JP2006321855A - 導電性付与剤及び導電性材料 - Google Patents

導電性付与剤及び導電性材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 高柔軟性及び高導電性を有するとともに、樹脂やゴム等の高分子材料とのなじみが良く、ブリードしにくい導電性付与剤並びに該導電性付与剤を含有する導電性材料を提供する。
【解決手段】 イオン性液体を含んでなる導電性付与剤、及び、下記一般式(1);
【化1】
Figure 2006321855

(式中、Xは、B、C、O、Al、Si、P、S、As及びSeからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表す。A及びBは、同一又は異なって、有機連結基を表す。Qは、有機基を表す。aは、1以上の整数であり、b、c、d及びeは、0以上の整数である。)で表されるアニオンを有するイオン性化合物を含んでなる導電性付与剤である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電性付与剤及び導電性材料に関する。より詳しくは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム等の高分子材料に導電性や帯電防止性等を付与するための導電性付与剤及びこのような導電性付与剤を含有する導電性材料に関する。
導電性材料は、例えば、導電性シート;電子写真式プリンターや複写機等の帯電部材、クリーニング部材、現像部材;高分子感温体;帯電防止性を有する樹脂材料等の用途に広く使用されている。このような導電性材料は、ポリウレタン、スチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム等の高分子材料に導電性付与剤を添加して、電気抵抗(表面抵抗)を一定に調整して用いられている。なお、導電性付与剤により、導電性や帯電防止性等が高分子材料に付与されることになる。
従来の導電性付与剤としては、カーボンブラックや酸化鉄等の電子導電剤が用いられている。しかしながら、これらの電子導電剤を高分子材料に添加した場合には、得られる導電性材料の硬度が高くなることから、軟化剤を配合させて硬度を低減する必要があり、この場合には、時間の経過とともにブリードが発生し、軟化剤がしみ出す点で工夫の余地があった。また、これらの電子導電剤を高分子材料に添加して得た導電性材料は、電気抵抗の位置ばらつきが大きく、電気抵抗の電圧依存性が大きい等という点において工夫の余地があった。
そこで、電子電導剤に代替するものとして、高分子材料の有する柔軟性を維持しつつ、電気抵抗のばらつきや電圧依存性が小さい等という利点を有するイオン導電剤が種々検討されている。例えば、特定構造を有するスピロアンモニウム化合物塩からなるイオン導電剤が含有されてなる導電性付与剤(例えば、特許文献1参照。)、特定構造を有する第4級アンモニウム塩化合物を含有してなる導電性材料(例えば、特許文献2参照。)、第4級アンモニウム塩系重合体と多価金属化合物からなる導電性付与剤(例えば、特許文献3参照。)等が開示されている。しかしながら、これらの手法においては、高分子材料の有する柔軟性をより充分に発揮するとともに、高分子材料とのなじみが良く、導電性や耐久性、長期安定性等の物性により優れた導電性付与剤とするための工夫の余地があった。
特開2004−269805号公報(第2頁) 特開平11−209633号公報(第2頁) 特開平5−016518号公報(第2頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、高柔軟性及び高導電性を有するとともに、樹脂やゴム等の高分子材料とのなじみが良く、ブリードしにくい導電性付与剤並びに該導電性付与剤を含有する導電性材料を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、導電性付与剤について種々検討したところ、イオン導電剤が柔軟性を保ちつつ、電気抵抗のばらつきや電圧依存性が小さい等の特性を有することに着目し、イオン導電剤としてのイオン性液体を含んでなる導電性付与剤とすると、長期安定性が向上されるとともに、高分子材料とのなじみが良くなり、ブリードによる導電性付与剤のしみ出しが充分に抑制されることを見いだし、また、特定のアニオンを有するイオン性化合物を含んでなる導電性付与剤とすることによっても同様の作用効果を発揮できることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。そして、このようなイオン性液体や特定のアニオンを有するイオン性化合物を含んでなる導電性付与剤と、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、ゴム等の高分子材料とを含有する導電性材料が、例えば、導電性シート;電子写真式プリンターや複写機等の帯電部材、クリーニング部材、現像部材;高分子感温体;帯電防止性を有する樹脂材料等の用途において、導電性や帯電防止性等の特性を充分に発揮できることを見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、イオン性液体を含んでなる導電性付与剤である。
