JP2020001010A - 不織布フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 高精度の塵埃捕集性能を有するメインフィルタの高寿命化を図る上で、当該フィルタの濾過上流側に設置使用されるプレフィルタとして、低い圧力損失と、高い塵埃保持容量との双方を実現し得る不織布フィルタを提供すること。【解決手段】 平均繊維径が15μm以上の構成繊維からなる不織布基材の内部に、繊維径が0.1μm以上10μm以下の微小繊維を有し、該微小繊維は、前記不織布基材の見掛けの厚さに対して10%以上100%以下の深さを以て配向し、前記微小繊維を構成する繊維同士が接着した網状部を形成して前記不織布基材の構成繊維に接着した不織布フィルタであって、前記不織布基材の目付が50g/m2以上1500g/m2以下であり、前記微小繊維の含有比率が0.08重量%以上1.0重量%未満である。【選択図】 図1

Description

本発明は、車両又は住環境に備えられた空調装置などに好適な不織布フィルタに関し、特に精密な濾過機能を担うメインフィルタの寿命を延ばすため、このフィルタの濾過上流側に備えて好適な粗塵(塵埃)の捕集機能に優れたプレフィルタに関する。
従来から、長期使用を目的とした不織布フィルタとして、粒径が比較的大きな粉塵の捕集を担うプレフィルタと、このプレフィルタの下流側に比較的小さな粒径の粉塵捕集を行うメインフィルタとを組み合わせたものが広く用いられている。このうち、プレフィルタは、濾過下流側に配設されたメインフィルタに大きな粉塵を到達させることなく、当該メインフィルタには細かい粉塵の捕集機能のみを担わせるために、様々な分野で利用されている。その一例として、本出願人らは特開2005−28253号公報(特許文献1)において、例えばガスタービンなどに導入される空気から、大気塵(以下、粗塵と大気塵とを包括的に粉塵と称する場合がある)の除去に用いて好適な、中高性能フィルタの濾過上流側に配設するための粗塵除去用濾材を提案している。この技術では、繊維径が200μm以上の太い繊維と50μm以上の比較的細い繊維、及び接着剤を80:20〜30:70の質量比で不織布を調製し、係る不織布の厚さ方向で、太い繊維と細い繊維との比率を連続的に変化させ、所謂、密度勾配を持った粗塵除去用濾材を提供するものである。
一方、やはり本出願人が提案している特開2004−290929号公報(特許文献2)では、ポリエステル系樹脂から形成された繊維のみからなり、熱接着性繊維によって繊維同士が結合されており、しかも厚さ方向に密度勾配を有した不織布からなるフィルタであって、前記不織布はJIS L1091 A−1法に準じた難燃試験法の評価結果として、難燃性評価値が区分3であること、並びに当該不織布からなるフィルタを質量法によって濾過試験を行った結果として粒子捕集平均効率が50〜99%である粗塵用フィルタを提案している。この技術の好適態様として、当該フィルタは粗面層と密面層の二層構造を有し、粗面層及び密面層はそれぞれ50質量%以上の熱接着性繊維を含むと共に、粗面層には、さらに1質量%以上の中空繊維を含むことで嵩高な繊維構造を濾過上流側に設け、低い圧力損失を実現しようとするものである。
上述したとおり、粗塵用フィルタは、粗塵を選択的に濾過捕集するため、濾過上流側から同下流側に向かって低い見掛け密度から高い見掛け密度の密度勾配を以て繊維構造体を形成する技術、或いは、少なくとも2つの異なる見掛け密度の繊維構造体を積層構成する技術に大別することができる。さらに、これらとは異なる構造体として、本出願人は、国際出願番号PCT/JP2018/16211号(以下、特許文献3)において、実質的にバインダーを用いることなく、ナノファイバーに相当する微小繊維を比較的大きな繊維径を有する不織布基材の内部に網状部として形成可能な不織布フィルター技術を提案している。以下、代用写真で示す図を参照し、この特許文献3の技術について説明する。
図1は特許文献3に[図1A]として開示した不織布フィルターの断面写真、並びに図2は同文献に[図1B]として示した当該フィルターの主面に沿った面を拡大撮影した写真である。これら図面代用写真から理解できるように、この特許文献3に係る技術では比較的太い平均繊維径の構成繊維からなる不織布基材の厚さ方向に所定の深さを以て、当該構成繊維よりも細い微小繊維を備える構成となっている。この文献技術では、不織布基材の構成繊維として熱接着性を有し、例えばポリエステル樹脂及び変性ポリエステル樹脂からなる少なくとも一種の複合繊維を含有する形態が好ましいと開示しており、熱接着後の基材の剛性が高く、バインダー成分を不織布基材側に含有せしめ、しかも微小繊維自体が熱可塑性樹脂で構成すれば、細い繊維径を損なうことなく、比較的安価な不織布フィルターを実現できる。また、特許文献3に係る公報では、不織布基材の目付が50g/m以上450g/m以下であることが好ましく、より好適には100g/m以上200g/m以下と記載している。この好適な数値範囲の下限よりも低い目付では不織布基材自体の地合いが悪く、これに形成される網状部の存在形態も不均一になり、塵埃の保持量向上が難しくなる場合がある。さらに、網状部を構成する微小繊維の目付は0.1g/m以上50g/m以下を好適範囲とし、2.0g/m以上15g/m以下であることが最も好ましいと開示している。
