JP2006324462A - チップ部品 - Google Patents

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Shinichi Morimoto
慎一 守本
Michio Oba
美智央 大庭
喜久 ▲高▼瀬
Yoshihisa Takase
Shinya Matsutani
伸哉 松谷
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Abstract

【課題】所定の回路パターンを精度良く形成し、特性劣化を抑制したチップ部品を提供することを目的としている。
【解決手段】感光性樹脂を硬化させた感光性樹脂硬化物からなる方形状の素体11と、この素体11に埋設した回路パターン12と、素体11の下面に配置した電極13とを備え、この素体11に埋設した回路パターン12は螺旋状金属からなるコイル14とするとともにコイル14の端部はビア15を介して電極13に接続しており、回路パターン12、電極13、ビア15をメッキ形成物とするとともに、ビア15をジグザグ状に配置した構成である。
【選択図】図1

Description

本発明は各種電子機器等に用いるチップ部品に関するものである。
以下、従来のチップ部品について図面を参照しながら説明する。
図6は従来のチップ部品の製造工程を示す工程図である。
図6に示すように、チップ部品の製造工程は、シート形成工程(A)と、シート加工工程(B)と、分離工程(C)とを備えている。
まず、複数のグリーンシート1を積層して未焼成のセラミックシート2を形成する(シート形成工程(A))。このとき、グリーンシート1に導体ペーストを印刷して所定の回路パターンを形成する。
次に、所定形状をした貫通孔3および凹凸部4が形成されるように、金型を用いてセラミックシート2を加工する(シート加工工程(B))。
次に、ダイシング切削法や押し切り切削等法を用いて、セラミックシート2の所定箇所を切断機5で切断し、貫通孔3の内周面や凹凸部4の外周面を外形の一部とする素体6を複数形成する(素体分離工程(C))。
そして、素体6を焼成し、素体6の両端に銀または銀パラジュームを塗布、焼き付けするとともにNiSnめっきを施してチップ部品を製造する。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2003−188036号公報
上記構成では、素体6はセラミックシート2からなるので、素体6を焼成する際に焼成収縮が生じる。このため、素体6に埋設される所定の回路パターンも収縮度を予測して形成する必要があり、所定の回路パターンを精度よく形成することが難しい。特に、外形寸法が1mm以下のチップ部品では、セラミックシート2からなる素体6を用いた場合、所定の回路パターンが精度良く形成されず、特性劣化を生じるという問題点を有していた。
本発明は上記問題点を解決するもので、所定の回路パターンを精度良く形成し、特性劣化を抑制したチップ部品を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有する。
本発明の請求項1記載の発明は、樹脂硬化物からなる素体と、前記素体に埋設した回路パターンと、前記素体の表面に配置した電極と、前記回路パターンと前記電極とを接続したビアとを備え、前記ビアはジグザグ状に配置した構成である。
上記構成により、素体は樹脂硬化物からなるので、素体は焼成されて形成されたものではなく素体の焼成収縮も生じないので、素体に埋設した回路パターンを精度良く形成でき、特性劣化を抑制できる。
また、素体とビアとは熱膨張係数が異なるため、温度変化によって各々が膨張伸縮を生じるが、回路パターンと電極とを接続したビアはジクザグ状に配置しているので、ビアを一直線状に配置した場合に比べて、ビアに係る応力を緩和しやすい。すなわち、ビアを一直線状に配置すると、この直線方向に応力が集中して膨張伸縮の割合が大きくなるものの、ビアをジグザグ状に配置すると、応力集中が抑制されて膨張伸縮の割合が小さくなる。よって、温度変化の膨張収縮に起因した素体とビアとの剥離を抑制することができる。
以下、本発明の全請求項に記載の発明について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施の形態におけるチップ部品の断面図、図2は回路パターンの状態を示す同チップ部品の透視斜視図、図3は端子部の状態を示す同チップ部品の透視斜視図、図4は図1のA部の拡大図、図5は同チップ部品の工程図である。
図1〜図3において、本発明の一実施の形態におけるチップ部品は、方形状の素体11と、この素体11に埋設した回路パターン12と、素体11の下面に配置した電極13とを備えている。この素体11に埋設した回路パターン12は螺旋状金属からなるコイル14とし、このコイル14の端部はビア15を介して電極13に接続している。素体11は感光性樹脂を硬化させた感光性樹脂硬化物からなり、回路パターン12、電極13、ビア15はメッキ形成物からなる。
特に、ビア15は、図4に示すように、ジグザグ状に配置している。
図5において、チップ部品の製造工程は次の通りである。
第1に、素体11の下面に配置する電極13を形成する(電極形成工程(A))。
まず、フォトリソグラフィ工法により、所定の空隙部16を有する絶縁樹脂層17を剥離用の基板18に形成する。この空隙部16は基板18の端部に各々形成する。
次に、この空隙部16を有する絶縁樹脂層17にはスパッタ工法、無電解メッキ工法、蒸着工法等により下地導体層(図示せず)を形成し、さらに、この下地導体層には電解メッキ工法等により金属層19を形成している。
次に、この金属層19を絶縁樹脂層17の少なくとも上面まで研磨することにより空隙部16に金属層19を配置している。この空隙部16に配置された金属層19が電極13となる。