本発明はまた、下記一般式(1);
Figure 2006321855
(式中、Xは、B、C、O、Al、Si、P、S、As及びSeからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表す。A及びBは、同一又は異なって、有機連結基を表す。Qは、有機基を表す。aは、1以上の整数であり、b、c、d及びeは、0以上の整数である。)で表されるアニオンを有するイオン性化合物を含んでなる導電性付与剤でもある。
本発明は更に、上記導電性付与剤と、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び/又はゴムとを含有する導電性材料でもある。
以下に本発明を詳述する。
本発明の導電性付与剤としては、(1)イオン性液体を含む形態、又は、(2)上記一般式(1)で表されるアニオンを有するイオン性化合物を含む形態のいずれかの形態のものであるが、該(1)及び(2)を満たす形態、すなわち、上記一般式(1)で表されるアニオンを有するイオン性化合物が液状の化合物(イオン性液体)である形態であってもよい。
なお、イオン性化合物とは、カチオンとアニオンとにより構成される化合物であり、イオン性液体とは、該イオン性化合物のうち液体形状のものを意味する。本発明においては、このようなイオン性化合物又はイオン性液体を1種又は2種以上含有することができ、これらを2種以上含有する場合には、カチオンとアニオンとにより構成される化合物が2種以上含有することになればよく、カチオン又はアニオンが同種のものであってもよい。
上記形態(1)の導電性付与剤において、イオン性液体としては、40℃において、一定体積をもち、かつ流動性を有する液体であることが好ましい。具体的には、40℃で200mPa・s以下の液体であることが好ましい。より好ましくは、40℃で100mPa・s以下の液体であり、更に好ましくは、40℃で50mPa・s以下の液体である。なお、粘度の測定方法としては、例えば、TV−20形粘度計 コーンプレートタイプ(トキメック社製)を用いて測定することができる。
上記イオン性液体としては、カチオンとアニオンとにより構成される液状の化合物である限り特に限定されるものではないが、該アニオンが上記一般式(1)で表されるアニオンであることが好適である。このようなアニオンを有することにより、イオン導電性がより向上されることから、高柔軟性及び高導電性であって、樹脂やゴム等の高分子材料とのなじみが良く、耐久性や長期安定性に優れ、ブリードしにくいという本発明の作用効果をより充分に発揮することが可能となる。
上記形態(2)の導電性付与剤において、イオン性化合物としては、液体形状のもの、すなわちイオン性液体であることが好適であり、より好ましくは、40℃において、一定体積をもち、かつ流動性を有する液体であることである。具体的な好ましい形態としては、上記イオン性液体において上述したとおりである。なお、このようにイオン性液体とすることによって、柔軟性や高分子材料とのなじみがより充分に良好なものとなり、導電性付与剤として求められるより充分な電気的特性を発揮することが可能となる。
上記イオン性化合物としては、上記一般式(1)で表されるアニオンを有するものであるが、これにより、上述したように本発明の作用効果をより充分に発揮することが可能となる。
上記一般式(1)で表されるアニオンに関し、一般式(1)中の記号について、以下に更に説明する。
Xは、B、C、O、Al、Si、P、S、As及びSeから選ばれる少なくとも1種の元素を表すが、C、N又はSが好ましい。より好ましくは、C又はSであり、これにより、効率良く表面抵抗値を低減できる。このように上記一般式(1)におけるXが、炭素原子(C)又は硫黄原子(S)である形態は、本発明の好適な形態の1つである。更に好ましくはCであり、これによって更に耐熱性を向上することが可能となる。
A及びBは、同一又は異なって、有機連結基を表すが、それぞれ独立に、−S−、−O−、−SO−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種の連結基であることが好ましく、より好ましくは、−SO−、−CO−である。
Qは、有機基を表すが、水素原子、ハロゲン原子、C(2p+1−q)、OC(2p+1−q)、SO(2p+1−q)、CO(2p+1−q)、COC(2p+1−q)、SO5−r、NO(式中、1≦p≦6、0<q≦13、0<r≦5である)等が好ましい。より好ましくは、フッ素原子、塩素原子、C(2p+1−q)、SO(2p+1−q)である。
またaは、1以上の整数であり、b、c、d及びeは、0以上の整数であるが、a、d及びeは、元素Xの価数によって決まることになり、例えば、Xが硫黄原子(S)の場合、a=1、d=0、e=0となり、Xが窒素原子の場合、(1)a=2、d=0、e=0、(2)a=1、d=1、e=0、又は、(3)a=1、d=0、e=1のいずれかとなる。また、b及びcは0であることが好適である。
