JP5797175B2 - エアフィルタ用濾材 - Google Patents

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本発明は、半導体製造などの各種クリーンルーム、ビル空調、空気清浄機等の用途において、気体中の粒子状物質を濾過するために用いられる、ガラス繊維を主体としたエアフィルタ用濾材に関する。
気体中の粒子状物質を濾過するために用いられるエアフィルタにおいては、ガラス繊維を主体としたエアフィルタ用濾材が広く用いられている。ガラス繊維濾材が広く用いられている理由としては、非常に細い繊維径とすることが可能なため、目が細かく捕集効率が高い濾材が得られる、繊維が剛直であるため、高い空隙率を維持して圧力損失が低く通気性が高い濾材が得られる、難燃性を有する濾材が得られること等が挙げられる。
ガラス繊維濾材を湿式抄紙法に用いて製造する際には、ガラス繊維自体がほとんど接着性を有していないため、実用上必要とされる強度を付与するために、通常、ポリマーからなるバインダーが使用される。このバインダーの形態は、以下の2つに大別される。1つは、繊維状のポリマーを、ガラス繊維と一緒に水中で混合分散してから、湿式抄紙法によりガラス繊維と複合化されたシートとした後、加熱により溶解又は溶融することによってガラス繊維同士を接着させるバインダー繊維である。もう1つは、ポリマーの溶液または分散液を、湿式抄紙により得られたガラス繊維シートに付着させた後、乾燥によりポリマーを固化させてガラス繊維同士を接着させる非繊維状のバインダー樹脂である。このうち、強度付与により効果が大きいのは、少量の使用でも繊維表面同士をより広範囲にわたって接着することが可能な、後者のバインダー樹脂である。
ところで、エアフィルタ用濾材は、通常、濾過面積を大きくするためにプリーツ加工機でジグザグ状に折られ、いわゆるプリーツ加工され、エアフィルタユニットの形で用いられる。ガラス繊維濾材は、シートが比較的剛直であるため、通風使用時においても、支持体を併用することなく濾材のみでジグザグ状のフィルタユニット形状を維持しやすい利点がある。しかしながら、その一方で、折り曲げに対しては脆弱であるため、プリーツ加工時に折った折山部分が割れやすく、プリーツ加工における生産速度や製品歩留を低下させるという問題がある。
ガラス繊維濾材のプリーツ加工適性を向上させる方法としては、これまでに、バインダー繊維を用いる方法が提案されており、例えば、繊維径1〜70μmで繊維長が1〜15mmの有機繊維20〜80重量を含む濾材(特許文献1)、繊維形態を保持しながら膨潤したポリビニルアルコール繊維状バインダーを含む濾材(特許文献2)、融点が50〜170℃である熱融着性繊維を含む2層構成の複合濾材(特許文献3)などが提案されている。
特開平9−70512号公報 特許第3848139号公報 特開2008−49333号公報
本発明の課題は、ガラス繊維濾材の特徴である高捕集効率、低圧力損失、難燃性の各物性を維持しつつ、プリーツ加工時の折山の割れを防ぐことにより、プリーツ加工適性を向上させた、ガラス繊維を主体としたエアフィルタ用濾材を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ガラス繊維を接着するバインダーとして、接着成分が鞘部である芯鞘構造を有するバインダー繊維と、非繊維状のバインダー樹脂を含有し、かつ、全バインダー分の濾材中含有量を一定の範囲内とすることにより、前記の課題が解決されることを見出した。すなわち、第1の発明は、ガラス繊維を主体としたエアフィルタ用濾材において、接着成分が鞘部である芯鞘構造のバインダー繊維と、非繊維状のバインダー樹脂を含有し、かつ、バインダー繊維及びバインダー樹脂からなる全バインダー分の濾材中含有量が、3.5〜7.5質量%であることを特徴とする。
さらに、第2の発明は、バインダー繊維/バインダー樹脂の質量比率が、8/92〜32/68であることを特徴とする前記エアフィルタ用濾材である。
さらに、第3の発明は、バインダー繊維の芯部が、ポリエステル又はポリオレフィンであることを特徴とする前記エアフィルタ用濾材である。
