JP3527793B2 - 濾材およびエアーフィルター - Google Patents

濾材およびエアーフィルター

Info

Publication number
JP3527793B2
JP3527793B2 JP13411295A JP13411295A JP3527793B2 JP 3527793 B2 JP3527793 B2 JP 3527793B2 JP 13411295 A JP13411295 A JP 13411295A JP 13411295 A JP13411295 A JP 13411295A JP 3527793 B2 JP3527793 B2 JP 3527793B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
filter medium
fibers
weight
fiber diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13411295A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08323121A (ja
Inventor
光男 吉田
英輔 山屋
義彦 忍足
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP13411295A priority Critical patent/JP3527793B2/ja
Publication of JPH08323121A publication Critical patent/JPH08323121A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3527793B2 publication Critical patent/JP3527793B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体中に含有される粒
子を効率良く除去し、清浄な液体を得るための液体濾過
用フィルター濾材、空気中の粉塵を捕集するエアフィル
ター濾材などの濾材に関するものであり、特に高性能エ
アフィルター(HEPA)や超高性能エアフィルター
(ULPA)などの用途として、空気中の粉塵の捕集効
率が良好であり、濾材からのガラス繊維の脱落がなく、
今後ますます問題視されつつある環境問題に対して不燃
ゴミ減量を配慮した濾材、エアフィルターに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、高性能エアフィルター濾材はチョ
ップドストランドガラス繊維およびマイクロガラス繊維
を混合して湿式抄紙法で抄造した後、バインダーを付与
して強度を強くする方法で作られていたが、この方法で
作製された濾材はガラス繊維で構成されている為に半導
体産業などで使用された場合、微量の酸、アルカリとの
接触によりガラス繊維表面が侵食され、微量の重金属
(B-、Na+など)が発生することが問題視されてい
る。また、濾材に弾性がなく、折り加工時や衝撃が加わ
った際にガラス繊維が折れて脱落するという欠点があ
る。また、使用済みの濾材を廃棄する場合、焼却しても
ほとんど減容しないことから不燃ゴミ問題も深刻であ
る。
【0003】この問題を解決するために、マイクロガラ
ス繊維と有機繊維状フィブリルを混合した濾過材が特開
昭57−132522号公報、特開昭58−20552
0号公報に開示され、ガラス繊維を使用しない濾材につ
いては、特開昭58−208498号公報に開示されて
いる。これらの発明には有機繊維状フィブリルを30〜
80重量%配合されており、有機繊維状フィブリルの配
合比率が高いために非常に緻密なものになってしまい、
通気性が悪く圧力損失が高い濾材となってしまう。ま
た、有機繊維状フィブリルの素材は線状芳香族ポリエス
テルが好ましいと述べられているが、実施例に則り線状
芳香族ポリエステルをデイスクリファイナーで叩解した
場合、パルプ状にフィブリル化することは可能である
が、非常に微細な単繊維にまでフィブリル化することは
困難であり、微細な単繊維にまでフィブリル化する前の
段階で繊維が長さ方向に寸断されてしまう。そのため、
微細な単繊維にまでフィブリル化するためには、素材が
非常に結晶化度が高く、かつ剛直鎖合成高分子でなけれ
ばならないと考えられる。
【0004】これに対して、非常に結晶化度が高く、か
つ剛直鎖合成高分子の繊維をフィブリル化してエアフィ
ルター濾過材に適用した例が特開昭63−236512
号公報に開示されている。また、本出願人らによる特開
平2−99108号公報にも開示されている。
【0005】ここで用いているフィブリル化された有機
繊維は、原料が芳香族ポリアミドであり、非常に剛直な
分子構造を持っており、分子鎖が完全に伸びきってい
る。そのため、均質化装置(Gaulin社製、15M
−8TA)やディスクリファイナーで処理した場合、非
常に繊維径の細い繊維にまでフィブリル化される為、高
性能濾材に適用した場合に有効である。しかし、特開昭
63−236512号公報では、フィブリル化された有
機繊維と繊維径5μm以上の有機繊維のみで濾材を設計
しているために、両素材の繊維径の差が大きい為に両素
材のネットワークが十分保てない為に、微細にフィブリ
ル化された有機繊維の抄紙ワイヤーからの流出が多くな
ってしまう。また、フィブリル化された有機繊維は、抄
造した後、乾燥されると、絡み合いの作用が働き、濾材
が非常に緻密なものになってしまい、捕集効率は良好で
あっても、通気性は悪く、圧力損失が高くなってしま