上記一般式(1)で表されるアニオンとしては、ジシアノアミドアニオン(DCA)、チオシアネートアニオン、トリシアノメチドアニオン(TCM)、テトラシアノホウ素アニオン、シアノオキシアニオン(CYO)等が好適であり、これにより、本発明の作用効果をより充分に発揮することが可能となる。中でも、トリシアノメチドアニオンがより好ましい。
上記イオン性液体及びイオン性化合物としては、導電性付与剤とした場合に好適に作用するものであればその他のアニオンを含有することができる。その他のアニオンとしては、例えば、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオン(TFSI)、テトラフルオロホウ酸アニオン、酢酸や安息香酸等のモノカルボン酸、フタル酸、マレイン酸、コハク酸アニオン等のジカルボン酸アニオン、メチル硫酸、エチル硫酸等の硫酸エステルアニオン等を含有していてもよい。また、含フッ素無機イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサフルオロニオブ酸イオン、ヘキサフルオロタンタル酸イオン等の含フッ素無機イオン;フタル酸水素イオン、マレイン酸水素イオン、サリチル酸イオン、安息香酸イオン、アジピン酸イオン等のカルボン酸イオン;ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、パーフルオロブタンスルホン酸等のスルホン酸イオン;ホウ酸イオン、リン酸イオン等の無機オキソ酸イオン;ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドイオン、パーフルオロアルキルフルオロボレートイオン、パーフルオロアルキルフルオロホスフェートイオン、ボロジカテコレート、ボロジグリコレート、ボロジサリチレート、ボロテトラキス(トリフルオロアセテート)、ビス(オキサラト)ボレート等の四配位ホウ酸イオン等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記導電性付与剤において、アニオンの存在量(全てのアニオンの存在量)としては、導電性付与剤100質量%に対し、アニオンの由来となる化合物の含有量の下限値が1質量%となることが好ましい。より好ましくは5質量%であり、更に好ましくは10質量%である。また、上限値としては99.5質量%が好ましい。より好ましくは95質量%であり、更に好ましくは90質量%である。
なお、本発明の導電性付与剤に含まれる全アニオン中の上記一般式(1)で表されるアニオンの質量割合としては、アニオンの総量100質量%に対し、下限が5質量%であることが好適である。これにより、本発明の作用効果をより充分に発揮することが可能となる。より好ましい下限は20質量%である。
本発明の導電性付与剤としてはまた、イオン性液体又はイオン性化合物を構成するカチオンを含有することになるが、その他のカチオンを含有することもできる。このような本発明の導電性付与剤に含有されることになるカチオンとしては、導電性付与剤とした場合に好適に作用するものであればよく、例えば、下記一般式(2);
Figure 2006321855
(式中、Lは、C、Si、N、P、S又はOを表す。Rは、同一又は異なって、有機基であり、互いに結合していてもよい。sは、3、4又は5であり、元素Lの価数によって決まる値である。)で表されるオニウムカチオンを必須としてなることが好適である。また、このようなカチオンは、本発明の導電性付与剤に含有されるイオン性液体又はイオン性化合物を形成するカチオンであることが好ましい。より好ましくは、上記イオン性液体又はイオン性化合物が、上記一般式(1)で表されるアニオンと上記一般式(2)で表されるカチオンとから構成されるものであることである。この場合、上記一般式(1)で表されるアニオンと上記一般式(2)で表されるカチオンとから構成されるイオン性液体又はイオン性化合物は、常温で溶融した状態を安定に保つ常温溶融塩となり、このような溶融塩を含む本発明の導電性付与剤は、長期間に亘って更に充分な安定性を発揮できることとなり、ブリードによる導電性付与剤のしみ出しを更に充分に抑制することが可能となる。なお、溶融塩とは、室温から80℃の温度範囲において液体状態を安定に保つことができるものである。
上記一般式(2)で表されるオニウムカチオンとしては、下記一般式;
Figure 2006321855
(式中、Rは、上記一般式(2)と同様である。)で表されるものがより好適である。これらの中でも、下記の(I)〜(IV)のオニウムカチオンが更に好ましい。
