JP4558640B2 - フィルタ用ろ材、流体ろ過用フィルタ及びエンジン用オイルフィルタ - Google Patents

フィルタ用ろ材、流体ろ過用フィルタ及びエンジン用オイルフィルタ Download PDF

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Description

本発明は、フィルタ用ろ材、流体ろ過用フィルタ及びエンジン用オイルフィルタに関する。更に詳しくは、本発明は、ろ過効率が高く、ろ過寿命が長いフィルタ用ろ材、並びに該フィルタ用ろ材を備える流体ろ過用フィルタ及びエンジン用オイルフィルタに関する。
従来より、流体中から微粒子等を除去するために、各種フィルタが使用されている。例えば、内燃機関で使用される潤滑油中には、スラッジ、塵埃、金属微粉、及び不完全燃焼により発生したカーボン粒子等が浮遊している。これらの粒子が存在すると、潤滑油の粘度増大、エンジンの潤滑不良、潤滑油の寿命短縮等の問題が生じる。そこで、これらの粒子を潤滑油から除去するために、オイルフィルタが使用されている。その他、空気中の粉塵を捕集するエアフィルタ、液体中に含まれる粒子を効率良く除去し清浄な液体を得るための液体ろ過用フィルタ(例えば、燃料フィルター、土木・建築用大型機械等の油圧フィルタ等)等が使用されている。
かかるフィルタに使用されるフィルタ用ろ材として一般に、樹脂加工したろ紙、不織布、フェルト等が使用されている。例えば、下記特許文献1には、フィブリル化された有機繊維、極細有機繊維、捲縮繊維又は特定の最大投影径の異形断面繊維、並びに繊維状有機バインダー又は液状バインダーで構成されたろ材が開示されている。このフィルタ用ろ材では、極細有機繊維がフィブリル化された有機繊維の間にネットワークを構築する。下記特許文献1記載のろ材は、このネットワークの構築により、ろ目を微細化してろ過効率を高めている。
特開平9−841号公報
自動車のエンジンでは、排気系から排気ガスの一部を取出し、吸気系に再循環させる排気ガス再循環システム(EGRシステム)が導入されている。かかるEGRシステムを導入したエンジンでは、EGR率(EGR量/吸入空気量)等の増加により、潤滑油中に含まれるカーボンスラッジ等の微粒子の増加が予想される。また、潤滑油の改良により微粒子の分散性が向上し、潤滑油中のカーボンスラッジがより微細化される傾向にある。これらの理由により、カーボンスラッジ等の微粒子をより確実に捕捉できる自動車エンジン用フィルタ及びフィルタ用ろ材が求めらている。また、ろ過効率に優れたフィルタ及びフィルタ用ろ材は、自動車の技術分野だけでなく、様々な技術分野で求められている。
ろ材のろ過効率を向上させる方法として、従来より、ろ材の孔径を小さくすることが提案されている。しかし、ろ材の孔径を小さくすると、フィルタのろ過寿命が短くなり、フィルタ交換の頻度が多くなるという問題がある。そこで、従来より、ろ過効率に優れると共に、ろ過寿命が長いフィルタ用ろ材が求められている。
上記特許文献1に記載のろ材は、有機繊維として芳香族ポリアミド繊維が好ましいことが記載されている。しかし、芳香族ポリアミド繊維は比重が大きく、親水性に劣るといった特徴を持つ。ろ材は通常、繊維を含むスラリーを網で漉くことで抄紙される。そして、親水性に劣る繊維や重い繊維は、スラリー中ですぐに堆積する。よって、芳香族ポリアミド繊維を用いた場合、抄紙の際、繊維間に十分な空隙を持たない状態で堆積し、極細有機繊維が分散するのに必要な空隙を十分に確保できない。その結果、大量の極細有機繊維を投入しなければ、極細有機繊維のネットワークが形成されず、十分なろ過効率、ろ過寿命が達成できない。一方、大量の極細有機繊維を投入すると、ろ材の強度低下を招くため、実用上大きな問題となる。また、上記のように、芳香族ポリアミド繊維は親水性に劣るため、水中での分散性が悪い。そのため、極細有機繊維を十分に分散させることができず、極細有機繊維のネットワークが形成されなくなる。上記の要因により、従来技術の繊維の配合では、かさ高な構造のろ材を抄紙することが難しい。
更に、現在、焼却廃棄を容易にするために、金属部品を使用しないオイルフィルタ用ろ材及び手作業で金属部品を容易に分別できるオイルフィルタ用ろ材が使用されている。このようなオイルフィルタ用ろ材は容易に焼却廃棄をすることができる。しかし、上記特許文献1のろ材で使用されている芳香族ポリアミド繊維は、焼却時にNH、CNx等の有害なガスが発生するため、焼却廃棄が容易でない。この性質を有するため、上記特許文献1記載のろ材は焼却廃棄するろ材への適用が困難である。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、ろ過効率が高く、ろ過寿命が長いフィルタ用ろ材、並びに該フィルタ用ろ材を備える流体ろ過用フィルタ及びエンジン用オイルフィルタを提供することを目的とする。また、本発明は、焼却廃棄が容易なフィルタ用ろ材、並びに及び該フィルタ用ろ材を備える流体ろ過用フィルタ及びエンジン用オイルフィルタを提供することを目的とする。