この特許文献3の技術では、具体的な不織布基材の作製方法として公知の技術を採用することができ、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、フラッシュスパン法)、湿式法、又は乾式法(例えば、カード法、エアレイ法)といった周知技術で繊維ウエブを形成後、例えば、繊維ウエブ構成繊維を加圧下又は無圧下で融着させる方法、バインダーにより接着する方法、水流やニードルにより絡合する方法などを挙げ、繊維同士を接着する。これら公知の技術によって得られる不織布基材は、内部に微小繊維からなる網状部を形成しやすい様に、平均繊維径が7μm以上の繊維からなる不織布基材を調製するのが好ましく、好適には平均繊維径が15μm以上の繊維とすることによって得られる、嵩高な構造を実現できると記載されている。このような不織布基材に、微小繊維を含む網状部を被着形成するに当たっては、当該基材の見掛けの厚さに対して30%以上100%以下、より好適には50%以上100%以下の深さを以て網状部を設けるのが好ましい。このような網状部の形成には、
(a)パルプ状の微小繊維を湿式法により基材内部に配置した後、融着固定する技術
(b)水や有機溶剤等の溶剤に溶解した合成樹脂を高速エアによって基材内部に吐出紡糸し、基材内部に固着させる技術
(c)水などの溶媒にナノオーダーの繊維径を持つセルロースファイバーなどの微小繊維を分散させ、予め調製した不織布基材の、少なくとも一部に染み込ませた状態で凍結乾燥させる技術
(d)微小繊維の原料となる樹脂材料を溶媒に溶解させ、不織布基材の少なくとも一部に付与し、凍結乾燥させる技術
(e)不織布基材に微小繊維の樹脂材料を溶解させた溶液を付与し、当該基材の厚さ方向に気流を作用させて不織布基材の内部に微小繊維を含む網状部を生成する技術
を利用し得ると開示している。
特開2005−28253号公報([特許請求の範囲]、[0013]〜[0048]、及び[図1]など) 特開2004−290929号公報([特許請求の範囲]、[0011]〜[0032]など) 国際出願番号PCT/JP2018/16211号([特許請求の範囲]、[発明を実施するための形態]欄、[図1A]、[図1B]など)
上述した特許文献3では、比較的繊維径の大きな基材の内部に、これと比較して繊維径の小さな繊維を被着構成することによって、大気中の塵埃を捕集するフィルタを例示している。この特許文献3の技術では、不織布基材の構成繊維表面に接着成分を配し、複数の被着技術を例示して微小繊維を所定深さで不織布基材に固定する旨の開示がある。本出願に係る発明者は、このような2種類の繊維径が異なるフィルタ構造を利用し、前述した特許文献1並びに特許文献2に提案された繊維構造体を鋭意検討した。前述したとおり、フィルタには精密な塵埃の濾過を担うメインフィルタと、このメインフィルタの長寿命化を図るために比較的粗い塵埃のみを捕集するプレフィルタとが知られている。よって、このような微小繊維と、その足場或いは下地となって網状体を固定する不織布基材との複合形態を再検証し、プレフィルタとして好適な塵埃の捕集効率及び低圧損を効率的に図り得る繊維構造体を実現し、本発明を完成させるに至った。
従って、本発明の目的は、高精度の塵埃捕集性能を有するメインフィルタの高寿命化を図る上で、当該フィルタの濾過上流側に設置使用されるプレフィルタとして、低い圧力損失と、高い粉塵保持容量との双方を実現し得る不織布フィルタを提供することにある。
上述した目的の達成を図るため、本出願に係る不織布フィルタの構成によれば、平均繊維径が15μm以上の構成繊維からなる不織布基材の内部に、繊維径が0.1μm以上10μm以下の微小繊維を有し、この微小繊維は、上述した不織布基材の見掛けの厚さに対して10%以上100%以下の深さを以て配向し、上述の微小繊維を構成する繊維同士が接着した網状部を形成して前述した不織布基材の構成繊維に接着する不織布フィルタであって、前述の不織布基材の目付が50g/m以上1500g/m以下であり、前記微小繊維の含有比率が0.08重量%以上1.0重量%未満であることを特徴としている。尚、ここに言う「見掛けの厚さ」とは不織布フィルタに外力が加わらない状態で測定した寸法を言い、「深さ」とは、この「見掛け厚さ」に対して厚さ方向に微小繊維が到達した距離寸法の割合を言う。通常、不織布フィルタは2つの面で構成されているが、ここに言う「深さ」の起点となる面は、網状部の形成工程で繊維を不織布基材の内部に進入させた面に相当する。この起点となる面は、不織布基材の構成繊維の最表面に被着した微小繊維が観察され、この表面から、規定した深さの部分まで、概ね連続して微小繊維が被着しているため、判別は容易である。
