JPH08226098A - 用紙及びフィルター - Google Patents
用紙及びフィルターInfo
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- JPH08226098A JPH08226098A JP5378995A JP5378995A JPH08226098A JP H08226098 A JPH08226098 A JP H08226098A JP 5378995 A JP5378995 A JP 5378995A JP 5378995 A JP5378995 A JP 5378995A JP H08226098 A JPH08226098 A JP H08226098A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】流体の流通抵抗が小さく、捕集効率の良いフィ
ルターを提供すること。 【構成】繊維径が１０ミクロンより大きい第１の繊維
と、繊維径が１０ミクロンより小さい第２の繊維を含有
し、かつ該第２の繊維を該第１の繊維と該第２の繊維の
合計に対し３０〜７０％含有する混合物から抄紙した用
紙。その用紙を用いたフィルター。 【効果】用紙の細孔の孔径を小さくでき、空隙率を小さ
くしないで済む。この用紙を用いると流体の流通抵抗を
小さく保ちながら、捕集効率を向上できる。
ルターを提供すること。 【構成】繊維径が１０ミクロンより大きい第１の繊維
と、繊維径が１０ミクロンより小さい第２の繊維を含有
し、かつ該第２の繊維を該第１の繊維と該第２の繊維の
合計に対し３０〜７０％含有する混合物から抄紙した用
紙。その用紙を用いたフィルター。 【効果】用紙の細孔の孔径を小さくでき、空隙率を小さ
くしないで済む。この用紙を用いると流体の流通抵抗を
小さく保ちながら、捕集効率を向上できる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば空気清浄用フィ
ルー等の各種フィルターに用いられる用紙及びそのフィ
ルターに関する。
ルー等の各種フィルターに用いられる用紙及びそのフィ
ルターに関する。
【０００２】
【従来の技術】自動車のエンジンの空冷や、室内用等の
クーラーの空冷その他のために取り入れられる空気を清
浄にする空気清浄用フィルター、集塵器に用いられる雰
囲気中の塵を濾し取る集塵器用フィルター、水中の混濁
物を濾過する水濾過用フィルター、油中の混濁物を濾過
する油濾過用フィルターには繊維加工製品が用いられて
おり、その一つとして繊維を抄き上げた、いわゆる抄紙
した用紙も用いられている。このフィルター用に抄紙し
た用紙としては、各種パルプのセルロース繊維を抄き上
げた紙、パルプの繊維に合成繊維やガラス繊維を混合し
て抄き上げた、いわゆる混抄紙等が知られている。これ
らの紙がフィルターとして用いられるときは、例えば空
気清浄用フィルターの場合には、空気の取り入れ口に単
層あるいは多重に重ねられた状態で取り付けられ、吸引
器等により吸引された空気がこれらの単層あるいは重ね
られたものに当たるようにされる。このようにすると、
紙の組織は繊維が絡み合った構造を有し、繊維と繊維の
間に細孔を有するので、その細孔より大きい空気中の混
濁物である塵は通過を阻まれて、その細孔より小さい塵
だけが空気とともに通過され、このようにして取り入れ
られた空気はフィルターを通ることにより清浄化され
る。このように、フィルターは空気や水、油等の流体の
混濁物を捕らえるが、その性能はその流体を通過させる
抵抗を小さくすることと、どれだけ小さな混濁物を捕え
ることができ、その結果捕集効率を向上できるるかとい
うその細孔の細かさによって表されている。前者は紙に
おける細孔の占める割合、すなわち空隙率が大きいほど
良く、後者は細孔の孔径が小さいほど良い。
クーラーの空冷その他のために取り入れられる空気を清
浄にする空気清浄用フィルター、集塵器に用いられる雰
囲気中の塵を濾し取る集塵器用フィルター、水中の混濁
物を濾過する水濾過用フィルター、油中の混濁物を濾過
する油濾過用フィルターには繊維加工製品が用いられて
おり、その一つとして繊維を抄き上げた、いわゆる抄紙
した用紙も用いられている。このフィルター用に抄紙し