本発明は以下の通りである。
〔1〕抄紙により形成されるフィルタ用ろ材であって、繊維径が50〜70μmの異形断面繊維(A)、繊維径が0.1〜5μmの微細繊維(B)、及び繊維径が15〜25μmの親水性繊維(C)を含有し、フィルタ用ろ材中の繊維全体を100質量%とした場合、上記異形断面繊維(A)の含有量が10〜30質量%、上記微細繊維(B)の含有量が3〜10質量%、上記親水性繊維(C)の含有量が5〜20質量%であるフィルタ用ろ材。
〔2〕上記微細繊維(B)は、ポリビニルアルコール繊維である上記〔1〕記載のフィルタ用ろ材。
〔3〕上記親水性繊維(C)は、少なくとも親水性付与剤処理されたポリプロピレン繊維を含み、フィルタ用ろ材中の繊維全体を100質量%とした場合、該親水性付与剤処理されたポリプロピレン繊維の割合は3〜7質量%である上記〔1〕又は〔2〕記載のフィルタ用ろ材。
〔4〕上記親水性繊維(C)は、繊維径が15〜25μmの異形断面繊維である上記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載のフィルタ用ろ材。
〔5〕更に、繊維径が15〜25μmの異形断面繊維を含有する上記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載のフィルタ用ろ材。
〔6〕上記異形断面繊維は、捲縮繊維である上記〔4〕又は〔5〕記載のフィルタ用ろ材。
〔7〕更にバインダー材を含む上記〔1〕乃至〔6〕のいずれかに記載のフィルタ用ろ材。
〔8〕上記〔1〕乃至〔7〕のいずれかに記載のフィルタ用ろ材を用いた流体ろ過用フィルタ。
〔9〕上記〔1〕乃至〔7〕のいずれかに記載のフィルタ用ろ材を用いたエンジン用オイルフィルタ。
本発明のフィルタ用ろ材は、上記構成を有することにより、微細繊維の分散に必要な空隙を確保し、微細繊維を均等に分散させることができる。これにより、微細なろ目を形成し、かさ高なろ材とすることができる。その結果、ろ過効率を高くすると共に、ろ過寿命を長くすることができる。
本発明のフィルタ用ろ材において、上記微細繊維(B)がポリビニルアルコール繊維であると、本発明のフィルタ用ろ材の焼却廃棄が容易であることから好ましい。
本発明のフィルタ用ろ材において、上記親水性繊維(C)として特定の比重又は上記の特定の繊維を用いると、ろ過効率を高くすると共に、ろ過寿命を長くすることができる。また、本発明のフィルタ用ろ材の焼却廃棄が容易である。
本発明のフィルタ用ろ材において、繊維径が15〜25μmの異形断面繊維を含むと、微細繊維の分散に必要な空間をより大きくすることができる。これにより、微細繊維を均等に分散させて微細なろ目を形成し、かさ高なろ材とすることができる。
上記異形断面繊維が捲縮繊維であると、微細繊維を均等に分散させて微細なろ目を形成し、かさ高なろ材とすることができる。
本発明のフィルタ用ろ材において、更にバインダー材を含むと、フィルタ用ろ材の強度を高め、ろ過寿命を長くすることができる。
本発明のフィルタ用ろ材及びエンジン用オイルフィルタは、本発明のフィルタ用ろ材を備えることにより、ろ過効率を高く、ろ過寿命が長い。
(1)フィルタ用ろ材。
本発明のフィルタ用ろ材は、繊維径が50〜70μmの異形断面繊維(A)、繊維径が0.1〜5μmの微細繊維(B)、及び繊維径が15〜25μmの親水性繊維(C)を含有し、フィルタ用ろ材中の繊維全体を100質量%とした場合、上記微細繊維(B)の含有量が3〜7質量%であることを特徴とする。
本発明のフィルタ用ろ材は、上記異形断面繊維(A)を含有することにより、上記微細繊維(B)の分散に必要な空隙を十分に確保することができる。また、本発明のフィルタ用ろ材は、上記異形断面繊維(A)を含有することにより、高流速の場合でもスラッジ等の微粒子を確実に捕捉することができる。
上記異形断面繊維(A)は、一定間隔で円周方向に突起を有する形状の繊維である。上記異形断面繊維(A)の異形度は、通常0.7以上、好ましくは0.75以上、更に好ましくは0.8以上とすることができる。尚、上記異形度は、図1に示すように、異形断面繊維の断面の内接円の径(d)及び断面の外接円の径(D)に基づき、以下の式により算出される。
異形度=1−(d/D)