なお、下記(I)〜(III)のカチオンを表す式中、R〜R12は、同一若しくは異なって、有機基を表し、互いに結合していてもよいものであるが、例えば、水素原子、フッ素原子、アミノ基、イミノ基、アミド基、エーテル基、エステル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルバモイル基、シアノ基、スルホン基、スルフィド基や、直鎖、分岐鎖又は環状で、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等を含んでもよい炭素数1〜18の炭化水素基、炭化フッ素基等が好ましく、より好ましくは、水素原子、フッ素原子、シアノ基、スルホン基、炭素数1〜8の炭化水素基、炭化フッ素基である。
(I)下記一般式で表される10種類の複素環オニウムカチオン。
Figure 2006321855
(II)下記一般式で表される5種類の不飽和オニウムカチオン。
Figure 2006321855
(III)下記一般式で表される9種類の飽和環オニウムカチオン。
Figure 2006321855
(IV)RがC〜Cのアルキル基である鎖状オニウムカチオン。
これらのオニウムカチオンの中でも、特に好ましくは、一般式(2)におけるLが窒素原子であるものであり、最も好ましくは、下記一般式;
Figure 2006321855
(式中、R〜R12は、上記(I)〜(III)を表す一般式におけるR〜R12と同様である。)で表される6種類のオニウムカチオンや、トリエチルメチルアンモニウム、ジメチルエチルプロピルアンモニウム、ジエチルメチルメトキシエチルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、トリメチルブチルアンモニウム、トリメチルヘキシルアンモニウム等の鎖状オニウムカチオン等である。
上記導電性付与剤において、カチオンの存在量(全てのカチオンの存在量)としては、導電性付与剤中に存在するアニオン1molに対し、下限値が0.5molであることが好ましい。より好ましくは0.8molである。また、上限値としては2.0molであることが好ましく、より好ましくは1.2molである。
なお、上記導電性付与剤に含まれる全カチオン中の上記一般式(2)で表されるオニウムカチオンの質量割合としては、カチオンの総量100質量%に対し、下限が5質量%であることが好適である。これにより、長期間に亘る安定性を更に充分に発揮でき、ブリード抑制能を更に高めることが可能となる。より好ましい下限は20質量%である。
上記導電性付与剤としては更に、水や有機溶媒を含有することができる。有機溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、クラウンエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエ−テル、ジオキサン等のエーテル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等のカーボネート類;炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル、炭酸メチルフェニル等の鎖状炭酸エステル類;炭酸エチレン、炭酸プロプレン、2,3−ジメチル炭酸エチレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、2−ビニル炭酸エチレン等の環状炭酸エステル類;蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸、プロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル等の脂肪族カルボン酸エステル類;安息香酸メチル、安息香酸エチル等の芳香族カルボン酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のカルボン酸エステル類;リン酸トリメチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリエチル等のリン酸エステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル等のニトリル類;N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルピロリドン、N−ビニルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4ジメチルスルホラン等の硫黄化合物類:エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,6−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類;ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド類;ベンゾニトリル、トルニトリル等の芳香族ニトリル類;ニトロメタン、1,3−ジメチル−2イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中でも、炭酸エステル類、脂肪族エステル類、エーテル類がより好ましく、カーボネート類が更に好ましい。
