JP2006324461A - チップ部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定の回路パターンを精度良く形成し、特性劣化を抑制したチップ部品を提供することを目的としている。
【解決手段】感光性樹脂を硬化させた感光性樹脂硬化物からなる方形状の素体11と、この素体11に埋設した回路パターン12と、素体11の下面に配置した電極13とを備え、この素体11に埋設した回路パターン12は螺旋状の導体からなるコイル14とするとともにコイル14の端部はビア15を介して電極13に接続しており、素体11の上面にはカーボンを含有する導体層10を配置し、この導体層10の光透過率と素体11の光透過率とを異ならせ、導体層10を素体11の向きを判断するための画像認識用パターンとして用いた構成である。
【選択図】図1
【解決手段】感光性樹脂を硬化させた感光性樹脂硬化物からなる方形状の素体11と、この素体11に埋設した回路パターン12と、素体11の下面に配置した電極13とを備え、この素体11に埋設した回路パターン12は螺旋状の導体からなるコイル14とするとともにコイル14の端部はビア15を介して電極13に接続しており、素体11の上面にはカーボンを含有する導体層10を配置し、この導体層10の光透過率と素体11の光透過率とを異ならせ、導体層10を素体11の向きを判断するための画像認識用パターンとして用いた構成である。
【選択図】図1
Description
本発明は各種電子機器等に用いるチップ部品に関するものである。
以下、従来のチップ部品について図面を参照しながら説明する。
図5は従来のチップ部品の製造工程を示す工程図である。
図5に示すように、チップ部品の製造工程は、シート形成工程(A)と、シート加工工程(B)と、分離工程(C)とを備えている。
まず、複数のグリーンシート1を積層して未焼成のセラミックシート2を形成する(シート形成工程(A))。このとき、グリーンシート1に導体ペーストを印刷して所定の回路パターンを形成する。
次に、所定形状をした貫通孔3および凹凸部4が形成されるように、金型を用いてセラミックシート2を加工する(シート加工工程(B))。
次に、ダイシング切削法や押し切り切削等法を用いて、セラミックシート2の所定箇所を切断機5で切断し、貫通孔3の内周面や凹凸部4の外周面を外形の一部とする素体6を複数形成する(素体分離工程(C))。
そして、素体6を焼成し、素体6の両端に銀または銀パラジュームを塗布、焼き付けするとともにNiSnめっきを施してチップ部品を製造する。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2003−188036号公報
上記構成では、素体6はセラミックシート2からなるので、素体6を焼成する際に焼成収縮が生じる。このため、素体6に埋設される所定の回路パターンも収縮度を予測して形成する必要があり、所定の回路パターンを精度よく形成することが難しい。特に、外形寸法が1mm以下のチップ部品では、セラミックシート2からなる素体6を用いた場合、所定の回路パターンが精度良く形成されず、特性劣化を生じるという問題点を有していた。
本発明は上記問題点を解決するもので、所定の回路パターンを精度良く形成し、特性劣化を抑制したチップ部品を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有する。
本発明の請求項1記載の発明は、樹脂硬化物からなる素体と、前記素体に埋設した螺旋状の導体からなる回路パターンとを備え、前記素体の表面に導体層を配置した構成である。
上記構成により、素体は樹脂硬化物からなるので、素体は焼成されて形成されたものではなく素体の焼成収縮も生じないので、素体に埋設した回路パターンを精度良く形成でき、特性劣化を抑制できる。
また、素体が感光性樹脂硬化物からなるので素体には静電気が帯電しやすく、部品実装時に意図しない場所に静電吸着する恐れがある。しかし、素体の表面に導体層を配置することにより、例えば、この素体の導体層をパーツフィーダ等の金属部分に接触させれば、素体に帯電した静電気を金属部分に逃がして静電吸着を抑制できる。
特に、素体同士が接触しあう状況においては、各々の素体の導体層に静電気が集約され、この素体の導体層を金属部分に接触させれば、素体に帯電した静電気のほとんどを瞬時に金属部分に逃がすこともできる。