う。
【0006】この問題を解決するために、本出願人らが
出願した特開平2−99108号公報では、濾材が緻密
なものにならないように異型断面を有する有機繊維を3
0〜90重量%配合することによって濾材の空隙率を高
めて通気性を確保している。この発明は、繊維径が1μ
m以下にフィブリル化された有機繊維が5〜40重量
%、繊維径1〜5μmの極細有機繊維が5〜30重量
%、異型断面を有する繊維径5μm以上の有機繊維が3
0〜90重量%で構成されており、この3種類の混合に
より均一なネットワークを形成して捕集効率を向上させ
ている。しかし、この発明では高性能エアフィルター濾
材(HEPAフィルター)の性能(0.3μm粒子の捕
集効率:99.97%以上)は満足できたものの、超高
性能エアフィルター濾材(ULPAフィルター)の性能
はまだ満足できていなかった。
【0007】特開昭59−228918号公報には、平
均繊維径0.1〜3μmの小径繊維、繊維径5〜15μ
mの中径繊維、繊維径20〜50μmの大径繊維を混合
した濾材が開示されており、平均繊維径0.1〜3μm
の小径繊維としてはマイクロガラス繊維、アスベスト繊
維、チタン酸カリウム繊維、セラミック繊維などの無機
繊維の他に濾水度が50〜700ccのポリエステル合
成パルプを挙げている。中径繊維、大径繊維にはポリエ
ステル繊維やアラミド繊維が圧力損失の低下に寄与する
として、好ましいと述べられている。この方法で濾材を
作製しようとした場合、マイクロガラス繊維などの小径
繊維もポリエステル繊維やアラミド繊維の中径繊維、大
径繊維も剛直であると共に両素材の繊維径の差が大きい
ためにお互いの絡み合いがなく、捕集効率を向上させる
為のマイクロガラス繊維が抄紙ワイヤーから抄き水と共
に抜けでてしまいマイクロガラス繊維を有効に活用でき
ない。また、実施例には掲載されていないが、本文中に
記載されている小径繊維として濾水度が50〜700c
cのポリエステル合成パルプを使用した場合、ポリエス
テル合成パルプは非常に微細な単繊維にまでフィブリル
化することは困難であり、微細な単繊維にまでフィブリ
ル化する前の段階で繊維が長さ方向に寸断されてしまう
ことから、繊維径が完全に細くなっておらず、良好な捕
集効率は得られない。
【0008】また、ガラス繊維を一切使用せずにメルト
ブロー法で作製した不織布に、直流高電圧を印加してエ
レクトレット化することにより捕集効率を高めたエレク
トレット濾材が特開平5−7713号公報、特開平6−
128858号公報、特公平5−10962号公報に開
示されている。この方法で作製されたエレクトレット濾
材は静電気引力により捕集効率を高めていることから圧
力損失を低く押さえることが可能である。しかし、初期
の捕集効率をクリアーできたとしても次に示すような条
件下では捕集効率の低下が懸念されている。 高温高湿度条件下。 アルコールなどの有機溶剤の蒸気に晒された場合。 濾材に粉塵が堆積した場合。 そのため半導体産業などにおいては、重要な部位に使用
されるには至っていない。
【0009】一方、特開昭62−210025号公報で
は、繊維径0.1〜0.2μmのマイクロガラス繊維を
10〜30重量%、天然セルロースを30〜10重量
%、0.1デニールの合繊モノフィラメントを80〜6
0重量%を配合し、抄紙法で抄造している。しかし、天
然セルロース繊維は、繊維断面形状が偏平であるため
に、濾材の密度を高めてしまい、結果として圧力損失を
高くしてしまう。また、仮に天然セルロース繊維の繊維
径を細くするために叩解を進めたり、フィブリル化を進
めても天然セルロース繊維は結晶化度が低いために繊維
長は短くなるものの、繊維断面は偏平なままであり、い
っそう濾材の密度を高めてしまい、圧力損失を高くして
しまう。また、この繊維配合で抄紙ワイヤー上で抄造し
た場合、マイクロガラス繊維と0.1デニール(繊維径
約3μm)の合繊モノフィラメントは剛直であると共に
両素材の繊維径の差が大きいためにお互いの絡み合いが
なく、捕集効率を向上させる為のマイクロガラス繊維が
抄紙ワイヤーから抄き水と共に抜けでてしまいマイクロ
ガラス繊維を有効に活用できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】かかる問題に鑑み、本
発明は捕集効率を向上させる平均繊維径0.1〜1μm
のマイクロガラス繊維と剛直鎖合成高分子からなる濾水
値が30〜800秒のフィブリル化有機繊維を濾材中に
混在させることにより両素材の絡み合い効果を引き出す
ことにより、マイクロガラス繊維単独の場合に問題とな
る抄紙ワイヤーからの離脱の問題、またフィブリル化有
機繊維単独の場合に問題となる高密度化の両問題を解決
し、捕集効率と圧力損失のバランスのとれた濾材を提供
し、またこの濾材を使用したフィルターを提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく鋭
意検討した結果、平均繊維径0.1〜1μmのマイクロ
ガラス繊維と剛直鎖合成高分子からなる濾水値が30〜
800秒のフィブリル化有機繊維を濾材中に混在させる
ことにより、剛直なマイクロガラス繊維の交点や繊維上
に剛直鎖合成高分子からなる濾水値が30〜800秒の
フィブリル化有機繊維が絡み合ったり、剛直鎖合成高分
子からなる濾水値が30〜800秒のフィブリル化有機
繊維同士の間に剛直なマイクロガラス繊維が入り込み空
隙を構成するなど両素材の絡み合い効果を引き出すこと
により、マイクロガラス繊維単独の場合に問題となる抄
紙ワイヤーからの離脱の問題、またフィブリル化有機繊
維単独の場合に問題となる高密度化の両問題を解決する
