JP2003038918A - 液体濾過用フィルター濾材及びその製造方法 - Google Patents

液体濾過用フィルター濾材及びその製造方法

Info

Publication number
JP2003038918A
JP2003038918A JP2001227624A JP2001227624A JP2003038918A JP 2003038918 A JP2003038918 A JP 2003038918A JP 2001227624 A JP2001227624 A JP 2001227624A JP 2001227624 A JP2001227624 A JP 2001227624A JP 2003038918 A JP2003038918 A JP 2003038918A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter medium
support layer
binder
filtration
filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001227624A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayoshi Fukuzumi
正芳 福積
Hitoshi Fujiki
均 藤木
Takeshi Baba
剛 馬場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2001227624A priority Critical patent/JP2003038918A/ja
Publication of JP2003038918A publication Critical patent/JP2003038918A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】液体中に含有される粒子を効率良く除去し、清
浄な液体を得るための液体濾過用フィルター濾材であ
り、折り加工適性が良く、湿潤強度の強い液体濾過用フ
ィルター濾材及びその製造方法を提供する。 【解決手段】濾材と支持体層を抄合わせ一体化してなる
液体濾過用フィルター濾材であり、バインダーがフィル
ター濾材坪量に対して1〜5質量%含有するものであ
り、該フィルター濾材の抄紙方向のガーレー剛直度が1
9.6〜58.8mNm、内部結合強度が0.076k
N/m以上、湿引張強度が、0.98kN/m以上であ
る液体濾過用フィルター濾材。さらに好ましくはバイン
ダーが支持体層のみに含有することを特徴とする液体濾
過用フィルター濾材。また、上記液体濾過用フィルター
濾材の製造方法は、長網式、傾斜ワイヤー式、円網式の
いずれか2つを組み合わせたコンビネーションマシンに
より抄き合わせ、乾燥後シートとし、バインダーを塗布
した後乾燥し、さらに熱処理する。さらに好ましくは、
抄き合わせた後、支持体層側をヤンキードライヤーに密
着させ乾燥した後、支持体層のみにバインダーを塗布す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体中に含有され
る粒子を効率良く除去し、清浄な液体を得るための液体
濾過用フィルター濾材に関するものであり、プリーツ加
工性が良く、湿潤強度の強いフィルター濾材に関するも
のである。更に詳しくは、金属の型彫、切断加工等に使
用されている放電加工機の加工液中に含まれる加工クズ
やIC生産における基板のウエハの切断、研磨、エッジ
ング等の工程で使用される超純水中に含まれる加工クズ
を効率良く除去し清浄な液体を得るための濾材、及び自
動車用エンジンオイル、燃料等各種液体濾過用のフィル
ター濾材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、放電加工機やIC生産工程で使用
されている液体濾過用フィルターや自動車用エンジンオ
イル、燃料等各種液体濾過用のフィルターには、天然パ
ルプと有機繊維の混抄シートにフェノール樹脂等を含浸
処理したシート、ポリエステル不織布(スパンボンド)
等が使用されているが、濾過効率が低く、ライフが短い
等の欠点があり、天然パルプを使用した場合、水中での
長時間の使用により天然パルプが膨潤し、フィルター材
の強度が低下するため使用中にフィルター材が破れると
いった問題がある。
【0003】また、放電加工機等に使用されるフィルタ
ー材は、一般にプリーツ加工して、表面積を大きくし、
濾過性能を高めたものが使用される。プリーツ加工適性
を持たせるためには、ある程度の剛度を持たせる必要が
ある。