本発明によれば、接着成分が鞘部である芯鞘構造のバインダー繊維とバインダー樹脂を使用することにより、プリーツ加工適性に優れ、さらに、ガラス繊維濾材の特徴である高捕集効率、低圧力損失、難燃性を有しているガラス繊維を主体としたエアフィルタ用濾材を得ることができる。
本発明において、バインダー繊維は、鞘部がガラス繊維に接着するとともに、芯部が繊維の形態を維持することにより、折山部においてガラス繊維及びバインダー樹脂をつなぎとめるとともに、折山部にかかる応力を吸収することにより、折山部の割れを防ぐ効果を奏する。また、バインダー樹脂は、繊維表面同士を広範囲にわたって接着することにより、実用上必要とされる強度を付与する効果を奏する。
本発明で使用されるバインダー繊維は、複合型のポリマー繊維であり芯部と鞘部が異なる物性を有する芯鞘構造の繊維である。その中でも、本発明においては、接着成分が鞘部である芯鞘構造を有する繊維を使用する。芯部の成分は、水分散、湿式抄紙、乾燥等からなる濾材の製造工程を経て製造された濾材中においてほとんど溶解又は溶融せずに繊維の形態を維持しうる不溶性、強度及び耐熱性を有し、かつ、プリーツ加工時に割れを生じにくくする可撓性を有するポリマーから選択される。芯部の成分の例としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、セルロース系ポリマー等がある。その中でも、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましい。鞘部の成分は、濾材の製造工程において、加熱により溶解又は溶融してガラス繊維に接着するポリマーから選択される。鞘部の成分の例としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレン−ビニルアルコール)等がある。
本発明で使用されるバインダー繊維の形状は、ガラス繊維とともに水中で混合分散され、湿式抄紙法によりシート化させることができる短繊維であることが好ましい。バインダー繊維の繊維径は、好ましくは、3〜30μm、より好ましくは、6〜20μmである。繊維径が細すぎると、水中での分散性が悪くなることがあり、さらに、濾材の圧力損失を不必要に上昇させる。繊維径が太すぎると、濾材中に存在する繊維本数が少なくなり、折山部の割れ防止効果が十分に得られない。バインダー繊維の繊維長は、好ましくは、3〜20mm、より好ましくは、3〜10mmである。繊維長が短すぎると、折山部の割れ防止効果が十分に得られない。繊維長が長すぎると、水中での分散性が悪くなる。
本発明で使用される非繊維状のバインダー樹脂は、ガラス繊維同士を接着し、強度を付与することのできるポリマーから選択されればよく、水又は有機溶媒に溶解又は分散された状態で、ガラス繊維に付与されるものである。バインダー樹脂の成分の例としては、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ(スチレン−ブタジエン)樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等がある。バインダー樹脂の溶液又は分散液は、任意の濃度となるように希釈して、ガラス繊維に付与することができる。また、必要に応じて、十分な強度が得られる範囲内で、撥水剤、耐水化剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤等の薬剤を添加することができる。
本発明で使用されるバインダー繊維及びバインダー樹脂からなる全バインダー分の濾材中含有量は、3.5〜7.5質量%である。好ましくは、4〜7質量%であり、さらに好ましくは5〜6質量%である。全バインダー分が3.5質量%未満であると、バインダー不足により、実用上必要とされる強度が得られない。全バインダー分が7.5質量%を超えると、ガラス繊維がバインダーに埋没して捕集効率が低下したり、バインダー膜による目詰まりにより圧力損失が不必要に上昇したり、難燃性が低下する。