ものである。ここで剛直鎖合成高分子とは、溶液中直線
状を維持する鎖長(持続長)が50オングストローム以
上ある高分子のことであり、下記のフィブリル化有機繊
維が該当する。
【0012】さらに、繊維径0.1〜1.0デニールの
有機繊維を混合することにより、剛直なマイクロガラス
繊維と樹枝状にフィブリル化したフィブリル化有機繊維
の絡み合いネットワークを三次元的に膨らませることに
より、濾材の空隙率を高めることにより通気性を確保
し、捕集効率と圧力損失のバランスのとれた濾材を提供
し、またこの濾材を使用したフィルターを提供する。
【0013】即ち、本発明の濾材は、平均繊維径0.1
〜1μmのマイクロガラス繊維、剛直鎖合成高分子から
なる濾水値が30〜800秒のフィブリル化有機繊維を
必須成分として含有する濾材である。
【0014】さらに、繊維径0.1〜1.0デニールの
有機繊維を一種以上含有する濾材である。
【0015】好ましくは、フィブリル化有機繊維が、ポ
リ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−p−ベン
ズアミド、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾー
ル、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール、ポ
リアミドヒドラジン、ポリヒドラジン、ポリ−p−フェ
ニレンテレフタルアミド−3、4−ジフェニルエーテル
テレフタルアミドよりなる群より選んだ少なくとも1種
である。
【0016】濾材中の繊維径0.1〜1μmのマイクロ
ガラス繊維の配合比率が5〜30重量%、剛直鎖合成高
分子からなる濾水値が30〜800秒のフィブリル化有
機繊維の配合比率が5重量%以上、30重量%未満の範
囲であり、両素材のトータル配合比率が濾材全体の50
重量%以下であることを特徴とする濾材である。
【0017】また、繊維状のバインダーを配合する濾材
である。
【0018】本発明のエアーフィルターは、前記濾材を
用いたものであることを特徴とする。
【0019】以下、本発明の濾材について詳細に説明す
る。
【0020】本発明に用いられる平均繊維径0.1〜1
μmのマイクロガラス繊維は、捕集効率を決定づける繊
維の一つである。平均繊維径が1μmを超えて大きい場
合、濾過効率を向上させる効果が少ない。また、平均繊
維径が0.1μm未満の場合、湿式抄紙の際、ワイヤー
からのマイクロガラス繊維の流出が多く、非常に歩留ま
りが悪くなってしまう。
【0021】マイクロガラス繊維の濾材全体に対する配
合比率は、目的とする捕集効率になるように配合比率を
変更でき、その配合率は5〜30重量%である。
【0022】マイクロガラス繊維は、平均繊維径が0.
1〜1μmの範囲内であることが必須であり、マイクロ
ガラス繊維の全配合比率が5〜30重量%であれば、平
均繊維径の異なる2種以上のマイクロガラス繊維を併用
しても何等差し支えない。マイクロガラス繊維の素材
は、一般的なボロシリケート系の他に、よりシリカの純
度の高い石英ガラスも使用できる。石英ガラスからなる
マイクロガラス繊維を使用した場合には、ボロシリケー
ト系のマイクロガラス繊維では問題視されている半導体
製造工程でのフッ酸による劣化の問題もない。
【0023】本発明に用いられる剛直鎖合成高分子から
なる濾水値が30〜800秒のフィブリル化有機繊維
は、単独でも捕集効率を向上させることが出来る繊維で
あるが、抄紙ワイヤー上で平均繊維径0.1〜1μmの
マイクロガラス繊維と絡み合いネットワークをつくるこ
とにより、均一な空隙を構成すると共に平均繊維径0.
1〜1μmのマイクロガラス繊維の抄紙ワイヤーからの
脱落を防止する働きをする。さらに驚くべきことに両素
材を混合することによる絡み合いネットワークの効果に
より捕集効率を向上させる効果がある。
【0024】剛直鎖合成高分子とは、溶液中直線状を維
持する鎖長(持続長)が50オングストローム以上ある
高分子のことであり、例えば、ポリ−p−フェニレンテ
レフタルアミド、ポリ−p−ベンズアミド、ポリ−p−
フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ−p−フェニレ
ンベンゾビスオキサゾール、ポリアミドヒドラジン、ポ
リヒドラジン、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド
−3、4−ジフェニルエーテルテレフタルアミドなどが
ある。これらの剛直鎖合成高分子の中から適宜選択して
濾水値が30〜800秒になるように調整すれば良い。
【0025】本発明でいう濾水値とは当出願人が出願し
た特公平2−60799号公報の6頁7行より示された
方法で測定した値である。この方法は、JIS−P81
21のパルプのろ水度試験方法(カナダ標準形)ではろ
水度が低すぎて測定が不可能なスラリーに適用する方法
であり、非常にフィブリル化の進んだ繊維に適用できる
ものである。
【0026】ここで、濾水値の測定方法を簡単に説明す
る。フィブリル化有機繊維を0.3%の水分散液に調整
して、これを1リットル採取する。このスラリーを内径
102mmの円筒容器(底に78メッシュの金網が張っ
てある)に移したとき、濾液を500ml得られるに要
する時間を秒で示した値を濾水値という。濾水値が30
秒未満の場合、フィブリル化の度合いが低いために比較
的太い繊維がまだ残存しているために、マイクロガラス
繊維を効率よく保持することが出来ない。一方、濾水値
が800秒を越えた場合、フィブリル化の進みすぎによ
