有する細繊維とを含むスラリーを形成するスラリー形成工程、(2)前記スラリーを抄造ネット上に抄き上げ、抄造ネットの開口部に前記細繊維が食い込んだ状態の繊維ウエブを形成する抄造工程、(3)前記繊維ウエブを抄造ネットから引き剥がし、細繊維が起毛した前駆起毛層と、前記細繊維と繋がっており、しかも熱融着性繊維を含む前駆ベース層Bとを有する起毛繊維ウエブ形成工程、(4)前記起毛繊維ウエブに熱を作用させることにより、前記熱融着性繊維を融着させて、熱融着性繊維が融着したベース層Bと、細繊維が前記ベース層Bから起毛した起毛層Pとを備え、繊維のみから構成される起毛不織布N1を形成する起毛不織布形成工程、により製造することができる。
まず、(1)熱融着性繊維と、この熱融着性繊維の繊維直径の2分の1以下の繊維直径を有する細繊維とを含むスラリーを形成するスラリー形成工程を実施する。熱融着性繊維及び細繊維は前述と同様の繊維を使用することができる。なお、熱融着性繊維と細繊維との質量比率は特に限定するものではないが、熱融着性繊維による融着固定性に優れるとともに、細繊維による手触り、光沢感及びライティング特性等に優れているように、(熱融着性繊維):(細繊維)=20:80〜60:40であるのが好ましく、(熱融着性繊維):(細繊維)=30:70〜50:50であるのがより好ましい。
次いで、(2)前記スラリーを抄造ネット上に抄き上げ、抄造ネットの開口部に細繊維が食い込んだ状態の繊維ウエブを形成する抄造工程を実施する。この抄造工程において、熱融着性繊維は抄造ネットの開口部に食い込むことができないため抄造ネット上に横たわった層状態になりやすく、一方、細繊維は熱融着性繊維の層によって濾過され、繊維径が細いゆえに端面が抄造ネットの開口部へ食い込みやすいと考えている。この濾過の際に熱融着性繊維と細繊維とが絡み、より細繊維が脱落しにくいと考えている。このように、細繊維が濾過されるという観点からも細繊維の繊維直径は熱融着性繊維の繊維直径の2分の1以下であるのが好ましい。なお、このように細繊維が抄造ネットの開口部へ食い込みやすいように、抄造ネットの下方にサクションボックス等の吸引手段を配置するのが好ましい。
次いで、(3)前記繊維ウエブを抄造ネットから引き剥がし、細繊維が起毛した前駆起毛層と、前記細繊維と繋がっており、しかも熱融着性繊維を含む前駆ベース層とを有する起毛繊維ウエブ形成工程を実施する。この起毛繊維ウエブ形成工程により、熱融着性繊維が融着していないこと以外には起毛不織布N1と全く同様の状態の起毛繊維ウエブとなる。この起毛繊維ウエブは上述の通り、熱融着性繊維の層によって細繊維が濾過された状態にあると考えられるため、抄造ネットに細繊維が食い込むことによって形成された前駆起毛層と、細繊維が熱融着性繊維と絡んで繋がった状態にある前駆ベース層とを有する。なお、繊維ウエブを抄造ネットから引き剥がす方法は特に限定するものではないが、例えば、転写ロールにより引き剥がすことができる。
そして、(4)起毛繊維ウエブに熱を作用させることにより、前記熱融着性繊維を融着させて、熱融着性繊維が融着したベース層Bと、細繊維が前記ベース層Bから起毛した起毛層Pとを備え、繊維のみから構成される起毛不織布N1を形成する起毛不織布形成工程を実施することにより、図1に示す本発明の起毛不織布N1を製造することができる。この起毛不織布形成工程における熱により、熱融着性繊維の融着により熱融着性繊維同士及び細繊維と熱融着性繊維とが融着して、形態安定性に優れるとともに細繊維を融着固定するベース層Bを形成する。なお、起毛繊維ウエブに熱を作用させるには、熱融着性繊維のみ(複合型熱融着性繊維の場合には融着する樹脂成分のみ)を融着させることのできる温度であるのが好ましい。より具体的には、熱融着性繊維(複合型熱融着性繊維の場合には融着する樹脂成分)の融点以上、細繊維の融点未満の温度で熱を作用させるのが好ましく、熱融着性繊維(複合型熱融着性繊維の場合には融着する樹脂成分)の融点以上、細繊維の融点よりも10℃低い温度以下の温度で熱を作用させるのがより好ましい。また、熱を作用させる際には、起毛不織布N1の手触り等を悪くしないように、無圧下で実施するのが好ましい。このように、熱を作用させるだけでウレタン樹脂などの高分子弾性体を含浸する工程がないため、簡潔に、軽量な起毛不織布N1を製造することができる。また、繊維ウエブを抄造ネットから引き剥がすだけで起毛させることができ、起毛工程が不要であるという点からも簡潔に起毛不織布N1を製造することができる。