上記導電性付与剤が水や有機溶媒を含有する場合において、水や有機溶媒の含有割合としては、導電性付与剤100質量%に対し、上限値が99質量%であることが好適である。これにより、揮発分が充分に低減され、しかも例えば−55℃の低温においても凍ることがなく、化学的及び熱的安定性に優れるものとなる。より好ましくは85質量%であり、更に好ましくは75質量%であり、特に好ましくは65質量%である。また、下限値としては1質量%であることが好適であり、より好ましくは1.5質量%であり、更に好ましくは20質量%であり、特に好ましくは50質量%である。
なお、上記導電性付与剤が非水系溶媒を含有する場合には、水分含量を制御することが好適であり、これにより、水に起因する影響が充分に軽減され、柔軟性や高分子材料とのなじみを良好なものとすることが可能となる。具体的には、非水系溶媒を含有する場合、上記導電性付与剤中の水分濃度の下限が1質量%であることが好適であり、より好ましくは0.1質量%である。また、上限値は0.01質量%であることが好ましい。
上記導電性付与剤としては、共役二重結合を有する窒素複素環カチオンを必須としてなることが好ましく、これにより、電気化学的安定性がより向上されることとなる。
上記共役二重結合を有する窒素複素環カチオンとしては、上述した(I)の10種類の複素環オニウムカチオンや、上記(II)の5種類の不飽和オニウムカチオン等のうち、共役二重結合を有し、上記一般式(2)におけるLが窒素原子であるものが好適である。
上記導電性付与剤としてはまた、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を含んでも良い。このようなアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を含んでなる本発明の導電性付与剤は、電解質を含有するものとなり、電気抵抗のばらつきや電圧依存性を更に充分に低減することが可能となり、また、長期間通電した場合の電気抵抗値の変動を更に充分に低減することが可能となる。アルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩が好適であり、アルカリ土類金属塩としては、カルシウム塩、マグネシウム塩が好適である。より好ましくは、リチウム塩である。
上記アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩としては、上述のようなアニオンを必須とする化合物であっても、それ以外の化合物であってもよい。
上記アニオンを必須とする化合物の場合には、上記一般式(1)で表されるアニオンのアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩であることが好ましく、リチウム塩であることがより好ましい。このようなリチウム塩としては、上述した好ましいアニオンのリチウム塩の他にも、LiC(CN)、LiSi(CN)、LiB(CN)、LiAl(CN)、LiP(CN)、LiP(CN)、LiAs(CN)、LiOCN、LiSCN等が好適である。
それ以外の化合物である場合には、導電性付与剤中での解離定数が大きい電解質塩であることが好ましく、例えば、LiCFSO、NaCFSO、KCFSO等のトリフロロメタンスルホン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩;LiN(CFSO、LiN(CFCFSO等のパーフロロアルカンスルホン酸イミドのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩;LiPF、NaPF、KPF等のヘキサフロロリン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩;LiClO、NaClO等の過塩素酸アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩;LiBF、NaBF等のテトラフロロ硼酸塩;LiAsF、LiI、NaI、NaAsF、KI等のアルカリ金属塩が好適である。これらの中でも、溶解性やイオン伝導度の点から、LiPF、LiBF、LiAsF、パーフロロアルカンスルホン酸イミドのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が好ましい。
また上記導電性付与剤は、その他の電解質塩を含有していてもよく、過塩素酸テトラエチルアンモニウム等の過塩素酸の四級アンモニウム塩;(CNBF等のテトラフロロ硼酸の四級アンモニウム塩、(CNPF等の四級アンモニウム塩;(CHP・BF、(CP・BF等の四級ホスホニウム塩等が好適であり、溶解性やイオン伝導度の点から、四級アンモニウム塩が好適である。
上記導電性付与剤における電解質塩の存在量としては、導電性付与剤100質量%に対して、電解質塩の下限が0.1質量%であることが好ましく、また、上限が50質量%であることが好ましい。0.1質量%未満であると、イオンの絶対量が充分とはならず、イオン導電性を充分に向上させることができないおそれがあり、50質量%を超えると、イオンの移動がより円滑なものとはならないおそれがある。より好ましい上限値は30質量%である。