【0004】これらの問題を解決するため特開平11−
165009号公報には、水での湿潤時の破裂強度が5
kgf/cm2以上となるように部分的に熱圧着させて
いることを提案されている。しかしながら、熱圧着する
ことにより、濾材空隙が潰れ濾過効率が落ちる欠点があ
る。また、乾式抄造法であることから、目付のバラツキ
が大きく、効率がバラツク問題がある。
【0005】特開平6−126112号公報には、繊維
径が1μm以下にフィブリル化された有機繊維、繊維径
が1〜5μmの極細有機繊維並びに繊維径が5μm以上
の有機繊維を配合し、平均空隙径が1〜10μm、坪量
が5〜50g/m2の濾材と、繊維径が7μm以上の特
定の有機繊維及び特定の繊維状有機バインダーからなる
坪量が30〜150g/m2の支持体とを抄合わせ一体
化した液体濾過用フィルター濾材が提案されている。同
公報開示の技術は、濾過性能は優れているが、必ずしも
プリーツ加工できる程の剛直度がなく、内部結合強度が
低いことによりプリーツ加工での層間剥離が発生する。
また、湿強度がないため液体の圧力で破れてしまう欠点
があった。
【0006】特開平3−12208号公報では、繊維径
が1μm以下にフィブリル化された有機繊維、繊維径1
〜5μmの極細有機繊維、及び繊維径5μm以上の有機
繊維を配合することによって、フィブリル化された有機
繊維の凝集を抑え、均質なネットワークを形成し、さら
に、カレンダー処理を施して、濾材表面の平滑性を向上
させ、表面濾過機構を持たせている。この濾材は表面濾
過機構であるために、濾過性能、ライフは良好である。
しかし、濾材の厚みは非常に薄く、剛直度が無いため
に、プリーツ加工ができない問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点や
問題点を解決し、濾過抵抗が小さく、濾過効率が高く、
且つプリーツ加工性が良く、湿潤強度の強いフィルター
濾材を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】これらの問題点を解決す
る方法として、種々の繊維のフィルターへの応用を検討
した結果、今までにない良好なフィルター特性及び加工
適性が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】即ち、本発明は濾材層と支持体層とを抄合
わせ一体化してなる液体濾過用フィルター濾材におい
て、バインダーがフィルター濾材坪量に対して1〜5質
量%含有する液体濾過用フィルター濾材であって、該フ
ィルター濾材の抄紙方向のガーレー剛直度が19.6〜
58.8mNm、内部結合強度が0.076kN/m以
上であり、且つ、抄紙幅方向の湿引張強度が、0.98
kN/m以上であることを特徴とする液体濾過用フィル
ター濾材の発明である。
【0010】また、好ましくはバインダーが支持体層の
み含有することを特徴とする液体濾過用フィルター濾材
の発明である。
【0011】本発明の濾材層と支持体層とを抄合わせ一
体化してなる液体濾過用フィルター濾材の製造方法にお
いて、長編み式、傾斜ワイヤー式、円網式のいづれか2
つを組み合わせたコンビネーションマシンにより抄き合
わされ、乾燥後シートとなし、バインダーを塗布した後
乾燥し、さらに熱処理してシートとすることを特徴とす
る、液体濾過用フィルター濾材の製造方法の発明であ
る。さらに好ましくは、濾材層と支持体層を抄き合わせ
た後、支持体層側をヤンキードライヤーに密着させ乾燥
した後、支持体層のみにバインダーを塗布することを特
徴とする液体濾過用フィルター濾材の製造方法の発明で
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液体濾過用フィル
ター濾材について、詳細に説明する。本発明の液体濾過
用フィルター濾材は、濾材層と支持体層とを抄合わせて
一体化してなるものであり、後述する液体濾過用フィル
ター濾材の製造方法により製造され、該濾材のガーレー
剛直度、内部結合強度、湿引張強度が特定の物性値を有
することを特徴とするものである。更には、支持体層の
みにバインダーが含有すること、つまり、濾材層にはバ
インダーが含有されていないので、濾材層の微細な目を
バインダーでつめていないので濾過性能が良化すること
を特徴とするものである。
【0013】ガーレー剛直度とは、JIS−L−108
5(不織布しん地試験方法)に記載されている物性値を
さし、液体濾過用フィルター濾材をプリーツ加工する時
の、加工適性に関するものである。フィルター濾材のガ
ーレー剛直度が低い場合、プリーツ加工機で、鋭角に折
れないばかりでなく、折り加工部の走行性不良いわゆる