また、本発明の実施に当たり、上述した不織布フィルタは、ASHRAE52.1−1992に規定されるASHRAEダストを用いた質量法による濾過性能試験で、風速2.5m/秒における150g/m負荷時の粒子捕集率が60%以上であり、圧力損失が200Paにまで上昇した時点での粉塵保持容量が、360g/m以上で有ることが好適である。
さらに、本発明の好適な実施態様として、前述した不織布フィルタにおける、深さの起点となる面とは相対する面を塵埃の濾過面とするのが好適である。
本発明の不織布フィルタは、前述した構成を採用することによって、極めて低い圧力損失と粉塵保持容量との双方を両立させることができ、メインフィルタの長寿命化が可能な優れたプレフィルタを提供することができる。
背景技術に係る不織布フィルターの概要断面を撮影した電子顕微鏡写真により示す図。 図1に示すフィルターの濾過面に相当する表面を拡大した電子顕微鏡写真により示す図。
本発明に係る不織布フィルタは、特許文献3に提案されている構造を基本とし、平均繊維径が15μm以上の構成繊維からなる不織布基材と、その一方の表面から内部にかけて、繊維径が0.1μm以上10μm以下の微小繊維からなる網状部とで構成される。この網状部は特許文献3に開示された種々の技術で微小繊維を生成し、紡糸、抄造などの方法によって不織布基材の内部に所定の深さを以て配向、形成される。以下、その製造工程の好適形態に従って順次に説明する。
まず、不織布基材は平均繊維径が15μm以上の構成繊維を使用することで、繊維間の空隙を安定に保つことが可能となり、微小繊維の被着時にも繊維間距離を安定に保ち、使用時に風圧が加わっても嵩高な圧力損失の低い、形状維持特性の高いフィルタを実現できる。具体的な不織布基材の作製技術としては、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、ニードルパンチ等)等の公知の方法を用いることができる。このような不織布基材の構成繊維の材質として、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基又はフッ素若しくは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン等)、スチレン樹脂、ポリエーテル樹脂(ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、フェノール、メラミン、ユリア、エポキシ、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトン等)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル、不飽和ポリエステル等)、変性ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂(例えば、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエーテルアミド、ナイロン等)、ニトリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリル等)、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスルホン樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等)、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、セルロース樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル樹脂(例えば、アクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル等を共重合したポリアクリロニトリル、アクリロニトリルと塩化ビニル又は塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル等)等の、公知の有機ポリマーやガラス繊維、金属繊維等の公知の無機繊維を用いることができる。また、このうちの有機ポリマーとしては、直鎖状ポリマー又は分岐状ポリマーのいずれでもよく、さらに、当該ポリマーはブロック共重合体又はランダム共重合体などでも好適であって、その立体構造や結晶性の有無を問わず、上述した形状維持特性に富むものを任意好適に選択することができる。