(起毛不織布の第2の具体例)
本発明の別の起毛不織布について、起毛不織布の模式断面図である図2をもとに説明する。本発明の起毛不織布N2は図2に示すように、熱融着性繊維が融着したベース層Bと、ベース層Bから細繊維が起毛した起毛層Pと、これらベース層Bと起毛層Pとの間に、極細繊維シート層Fを備えている。このように極細繊維シート層Fを備えていることによって、単位面積当たりにおける細繊維の本数を多くすることができるためか、ライティング特性に優れている。本発明の起毛不織布N2は極細繊維シート層Fを備えていること以外は、前述の起毛不織布N1と全く同様であるため、相違点を中心に説明する。
この起毛不織布N2は細繊維が密集して起毛していることができるように、開口部が小さい極細繊維シート層Fを備えている。この極細繊維シート層Fは繊維直径が5μm以下の極細繊維を含んでいる。極細繊維の繊維直径が小さければ小さい程、開口部の小さい極細繊維シートであることができ、細繊維がより密集し、起毛した状態であることができるため、極細繊維の繊維直径は4.5μm以下であるのが好ましく、4.0μm以下であるのがより好ましい。なお、極細繊維の繊維直径の下限は、細繊維が通り抜けることのできる開口を有する極細繊維シートであれば良く、特に限定するものではないが、0.1μmであるのが適当である。この極細繊維シート層Fにおける極細繊維の存在比率も特に限定するものではない。
このような極細繊維シートとしては、例えば、(1)極細繊維(直接紡糸した繊維、海島型複合繊維の海成分を除去した島成分繊維など)を含む繊維ウエブを結合した不織布、(2)樹脂組成の異なる2種類以上の樹脂からなる分割型複合繊維を含む繊維ウエブに対して外力を作用させることによって極細繊維を発生させた、極細繊維を含む不織布、(3)海島型複合繊維を含む繊維シート(不織布、織物、編物など)の、海島型複合繊維の海成分を除去した繊維シート、(4)メルトブロー法により製造したメルトブロー不織布、などを挙げることができる。
なお、極細繊維シートは極細繊維のみから構成されていても良いし、極細繊維以外の繊維を含んでいることもできる。例えば、ベース層Bを構成する熱融着性繊維と同様の熱融着性繊維を含んでいることによって、極細繊維シートの形態安定性及び細繊維の脱落防止性に優れているため好適である。特に、ベース層Bを構成する熱融着性繊維と同じ熱融着性繊維を含んでいると、ベース層Bと極細繊維シート層Fとの接着性及び細繊維繊維の融着固定性に優れているため好適である。
この極細繊維シートは開口部の小さいものであることができるように、目付は10g/m以上であるのが好ましく、20g/m以上であるのがより好ましい。他方で、軽量化できるように、70g/m以下であるのが好ましく、60g/m以下であるのがより好ましく、50g/m以下であるのが更に好ましい。
このような起毛不織布N2も繊維のみから構成されているため軽量で、各種用途へ適用できるものである。具体的には目付が100g/m以下(好ましくは90g/m以下、より好ましくは80g/m以下)の軽量な起毛不織布N2である。従来のスエードタイプの人工皮革の目付が200g/mを超えていたことを考えると、本発明の起毛不織布N2は非常に軽量である。