ジャムリが発生する。ガーレー剛直度が高すぎる場合、
プリーツ加工適性は優れているものの、折り目に割れが
発生する。その割れがきっかけで、水中での長時間の使
用によりフィルター材が破れるといった問題がある。こ
のガーレー剛直度は、後述する濾材層と支持体層を構成
する繊維の種類、配合量及びバインダーの種類、付着量
によりコントロールすることができる。液体濾過用フィ
ルター濾材のガーレー剛直度が、19.6mNmより低
い場合、上述通り、プリーツ加工適性が悪く、また、ガ
ーレー剛直度が58.8mNmを超える場合、折り目に
割れが発生し、水中での長時間の使用によりフィルター
材が破れるといった問題が発生することになる。従っ
て、液体濾過用フィルター濾材のガーレー剛直度は、1
9.6〜58.8mNmが好ましい。
【0014】内部結合強度について説明する。内部結合
強度とは、TAPPI UM403(内部結合試験機に
よる繊維結合試験)に記載されている物性値をさす。液
体濾過用フィルター濾材は、一般的にプリーツ加工後、
フィルター形態にするため形成加工するが、内部結合強
度が弱い場合、プリーツ加工後、折り部で濾材層と支持
体層が剥離し、形成加工する際この剥離した部分が引っ
かかりフィルターが破れてしまう。液体濾過用フィルタ
ー濾材の内部結合強度が、0.076kN/m未満であ
る場合は、上述通り、プリーツ加工後剥離が発生し、形
成加工時に破れが発生する。従って、液体濾過用フィル
ター濾材の内部結合強度は、0.076kN/m以上で
あることが好ましい。
【0015】湿引張強度について説明する。湿引張強度
とは、JIS−8135、JIS−8113に準じた物
性値であり、巾15mm、長さ200mmの試料を、2
0℃の純水に5分間浸した後、テンシロン測定機を用い
て測定した物性値であり、液体濾過用フィルター濾材を
加工して、フィルターにし実使用する際、水圧によるフ
ィルターの破れにくさに関するものである。湿引張強度
が低いと水圧によりフィルターが破れてしまう。後述す
る該フィルター濾材を構成する熱融着繊維の種類、配合
量によりコントロールが可能である。液体濾過用フィル
ター濾材の湿引張強度が、0.98kN/m未満である
と、上述通り、水中使用時に破れが発生しフィルターと
して使用できなくなる。従って、液体濾過用フィルター
濾材の湿引張強度は0.98kN/m以上であることが
好ましい。
【0016】本発明の2点目である、バインダーを支持
体層のみ塗布することにより濾過性能が良化することに
ついて説明する。バインダーを濾材層及び支持体層両方
に塗布しても、フィルターとして実用上特に問題はな
い。しかし、支持体層のみにバインダーを塗布した該濾
材をフィルターとして使用した際、濾過効率アップ、圧
力損失ダウンし、濾過性能が良化することを見出した。
濾材層にもバインダーを含浸すると、濾材層の微細な目
をつめてしまい、微細粒子を補足しづらくなり、また目
をつめたことにより抵抗が大きくなることが考えられ
る。以上より、支持体層のみにバインダーを塗布するこ
とは、濾過性能をさらに良化させることができる。
【0017】続いて、本発明で用いる繊維及び構成につ
いて説明する。濾材層に用いる繊維は、濾材層の坪量に
対し、繊維径が1μm以下にフィブリ化された有機繊維
1〜20質量%、繊維径が1〜5μmの極細有機繊維4
0〜70質量%、繊維径が5μmを超える熱融着型複合
繊維30〜70質量%の範囲で全体の繊維の割合が10
0%となるように構成されたものが好ましい。
【0018】繊維径が1μm以下にフィブリル化された
有機繊維としては、例えば、以下に示す方法で加工され
たものが挙げられる。 (1)合成高分子溶液を該高分子の貧溶媒中にせん断力
をかけながら流下させ、繊維状フィブリルを沈殿させる
方法(フィブリッド法、特公昭35−9651号公
報)。 (2)合成モノマーを重合させながらせん断をかけフィ
ブリルを析出させる方法(重合せん断法、特公昭47−
21898号公報) (3)二種以上の非相溶性高分子を混合し、溶融押し出
し、又は紡糸し、切断後機械的な手段で繊維状にフィブ
リル化する方法(スプリット法、特公昭35−9651
号公報) (4)二種以上の非相溶性高分子を混合し、溶融押し出
し、又は紡糸し、切断後溶剤に侵漬して一方の高分子を
溶解し、繊維状にフィブリル化する方法(ポリマーブレ
ンド溶解法、米国特許3、382、305号) (5)合成高分子をその溶媒の沸点以上で、且つ高圧側
から低圧側へ爆発的に噴出させた後、繊維状にフィブリ
ル化する方法(フラッシュ紡糸法、特公昭36−164
60号公報) (6)ポリエステル系高分子に該ポリエステルに非相溶
のアルカリ可溶成分をブレンドし、成形後アルカリによ