り繊維長が極端に短くなり、マイクロガラス繊維と共に
抄紙ワイヤーからの流出が多くなってしまう。
【0027】濾水値が30〜800秒のフィブリル化有
機繊維を得る方法としては、例えば以下に示す方法など
が挙げられる。 1)合成高分子溶液を該高分子の貧溶媒中にせん断力を
かけながら流下させ、繊維状フィブリルを沈澱させる方
法。(フィブリッド法、特公昭35−11851号公
報)。 2)合成モノマーを重合させながらせん断をかけフィブ
リルを析出させる方法(重合せん断法、特公昭47−2
1898号公報)。 3)二種以上の非相溶性高分子を混合し、溶融押出し、
または紡糸し、切断後機械的な手段で繊維状にフィブリ
ル化する方法(スプリット法、特公昭35−9651号
公報)。 4)二種以上の非相溶性高分子を混合し、溶融押出し、
または紡糸し、切断後溶剤に浸漬して一方の高分子を溶
解し、繊維状にフィブリル化する方法(ポリマーブレン
ド溶解法、米国特許3、382、305号)。 5)合成高分子をその溶媒の沸点以上で、かつ高圧測か
ら低圧測へ爆発的に噴出させた後、繊維状にフィブリル
化する方法(フラッシュ紡糸法、特公昭36−1646
0号公報)。 6)繊維を適当な繊維長に切断後、水中に分散させ、ホ
モジナイザー、叩解機などを用いてフィブリル化する方
法(特開昭56−100801号公報、特開昭59−9
2011号公報)。
【0028】フィブリル化有機繊維の具体的な例として
は、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミドを均質化装
置でフィブリル化したKY−400S(ダイセル化学工
業社製)などが挙げられる。
【0029】濾材中の剛直鎖合成高分子からなる濾水値
が30〜800秒のフィブリル化有機繊維(以下フィブ
リル化有機繊維と称する)の配合比率は、5重量%以
上、30重量%未満の範囲が好ましく、より好ましく
は、5〜20重量%である。
【0030】また、濾材中の繊維径0.1〜1μmのガ
ラス繊維とフィブリル化有機繊維は、捕集効率を決定づ
ける素材であるが、そのトータル配合比率が過剰の場
合、圧力損失が上昇してしまい濾材として不適なものと
なってしまうことから、濾材中の繊維径0.1〜1μm
のガラス繊維とフィブリル化有機繊維のトータル配合比
率は、濾材全体の50重量%以下の範囲であることが好
ましい。
【0031】繊維径0.1〜1.0デニールの有機繊維
は、剛直なマイクロガラス繊維と樹枝状にフィブリル化
したフィブリル化有機繊維の絡み合いネットワークを三
次元的に膨らませることにより、濾材の空隙率を高める
ことにより通気性を確保するために必要な繊維である。
繊維径0.1〜1.0デニールの有機繊維の配合比率は
10〜80重量%であり、2種以上混合した場合は両繊
維合計して10〜80重量%である。この繊維単独では
良好な捕集効率の濾材を得ることは出来ないが、平均繊
維径0.1〜1μmのマイクロガラス繊維、フィブリル
化有機繊維と混合することにより、段階的な繊維径分布
を形成し濾材の空隙率を高め、捕集効率と圧力損失のバ
ランスをとることにより超高性能エアフィルター(UL
PAフィルター)の性能をクリアーした濾材が得られ
る。さらに、繊維径の異なる繊維径0.1〜1.0デニ
ールの有機繊維を二種以上混合すると、一段と段階的な
繊維径分布を形成することができ、さらに濾材の空隙率
を高め、捕集効率と圧力損失のバランスのとることが可
能となる。
【0032】良好な引張り強度、折り適性を抄造段階で
付与させるために繊維状のバインダーを配合することに
より、濾材の内部強度を強くでき、抄造後の撥水剤や接
着剤の付与工程、スリット工程でのテンションが加わっ
たときに起こり易い断紙や、抄造後の撥水剤や接着剤の
付与工程、スリット工程、濾材のプリーツ加工工程等で
濾材の表面がこすれて起こる面剥けを抑える役割を果た
す。さらに、繊維状のバインダーを配合することによ
り、マイクロガラス繊維とフィブリル化有機繊維の両素
材からなる絡み合いネットワークをさらに強固に出来る
ことから、抄造後の濾材からのマイクロガラス繊維の飛
散や脱落を防止できる。また、濾材に配合される0.1
〜1.0デニールの有機繊維よりもやや繊維径の太い
0.5〜3デニールのバインダー繊維を配合するなら
ば、さらに広い段階的な繊維径分布を形成でき濾材の空
隙率を高め、いっそう捕集効率と圧力損失のバランスの
とれた濾材が得られる。
【0033】本発明に用いられる繊維状のバインダー
は、芯鞘タイプ(コアシェルタイプ)、並列タイプ(サ
イドバイサイドタイプ)などの複合繊維が挙げられる。
例えば、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の
組み合わせ(商品名:ダイワボウNBF−H:大和紡績
製)、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコー
ル(鞘)の組み合わせ(商品名:ダイワボウNBF−
E:大和紡績製)、ポリプロピレン(芯)とポリエチレ
ン(鞘)の組み合わせ(商品名:チッソESC:チッソ
製)、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル
(鞘)の組み合わせ(商品名:メルテイ4080:ユニ
チカ製)などが挙げられる。また、ビニロンバインダー
繊維(VPB107×1:クラレ製)などの熱水溶融タ
イプなども使用できる。
【0034】繊維状のバインダーの繊維径は特に限定さ
れないが0.3〜5デニールであることが好ましく、よ
り好ましくは0.5〜2デニールである。繊維径が0.