以下、本発明の全請求項に記載の発明について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施の形態における回路パターンの状態を示す同チップ部品の透視斜視図、図2は端子部の状態を示す同チップ部品の透視斜視図、図3は同チップ部品の断面図、図4は同チップ部品の工程図である。
図1〜図3において、本発明の一実施の形態におけるチップ部品は、方形状の素体11と、この素体11に埋設した回路パターン12と、素体11の下面に配置した電極13とを備えている。この素体11に埋設した回路パターン12は螺旋状金属からなるコイル14とし、このコイル14の端部を電極13に接続している。素体11は感光性樹脂を硬化させた感光性樹脂硬化物からなり、回路パターン12、電極13はメッキ形成物からなる。
また、素体11の上面にはカーボンを含有する導体層10を配置し、この導体層10の光透過率と素体11の光透過率とを異ならせ、導体層10を素体11の向きを判断するための画像認識用パターンとしている。
図4において、チップ部品の製造工程は次の通りである。
第1に、素体11の下面に配置する電極13を形成する(電極形成工程(A))。
まず、フォトリソグラフィ工法により、所定の空隙部16を有する絶縁樹脂層17を剥離用の基板18に形成する。この空隙部16は基板18の端部に各々形成する。
次に、この空隙部16を有する絶縁樹脂層17にはスパッタ工法、無電解メッキ工法、蒸着工法等により下地導体層10(図示せず)を形成し、さらに、この下地導体層10には電解メッキ工法等により金属層19を形成している。
次に、この金属層19を絶縁樹脂層17の少なくとも上面まで研磨することにより空隙部16に金属層19を配置している。この空隙部16に配置された金属層19が電極13となる。
第2に、螺旋状金属からなるコイル14を形成する(コイル形成工程(B))。
まず、フォトリソグラフィ工法により、所定の空隙部16を有する絶縁樹脂層17を形成する。この空隙部16は電極13と接続されるビア15形成用の空隙部16とコイル14形成用の螺旋状の空隙部16であって、ビア15形成用の空隙部16は電極13上に形成し、コイル14形成用の螺旋状の空隙部16は2つのビア15間に形成している。
次に、この空隙部16を有する絶縁樹脂層17にはスパッタ工法、無電解メッキ工法、蒸着工法等により下地導体層10を形成し、さらに、この下地導体層10には電解メッキ工法等により金属層19を形成している。
次に、この金属層19を絶縁樹脂層17の少なくとも上面まで研磨することにより空隙部16のみに金属層19を配置している。ビア15形成用の空隙部16に配置された金属層19がビア15となり、コイル14形成用の螺旋状の空隙部16に配置された金属層19がコイル14となる。
第3に、コイル14の内周端と電極13上に形成したビア15とを連結する引き出し電極20を形成する(引き出し電極形成工程(C))。
まず、フォトリソグラフィ工法により、所定の空隙部16を有する絶縁樹脂層17を形成する。この空隙部16はコイル14の内周端と電極13上に形成したビア15とを連結する引き出し電極20用の空隙部16である。
次に、この空隙部16を有する絶縁樹脂層17にはスパッタ工法、無電解メッキ工法、蒸着工法等により下地導体層10を形成し、さらに、この下地導体層10には電解メッキ工法等により金属層19を形成している。
次に、この金属層19を絶縁樹脂層17の少なくとも上面まで研磨することにより空隙部16のみに金属層19を配置している。この空隙部16のみに配置された金属層19が引き出し電極20となる。
第4に、最上層の絶縁樹脂層17に保護用の絶縁樹脂層17を形成する(保護層形成工程(D))。
このとき、上記フォトリソ工法と同様の工程を用いて、保護層の表面にカーボンを含有した導体層10を形成する。
最後に、剥離基板18を剥離してチップ部品を完成させる(完成工程(E))。
この製造方法において、絶縁樹脂層17は、感光性樹脂を硬化させた透明な感光性樹脂硬化物からなる。この絶縁樹脂層17は、エポキシ系やアクリル系等の樹脂を用いて、フォトリソグラフィ工法により所定形状に加工するが、一般的なフォトリソグラフィ工法で用いるレジストとは異なり、最終的なチップ部品の素体11を構成する。
研磨は、アルミナスラリーを用いたCMP(ケミカルメカニカルポリッシング)研磨を用いるとよい。金属層19をCuで形成し、CMP研磨によりエッチングしながら、Cuのみを選択的に研磨するので、精度が向上する。その他の研磨方法としては、ダイヤモンドスラリーを用いた機械的研磨を用いてもよいが、精度の点でCMP研磨よりも不利である。