り減量後叩解し、繊維状にフィブリル化する方法(アル
カリ減量叩解法、特開昭56−315号公報) (7)ケブラー繊維等の高結晶性、高配向性繊維を適当
な繊維長に切断後、水中に分散させ、ホモジナイザー、
叩解機等を用いてフィブリル化する方法(特開昭56−
100801号公報、特開昭59−92011号公報)
等の方法によって得られる繊維であり、具体的な例とし
ては、ケブラー繊維を均質化装置でフィブリル化したテ
ィアラー400S(ダイセル社製)、アルカリ減量叩解
法によって得られたポリエステルパルプ等が挙げられ
る。
【0019】これらフィブリル化された有機繊維の配合
量は濾過層の坪量に対し1〜20質量%が適当である。
1質量%未満では濾材の平均空隙径が大きくなり十分な
捕集効率が得られず、また20質量%を越えると濾過抵
抗が大きく実用に適さない。また、抄造時に濾水性が低
下することにより抄紙性が極端に悪くなる。
【0020】本発明の濾材に用いられる繊維径が1〜5
μmの極細有機繊維とは、例えば、5μm以下のポリエ
ステル繊維、アクリル繊維等が挙げられる。
【0021】これらの繊維の配合量は濾過層に対し40
〜70質量%が適当である。40質量%未満では1μm
以下の微細繊維のワイヤーからの流失が多く十分な濾過
効率が得られず、又、湿紙のワイヤーからの剥がれが悪
い等の製造上の問題を生じ、又、70質量%を超えると
濾過抵抗が大きくなり実用に適さない。
【0022】本発明の濾材層に用いられる繊維径5μm
以上の熱融着型複合繊維とは、ポリオレフィン系重合体
を芯成分とし、エチレンビニルアルコール共重合体、エ
チレン酢酸ビニル共重合体、エチレンプロピレン共重合
体、あるいはポリエチレンを鞘成分としたポリオレフィ
ン系芯鞘型複合繊維や、ナイロン6又はナイロン66を
芯成分とし、ナイロン612、610等の共重合ナイロ
ンを鞘成分としたポリアミド系芯鞘型複合繊維や、上記
と同じ樹脂成分からなる並列型複合繊維や海島型複合繊
維などが好適に使用できる。
【0023】繊維径5μm以上の有機繊維の配合量は3
0〜70質量%が好ましい。30質量%未満では、抄紙
方向の剛直度が弱くなり、さらに、濾材層と支持体層の
層間強度が低下し、加工適性が悪化する。70質量%を
超えると折り加工適性は問題ないが、折り目に割れが生
じ、実使用時に、それがきっかけで破れ、フィルターと
して使用できなくなる。また、濾過抵抗が大きくなり実
使用期間(ライフ)が短くなる。
【0024】本発明の濾材の坪量は5〜50g/m2
適当であり、好ましくは10〜30g/m2である。5
g/m2未満ではピンホール等により信頼性の点で問題
がある。50g/m2を越えると濾過抵抗が上昇し抄紙
性が悪くなり、又、表面濾過の点から坪量を増やしても
効果は期待できず、コスト面でも問題がある。
【0025】次に支持体層を構成する繊維について説明
する。支持体層に用いる繊維は、支持体層の坪量に対
し、繊維径が7μm以上の有機繊維10〜30質量%、
繊維径が10μmを越える熱融着型複合繊維40〜80
質量%、ポリビニルアルコールバインダー繊維が10〜
30%の範囲で全体の繊維の割合が100%となるよう
に構成されたものが好ましい。
【0026】本発明の支持体に用いられる繊維径が7μ
m以上の有機繊維とは、ポリオレフィン、ポリアミド、
ポリエステル、ポリアクリルアミド、少なくとも1種類
以上から選択できる。これらの有機繊維の特徴として
は、シートに腰を持たせる点で繊維強度が強く、剛直な
繊維が好ましい。又、濾材を通過した微細粒子の付着に
よるライフの低下を抑える点で、皮膜を形成しない棒状
(断面の形状が円形、楕円形、繭形等)の形態をした繊
維が好ましい。他の使用できる繊維としては、皮膜の少
ない未叩解の天然パルプ、麻パルプ、コットンリンタ
ー、リント、再生セルロース等が挙げられ、湿潤強度等
の性能を阻害しない範囲で配合できる。
【0027】支持体層に用いられる繊維径が7μm以上
の有機繊維の配合量は、10〜30質量%が好ましい。
10質量%未満では、抄紙方向の剛直度が弱くなり折り
加工適性が悪化傾向にある。30質量%を超えると、熱
融着繊維の割合が低くなり、内部結合強度が低下するこ
とで折り加工時に層間剥離が発生する傾向にある。
【0028】本発明の支持体層に好ましく用いられる繊
維径10μm以上の熱融着型複合繊維とは、ポリオレフ
ィン系重合体を芯成分とし、エチレンビニルアルコール
共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンプロ
ピレン共重合体、あるいはポリエチレンを鞘成分とした
ポリオレフィン系芯鞘型複合繊維や、ナイロン6又はナ