た用紙としては、各種パルプのセルロース繊維を抄き上
げた紙、パルプの繊維に合成繊維やガラス繊維を混合し
て抄き上げた、いわゆる混抄紙等が知られている。これ
らの紙がフィルターとして用いられるときは、例えば空
気清浄用フィルターの場合には、空気の取り入れ口に単
層あるいは多重に重ねられた状態で取り付けられ、吸引
器等により吸引された空気がこれらの単層あるいは重ね
られたものに当たるようにされる。このようにすると、
紙の組織は繊維が絡み合った構造を有し、繊維と繊維の
間に細孔を有するので、その細孔より大きい空気中の混
濁物である塵は通過を阻まれて、その細孔より小さい塵
だけが空気とともに通過され、このようにして取り入れ
られた空気はフィルターを通ることにより清浄化され
る。このように、フィルターは空気や水、油等の流体の
混濁物を捕らえるが、その性能はその流体を通過させる
抵抗を小さくすることと、どれだけ小さな混濁物を捕え
ることができ、その結果捕集効率を向上できるるかとい
うその細孔の細かさによって表されている。前者は紙に
おける細孔の占める割合、すなわち空隙率が大きいほど
良く、後者は細孔の孔径が小さいほど良い。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のフィルター用に抄紙した用紙は、いずれもその
材料の繊維の繊維径が大きく、例えばパルプのセルロー
ス繊維の場合、２０〜３０ミクロンもあるので、これら
材料を用いて通常の方法により抄紙した紙は、繊維の絡
み合いにより形成された細孔の孔径が大きくならざるを
得ない。その見掛け孔径を小さくするためには繊維を密
に充填する必要があるが、その場合には空隙率が小さく
なり過ぎ、その用紙から得られるフィルターはその通そ
うとする空気や水等の流体の流通抵抗を大きくし、その
通過量を制限するので好ましくない。
た従来のフィルター用に抄紙した用紙は、いずれもその
材料の繊維の繊維径が大きく、例えばパルプのセルロー
ス繊維の場合、２０〜３０ミクロンもあるので、これら
材料を用いて通常の方法により抄紙した紙は、繊維の絡
み合いにより形成された細孔の孔径が大きくならざるを
得ない。その見掛け孔径を小さくするためには繊維を密
に充填する必要があるが、その場合には空隙率が小さく
なり過ぎ、その用紙から得られるフィルターはその通そ
うとする空気や水等の流体の流通抵抗を大きくし、その
通過量を制限するので好ましくない。
【０００４】本発明の第１の目的は、空隙率が大きく、
かつ細孔の孔径の小さいフィルター用紙を提供すること
にある。本発明の第２の目的は、流体の流通抵抗が小さ
く、かつ捕集効率の良いフィルターを提供することにあ
る。
かつ細孔の孔径の小さいフィルター用紙を提供すること
にある。本発明の第２の目的は、流体の流通抵抗が小さ
く、かつ捕集効率の良いフィルターを提供することにあ
る。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、（１）、繊維径が１０ミクロン以上の第
１の繊維と、繊維径が１０ミクロンより小さい第２の繊
維を含有し、かつ該第２の繊維を該第１の繊維と該第２
の繊維の合計に対し３０〜７０重量％含有する混合物か
ら抄紙された用紙を提供するものである。また、本発明
は、（２）、第１の繊維はパルプの繊維である上記
（１）の用紙、（３）、繊維径が１０ミクロン以下の第
２の繊維は０．５デニール以下の繊維である上記（１）
又は（２）に記載の用紙，（４）、第２の繊維は合成繊
維である上記（１）ないし（３）のいずれかの用紙、
（５）、上記（１）ないし（４）のいずれかの用紙から
得られるフィルターを提供するものである。
決するために、（１）、繊維径が１０ミクロン以上の第
１の繊維と、繊維径が１０ミクロンより小さい第２の繊
維を含有し、かつ該第２の繊維を該第１の繊維と該第２
の繊維の合計に対し３０〜７０重量％含有する混合物か
ら抄紙された用紙を提供するものである。また、本発明
は、（２）、第１の繊維はパルプの繊維である上記
（１）の用紙、（３）、繊維径が１０ミクロン以下の第
２の繊維は０．５デニール以下の繊維である上記（１）
又は（２）に記載の用紙，（４）、第２の繊維は合成繊