3デニール未満では濾材の圧力損失が高くなり、フィル
ターのライフが短くなってしまう。また、繊維径が5デ
ニールを超えると濾材中の繊維の段階的な繊維径分布に
空洞部が出来、濾材の圧力損失は低くなるものの、捕集
効率が低下してしまう。また、その他の繊維との融着面
積が少なくなり濾材の強度向上が少ない。
【0035】本濾材に配合できる繊維は、マイクロガラ
ス繊維、フィブリル化有機繊維、0.1〜1.0デニー
ルの有機繊維、繊維状のバインダーに限定されず、不織
布に用いられるバインダー性能を持たない繊維を性能を
阻害しない範囲であれば配合しても何等差し支えない。
【0036】本発明の濾材を湿式抄紙法で製造する際、
地合を良好にするためには、マイクロガラス繊維、フィ
ブリル化有機繊維、繊維径0.1〜1.0デニールの有
機繊維、繊維状のバインダーをパルパーなどの分散タン
ク内で分散水に均一に分散する必要があり、そのために
界面活性剤を用いることが望ましい。
【0037】界面活性剤は、アニオン系、カチオン系、
ノニオン系、両性に分類される。アニオン系界面活性剤
としては、例えば、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、ス
ルホン酸塩、リン酸エステル塩などが挙げられる。カチ
オン系界面活性剤としては、アミン塩、アンモニウム塩
などが挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、エ
ーテル型、エステル型、アミノエーテル型などが挙げら
れる。両性界面活性剤としては、ベタイン型などが挙げ
られる。これらの中から、繊維の分散性の良好なものを
適宜選択して用いればよい。また、これら例示したもの
から外れるものであっても、繊維の分散性の良好なもの
であれば問題ない。
【0038】均一に混合分散した繊維の分散安定性を向
上させるためにアニオン性のポリアクリルアミド系粘剤
を繊維分散液、または抄紙白水中に添加することによ
り、湿式抄造後の濾材の地合はさらに向上する。
【0039】本発明の濾材は、一般紙や湿式不織布を製
造するための抄紙機、例えば、長網抄紙機、円網抄紙
機、傾斜ワイヤー式抄紙機などの湿式抄紙機で製造でき
る。乾燥には、シリンダードライヤー、スルードライヤ
ー、赤外線ドライヤーなどの乾燥機を用いることができ
るが、いずれの場合でも、乾燥温度はバインダーとして
用いられる複合繊維の融点以上にする必要がある。
【0040】本発明の濾材は、湿式抄紙後乾燥した時点
で、強度および腰が良好であるが、用途によりさらに強
度、腰を向上させるために、湿式抄紙し、乾燥した後、
各種バインダーを付与することが可能である。
【0041】バインダーとしては、例えば、アクリル系
ラテックス、酢ビ系ラテックス、ウレタン系ラテック
ス、エポキシ系ラテックス、ポリエステル系ラテック
ス、SBR系ラテックス、NBR系ラテックス、エポキ
シ系バインダー、フェノール系バーンダー、PVA、デ
ンプン、一般的に製紙工程で使用される紙力剤などが挙
げられ、これらを単独、もしくは架橋剤と併用して使用
できる。
【0042】湿式抄紙して乾燥した後、付与するバイン
ダー量は、濾材の坪量に対して20重量%未満である。
20重量%を超えると、強度、腰は強くなるものの捕集
性能が低下するばかりでなく、圧力損失が高くなってし
まいフィルターのライフを短くしてしまう。
【0043】また、用途に応じてさらに濾材に撥水性、
難燃性を付与させるために、撥水剤、難燃剤を付与して
も良い。
【0044】
【作用】段階的な繊維径分布を形成するために、平均繊
維径0.1〜1μmのマイクロガラス繊維、剛直鎖合成
高分子からなる濾水値が30〜800秒のフィブリル化
有機繊維、繊維径0.1〜1.0デニールの有機繊維を
混合することにより、剛直なマイクロガラス繊維と樹枝
状にフィブリル化したフィブリル化有機繊維の絡み合い
ネットワークを三次元的に膨らませることにより、濾材
の空隙率を高めることができ通気性を確保出来、捕集効
率と圧力損失のバランスのとれた濾材とすることができ
て超高性能エアフィルター濾材(ULPAフィルター)
の性能をクリアーし、使用後の濾材を焼却することによ
り減量ができ、不燃ゴミ量を減少できるため環境問題に
対応することができる。
【0045】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の「部」および「%」は、それぞれ「重
量部」および「重量%」を示す。
【0046】実施例1 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、平均繊維径
約1.0μmのマイクロガラス繊維(#108A、シュ
ラー社製)、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊
維を均質化装置でフィブリル化したフィブリル化有機繊
維(濾水値:500秒)、繊維径0.15デニール×3
mmポリエステル繊維(旭化成社製)を各々30:1
0:60の比率で配合し、分散濃度0.2%で30分間
分散した後、乾燥重量で80g/m2になるように円網抄紙
機で抄紙後、表面温度130℃のシリンダードライヤー
で乾燥した後、撥水剤とアクリルラテックスをサイズプ
レス装置で付与し乾燥させて、濾材を得た。
【0047】実施例2 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、平均繊維径
約0.65μmのマイクロガラス繊維(#106、シュ
ラー社製)、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊
維を均質化装置でフィブリル化したフィブリル化有機繊
維(濾水値:400秒)、繊維径0.1デニール×3m
mポリエステル繊維(帝人社製)、繊維径0.4デニー
ル×5mmポリエステル繊維(クラレ社製)、を各々3
0:10:30:30の比率で配合し、分散濃度0.2
%で30分間分散した後、乾燥重量で90g/m2になるよ
うに円網抄紙機で抄紙後、表面温度130℃のシリンダ
ードライヤーで乾燥した後、撥水剤とアクリルラテック
スをサイズプレス装置で付与し乾燥させて、濾材を得
た。
【0048】実施例3 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、平均繊維径
約0.3μmのマイクロガラス繊維(#100、シュラ
ー社製)、フィブリル化有機繊維(KY−400S:ダ
イセル化学工業社製、濾水値:300秒)、繊維径0.