イロン66を芯成分とし、ナイロン612、610等の
共重合ナイロンを鞘成分としたポリアミド系芯鞘型複合
繊維や、上記と同じ樹脂成分からなる並列型複合繊維や
海島型複合繊維などが好適に使用できる。
【0029】支持体層の繊維状有機バインダーの配合量
は40〜80質量%が好ましい。40質量%未満では抄
紙方向の剛直度低下による折り適性悪化、及び層間剥離
が発生する。また、抄紙し乾燥後、樹脂バインダーを含
浸する工程で必要な耐水強度が得られない。70質量%
を超えると低融点のバインダーの皮膜が多くなり、フィ
ルター濾材全体の圧力損失が高くなり、ライフが短くな
る。
【0030】支持体に用いる繊維の繊維径は7μm以上
が適当であり、繊維径が7μm未満では支持体の濾過抵
抗が大きくなり、液体の透過性が悪くなる。繊維径の上
限は特に限定しないが、抄紙性等を考慮すると繊維径は
50μm以下が好ましい。
【0031】本発明の支持体層に用いられるポリビニル
アルコールバインダー繊維は、湿式抄造法でする際に、
シートを構成する主体となる繊維をつなぎ止めるために
用いられる。
【0032】支持体層のポリビニルアルコールバインダ
ー繊維の配合量は、10〜30質量%が好ましい。10
質量%以下では、抄紙し乾燥後、表面が毛羽立つ。30
質量%を越えると、被膜が多くなり、フィルター濾材全
体の圧力損失が高くなり、ライフが短くなる傾向にあ
る。
【0033】本発明の支持体層の坪量は30〜150g
/m2が適当であり、好ましくは40〜100g/m2
ある。30g/m2未満では抄紙方向の剛直度が低く、
折り加工性が悪い。150g/m2を超えると厚みが増
し、ユニットに納まる濾材面積が小さくなり、又濾過抵
抗が大きくなり実用上問題があると共にコスト面からも
好ましくない。
【0034】次に、本発明で用いるバインダーについて
説明する。本発明である塗布するバインダーとは、アク
リル系、酢酸ビニル系、エポキシ系、合成ゴム系、塩化
ビニリデン系等のラテックス、PVA、澱粉、フェノー
ル樹脂等であり、単独、又は2種類以上を併用できる。
【0035】本発明の液体濾過用フィルター濾材に付与
されるバインダーの量は、該フィルター濾材に対して1
〜5質量%が適当である。5質量%を超えるとフィルタ
ー濾材の濾過抵抗が大きくなり、また濾過性能も低下す
る。1質量%未満では、フィルター濾材の腰が低下する
ことによる、プリーツ加工適性の悪化、また湿強度低下
により、液体の圧力で破れる問題がある。また、好まし
くは支持体層のみに含有することが好ましい。これによ
り、濾過効率アップ、圧力損失ダウンし、濾過性能が良
化する。濾材層にもバインダーが含有すると、濾材層の
微細な目をつめてしまい、微細粒子を補足しづらくな
り、また目をつめたことにより抵抗が大きくなることが
考えられる。
【0036】以下に本発明である、液体濾過用フィルタ
ー濾材の製造方法について説明する。
【0037】本発明である液体濾過用フィルター濾材
は、円網式、傾斜ワイヤー式、長網式のいずれか2機組
み合わせたコンビネーションマシンにより抄き合わせら
れる。湿式抄造法であることから、乾式法より、目付け
のバラツキが小さく、濾過効率等のバラツキも小さくす
ることが可能である。コンビネーションマシンにより抄
き合わせ後、ヤンキードライヤー等で乾燥させる。ドラ
イヤー温度としては、支持体層で使用しているポリビニ
ルアルコールバインダー繊維の融点以上であれば良い。
その後バインダーを塗布する。バインダーを塗布する方
法としては、特に限定はしないが、タブサイズプレス方
式、サイズプレス方式等が挙げられる。また支持体層の
みに塗布する方法としてはグラビア方式、スプレー方式
等が挙げられる。付着量の制御については、液濃度、プ
レス圧、グラビアロールのメッシュ、噴霧圧等一般的な
方法で可能である。塗布後の乾燥は、エア−ドライヤ
ー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライ
ヤー、赤外方式ドライヤー、これらの併用等一般的な乾
燥方式が可能である。塗布乾燥後、熱処理を行う。装置
として特に限定はしないが、ベーキング装置、ヤンキー
ドライヤー方式、サクションドラムドライヤー方式、赤
外方式ドライヤー等が挙げられる。熱処理温度として
は、液体濾過用フィルター濾材を構成する熱融着複合型
繊維の融点以上であればよい。この熱処理をすることに
より、該フィルター濾材の内部結合強度が得られる。こ
の内部結合強度を高くすることにより、折り加工時での
層間剥離を抑えることができる。
【0038】さらに好ましくは、濾材層と支持体層を抄
き合わせた後、支持体層側をヤンキードライヤーに密着