維である上記（１）ないし（３）のいずれかの用紙、
（５）、上記（１）ないし（４）のいずれかの用紙から
得られるフィルターを提供するものである。
【０００６】次に本発明を詳細に説明する。本発明にお
いて、「繊維径が１０ミクロン以上の第１の繊維」とし
ては、例えば繊維径（繊維の断面直径）が１０ミクロン
以上のセルロース繊維が挙げられ、その原料としては木
材パルプ、リンターパルプ等が挙げられるがその種類は
問わない。「繊維径が１０ミクロンより小さい第２の繊
維」としては、０．１５〜０．５デニールの極細繊維が
挙げられ、その種類としては、例えばポリエステル系、
ポリアミド系、ポリイミド系、ポリオレフィン系（ポリ
エチレン、ポリプロピレン等）等の合成繊維が挙げら
れ、これらは単独又は複数混合して使用される。「デニ
ール」とは、長さ４５０ｍの重量が０．０５ｇである繊
維の太さの単位であるが、１デニールの繊維径は、通常
の合成繊維では約６ミクロン程度である。第２の繊維の
繊維径が１０ミクロンより大きいと、得られる紙の細孔
の孔径を小さくできないので好ましくない。上記の繊維
としては、ガラス繊維、鉱物繊維、炭素繊維、セルロー
ス以外の他の天然繊維等も使用できる。
いて、「繊維径が１０ミクロン以上の第１の繊維」とし
ては、例えば繊維径（繊維の断面直径）が１０ミクロン
以上のセルロース繊維が挙げられ、その原料としては木
材パルプ、リンターパルプ等が挙げられるがその種類は
問わない。「繊維径が１０ミクロンより小さい第２の繊
維」としては、０．１５〜０．５デニールの極細繊維が
挙げられ、その種類としては、例えばポリエステル系、
ポリアミド系、ポリイミド系、ポリオレフィン系（ポリ
エチレン、ポリプロピレン等）等の合成繊維が挙げら
れ、これらは単独又は複数混合して使用される。「デニ
ール」とは、長さ４５０ｍの重量が０．０５ｇである繊
維の太さの単位であるが、１デニールの繊維径は、通常
の合成繊維では約６ミクロン程度である。第２の繊維の
繊維径が１０ミクロンより大きいと、得られる紙の細孔
の孔径を小さくできないので好ましくない。上記の繊維
としては、ガラス繊維、鉱物繊維、炭素繊維、セルロー
ス以外の他の天然繊維等も使用できる。
【０００７】これら第１の繊維と第２の繊維の混合物が
抄紙されて、同一種類の繊維を原料に用いた紙、異なる
種類の繊維を原料に用いた、いわゆる混抄紙が得られる
が、その厚さとしては例えば６０〜１００ｇ／ｍ2 が挙
げられるがこれに限らない。これらの用紙を得る際の、
第１の繊維と第２の繊維の原料繊維の混合割合は、第１
の繊維と第２の繊維の合計に対し、第２の繊維を３０〜
７０重量％とすることが好ましい。後者がこれより少な
いと、得られる紙の細孔の孔径が所望の小さい径になら
ず、紙における細孔の占める割合である空隙率も所望の
大きさにならず、これより多いと、紙の特性としての剛
性や加工性が悪くなる。紙の細孔の孔径の目安は、ＪＩ
Ｓ Ｐ３８０１に定める保留粒子径によって表される
が、第１の繊維と第２の繊維を上記の割合で混合して得
られる紙の性能としては保留粒子径は１０ミクロン以下
が好ましく、特に６ミクロンより小さくすることが好ま
しい。このように紙の性能として保留粒子径が６ミクロ
ンより小さい紙では、例えば大気を紙に通過させたとき
にその混濁物をその紙が捕らえた量のその当初の量に対
する割合である、いわゆるＪＩＳ Ｚ８９０１に定める
捕集効率を６５％以上にすることができる。保留粒子径
を５ミクロン以下、４ミクロン以下、２ミクロン以下の
性能を有する紙では、この捕集効率をそれぞれ７２％以
上、７５％以上、８９％以上にすることができる。ま
た、保留粒子径を６ミクロンより小さくすると空隙率を
７５％より大きくでき、保留粒子径を２ミクロン以下に
すると空隙率を８４％以上にすることができる。このこ
とから、本発明は、「繊維径が１０ミクロン以上の第１
の繊維と、繊維径が１０ミクロンより小さい第２の繊維
を含有し、かつ該第２の繊維を該第１の繊維と該第２の
繊維の合計に対し３０〜７０重量％含有する混合物から
抄紙され、かつＪＩＳ Ｐ３８０１に定める保留粒子径
が６ミクロン以下の用紙」とすることもでき、後者のＪ
ＩＳ Ｐ３８０１以降の構成については、「かつ厚さが