15デニール×3mmポリエステル繊維(旭化成社
製)、繊維径0.7デニール×5mmポリプロピレン繊
維(大和紡社製)、繊維径2デニール×5mmポリエス
テル繊維状バインダー(メルテイ4080、ユニチカ社
製)、を各々20:10:25:25:20の比率で配
合し、分散濃度0.2%で30分間分散した後、乾燥重
量で80g/m2になるように円網抄紙機で抄紙後、表面温
度130℃のシリンダードライヤーで乾燥した後、撥水
剤とアクリルラテックスをサイズプレス装置で付与し乾
燥させて、濾材を得た。
【0049】実施例4 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、平均繊維径
約0.3μmのマイクロガラス繊維(#100、シュラ
ー社製)、平均繊維径約0.65μmのマイクロガラス
繊維(#106、シュラー社製)、フィブリル化有機繊
維(KY−400S:ダイセル化学工業社製、濾水値:
300秒)、繊維径0.15デニール×3mmポリエス
テル繊維(旭化成社製)、繊維径0.5デニール×5m
mポリエステル繊維(帝人社製)、繊維径2デニール×
5mmポリエステル繊維状バインダー(メルテイ408
0、ユニチカ社製)、を各々15:15:5:25:2
0:20の比率で配合し、分散濃度0.2%で30分間
分散した後、乾燥重量で80g/m2になるように円網抄紙
機で抄紙後、表面温度130℃のシリンダードライヤー
で乾燥した後、撥水剤とアクリルラテックスをサイズプ
レス装置で付与し乾燥させて、濾材を得た。
【0050】実施例5 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、平均繊維径
約0.3μmのマイクロガラス繊維(#100、シュラ
ー社製)、フィブリル化有機繊維(KY−400S:ダ
イセル化学工業社製、濾水値:300秒)、繊維径0.
1デニール×3mmポリエステル繊維(帝人社製)、繊
維径0.4デニール×5mmポリエステル繊維(クラレ
社製)、繊維径1.0デニール×3mmの繊維状バイン
ダー(VPB107×1:クラレ製)、を各々20:1
0:35:30:5の比率で配合し、分散濃度0.2%
で30分間分散した後、乾燥重量で80g/m2になるよう
に円網抄紙機で抄紙後、表面温度130℃のシリンダー
ドライヤーで乾燥した後、撥水剤とアクリルラテックス
をサイズプレス装置で付与し乾燥させて、濾材を得た。
【0051】実施例6 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、平均繊維径
約0.3μmのマイクロガラス繊維(#100、シュラ
ー社製)、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維
を均質化装置でフィブリル化したフィブリル化有機繊維
(濾水値:30秒)、繊維径0.15デニール×3mm
ポリエステル繊維(旭化成社製)、繊維径0.4デニー
ル×5mmポリエステル繊維(クラレ社製)、繊維径2
デニール×5mmポリエステル繊維状バインダー(メル
テイ4080、ユニチカ社製)、を各々20:20:2
0:20:20の比率で配合し、分散濃度0.2%で3
0分間分散した後、乾燥重量で80g/m2になるように円
網抄紙機で抄紙後、表面温度130℃のシリンダードラ
イヤーで乾燥した後、撥水剤とアクリルラテックスをサ
イズプレス装置で付与し乾燥させて、濾材を得た。
【0052】実施例7 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、平均繊維径
約0.5μmのマイクロ石英ガラス繊維(#104Q、
シュラー社製)、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミ
ド繊維を均質化装置でフィブリル化したフィブリル化有
機繊維(濾水値:800秒)、繊維径0.15デニール
×3mmポリエステル繊維(旭化成社製)、繊維径0.