更に、上記異形断面繊維(A)において、上記突起の数には特に限定はないが、通常は3〜5本である。上記異形断面繊維(A)としてより具体的には、例えば、断面形状がT型断面、+型断面、X型断面、Y型断面、H型断面、及び星型断面等の繊維が挙げられる。米国特許第5057368号公報には、異形断面繊維として、T型の腕部を複数個持つ断面形状を有する異形断面繊維が開示されている。上記のように、ろ材は通常、抄紙により形成される。ろ材を抄紙する場合には、通常、バインダー材が使用される。そして、上記特許公報記載の繊維を用いてフィルタ用ろ材を得る場合、バインダー材がT型の腕部により形成される隙間に充填され、その結果、ろ過効率、ろ過寿命が低下する傾向がある。よって、上記異形断面繊維(A)の断面形状としては、+型断面、X型断面、Y型断面、H型断面、及び星型断面が好ましい。
上記異形断面繊維(A)の繊維径は50〜70μm、好ましくは55〜70μm、更に好ましくは55〜65μm、より好ましくは57〜65μm、特に好ましくは57〜67μmである。上記異形断面繊維(A)の繊維径が下限値未満であると、フィルタ用ろ材のろ過寿命が低下するので好ましくない。一方、上記異形断面繊維(A)の繊維径が上限値を越えると、バインダー材により上記異形断面繊維(A)をフィルタ用ろ材内に固定することが困難となり、その結果、繊維の毛羽立ちが発生するため好ましくない。尚、上記異形断面繊維(A)の「繊維径」とは、断面の外接円の径を意味する。
上記異形断面繊維(A)の材質については特に限定はない。上記異形断面繊維(A)は、必要に応じて様々な材質の繊維を使用できる。上記異形断面繊維(A)は、合成繊維でもよく、天然繊維でもよい。上記合成繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン等のポリオレフィン、及びポリビニルアルコール(ユニチカ株式会社製「ビニロン」等)等が挙げられる。また、上記天然繊維としては、例えば、セルロース等が挙げられる。上記異形断面繊維(A)として、親水性に優れた材質の繊維を用いると、本発明のフィルタ用ろ材の焼却廃棄が容易であることから好ましい。上記親水性に優れた材質の繊維としては、例えば、後述の親水性繊維として例示された各繊維が挙げられる。
また、上記異形断面繊維(A)の比重は、通常0.5〜1.3、好ましくは0.5〜1.1、更に好ましくは0.7〜1.1、より好ましくは0.7〜1.0である。上記比重が上記範囲内であると、スラリー中で上記異形断面繊維(A)が適度に分散し、上記微細繊維(B)が分散するのに必要な空隙を十分に確保することができる。その結果、よりかさ高なろ材構造とすることができ、フィルタ用ろ材のろ過効率及びろ過寿命を高めることができるので好ましい。比重が上記範囲である材料として、例えば、ポリプロピレン等が挙げられる。
上記異形断面繊維(A)は、1種のみ用いてもよいが、2種以上を併用することもできる。例えば、異形断面、繊維径及び材質の1種又は2種以上が異なる上記異形断面繊維(A)を2種以上併用することができる。より具体的には、例えば、異なる異形断面を有する上記異形断面繊維(A)を2種以上併用することができる。また、異なる繊維径の上記異形断面繊維(A)を2種以上併用することができる。更に、異なる材質の上記異形断面繊維(A)を2種以上併用することができる。
上記異形断面繊維(A)の含有量は、本発明のフィルタ用ろ材に含まれる繊維全体を100質量%とした場合、通常10〜30質量%、好ましくは10〜28質量%、更に好ましくは13〜28質量%、より好ましくは15〜28質量%、特に好ましくは15〜25質量%である。上記異形断面繊維(A)の割合が上記範囲内であると、上記微細繊維(B)が分散するのに必要な空隙を十分に確保することができる。その結果、フィルタ用ろ材のろ過効率及びろ過寿命を高めることができるので好ましい。
本発明のフィルタ用ろ材は、上記微細繊維(B)を含有することにより、抄紙の際に均等に分散してネットワークを構築し、その結果、微細なろ目を形成し、かさ高なろ材とすることができる。その結果、フィルタ用ろ材のろ過効率及びろ過寿命を高めることができる。
上記微細繊維(B)の繊維径は0.1〜5μm、好ましくは0.3〜5μm、更に好ましくは0.5〜4.5μm、より好ましくは1〜4.5μm、特に好ましくは2〜4μmである。上記微細繊維(B)の繊維径が下限値未満であると、フィルタ用ろ材の強度が低下するため好ましくない。一方、上記微細繊維(B)の繊維径が上限値を超えると、ろ過寿命が低下するため好ましくない。
上記微細繊維(B)の材質については特に限定はなく、必要に応じて様々な材質の繊維を使用できる。上記微細繊維(B)の材質として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル及びポリビニルアルコール(ユニチカ株式会社製「ビニロン」等)等が挙げられる。上記微細繊維(B)として、親水性に優れた材質の繊維を用いると、本発明のフィルタ用ろ材の焼却廃棄が容易であることから好ましい。上記親水性に優れた材質の繊維としては、例えば、後述の親水性繊維として例示された各繊維が挙げられる。