６０〜１００ｇ／ｍ2 においてＪＩＳ Ｐ３８０１に定
める保留粒子径が６ミクロン以下の用紙」、「かつ厚さ
が６０〜１００ｇ／ｍ2 においてＪＩＳ Ｐ３８０１に
定める保留粒子径が６ミクロン以下であってＪＩＳ Ｚ
８９０１に定める捕集効率を６５％以上にした用紙」と
することもでき、さらにこれらにおいて「空隙率を７５
％より大きくした」の構成を付加することもできる。こ
れら各発明において保留粒子径、捕集効率、空隙率は上
記それぞれの好ましい範囲の数値に限定することもでき
る。また、「用紙」は「フィルター用紙」とすることも
できる。
抄紙されて、同一種類の繊維を原料に用いた紙、異なる
種類の繊維を原料に用いた、いわゆる混抄紙が得られる
が、その厚さとしては例えば６０〜１００ｇ／ｍ2 が挙
げられるがこれに限らない。これらの用紙を得る際の、
第１の繊維と第２の繊維の原料繊維の混合割合は、第１
の繊維と第２の繊維の合計に対し、第２の繊維を３０〜
７０重量％とすることが好ましい。後者がこれより少な
いと、得られる紙の細孔の孔径が所望の小さい径になら
ず、紙における細孔の占める割合である空隙率も所望の
大きさにならず、これより多いと、紙の特性としての剛
性や加工性が悪くなる。紙の細孔の孔径の目安は、ＪＩ
Ｓ Ｐ３８０１に定める保留粒子径によって表される
が、第１の繊維と第２の繊維を上記の割合で混合して得
られる紙の性能としては保留粒子径は１０ミクロン以下
が好ましく、特に６ミクロンより小さくすることが好ま
しい。このように紙の性能として保留粒子径が６ミクロ
ンより小さい紙では、例えば大気を紙に通過させたとき
にその混濁物をその紙が捕らえた量のその当初の量に対
する割合である、いわゆるＪＩＳ Ｚ８９０１に定める
捕集効率を６５％以上にすることができる。保留粒子径
を５ミクロン以下、４ミクロン以下、２ミクロン以下の
性能を有する紙では、この捕集効率をそれぞれ７２％以
上、７５％以上、８９％以上にすることができる。ま
た、保留粒子径を６ミクロンより小さくすると空隙率を
７５％より大きくでき、保留粒子径を２ミクロン以下に
すると空隙率を８４％以上にすることができる。このこ
とから、本発明は、「繊維径が１０ミクロン以上の第１
の繊維と、繊維径が１０ミクロンより小さい第２の繊維
を含有し、かつ該第２の繊維を該第１の繊維と該第２の
繊維の合計に対し３０〜７０重量％含有する混合物から
抄紙され、かつＪＩＳ Ｐ３８０１に定める保留粒子径
が６ミクロン以下の用紙」とすることもでき、後者のＪ
ＩＳ Ｐ３８０１以降の構成については、「かつ厚さが
６０〜１００ｇ／ｍ2 においてＪＩＳ Ｐ３８０１に定
める保留粒子径が６ミクロン以下の用紙」、「かつ厚さ
が６０〜１００ｇ／ｍ2 においてＪＩＳ Ｐ３８０１に
定める保留粒子径が６ミクロン以下であってＪＩＳ Ｚ
８９０１に定める捕集効率を６５％以上にした用紙」と
することもでき、さらにこれらにおいて「空隙率を７５
％より大きくした」の構成を付加することもできる。こ
れら各発明において保留粒子径、捕集効率、空隙率は上
記それぞれの好ましい範囲の数値に限定することもでき
る。また、「用紙」は「フィルター用紙」とすることも
できる。
【０００８】本発明の用紙には、他の添加剤を加えても
良く、例えば繊維の水中における分散を良くするため
に、全原料繊維に対し、５重量％以下の界面活性剤等の
分散剤を用いても良く、また、紙の強度を増すために全
原料繊維に対し５重量％以下のポリアクリルアミド系樹
脂等の紙力増強剤その他の添加剤を加えても良い。本発
明の用紙を製造するには、原料の繊維を水中に分散させ
た分散液を通常の抄紙用装置を通常の方法により用いる
ことにより製造できる。
良く、例えば繊維の水中における分散を良くするため
に、全原料繊維に対し、５重量％以下の界面活性剤等の
分散剤を用いても良く、また、紙の強度を増すために全
原料繊維に対し５重量％以下のポリアクリルアミド系樹
脂等の紙力増強剤その他の添加剤を加えても良い。本発
明の用紙を製造するには、原料の繊維を水中に分散させ
た分散液を通常の抄紙用装置を通常の方法により用いる
ことにより製造できる。
【０００９】本発明の用紙は、濾過器のケース等に例え
ば単層又は多重に重ねて収容され、フィルターとして用