第2に、螺旋状金属からなるコイル14を形成する(コイル形成工程(B))。
まず、フォトリソグラフィ工法により、所定の空隙部16を有する絶縁樹脂層17を形成する。この空隙部16は電極13と接続されるビア15形成用の空隙部16とコイル14形成用の螺旋状の空隙部16であって、ビア15形成用の空隙部16は電極13上に形成し、コイル14形成用の螺旋状の空隙部16は2つのビア15間に形成している。ビア15の詳細な製造工程は省略したが、フォトリソグラフィ工法により、ビア15用の空隙部16を有する絶縁樹脂層17を形成する工程と、この空隙部16を有する絶縁樹脂層17に金属層19を形成する工程とを交互に繰り返せば、図4に示すようなジグザグ状のビア15が形成される。
次に、この空隙部16を有する絶縁樹脂層17にはスパッタ工法、無電解メッキ工法、蒸着工法等により下地導体層を形成し、さらに、この下地導体層には電解メッキ工法等により金属層19を形成している。
次に、この金属層19を絶縁樹脂層17の少なくとも上面まで研磨することにより空隙部16のみに金属層19を配置している。ビア15形成用の空隙部16に配置された金属層19がビア15となり、コイル14形成用の螺旋状の空隙部16に配置された金属層19がコイル14となる。
第3に、コイル14の内周端と電極13上に形成したビア15とを連結する引き出し電極20を形成する(引き出し電極形成工程(C))。
まず、フォトリソグラフィ工法により、所定の空隙部16を有する絶縁樹脂層17を形成する。この空隙部16はコイル14の内周端と電極13上に形成したビア15とを連結する引き出し電極20用の空隙部16である。
次に、この空隙部16を有する絶縁樹脂層17にはスパッタ工法、無電解メッキ工法、蒸着工法等により下地導体層を形成し、さらに、この下地導体層には電解メッキ工法等により金属層19を形成している。
次に、この金属層19を絶縁樹脂層17の少なくとも上面まで研磨することにより空隙部16のみに金属層19を配置している。この空隙部16に配置された金属層19が引き出し電極20となる。
第4に、最上層の絶縁樹脂層17に保護用の絶縁樹脂層17を形成する(保護層形成工程(D))。
このとき、上記フォトリソ工法と同様の工程を用いて、保護層の表面にカーボンを含有した導体層を形成する。
最後に、剥離基板18を剥離してチップ部品を完成させる(完成工程(E))。
この製造方法において、絶縁樹脂層17は、感光性樹脂を硬化させた透明な感光性樹脂硬化物からなる。この絶縁樹脂層17は、エポキシ系やアクリル系等の樹脂を用いて、フォトリソグラフィ工法により所定形状に加工するが、一般的なフォトリソグラフィ工法で用いるレジストとは異なり、最終的なチップ部品の素体11を構成する。
研磨は、アルミナスラリーを用いたCMP(ケミカルメカニカルポリッシング)研磨を用いるとよい。金属層19をCuで形成し、CMP研磨によりエッチングしながら、Cuのみを選択的に研磨するので、精度が向上する。その他の研磨方法として、ダイヤモンドスラリーを用いた機械的研磨を用いてもよいが、精度の点でCMP研磨よりも不利である。
上記構成により、素体11は樹脂硬化物からなるので、素体11は焼成されて形成されたものではなく素体11の焼成収縮も生じないので、素体11に埋設した回路パターン12を精度良く形成でき、特性劣化を抑制できる。
また、素体11とビア15とは熱膨張係数が異なるため、温度変化によって各々が膨張伸縮を生じるが、回路パターン12と電極13とを接続したビア15はジグザグ状に配置しているので、ビア15を一直線状に配置した場合に比べて、ビア15に係る応力を緩和しやすい。すなわち、ビア15を一直線状に配置すると、この直線方向に応力が集中して膨張伸縮の割合が大きくなるものの、ビア15をジグザグ状に配置すると、応力集中が抑制されて膨張伸縮の割合が小さくなる。よって、温度変化の膨張収縮に起因した素体11とビア15との剥離を抑制することができる。特に、ビア15はメッキ形成物なので、膨張伸縮の割合が大きくなりやすいが、上記構成により膨張伸縮の割合を低減できる。
特に、素体11は、感光性樹脂を硬化させた感光性樹脂硬化物からなるので、素体11は透明となって外観検査が容易となるとともに、フォトリソグラフィ工法によって、素体11と回路パターン12と電極13とを同時に形成でき、製造工程の簡略が可能である。フォトリソグラフィ工法を用いて形成すれば、樹脂硬化物の中でも、回路パターン12や電極13をファインパターンに形成でき、回路パターン12としてコイル14を用いる際は、コイル14の厚みを容易に厚くして(コイル14のアスペクト比を大きくして)特性を向上できる。
なお、ビア15のジグザグ状の配置には、波状の配置も含むものとする。
以上のように本発明にかかるチップ部品は、素体に埋設した回路パターンを精度良く形成するとともに特性劣化を抑制できるので、各種電子機器に適用できる。
本発明の一実施の形態におけるチップ部品の断面図 回路パターンの状態を示す同チップ部品の透視斜視図 端子部の状態を示す同チップ部品の工程図 図1のA部の拡大図 同チップ部品の工程図 従来のチップ部品の工程図
符号の説明
11 素体
12 回路パターン
13 電極
14 コイル
15 ビア
16 空隙部
17 絶縁樹脂層
18 基板
19 金属層
20 引き出し電極

Claims (3)

  1. 樹脂硬化物からなる素体と、前記素体に埋設した回路パターンと、前記素体の表面に配置した電極と、前記回路パターンと前記電極とを接続したビアとを備え、前記ビアはジグザグ状に配置したチップ部品。
  2. 前記ビアはメッキ形成物とした請求項1記載のチップ部品。
  3. 樹脂硬化物は感光性樹脂を硬化させた感光性樹脂硬化物とした請求項1記載のチップ部品。
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