4デニール×5mmポリエステル繊維(クラレ社製)、
繊維径2デニール×5mmポリエステル繊維状バインダ
ー(メルテイ4080、ユニチカ社製)を各々20:1
0:20:30:20の比率で配合し、分散濃度0.2
%で30分間分散した後、乾燥重量で80g/m2になるよ
うに円網抄紙機で抄紙後、表面温度130℃のシリンダ
ードライヤーで乾燥した後、撥水剤とアクリルラテック
スをサイズプレス装置で付与し乾燥させて、濾材を得
た。
【0053】比較例1 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、平均繊維径
約0.3μmのガラス繊維(#100、シュラー社
製)、繊維径0.1デニール×3mmポリエステル繊維
(帝人社製)を各々40:60の比率で配合し、分散濃
度0.2%で30分間分散した後、乾燥重量で80g/m2
になるように円網抄紙機で抄紙後、表面温度130℃の
シリンダードライヤーで乾燥した後、撥水剤とアクリル
ラテックスをサイズプレス装置で付与し乾燥させて、濾
材を得た。
【0054】比較例2 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、平均繊維径
約0.3μmのガラス繊維(#100、シュラー社
製)、平均繊維径約6μmのガラス繊維(ユニチカ社
製)を40:60の比率で配合し、分散濃度0.2%で
30分間分散した後、乾燥重量で80g/m2になるように
円網抄紙機で抄紙後、得られた湿紙の状態のガラス繊維
シートに対して固形分で5%になるように水溶性ポリア
クリルアミド紙力剤(ポリストロンPS677、荒川化
学社製)をサチュレーターで塗布し、エアドライヤーで
乾燥させ濾材を得た。
【0055】比較例3 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマル850)
を全繊維に対して1%になるように添加し、フィブリル
化有機繊維(KY−400S:ダイセル化学工業社製、
濾水値:300秒)、繊維径0.15デニール×3mm
ポリエステル繊維(旭化成社製)を各々40:60の比
率で配合し、分散濃度0.2%で30分間分散した後、
乾燥重量で70g/m2になるように円網抄紙機で抄紙後、
表面温度130℃のシリンダードライヤーで乾燥した
後、撥水剤とアクリルラテックスをサイズプレス装置で
付与し乾燥させて、濾材を得た。
【0056】上記の実施例1〜7および比較例1〜3で
作製した濾材について、下記の評価方法により評価し、
その結果を下記表1に示した。
【0057】
【表1】
【0058】<圧力損失>圧力損失(Pa)は、濾材に
空気を風速5.3cm/秒で通気させた時の通気抵抗を
水中マノメーターで測定した。
【0059】<捕集効率>捕集効率(%)は、DOPエ
アロゾル(フタル酸ジオクチル、粒径0.15μm)粒
子を発生させ、この粒子を含有する空気を風速5.3c
m/秒で通気させ、濾材の前後で空気をサンプリング
し、それぞれの粒子濃度をマルチダストカウンターで測
定し下記式より算出した。 捕集効率={(濾過前の粒子数−濾過後の粒子数)/濾
過前の粒子数}×100
【0060】<フィルター加工時のガラス繊維の脱落>
フィルター加工時のガラス繊維の脱落は、濾材を蛇腹状
にひだ折りしてユニットに組み込む際に濾材から脱落し
たガラス繊維の量により、脱落しないものを◎とし、脱
落の激しいものを×として示す。表中では、脱落とす
る。
【0061】<焼却後の灰分>焼却後の灰分(%)は、
濾材を900℃の電気炉で2時間加熱焼却させる前後の
重量から下記式より算出した。 灰分=(焼却後の濾材の重量/焼却前の濾材の重量)×
100
【0062】上記実施例1〜7で作製した濾材は、捕集
効率、圧力損失が良好であり、ガラス繊維の脱落もな
く、使用後の濾材を焼却することができ、且つその重量
を焼却前の重量の31重量%以下にすることができ、不
燃ゴミ量を減少できるため環境問題に対応することがで
きる。
【0063】比較例1は、濾材を乾燥させる際に繊維同
士の絡み合いが弱いためにシリンダードライヤーから離
れる際に濾材表面の繊維がシリンダードライヤーに貼り
付き、表面剥離を起こし目標とした坪量に合わせること
が困難であった。また、シリンダードライヤーへの濾材
の貼り付きによって紙切れが多発し、連続操業が困難で
あった。また、目標の坪量に合った濾材でフィルターに
加工したが、ガラス繊維の脱落が発生した。
【0064】比較例2の濾材は、シリンダードライヤー
を使用しないでエアドライヤーを使用しているため、濾
材の貼り付きなどの問題はないものの、ガラス繊維を主
体としているためにフィルターに加工する際にガラス繊
維の脱落が非常に多い。また、焼却後の灰分が約95%
であり焼却してもほとんど減容しないことから今後の環
境への問題を残す。
【0065】比較例3の濾材は、フィブリル化有機繊維
と、繊維径0.15デニール×3mmポリエステル繊維
で濾材を形成しているため、濾材が非常に緻密なものと
なり、圧力損失が高く、濾材には不適なものであった。
【0066】実施例8 実施例3で作製した濾材を(縦305mm)×(横30
5mm)×(奥行き150mm)のフィルターにプリー
ツ数61で組み込み、フィルター吹き出し風速0.50
m/sでの圧力損失、および0.15μmのDOPエア
ロゾル粒子の捕集効率を測定した結果、圧力損失:2
0.6Pa、捕集効率:99.99993%であり、エ
アフィルターとして良好な結果が得られた。
【0067】
【発明の効果】本発明の濾材は、段階的な繊維径分布を
形成するために、平均繊維径0.1〜1μmのマイクロ
ガラス繊維、剛直鎖合成高分子からなる濾水値が30〜
800秒のフィブリル化有機繊維、繊維径0.1〜0.