上記導電性付与剤は、本発明の作用効果を奏する限り、上記以外の構成要素を1種又は2種以上含んでいてもよく、例えば、各種無機酸化物微粒子を含有していてもよい。
上記無機酸化物微粒子としては、非電子伝導性、電気化学的に安定なものが好適である。このような微粒子としては、α、β、γ−アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、チタン酸バリウム、酸化チタン、ハイドロタルサイト等のイオン伝導性又は非電導性セラミックス微粒子が好適である。
上記無機酸化物微粒子の比表面積としては、できるだけ大きいことが好ましく、具体的には、BET法で5m/g以上であることが好ましい。より好ましくは、50m/g以上である。このような無機酸化物微粒子の結晶粒子径としては、上記導電性付与剤における他の構成要素と混合できればよいが、大きさ(平均結晶粒径)としては0.01μm以上が好ましく、また、20μm以下が好ましい。より好ましくは、0.01μm以上であり、また、2μm以下である。
上記無機酸化物微粒子の形状としては、球形、卵形、立方体状、直方体状、円筒、棒状等の種々の形状のものを用いることができる。
上記無機酸化物微粒子の添加量としては、導電性付与剤100重量部に対して当該添加量の下限が100重量部であることが好ましい。100重量部を超えると、イオンの移動をより円滑にすることができないおそれがある。より好ましい下限は0.1重量部であり、また上限は20重量部である。
また、その他、無水酢酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物やその酸化合物、トリエチルアミン、メチルイミダゾール等の塩基性化合物を添加してもよい。添加量としては、導電性付与剤100質量%に対して、50質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.01質量%以上、20質量%以下である。
上記導電性付与剤にはまた、上述した塩や溶媒の他にも種々の添加剤を含有させてもよい。添加剤を加える目的は多岐にわたり、電気伝導率の向上、熱安定性の向上、濡れ性の改善等を挙げることができる。このような添加剤としては、例えば、p−ニトロフェノール、m−ニトロアセトフェノン、p−ニトロ安息香酸等のニトロ化合物;リン酸ジブチル、リン酸モノブチル、リン酸ジオクチル、オクチルホスホン酸モノオクチル、リン酸等のリン化合物;ホウ酸又はホウ酸と多価アルコール(エチレングリコール、グリセリン、マンニトール、ポリビニルアルコール等)や多糖類との錯化合物等のホウ素化合物;ニトロソ化合物;尿素化合物;ヒ素化合物;チタン化合物;ケイ酸化合物;アルミン酸化合物;硝酸及び亜硝酸化合物;2−ヒドロキシ−N−メチル安息香酸、ジ(トリ)ヒドロキシ安息香酸等の安息香酸類;グルコン酸、重クロム酸、ソルビン酸、ジカルボン酸、EDTA、フルオロカルボン酸、ピクリン酸、スベリン酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘテロポリ酸(タングステン酸、モリブデン酸)、ゲンチシン酸、ボロジゲンチシン酸、サリチル酸、N−アミノサリチル酸、ボロジプロトカクテ酸、ボロジピロカテコール、バモン酸、ボン酸、ボロジレゾルシル酸、レゾルシル酸、ボロジプロトカクエル酸、グルタル酸、ジチオカルバミン酸等の酸類;そのエステル、そのアミド及びその塩;シランカップリング剤;シリカ、アミノシリケート等のケイ素化合物;トリエチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン等のアミン化合物;L−アミノ酸類;ベンゾール;多価フェノール;8−オキシキノリン;ハイドロキノン;N−メチルピロカテコール;キノリン;チオアニソール、チオクレゾール、チオ安息香酸等の硫黄化合物;ソルビトール;L−ヒスチジン等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記添加剤の含有量は特に限定されないが、例えば、導電性付与剤100質量%に対して、0.1質量%以上、また、20質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.5質量%以上、10質量%以下である。
本発明の導電性付与剤のイオン伝導度としては、−55℃において1×10−7S/cm以上であることが好ましい。1×10−7S/cm未満であると、本発明の導電性付与剤を用いてなる導電性材料が、優れたイオン伝導度を保って経時的に安定に機能することが充分にはできなくなるおそれがある。より好ましくは、1×10−6S/cm以上であり、更に好ましくは、5×10−5S/cm以上であり、特に好ましくは、1×10−4S/cm以上である。