これら不織布基材の構成繊維は、後段で説明する網状部の被着工程で形状及び厚さの変化が少ないものであれば一種類の成分、若しくは複数の成分が混合されたものでもよい。特に、複数成分を異なる区画に区分して組み合わせた複合繊維を用いるのが好適である。複合繊維の形態として、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型など、いずれを用いてもよい。これら複合繊維のうち、繊維同士の接着可能な部分を実質的に全表面とすることが可能な芯鞘型であれば、網状部の形成工程、並びに不織布フィルタの使用時に接着強度による形状維持特性や耐久性を付与でき、最も好ましい。さらに、このような熱接着可能な複合繊維と単一成分からなる汎用のレギュラー繊維とを組合せても形状維持特性に寄与することは明らかである。また、従前知られているように、不織布フィルタとして種々の化学薬品に対する耐性を求める場合、熱接着後の剛性も高く、比較的安価であるため、ポリエステル樹脂及び変性ポリエステル樹脂からなる複合繊維を採用するのがよい。
このような不織布基材の目付は、特許文献3に開示のとおり、不織布フィルタの形状維持に支配的であることから、圧力損失の上昇を抑制し、じん埃保持量を高くするために、50g/m以上400g/m以下、より好ましくは100g/m以上200g/m以下とするのがよい。この好適な数値範囲の下限よりも低い目付では、微小繊維の被着工程でも変形を来たし、得られる網状体の形態が不均一になり、圧力損失の増大や塵埃保持量の低下につながる場合があり、当該目付を上記範囲よりも高く設定した場合には、圧力損失の早期上昇を招き、不織布フィルタの寿命が著しく短くなる虞がある。
次いで、上述のように設計してえられた不織布基材の、主として内部に微小繊維を被着させ、網状体を形成する。この網状体の形成は、特許文献3に提案するような被着技術(前述した「a」〜「e」参照)の何れを採用することもできる。このうち、前述した「b」の技術、即ち、種々の溶剤に溶解した合成樹脂を高速エアによって吐出紡糸し、基材内部に固着させる技術の場合、不織布基材の一方の面から100mm以下程度の距離に配置された、溶融紡糸又はフラッシュ紡糸に用いる口金によって、微小繊維の構成樹脂を吹き付けるとともに、この不織布基材の他方の面から吸引を行うのが好ましい。なお、口金から吐出された微小繊維の構成樹脂は、不織布基材の構成繊維に到達するまで固化せずに流動性が残る状態で実施することが必要であり、しかも微小繊維の形成深さを深く採るためには不織布基材の面と口金の距離は、50mm以下であることがより好ましい。この微小繊維の繊維径は、不織布基材の構成繊維にくらべて小さくすることによって、不織布基材の内部に効率的に被着させることが可能であり、0.1μm以上10μm以下に設計するのが好適である。係る微小繊維の構成樹脂として、溶剤に可溶なポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイロン12、ナイロン−4,6等のナイロン系樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、セルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、酢酸セルロースブチレート樹脂、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル樹脂、ポリ(ビス−(2−(2−メトキシ−エトキシエトキシ))ホスファゼン)(poly(bis−(2−(2−methoxy−ethoxyethoxy))phosphazene);MEEP)樹脂、ポリプロピレンオキサイド樹脂、ポリエチレンイミド(PEI)樹脂、ポリこはく酸エチレン(poly(ethylenesuccinate))樹脂、ポリアニリン樹脂、ポリエチレンサルファイド樹脂、ポリオキシメチレン−オリゴ−オキシエチレン(poly(oxymethylene−oligo−oxyethylene))樹脂、SBS共重合体樹脂、ポリヒドロキシ酪酸樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレングリコール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂(部分けん化ポリビニルアルコール、完全けん化ポリビニルアルコール)、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、コラーゲン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリD,L−乳酸−グリコール酸共重合体樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリプロピレンフマラート(poly(propylene fumalates))樹脂、ポリカプロラクトン等の生分解性高分子、ポリペプチド、タンパク質等の水溶性樹脂、又はコールタールピッチ、石油ピッチ等のピッチ系樹脂等を例示することができる。これらの中でも、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、又はポリビニルアルコール樹脂から選ばれた樹脂が好ましく、不織布フィルタの使用環境などに応じて任意好適に選択できる。
また、微小繊維の目付は、下地となる不織布基材の圧力損失増大を抑制し、しかも塵埃保持量の向上を図る上で、不織布フィルタの重量に占める微小繊維の重量比率を百分率で表した値(微小繊維の含有比率)が0.08重量%以上1.0重量%未満であることが必要である。この範囲を超えて微小繊維を多量に被着させる場合、不織布フィルタの生産効率は低下し、及び圧力損失が過度に大きくなってしまう。また、過小な被着量とすれば、初期の粉塵の捕集率を望むのが難しくなる。
この微小繊維は、不織布基材の見掛けの厚さに対して10%以上100%以下の深さを以て配向させるのが好ましい。この「深さ」の計測は不織布フィルタ断面の電子顕微鏡写真10枚を撮影し、各々の写真で不織布フィルタの平面方向に均等な任意の10点を選び出し、厚さ方向に伸びた網状部の長さを写真上で有効数字3桁まで計測する。その10点平均を10回算出し、さらに、その平均値を以て「深さ」(有効数字2桁)と定義した。ここで、「見掛けの厚さに対して10%以上100%以下の深さを以て配向」するとは、基材の見掛けの厚さに対して、当該厚さの値の10%以上100%以下の深さにまで「網状部」が到達している状態を言う。つまり、前述の図1にも例示したように、ベースとなる不織布基材の内部に網状の微小繊維が広く分布し、或いは微小繊維同士の接着によって構成される網状体が多数存在することで、不織布フィルタの使用時に、その厚さ方向を塵埃の捕集に効率的に利用した深層濾過が可能となり、目詰まりが起きにくい。このため、圧力損失の上昇抑制と、高い塵埃保持量とを実現することができる。このような微小繊維を厚さ方向に配向せしめる被着工程の技術の選定、並びに、条件設定を好適に選択することで、網状部がより深い位置に形成され、粉塵保持容量を高く採ることができる。
また、本発明の実施に当たって、塵埃を濾過する面は、微小繊維を不織布基材に被着させた面(前述した深さの起点となる面)とは反対側の面とするのが好ましい。これは、種々の要件で調製された本発明の不織布フィルタ全般において、微小繊維が不織布基材内部に導入した面に較べて、これとは反対の表面では微小繊維が絶対的に少なく分布して密度勾配構造を生じる。このため、比較的微小繊維の少ない領域を濾過上流側とすることによって、効率的な塵埃捕集が可能になり、粉塵保持容量が向上する
以上、本発明の好適形態について、具体的な材料、配置関係、数値的条件など、特定の条件を例示して説明したが、本発明は、これら特定条件にのみ限定されるものではなく、この発明の目的の範囲内で任意好適な設計の変更または変形を行い得ることを理解されたい。
以下、本発明の実施例を挙げて、不織布フィルタの製造と、これにより作製されたフィルタの評価結果について説明する。なお、本発明は以下に示す実施例にのみ限定されるものではない。
[不織布基材の調製]
始めに、不織布基材として、カード機による短繊維不織布を例示して説明する。本実施例では、後に述べる塵埃の除去評価の理解を容易とするため、1種類の不織布基材を調製した。まず、市販のポリエステル樹脂及び変性ポリエステル樹脂からなる芯鞘型複合繊維(繊度17.0デシテックス、繊維長51mm)80質量%と、やはり市販されているポリエステル樹脂及び変性ポリエステル樹脂からなる芯鞘型複合繊維(6.6デシテックス、繊維長51mm)20質量%と、を混綿した。これをカード機にかけてウエブ形成し、ニードルパンチ法で絡合した後、150℃の熱風ドライヤーで繊維間接着し、目付が150g/mの不織布基材を得た。この断面を電子顕微鏡で観察し、繊維同士の融着点を除く構成繊維部分のみを50本計測観察したところ、平均繊維径は約37μmであった。
[微小繊維の吐出紡糸による網状部の形成]
上述した不織布基材内部への網状部の形成は、前述の特許文献3に背景技術として開示した特開2012−154009号公報に記載の製造装置を用いた。吐出する紡糸液は、水を溶媒とし、市販のポリビニルアルコール樹脂を12%の重量濃度で溶解調製した。装置に配設されたコンベアと口金との離間距離を種々に変更し、コンベアの裏側からサクションを行って微小繊維を不織布基材に被着させ、後段で述べる網状部の深さ並びに微小繊維含有比率が異なる評価用の不織布フィルタを調製した。
[ダスト負荷試験]