このような図2に示すような起毛不織布N2は、例えば、(1)繊維直径が5μm以下の極細繊維を含む極細繊維シートを形成する極細繊維シート形成工程、(2)熱融着性繊維と、前記熱融着性繊維の繊維直径の2分の1以下の繊維直径を有する細繊維とを含むスラリーを形成するスラリー形成工程、(3)抄造ネット上に位置する前記極細繊維シート上に前記スラリーを抄き上げ、前記極細繊維シートの開口部を通じて抄造ネットの開口部に前記細繊維が食い込んだ状態の繊維ウエブを形成する抄造工程、(4)前記繊維ウエブを前記抄造ネットから引き剥がし、細繊維が起毛した前駆起毛層と、前記細繊維と繋がっており、しかも熱融着性繊維を含む前駆ベース層と、前記前駆起毛層と前記前駆ベース層との間に極細繊維シート層Fとを有する起毛繊維ウエブ形成工程、(5)前記起毛繊維ウエブに熱を作用させることにより、前記熱融着性繊維を融着させて、熱融着性繊維が融着したベース層Bと、細繊維が前記ベース層Bから起毛した起毛層Pと、前記起毛層Pと前記ベース層Bとの間に極細繊維シート層Fとを備え、繊維のみから構成される起毛不織布N2を形成する起毛不織布形成工程、により製造することができる。
まず、(1)繊維直径が5μm以下の極細繊維を含む極細繊維シートを形成する極細繊維シート形成工程を実施する。この極細繊維シートは、例えば、(イ)極細繊維(直接紡糸した繊維、海島型複合繊維の海成分を除去した島成分繊維など)を含む繊維ウエブを湿式法により形成した後に、この繊維ウエブを繊維融着などの方法により結合して製造する方法、(ロ)樹脂組成の異なる2種類以上の樹脂からなる分割型複合繊維を含む繊維ウエブを乾式法又は湿式法により形成した後に、流体流(特に水流)を作用させることによって、極細繊維を発生させると共に絡合させて製造する方法、(ハ)樹脂組成の異なる2種類以上の樹脂からなる分割型複合繊維をビーターやレファイナー等によって分割して極細繊維を発生させ、湿式法により繊維ウエブを形成した後に、この繊維ウエブを繊維融着などの方法により結合して製造する方法、(ニ)海島型複合繊維を含む繊維シート(不織布、織物、編物など)を形成した後に、海島型複合繊維の海成分のみを除去して製造(場合により更に流体流絡合又はニードルパンチを実施)する方法、(ホ)メルトブロー法により直接繊維を集積させてメルトブロー不織布を製造する方法、により製造することができる。
次いで、(2)熱融着性繊維と、この熱融着性繊維の繊維直径の2分の1以下の繊維直径を有する細繊維とを含むスラリーを形成するスラリー形成工程を実施する。このスラリー形成工程は前述の起毛不織布N1の場合と全く同様に実施できる。
次いで、(3)抄造ネット上に位置する前記極細繊維シート上に前記スラリーを抄き上げ、前記極細繊維シートの開口部を通じて抄造ネットの開口部に前記細繊維が食い込んだ状態の繊維ウエブを形成する抄造工程を実施する。この抄造工程は抄造ネット上に前述の極細繊維シートを配置したこと以外は、起毛不織布N1を製造する場合と全く同様である。つまり、極細繊維シートの開口部が細かく、熱融着性繊維は極細繊維シートの開口部に食い込むことができず、極細繊維シート上に横たわった層状態になりやすいため、これら熱融着性繊維の層及び極細繊維シートによって細繊維は濾過され、極細繊維シートの開口部を通じて抄造ネットの開口部へ食い込みやすいと考えている。この濾過の際に熱融着性繊維と細繊維とが絡み、場合により極細繊維シート構成繊維と細繊維とが絡むため、より細繊維が脱落しにくいと考えている。このように、細繊維が濾過されるという観点からも細繊維の繊維直径は熱融着性繊維の繊維直径の2分の1以下であるのが好ましい。なお、このように細繊維が抄造ネットの開口部へ食い込みやすいように、抄造ネットの下方にサクションボックス等の吸引手段を配置するのが好ましい。
次いで、(4)前記繊維ウエブを前記抄造ネットから引き剥がし、細繊維が起毛した前駆起毛層と、前記細繊維と繋がっており、しかも熱融着性繊維を含む前駆ベース層と、前記前駆起毛層と前記前駆ベース層との間に極細繊維シート層Fとを有する起毛繊維ウエブ形成工程を実施する。この起毛繊維ウエブ形成工程により、熱融着性繊維が融着していないこと以外には起毛不織布N2と全く同様の状態の起毛繊維ウエブとなる。この起毛繊維ウエブは上述の通り、極細繊維シート上の熱融着性繊維の層によって細繊維が濾過された状態にあると考えられるため、抄造ネットに細繊維が食い込むことによって形成された前駆起毛層と、細繊維が熱融着性繊維と絡んで繋がった状態にある前駆ベース層と、これら前駆起毛層と前駆ベース層との間に位置する極細繊維シート層Fとを有する。なお、繊維ウエブを抄造ネットから引き剥がす方法は特に限定するものではないが、例えば、転写ロールにより引き剥がすことができる。