また、上記微細繊維(B)の比重は、通常0.5〜1.3、好ましくは0.5〜1.1、更に好ましくは0.7〜1.1、より好ましくは0.7〜1.0である繊維を用いることができる。上記比重が上記範囲内であると、スラリー中で上記微細繊維(B)が適度に分散し、よりかさ高なろ材構造とすることができる。その結果、フィルタ用ろ材のろ過効率及びろ過寿命を高めることができるので好ましい。比重が上記範囲である材料として、例えば、ポリプロピレン等が挙げられる。
上記微細繊維(B)の含有量は、本発明のフィルタ用ろ材に含まれる繊維全体を100質量%とした場合、3〜10質量%、好ましくは3〜7質量%、更に好ましくは3〜6質量%、より好ましくは4〜6質量%である。上記微細繊維(B)の含有量が上記範囲外であると、フィルタ用ろ材のろ過寿命が低下するので好ましくない。
本発明のフィルタ用ろ材は、水中分散性に優れている上記親水性繊維(C)を含むことにより、上記微細繊維(B)をムラなく分散させることができる。その結果、繊維のネットワークを構築することができる。また、上記親水性繊維(C)は、芳香族ポリアミド繊維等と比べて、焼却時にNH、CNx等の有害なガスが発生しない。そのため、本発明のフィルタ用ろ材は、焼却廃棄が容易であり、焼却廃棄するろ材への適用が可能となる。
上記親水性繊維(C)としては、例えば、ポリビニルアルコール(ユニチカ株式会社製「ビニロン」等)等が挙げられる。また、上記親水性繊維(C)として、繊維を親水化処理することにより得られる親水処理繊維を用いることができる。上記繊維としては、例えば、ポリオレフィン繊維(ポリエチレン、ポリプロピレン、及びプロピレンとエチレン等のプロピレン以外のα−オレフィンとの二元又は三元共重合体等)、並びにポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等)等が挙げられる。
上記親水化処理としては、例えば、親水性付与剤処理、親水性コーティング、親水性ビニルモノマーのグラフト重合処理、スルホン化処理、フッ素ガス処理、及び放電処理等が挙げられる。
上記親水性付与剤処理は、繊維に対して親水性付与剤を付着又は含有させる処理である。上記親水性付与剤処理は、繊維に対して親水性付与剤を付着又は含有させることができる限り、その方法に限定はない。上記親水性付与剤による親水化処理として具体的には、例えば、〔1〕繊維に対して親水性付与剤又はその含有液をスプレーする方法、〔2〕繊維に対して親水性付与剤又はその含有液を塗布する方法、〔3〕親水性油剤又はその含有液に繊維を含浸する方法、〔4〕パウダー状、ペレット状又は液状の親水性付与剤を繊維の原料に混練し、紡糸することにより、上記親水性油剤を繊維中に含有させる方法等が挙げられる。尚、上記親水性付与剤処理において、上記親水性付与剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記親水性付与剤は、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基、及びスルホン基等の親水基を有する化合物であればよい。上記親水性付与剤としては、例えば、界面活性剤(アニオン系、カチオン系、非イオン系、及び両性イオン系)が挙げられる。上記非イオン系界面活性剤としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、アルキコキシ化アルキルフェノール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、及び脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられる。また、上記アニオン系界面活性剤としては、硫酸エステル塩基、C8〜C30のアルキルリン酸エステル塩基、C8〜C12のアルキルリン酸アルカリ金属塩、スルホン酸塩基等を含むアニオン系界面活性剤が挙げられる。上記親水性付与剤として、その他に、ベタイン活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ソルビタンモノオレートやポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサン、アルキロールアミド型化合物とポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサンとの配合物、ポリグリセリン脂肪酸エステル又はこれとポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサンとの配合物、ポリエーテルポリエステルブロック共重合体又はこれとポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサンとの配合物、及び炭素数28以上の炭化水素基を疎水基とする界面活性剤とポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサンとの配合物等も使用できる。