評価用サンプルの構成については後に示すが、不織布基材のみで構成した参考例を含む合計18種類の不織布フィルタにおける濾過性能は、ASHRAE52.1−1992の試験方法に則って実施した。まず、風速はプレフィルタとしての使用を考慮して2.5m/秒で圧力損失が200Paになるまで市販のASHRAEダスト(組成:72%アリゾナ街路じん、23%カーボンブラック、5%コットンリンター)を70mg/mの濃度で供給した。この間、塵埃が150g/m供給された時点までの塵埃の捕集率を150g/m負荷時の粒子捕集率として、また、終点である圧力損失200Paまでの粉塵供給量を粉塵保持容量として記録した。尚、この試験では、微小繊維を吐出被着した不織布基材の表面が比較的密度が高いため、当該面が下流となるように試験装置に装着して行った。但し、比較例6に関しては、これとは相対する面を濾過面として評価、解析に用いた。以下に、各評価サンプルの網状部構成と評価結果とを表1として示す。
Figure 2020001010
まず、参考例とした評価サンプルは、微小繊維を被着することなく、その他の評価サンプルに共通に用いた不織布基材のみからなるものである。この参考例における初期圧損は21Paであり、これに微小繊維を種々の形態で被着形成した各実施例並びに比較例では、これよりも圧損が高くなっているのが理解できる。また、当該参考例の150g/m負荷時粒子捕集率(以下、単に粒子捕集率と称する)は60%であり、微小繊維(網状体)の被着形態によって、この粒子捕集率が変化している。まず、実施例1及び実施例2は、何れも微小繊維含有率を0.08%とし、網状部の深さのみが異なる。これら2つの実施例と参考例とを比較すれば、初期圧損及び粒子捕集率が実施例で若干高くなると共に、破過までの粉塵保持量は1割程度向上していた。これに対して、微小繊維含有比率を0.03%にまで下げて調製した比較例1では、参考例と同一の初期圧損であり、粒子捕集率並びに粉塵保持量に向上効果は認められなかった。このことから、不織布基材の内部に形成した網状部は、微小繊維含有比率を0.08%以上として被着することで粉塵保持量向上をもたらすと判定した。
また、実施例3〜実施例6では、微小繊維含有比率を上述の実施例から1.5倍〜2倍程度に増加させた。これら4つのサンプルでは粒子捕集率を参考例の1割以上向上していた。さらに、微小繊維の深さを大きく採る場合、不織布基材の厚さ方向に微小繊維が分散され、見かけ上の密集度が小さくなるため、微小繊維含有比率が等しく、網状部深さのみが異なる実施例同士の比較から、網状部の深さを大きく採ることで僅かに初期圧損が下がる傾向が観察された。この傾向は、微小繊維含有比率を0.27%〜0.53%とした実施例7〜実施例11でも確認され、各実施例中で最も深く網状部を形成した実施例9では、実施例に較べて約2割低い初期圧損となった。この点を更に検証するため、比較例6として実施例8と同等の不織布フィルタを示す。当該比較例6では、深さの起点とした表面を濾過上流面としたため、実施例8に比べ、主に、不織布基材の濾過上流面に存在する網状部に塵埃がたまり易くなり、粉塵保持容量が低下した。
さらに、比較例2として、深さが5%、すなわち、実質的に微小繊維が深さの起点となる面にのみ積層したサンプルを評価した。その結果、実施例8並びに実施例9と同等の微小繊維含有比率であるにもかかわらず、初期圧損は参考例の3倍、粉塵保持量は参考例の8分の1に過ぎなかった。このことから、本発明の構成を利用して所定の微小繊維の深さとすることで、不織布基材を効率的に利用し得ることが確認された。加えて、比較例3〜比較例5として、微小繊維の含有比率を1.00%以上としたサンプルを調製した結果、粉塵保持量の不織布基材からの向上は望めず、初期圧損が増大するのみであった。この結果から、不織布基材に微小繊維を被着させる好適範囲は1%未満であることを確認した。

Claims (3)

  1. 平均繊維径が15μm以上の構成繊維からなる不織布基材の内部に、繊維径が0.1μm以上10μm以下の微小繊維を有し、該微小繊維は、前記不織布基材の見掛けの厚さに対して10%以上100%以下の深さを以て配向し、前記微小繊維を構成する繊維同士が接着した網状部を形成して前記不織布基材の構成繊維に接着した不織布フィルタであって、
    前記不織布基材の目付が50g/m以上1500g/m以下であり、前記微小繊維の含有比率が0.08重量%以上1.0重量%未満であることを特徴とする不織布フィルタ。
  2. ASHRAE52.1−1992に規定されるASHRAEダストを用いた質量法による濾過性能試験で、風速2.5m/秒における150g/m負荷時の粒子捕集率が60%以上であり、圧力損失が200Paにまで上昇した時点での粉塵保持容量が、360g/m以上で有ることを特徴とする請求項1に記載の不織布フィルタ。
  3. 前記不織布フィルタにおける深さの起点となる面とは相対する表面を濾過面としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の不織布フィルタ。
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