そして、(5)前記起毛繊維ウエブに熱を作用させることにより、前記熱融着性繊維を融着させて、熱融着性繊維が融着したベース層Bと、細繊維が前記ベース層Bから起毛した起毛層Pと、前記起毛層Pと前記ベース層Bとの間に極細繊維シート層Fとを備え、繊維のみから構成される起毛不織布N2を形成する起毛不織布形成工程を実施することにより、図2に示す本発明の起毛不織布N2を製造することができる。この起毛不織布形成工程における熱により、熱融着性繊維の融着により熱融着性繊維同士、及び細繊維と熱融着性繊維が融着して、形態安定性に優れるとともに細繊維を融着固定するベース層Bを形成するとともに、熱融着性繊維が極細繊維シートに融着して、ベース層Bと極細繊維シートとが融着する。なお、起毛繊維ウエブに熱を作用させるには、熱融着性繊維のみ(複合型熱融着性繊維の場合には融着する樹脂成分のみ)を融着させることのできる温度であるのが好ましい。より具体的には、熱融着性繊維(複合型熱融着性繊維の場合には融着する樹脂成分)の融点以上、細繊維の融点未満の温度で熱を作用させるのが好ましく、熱融着性繊維(複合型熱融着性繊維の場合には融着する樹脂成分)の融点以上、細繊維の融点よりも10℃低い温度以下の温度で熱を作用させるのがより好ましい。なお、極細繊維シートが熱融着性繊維を含んでいる場合には、細繊維の脱落防止性により優れているように、極細繊維シート中の熱融着性繊維も融着させるのが好ましい。また、熱を作用させる際には、起毛不織布N2の手触り等を悪くしないように、無圧下で実施するのが好ましい。このように、熱を作用させるだけでウレタン樹脂などの高分子弾性体を含浸する工程がないため、簡潔に、軽量な起毛不織布N2を製造することができる。また、繊維ウエブを抄造ネットから引き剥がすだけで起毛させることができ、起毛工程が不要であるという点からも簡潔に起毛不織布N2を製造することができる。更に、極細繊維シートを介在させることによって、細繊維の起毛密度を高めることができるため、ライティング特性に優れた起毛不織布N2を容易に製造することができる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
熱融着性繊維として、鞘成分が低融点ポリエステル(融点:110℃)からなり、芯成分がポリエチレンテレフタレート(融点:252℃)からなる、芯鞘複合型熱融着性繊維(ユニチカ(株)製、登録商標:メルティT4080、繊維直径:10.1μm、繊維長:3mm)を用意した。また、細繊維として、ポリエチレンテレフタレート細繊維(帝人ファイバー(株)製、登録商標:テピルス、繊維直径:3.1μm、繊維長:3mm、融点:256℃)を用意した。
次いで、前記芯鞘複合型熱融着性繊維と前記ポリエチレンテレフタレート細繊維とを質量比で1:1となるように分散させたスラリーを形成した。
次いで、このスラリーを80メッシュの抄造ネット上に抄き上げ、芯鞘複合型熱融着性繊維が堆積した層と、この層から伸びるポリエチレンテレフタレート細繊維が抄造ネットの開口部に食い込んだ状態の繊維ウエブを形成した。なお、繊維ウエブを形成する際には、サクションボックスで、−40kpaで吸引した。
次いで、この繊維ウエブを抄造ネットから転写ロールにより引き剥がし、ポリエチレンテレフタレート細繊維が起毛した前駆起毛層と、前記ポリエチレンテレフタレート細繊維と繋がっており、しかも芯鞘複合型熱融着性繊維を含む前駆ベース層とを有する起毛繊維ウエブを形成した。
そして、起毛繊維ウエブを温度150℃に設定した熱風乾燥機により乾燥させると同時に芯鞘複合型熱融着性繊維の鞘成分を無圧下で融着させて、芯鞘複合型熱融着性繊維が融着したベース層Bと、細繊維が前記ベース層Bから起毛した起毛層Pとを備え、繊維のみから構成される図1のような起毛不織布N1を製造した。この起毛不織布N1の目付は30g/mと非常に軽量であった。また、起毛層Pの起毛により、手触り、光沢感及びライティング性に優れていた。
(実施例2)