させ乾燥し、支持体層のみにバインダーを塗布する方が
良い。支持体層側をヤンキードライヤーに密着させるこ
とにより、平滑性が良くなりバインダーを塗布する際、
均一に塗布することができる。濾材層側をヤンキードラ
イヤーに密着させた場合、支持体層側は凹凸な面とな
る。この凹凸面に塗布した場合、凹の部分にバインダー
が多く付着することで濾過ムラが発生、及び強度が弱い
部分ができ、ライフが短くなる等の問題が発生する。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに何等限定されるものではない。なお、実
施例及び比較例におけるガーレー剛直度、内部結合強
度、湿潤引張強度及び濾過性能は以下の方法で測定し
た。
【0040】ガーレー剛直度:JIS−L−1085
(不織布しん地試験方法)に記載されているガーレー剛
直度をさす。 内部結合強度:TAPPI UM403(内部結合試験
機による繊維結合試験)に記載されている内部結合強度
をさす。 湿引張強度:JIS−8135、JIS−8113に準
じて測定する。巾15mm、長さ200mmに裁断し、
20℃の純水に5分間浸した後、テンシロン測定機を用
いて測定する。
【0041】折り加工適性:折り加工構成機にでプリー
ツ加工し、加工性の良いものを○、やや悪いものを△、
悪いものを×の3段階で評価した。また、折り部にて、
層間剥離を確認し、剥離していないものを○、剥離して
いるものを×の2段階評価した。
【0042】濾過性能の測定にはJIS第8種粉体を
0.05%濃度になるように水に希釈したものを試験用
液体として用い、以下の方法で測定した。 初期濾過効率:濾材を水で湿潤した後、試験用液体10
0mlを濾過面積14cm2、差圧△P=320mmHg
で濾過し、濾過前後の3〜10μm粒子数をリオン
(株)製の液中微粒子計数機(KL−01)で測定し、
下記の式で算出した。 濾過効率(%)=(濾過前の粒子数−濾過後の粒子数)/濾
過前の粒子数 初期濾過速度:上記濾過性能試験時の濾過時間から濾過
速度を得た。 ライフ試験 :上記試験液を用いて10回繰り返し濾過
した後、上記試験と同様の方法で濾過効率、濾過速度を
測定した。
【0043】実施例1〜4、比較例1〜3 下記の様な、支持体層、濾材層、抄造方法で実施例1〜
4、比較例1〜3を作成した。 濾材層:ケブラー微細繊維(ティアラー400S、ダイ
セル化学社製)と極細アクリル繊維(三菱レイヨン社
製、0.1デニール×3mm直径約3μm)と熱接着性
ポリエステル繊維(ユニチカ社製4080、2デニール
×5mm直径約15μm)を表1に示す濾材層の繊維配
合になるように混合してスラリーを作成する。 支持体層:ポリエステル繊維(帝人社製、0.5デニー
ル×5mm直径約7μm)、ビニロン繊維(クラレ社
製、1デニール×6mm直径10μm)、熱接着性ポリ
エステル繊維(ユニチカ社製4080、2デニール×5
mm直径約15μm)を表1に示す支持体層の繊維配合
になるように混合してスラリーを作成する。 抄紙:支持体層スラリーを傾斜ワイヤー方式で、濾材層
スラリーを円網式方式のコンビネーションマシンで抄き
合わせる。このウエットシートをプレス脱水し、支持体
層側をヤンキードライヤー(約120℃)に密着させて
乾燥させる。そのシートをタブサイズブレスにて表1に
示す塗工量をバインダー含浸させ、エアードライヤーに
て乾燥させる。乾燥したシートをヤンキードライヤーに
て表1に示す温度で熱処理し、液体濾過用フィルター濾
材を作成する。その結果を表1に示す。
【0044】実施例5 実施例5は、タブサイズ方式をグラビア塗工方式に変え
て、バインダーを支持体層のみに表1に示す塗工量を含
浸させる。それ以外は、実施例1と同じである。その結
果を表1に示す。
【0045】比較例4 比較例4は、バインダー含浸後乾燥し、熱処理しないで
液体濾過用フィルター濾材を作成した。それ以外は実施
例1と同じである。その結果を表1に示す。
【0046】〈実験結果に対する評価〉表1の実施例1
〜4に示すように、本発明の液体濾過用フィルター濾材
は、ガーレー剛直度、内部結合強度、湿引張強度が適性
な範囲内にあり、折り加工適性、層間剥離強度が良好で
あり、濾過性能も優れていることがわかる。実施例5で
は、実施例1〜4と比較して、濾過性能が更に優れてい
ることがわかる。これは、濾材層の微細な空隙をバイン
ダーで埋めていないため濾過性能が良化したと考えられ
る。
【0047】
【表1】
【0048】表1の比較例1では、ガーレー剛直度が適
性な範囲内になく、折り加工適性が悪化した。比較例2
では、ガーレー剛直度、内部結合強度、湿引張強度が適