上記親水性油剤による親水化処理において、上記親水性油剤の付着又は含有量は、処理する繊維100質量部に対して通常0.1〜3質量部、好ましくは0.2〜2質量部、更に好ましくは0.3〜1質量部、より好ましくは0.3〜0.8質量部である。上記親水性油剤の付着又は含有量が上記範囲内であると、上記親水性繊維(C)が適度に分散すると共に、適切な親水性が得られるので好ましい。
上記親水性付与剤を用いた親水化処理により得られる上記親水性繊維(C)としては、例えば、親水性付与剤処理されたポリプロピレン繊維等のポリオレフィン繊維が上げられる。より具体的には、例えば、上記親水性付与剤として界面活性剤を使用し、該界面活性剤をポリオレフィン繊維に付着又は含有させた親水性ポリオレフィン繊維等が挙げられる。特に、上記親水性付与剤として上記アニオン系界面活性剤及び/又は上記非イオン系界面活性剤を使用して親水化処理を行うことにより得られる親水性ポリオレフィン繊維が好ましく用いられる。フィルタ用ろ材中の繊維全体を100質量%とした場合、上記親水性付与剤処理されたポリプロピレン繊維等のポリオレフィンの含有量は、通常3〜7質量%、好ましくは4〜7質量%とすることができる。
上記親水性コーティングは、繊維表面に親水性樹脂を付着させ、コーティングすることにより、親水性を付与する方法である。上記親水性樹脂としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、及びポリアクリル酸等が挙げられる。繊維表面に上記親水性樹脂を付着させる方法としては、例えば、上記親水性樹脂を適当な溶媒に溶解又は分散させ、次いで、この溶解液又は分散液に上記繊維を浸漬させたり、あるいはこの溶解液又は分散液を上記繊維に散布させることにより、上記繊維表面に溶解液又は分散液を付着させ、その後、該繊維を乾燥させる方法が挙げられる。尚、上記親水性コーティングは、親水性樹脂を繊維に付着させていればよく、繊維表面全体を被覆する場合だけでなく、繊維表面の一部を被覆する場合も含む。
上記親水性ビニルモノマーのグラフト重合処理は、繊維に親水性ビニルモノマーをグラフト重合させることにより、親水性を付与する処理である。上記親水性ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸及びそのエステル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン及びスルホン化スチレン等が挙げられる。
上記スルホン化処理としては、例えば、発煙硫酸、硫酸、三酸化イオウ、クロロ硫酸、又は塩化スルフリル等による処理が挙げられる。
上記フッ素ガス処理としては、例えば、フッ素ガス自体を使用して処理してもよい。また、フッ素ガスと窒素ガス又はアルゴンガス等の希ガスで希釈した希釈フッ素ガスで処理してもよい。更に、希釈フッ素ガスと酸素ガス、二酸化炭素ガス及び二酸化硫黄ガス等との混合ガスで処理してもよい。
上記放電処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理、沿面放電処理及び電子線処理等が挙げられる。
上記親水性繊維(C)の繊維径は15〜25μm、好ましくは15〜23μm、更に好ましくは、17〜23μm、より好ましくは17〜21μm、特に好ましくは18〜21μmである。上記親水性繊維の繊維径が下限値未満であると、フィルタ用ろ材の強度が低下するため好ましくない。一方、上記親水性繊維の繊維径が上限値を超えると、ろ過寿命が低下するため好ましくない。
上記親水性繊維(C)の物性については特に限定はなく、必要に応じて種々の物性の親水性樹脂を用いることができる。例えば、上記親水性繊維の比重は通常0.5〜1.3、好ましくは0.5〜1.1、更に好ましくは0.7〜1.1、より好ましくは0.7〜1.0である。上記親水性繊維の比重が上記範囲内であると、抄紙時に上記親水性繊維を水中で浮き上がらせることができる。その結果、よりかさ高なろ材構造とすることができるので好ましい。
上記親水性繊維(C)の形状についても特に限定はない。上記親水性繊維(C)は、断面形状が円形状の繊維でもよく、上記の異形断面繊維でもよい。上記親水性繊維(C)として、異形断面繊維を用いる場合、後述の繊維径が15〜25μmの異形断面繊維を用いることができる。