図3に示すような菊花状の断面形状を有し、略楕円形状を有するポリプロピレン成分(図中PP1、融点:160℃、分割により繊維径が3.5μmの極細繊維となる)と、楔形状を有する高密度ポリエチレン成分(図中PE、融点:138℃、分割により繊維径が3.5μmの極細繊維となる)と、円形状を有するポリプロピレン成分(図中PP2、融点:160℃、分割により繊維径が2.4μmの極細繊維となる)とからなる、17分割可能な分割型複合繊維(チッソ(株)製、EDC810、繊度:1.7dtex、繊維長:5mm)70mass%と、芯成分がポリプロピレン(融点:160℃)で、鞘成分が低密度ポリエチレン(融点:120℃)からなる芯鞘複合型熱融着性繊維(チッソ(株)製、EAC843、繊度:2.2dtex、繊維長:10mm)30mass%を含むスラリーから、湿式法により繊維ウエブを形成した。
次いで、この繊維ウエブを温度130℃の熱風乾燥機を通して、芯鞘複合型熱融着性繊維の低密度ポリエチレン成分のみを融着させた。次いで、この融着した繊維ウエブを、ショアB硬度80゜の樹脂ロールと金属ロールとからなるカレンダーロール間を、線圧150N/m、20m/分の速度で通過させた後、100メッシュのネットで搬送しながら、直径0.13mm、ピッチ0.6mmで配置したノズルプレートから、一方の面に対して水圧9MPa及び11MPaの水流を2回噴出させた後、この繊維ウエブの反対面に対して12MPaの水流を2回噴出させ、分割型複合繊維を分割して極細繊維を発生させた。そして、温度120℃に設定した熱風乾燥機で乾燥することにより、再度、芯鞘複合型熱融着性繊維の低密度ポリエチレン成分のみを融着させ、極細繊維含有不織布(目付:50g/m)を製造した。
次いで、熱融着性繊維として、極細繊維含有不織布と同じ芯鞘複合型熱融着性繊維(チッソ(株)製、EAC843)を用意し、細繊維として、ポリプロピレン細繊維(繊維直径:2μm、繊維長:2mm、融点:168℃)を用意した後、前記芯鞘複合型熱融着性繊維と前記ポリプロピレン細繊維とを質量比で1:1となるように分散させたスラリーを形成した。
なお、前記ポリプロピレン細繊維は、ポリ−L−乳酸からなる海成分中に、ポリプロピレンからなる島成分が25個存在する海島型複合繊維(繊度:1.65dtex、繊維長:2mm)を複合紡糸法により紡糸した後、この海島型複合繊維を10mass%水酸化ナトリウム水溶液からなる浴(温度:80℃)中に30分間浸漬することにより、海島型複合繊維の海成分であるポリ−L−乳酸を抽出除去して製造した。
次いで、このスラリーを80メッシュの抄造ネット上に配置した前記極細繊維含有不織布上に抄き上げ、極細繊維含有不織布上に芯鞘複合型熱融着性繊維が堆積した層と、この層から極細繊維含有不織布の開口部を通じて伸びるポリプロピレン細繊維が抄造ネットの開口部に食い込んだ状態の繊維ウエブを形成した。なお、繊維ウエブを形成する際には、サクションボックスで、−40kpaで吸引した。
次いで、この繊維ウエブを抄造ネットから転写ロールで引き剥がし、ポリプロピレン細繊維が起毛した前駆起毛層と、前記ポリプロピレン細繊維と繋がっており、しかも芯鞘複合型熱融着性繊維を含む前駆ベース層と、前記前駆起毛層と前記前駆ベース層との間に極細繊維含有不織布とを有する起毛繊維ウエブを形成した。
そして、起毛繊維ウエブを温度125℃に設定した熱風乾燥機により乾燥させると同時に、前駆ベース層及び極細繊維含有不織布を構成する芯鞘複合型熱融着性繊維の鞘成分を無圧下で融着させて、芯鞘複合型熱融着性繊維が融着したベース層Bと、細繊維が前記ベース層Bから起毛した起毛層Pと、前記起毛層Pと前記ベース層Bとの間に極細繊維含有不織布層Fとを備え、繊維のみから構成される図2のような起毛不織布N2を製造した。この起毛不織布N2の目付は75g/mと非常に軽量であった。また、起毛層Pを構成する細繊維が実施例1の細繊維よりも繊維直径が小さいため、実施例1の起毛不織布よりも手触り、光沢感、及びライティング性が更に優れていた。
(比較例1)