性な範囲内になく折り加工、層間剥離が悪化した。比較
例3では、ガーレー剛直度が高く、折り加工で割れが発
生した。さらにフィルター性能の点において、濾過速度
が遅くライフが短くなった。比較例5では、製造段階で
熱処理をしておらず、内部結合強度が低く層間剥離が発
生した。
【0049】
【発明の効果】本発明の濾材層と支持体層とを抄き合わ
せて一体化してなる液体濾過用フィルター濾材は、バイ
ンダーをフィルター濾材坪量に対してバインダーが1〜
5質量%含有したものであり、抄紙方向のガーレー剛直
度が19.6〜58.8mNm、内部結合強度が0.0
76kN/m以上であり、且つ抄紙巾方向の湿引張強度
が、0.98kN/m以上であることから、折り加工適
性、層間剥離、フィルター性能が優れている。また、支
持体層のみにバインダーが含有したものは、濾過性能が
さらに優れたものとなる。上記の液体濾過用フィルター
濾材は、長網式、傾斜ワイヤー式、円網式のうちいづれ
か2つを組み合わせたコンビネーションマシンにより抄
き合わせ、乾燥後シートとなし、バインダーを塗布した
後乾燥し、さらに熱処理することで得られる。さらに好
ましくは、濾材層と支持体層を抄き合わせた後、支持体
層側をヤンキードライヤーに密着させ、支持体層のみに
バインダーを塗布させることで得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D019 AA03 BA13 BB03 BB10 BB13 BD10 CB06 4L047 AA28 BA15 BA21 CA02 CA05 CB10 CC12 EA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾材層と支持体層とを抄合わせ一体化し
    てなる液体濾過用フィルター濾材において、バインダー
    をフィルター濾材坪量に対して1〜5質量%含有する液
    体濾過用フィルター濾材であって、該フィルター濾材の
    抄紙方向のガーレー剛直度が19.6〜58.8mN
    m、内部結合強度が0.076kN/m以上であり、且
    つ、抄紙幅方向の湿引張強度が、0.98kN/m以上
    であることを特徴とする液体濾過用フィルター濾材。
  2. 【請求項2】 濾材層と支持体層とを抄合わせ一体化し
    てなる液体濾過用フィルター濾材において、バインダー
    が支持体層のみに含有することを特徴とする請求項1記
    載の液体濾過用フィルター濾材。
  3. 【請求項3】 濾材層と支持体層とを抄合わせ一体化し
    てなる液体濾過用フィルター濾材の製造方法において、
    長網式、傾斜ワイヤー式、及び円網式のうちいづれか2
    つを組み合わせたコンビネーションマシンにより抄き合
    わせ、乾燥後シートとなし、バインダーを塗布した後、
    乾燥し、さらに熱処理してシートとすることを特徴とす
    る液体濾過用フィルター濾材の製造方法。
  4. 【請求項4】 濾材層と支持体層を抄き合わせた後、支
    持体層側をヤンキードライヤーに密着させ、乾燥した
    後、支持体層のみにバインダーを塗布することを特徴と
    する請求項3記載の液体濾過用フィルター濾材の製造方
    法。
JP2001227624A 2001-07-27 2001-07-27 液体濾過用フィルター濾材及びその製造方法 Pending JP2003038918A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001227624A JP2003038918A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 液体濾過用フィルター濾材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001227624A JP2003038918A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 液体濾過用フィルター濾材及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003038918A true JP2003038918A (ja) 2003-02-12

Family

ID=19060258

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001227624A Pending JP2003038918A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 液体濾過用フィルター濾材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003038918A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006008828A1 (ja) 2004-07-21 2006-01-26 Hokuetsu Paper Mills, Ltd. 液体濾過用フィルタ濾材及びその製造方法
WO2019202213A1 (en) 2018-04-16 2019-10-24 Ahlstrom-Munksjö Oyj Filtration media especially useful for filtering fluids associated with wire electron discharge machining (wedm) processes

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006008828A1 (ja) 2004-07-21 2006-01-26 Hokuetsu Paper Mills, Ltd. 液体濾過用フィルタ濾材及びその製造方法
EP1785181A4 (en) * 2004-07-21 2010-06-30 Hokuetsu Paper Mills FILTERING MEDIUM FOR LIQUID FILTRATION AND CORRESPONDING PRODUCTION PROCESS
JP4717817B2 (ja) * 2004-07-21 2011-07-06 北越紀州製紙株式会社 液体濾過用フィルタ濾材及びその製造方法
US8662316B2 (en) 2004-07-21 2014-03-04 Hokuetsu Paper Mills, Ltd. Filter medium for liquid filtration and process for producing the same
WO2019202213A1 (en) 2018-04-16 2019-10-24 Ahlstrom-Munksjö Oyj Filtration media especially useful for filtering fluids associated with wire electron discharge machining (wedm) processes

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0593814B1 (en) Filter medium for liquid filtration
WO2005102413A1 (ja) メディカル用フィルター材およびそれを用いた体外循環カラムと血液フィルター
JP4717817B2 (ja) 液体濾過用フィルタ濾材及びその製造方法
JP4086729B2 (ja) 濾材および液体濾過用フィルター濾材
JP4738579B2 (ja) 液体濾過用フィルター濾材及びその製造方法
JP5337599B2 (ja) 電池セパレータ、電池および分割型複合繊維
WO1997044511A1 (fr) Fibre aisement fibrillable
JP3305372B2 (ja) 液体濾過用フィルター濾材
JP4120737B2 (ja) 液体濾過用の濾過材
JP2006061789A (ja) 液体濾過用フィルター濾材
JP2003038918A (ja) 液体濾過用フィルター濾材及びその製造方法
JP2005058832A (ja) 液体濾過用フィルター濾材
JP4839709B2 (ja) フィルターおよびその製造方法
JP3784354B2 (ja) 液体濾過用濾材
JP2001321620A (ja) 筒状フィルタ
JP2633355B2 (ja) 液体濾過用フィルター濾材
JP2007083184A (ja) 濾材及び液体濾過用フィルター濾材
JPH08284021A (ja) ポリビニルアルコールとセルロース系ポリマーよりなる易フィブリル化繊維
JP4401692B2 (ja) 電池用セパレータ及びアルカリ一次電池
JP2016137459A (ja) フィルタ用不織布及びフィルタ用濾材
JPH09841A (ja) 濾材およびそれを用いた液体濾過用フィルター
JPH09302525A (ja) 易フィブリル化繊維およびその製造方法
JP2006055735A (ja) 液体濾過用フィルター濾材
JP2003129393A (ja) 有機系超極細繊維シート
JPH09170115A (ja) 易フィブリル化繊維およびその製造方法