本発明で使用される、バインダー繊維/バインダー樹脂の質量比率は、好ましくは、2.8/97.2〜50/50、より好ましくは、5/95〜35/65、さらに好ましくは、8/92〜32/68である。バインダー繊維の比率が小さすぎると、プリーツ加工時の折山の割れを防ぐ効果が十分に得られない。バインダー繊維の比率が大きすぎると、折山の割れを防ぐ効果は頭打ちとなる一方で、バインダー樹脂の比率が小さくなることによる、強度の不必要な低下を引き起こす。
本発明で主体繊維として使用されるガラス繊維の形態としては、火焔延伸法やロータリー法により製造されるウール状の極細ガラス繊維や、所定の繊維径となるように紡糸されたガラス繊維の束を所定の繊維長に切断して製造されるチョップドストランドガラス繊維等がある。これらの中から、必要とされる物性に応じて、種々の繊維径や繊維長を有するものが選択され、単独または混合して使用される。また、半導体工程用途におけるシリコンウェハの硼素汚染を防止する目的で、低硼素ガラス繊維又はシリカガラス繊維を使用することもできる。例えば、本発明では、サブミクロンガラス繊維とともにミクロンガラス繊維を併用してもよい。サブミクロンガラス繊維としては平均繊維径が1μm未満のものであり、ミクロンガラス繊維は、平均繊維径が1μm以上のガラス繊維で良いが、好ましくは平均繊維径が1μm以上20μm未満、より好ましくは1μm以上10μm未満のミクロンガラス繊維である。例えば、本発明においては、主体繊維中、サブミクロンガラス繊維を20〜80質量%、さらには40〜75質量%、または55〜70質量%の割合で使用すればよい。
本発明のエアフィルタ用濾材は、湿式抄紙法によって製造される。まず、ガラス繊維とバインダー繊維を水中で均一に混合分散し、得られた繊維スラリーをワイヤー上に積層し、脱水することにより抄紙(シート化)する。ここで、分散及び抄紙に用いられる水は、ガラス繊維の分散を均一にするために、酸を添加してpHが約2〜4に調整することが好ましい。次に、バインダー樹脂の溶液又は分散液を、湿式抄紙されたシートに付与する。バインダー液の付与方法としては、含浸、スプレー、ロール転写等の方法が用いられる。余分に付与されたバインダー液は、負圧吸引等により除去することが好ましい。その後、湿潤状態のシートを、熱風乾燥機、ロータリー乾燥機等を用いて乾燥し、最終的なエアフィルタ用濾材を得る。この時の乾燥温度は、シートを乾燥状態にするとともに、バインダー繊維の鞘部は溶解又は溶融するが、バインダー繊維の芯部は溶解又は溶融しない温度となるように調整される。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
参考例1>
平均繊維径0.65μmの極細ガラス繊維60質量%、平均繊維径2.70μmの極細ガラス繊維35質量%、平均繊維径6μmのチョップドガラス繊維5質量%からなる全ガラス繊維に、全ガラス繊維に対して0.17質量%の芯がポリエチレンテレフタレート、鞘が変性ポリエチレンテレフタレートの芯鞘構造バインダー繊維(商品名:テピルスTJ04CN、帝人ファイバー(株)製、繊維径1.7dtx、繊維長5mm)を添加し、ここに硫酸酸性pH2.5の水道水を加え、パルパーによって離解して、繊維分濃度が0.5質量%の繊維スラリーを得た。次に、手抄筒を用いて抄紙して湿紙を得た。次に、アクリル系バインダー樹脂(商品名:ボンコートAC−501、DIC(株)製)を乾燥後固形分が全ガラス繊維に対して5.65質量%となるように湿紙に対して含浸付与し、その後、ドラム表面温度130℃のロータリー乾燥機を用いて乾燥し、坪量70g/m、全バインダー分の濾材中含有量が5.5質量%、バインダー繊維/バインダー樹脂の質量比率が3/97のエアフィルタ用濾材を得た。
参考例2>
バインダー繊維の添加量を全ガラス繊維に対して0.30質量%とし、バインダー樹脂の含浸付与量を全ガラス繊維に対して固形分で5.52質量%としたこと以外は、参考例1と同様にして、坪量70g/m、全バインダー分の濾材中含有量が5.5質量%、バインダー繊維/バインダー樹脂の質量比率が5/95のエアフィルタ用濾材を得た。
<実施例3>
バインダー繊維の添加量を全ガラス繊維に対して0.58質量%とし、バインダー樹脂の含浸付与量を全ガラス繊維に対して固形分で5.24質量%としたこと以外は、参考例1と同様にして、坪量70g/m、全バインダー分の濾材中含有量が5.5質量%、バインダー繊維/バインダー樹脂の質量比率が10/90のエアフィルタ用濾材を得た。
<実施例4>
バインダー繊維の添加量を全ガラス繊維に対して1.75質量%とし、バインダー樹脂の含浸付与量を全ガラス繊維に対して固形分で4.07質量%としたこと以外は、参考例1と同様にして、坪量70g/m、全バインダー分の濾材中含有量が5.5質量%、バインダー繊維/バインダー樹脂の質量比率が30/70のエアフィルタ用濾材を得た。
参考例5>
バインダー繊維の添加量を全ガラス繊維に対して2.91質量%とし、バインダー樹脂の含浸付与量を全ガラス繊維に対して固形分で2.91質量%としたこと以外は、参考例1と同様にして、坪量70g/m、全バインダー分の濾材中含有量が5.5質量%、バインダー繊維/バインダー樹脂の質量比率が50/50のエアフィルタ用濾材を得た。
<実施例6>
バインダー繊維の添加量を全ガラス繊維に対して0.42質量%とし、バインダー樹脂の含浸付与量を全ガラス繊維に対して固形分で3.75質量%としたこと以外は、参考例1と同様にして、坪量70g/m、全バインダー分の濾材中含有量が4.0質量%、バインダー繊維/バインダー樹脂の質量比率が10/90のエアフィルタ用濾材を得た。
<実施例7>
バインダー繊維の添加量を全ガラス繊維に対して0.75質量%とし、バインダー樹脂の含浸付与量を全ガラス繊維に対して固形分で6.77質量%としたこと以外は、参考例1と同様にして、坪量70g/m、全バインダー分の濾材中含有量が7.0質量%、バインダー繊維/バインダー樹脂の質量比率が10/90のエアフィルタ用濾材を得た。
<実施例8>
バインダー繊維の添加量を全ガラス繊維に対して0.58質量%とし、バインダー樹脂に対してフッ素系撥水剤(商品名:NKガードS−09、日華化学(株)製)を固形分基準で対バインダー樹脂5質量%となるように添加した含浸液を、バインダー樹脂と撥水剤の乾燥後固形分が全ガラス繊維に対して5.50質量%となるように湿紙に対して含浸付与したこと以外は、参考例1と同様にして、MIL−STD−282に準拠して測定した撥水性が920mm水柱高、坪量70g/m、全バインダー分の濾材中含有量が5.5質量%、バインダー繊維/バインダー樹脂の質量比率が10/90のエアフィルタ用濾材を得た。
<実施例9>
バインダー繊維として、芯がポリプロピレン、鞘がポリ(エチレン−酢酸ビニル)の芯鞘構造バインダー繊維(商品名NBF(E)、ダイワボウポリテック(株)製、繊維径2.2dtx、繊維長5mm)を用い、バインダー繊維の添加量を全ガラス繊維に対して0.58質量%とし、バインダー樹脂の含浸付与量を全ガラス繊維に対して固形分で5.24質量%としたこと以外は、参考例1と同様にして、坪量70g/m、全バインダー分の濾材中含有量が5.5質量%、バインダー繊維/バインダー樹脂の質量比率が10/90のエアフィルタ用濾材を得た。
<比較例1>
バインダー繊維の添加量を全ガラス繊維に対して0.31質量%とし、バインダー樹脂の含浸付与量を全ガラス繊維に対して固形分で2.78質量%としたこと以外は、参考例1と同様にして、坪量70g/m、全バインダー分の濾材中含有量が3.0質量%、バインダー繊維/バインダー樹脂の質量比率が10/90のエアフィルタ用濾材を得た。
<比較例2>
バインダー繊維の添加量を全ガラス繊維に対して0.87質量%とし、バインダー樹脂の含浸付与量を全ガラス繊維に対して固形分で7.83質量%としたこと以外は、参考例1と同様にして、坪量70g/m、全バインダー分の濾材中含有量が8.0質量%、バインダー繊維/バインダー樹脂の質量比率が10/90のエアフィルタ用濾材を得た。
<比較例3>
バインダー繊維を添加せず、バインダー樹脂の含浸付与量を全ガラス繊維に対して固形分で5.82質量%としたこと以外は、参考例1と同様にして、坪量70g/m、全バインダー分の濾材中含有量が5.5質量%、バインダー繊維/バインダー樹脂の質量比率が0/100のエアフィルタ用濾材を得た。
<比較例4>
バインダー繊維の添加量を全ガラス繊維に対して5.82質量%とし、バインダー樹脂を含浸しなかったこと以外は、参考例1と同様にして、坪量70g/m、全バインダー分の濾材中含有量が5.5質量%、バインダー繊維/バインダー樹脂の質量比率が100/0のエアフィルタ用濾材を得た。
<比較例5>
バインダー繊維として、繊維径1.1dtx、繊維長3mmのポリビニルアルコールバインダー繊維(商品名:VBP107−2、クラレ(株)製)を用い、バインダー繊維の添加量を全ガラス繊維に対して0.58質量%とし、バインダー樹脂の含浸付与量を全ガラス繊維に対して固形分で5.24質量%としたこと以外は、参考例1と同様にして、坪量70g/m、全バインダー分の濾材中含有量が5.5質量%、バインダー繊維/バインダー樹脂の質量比率が10/90のエアフィルタ用濾材を得た。
実施例及び比較例において得られた濾材の評価は、次に示す方法で行った。
圧力損失は、有効面積100cmの濾材に、空気を面風速5.3cm/秒で通過させた時の差圧を、マノメーターを用いて測定した。
DOP透過率は、有効面積100cmの濾材に、ラスキンノズルで発生させた多分散DOP粒子を含む空気を面風速5.3cm/秒で通過させた時の上流及び下流の個数比からのDOP透過率を、レーザーパーティクルカウンター(品番:KC−18、リオン(株)製)を使用して測定した。なお、対象粒子径は、0.3〜0.4μmとした。
PF値は、圧力損失とDOP透過率の測定値から、数1に示す式を用いて測定した。なお、対象粒子径は0.3〜0.4μmとした。このPF値が高いほど、エアフィルタ用濾材が、高捕集効率かつ低圧力損失であると言える。
Figure 0005797175
引張強さは、JIS P 8113:2006「紙及び板紙−引張特性の試験方法−第2部:低速伸張法」に準拠して測定した。
折割れ評価は、幅25mmのサンプルを、25mm×1mmの圧縮子を取り付けた圧縮試験機(品番:KES−G5、カトーテック(株)製)を用いて、荷重20kgf/cmで筋押しし、次に、筋押しした面が谷となるように180度折り曲げ、折山部の割れた状態を目視評価した。評価基準は以下の通りとした。
◎ : 全く割れが見られない。
○ : 10%未満の部分で割れが見られるが、実用範囲内。
△ : 10〜40%の部分で割れが見られるが、実用範囲内。
× : 40%を超える部分で割れが見られ、実用に供することができない。
難燃性は、JIS L 1091:1999「繊維製品の燃焼性試験方法−A法(燃焼試験)−A−1法(45°ミクロバーナ法)」に準拠して測定し、評価した。区分1〜区分3の3段階評価であり、区分3が最も難燃性が高い。
参考例1、2及び5、実施例3、4及び6〜9、及び比較例1〜5の評価結果を、表1に示した。
表1の結果より、芯鞘構造を有するバインダー繊維とバインダー樹脂をバインダーとして用い、かつ、全バインダー分含有量を4〜7質量%とすることにより、高いPF値(高捕集効率かつ低圧力損失)と難燃性を維持しつつ、折割れの起きにくいエアフィルタ用濾材が得られることがわかる。
Figure 0005797175

Claims (3)

  1. ガラス繊維を主体としたエアフィルタ用濾材において、接着成分が鞘部である芯鞘構造を有するバインダー繊維と、非繊維状のバインダー樹脂を含有し、かつ、バインダー繊維及びバインダー樹脂からなる全バインダー分の濾材中含有量が、4〜7質量%であり、
    前記のバインダー繊維とバインダー樹脂の質量比率(バインダー繊維/バインダー樹脂)が、8/92〜32/68であることを特徴とするエアフィルタ用濾材。
  2. 前記のバインダー繊維の芯部が、ポリエステル又はポリオレフィンであることを特徴とする、請求項1に記載のエアフィルタ用濾材。
  3. 前記ガラス繊維中に、平均繊維径が1μm未満のサブミクロンガラス繊維を55〜70質量%の割合で含む、請求項1または2に記載のエアフィルタ用濾材。
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