上記親水性繊維(C)の含有量には特に限定はなく、必要に応じて適宜選択することができる。本発明のフィルタ用ろ材に含まれる繊維全体を100質量%とした場合、上記親水性繊維(C)の含有量は、通常5〜20質量%、好ましくは5〜18質量%、更に好ましくは7〜18質量%、より好ましくは7〜15質量%、特に好ましくは10〜15質量%である。上記親水性繊維(C)の含有量が上記範囲内であると、フィルタ用ろ材の強度を高めることができ、また、上記親水性繊維(C)が優れた分散性を示すことから、フィルタ用ろ材の空隙率を高め、ろ過寿命を長くすることができるので好ましい。
上記親水性繊維(C)は1種単独で用いてもよいが、2種以上を併用してもよい。例えば、上記親水性繊維(C)として、親水性ポリプロピレン繊維等の親水性ポリオレフィン繊維(上記ポリオレフィン繊維を親水処理化した繊維)及びPET繊維等のポリエステル繊維を用いることができる。上記親水性繊維(C)が上記親水性ポリオレフィン繊維及び上記ポリエステル繊維である場合、両者の含有量は必要に応じて適宜設定することができる。例えば、フィルタ用ろ材中の繊維全体を100質量%とした場合、上記親水性ポリオレフィン繊維の含有量は通常1〜10質量%、好ましくは2〜8質量%、更に好ましくは3〜8質量%とすることができる。また、上記ポリエステル繊維の含有量は通常4〜19質量%、好ましくは5〜15質量%、更に好ましくは7〜15質量%とすることができる。また、上記親水性繊維(C)が上記親水性ポリオレフィン繊維及び上記ポリエステル繊維である場合、上記親水性ポリオレフィン繊維と上記ポリエステル繊維の割合(重量比)は、通常1:(0.5〜3)、好ましくは1:(0.7〜2.8)、更に好ましくは1:(1〜2)とすることができる。
本発明のフィルタ用ろ材は、上記異形断面繊維(A)、上記微細繊維(B)、及び上記親水性繊維(C)を必須とする。本発明のフィルタ用ろ材は、その性能を損なわない限り、上記各繊維以外の他の繊維を1種又は2種以上含んでいてもよい。上記他の繊維としては、例えば、セルロース等の天然繊維、並びにポリエステル及びアクリル等の合成繊維等が挙げられる。
上記他の繊維の物性、形状及び材質には特に限定はない。上記他の繊維は、断面形状が円形状の繊維でもよく、異形断面繊維でもよい。該異形断面繊維の断面形状及び材質については特に限定はなく、必要に応じて種々の断面形状及び材質の異形断面繊維を使用することができる。上記異形断面繊維の繊維径等の物性、断面形状及び材質は、上記異形断面繊維(A)の項で説明した断面形状及び材質の説明がそのまま妥当する。
上記異形断面繊維として、繊維径が15〜25μm、好ましくは15〜23μm、更に好ましくは17〜23μm、より好ましくは17〜22μm、特に好ましくは18〜22μmである異形断面繊維を併用することができる。尚、上記異形断面繊維の「繊維径」は、既に説明した上記異形断面繊維(A)の「繊維径」と同じ意味である。かかる繊維径が15〜25μmの異形断面繊維を併用することにより、上記異形断面繊維(A)により形成される隙間を大きくとり、微細繊維がネットワークを構成する空間を確保することができる。これにより、微細繊維を均等に分散させて微細なろ目を形成し、かさ高なろ材とすることができるので好ましい。また、上記異形断面繊維として、ねじれ加工等により捲縮した捲縮繊維を用いることができる。かかる捲縮繊維を用いると、上記異形断面繊維(A)により形成される隙間を大きく取り、且つ微細繊維がバラけるので好ましい。
本発明のフィルタ用ろ材としてより具体的には、例えば、以下のフィルタ用ろ材を挙げることができる。
〔1〕フィルタ用ろ材中の繊維全体を100質量%とした場合、上記異形断面繊維(A)を10〜30質量%、上記微細繊維(B)を3〜7質量%、上記親水性繊維(C)を5〜20質量%含有するフィルタ用ろ材。
〔2〕上記親水性繊維(C)が、親水性ポリプロピレン繊維等の親水性ポリオレフィン繊維及びPET繊維等のポリエステル繊維であり、フィルタ用ろ材中の繊維全体を100質量%とした場合、上記異形断面繊維(A)を10〜30質量%、上記微細繊維(B)を3〜7質量%、上記親水性繊維(C)を5〜20質量%含有し、上記親水性ポリオレフィン繊維の含有量が1〜10質量%、上記ポリエステル繊維の含有量が4〜19質量%であるフィルタ用ろ材。
〔3〕上記親水性繊維(C)が、親水性ポリプロピレン繊維等の親水性ポリオレフィン繊維及びPET繊維等のポリエステル繊維であり、フィルタ用ろ材中の繊維全体を100質量%とした場合、上記異形断面繊維(A)を10〜30質量%、上記微細繊維(B)を3〜7質量%、上記親水性繊維(C)を5〜20質量%含有し、上記親水性ポリオレフィン繊維と上記ポリエステル繊維の割合(重量比)が1:(0.5〜3)であるフィルタ用ろ材。