3デニールの有機繊維、0.4〜0.7デニールの有機
繊維を混合することにより、剛直なマイクロガラス繊維
と樹枝状にフィブリル化したフィブリル化有機繊維の絡
み合いネットワークを三次元的に膨らませることによ
り、濾材の空隙率を高めることにより通気性を確保出
来、捕集効率と圧力損失のバランスのとれた濾材とする
ことにより超高性能エアフィルター(ULPAフィルタ
ー)の性能をクリアーし、使用後の濾材を焼却すること
により減量ができ、不燃ゴミ量を減少できるため環境問
題に対応することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 忍足 義彦 東京都田無市本町1−10−8 (56)参考文献 特開 昭63−232814(JP,A) 特開 昭62−79822(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 39/00 - 39/20

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均繊維径0.1〜1μmのマイクロガ
    ラス繊維を5〜30重量%、剛直鎖合成高分子からなる
    濾水値が30〜800秒のフィブリル化有機繊維5重量
    %以上、30重量%未満を必須成分として含有すること
    を特徴とする濾材。
  2. 【請求項2】 繊維径0.1〜1.0デニールの有機繊
    維を一種以上含有することを特徴とする請求項1記載の
    濾材。
  3. 【請求項3】 フィブリル化有機繊維が、ポリ−p−フ
    ェニレンテレフタルアミド、ポリ−p−ベンズアミド、
    ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ−p
    −フェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリアミドヒド
    ラジン、ポリヒドラジン、ポリ−p−フェニレンテレフ
    タルアミド−3、4−ジフェニルエーテルテレフタルア
    ミドよりなる群より選ばれた少なくとも1種であること
    を特徴とする請求項1または2記載の濾材。
  4. 【請求項4】 濾材中の繊維径0.1〜1μmのマイク
    ロガラス繊維の配合比率が5〜30重量%、剛直鎖合成
    高分子からなる濾水値が30〜800秒のフィブリル化
    有機繊維の配合比率が5重量%以上、30重量%未満の
    範囲であり、両素材のトータル配合比率が濾材全体の5
    0重量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の濾材。
  5. 【請求項5】 繊維状のバインダーを配合することを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の濾材。
  6. 【請求項6】 前記請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の濾材を用いたエアフィルター。
JP13411295A 1995-05-31 1995-05-31 濾材およびエアーフィルター Expired - Fee Related JP3527793B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13411295A JP3527793B2 (ja) 1995-05-31 1995-05-31 濾材およびエアーフィルター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13411295A JP3527793B2 (ja) 1995-05-31 1995-05-31 濾材およびエアーフィルター

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08323121A JPH08323121A (ja) 1996-12-10
JP3527793B2 true JP3527793B2 (ja) 2004-05-17

Family

ID=15120745

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13411295A Expired - Fee Related JP3527793B2 (ja) 1995-05-31 1995-05-31 濾材およびエアーフィルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3527793B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6872311B2 (en) * 2002-01-31 2005-03-29 Koslow Technologies Corporation Nanofiber filter media
US8057567B2 (en) 2004-11-05 2011-11-15 Donaldson Company, Inc. Filter medium and breather filter structure
ES2920610T3 (es) 2004-11-05 2022-08-05 Donaldson Co Inc Procedimiento para filtrar un fluido calentado
JP4511327B2 (ja) * 2004-11-17 2010-07-28 北越紀州製紙株式会社 エアフィルタ用濾材及びその製造方法
JP5096726B2 (ja) * 2005-11-07 2012-12-12 三菱製紙株式会社 複合濾材
JP2008049333A (ja) * 2006-07-27 2008-03-06 Mitsubishi Paper Mills Ltd 複合濾材及び複合濾材の製造方法
JP5290507B2 (ja) * 2006-10-04 2013-09-18 北越紀州製紙株式会社 エアフィルタ用濾材及びそれを備えるエアフィルタ
JP2013146669A (ja) * 2012-01-18 2013-08-01 Nitta Corp エアフィルタ及びその製造方法
CN113289413B (zh) * 2021-05-25 2022-08-05 九江市磐泰复合材料有限公司 一种高容量氟玻璃纤维过滤材料的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08323121A (ja) 1996-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH04313313A (ja) 液体濾過用フィルター濾材
JP2008000652A (ja) 濾材
JP3527793B2 (ja) 濾材およびエアーフィルター
US20210154607A1 (en) Filtration media especially useful for filtering fluids associated with wire electron discharge machining (wedm) processes
JP2020073271A (ja) エアフィルタ用濾材及びその製造方法、並びにエアフィルタ
JP4086729B2 (ja) 濾材および液体濾過用フィルター濾材
JPH1080612A (ja) 濾材およびエアフィルター
JP3305372B2 (ja) 液体濾過用フィルター濾材
JPH0352610A (ja) エアフィルタ用濾材
JP2000070628A (ja) 液体濾過用の濾過材
JPH09155127A (ja) 濾 材
JP5797175B2 (ja) エアフィルタ用濾材
JPH09841A (ja) 濾材およびそれを用いた液体濾過用フィルター
JPH08206421A (ja) 濾材およびその製造方法
JPH08196829A (ja) 空気清浄化フィルター濾材およびその製造方法
JP3960440B2 (ja) 空気清浄フィルター用濾紙、その製造方法及びその濾紙を用いた空気清浄フィルター
JPH1170305A (ja) 濾材及びエアフィルタ−
JP2007083184A (ja) 濾材及び液体濾過用フィルター濾材
JP2633355B2 (ja) 液体濾過用フィルター濾材
JP2672609B2 (ja) ▲ろ▼材
JP2020065956A (ja) エアフィルタ用濾材及びその製造方法
JPS63236512A (ja) エアフイルタ−濾過材
JP2003080015A (ja) リサイクル可能なエアフィルタ用ろ材
JP2016137459A (ja) フィルタ用不織布及びフィルタ用濾材
JP2020093209A (ja) 濾材

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040223

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110227

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees