JP2006326051A - カテーテルチューブならびにその製造方法 - Google Patents

カテーテルチューブならびにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明はカテーテルの基部部分で、肉厚が薄くても曲げ強度が高く、耐キンク性に優れた医療用カテーテルチューブならびにその製造方法を開示することにある。また、本発明は特に体温で長さが伸びるといったいわゆる熱ダレが少なく、同時に押し込み性に優れた医療用カテーテルチューブならびにその製造方法を開示することにある。
【解決手段】 架橋剤を均一に含有したポリアミド系エラストマーに、放射線照射することにより該ポリアミド系エラストマーを均一に架橋させ、該架橋されたポリアミド系エラストマーを押出成形して得られるカテーテルチューブとその製造方法を提供する。
また、外層チューブの一部に架橋されたポリアミド系エラストマーからなるチューブであって、内層チューと補強層を有するカテーテルチューブとその製造方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特にカテーテルの基部部分で、肉厚が薄くても曲げ強度が高く、耐キンク性に優れた医療用カテーテルチューブならびにその製造方法に関する。
また、本発明は特に体温で長さが伸びるといったいわゆる熱ダレが少なく、同時に押し込み性に優れた医療用カテーテルチューブならびにその製造方法に関する。
カテーテルチューブは体内の腔、管、血管等に挿入する中空状の医療器具であり、例えば選択的血管造影剤等の液体の注入、血栓の吸引、閉塞状態にある血管の通路確保、血管拡張術等に用いられるもので、通常チューブ体からなっている。このようなカテーテルでは、細く複雑なパターンの血管系などに迅速かつ確実な選択性をもって挿入しうるような優れた操作性が要求される。
このようなカテーテルチューブの操作性について詳しく述べると、血管内等を挿入、引き出しなど、術者の操作が基部から先端部に確実に伝達されるための位置調整性や、内部に薬液等を流通させる際の耐圧性が必要とされる。この位置調節性にはカテーテルが伸びないという特性が必要である。また、カテーテルチューブの基部で加えられた回転力が確実に伝達されるためのトルク伝達性、血管内を前進させるために施術者の押し込み力が基端側から先端側に確実に伝達されうる押し込み性も必要となる。さらに複雑な形状に曲がった血管等を先行するガイドワイヤーに沿って円滑かつ血管内壁等を損傷することなく挿入、引き出しが行えるよう、カテーテルチューブの内面が滑性を呈するガイドワイヤー追随性とカテーテル外面の血液や組織に対する親和性が必要となる。加えて、目的とする位置までカテーテルチューブ先端が到達し、ガイドワイヤーを引き抜いた状態でも、血管の湾曲部、屈曲部でカテーテルチューブに折れ曲がりが生じない耐キンク性と、血管を傷つけず血管形状に応じた形状を保つ先端部の柔軟性が必要となる。
このような要求に応じた特性を付与するために一般的には、基部が比較的剛直で、先端部にかけて次第に柔軟性を有する構造、構成とするのがよいことが知られている。
上述のような特性のカテーテルチューブを得るために、内層管に補強材層として素線をコイル状に巻き付けたり、編組を施した上で、外層を被覆してカテーテルチューブを構成する方法が知られている。
内層管に補強材層として素線をコイル状に巻き付けるものとして、特許文献1では可撓性を有する内管および外管が補強材層を介して接合された部分を有するカテーテル本体を有し、前記補強材層は、線条体を格子状に形成したものであり、前記カテーテル本体の軸方向に沿って、前記線条体のカテーテル本体の軸に対する傾斜角度が連続的または段階的に変化するか、あるいは前記線条体の格子点のカテーテル本体軸方向の間隔が連続的または段階的に変化することによって曲げ剛性が大なる領域と曲げ剛性が小なる領域を形成するカテーテルチューブが開示されている。
しかしながら、このカテーテルチューブでは剛性のある基部と柔軟性がある先端部を形成することはできるが、特にカテーテルの基部部分で、肉厚が薄くても曲げ強度が保たれ、耐キンク性に優れ、体温で長さが伸びるといったいわゆる熱ダレを防ぐカテーテルチューブを得ようとするとする思想はない。
さらに、基部から先端部にかけて剛性を次第に変化させるものとして、特許文献2では先端と基端とを有し、架橋剤を含浸させた合成樹脂製カテーテルチューブであって、該架橋剤の含浸量が該カテーテルチューブの長手方向に連続的に変化しており、放射線照射により該合成樹脂の架橋度が該カテーテルチューブの長手方向に連続的に変化していることを特徴とするカテーテルチューブが提案されている。
しかしながらこの方法では、架橋度を長手方向に連続的に変化させるために、架橋剤添加量を長手方向に変化させて添加したり、放射線又は紫外線照射量を長手方向に変化させて照射したり、放射線又は紫外線照射をおこなう際に長手方向に遮蔽度が変化している遮蔽物を設けたりするなど、高度な手段や制御方法、装置を必要とするものである。さらにこのカテーテルチューブでは剛性のある基部と柔軟性がある先端部を形成することはできるが、特にカテーテルの基部部分で、肉厚が薄くても曲げ強度が保たれ、耐キンク性に優れ、体温で長さが伸びるといったいわゆる熱ダレを防ぐカテーテルチューブを得ようとする思想はない。
特開平6−134034号公報 特開平8−57035号公報
本発明は、特にカテーテルの基部部分で、肉厚が薄くても曲げ強度が高く、耐キンク性に優れた医療用カテーテルチューブならびにその製造方法に関する。
また、本発明は特に体温で長さが伸びるといったいわゆる熱ダレが少なく、同時に押し込み性に優れた医療用カテーテルチューブならびにその製造方法に関する。
本発明は、架橋剤を均一に含有したポリアミド系エラストマーに、放射線照射することにより該ポリアミド系エラストマーを均一に架橋させ、該架橋されたポリアミド系エラストマーを押出成形して得られる、カテーテルチューブに関する。
また、本発明は、架橋剤を均一にポリアミド系エラストマーに含有させ、放射線照射することにより、該ポリアミド系エラストマーを均一に架橋させ、該架橋されたポリアミド系エラストマーを押出成形して得られる、カテーテルチューブの製造方法に関する。
また、本発明は樹脂製の内層チューブの外周に補強層を有する構造体を、架橋剤を均一にポリアミド系エラストマーに含有させ、放射線照射することにより、該ポリアミド系エラストマーを均一に架橋させ、該架橋されたポリアミド系エラストマーを押出成形して得られる外層チューブに挿入し、さらにこの全体を熱収縮性チューブで覆い、加熱収縮させた後、さらにこれを円形の孔を有する加熱金型内に通過させて、内層チューブ、補強層、外層チューブを一体化させて得られるカテーテルチューブに関する。
また、本発明は、樹脂製の内層チューブの外周に補強層を有する構造体を、架橋剤を均一にポリアミド系エラストマーに含有させ、放射線照射することにより、該ポリアミド系エラストマーを均一に架橋させ、該架橋されたポリアミド系エラストマーを押出成形して得られる外層チューブに挿入し、さらにこの全体を熱収縮性チューブで覆い、加熱収縮させた後、さらにこれを円形の孔を有する加熱金型内に通過させて、内層チューブ、補強層、外層チューブを一体化させて得られるカテーテルチューブの製造方法に関する。
また、本発明は、樹脂製の内層チューブの外周に補強層を有する構造体に、架橋剤を均一にポリアミド系エラストマーに含有させ、放射線照射することにより、該ポリアミド系エラストマーを均一に架橋させ、該架橋されたポリアミド系エラストマーを外層として押出被覆成形して得られる、カテーテルチューブに関する。
また、本発明は、樹脂製の内層チューブの外周に補強層を有する構造体に、架橋剤を均一にポリアミド系エラストマーに含有させ、放射線照射することにより、該ポリアミド系エラストマーを均一に架橋させ、該架橋されたポリアミド系エラストマーを外層として押出被覆成形して得られる、カテーテルチューブの製造方法に関する。
上述した課題を解決するための手段によって、本発明は、特にカテーテルの基部部分で、肉厚が薄くても曲げ強度が保たれ、耐キンク性に優れた医療用カテーテルチューブを提供できる効果がある。
また、本発明は体温で長さが伸びるといったいわゆる熱ダレが少ない医療用カテーテルチューブを提供できる効果がある。
以下に本発明のカテーテルチューブの最良の形態およびその製造方法を図面を使って説明する。
図1に製造方法のフローチャートを示し、この図にしたがって本発明の形態およびその製造方法をしめす。本発明の形態およびその製造方法は請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱することなく、適宜変更を加えることができる。
本発明に好適に用いうるポリアミド系エラストマーは例えば、ナイロン6、ナイロン64、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、N−アルコキシメチル変性ナイロン、ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸縮重合体、メタキシロイルジアミン−アジピン酸縮重合体のような各種脂肪族または芳香族ポリアミドをハードセグメントとし、ポリエステル、ポリエーテル等のポリマーをソフトセグメントとするブロック共重合体が代表的であり、その他、前記ポリアミドと柔軟性に富む樹脂とのポリマーアロイ(ポリマーブレンド、グラフト重合、ランダム重合等)や、前記ポリアミドを可塑剤等で軟質化したもの、さらには、これらの混合物をも含む概念である。ポリアミド系エラストマーの代表としてelf atochem社製のPEBAXが用いうる。
本発明の架橋されたポリアミド系エラストマーの製造方法としては、図2に示すようにポリアミド系エラストマーを二軸押出機中で架橋剤と混練し、しかるのち放射線照射をおこなうことにより得られるものである。
原料となるポリアミド系エラストマーは二軸押出機1のホッパー2に投入され、一定のスクリュー回転数の下で押し出される。この間に架橋剤3はポンプ4により二軸押出機に設置された供給口5より一定流量で添加される。ポリアミド系エラストマーは二軸押出機中で溶融され、架橋剤と均一に混練される。
本発明において使用可能な架橋剤としては、ラジカル反応をするものであれば使用可能であり、たとえば各種のアクリレート、メタアクリレートが代表的なものである。より具体的には、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、ラウリルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジェトキシ)フェニル]プロパン、2−ヒドロキシ,1−アクリロキシ,3−メタクリロキシプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の多官能性モノマー及びそれらの高重合化物等を挙げることができる。他には、メタアクリロニトリル、スチレン、ヒドロキルエチルメタアクリレート,酢酸ビニル、ジビニルベンゼン、ポリエチレン、グリコールジメタアクリレート、4−ビニルピリジン、その他ビニル基を有する化合物が使用でき、必要に応じて二種以上を併用することもできる。
また、上記の架橋剤以外に熱安定剤(エポキシ化大豆油、ステアリン酸等)、熱反応抑制剤(ハイドロキノン、メチルハイドロキノン等)を配合することができる。
二軸押出機1からストランド状に押し出された架橋剤が混練されたポリアミド系エラストマーはただちに水槽6により冷却され、その後、照射系7にて架橋化がなされる。本発明に使用する架橋化反応は、β線およびX線を含む電子線あるいはγ線等の放射線架橋、紫外線架橋、熱架橋が例示される。本発明において、より好ましく使用できる放射線照射系は電子線またはγ線である。照射する線量および熱量は、合成樹脂および架橋剤の種類によって異なる。放射線照射は、空気中でもよいが、窒素等の不活性ガス置換または真空にした後に照射するのが好ましい。この条件において、放射線の照射線量は、合成樹脂および架橋剤の種類によって異なるが、吸収線量にして1から300kGy程度でよく、好ましくは10から200kGyである。
架橋化がなされたストランドは、ペレタイザ8にて切断され、架橋されたポリアミド系エラストマーのペレット9が得られる。このような架橋化反応を加えることによって、ポリアミド系エラストマーは一般的にショアD硬度が上昇するものである。架橋されたポリアミド系エラストマーをカテーテルチューブとするには、以下の方法が挙げられる。
第一には押出成形によってカテーテルチューブを得るものであり、図3に押出機の概略を示すように、押出機10に架橋されたポリアミド系エラストマーを投入し、押出機により加熱、溶融し、押出金型11より押し出す。この際、押出金型には12に示すように空気の圧入、もしくは金属芯線をコーティングすることによりカテーテルチューブの内ルーメンを形成することができる。押し出されたカテーテルチューブは水槽13によって冷却され、適宜の長さに切断される。また、金属芯線にコーティングして内ルーメンを形成した際には、該金属芯線を抜き取ってカテーテルチューブを得ることができる。
また上述の押出成形されたカテーテルチューブは、以下に示すような内層管、補強材層、外層管からなる複合カテーテルチューブとして加工成形しうる。図4のように、金属芯線14に内層管として滑性にとむポリテトラフルオロエチレン15を被覆し、これに補強材層16として金属素線および/または合成樹脂素線をコイル状に巻回するかもしくは編組する。さらにこの上に本発明で得られる架橋されたポリアミド系エラストマーのカテーテルチューブや、架橋処理されていないポリアミド系エラストマーのカテーテルチューブを配置する。図4では右側を複合カテーテルチューブの手先側、左側を手元側として示している。複合カテーテルチューブでは通常、押し込み力や回転力を加えるために手元側が硬い樹脂によるチューブが配置され、手先側には複雑な形状の患部に沿って到達するように、柔らかい樹脂によるチューブが配置され、硬さが手元側から手先側にかけて段階的あるいは連続的に変化して配置される。
補強材層を構成する金属素線としては、ステンレス、C−Mn−Si−P−S−Cr−Mo−Ni−Fe−X(X=Au,Os,Pd,Re,Ta,Ir,Ru)合金、C−Mn−Si−P−S−Cr−Mo−Ni−X(X=Au,Os,Pd,Re,Ta,Ir,Ru)合金、銅、ニッケル、チタン、ピアノ線、Co−Cr合金、Ni−Ti合金、Ni−Ti−Co合金、Ni−Al合金、Cu−Zn合金、Cu−Zn−X合金(例えば、X=Be、Si、Sn、Al、Ga)のような合金、アモルファス合金等の各種金属素線が用いられ、これらの材料のうち、後に配置するX線不透過性マーカーの視認性を十分に確保するためにX線不透過性マーカーよりは視認性が低く、かつ加工性、経済性、毒性がないこと等の理由から、ステンレスの使用が好ましい。金属素線は、直径5〜50μm程度とするのが好ましい。
補強材層を構成する合成樹脂素線として特に好適に用いうるのは図5の断面概念図ならびに走査顕微鏡写真に示すような溶融液晶ポリマーの芯21に、溶融液晶ポリマーの島(鞘)22と屈曲性ポリマーの海(鞘)23が被覆されたものである。この溶融液晶ポリマーとしてはポリアリレート、屈曲性ポリマーとしてはポリエチレンナフタレートで形成されているものである。好適に用いられる合成樹脂素線の直径として好ましくは5〜50μmのものを用いるのが好ましい。
他に合成樹脂素線として用いられるものとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリオキシメチレン、高張力ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−酢酸ビニルケン化物、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ケブラーに代表される芳香族ポリアラミドなど、これらのうちのいずれかを含むポリマーアロイ、カーボンファイバー、グラスファイバーが挙げられる。
本発明で得られる架橋されたポリアミド系エラストマーはショアD硬度が高く、硬いために図4の複合カテーテルチューブにおいては手元側17に配置される。さらに図4では18、19、20と手先側になるにしたがって徐々に低いショアD硬度を有するポリアミド系エラストマーが配置される。
上記のように配置された架橋されたポリアミド系エラストマーのカテーテルチューブや架橋されていないポリアミド系エラストマーのカテーテルチューブは図6のように熱収縮チューブ24によって覆われ、さらにヒーター25で予熱されてから、加熱金型26によって一体化される。この際、架橋されたポリアミド系エラストマーのカテーテルチューブや架橋されていないポリアミド系エラストマーのカテーテルチューブは溶融し、補強材層を構成する素線ならびに内層管に溶着するものである。
加えて、本発明の架橋されたポリアミド系エラストマーは以下のような押出被覆成形によりカテーテルチューブ外層として使用しうる。すなわち、図7のように、金属芯線27に内層管として滑性にとむポリテトラフルオロエチレン28を被覆し、これに補強材層29として金属素線および/または合成樹脂素線をコイル状に巻回するかもしくは編組した長尺の構造体を作製しリール30に巻き付けておく。
しかるのち、この長尺の構造体に、図8のように一つの押出金型31に複数台の押出機32〜35を設置したものでショアDの異なる樹脂を被覆してゆくものである。本発明の架橋されたポリアミド系エラストマー最もショアDの高いものとして押出機のうちの1台に投入して使用するものである。図8では例示として4台の押出機を連結させたものを示したが、押出機32には最もショアD硬度の低いものを投入し、押出機33にはショアD硬度の低いもの、押出機34にはショアD硬度の高いもの、そして押出機35には最もショアD硬度の高いものとして本発明の架橋されたポリアミド系エラストマーを投入する。
そしてこれら4台の押出機を順次、運転・停止させることによって、最もショアD硬度の低い樹脂による被覆部36、ショアD硬度の低い被覆部37、ショアD硬度の高い被覆部38、そして本発明の架橋されたポリアミド系エラストマーによる最もショアD硬度の高い被覆部39へと切替押出被覆成形を行うものである。
また、ここでは図に示さないが、押出被覆成形では、弁機構を有する金型に複数台の押出機をつなぎ、連続的に押出をしながら、順次ショアD硬度の異なる樹脂を押出流路内に弁機構により導入・排出を切り替えながらショアD硬度を段階的に変化させて被覆を行ってもよい。
(実施例1)ポリアミド系エラストマーであるelf atochem社製のPebax7233(ショアD硬度=72)を二軸押出機で230℃で押出すると同時に、二軸押出機中にポンプにより架橋剤としてトリメチロールプロパントリメタクリレート5wt%添加し、ポリアミド系エラストマーと架橋剤を均一に混練し、ストランドとして押し出した。しかる後、この混合体を水冷し、コバルト−60を線源として均一にγ線照射を施した。照射量は80kGyとした。さらに、これをペレタイザによりペレット化した。このようにして得られた架橋されたポリアミド系エラストマーのショアD硬度を測定すると原料樹脂の72から75へと増加した。
このようにして得られた架橋されたポリアミド系エラストマーを単軸押出機にて外径0.90mm、内径0.76mmのチューブ状に押し出した。
(比較例1)ポリアミド系エラストマーであるelf atochem社製のPebax7233(ショアD硬度=72)を放射線処理を行わずに、単軸押出機にて外径0.90mm、内径0.76mmのチューブ状に押し出した。
(実験1)上述の実施例1と比較例1で得られたチューブの引っ張り弾性率測定を行った。測定条件は、チャック間距離を50mm、引っ張り速度50mm/minにて、0.05Kgfから0.15Kgfの荷重がかかる時のひずみから引っ張り弾性率を計算した。
得られた結果は実施例1の引っ張り弾性率が64.8Kgf/mm2であったのに対して、比較例1の引っ張り弾性率は51.0Kgf/mm2にとどまった。
(実施例2)ポリアミド系エラストマーであるelf atochem社製のPebax7233(ショアD硬度=72)を二軸押出機で230℃で押出すると同時に、二軸押出機中にポンプにより架橋剤としてトリアリルイソシアヌレート5wt%添加し、ポリアミド系エラストマーと架橋剤を均一に混練し、ストランドとして押し出した。しかる後、この混合体を水冷し、均一にコバルト−60を線源としてγ線照射を施した。照射量は100kGyとした。さらに、これをペレタイザによりペレット化した。このようにして得られた架橋されたポリアミド系エラストマーのショアD硬度を測定すると原料樹脂の72から77へと増加した。
このようにして得られた架橋されたポリアミド系エラストマーを単軸押出機にて外径0.87mm、内径0.72mmのチューブ状に押し出した。
φ0.52mmの銀メッキ銅線の上にPTFE0.030mmを被覆し、これに直径が0.019mmのSUS304からなる細線を、16本打ち、ピッチ1.0mmで編組した構造体を作製した。
さらにこの構造体に、架橋されたポリアミド系エラストマーのチューブを被せ、構造体とチューブを一体化させるために熱収縮チューブ(収縮前内径φ1.0mm、収縮後内径0.8mm)をさらに被せ、オーブン加熱150℃で10分間保持した後、冷却して熱収縮チューブを剥がし、銀メッキ銅線を引き抜いて外径0.80mm内径0.52mmの一体化したチューブを得た。
(比較例2)ポリアミド系エラストマーであるelf atochem社製のPebax7233(ショアD硬度=72)を放射線処理を行わずに、単軸押出機にて外径0.87mm、内径0.72mmのチューブ状に押し出した。
これに実施例2に示したのと同様の構造体を作製し、さらに同様の方法で外径0.80mm内径0.52mmの一体化したチューブを作製した。
(実験2)上述の実施例2と比較例2で得られたチューブの引っ張り弾性率測定を行った。測定条件はチャック間距離を50mm、引っ張り速度50mm/minにて、0.05Kgfから0.15Kgfの荷重がかかる時のひずみから引っ張り弾性率を計算した。
得られた結果は実施例2の引っ張り弾性率が256.8Kgf/mm2であったのに対して、比較例2の引っ張り弾性率は186.2Kgf/mm2にとどまった。
(実施例3)ポリアミド系エラストマーであるelf atochem社製のPebax7233(ショアD硬度=72)を二軸押出機で230℃で押出すると同時に、二軸押出機中にポンプにより架橋剤としてトリアリルシアヌレート5wt%添加し、ポリアミド系エラストマーと架橋剤を均一に混練し、ストランドとして押し出した。しかる後、この混合体を水冷し、均一にコバルト−60を線源としてγ線照射を施した。照射量は120kGyとした。さらに、これをペレタイザによりペレット化した。このようにして得られた架橋されたポリアミド系エラストマーのショアD硬度を測定すると原料樹脂の72から76へと増加した。
φ0.52mmの銀メッキ銅線の上にPTFE0.030mmを被覆し、これに直径が0.019mmのSUS304からなる細線を、16本打ち、ピッチ1.0mmで編組した構造体を作製した。
さらにこの構造体に、架橋されたポリアミド系エラストマーを押出被覆成形により被覆し、銀メッキ銅線を引き抜いて、外径0.82mm、内径0.52mmのチューブを得た。
(比較例3)これに実施例3に示したのと同様の構造体を作製し、これにポリアミド系エラストマーであるelf atochem社製のPebax7233(ショアD硬度=72)を放射線処理を行わずに、押出被覆成形により被覆し、銀メッキ銅線を引き抜いて、外径0.82mm、内径0.52mmのチューブを得た。
(実験3)上述の実施例3と比較例3で得られたチューブの引っ張り弾性率測定を行った。測定条件は、チャック間距離を50mm、引っ張り速度50mm/minにて、0.05Kgfから0.15Kgfの荷重がかかる時のひずみから引っ張り弾性率を計算した。
得られた結果は実施例3の引っ張り弾性率が267.9Kgf/mm2であったのに対して、比較例3の引っ張り弾性率は196.2Kgf/mm2にとどまった。
製造方法を示すフローチャート 架橋されたポリアミド系エラストマー作製の模式図 カテーテルチューブ作製の模式図 複合カテーテルチューブの模式図 合成樹脂素線として好適に用いられる素線の断面構造 熱収縮チューブよる複合カテーテルチューブの一体化模式図 金属芯線にポリテトラフルオロエチレンを被覆しこれに補強材層形成を施した構造体 切替押出被覆成形の模式図
符号の説明
1 二軸押出機
2 ホッパー
3 架橋剤
4 ポンプ
5 供給口
6 水槽
7 照射系
8 ペレタイザ
9 架橋されたポリアミド系エラストマーのペレット
10 押出機
11 押出金型
12 空気の圧入、もしくは金属芯線
13 水槽
14 金属芯線
15 ポリテトラフルオロエチレンによる被覆
16 補強材層
17 複合カテーテルチューブの手元側17(最高ショアD硬度外層管)
18 17より手先側(高ショアD硬度外層管)
19 18より手先側(低ショアD硬度外層管)
20 19より手先側(最低ショアD硬度外層管)
21 溶融液晶ポリマーの芯
22 溶融液晶ポリマーの島(鞘)
23 屈曲性ポリマーの海(鞘)
24 熱収縮チューブ
25 ヒーター
26 加熱金型
27 金属芯線
28 ポリテトラフルオロエチレン
29 補強材層
30 リール
31 押出金型
32 押出機
33 押出機
34 押出機
35 押出機
36 ショアD硬度の最も低い樹脂による被覆部
37 ショアD硬度の低い被覆部
38 ショアD硬度の高い被覆部
39 本発明の架橋されたポリアミド系エラストマーによる最もショアD硬度の高い被覆部

Claims (6)

  1. 架橋剤を均一に含有したポリアミド系エラストマーに、放射線照射することにより該ポリアミド系エラストマーを均一に架橋させ、該架橋されたポリアミド系エラストマーを押出成形して得られる、カテーテルチューブ。
  2. 架橋剤を均一にポリアミド系エラストマーに含有させ、放射線照射することにより、該ポリアミド系エラストマーを均一に架橋させ、該架橋されたポリアミド系エラストマーを押出成形して得られる、カテーテルチューブの製造方法。
  3. 樹脂製の内層チューブの外周に補強層を有する構造体を、架橋剤を均一にポリアミド系エラストマーに含有させ、放射線照射することにより、該ポリアミド系エラストマーを均一に架橋させ、該架橋されたポリアミド系エラストマーを押出成形して得られる外層チューブに挿入し、さらにこの全体を熱収縮性チューブで覆い、加熱収縮させた後、さらにこれを円形の孔を有する加熱金型内に通過させて、内層チューブ、補強層、外層チューブを一体化させて得られるカテーテルチューブ。
  4. 樹脂製の内層チューブの外周に補強層を有する構造体を、架橋剤を均一にポリアミド系エラストマーに含有させ、放射線照射することにより、該ポリアミド系エラストマーを均一に架橋させ、該架橋されたポリアミド系エラストマーを押出成形して得られる外層チューブに挿入し、さらにこの全体を熱収縮性チューブで覆い、加熱収縮させた後、さらにこれを円形の孔を有する加熱金型内に通過させて、内層チューブ、補強層、外層チューブを一体化させて得られるカテーテルチューブの製造方法。
  5. 樹脂製の内層チューブの外周に補強層を有する構造体に、架橋剤を均一にポリアミド系エラストマーに含有させ、放射線照射することにより、該ポリアミド系エラストマーを均一に架橋させ、該架橋されたポリアミド系エラストマーを外層として押出被覆成形して得られる、カテーテルチューブ。
  6. 樹脂製の内層チューブの外周に補強層を有する構造体に、架橋剤を均一にポリアミド系エラストマーに含有させ、放射線照射することにより、該ポリアミド系エラストマーを均一に架橋させ、該架橋されたポリアミド系エラストマーを外層として押出被覆成形して得られる、カテーテルチューブの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010187949A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Kaneka Corp 医療用チューブ
WO2017175540A1 (ja) * 2016-04-06 2017-10-12 株式会社カネカ 耐放射線性樹脂添加剤、耐放射線性医療用ポリアミド樹脂組成物及び耐放射線性医療用成形体

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