いられる。その種類としては、上記の「従来の技術」の
項で述べた、空気清浄用フィルター、集塵器用フィルタ
ー、水濾過用フィルター、油中の混濁油濾過用フィルタ
ーその他が挙げられる。
ば単層又は多重に重ねて収容され、フィルターとして用
いられる。その種類としては、上記の「従来の技術」の
項で述べた、空気清浄用フィルター、集塵器用フィルタ
ー、水濾過用フィルター、油中の混濁油濾過用フィルタ
ーその他が挙げられる。
【００１０】
【作用】１０ミクロン以上の繊維径とこれより小さい繊
維径の繊維の混合物であって、両者の合計に対して後者
を３０〜７０重量％含有させた混合物から得られる用紙
は、これらの繊維径とその配合比の選択により、繊維の
絡まり合いによる繊維間の隙間により生じる細孔を小さ
くすることができるとともに、その細孔の数を多くかつ
その分布を一様にして全体に対する細孔の占める割合を
効率良く行い、空隙率を高めることができる。
維径の繊維の混合物であって、両者の合計に対して後者
を３０〜７０重量％含有させた混合物から得られる用紙
は、これらの繊維径とその配合比の選択により、繊維の
絡まり合いによる繊維間の隙間により生じる細孔を小さ
くすることができるとともに、その細孔の数を多くかつ
その分布を一様にして全体に対する細孔の占める割合を
効率良く行い、空隙率を高めることができる。
【００１１】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。また、各実施例における部はいずれも重量部であ
る。 実施例１ 木材パルプ３５部、リンターパルプ３５部に対し、０．
２デニールのポリアミド繊維（商品名ナイロン、以下同
様）３０部を加え、２０００部の水に分散させた。添加
剤として０．５部のポリアクリルアミド樹脂（紙力増強
剤）を同時に加えた。この分散液を網上に展開させて水
分を濾過する通常の方法により抄紙を行ない、８０℃で
乾燥させて厚さ９０ｇ／ｍ2 の混抄紙を製造した。この
紙について、細孔の孔径を評価したところ、保留粒子径
は５ミクロンであった。また、捕集効率を測定したとこ
ろ７２％であった。また、空隙率を測定したところ７７
％であった。なお、保留粒子径とは、ＪＩＳ Ｐ３８０
１で規定された硫酸バリウム等を自然濾過したときの漏
洩粒子径により求めた。保留粒子径が小さいと漏洩粒子
径も小さいから、保留粒子径の測定値の小さい紙の細孔
の孔径は小さいことを示す。また、捕集効率は、ＪＩＳ
Ｚ８９０１に規定する１３種Ａ（ジオクチルフタレー
ト粒子）を分散させた大気を１ｍ／分の通気速度にて５
分濾過したときに捕集された粒子の全粒子に対する割合
をいう。また、空隙率は、紙の体積を面積と厚さから求
め、一方紙の重量を測定してその重さと繊維の比重から
紙に占める繊維の体積を求め、前者から後者を引いた値
を前者により除算し、百分率で示した。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。また、各実施例における部はいずれも重量部であ
る。 実施例１ 木材パルプ３５部、リンターパルプ３５部に対し、０．
２デニールのポリアミド繊維（商品名ナイロン、以下同
様）３０部を加え、２０００部の水に分散させた。添加
剤として０．５部のポリアクリルアミド樹脂（紙力増強
剤）を同時に加えた。この分散液を網上に展開させて水
分を濾過する通常の方法により抄紙を行ない、８０℃で
乾燥させて厚さ９０ｇ／ｍ2 の混抄紙を製造した。この
紙について、細孔の孔径を評価したところ、保留粒子径
は５ミクロンであった。また、捕集効率を測定したとこ
ろ７２％であった。また、空隙率を測定したところ７７
％であった。なお、保留粒子径とは、ＪＩＳ Ｐ３８０
１で規定された硫酸バリウム等を自然濾過したときの漏
洩粒子径により求めた。保留粒子径が小さいと漏洩粒子
径も小さいから、保留粒子径の測定値の小さい紙の細孔
の孔径は小さいことを示す。また、捕集効率は、ＪＩＳ
Ｚ８９０１に規定する１３種Ａ（ジオクチルフタレー
ト粒子）を分散させた大気を１ｍ／分の通気速度にて５
分濾過したときに捕集された粒子の全粒子に対する割合
をいう。また、空隙率は、紙の体積を面積と厚さから求
め、一方紙の重量を測定してその重さと繊維の比重から
紙に占める繊維の体積を求め、前者から後者を引いた値
を前者により除算し、百分率で示した。
【００１２】実施例２ 木材パルプ２５部、リンターパルプ２５部に対し、０．
２デニールのポリアミド繊維５０部及び添加剤として
０．５部のポリアクリルアミド樹脂を加え、２０００部
の水に分散させた。この分散液を実施例１と同様の方法
により抄紙を行ない、８０℃で乾燥させて厚さ８８ｇ／
ｍ2 の混抄紙を製造した。この得られた紙について、実
施例１と同様に保留粒子径、捕集効率及び空隙率を測定
したところ、保留粒子径は４ミクロン、捕集効率は８０
％、空隙率は８１％であった。
２デニールのポリアミド繊維５０部及び添加剤として
０．５部のポリアクリルアミド樹脂を加え、２０００部
の水に分散させた。この分散液を実施例１と同様の方法
により抄紙を行ない、８０℃で乾燥させて厚さ８８ｇ／
ｍ2 の混抄紙を製造した。この得られた紙について、実
施例１と同様に保留粒子径、捕集効率及び空隙率を測定
したところ、保留粒子径は４ミクロン、捕集効率は８０
％、空隙率は８１％であった。
【００１３】実施例３ 木材パルプ１５部、リンターパルプ１５部に対し、０．
２デニールのポリアミド繊維７０部及び添加剤として
０．５部のポリアクリルアミド樹脂を加え、２０００部
の水に分散させた。この分散液を実施例１と同様の方法
により抄紙を行ない、８０℃で乾燥させて厚さ９１ｇ／
ｍ2 の混抄紙を製造した。この得られた紙について、実
施例１と同様に保留粒子径、捕集効率及び空隙率を測定
したところ、保留粒子径は２ミクロン、捕集効率は８９
％、空隙率は８４％であった。
２デニールのポリアミド繊維７０部及び添加剤として
０．５部のポリアクリルアミド樹脂を加え、２０００部
の水に分散させた。この分散液を実施例１と同様の方法
により抄紙を行ない、８０℃で乾燥させて厚さ９１ｇ／
ｍ2 の混抄紙を製造した。この得られた紙について、実
施例１と同様に保留粒子径、捕集効率及び空隙率を測定
したところ、保留粒子径は２ミクロン、捕集効率は８９
％、空隙率は８４％であった。
【００１４】実施例４ ポリアミド繊維の代わりに、０．２デニールのポリエス
テル繊維／０．２デニールのポリアミド繊維＝５０部／
５０部の混合物を用いた以外は実施例２と同様にして抄
紙を行ない、８０℃で乾燥させて厚さ９０ｇ／ｍ2 の混
抄紙を製造した。 この得られた紙について、実施例１
と同様に保留粒子径、捕集効率及び空隙率を測定したと
ころ、保留粒子径は４ミクロン、捕集効率は７８％、空
隙率は８０％であった。
テル繊維／０．２デニールのポリアミド繊維＝５０部／
５０部の混合物を用いた以外は実施例２と同様にして抄
紙を行ない、８０℃で乾燥させて厚さ９０ｇ／ｍ2 の混
抄紙を製造した。 この得られた紙について、実施例１
と同様に保留粒子径、捕集効率及び空隙率を測定したと
ころ、保留粒子径は４ミクロン、捕集効率は７８％、空
隙率は８０％であった。
【００１５】実施例５ ポリアミド繊維の代わりに、０．２デニールのポリプロ
ピレン繊維を用いた以外は実施例２と同様にして抄紙を
行ない、８０℃で乾燥させて厚さ８６ｇ／ｍ2の混抄紙
を製造した。この得られた紙について、実施例１と同様
に保留粒子径、捕集効率及び空隙率を測定したところ、
保留粒子径は４ミクロン、捕集効率は７５％、空隙率は
７８％であった。
ピレン繊維を用いた以外は実施例２と同様にして抄紙を
行ない、８０℃で乾燥させて厚さ８６ｇ／ｍ2の混抄紙
を製造した。この得られた紙について、実施例１と同様
に保留粒子径、捕集効率及び空隙率を測定したところ、
保留粒子径は４ミクロン、捕集効率は７５％、空隙率は
７８％であった。
【００１６】比較例１ 木材パルプ５０部、リンターバルプ５０部及びポリアク
リルアミド樹脂０．５部を２０００部の水に分散させ
た。この分散液を実施例１と同様の方法により抄紙を行
ない、８０℃で乾燥させて厚さ９０ｇ／ｍ2 の混抄紙を
製造した。この得られた紙について、実施例１と同様に
保留粒子径、捕集効率及び空隙率を測定したところ、保
留粒子径は６ミクロン、捕集効率は６３％、空隙率は７
５％であった。なお、上記において、パルプの繊維の繊
維径は２０〜３０ミクロンである。
リルアミド樹脂０．５部を２０００部の水に分散させ
た。この分散液を実施例１と同様の方法により抄紙を行
ない、８０℃で乾燥させて厚さ９０ｇ／ｍ2 の混抄紙を
製造した。この得られた紙について、実施例１と同様に
保留粒子径、捕集効率及び空隙率を測定したところ、保
留粒子径は６ミクロン、捕集効率は６３％、空隙率は７
５％であった。なお、上記において、パルプの繊維の繊
維径は２０〜３０ミクロンである。
【００１７】
【発明の効果】本発明によれば、第１の繊維と第２の繊
維を原料にして抄紙した用紙を提供できるので、細孔を
小さく、かつ空隙率の大きい用紙を提供することがで
き、この用紙をフィルターに用いると、捕集効率を高め
ることができ、しかも流体の流通抵抗を大きくしないよ
うにできる。また、その製造法は通常の抄紙方法を使用
できるので、コストもかからないようにでき、高性能、
低コストのフィルターを提供することができる。
維を原料にして抄紙した用紙を提供できるので、細孔を
小さく、かつ空隙率の大きい用紙を提供することがで
き、この用紙をフィルターに用いると、捕集効率を高め
ることができ、しかも流体の流通抵抗を大きくしないよ
うにできる。また、その製造法は通常の抄紙方法を使用
できるので、コストもかからないようにでき、高性能、
低コストのフィルターを提供することができる。
Claims (5)
- 【請求項１】 繊維径が１０ミクロン以上の第１の繊維
と、繊維径が１０ミクロンより小さい第２の繊維を含有
し、かつ該第２の繊維を該第１の繊維と該第２の繊維の
合計に対し３０〜７０重量％含有する混合物から抄紙さ
れた用紙。 - 【請求項２】 第１の繊維はバルプ繊維である請求項１
記載の用紙。 - 【請求項３】 繊維径が１０ミクロン以下の第２の繊維
は０．５デニール以下の繊維である請求項１又は２に記
載の用紙。 - 【請求項４】 第２の繊維は合成繊維である請求項１な
いし３のいずれかに記載の用紙。 - 【請求項５】 請求項１ないし４のいずれかに記載され
た用紙から得られるフィルター。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5378995A JPH08226098A (ja) | 1995-02-20 | 1995-02-20 | 用紙及びフィルター |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5378995A JPH08226098A (ja) | 1995-02-20 | 1995-02-20 | 用紙及びフィルター |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08226098A true JPH08226098A (ja) | 1996-09-03 |
Family
ID=12952592
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5378995A Pending JPH08226098A (ja) | 1995-02-20 | 1995-02-20 | 用紙及びフィルター |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08226098A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009287149A (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-10 | Daio Paper Corp | 化繊混抄紙及び紙製ワイパー |
-
1995
- 1995-02-20 JP JP5378995A patent/JPH08226098A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009287149A (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-10 | Daio Paper Corp | 化繊混抄紙及び紙製ワイパー |
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