上記構成により、素体11は感光性樹脂を硬化させた感光性樹脂硬化物からなるので、素体11は焼成されて形成されたものではなく素体11の焼成収縮も生じないので、素体11に埋設した回路パターン12を精度良く形成でき、特性劣化を抑制できる。
また、素体11が感光性樹脂硬化物からなるので素体11には静電気が帯電しやすく、部品実装時に意図しない場所に静電吸着する恐れがある。しかし、素体11の表面に導体層10を配置することにより、例えば、この素体11の導体層10をパーツフィーダ等の金属部分に接触させれば、素体11に帯電した静電気を金属部分に逃がして静電吸着を抑制できる。
特に、素体11同士が接触しあう状況においては、各々の素体11の導体層10に静電気が集約され、この素体11の導体層10を金属部分に接触させれば、素体11に帯電した静電気のほとんどを瞬時に金属部分に逃がすこともできる。
さらに、素体11は、感光性樹脂を硬化させた感光性樹脂硬化物からなるので、素体11は透明となって外観検査が容易となるとともに、フォトリソグラフィ工法によって、素体11と回路パターン12と電極13とを同時に形成でき、製造工程の簡略が可能である。フォトリソグラフィ工法を用いて形成すれば、樹脂硬化物の中でも、回路パターン12や電極13をファインパターンに形成でき、回路パターン12としてコイル14を用いる際は、コイル14の厚みを容易に厚くして(コイル14のアスペクト比を大きくして)特性を向上できる。
なお、素体11に配置した導体層10は、コイル14の巻回軸に略直交する素体11の表面に設ければ、コイル14から発生する磁束と鎖交しにくくなり過電流損を抑制したり、磁気シールドとして機能したりするので、特性を向上することができる。図1のチップ部品に対しては、素体11の側面に導体層10を設ければ良い。
また、導体層10は素体11の表面だけでなく素体11に埋設するように設けても良く、カーボンを含有したもの以外にも、金属から形成されたものでも良い。
以上のように本発明にかかるチップ部品の製造方法は、チップ部品の変形を抑制して製造できるので、各種電子機器に適用できる。
10 導体層
11 素体
12 回路パターン
13 電極
14 コイル
15 ビア
16 空隙部
17 絶縁樹脂層
18 基板
19 金属層
20 引き出し電極
11 素体
12 回路パターン
13 電極
14 コイル
15 ビア
16 空隙部
17 絶縁樹脂層
18 基板
19 金属層
20 引き出し電極
Claims (5)
- 樹脂硬化物からなる素体と、前記素体に埋設した回路パターンとを備え、前記素体の表面に導体層を配置したチップ部品。
- 前記導体層はカーボンを含有する請求項1記載のチップ部品。
- 回路パターンは螺旋状金属からなるコイルとし、前記導体層は前記コイルの巻回軸に略直交する前記素体の表面に配置した請求項1記載のチップ部品。
- 前記導体層の光透過率と前記素体の光透過率とを異ならせ、前記導体層を画像認識用パターンとした請求項1記載のチップ部品。
- 前記樹脂硬化物は感光性樹脂を硬化させた感光性樹脂硬化物とした請求項1記載のチップ部品。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005146249A JP2006324461A (ja) | 2005-05-19 | 2005-05-19 | チップ部品の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009200435A (ja) * | 2008-02-25 | 2009-09-03 | Taiyo Yuden Co Ltd | 面実装型コイル部材 |
US20170352467A1 (en) * | 2016-06-01 | 2017-12-07 | Taiyo Yuden Co., Ltd. | Electronic component |
-
2005
- 2005-05-19 JP JP2005146249A patent/JP2006324461A/ja active Pending
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KR101926252B1 (ko) * | 2016-06-01 | 2018-12-06 | 다이요 유덴 가부시키가이샤 | 전자 부품 |
TWI668712B (zh) * | 2016-06-01 | 2019-08-11 | 太陽誘電股份有限公司 | Electronic parts |
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