上記イオン伝導度の測定方法としては、例えば、SUS電極を用いたインピーダンスアナライザーHP4294A(商品名、東陽テクニカ社製)やインピーダンスアナライザーSI1260(商品名、ソーラトロン社製)を用いて行う複素インピーダンス法により測定する方法が好適である。
上記導電性付与剤はまた、25℃における粘度が300mPa・s以下であることが好ましく、これにより、より柔軟性が向上されるとともに、高分子材料とのなじみがより良好なものとなる。より好ましくは、200mPa・s以下であり、更に好ましくは、100mPa・s以下であり、最も好ましくは、50mPa・sである。
上記粘度の測定方法としては、特に限定はないが、例えば、25℃において、TV−20形粘度計 コーンプレートタイプ(トキメック社製)を用いて測定する方法が好適である。
本発明の導電性付与剤は、上述したように、高柔軟性及び高導電性を有し、高分子材料とのなじみが良く、ブリードしにくい等という特性を有するものであることから、これを高分子材料に添加することにより、導電性や帯電防止性に特に優れた導電性材料を得ることが可能となる。なお、高分子材料としては特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、ゴム等を用いることが好適であり、このように、上記導電性付与剤と、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び/又はゴムとを含有する導電性材料もまた、本発明の1つである。
上記導電性材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び/又はゴム(なお、以下では、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及びゴムを「高分子材料」とも称する。)に、上記導電性付与剤を添加して混練した後、フィルム状、シート状又はロール状等に成形して用いられることとなる。このように、上記導電性付与剤を用いることにより、導電性や柔軟性が高く、高分子材料とのなじみが良好であり、ブリードによるしみ出しがなく、しかも長期間安定した特性を発揮できる導電性材料が得られることとなる。
なお、添加方法や、混練方法、成形方法としては特に限定されず、通常用いられる方法を使用すればよい。
上記導電性材料において、導電性付与剤と、高分子材料との含有比としては、導電性材料が使用される用途や求められる特性等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、高分子材料100重量部に対し、導電性付与剤を構成する上記イオン性液体又はイオン性化合物の下限が0.1重量部、上限が20重量部となるように設定することが好適である。0.1重量部未満でなると、得られる導電性材料の導電性が充分とはならないおそれがあり、20重量部を超えると、ブリードを充分に抑制することができないおそれがある。より好ましくは、下限が0.5重量部、上限が10重量部である。
上記高分子材料において、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂及びその組成物;ポリアセタール、ポリアクリレート、アクリル樹脂及びその組成物;ポリフェニレンエーテル(PPE)、PPE/ポリスチレン、PPE/ポリアミド(PA)、PPE/ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリフェニレンエーテル系樹脂及びその組成物;ポリエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PBT/ABS等のポリエステル系樹脂及びその組成物;ポリカーボネート(PC)、PC/ABS、PC/PET、PC/PBT等のポリカーボネート系樹脂及びその組成物;ポリウレタン及びその組成物;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン;ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド;ポリフェニレンサルファイド系樹脂及びその組成物;ポリサルホン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することが好ましい。これらの中でも、導電性に優れる点から、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂がより好ましく、上記高分子材料として、これらの樹脂の少なくとも1種を用いることが好適である。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することが好ましい。
上記ゴムとしては、例えば、ウレタンゴム、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム、シリコンゴム、フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体ウレタンゴム、スチレンブタジエン共重合体ゴム及びそれらの発泡体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することが好ましい。