〔4〕上記親水性繊維(C)が、繊維径が15〜25μmの異形断面親水性繊維(PET繊維等)であり、フィルタ用ろ材中の繊維全体を100質量%とした場合、上記異形断面繊維(A)を10〜30質量%、上記微細繊維(B)を3〜7質量%、上記親水性繊維(C)を5〜20質量%含有するフィルタ用ろ材
〔5〕フィルタ用ろ材中の繊維全体を100質量%とした場合、更に上記天然繊維を50〜70質量%含有する上記〔1〕〜〔4〕記載のフィルタ用ろ材。
本発明のフィルタ用ろ材は、通常、上記各繊維を抄紙することにより得ることができる。本発明のフィルタ用ろ材は、抄紙の際、バインダー材を配合することができる。該バインダー材を用いて抄紙することにより、本発明のフィルタ用ろ材の強度及び耐水性を高めることができるので好ましい。上記バインダー材としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、デンプン、ポリビニルアルコール、及びラテックス(アクリル系、酢酸ビニル系、エポキシ系、合成ゴム系、及び塩化ビニリデン系等)等が挙げられる。上記バインダー材の配合割合には特に限定はない。上記バインダー材の配合割合は、上記各繊維の材質、物性及び割合等に応じて適宜設定することができる。上記バインダー材の配合割合は、通常、本発明のフィルタ用ろ材中の繊維全体100質量部に対して5〜50質量部、好ましくは10〜40質量部、更に好ましくは10〜35質量部である。
本発明のフィルタ用ろ材は、適度な大きさのろ孔径であると共に、空隙率が高く、透気度が大きいことから、ろ過効率に優れると共に、ろ過寿命が長い。具体的には、本発明のフィルタ用ろ材の平均ろ孔径は、通常30〜45μm、好ましくは32〜40μm、更に好ましくは35〜38μmである。また、本発明のフィルタ用ろ材の空隙率は、通常88%以上、好ましくは89%以上、更に好ましくは89〜95%とすることができる。更に、本発明のフィルタ用ろ材の透気度(sec/300ml)は、通常0.8〜1.4、好ましくは1.0〜1.2とすることができる。尚、上記ろ孔径、空隙率及び透気度の測定方法は、実施例の項に記載した方法である。
(2)流体ろ過用フィルタ及びエンジン用オイルフィルタ
本発明の流体ろ過用フィルタ及びエンジン用オイルフィルタは、本発明のフィルタ用ろ材を備える。本発明の流体ろ過用フィルタ及びエンジン用オイルフィルタは、本発明のフィルタ用ろ材を備えることにより、ろ過効率が高く、ろ過寿命が長い。
本発明の流体ろ過用フィルタによりろ過する「流体」の種類には特に限定はない。上記流体としては気体でもよく、液体でもよい。本発明の流体ろ過用フィルタとして具体的には、例えば、気体をろ過するエアフィルタ及び液体をろ過する液体ろ過用フィルタ等が挙げられる。該液体ろ過用フィルタとしては、例えば、エンジン用オイルフィルタ(特には自動車エンジン用オイルフィルタ)等の内燃機関用オイルフィルタ、燃料フィルタ、及び油圧フィルタ等が挙げられる。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
〔実験例1〕
異形断面繊維(A)として、断面形状が+型形状のPET繊維(繊維径60μm)を使用した。微細繊維(B)として、繊維径が2μmのポリビニルアルコール繊維(ユニチカ株式会社製「ビニロン」)を使用した。更に、親水性繊維(C)として、油剤処理されたポリプロピレン繊維(繊維径15μm、表1及び表2では「PP」と表記)及び断面形状が+型形状のPET繊維(繊維径15〜25μm、表1では「PET」と表記)を用いた。また、その他の繊維として、セルロース繊維を使用した。更に、バインダー材として、フェノール樹脂を使用した。
上記各繊維及びバインダー材を水に分散した。上記各繊維の割合を表1に示す。また、上記バインダー材の配合割合は、上記各繊維の合計100質量部に対して25質量部である。そして、この分散液を標準角形手抄き抄紙機で抄紙した後、シリンダードライヤーで乾燥することにより、実施例1のフィルタ用ろ材を作製した。実施例1のフィルタ用ろ材の秤量(乾燥重量)は170g/mであり、紙厚は1.1mmである。
上記異形断面繊維(A)として、繊維径が13μmである以外は上記実施例1と同じ異形断面繊維を用いて、上記実施例1と同じ方法により、比較例1のフィルタ用ろ材を作製した。また、上記各繊維の割合が表1に示した割合である以外は、上記実施例1と同じ方法により、実施例2〜4及び比較例2のフィルタ用ろ材を作製した。
上記実施例1〜4及び比較例1〜2の各フィルタ用ろ材を用い、JIS D1611−1に規定するろ過効率及びろ過寿命評価法に基づいて、ろ過効率及びろ過寿命を測定した。その結果を以下の表1に示す。
Figure 0004558640
〔実験例2〕
セルロース繊維、異形断面繊維(A)、微細繊維(B)、親水性繊維(C)及びバインダー材として、上記実験例1で使用した各繊維及びバインダー材を使用した。上記各繊維及びバインダー材を水に分散した。上記各繊維の割合を表2に示す。また、上記バインダー材の配合割合は、上記各繊維の合計100質量部に対して25質量部である。この分散液を標準角形手抄き抄紙機で抄紙した後、シリンダードライヤーで乾燥することにより、実施例5及び比較例3の各フィルタ用ろ材を作製した。実施例5のフィルタ用ろ材の乾燥重量は187g/m、比較例3のフィルタ用ろ材の乾燥重量は190g/mである。また、実施例5及び比較例3の各フィルタ用ろ材の紙厚は1.1mmである。
上記実施例5及び比較例3の各フィルタ用ろ材について、ろ孔径、空隙率及び透気度を測定した。その結果を表2に示す。尚、ろ孔径、空隙率及び透気度の測定方法は以下の通りである。
(A)ろ孔径(μm)
ASTM F316−86(バブルポイント法)に規定するろ孔径測定方法により測定した。
(B)空隙率(%)
n−ブチルアルコールを用いた重量法により測定した。
(C)透気度(sec/300ml)
JIS P8117に規定する透気度測定方法により測定した。但し、治具に設けられた通気孔の孔径はφ10mmとした。
Figure 0004558640
(3)実施例の効果
流体ろ過用フィルタ、特に 自動車用オイルフィルタ等の内燃機関用オイルフィルタでは、十分な製品寿命を確保するために、一定のろ過効率を確保しつつ、目詰まりしにくく、ろ過寿命が長いフィルタ用ろ材を用いる必要がある。表1より、異形断面繊維(A)の繊維径が本発明の範囲内である実施例1は、範囲外である比較例1と比べて、ろ過長寿命とろ過高効率が両立できていることが分かる。また、表1より、上記微細繊維(B)の含有量が本発明の範囲内である実施例2〜4は、範囲外である比較例2と比べて、同様に、ろ過長寿命とろ過高効率が両立できていることが分かる。
フィルタ用ろ材の空隙率が低いと、スラッジを捕捉するスペースが減少することとなり、その結果、フィルタのスラッジ捕捉寿命が低下する。そして、表2より、親水性樹脂(C)を含まない比較例3と、親水性樹脂(C)を含む実施例5とを対比すると、両者は、ろ孔径及び透気度はほぼ同じ値であるが、空隙率は比較例3の方が低い。よって、親水性樹脂(C)を含む実施例5は、スラッジ捕捉寿命に優れるフィルタ用ろ材であることが分かる。
尚、本発明は、上記実施例に限らず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
本発明のフィルタ用ろ材は、流体中から微粒子等を除去する各種フィルタに適用することができる。本発明の流体ろ過用フィルタは、空気中の粉塵を捕捉するエアフィルタ、液体中に含まれる微粒子を捕捉する液体ろ過用フィルタ、例えば、自動車エンジン用オイルフィルタ等の内燃機関用オイルフィルタ、燃料フィルタ、油圧フィルタ等に適用することができる。
異形断面繊維の異形度を説明するための異形断面繊維の模式断面図である。
符号の説明
1;異形断面繊維、d;異形断面繊維の断面の内接円の径、D;異形断面繊維の断面の外接円の径。

Claims (9)

  1. 抄紙により形成されるフィルタ用ろ材であって、
    繊維径が50〜70μmの異形断面繊維(A)、繊維径が0.1〜5μmの微細繊維(B)、及び繊維径が15〜25μmの親水性繊維(C)を含有し、
    フィルタ用ろ材中の繊維全体を100質量%とした場合、上記異形断面繊維(A)の含有量が10〜30質量%、上記微細繊維(B)の含有量が3〜10質量%、上記親水性繊維(C)の含有量が5〜20質量%であるフィルタ用ろ材。
  2. 上記微細繊維(B)は、ポリビニルアルコール繊維である請求項1記載のフィルタ用ろ材。
  3. 上記親水性繊維(C)は、少なくとも親水性付与剤処理されたポリプロピレン繊維を含み、フィルタ用ろ材中の繊維全体を100質量%とした場合、該ポリプロピレン繊維の割合は3〜7質量%である請求項1又は2記載のフィルタ用ろ材。
  4. 上記親水性繊維(C)は、繊維径が15〜25μmの異形断面繊維である請求項1乃至3のいずれかに記載のフィルタ用ろ材。
  5. 更に、繊維径が15〜25μmの異形断面繊維を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載のフィルタ用ろ材。
  6. 上記異形断面繊維は、捲縮繊維である請求項4又は5記載のフィルタ用ろ材。
  7. 更にバインダー材を含む請求項1乃至6のいずれかに記載のフィルタ用ろ材。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のフィルタ用ろ材を用いた流体ろ過用フィルタ。
  9. 請求項1乃至7のいずれかに記載のフィルタ用ろ材を用いたエンジン用オイルフィルタ。
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