実施例1の細繊維に替えて、ポリエチレンテレフタレート繊維(帝人ファイバー(株)製、登録商標:テピルス、繊維直径:5.3μm、繊維長:3mm、融点:256℃)を使用したこと以外は、実施例1と同様に操作して、スラリーを形成し、繊維ウエブを形成した。この繊維ウエブは芯鞘複合型熱融着性繊維とポリエチレンテレフタレート繊維が均一に混合しており、ポリエチレンテレフタレート繊維が抄造ネットの開口部に食い込んだ状態ではなかった。このため、この繊維ウエブを温度150℃に設定した熱風乾燥機により乾燥させると同時に芯鞘複合型熱融着性繊維の鞘成分を無圧下で融着させたが、起毛不織布を製造することができなかった。
(比較例2)
実施例1と同様のスラリーを用意した。次いで、このスラリーをサクションボックスで−5kpaで吸引し、80メッシュの抄造ネット上に抄き上げ、繊維ウエブを形成した。次いで、この繊維ウエブを温度150℃に設定した熱風乾燥機により乾燥させると同時に芯鞘複合型熱融着性繊維の鞘成分を無圧下で融着させて融着不織布を製造した。この融着不織布は僅かに起毛した部分が存在するものの、光沢感及びライティング性のないものであった。
起毛不織布の模式断面図 別の起毛不織布の模式断面図 実施例2で使用した分割型複合繊維の模式断面図
符号の説明
N1、N2 起毛不織布
B ベース層
P 起毛層
F 極細繊維シート層
PP1、PP2 ポリプロピレン
PE ポリエチレン

Claims (6)

  1. 熱融着性繊維が融着したベース層と、前記熱融着性繊維の繊維直径の2分の1以下の繊維直径を有する細繊維が、前記ベース層から起毛した起毛層とを備え、繊維のみから構成されていることを特徴とする起毛不織布。
  2. 細繊維の繊維直径が4μm以下であることを特徴とする、請求項1記載の起毛不織布。
  3. 目付が100g/m以下であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の起毛不織布。
  4. ベース層と起毛層との間に、繊維直径が5μm以下の極細繊維を含む極細繊維シート層を備えていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の起毛不織布。
  5. (1)熱融着性繊維と、前記熱融着性繊維の繊維直径の2分の1以下の繊維直径を有する細繊維とを含むスラリーを形成するスラリー形成工程、
    (2)前記スラリーを抄造ネット上に抄き上げ、抄造ネットの開口部に前記細繊維が食い込んだ状態の繊維ウエブを形成する抄造工程、
    (3)前記繊維ウエブを抄造ネットから引き剥がし、細繊維が起毛した前駆起毛層と、前記細繊維と繋がっており、しかも熱融着性繊維を含む前駆ベース層とを有する起毛繊維ウエブ形成工程、
    (4)前記起毛繊維ウエブに熱を作用させることにより、前記熱融着性繊維を融着させて、熱融着性繊維が融着したベース層と、細繊維が前記ベース層から起毛した起毛層とを備え、繊維のみから構成される起毛不織布を形成する起毛不織布形成工程、
    とを備えていることを特徴とする、起毛不織布の製造方法。
  6. (1)繊維直径が5μm以下の極細繊維を含む極細繊維シートを形成する極細繊維シート形成工程、
    (2)熱融着性繊維と、前記熱融着性繊維の繊維直径の2分の1以下の繊維直径を有する細繊維とを含むスラリーを形成するスラリー形成工程、
    (3)抄造ネット上に位置する前記極細繊維シート上に前記スラリーを抄き上げ、前記極細繊維シートの開口部を通じて抄造ネットの開口部に前記細繊維が食い込んだ状態の繊維ウエブを形成する抄造工程、
    (4)前記繊維ウエブを前記抄造ネットから引き剥がし、細繊維が起毛した前駆起毛層と、前記細繊維と繋がっており、しかも熱融着性繊維を含む前駆ベース層と、前記前駆起毛層と前記前駆ベース層との間に極細繊維シート層とを有する起毛繊維ウエブ形成工程、
    (5)前記起毛繊維ウエブに熱を作用させることにより、前記熱融着性繊維を融着させて、熱融着性繊維が融着したベース層と、細繊維が前記ベース層から起毛した起毛層と、前記起毛層と前記ベース層との間に極細繊維シート層とを備え、繊維のみから構成される起毛不織布を形成する起毛不織布形成工程、
    とを備えていることを特徴とする、起毛不織布の製造方法。
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