本発明の導電性付与剤は、上述のような構成であるので、高柔軟性及び高導電性を有するとともに、樹脂やゴム等の高分子材料とのなじみが良く、ブリードしにくいものであることから、例えば、導電性シート;PCT(Pressure Cooker Test)素子;電子写真式プリンターや複写機等の帯電部材、クリーニング部材、現像部材、転写部材;高分子感温体、家電・OA機器、ゲーム機器及び事務機器等のハウジング製品、IC(Integrated Circuit)トレー等の各種プラスチック容器、各種包材用フィルム、床材用シート、人工芝、マット、並びに、自動車部品等の各種成形体;帯電防止性を有する樹脂材料等の導電性材料に好適に用いられることとなる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を意味するものとする。
実施例1
末端水酸基を有するエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体90部に導電性付与剤である1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリシアノメチド10部を加えた後、温度70℃で加熱混練させ樹脂組成物を得た。次いで熱可塑性樹脂であるメタクリル酸メチル重合体(分子量:約20万)100部に、先に得られた樹脂組成物20部を添加し、テストロール機(日新科学社製、HR−2型)中、温度100℃で加熱混練して、厚さ2mmの均一なシートを得た。得られたシートの表面抵抗を表面抵抗測定機(三菱化学社製、HT−210)を用いて測定したところ、8×10(Ω)であった。また表面のブリードは観測されなかった。
実施例2
実施例1におけるメタクリル酸メチル重合体の代わりにポリエステル樹脂(ボリブチレンテレフタレート)を用い上記樹脂組成物を20部添加し、テストロール機(日新科学社製、HR−2型)中、250℃で加熱混練して、厚さ1mmの均一なシートを得た。得られたシートの表面抵抗を実施例1と同様に測定したところ、6×10(Ω)であった。また表面のブリードは観測されなかった。
実施例3
実施例1における1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリシアノメチドの代わりに1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネートを用いた以外同様の操作を行い、均一なシートを得た。得られたシートの表面抵抗を実施例1と同様に測定したところ、5×10(Ω)であった。また表面のブリードは観測されなかった。
実施例4
グリセリンにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをランダムに付加して、分子量3000としたポリエーテルポリオール100部に、ジフェニルメタンジイソシアネート20部、ジブチルチンラウレート0.1部、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリシアノメチド3部を混合し、温度100℃で加熱した金型に注入し2時間硬化させ成型体を得た。得られたシートの表面抵抗を実施例1と同様に測定したところ、2×10(Ω)であった。また表面のブリードは観測されなかった。
比較例1
実施例1における1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリシアノメチドの代わりに過塩素酸リチウムを用いた以外同様の操作を行い、シートを得た。得られたシートの表面抵抗を実施例1と同様に測定したところ、5×10(Ω)であった。また表面にブリードが一部観測された。

Claims (4)

  1. イオン性液体を含んでなることを特徴とする導電性付与剤。
  2. 下記一般式(1);
    Figure 2006321855
    (式中、Xは、B、C、O、Al、Si、P、S、As及びSeからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表す。A及びBは、同一又は異なって、有機連結基を表す。Qは、有機基を表す。aは、1以上の整数であり、b、c、d及びeは、0以上の整数である。)で表されるアニオンを有するイオン性化合物を含んでなることを特徴とする導電性付与剤。
  3. 前記一般式(1)におけるXは、炭素原子(C)又は硫黄原子(S)であることを特徴とする請求項2に記載の導電性付与剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の導電性付与剤と、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び/又はゴムとを含有することを特徴とする導電性材料。
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